JPH10284294A - プラズマ処理方法、プラズマ処理装置、半導体装置の製造方法及びマイクロ波分散板 - Google Patents

プラズマ処理方法、プラズマ処理装置、半導体装置の製造方法及びマイクロ波分散板

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JPH10284294A
JPH10284294A JP9101056A JP10105697A JPH10284294A JP H10284294 A JPH10284294 A JP H10284294A JP 9101056 A JP9101056 A JP 9101056A JP 10105697 A JP10105697 A JP 10105697A JP H10284294 A JPH10284294 A JP H10284294A
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microwave
dispersion plate
opening
dielectric
vacuum vessel
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JP9101056A
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English (en)
Inventor
Akinori Ozaki
成則 尾▲崎▼
Masashi Inoue
雅司 井上
Masahide Iwasaki
征英 岩▲崎▼
Kazuhiro Isa
和裕 伊佐
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料に対するプラズマ処理速度の低下を招く
ことなく、安定且つ均一なプラズマ処理を行うこと。 【解決手段】 真空容器(12,14)に導入されるマ
イクロ波の進行方向と直交する断面において、当該マイ
クロ波の通過範囲を規制する。そして、その際にマイク
ロ波を大気より大きな誘電率を有する物質(46)中を
通過させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品や半導体
素子の製造工程におけるエッチングや薄膜形成等の処理
をプラズマを利用して行うプラズマ処理技術に関し、特
に、プラズマの励起に利用されるマイクロ波の電界強度
分布を均一化するマイクロ波分散板を利用したプラズマ
処理技術及び、当該マイクロ波分散板の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマ処理装置においては、微量の反
応ガスを含む真空容器内にマイクロ波を導入し、当該真
空容器内でガス放電を生起させてプラズマを生成する。
そして、このプラズマを試料基板の表面に照射すること
によって、エッチング及び薄膜形成等の処理が行われ
る。このようなプラズマ処理装置は、高集積半導体素子
の製造に欠かせないものとして、その研究が進められて
いる。特に、プラズマの励起に電子サイクロトロン共鳴
(ECR:Electron Cyclotron Resonace)を利用した
ECRプラズマ処理装置は、低ガス圧領域下で活性度の
高いプラズマを生成できる装置として有望視されてい
る。
【0003】ところで、プラズマ処理装置における処理
品質の向上のためには、プラズマが試料の全範囲にわた
って均等な密度を有することが重要である。特に、近年
開発の進んでいる直径300mmの半導体ウエハのよう
に試料の処理面積が大きくなると、その試料上における
プラズマ(特にイオン)の強度分布を均一に保つことが
今まで以上に重要となる。仮に、真空容器内で生成され
るプラズマ粒子の分布が不均一であると、試料上におい
て高イオン密度領域と低イオン密度領域とが形成され、
エッチング処理においては、異方性を悪化させる等の不
都合が生じる。また、試料上で電位差が生じて電流が流
れ、当該試料上に形成される半導体素子を破壊するとい
う事態も生じかねない。一方、CVD処理においては、
半導体基板等の試料上のイオン電流密度が不均一である
と、当該基板上に生成される膜厚の偏りなどが生じて均
一な成膜が困難になる。そして、最終的にはプラズマ処
理を経て製造される半導体装置の性能劣化につながる。
【0004】そこで、従来においては、所定形状のスリ
ットが形成されたマイクロ波分散板を真空容器のマイク
ロ波導入側の端面に配置し、真空容器に導入されるマイ
