JPH10195501A - 熱プラズマによる加熱処理粒体及び加熱処理方法 - Google Patents

熱プラズマによる加熱処理粒体及び加熱処理方法

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JPH10195501A
JPH10195501A JP8356659A JP35665996A JPH10195501A JP H10195501 A JPH10195501 A JP H10195501A JP 8356659 A JP8356659 A JP 8356659A JP 35665996 A JP35665996 A JP 35665996A JP H10195501 A JPH10195501 A JP H10195501A
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好明 井上
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誠二 横田
Akira Terajima
章 寺島
Kazuhiro Kawasaki
一博 川嵜
Masaaki Tamaya
正昭 玉谷
Keiko Arubesaaru
恵子 アルベサール
Naohisa Matsuda
直寿 松田
Yoshikazu Okumura
美和 奥村
Hirobumi Takemura
博文 竹村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温の均一温度領域の広い熱プラズマフレー
ムにより加熱して処理された加熱処理粒体及び加熱処理
方法。 【解決手段】 プラズマトーチ11によりプラズマフレ
ームを発生させ、該プラズマフレームをプラズマフレー
ム炉21を通過させたのち反応塔内31に噴出させ、該
反応塔内31に噴出するプラズマフレームにより粒体を
加熱して加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱プラズマにより
粒体を加熱溶融して球状化処理したり、原料粒体の表面
のみを加熱溶融してコーティングしたりする熱プラズマ
による加熱処理粒体及び加熱処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高周波誘導熱プラズマ(以下高周波プラ
ズマという)は、高温度が容易に得られ、電極を使用す
る熱プラズマに比してプラズマの汚染がない点で有利で
あり、粒体または粉末を高周波誘導熱プラズマにより加
熱処理する方法などが近年多く発表されている(作田忠
裕ほか:電気学会開閉保護研究会;1993、特開平6
−25717号公報、特開平8−109375号公報な
ど)。例えば、焼結用の粒体を焼結密度を向上させるた
めに球状化したり、あるいは粉末蛍光体の輝度を向上さ
せるためには球状化したりすることが行われている。即
ち、化学合成などにより製造された物質粒体は通常粗形
であるので、この原料粒体をその融点直上で加熱して表
面張力により球状化する球状化処理が行われている。高
周波誘導熱プラズマ加熱による球状化処理として、「作
田忠裕ほか:電気学会開閉保護研究会;1993」、特
開平6−25717号公報などがあり、また、出願人は
先に、発光性能を向上するために原料粉を高周波誘導熱
プラズマにより加熱溶融して球状化した蛍光体を開示し
た(特開平8−109375号公報)。
【0003】上記のように蛍光体などの原料粒体物質を
加熱溶融して球状化する場合には、加熱温度が物質の融
点より低いと溶解しないために球状化せず、温度が物質
の沸点より高すぎると成分が蒸発して原料粒体と異なる
構造または組成になってしまうという問題点がある。し
たがって、熱プラズマにより加熱処理する場合には熱プ
ラズマの加熱部の温度を一定に保持する必要がある。と
くに融点温度が高く融点と沸点の温度差が少ない物質の
場合には、高温でかつ狭い温度範囲で管理することが要
求される。
【0004】また、球状体の表面を保護するために、球
状体を加熱して表面だけを溶融して表面に溶融固化した
フィルムを形成させることもある。例えば、エレクトロ
