JPH1019390A - 空気調和機の制御装置 - Google Patents

空気調和機の制御装置

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JPH1019390A
JPH1019390A JP8169778A JP16977896A JPH1019390A JP H1019390 A JPH1019390 A JP H1019390A JP 8169778 A JP8169778 A JP 8169778A JP 16977896 A JP16977896 A JP 16977896A JP H1019390 A JPH1019390 A JP H1019390A
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Takeo Ueno
武夫 植野
Masaaki Takegami
雅章 竹上
Takeshi Arai
健史 新井
Shinichi Watanabe
慎一 渡邊
Toru Kachi
徹 加地
Daisuke Miyake
大輔 三宅
Masakane Hara
正務 原
Moichi Kitano
茂一 北野
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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2500/00Problems to be solved
    • F25B2500/15Hunting, i.e. oscillation of controlled refrigeration variables reaching undesirable values
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2500/00Problems to be solved
    • F25B2500/19Calculation of parameters
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2600/00Control issues
    • F25B2600/21Refrigerant outlet evaporator temperature

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和機の冷凍回路を構成する機器を複数
のアルゴリズムに従ってハンチングすることなく制御す
る。 【解決手段】 能力最大制御部15は、吐出管温度の
履歴に基づいて最大冷房能力時の吐出管温度になる膨張
弁3の開度の制御量ΔEV1を求める。COP最大制御
部16は、蒸発器4出口の過熱度の履歴に基づいて最大
COP時の蒸発器出口の過熱度になる制御量ΔEV2
求める。過熱保護制御部17は、吐出管温度の履歴から
予測した20秒先の吐出管温度に基づいて過熱保護を行
うための制御量ΔEV3を求める。湿り保護制御部18
は、吐出管温度および吐出冷媒圧の履歴から予測した2
0秒先のDSHに基づいて湿り保護を行うための制御量
ΔEV4を求める。膨張弁開度制御量決定部19は、各
制御量ΔEV1〜ΔEV4と優先度格納部20に格納され
た優先度とに基づいて実制御量ΔEVを求める。こうし
て、唯一つの制御量ΔEVで膨張弁3の開度を制御する
ことによって、膨張弁3の開度がハンチングを起こすこ
とはなく制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気調和機の冷
凍回路を構成する機器を制御する空気調和機の制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機の運転中において、膨張弁の
開度,室内ファンの風量および圧縮機の駆動周波数の制
御量を決定する場合には、一般的には以下のようにして
決定される。
【0003】(1)膨張弁の開度 A 能力最大制御 冷房能力が最大になる吐出管温度になるように膨張弁の
開度の制御量を決定する。 B COP(成績係数)最大制御 COPが最大になる蒸発器出口過熱度になるように膨張
弁の開度の制御量を決定する。 C 吐出ガス温度保護制御 吐出ガス温度が異常に高くならないように、また、異常
に低くならないように、膨張弁の開度の制御量を決定す
る。 尚、上記Cは保護制御であり、A,B,Cは夫々独立して
異なるタイミングで行われる。
【0004】(2)室内ファンの風量 A 吹出空気温度制御 室内機の吹出空気温度が目標温度になるように、室内フ