クロ波の電界強度分布の均一化を図っていた。例えば、
特開平2−209484に開示されているように、円盤
状のマイクロ波分散板(スロット板)の一部に開口部を
形成し、当該開口部を介してマイクロ波を真空容器内に
導入するようになっている。また、マイクロ波分散板の
開口部の面積を小さくし、マイクロ波電力密度を増加さ
せることによって安定な放電を可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロ波分散板の開口部の面積を小さくすると、分散板から
マイクロ波を放射するインピーダンスが大きくなり、パ
ワーの大きなマイクロ波を供給した場合に、大部分のマ
イクロ波が反射されてしまう。従って、分散板の開口部
面積を小さくした場合には、試料上で高密度のプラズマ
を得ることが困難となる。大面積の基板をプラズマ処理
する場合には、小さい面積の基板に比べてマイクロ波の
パワーを増大させる必要があるが、上記のような従来の
方法では、このような要求に十分に応えることができな
い。その結果、基板の処理速度の低下を招くことにな
る。他方、プラズマのパワーアップ等の目的でスロット
の面積を大きくし過ぎると、プラズマの点火不良やプラ
ズマの均一化を図ることが困難となる。すなわち、本
来、マイクロ波分散板は被処理基板(試料)上でのプラ
ズマの均一性を図るために設計され、使用されるもので
あるのに、プラズマへの投入パワーの向上等の目的でス
ロット面積を大きく設計してしまうと、マイクロ波分散
板の本来の目的を達成することができなくなってしま
う。
【0006】本発明は上記のような状況に鑑みてなされ
たものであり、試料に対するプラズマ処理速度の低下を
招くことなく、安定且つ均一なプラズマ処理を行うこと
のできるプラズマ処理方法を提供することを第1の目的
とする。
【0007】また、試料に対するプラズマ処理速度の低
下を招くことなく、安定且つ均一なプラズマ処理を行う
ことのできるプラズマ処理装置を提供することを本発明
の第2の目的とする。
【0008】また、プラズマ処理速度の低下を招くこと
なく、半導体基板の安定且つ均一なプラズマ処理によ
り、良好な半導体装置の製造に貢献できる半導体装置の
製造方法を提供することを本発明の第3の目的とする。
【0009】更に、試料に対するプラズマ処理速度の低
下を招くことなく、安定且つ均一なプラズマ処理に適し
たマイクロ波分散板を提供することを本発明の第4の目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様は、真空容器(12,14)内
に導入されたマイクロ波によって生成されるプラズマを
用いて真空容器(12,14)内に配置された試料(1
0)に対して所定の処理を施すプラズマ処理方法におい
て、真空容器(12,14)に導入されるマイクロ波の
進行方向と直交する断面において、当該マイクロ波の通
過範囲を規制する。そして、マイクロ波の通過範囲を規
制する際に、当該マイクロ波を大気より大きな誘電率を
有する物質(46)中を通過させる。
【0011】本発明の第2の態様は、真空容器(12,
14)内に導入されたマイクロ波によって生成されるプ
ラズマを用いて真空容器(12,14)内に配置された
試料(10)に対して所定の処理を施すプラズマ処理装
置において、真空容器(12,14)に導入されるマイ
クロ波の進行方向と直交する断面において、当該マイク
ロ波の通過範囲を規制する開口部(44)を有するマイ
クロ波分散板(18)を備える。そして、マイクロ波分
散板(18)の開口部(44)に所定の誘電体(46)
を配設している。
【0012】本発明の第3の態様は、真空容器(12,
14)内に導入されたマイクロ波によって生成されるプ
ラズマを用いて真空容器(12,14)内に配置された
半導体基板(10)に対して所定の処理を施す工程を含
む半導体装置の製造方法において、真空容器(12,1
4)に導入されるマイクロ波の進行方向と直交する断面
において当該マイクロ波の通過範囲を規制する。そし
て、マイクロ波の通過範囲を規制する際に、当該マイク
ロ波を大気より大きな誘電率を有する物質(46)中を
通過させる。
【0013】本発明の第4の態様は、真空容器(12,
14)内に導入されたマイクロ波によって生成されるプ
ラズマを用いて真空容器(12,14)内に配置された
試料(10)に対して所定の処理を施すプラズマ処理装
置に使用され、真空容器(12,14)に導入されるマ
イクロ波の進行方向と直交する断面において、当該マイ