ルミネッセンス表示器などの蛍光体として使用されるZ
nS:Cu粉末は、そのままでは耐水性が低いため使用
中に空気中の水分と反応して変質して蛍光性が失われ
る。そのため、従来はZnS:Cuの粒子をフィルムに
挟んで粒子が大気に触れないようにして使用されている
が、コストが高いという問題点がある。そこで、本発明
者はZnS:Cu粒子の表面が大気に直接触れないよう
に被覆して使用すれば粒子の耐水性が向上してフィルム
で挟まなくても使用できコストが低減できることに着目
した。
【0005】このためには、図5(a)に示すように表
面にSiO2 を付着させたZnS:Cu原料粒子を加熱
し、表面のSiO2 を溶融固化してSiO2 のフィルム
を作り、この溶融フイルムによりZnS:Cu原料粒子
をコートするようにすれば個々の粒子に耐水性が与えら
れることを見出だした。この場合、SiO2 は融点が1
000℃以上と高く、一方ZnS:Cuは300℃以上
になるとダメージを受けるので、SiO2 でコーティン
グするためには内部のZnS:Cuは温度が上がらない
で表面のSiO2 のみが溶融する高温に加熱する必要が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
図示する高周波プラズマのプラズマフレーム1の渦流中
心2の温度は10,000Kにも達し、フレーム先端部
3の温度でも5,000Kにもなり、かつ温度の均一範
囲が極めて狭いという問題がある。
【0007】そのためプラズマトーチからでるプラズマ
フレームを直接被処理物質に当てて加熱球状化する従来
の球状化処理方法では、単一組成の物質は球状化が容易
であるが、融点の低い複合材料や金属間化合物では温度
が高すぎて成分が蒸発したり分解したりして原料粒体と
同じ特性が得られなくなるという問題点がある。また、
低融点物質の球状化の場合にはプラズマの温度が高すぎ
て超微粒子が多量に発生し、所要の粒度の球状粒子の収
率が低下するほか、超微粒子の分級を要しコスト増とな
るのみでなく分級が不可能な場合も生ずる。したがっ
て、必要な処理温度を得るにはプラズマ先端の限られた
部分で加熱するようにしなければならない。一方プラズ
マの渦流中心の温度を下げればプラズマフレーム中の所
要温度範囲が広くなるがプラズマの温度を下げすぎると
失火するなどプラズマフレームが不安定になるという問
題点がある。このために、従来技術では高周波入力及び
プラズマガスの種類と流量を適切に選択することにより
高周波プラズマを安定させる方法が行われてきた(特開
平8−109375号公報)。
【0008】また、前記の蛍光体ZnS:Cuの原料粒
子をSiO2 の膜でコートする場合にも、従来の高周波
プラズマによる直接加熱方式ではプラズマフレームが超
高温で温度均一範囲が狭いために内部まで高温になりZ
nS:Cuが変質して発光しない粒子が生ずるという問
題点があった。
【0009】本発明は、プラズマトーチの下流にプラズ
マフレーム炉を設けた熱プラズマによる加熱処理装置を
使用することにより、プラズマトーチのプラズマフレー
ムの温度を下げることなく、加熱部のプラズマフレーム
の温度が反応に必要な温度まで下げられて均一な温度領
域が拡大されたプラズマフレームにより粒体を加熱処理
する熱プラズマによる加熱処理粒体及び加熱処理方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の加熱処理粒体及び加熱処理方法は、プラズ
マトーチによりプラズマフレームを発生させ、該プラズ
マフレームをプラズマフレーム炉を通過させたのち反応
塔内に噴出させ、該反応塔内に噴出するプラズマフレー
ムにより粒体を加熱して処理することを特徴とするもの
である。
【0011】即ち、従来技術の熱プラズマによる加熱処
理は、被処理粒体をプラズマトーチにより発生したプラ
ズマフレームにより直接加熱して処理したので、熱プラ
ズマの温度が局部的に非常に高く、被処理粒体が所定温
度より過温度に加熱されて成分が蒸発したりなどして原
材料粒体と同一性能の粒体が得られない場合があった。
【0012】これに対し本発明の加熱処理は、プラズマ
