JPH10199765A - アルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法 - Google Patents

アルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法

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JPH10199765A
JPH10199765A JP103797A JP103797A JPH10199765A JP H10199765 A JPH10199765 A JP H10199765A JP 103797 A JP103797 A JP 103797A JP 103797 A JP103797 A JP 103797A JP H10199765 A JPH10199765 A JP H10199765A
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JP
Japan
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etching
solution
copper
electrolytic capacitor
ions
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Application number
JP103797A
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English (en)
Inventor
Toshio Oishi
寿夫 大石
Takao Kawaguchi
隆雄 川口
Katsunori Suzuki
克典 鈴木
Takaomi Izui
隆臣 泉井
Shinichi Yamaguchi
真一 山口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング液中の銅イオンの減少を図ること
ができ、これにより、ピットの径拡大も均一に行えて単
位面積あたりの静電容量を損なうこともないアルミ電解
コンデンサ用電極箔のエッチング方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 少なくとも銅を不純物として含有するア
ルミ箔にエッチング液中で電気エッチングを行うことに
よりピットを形成する前段エッチング工程と、エッチン
グ液中で化学エッチングあるいは電気エッチングを行う
ことにより前記前段エッチング工程でアルミ箔に形成さ
れたピットの径拡大を行う後段エッチング工程とを備
え、前記後段エッチング工程におけるエッチング液に硫
黄イオンを含む物質を添加したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中高圧用として用い
られるアルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアルミ電解コンデンサ用電極箔は
単位面積あたりの静電容量を大きくするために、アルミ
箔を電気的あるいは化学的にエッチングすることにより
その有効表面積を拡大するようにしている。
【0003】従来より有効表面積を拡大する方法として
は、種々の研究がなされているが、最も一般的な方法と
しては、硫酸、硝酸、燐酸などの酸を添加した塩化物水
溶液中で電気エッチングを行うことによりアルミ箔にピ
ットを形成するとともに、ピットの伸長を行う前段エッ
チング工程と、塩酸、硝酸、硫酸の少なくとも1種以上
を含むエッチング液中で化学エッチングあるいは電気エ
ッチングを行うことにより前段エッチング工程でアルミ
箔に形成されたピットの径拡大を行う後段エッチング工
程とを組み合わせて行う方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アルミ箔には不純物と
して主に銅、鉄、ケイ素などが含まれているが、その中
でも銅はアルミに対しての腐食性が強いものであり、通
常アルミ箔には10〜50ppmの銅が含まれているた
めエッチングを連続して行うとエッチング液中に銅イオ
ンは増加していくことになり、そしてAl3+よりイオン
化傾向の小さいCu2+はアルミ表面に析出されて、アル
ミ地金との間に局部電池を形成するために過剰な表面溶
解を引き起こすものである。
【0005】特にピットの発生が行われない後段エッチ
ングにおいての銅イオンの影響は顕著であり、そしてこ
の銅イオンの量が増加すると、ピット内径の溶解よりも
表面溶解が起こりやすくなるため、アルミ箔の表面積の
拡大が大幅に阻害されるものである。また電気エッチン
グを行った場合は銅イオンが陰極板に電気的に引き寄せ
られているために銅イオンの影響を受けにくくなるが、
化学エッチングの場合はアルミ箔に析出される銅イオン
の量が電気エッチングに比べて増加するために銅イオン
による悪影響を受けやすくなるという問題点を有してい
た。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、エッチング液中の銅イオンの減少を図ることがで
き、これによりピットの径拡大も均一に行えて単位面積
あたりの静電容量を損なうこともないアルミ電解コンデ
ンサ用電極箔のエッチング方法を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のアルミ電解コンデンサ用電極箔のエッチング