ァンの風量の制御量を決定する。 B 凍結保護制御 蒸発器出口における冷媒温度が異常に低くならないよう
に、室内ファンの風量の制御量を決定する。 C 吐出ガス温度保護制御 吐出ガス温度が異常に高くならないように、また、異常
に低くならないように、室内ファンの風量の制御量を決
定する。 D 高圧保護制御 高圧側圧力が異常に高くならないように、室内ファンの
風量の制御量を決定する。 E 低圧保護制御 低圧側圧力が異常に低くならないように、室内ファンの
風量の制御量を決定する。 尚、上記B〜Eは保護制御であり、A〜Eは夫々独立し
て異なるタイミングで行われる。
【0005】(3)圧縮機の駆動周波数 A 室内機吸込空気温度制御 室内機の吸込空気温度が目標温度になるように、圧縮機
の駆動周波数の制御量を決定する。 B 吐出ガス温度保護制御 吐出ガス温度が異常に高くならないように、圧縮機の駆
動周波数の制御量を決定する。 C 高圧保護制御 高圧側圧力が異常に高くならないように、圧縮機の駆動
周波数の制御量を決定する。 D 低圧保護制御 低圧側圧力が異常に低くならないように、圧縮機の駆動
周波数の制御量を決定する。 E 凍結保護制御 蒸発器出口における冷媒温度が異常に低くならないよう
に、圧縮機の駆動周波数の制御量を決定する。 尚、上記B〜Eは保護制御であり、A〜Eは夫々独立し
て異なるタイミングで行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の空気調和機においては、膨張弁の開度,室内ファン
の風量および圧縮機の駆動周波数の制御量を決定する場
合には、膨張弁の開度はA〜Bの3項目別に、室内ファ
ンの風量はA〜Eの5項目別に、圧縮機の駆動周波数は
A〜Eの5項目別に、互いに独立して異なるタイミング
で決定している。したがって、例えば、膨張弁の開度の
場合には、項目Aの能力最大制御によって決定された制
御量と、項目BのCOP最大制御によって決定された制
御量と、項目Cの吐出ガス温度保護制御によって決定さ
れた制御量とが異なる場合には、膨張弁の開度がある一
つの値に収束できず、ハンチングしてしまうという問題
がある。
【0007】また、上記各項目にはガードタイムが設け
てある。したがって、例えば、膨張弁の開度の場合に
は、項目Aの能力最大制御によって制御量が決定された
後、上記ガードタイムが経過するまでは項目BのCOP
最大制御あるいは項目Cの吐出ガス温度保護制御によっ
て制御量を決定できない。その結果、その間は吐出ガス
温度保護制御が機能しないことになり、吐出ガス温度異
常が発生して他の項目によって決定された制御量に影響
を与えることになる。
【0008】そこで、この発明の目的は、空気調和機の
冷凍回路を構成する機器を複数のアルゴリズムに従って
ハンチングすることなく制御できる空気調和機の制御装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の空気調和機の制御装置は、圧
縮機・凝縮器・膨張手段・蒸発器を有する冷凍回路に関す
る物理量を検出する物理量検出手段と、上記物理量検出
手段で検出された物理量を用いて,空気調和機が最大能
力を発揮するように上記膨張手段の開度の制御量を求め
る能力最大制御部,あるいは,上記物理量検出手段で検出
された物理量を用いて,空気調和機が最大COPを発揮
するように上記膨張手段の開度の制御量を求めるCOP
最大制御部の少なくとも一方と、上記物理量検出手段で
検出された物理量を用いて,保護制御を行うための上記
膨張手段の開度の制御量を求める保護制御部と、上記各
制御部で求められる制御量の優先度が格納されている優
先度格納部と、上記各制御部で求められた制御量と上記
優先度格納部に格納されている優先度とに基づいて,上
記膨張手段の開度の実際の制御量を決定する制御量決定
部を備えたことを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、上記能力最大制御部ま
たはCOP最大制御部の少なくとも一方および保護制御
部によって夫々求められた膨張手段の開度の制御量に基
づいて、上記制御量決定部によって、夫々の制御量に応
じた優先度を用いて上記膨張手段の開度の実際の制御量
が決定される。こうして、複数のアルゴリズムに従って
求められた複数の制御量から実際の制御量が唯一つ決定
されることによって、この唯一つの制御量に従って、少
ない制御回数でハンチングすることなく上記膨張手段の
開度が制御される。さらに、上記実際の制御量の決定に
は、常に上記保護制御部で求められた制御量が用いられ