トーチのプラズマフレームをさらにプラズマフレーム炉
を通過させたのちに反応塔内に噴出させた温度が低く均
一温度領域の広いプラズマフレームにより加熱して処理
されるので、被処理粒体の過温度の加熱が防止されて、
組成成分などの蒸発がなく均一な性能が得られやすい。
【0013】また、本発明の加熱処理による粒体の球状
化は、原料粒体を前記反応塔内に噴出されたプラズマフ
レームにより加熱して溶融球状化するものであり、とく
に蛍光体材料の溶融球状化に望ましいものである。即
ち、従来のプラズマトーチのプラズマフレームの直接加
熱により蛍光体などを球状化する加熱処理では、熱プラ
ズマの局部的な高温のため被処理粒体が過温度に加熱さ
れて組成成分が蒸発し輝度などの性能において原材料粒
体と同一性能の粒体が得られなかったり、微粒粉体が増
加して球状粒体の収率が低下したり粒度の分級が不能に
なったりした。
【0014】本発明の熱プラズマ加熱による球状化処理
は、前記反応塔内に噴出させた温度の低い均一温度領域
の広いプラズマフレームにより溶融球状化させるので、
被処理粒体の過温度の加熱が防止されて成分などの蒸発
がなく均一な球形粒度の粒体が収率高く得られる。かか
る加熱処理は蛍光体や金属間化合物の球状化に適し、蛍
光体では輝度の向上を図ることができ、金属間化合物で
は焼結密度の向上を図ることができる。
【0015】また本発明の表面が溶融フィルムで覆われ
た粒体を製造する加熱処理は、原料粒体を前記反応塔内
に噴出されたプラズマフレームにより加熱して原料粒体
の表面部のみを溶融して溶融固化したフィルムを形成さ
せるものである。
【0016】さらに、本発明の粒体の表面が同質または
異質の付着物質の溶融フィルムで覆われた状態にする加
熱処理は、固体粒体の表面に同質または異質の物質を付
着させた原料粒体を前記反応塔内に噴出されたプラズマ
フレームにより表面物質のみが溶融するように加熱して
形成させることが望ましく、また本発明のSiO2 溶融
フィルムでコーティングするZnS:Cuの蛍光体の加
熱処理としては、ZnS:Cuの固体粒体の表面にSi
2 を付着させた物質粒体を前記反応塔内に噴出された
プラズマフレームにより表面のSiO2 のみが溶融する
ように加熱して形成させることが望ましい。
【0017】即ち、粒体の表面部を溶融して溶融固化し
たフィルムを形成させたり、粒体表面に物質を付着させ
て加熱しこの物質の溶融固化したフィルムを形成させた
り、ZnS:Cuの表面にSiO2 を付着させて加熱
し、SiO2 のコーティングをした蛍光体ZnS:Cu
を製造する加熱処理において、前記の反応塔内に噴出さ
れたプラズマフレームにより加熱すれば従来の直接のプ
ラズマトーチによる加熱よりも変質なく表面のみを溶融
させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の一実施形態
について具体的に説明する。図1は本発明の熱プラズマ
により加熱処理を行う加熱処理装置の断面図、図2は本
発明の加熱処理装置のプラズマフレーム炉の詳細断面
図、図3は図2のX−X断面図である(図1のプラズマ
フレーム炉は図3のX−X断面で示される)。
【0019】まず図1に基づき本発明の熱プラズマによ
り加熱処理を行う加熱処理装置の全体の構成について説
明する。本発明の加熱処理装置はプラズマトーチ11、
プラズマフレーム炉21、反応塔31及び供給手段41
により構成されている。
【0020】プラズマトーチ11は、水冷される二重管
構造の石英管12(図には一重に図示)の外周に高周波
誘導コイル17が巻かれ端子17a及び17bから高周
波電流が付加されるようになっている。石英管12の上
部には第1ガス供給管13、第2ガス供給管14、第3
ガス供給管15が設けられ、主として第1,2,3ガス
供給管13,14,15からプラズマガスが供給され、
目的に応じて適切な種類のガスが供給されるようになっ
ている。これらの第1〜3供給管の周囲は簡易に図示さ
れたトーチヘッド16により水冷されるようになってい
る。石英管12の下部は水冷ジャケット18に固定さ
れ、水冷ジャケット18にはクエンチングガス供給管1