クロ波の通過範囲を規制する開口部(44)を有するマ
イクロ波分散板(18)において、開口部(44)に誘
電体(46)を配設している。
【0014】上記のような本発明の各態様において、誘
電体(46)としては、テフロン等のフッ素樹脂、アル
ミナ、窒化ホウ素及び石英の内から選択される物質を採
用することが好ましい。また、誘電体(46)はマイク
ロ波分散板(18)の開口部(44)の内部に埋め込ま
れることが好ましい。また、マイクロ波分散板(18)
の真空容器(12,14)側の面全体に渡って配設した
り、更に、マイクロ波分散板(18)の真空容器(1
2,14)と反対側の面における開口部(44)に対応
する領域に配設することができる。また、開口部(4
4)の内部に加えて、マイクロ波分散板(18)の両面
全体に渡って配設したり、マイクロ波分散板(18)の
両面における開口部(44)に対応する領域に配設して
も良い。
【0015】
【作用】以上のように本発明においては、真空容器(1
2,14)に導かれるマイクロ波は、マイクロ波分散板
(18)を透過する際に、誘電体(46)が配設された
開口部(44)を通過するため、マイクロ波の反射を最
小限に抑えることが出来る。一般に、マイクロ波の波長
λは誘電率εの物質中では1/√εとなる。このため、
マイクロ波が誘電体(46)を通過する際には、真空
(大気)中に比べてε倍広い断面積の空間を通過してい
るのと同じ状況となる。すなわち、透過するマイクロ波
のパワーの点においては、マイクロ波分散板(18)の
開口部(44)を誘電体(46)で埋めた場合には、誘
電体(46)を使用しない場合(大気)に比べて、ε倍
広い開口面積を持つ分散板と同等となる。これにより、
マイクロ波の供給パワーを大きくした場合にも、分散板
で反射されるマイクロ波を最小限に抑えることができ、
真空容器(12,14)内に大パワーのプラズマを生成
することが可能となる。
【0016】また、プラズマの安定化や、大きなパワー
のマイクロ波投入のために、マイクロ波分散板の開口部
の面積を大きくする必要がなく、プラズマの点火不良を
招いたり、開口部の形状の設計に望ましくない制限を与
えることが無くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て実施例を用いて説明する。以下に示す各実施例は、半
導体装置の製造工程の一部であるシリコンウエハのプラ
ズマ処理に本発明の技術的思想を適用したものである。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例にかかるプラズ
マ処理装置の構成を示す。本実施例のプラズマ処理装置
は、直径300mmのシリコンウエハ10に対してエッ
チング等の所定のプラズマ処理を行うものであり、プラ
ズマを生成する中空円筒形状のプラズマ生成室12と、
プラズマ生成室12に連通した反応室14とを備えてい
る。本装置で処理される試料としては、直径300mm
のシリコンウエハ10以外にも直径200mmのウエハ
やLCD用ガラス基板等、均一なプラズマ処理が要求さ
れる各種の試料を対象とすることが出来る。プラズマ生
成室12の上部には、マグネトロン等のマイクロ波発振
器(図示せず)に接続された円形導波管16が接続され
ている。
【0019】円形導波管16とプラズマ生成室12との
間には、図2に示す所謂スロットアンテナとして機能す
るマイクロ波分散板18及びマイクロ波導入窓20が配
置されている。マイクロ波分散板18は、図2に示すよ
うに、円盤状に成形された導電体板42の外周部近傍に
8つのスリット(開口部)44が等間隔に形成されてい
る。これらのスリット44をマイクロ波が透過すること
によって、プラズマ生成室12に導入されるマイクロ波
の電界強度分布の均一化が図れるようになっている。す
なわち、マイクロ波分散板18は、プラズマ生成室12
及び反応室14から成る真空容器に導入されるマイクロ
波の進行方向と直交する断面において、当該マイクロ波
の通過範囲を規制する。
【0020】導電体板42はアルミニウム、銅、ステン
レス等の導体から成り、スリット44の内部には誘電体
46が埋め込まれている。誘電体46としては、テフロ
ン等のフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、アルミナ(Al2
3)、窒化ホウ素(BN)、石英ガラス等を用いるこ
とが出来る。テフロン等のフッ素樹脂は、誘電体46の
加工が容易であるというメリットがある。また、アルミ