る。こうして、上記膨張手段の開度が制御される毎に保
護制御が機能されて保護停止に至ることがない。さら
に、上記実際の制御量は優先度を加味して決定されるの
で、重要な制御部によって求められた制御量に重きを置
いて上記膨張手段の開度の制御量が決定される。
【0011】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明の空気調和機の制御装置において、上記制御量
決定部は、上記各制御部で求められた制御量の値が総て
0以上の場合には上記各制御量の値と対応する優先度と
の積の最大値を上記実際の制御量として決定し、上記各
制御部で求められた制御量の値が総て0以下の場合には
上記積の最小値を上記実際の制御量として決定し、上記
各制御部で求められた制御量の値が異符号を呈する場合
には上記積の最大値と上記積の最小値との和を上記実際
の制御量として決定するようになっていることを特徴と
している。
【0012】上記構成によれば、上記制御量決定部によ
って、上記各制御部で求められた制御量の値の符号に応
じて、適切に上記膨張手段の実際の制御量が決定され
る。
【0013】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明の空気調和機の制御装置において、上記保護制
御部は、上記検出された物理量の履歴から所定時間先の
物理量を予測し、上記物理量の履歴と予測値とから上記
膨張手段の開度の制御量を求めるようになっていること
を特徴としている。
【0014】上記構成によれば、上記保護制御部によっ
て、物理量の履歴と予測値に基づいて上記所定時間先の
保護制御の必要性が予知されて、保護制御が早めに実行
される。
【0015】また、請求項4に係る発明は、圧縮機・室
外熱交換器・膨張手段・室内熱交換器を有する冷凍回路に
関する物理量を検出する物理量検出手段と、上記物理量
検出手段で検出された物理量を用いて,室内機の吹出空
気温度が設定値になるように室内ファンの駆動周波数の
制御量を求める室内機吹出空気温度制御部と、上記物理
量検出手段で検出された物理量を用いて,保護制御を行
うための上記ファンの駆動周波数の制御量を求める保護
制御部と、上記各制御部で求められる制御量の優先度が
格納されている優先度格納部と、上記各制御部で求めら
れた制御量と上記優先度格納部に格納されている優先度
とに基づいて,上記ファンの駆動周波数の実際の制御量
を決定する制御量決定部を備えたことを特徴としてい
る。
【0016】上記構成によれば、上記室内機吹出空気温
度制御部および保護制御部によって夫々求められた室内
ファンの駆動周波数の制御量に基づいて、上記制御量決
定部によって、夫々の制御量に応じた優先度を用いて上
記ファンの駆動周波数の実際の制御量が決定される。こ
うして、複数のアルゴリズムに従って求められた複数の
制御量から実際の制御量が唯一つ決定されることによっ
て、この唯一つの制御量に従って、少ない制御回数でハ
ンチングすることなく上記ファンの駆動周波数が制御さ
れる。さらに、上記実際の制御量の決定には、常に上記
保護制御部で求められた制御量が用いられる。こうし
て、上記ファンの駆動周波数が制御される毎に保護制御
が機能されて保護停止に至ることがない。さらに、上記
実際の制御量は優先度を加味して決定されるので、重要
な制御部によって求められた制御量に重きを置いて上記
ファンの駆動周波数の制御量が決定される。
【0017】また、請求項5に係る発明は、請求項4に
記載の空気調和機の制御装置において、上記制御量決定
部は、上記各制御部で求められた制御量の値が総て0以
上の場合には上記各制御量の値と対応する優先度との積
の最大値を上記実際の制御量として決定し、上記各制御
部で求められた制御量の値が総て0以下の場合には上記
積の最小値を上記実際の制御量として決定し、上記各制
御部で求められた制御量の値が異符号を呈する場合には
上記積の最大値と上記積の最小値との和を上記実際の制
御量として決定するようになっていることを特徴として
いる。
【0018】上記構成によれば、上記制御量決定部によ
って、上記各制御部で求められた制御量の値の符号に応
じて、適切に上記蒸発器用のファンにおける駆動周波数
の実際の制御量が決定される。
【0019】また、請求項6に係る発明は、請求項4に
係る発明の空気調和機の制御装置において、上記保護制
御部は、上記検出された物理量の履歴から所定時間先の
物理量を予測し、上記物理量の履歴と予測値とから上記
蒸発器用の駆動周波数の制御量を求めるようになってい
ることを特徴としている。