9が設けられている。
【0021】上記のように構成されたプラズマトーチ1
1は第1、第2、第3ガス供給管13、14、15から
ガスを流入しながら高周波誘導コイル17に高周波電力
を掛けると石英管12内に図の斜線で示すプラズマ1が
発生し石英管12の下部側から噴出する。この様なプラ
ズマトーチは公知のプラズマトーチと同様である。
【0022】プラズマトーチ11のプラズマの噴出する
下部側にプラズマフレーム炉21が設けられている。プ
ラズマフレーム炉21は、詳細を図2及び3に示すよう
に中空円筒の胴部22の両端を栓23で閉じた円筒箱型
をなし、円筒面の中心対称位置にプラズマフレームの入
口管24と出口管25がそれぞれねじ24a,25aに
より固定されている。胴部22の内部には内径同心に管
形または棒状の障害部材26が設けられその両端を栓2
3により保持固定されている。この様に胴部22の内部
が拡散室を形成し障害部材26と併せて拡散手段が構成
されている。入口管24、胴部22、出口管25のそれ
ぞれの内径A,B,C及び障害部材26の外径Dはプラ
ズマガスの種類、流速・流量、付加する高周波電力、被
処理粒体の種類などにより経験的に定められる。入口管
24の上端がニップル27により水冷ジャケット18の
下側に固定され、プラズマフレーム炉21がプラズマト
ーチ11の下部に固定されるようになっている。
【0023】上記構成により、プラズマトーチ11の石
英管12内に発生したプラズマフレーム1は図1に示す
ように、プラズマフレーム炉21の入口管24から入
り、胴部22の内径と障害部材26の外径の間の空間を
回り出口管25から反応塔31内に噴出する。このとき
プラズマフレーム炉21全体が通過するプラズマフレー
ムにより加熱され、出口管25から噴出するプラズマフ
レームは放熱により温度が低下すると共に渦流が拡散・
攪拌されて温度の均一範囲が広くなる。
【0024】反応塔31は底付きの円筒箱型をなし、円
筒部32の上フランジ33に上蓋34が取外し可能に固
定されている。上蓋34にプラズマトーチ11の下部の
水冷ジャケット18が固定され、プラズマフレーム炉2
1を下部に固定したプラズマトーチ11が上蓋34の上
に搭載されるようになっている。
【0025】反応塔31には供給手段である原料供給パ
イプ41が設けられその先端がプラズマフレーム炉21
の出口管25の下に開放されている。これにより、被処
理粒体がガスにより吹き込まれ、出口管25から噴出す
るプラズマフレームにより加熱処理されて反応塔31内
に落下するようになっている。
【0026】
【実施例】上記図1に示す構成の下記諸元の加熱処理装
置を使用して以下の諸実験を行った。 加熱処理装置の諸元: プラズマトーチ:石英管内径:46mmφ 高周波誘導加熱コイル内径:70mmφ プラズマフレーム炉:入口内径A:37mmφ 出口内径C:20mmφ 胴部内径B:50mmφ 障害部材外径:30mmφ
【0027】
【実施例1】 蛍光材料のBaFCl:Eu原料粉末の球状化処理: 高周波誘導コイル入力条件:3MHz,15kW ガス供給条件: プラズマガス:第1ガス供給管13から、Arガス:30l/min 第2ガス供給管14から、Arガス:40l/min キャリアガス:Arガス:20l/minを用いて粒径1〜10μmの BaFCl:Eu原料粉末を5gr/minを第1原料供給管41から供給した 。
【0028】その結果、1〜10μmの球状粉末が98
%の収率で得られ、60%の收率しか得られなかった従
来技術よりも微粉末の発生が少なく収率が向上した。こ
のことは、従来技術よりも加熱温度が適正均一で高温過
熱による蒸発損失量が少なく、微粉末の発生が少ないこ
とを示すものである。また、輝度測定における発光特性
の輝度は原料粉(100)と同等の100が得られた。
これは、従来技術では原料粉の分解が生じ輝度の低下が
生ずるものがあったが、本高周波プラズマによる加熱装
置ではクリーンな熱源であるため不純物の汚染がなく、
加熱温度が適正均一なため原料粉末の結晶構造が変わら
ないで球状化ができたことを示すものである。
【0029】