ナ(Al23)は、高誘電率を得ることができ、石英は
熱膨張が小さいという利点がある。
【0021】マイクロ波分散板18の下方に配置された
マイクロ波導入窓20は、石英ガラス等のマイクロ波透
過物質からなり、プラズマ生成室12を気密に封止する
ように設計されている。プラズマ生成室12の外側に
は、円形導波管16の接続部を含み、これらを同心円状
に囲む様に3段のメインコイル22,24,26が配置
されている。メインコイル22,24,26の下方に
は、1段のサブコイル28が配置されている。これらの
メインコイル22,24,26とサブコイル28は、電
流供給部40から必要な電流の供給を受け、プラズマ生
成室12内に磁束密度875ガウスの軸方向磁界(ミラ
ー磁場)を印加し、ECR現象を引き起こすようになっ
ている。
【0022】プラズマ生成室12に連通された反応室1
4内には、シリコンウエハ10を静電吸着等の固定手段
によって保持する試料台32が設置されている。反応室
14の側壁には、プラズマ生成室12及び反応室14の
ガスを排気する排気管34が設けられており、当該排気
管34からの真空排気によりプラズマ生成室12と反応
室14を高真空状態に維持できるようになっている。
【0023】反応室14には、プラズマ生成に必要な反
応ガスを供給するためのガス供給管36が設けられてい
る。また、図示しないが、プラズマ生成室12の周囲に
はクーラントパスが形成され、このクーラントパスを循
環する冷却水(クーラント)によってプラズマ生成室1
2を冷却するようになっている。
【0024】次に、本実施例の全体的な動作について説
明する。本実施例の装置を用い、半導体製造工程の一部
として、シリコンウエハ10上に形成されたポリシリコ
ン膜のエッチングを行う場合には、まず、処理対象とな
るシリコンウエハ10を試料台32上に固定する。その
後、排気管34からの真空排気により、プラズマ生成室
12及び反応室14の内圧を所定圧にまで減圧する。次
に、ガス供給管36からプラズマ生成室12及び反応室
14内に反応ガス(Cl2)を導入し、プラズマ生成室
12及び反応室14の内圧を1×10-3Torr 前後に保
つ。
【0025】その後、メインコイル22,24,26及
びサブコイル28の通電によりプラズマ生成室12の内
部に磁界を形成すると共に、円形導波管16からマイク
ロ波導入窓20及びマイクロ波分散板18を経てプラズ
マ生成室12内にマイクロ波を導入する。このマイクロ
波は、周波数f=2.45GHz(波長λ=約12.2c
m)、パワー1000W以上に設定される。
【0026】プラズマ生成室12内にマイクロ波が導入
されると、ECR面100において反応ガスを共鳴励起
し、プラズマを生成する。メインコイル22,24,2
6及びサブコイル28により形成される磁界は、反応室
14側に向かうに従って磁束密度が低下する発散磁界で
あり、プラズマ生成室12で生成されたプラズマは、こ
の発散磁界の作用により反応室14に引き出され、試料
台32上のシリコンウエハ10表面に照射されて、エッ
チングが行われる。
【0027】一方、本実施例の装置を用いてシリコンウ
エハ10への薄膜形成を行う場合には、以上の各手順に
加え、ガス供給管36を経て所定の原料ガスを導入し、
当該ガスにより生成されたプラズマをシリコンウエハ1
0に照射する。これによりシリコンウエハ10の表面に
は、原料ガスの反応により生成される物質の薄膜が形成
される。上記のように、エッチング又は薄膜形成処理が
行われたシリコンウエハ10は、他のプロセス処理を行
った後に各チップ毎にカッティングされ、ボンディング
やパッケージング等の工程を経てICやLSI等の半導
体デバイスとなる。
【0028】次に、上述した本実施例のマイクロ波分散
板18の作用について説明する。図3は、マイクロ波分
散板に入射するマイクロ波の進行電力(発振器出力)と
反射電力との変化を示す。図に示すケースは、反応ガス
として50sccm の Cl2 を用い、1×10-3Torr の圧
力下でプラズマを発生させるという条件で、マイクロ波
進行電力(発振器出力)を0〜3000Wまで変化させ
た。図において、白点はテフロン製の誘電体46を有す
るマイクロ波分散板18を用いた実施例の計測値を示
し、黒点は誘電体を備えない従来の分散板を用いた比較
例の計測値を示す。図より明らかなように、本実施例に
かかるマイクロ波分散板18を用いた場合には、進行電
力が増加しても反射電力はゼロに近い状態を維持してい
る。これに対して、従来のマイクロ波分散板を用いた場