【0020】上記構成によれば、上記保護制御部によっ
て、物理量の履歴と予測値とに基づいて上記所定時間先
の保護制御の必要性が予知されて、保護制御が早めに実
行される。
【0021】また、請求項7に係る発明は、圧縮機・室
外熱交換器・膨張手段・室内熱交換器を有する冷凍回路に
関する物理量を検出する物理量検出手段と、上記物理量
検出手段で検出された物理量を用いて,室内機の吸込空
気温度が設定値になるように上記圧縮機の駆動周波数の
制御量を求める室内機吸込空気温度制御部と、上記物理
量検出手段で検出された物理量を用いて,保護制御を行
うための上記圧縮機の駆動周波数の制御量を求める保護
制御部と、上記各制御部で求められる制御量の優先度が
格納されている優先度格納部と、上記各制御部で求めら
れた制御量と上記優先度格納部に格納されている優先度
とに基づいて,上記圧縮機の駆動周波数の実際の制御量
を決定する制御量決定部を備えたことを特徴としてい
る。
【0022】上記構成によれば、上記室内機吸込空気温
度制御部および保護制御部によって夫々求められた上記
圧縮機の駆動周波数の制御量に基づいて、上記制御量決
定部によって、夫々の制御量に応じた優先度を用いて上
記圧縮機の駆動周波数の実際の制御量が決定される。こ
うして、複数のアルゴリズムに従って求められた複数の
制御量から実際の制御量が唯一つ決定されることによっ
て、この唯一つの制御量に従って、少ない制御回数でハ
ンチングすることなく上記圧縮機の駆動周波数が制御さ
れる。さらに、上記実際の制御量の決定には、常に上記
保護制御部で求められた制御量が用いられる。こうし
て、上記圧縮機の駆動周波数が制御される毎に保護制御
が機能されて保護停止に至ることがない。さらに、上記
実際の制御量は優先度を加味して決定されるので、重要
な制御部によって求められた制御量に重きを置いて上記
圧縮機の駆動周波数の制御量が決定される。
【0023】また、請求項8に係る発明は、請求項7に
記載の空気調和機の制御装置において、上記制御量決定
部は、上記各制御部で求められた制御量の値が総て0以
上の場合には上記各制御量の値と対応する優先度との積
の最大値を上記実際の制御量として決定し、上記各制御
部で求められた制御量の値が総て0以下の場合には上記
積の最小値を上記実際の制御量として決定し、上記各制
御部で求められた制御量の値が異符号を呈する場合には
上記積の最大値と上記積の最小値との和を上記実際の制
御量として決定するようになっていることを特徴として
いる。
【0024】上記構成によれば、上記制御量決定部によ
って、上記各制御部で求められた制御量の値の符号に応
じて、適切に上記圧縮機の駆動周波数の実際の制御量が
決定される。
【0025】また、請求項9に係る発明は、請求項7に
係る発明の空気調和機の制御装置において、上記保護制
御部は、上記検出された物理量の履歴から所定時間先の
物理量を予測し、上記物理量の履歴と予測値とから上記
圧縮機の駆動周波数の制御量を求めるようになっている
ことを特徴としている。
【0026】上記構成によれば、上記保護制御部によっ
て、物理量の履歴と予測値とに基づいて上記所定時間先
の保護制御の必要性が予知されて、保護制御が早めに実
行される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。 <第1実施の形態>本実施の形態は、膨張弁の開度を複
数のアルゴリズムに従ってハンチングすることなく制御
できる空気調和機の制御装置に関する。図1は、本実施
の形態の空気調和の制御装置における膨張弁の開度制御
に係る概略構成図である。図1においては年間冷房用の
空気調和の制御装置が記載されているが、この発明はこ
れに限定されるものではない。
【0028】図1において、圧縮機1から吐出された高
温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器2によって凝縮され
て低温高圧の液冷媒となって膨張弁3に至る。そして、
膨張弁3で膨張されて低温低圧となった液冷媒は室内熱
交換器4において蒸発し、その際の潜熱を室内から奪っ
て室内を冷却する。こうしてガス化した冷媒は圧縮機1
に戻って、再度圧縮される。圧縮機用インバータ5は、
圧縮機1の駆動周波数を制御する。また、室内ファン用
インバータ6は、室内ファン7の駆動周波数を制御す
る。
【0029】上述のような冷凍サイクルにおいて、圧縮
機1の吐出管温度が第1温度センサ8によって検出さ
れ、圧縮機1の吐出冷媒圧が第1圧力センサ9によって
検出され、圧縮機1の吸込冷媒圧が第2圧力センサ10