【実施例2】 蛍光材料のY2 SiO5 :Tb原料粉末の球状化処理: 高周波誘導コイル入力条件:3MHz,20kW ガス供給条件: プラズマガス:第1ガス供給管13から、Arガス:40l/min 第2ガス供給管14から、Arガス:45l/min キャリアガス:Arガス:15l/minを用いて粒径1〜10μmの Y2 SiO5 :Tb原料粉末の5gr/minを第1原料供給管41から供給し た。
【0030】その結果、1〜10μmmの球状粉末が9
8%の収率で得られ、60%の收率しか得られなかった
従来技術よりも微粉末の発生が少なく収率が向上した。
このことは、実施例1と同様に、従来技術に比し高温過
熱による蒸発損失量が少なくかつ微粉末の発生が少ない
ことを示すものである。また、X線解析の結果、従来技
術では異相(Y2 3 )のピークがみられるが、本発明
技術によればほとんど異相(Y2 3 )のピークがみら
れず、原料粉末とほとんど同じパターンを示した。この
結果は、従来技術では原料粉の結晶構造が変化して異相
が発生するが、本発明の高周波プラズマによる加熱装置
ではクリーンな熱源であるため不純物の汚染がなく、加
熱温度が適正均一なため原料粉末の結晶構造が変わらな
いで球状化ができたことを示すものである。
【0031】
【実施例3】 金属間化合物Nb3 Alの球状化処理: 高周波誘導コイル入力条件:3MHz,15kW ガス供給条件: プラズマガス:第1ガス供給管13から、Arガス:30l/min 第2ガス供給管14から、Arガス:45l/min キャリアガス:Arガス:20l/minを用いて粒径1〜10μmの Nb3 Al原料粉末5gr/minを原料供給管41から供給した。
【0032】Nb3 Alは融点は1960℃であるが、
原料中の沸点(2467℃)が低いAlが蒸発するた
め、従来技術の球状化処理ではこのAlが蒸発してUF
P化し、処理した球状粉の組成が原料粉と異なる場合が
あった。本発明の加熱装置では融点直上の球状化の所要
温度以上に加熱温度が上がらないで相の分解が生じない
状態で粒体が溶融球状化するので、組成変化が生ぜずb
cc構造(A2型)のNb3 Alの1〜100μmの球
状粉末が98%の収率で得られた。この得られた球状粉
末を焼結後室温圧延した結果は良好な展伸性を示した。
また本処理装置では急冷が容易になるためにbcc構造
(A2型)の球状粒体が得られたものである。
【0033】
【実施例4】 蛍光体ZnS:CuのSiO2 コーティング処理: 高周波誘導コイル入力条件:4MHz,15kW ガス供給条件: プラズマガス:第1ガス供給管13から、Arガス:20l/min 第2ガス供給管14から、Arガス:30l/min キャリアガス:Arガス:20l/minを用いて図7に示すような表面に SiO2 を付着させた粒径20μmのZnS:Cu原料粉末5gr/minを原 料供給管41から供給した。
【0034】表1に本発明の加熱処理による結果を従来
の直接高周波プラズマ加熱による結果と対比して示す。
耐水性試験は処理粉末をAgNO3 液に浸漬して変色状
況により判定した。表から判るように、原料粉末はAg
NO3 液に浸漬直後茶色に変色して耐水性がないことが
判る。一方、表面にSiO2 を溶融コーティングした本
発明方法の処理、従来方法の処理ともに同様に12時間
浸漬後も変色がなかった。これは、原料粒子にSiO2
の溶融固化したフイルムのコーティングがされ耐水性が
得られたことを示すものである。この様に耐水性は、従
来方法でも同様に得られたが、従来の高周波プラズマで
直接加熱したものはZnS:Cuが高温に加熱されてダ
メージを受け、輝度試験結果では発光条件を変えても発
光しなかった。これに対し、本発明の加熱処理では、輝
度は原材料の100に対し印加電圧100V試験では7
7%、印加電圧200V試験では98%が得られた。こ
れは、本加熱処理装置によれば内部のZnS:Cuの温
度を上げないで表面のSiO2 だけを溶解してコーティ
ングできることを示すものである。
【0035】
【表1】
【0036】以上述べたように、本発明の実施形態の粒
体の加熱処理方法によれば、プラズマトーチの下流設け
られたプラズマフレーム炉を通過させて温度が所定温度