合には、進行電力が1000W周辺から反射電力が増加
し始め、進行電力が3000Wの時点では反射電力が1
500W以上にも及ぶ。
【0029】図4は、マイクロ波分散板に入射するマイ
クロ波の進行電力(発振器出力)と実効入射電力(=進
行電力−反射電力)との関係を示し、図3の場合と同じ
条件で測定が行われた。図3と同様に、白点は誘電体4
6を有するマイクロ波拡散板18を用いた実施例の計測
値を示し、黒点は誘電体を備えない従来の分散板を用い
た比較例の計測値を示す。図より明らかなように、本実
施例にかかるマイクロ波分散板18を用いた場合には、
進行電力と実効入射電力の値が殆ど一致している。これ
は、図3に示すように、進行電力の大きさに関わらず反
射電力がゼロに近いためである。これに対して、従来の
マイクロ波分散板を用いた場合には、進行電力が100
0W周辺から実効入射電力が殆ど増加しなくなってい
る。これは、図3に示すように、進行電力の殆どがマイ
クロ波分散板において反射されてしまうからである。
【0030】また、上述した実施例と比較例に対してエ
ッチング速度のテストを行ったところ、実施例にかかる
マイクロ波分散板18が優れていることが判明した。テ
ストは、マイクロ波進行電力を2000Wとし、試料台
32に50WのRFバイアスを印可し、試料として直径
200mmのポリシリコン・ウエハを用いて行われた。
その結果、テフロン製の誘電体46を備えたマイクロ波
拡散板18を用いた場合(実施例)には、ウエハのエッ
チング速度は360nm/minであり、従来の分散板
を用いた場合には270nm/minであった。
【0031】以上のように本実施例においては、マイク
ロ波分散板18の開口部44に誘電体46を埋め込んで
いるため、マイクロ波の反射を最小限に抑えることがで
きる。一般に、マイクロ波の波長μは誘電率εの物質中
では1/√εとなる。このため、マイクロ波が誘電体4
6を通過する際には、真空(大気)中に比べてε倍広い
断面積の空間を通過しているのと同じ状況となる。この
ため、マイクロ波の供給パワーを大きくした場合にも、
分散板18で反射されるマイクロ波を最小限に抑えるこ
とができ、プラズマ生成室12内で大パワーのプラズマ
を生成することが可能となる。また、小さな開口部面積
で大きなパワーのマイクロ波を導入できるため、プラズ
マの良好な点火や、プラズマ強度の均一性に主眼をおい
て開口部44の設計を行うことができる。すなわち、開
口部44の形状、サイズ等に制限されることなく、マイ
クロ波分散板18を設計することができる。その結果、
プラズマの均一性等の分散板本来の機能を維持しつつ、
大きな径のウエハ10の処理速度を容易に向上させるこ
とができる。別の言い方をすれば、ウエハ10に対する
プラズマ処理速度の低下を招くことなく、安定且つ均一
なプラズマ処理を行うことができることになる。
【0032】次に、本発明の他の実施例にかかるマイク
ロ波分散板について図5〜図8を参照して説明する。こ
れらの実施例は、先に説明した実施例のマイクロ波分散
板18の誘電体の構成を変更したものであり、導電体板
42は同一のものを使用できる。図5(A)、(B)に
示すマイクロ波分散板においては、誘電体54は開口部
44の内部に埋め込まれる他、マイクロ波導入窓20側
(真空容器側)の面全体に渡って配設されている。
【0033】また、図6に示すマイクロ波分散板におい
ては、誘電体56は開口部44の内部及びマイクロ波導
入窓20側(真空容器側)の面全体に渡って配設される
他、円形導波管16側の面上において開口部44に対応
する領域に凸状に配設されている。図7に示すマイクロ
波分散板においては、誘電体58は開口部44の内部び
マイクロ波導入窓20側(真空容器側)の面全体に渡っ
て配設される他、導電体部42の両面全域に渡って配設
されている。更に、図8に示すマイクロ波分散板におい
ては、誘電体60は開口部44の内部に埋め込まれる
他、導電体部42の両面上において開口部44に対応す
る領域に凸状に配設されている。
【0034】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に示された本発明の技術的思想とし
ての要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、試
料に対するプラズマ処理速度の低下を招くことなく、安
定且つ均一なプラズマ処理を行うことができるという効
果がある。別の言い方をすると、プラズマの均一性を図