方法は、少なくとも銅を不純物として含有するアルミ箔
にエッチング液中で電気エッチングを行うことによりピ
ットを形成する前段エッチング工程と、エッチング液中
で化学エッチングあるいは電気エッチングを行うことに
より前記前段エッチング工程でアルミ箔に形成されたピ
ットの径拡大を行う後段エッチング工程とを備え、前記
後段エッチング工程におけるエッチング液に硫黄イオン
を含む物質を添加したもので、このエッチング方法によ
れば、エッチング液中の銅イオンの減少を図ることがで
き、これによりピットの径拡大も均一に行えて単位面積
あたりの静電容量を損なうこともないものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、少なくとも銅を不純物として含有するアルミ箔にエ
ッチング液中で電気エッチングを行うことによりピット
を形成する前段エッチング工程と、エッチング液中で化
学エッチングあるいは電気エッチングを行うことにより
前記前段エッチング工程でアルミ箔に形成されたピット
の径拡大を行う後段エッチング工程とを備え、前記後段
エッチング工程におけるエッチング液に硫黄イオンを含
む物質を添加したもので、このエッチング方法によれ
ば、後段エッチング工程におけるエッチング液に硫黄イ
オンを含む物質を添加しているため、エッチングを連続
して行った場合においてエッチング液中に発生する銅イ
オンは、硫黄イオンとの化学反応により硫化銅として沈
澱することになり、これにより、エッチング液中の銅イ
オンの減少を図ることができるため、従来のように銅イ
オンによる悪影響を受けるということもなく、後段エッ
チングにおいては、ピットの径拡大も均一に行えて単位
面積あたりの静電容量を損なうこともなくなるものであ
る。
【0009】請求項2に記載の発明は、硫黄イオンを含
む物質を1.0ppm以上添加するようにしたもので、
この硫黄イオンを含む物質の添加量が1.0ppm以下
の場合は、少な過ぎてエッチング液中の銅イオンを減少
させることができないため、硫黄イオンを含む物質の添
加量は1.0ppm以上が最適である。
【0010】請求項3に記載の発明は、後段エッチング
工程におけるエッチング液として塩酸、硝酸、硫酸の少
なくとも1種以上を含む組成のものを用いたもので、こ
のようなエッチング液を用いることにより、銅イオン、
硫黄イオンの反応が促進されるため、硫化銅としての沈
澱効率も優れたものが得られるものである。
【0011】請求項4に記載の発明は、硫黄イオンを含
む物質として硫化水素を用いたもので、この硫化水素は
銅イオンとの反応が最も優れているため、硫化銅として
の沈澱効率も優れたものが得られるものである。
【0012】以下、本発明の具体的な実施の形態につい
て説明する。 (比較例)試料として、純度99.99%、厚さ100
μmの高純度アルミ箔を用いた。 (1)前段エッチング工程;塩酸7wt%、硫酸2wt
%を添加した液温80℃のエッチング液中で電流密度1
0A/dm2の直流を180秒通電して電気エッチング
を行う。 (2)後段エッチング工程;塩酸5wt%、硝酸2wt
%を添加した液温85℃のエッチング液中で10分間浸
漬して化学エッチングを行う。
【0013】まず、前段エッチング工程で電気エッチン
グを行うことにより上記アルミ箔の表面にピットを形成
し、次いで後段エッチング工程でエッチング液中の銅イ
オン濃度をそれぞれ0,1.0,2.0,3.0,4.
0,5.0ppmとして化学エッチングを行い、前記ピ
ットの径拡大を行った。
【0014】そして、これらのアルミ箔に90℃の硼酸
水溶液中で370V化成を行い、その後、各試料につい
て静電容量を測定した。その測定結果を(表1)に示
す。
【0015】
【表1】
【0016】(実施の形態)アルミ箔、前段エッチング
工程及び後段エッチング工程の条件は比較例と同じで、
異なる点は、上記比較例中静電容量低下の最も著しい銅
イオン濃度が5.0ppmである後段エッチング工程の
エッチング液中に硫黄イオンを含む物質として硫化水素
をそれぞれ0.1,1,10,100ppm添加して化
学エッチングを行った点である。
【0017】そして、これらのアルミ箔に90℃の硼酸
水溶液中で370V化成を行い、その後、各試料につい
て静電容量を測定した。その測定結果を(表2)に示
す。
【0018】
【表2】
【0019】(表1)から明らかなように、比較例にお
いては銅イオン濃度が0ppmの場合は静電容量指数は
100であったが、銅イオン濃度が1.0,2.0,
3.0,4.0,5.0ppmと増えていくと静電容量
指数は95,89,78,56,29と下がっていっ
た。
【0020】しかるに本発明の実施の形態においては、
(表1)に示した比較例中静電容量低下の最も著しい銅
イオン濃度が5.0ppmである後段エッチング工程の
エッチング液中に硫黄イオンを含む物質として硫化水素
をそれぞれ0.1,1,10,100ppm添加して化
学エッチングを行うようにしたため、エッチングを連続
して行った場合においてエッチング液中に発生する銅イ
オンは、硫黄イオンとの化学反応により硫化銅として沈
澱することになる。したがって、本発明の実施の形態に
おいては、(表2)からも明らかなように硫化水素の添
加量が10ppm、100ppmの場合は、単位面積あ
たりの静電容量を(表1)に示した比較例の銅イオン濃
度0ppmにおける静電容量並みの状態に回復させるこ
とができるものである。また、硫化水素の添加量が0.