まで低下した均一温度領域の広いプラズマフレームによ
り加熱処理するので、超高温の熱プラズマにより直接加
熱する従来技術の方法に比し過温度の加熱が防止されて
安定した加熱処理ができ、高性能の加熱処理粒体が得ら
れる。
【0037】また、本発明の実施形態の粒体の加熱溶融
による球状化処理及び表面を溶融固化したフィルムで覆
うコーティング処理においては、前記プラズマフレーム
炉を通過させて温度を低下させた均一温度領域の広いプ
ラズマフレームにより加熱処理がされるので、被処理粒
体の過温度の加熱が防止されて組成成分などの蒸発がな
く均一な性能が得られやすく、また、球状化処理におい
て微粒粉体が増加して球状粒体の収率が低下したり分級
が困難になったりすることがない。さらにコーティング
処理においては、変質などが少なく良好なコーティング
した粒子が容易に得られる。
【0038】蛍光体のZnS:Cuに本発明の加熱処理
によりSiO2 溶融固化したフィルムでコーティングす
れば、ZnS:Cuの変質がなく輝度を損なわないで耐
水性のある蛍光体粉末が得られる。これによりフイルム
で挟まないで使用しても吸湿による劣化がない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱プラズ
マによる加熱処理粒体と加熱処理方法によれば、クリー
ンな熱源である熱プラズマを使用して、通常の熱プラズ
マフレームより温度が低く均一温度範囲の広いプラズマ
フレームにより加熱処理されるので、例えば加熱溶融に
よる球状化処理においては構造や組成の変化なく清浄、
均一な球状化粒体が収率良く得られ、表面に溶融フィル
ムを形成させて保護する粒体の加熱処理においては変質
させないでコーティングした粒体が得られる。これによ
り、蛍光体粉末の耐水性を向上してコスト低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態の熱プラズマにより加熱処理を
する加熱処理装置の断面図である。
【図2】本発明実施形態の熱プラズマにより加熱処理を
する加熱処理装置のプラズマフレーム炉の詳細断面図で
ある。
【図3】図2のX−X断面図である。
【図4】熱プラズマフレームの断面温度分布を示す図で
ある。
【図5】ZnS:CuをSiO2 コーティングした状態
を説明する図である。
【符号の説明】
1 プラズマフレーム 2 プラズマフレームの渦流中心 3 プラズマフレームの先端部 11 プラズマトーチ 12 石英管 13 第1ガス供給管 14 第2ガス供給管 15 第3ガス供給管 16 トーチヘッド 17 高周波誘導コイル 18 水冷ジャケット 19 クエンチングガス供給管 21 プラズマフレーム炉 22 胴部(拡散室) 23 栓 24 入口管 25 出口管 26 障害部材 27 ニップル 31 反応塔 32 円筒部 33 フランジ 34 上蓋 41 原料供給管(供給手段)
フロントページの続き (72)発明者 寺島 章 神奈川県平塚市田村5893 高周波熱錬株式 会社湘南事業所内 (72)発明者 川嵜 一博 神奈川県平塚市田村5893 高周波熱錬株式 会社湘南事業所内 (72)発明者 玉谷 正昭 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 アルベサール 恵子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 松田 直寿 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 奥村 美和 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 竹村 博文 静岡県榛原郡吉田町川尻3583−5株式会社 東芝横浜材料部品工場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマトーチによりプラズマフレーム
    を発生させ、該プラズマフレームをプラズマフレーム炉
    を通過させたのち反応塔内に噴出させ、該反応塔内に噴
    出するプラズマフレームにより加熱して処理されたこと