る等の分散板本来の機能を維持しつつ、大面積の試料の
処理速度を容易に向上させることができる。その結果、
半導体装置の製造においては、スループットの向上及び
半導体装置の品質向上を図ることができる。ここで、半
導体装置としては、トランジスタのような半導体素子自
体や、RAM等の完成された半導体デバイス(IC,L
SI)等を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例にかかるプラズマ
処理装置の概略構成を示す概念図である。
【図2】図2は、図1に示すプラズマ処理装置に使用さ
れるマイクロ波分散板の構成を示し、(A)が平面図、
(B)が(A)図のXーX方向の断面図である。
【図3】図3は、第1実施例の作用を説明するためのグ
ラフであり、マイクロ波の進行電力に対する反射電力の
変化を示す。
【図4】図4は、第1実施例の作用を説明するためのグ
ラフであり、マイクロ波の進行電力に対する実効入射電
力の変化を示す。
【図5】図5は、本発明の他の実施例にかかるマイクロ
波分散板の構成を示し、(A)が平面図、(B)が
(A)図のXーX方向の断面図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施例にかかるマイクロ
波分散板の構成を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例にかかるマイクロ
波分散板の構成を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施例にかかるマイクロ
波分散板の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10・・・シリコンウエハ(試料) 12・・・プラズマ生成室 14・・・反応室 18・・・マイクロ波分散板 22,24,26・・・メインコイル 28・・・サブコイル 44・・・スリット(開口部) 46,54,56,58,60・・・誘電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊佐 和裕 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に導入されたマイクロ波によっ
    て生成されるプラズマを用いて前記真空容器内に配置さ
    れた試料に対して所定の処理を施すプラズマ処理方法に
    おいて、 前記真空容器に導入される前記マイクロ波の進行方向と
    直交する断面において当該マイクロ波の通過範囲を規制
    する工程を含み;前記工程において、前記マイクロ波を
    大気より大きな誘電率を有する物質中を通過させること
    を特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】前記真空容器内において前記マイクロ波に
    よる電子サイクロトロン共鳴を励起するための磁場を印
    加する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載
    のプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】真空容器内に導入されたマイクロ波によっ
    て生成されるプラズマを用いて前記真空容器内に配置さ
    れた試料に対して所定の処理を施すプラズマ処理装置に
    おいて、 前記真空容器に導入される前記マイクロ波の進行方向と
    直交する断面において、当該マイクロ波の通過範囲を規
    制する開口部を有するマイクロ波分散板を備え、 前記マイクロ波分散板の開口部に所定の誘電体を配設し
    たことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】前記真空容器内において前記マイクロ波に
    よる電子サイクロトロン共鳴を励起するための磁場を印
    加する励磁コイルを備えたことを特徴とする請求項3に
    記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】前記誘電体は、フッ素樹脂、アルミナ、窒
    化ホウ素及び石英の内から選択される物質によって形成
    されることを特徴とする請求項3又は4に記載のプラズ
    マ処理装置。
  6. 【請求項6】前記誘電体は、前記マイクロ波分散板の開
    口部の内部に埋め込まれていることを特徴とする請求項