によって検出され、室内ファン7の吹出空気温度が第2
温度センサ11によって検出され、室内機の吸込空気温
度が第3温度センサ12によって検出され、室内熱交換
器(蒸発器)4の出口の冷媒温度が第4温度センサ13に
よって検出される。
【0030】能力最大制御部15は、過去の吐出管温度
を格納するレジスタ(図示せず)を有している。そして、
第1温度センサ8からの出力信号に基づく現在の吐出管
温度と上記レジスタに保持された過去の吐出管温度とに
基づいて、上記吐出管温度が最大冷房能力時の吐出管温
度になるように膨張弁3の開度の制御量ΔEV1を求め
る。COP最大制御部16は、過去の蒸発器(室内熱交
換器4)出口の過熱度を格納するレジスタ(図示せず)を
有している。そして、第4温度センサ13からの出力信
号に基づく現在の蒸発器出口の冷媒温度から求めた蒸発
器出口の過熱度と上記レジスタに保持された過去の蒸発
器出口の過熱度とに基づいて、上記蒸発器出口の過熱度
が最大COP時の過熱度になるように膨張弁3の開度の
制御量ΔEV2を求める。
【0031】過熱保護制御部17は、過去の吐出管温度
を格納するレジスタ(図示せず)を有している。そして、
第1温度センサ8からの出力信号に基づく現在の吐出管
温度と上記レジスタに保持された過去の吐出管温度とに
基づいて、圧縮機1の過熱保護を行うための膨張弁3の
開度の制御量ΔEV3を求める。湿り保護制御部18
は、過去の吐出管温度および過去の吐出冷媒圧を格納す
るレジスタ(図示せず)を有している。そして、第1温度
センサ8からの出力信号に基づく現在の吐出管温度と、
第1圧力センサ9からの出力信号に基づく現在の吐出冷
媒圧と、上記レジスタに保持された過去の吐出管温度お
よび過去の吐出冷媒圧とに基づいて、上記圧縮機1の湿
り保護を行うための膨張弁3の開度の制御量ΔEV4
求める。
【0032】上述のようにして求められた各制御量ΔE
1〜ΔEV4は、膨張弁開度制御量決定部19に送出さ
れる。上記膨張弁開度制御量決定部19は、能力最大制
御部15,COP最大制御部16,過熱保護制御部17お
よび湿り保護制御部18から総ての制御量ΔEV1〜Δ
EV4を受け取ると、優先度格納部20に上記各制御部
15〜18による制御項目別に格納された優先度を用い
て、膨張弁3の開度の実際の制御量(以下、実制御量と
言う)ΔEVを決定する。そして、この決定された実制
御量ΔEVを表す制御信号を、膨張弁3の開度を制御す
る膨張弁制御部21に出力する。上記膨張弁制御部21
は、上記膨張弁開度制御量決定部19からの制御信号に
基づく実制御量ΔEVだけ膨張弁3の開度を変更する。
【0033】このように、複数のアルゴリズムに従って
求められた複数の制御量ΔEV1〜ΔEV4から一つの実
制御量ΔEVを求め、この唯一の実制御量ΔEVに基づ
いて膨張弁3の開度を制御することによって、膨張弁3
の開度をハンチングすることなく制御できるのである。
【0034】以下、本実施の形態の特徴である能力最大
制御部15,COP最大制御部16,過熱保護制御部17
および湿り保護制御部18による制御量ΔEV1〜ΔE
4の算出と、膨張弁開度制御量決定部19による実制
御量ΔEVの決定について詳細に説明する。
【0035】(1)能力最大制御 図2は、上記圧縮機1の吐出管温度と冷房能力との関係
を示す。図2から分かるように、上記冷房能力はある吐
出管温度で最大値を呈する。そこで、最大冷房能力Cma
xを呈するような吐出管温度Tを目標吐出管温度Tkとし
て上記膨張弁3の開度をPID制御を行うことによっ
て、能力最大制御を行うことができるのである。その際
における膨張弁3の開度の制御量ΔEV1は式(1)で得
られる。 ΔEV1=a(D0−D-30)+b(2D0+D-10+D-20) +c(D0−2D-20+D-30) …(1) 但し、 D0: 現在の吐出管温度T0 −目標吐
出管温度Tk D-10:10秒前の吐出管温度T-10−目標吐出管温度T
k D-20:20秒前の吐出管温度T-20−目標吐出管温度T
k D-30:30秒前の吐出管温度T-30−目標吐出管温度T
k a,b,c:定数
【0036】すなわち、上記能力最大制御部15は、第
1温度センサ8からの出力信号に基づいて10秒間隔に
常時過去30秒間の吐出管温度T-10,T-20,T-30を上
記レジスタに格納しておく。そして、現在取り込まれた
第1温度センサ8からの出力信号に基づく現在の吐出管
温度T0と、目標吐出管温度Tkと、過去の吐出管温度T
-10,T-20,T-30とから、式(1)を用いて制御量ΔEV1
を算出するのである。