1ppmの場合は(表2)からも明らかなように、(表
1)に示した比較例の銅イオン濃度5.0ppmにおけ
る静電容量に比べて若干静電容量が上がっているもの
の、静電容量指数は100に比べて極めて低い値になっ
ているため硫化水素の添加量は(表2)からも明らかな
ように、1.0ppm以上を必要とするものである。
【0021】なお、上記本発明の実施の形態において
は、後段エッチング工程のエッチング液中への硫化水素
の添加量は、0.1,1,10,100ppmのものに
ついて説明したが、この硫化水素の添加量は銅イオン濃
度によって決まるものであり、したがって、硫化水素の
添加は銅イオン濃度以上の添加が好ましいものである。
【0022】また、本発明の実施の形態においては、後
段エッチング工程を化学エッチングで行うようにしたも
のについて説明したが、この化学エッチング以外の電流
のオフ時間を有する電気エッチングで行うようにしても
よいものである。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明のアルミ電解コンデ
ンサ用電極箔のエッチング方法は、少なくとも銅を不純
物として含有するアルミ箔にエッチング液中で電気エッ
チングを行うことによりピットを形成する前段エッチン
グ工程と、エッチング液中で化学エッチングあるいは電
気エッチングを行うことにより前記前段エッチング工程
でアルミ箔に形成されたピットの径拡大を行う後段エッ
チング工程とを備え、前記後段エッチング工程における
エッチング液に硫黄イオンを含む物質を添加したもの
で、このエッチング方法によれば、後段エッチング工程
におけるエッチング液に硫黄イオンを含む物質を添加し
ているため、エッチングを連続して行った場合において
エッチング液中に発生する銅イオンは、硫黄イオンとの
化学反応により硫化銅として沈澱することになり、これ
によりエッチング液中の銅イオンの減少を図ることがで
きるため、従来のように銅イオンによる悪影響を受ける
ということもなく、後段エッングにおいてはピットの径
拡大も均一に行えて単位面積あたりの静電容量を損なう
こともなくなるものである。
フロントページの続き (72)発明者 泉井 隆臣 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山口 真一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも銅を不純物として含有するア
    ルミ箔にエッチング液中で電気エッチングを行うことに
    よりピットを形成する前段エッチング工程と、エッチン
    グ液中で化学エッチングあるいは電気エッチングを行う
    ことにより前記前段エッチング工程でアルミ箔に形成さ
    れたピットの径拡大を行う後段エッチング工程とを備
    え、前記後段エッチング工程におけるエッチング液に硫
    黄イオンを含む物質を添加したアルミ電解コンデンサ用
    電極箔のエッチング方法。
  2. 【請求項2】 硫黄イオンを含む物質を1.0ppm以
    上添加するようにした請求項1に記載のアルミ電解コン
    デンサ用電極箔のエッチング方法。
  3. 【請求項3】 後段エッチング工程におけるエッチング
    液として塩酸、硝酸、硫酸の少なくとも1種以上を含む
    組成のものを用いた請求項1に記載のアルミ電解コンデ
    ンサ用電極箔のエッチング方法。
  4. 【請求項4】 硫黄イオンを含む物質として硫化水素を
    用いた請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用電極箔
    のエッチング方法。
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