    3、4又は5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】前記誘電体は、前記マイクロ波分散板の開
    口部の内部に加えて、当該マイクロ波分散板の前記真空
    容器側の面全体に渡って配設されていることを特徴とす
    る請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】前記誘電体は、前記開口部の内部及び前記
    マイクロ波分散板の前記真空容器側の面全体に加えて、
    前記マイクロ波分散板の前記真空容器と反対側の面上に
    おける前記開口部に対応する領域に配設されていること
    を特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】前記誘電体は、前記開口部の内部に加え
    て、前記マイクロ波分散板の両面全体に渡って配設され
    ていることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理
    装置。
  10. 【請求項10】前記誘電体は、前記開口部の内部に加え
    て、前記マイクロ波分散板の両面における前記開口部に
    対応する領域に各々配設されていることを特徴とする請
    求項6に記載のプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】真空容器内に導入されたマイクロ波によ
    って生成されるプラズマを用いて前記真空容器内に配置
    された半導体基板に対して所定の処理を施す工程を含む
    半導体装置の製造方法において、 前記真空容器に導入される前記マイクロ波の進行方向と
    直交する断面において当該マイクロ波の通過範囲を規制
    する工程を含み;前記工程において、前記マイクロ波を
    大気より大きな誘電率を有する物質中を通過させること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】前記真空容器内において前記マイクロ波
    による電子サイクロトロン共鳴を励起するための磁場を
    印加する工程を更に含むことを特徴とする請求項11に
    記載の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】真空容器内に導入されたマイクロ波によ
    って生成されるプラズマを用いて前記真空容器内に配置
    された試料に対して所定の処理を施すプラズマ処理装置
    に使用され、前記真空容器に導入される前記マイクロ波
    の進行方向と直交する断面において、当該マイクロ波の
    通過範囲を規制する開口部を有するマイクロ波分散板に
    おいて、 前記開口部に誘電体を配設したことを特徴とするマイク
    ロ波分散板。
  14. 【請求項14】前記誘電体は、フッ素樹脂、アルミナ、
    窒化ホウ素及び石英の内から選択される物質によって形
    成されることを特徴とする請求項13に記載のマイクロ
    波分散板。
  15. 【請求項15】前記誘電体は、前記開口部の内部に埋め
    込まれていることを特徴とする請求項13又は14に記
    載のマイクロ波分散板。
  16. 【請求項16】前記誘電体は、前記開口部の内部に加え
    て、当該マイクロ波分散板の前記真空容器側の面全体に
    渡って配設されていることを特徴とする請求項15に記
    載のマイクロ波分散板。
  17. 【請求項17】前記誘電体は、前記開口部の内部及び前
    記マイクロ波分散板の前記真空容器側の面全体に加え
    て、前記マイクロ波分散板の前記真空容器と反対側の面
    における前記開口部に対応する領域に配設されているこ
    とを特徴とする請求項16に記載のマイクロ波分散板。
  18. 【請求項18】前記誘電体は、前記開口部の内部に加え
    て、前記マイクロ波分散板の両面全体に渡って配設され
    ていることを特徴とする請求項15に記載のマイクロ波
    分散板。
  19. 【請求項19】前記誘電体は、前記開口部の内部に加え
    て、前記マイクロ波分散板の両面における前記開口部に
    対応する領域に各々配設されていることを特徴とする請
    求項15に記載のマイクロ波分散板。
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