    を特徴とする熱プラズマによる加熱処理粒体。
  2. 【請求項2】 原料粒体が前記反応塔内に噴出されたプ
    ラズマフレームにより加熱処理されて溶融球状化された
    ことを特徴とする請求項1に記載の球状体の熱プラズマ
    による加熱処理粒体。
  3. 【請求項3】 前記原料粒体は蛍光体材料であることを
    特徴とする請求項2に記載の球状体の熱プラズマによる
    加熱処理粒体。
  4. 【請求項4】 前記原料粒体は金属間化合物であること
    を特徴とする請求項2に記載の球状体の熱プラズマによ
    る加熱処理粒体。
  5. 【請求項5】 原料粒体が前記反応塔内に噴出されたプ
    ラズマフレームにより加熱されて前記原料粒体の表面部
    のみが溶融され、表面が溶融固化したフィルムで覆われ
    たことを特徴とする請求項1に記載の熱プラズマによる
    加熱処理粒体。
  6. 【請求項6】 固体粒体の表面に同質または異質の物質
    を付着させた原料粒体が前記反応塔内に噴出されたプラ
    ズマフレームにより加熱されて主として表面物質のみが
    溶融され、粒体の表面が前記付着物質の溶融固化したフ
    ィルムで覆われたことを特徴とする請求項1に記載の熱
    プラズマによる加熱処理粒体。
  7. 【請求項7】 前記固体粒体はZnS:Cuからなり、
    前記固体粒体の表面に付着させた物質はSiO2 からな
    り、該SiO2 の溶融固化したフィルムでコーティング
    されたことを特徴とするZnS:Cu蛍光体である請求
    項6に記載の熱プラズマによる加熱処理粒体。
  8. 【請求項8】 プラズマトーチによりプラズマフレーム
    を発生させ、該プラズマフレームをプラズマフレーム炉
    を通過させたのち反応塔内に噴出させ、該反応塔内に噴
    出するプラズマフレームにより粒体物質を加熱処理する
    ことを特徴とする熱プラズマによる粒体の加熱処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記熱プラズマによる粒体の加熱処理
    は、原料粒体を加熱溶融状態にして球状化する球状化処
    理であることを特徴とする請求項8に記載の粒体を球状
    化する熱プラズマによる粒体の加熱処理方法。
  10. 【請求項10】 前記熱プラズマによる粒体の加熱処理
    は、原料粒体を加熱してその表面部のみを溶融させ、表
    面を溶融固化したフィルムで覆う粒体のコーティング処
    理であることを特徴とする請求項8に記載の熱プラズマ
    による粒体の加熱処理方法。
  11. 【請求項11】 前記熱プラズマによる粒体の加熱処理
    は、固体粒体の表面に同質または異質の物質を付着させ
    た原料粒体を表面物質のみが溶融するように加熱して、
    前記固体粒体の表面を付着物質の溶融固化したフィルム
    で覆うコーティング処理であることを特徴とする請求項
    8に記載の熱プラズマによる粒体の加熱処理方法。
  12. 【請求項12】 前記固体粒体はZnS:Cuからな
    り、前記固体粒体の表面に付着させた物質はSiO2
    らなり、該SiO2 の溶融固化したフィルムでZnS:
    Cu蛍光体をコーティングすることを特徴とするである
    請求項11に記載の熱プラズマによる粒体の加熱処理方
    法。
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CN111014700A (zh) * 2019-12-11 2020-04-17 湖南天际智慧材料科技有限公司 一种真空无坩埚熔炼等离子体制备高纯纳米材料的装置
JP2022513817A (ja) * 2018-12-12 2022-02-09 グローバル アドバンスト メタルズ ユー.エス.エー.,インコーポレイティド 球状ニオブ合金粉末、それを含有する製品、及びその作製方法

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