【0037】(2)COP最大制御 図3は、蒸発器出口の過熱度とCOPとの関係を示す。
上記COPはある蒸発器出口の過熱度で最大値を呈す
る。そこで、COPの最大値COPmaxを呈するような
蒸発器出口の過熱度SHを目標過熱度SHcとして膨張
弁3の開度をPID制御を行うことによって、COP最
大制御を行うことができるのである。その際における膨
張弁3の開度の制御量ΔEV2は式(2)で得られる。 ΔEV2=a(S0−S-30)+b(2S0+S-10+S-20) +c(S0−2S-20+S-30) …(2) 但し、 S0: 現在の蒸発器出口の過熱度SH0
−目標過熱度SHc S-10:10秒前の蒸発器出口の過熱度SH-10−目標過
熱度SHc S-20:20秒前の蒸発器出口の過熱度SH-20−目標過
熱度SHc S-30:30秒前の蒸発器出口の過熱度SH-30−目標過
熱度SHc a,b,c:定数
【0038】すなわち、上記COP最大制御部16は、
第4温度センサ13からの出力信号に基づく室内熱交換
器4の出口の冷媒温度Teを用いて、現在の室内熱交換
器4の出口の過熱度SH0と、目標過熱度SHcと、上記
レジスタに格納された過去の室内熱交換器4の出口の過
熱度SH-10,SH-20,SH-30とから、式(2)を用いて
制御量ΔEV2を算出するのである。
【0039】(3)過熱保護制御 この過熱保護制御は、過去の吐出管温度から20秒先の
吐出管温度を予測し、この予測値に従って膨張弁3の開
度の制御量ΔEV3を求めるものである。図4は、上記
吐出管温度の経時変化を示す。T0は現在の吐出管温度
であり、T-10は10秒前の吐出管温度であり、T-20
20秒前の吐出管温度である。本過熱保護制御では、図
4の曲線上における現在および過去の3点(0,T0),(−
10,T-10),(−20,T-20)から回帰分析で得られる式
(3)によって、20秒先の吐出管温度T20を求めるので
ある。 T20=6T0−8T-10+3T-20 …(3)
【0040】すなわち、上記過熱保護制御部17は、第
1温度センサ8からの出力信号に基づいて10秒間隔に
常時過去20秒間の吐出管温度T-10,T-20を上記レジ
スタに格納しておく。そして、現在取り込まれた第1温
度センサ8からの出力信号に基づく現在の吐出管温度T
0と、過去の吐出管温度T-10,T-20とから、式(3)を用
いて20秒先の吐出管温度T20を求める。そして、この
求められた吐出管温度T20が102℃以上である場合
に、式(4)から制御量ΔEV3を算出するのである。 ΔEV3=a1(T20−102) …(4) 但し、a1:定数
【0041】(4)湿り保護制御 この湿り保護制御は、上述の過熱保護制御の場合と同様
にして、過去の吐出管温度と吐出冷媒圧とから予測した
20秒先の予測値に従って膨張弁3の開度の制御量ΔE
4を求める。図5は、上記吐出管温度と吐出冷媒圧か
ら求めた吐出過熱度(吐出管温度−吐出冷媒圧相当飽和
温度)DSHの経時変化を示す。本湿り保護制御では、
図4に示す吐出管温度の経時変化曲線上の現在および過
去の3点から回帰分析で得られる式(3)によって、20
秒先の吐出管温度T20を予測する。同様に、吐出冷媒圧
の経時変化曲線上の現在および過去の3点から回帰分析
で得られる式(5)によって、20秒先の吐出冷媒圧P20
を予測する。 P20=6P0−8P-10+3P-20 …(5) そして、両予測値T20とP20とから、式(6)によって2
0秒先のDSH20を予測するのである。 DSH20=T20−P20相当飽和温度 …(6)
【0042】すなわち、上記湿り保護制御部18は、第
1温度センサ8と第1圧力センサ9からの出力信号に基
づいて、10秒間隔に常時過去20秒間の吐出管温度T
-10,T-20と吐出冷媒圧P-10,P-20とを上記レジスタに
格納しておく。そして、現在取り込まれた第1温度セン
サ8および第1圧力センサ9からの出力信号に基づく現
在の吐出管温度T0および吐出冷媒圧P0と、過去の吐出
管温度T-10,T-20および吐出冷媒圧P-10,P-20とか
ら、式(3),式(5)および式(6)を用いて20秒先のD
SH20を求める。そして、この求められたDSH20が2
0度以下である場合に、式(7)から制御量ΔEV4を算
出するのである。 ΔEV4=a2(20−DSH20) …(7) 但し、a2:定数
【0043】(5)膨張弁開度の制御量決定 図6は、上記制御部15〜18による制御項目別に記し
た膨張弁開度の制御量決定用の優先度である。尚、図6
には、後に、他の実施の形態で用いる室内ファン駆動周
波数および圧縮機駆動周波数の制御量決定用の優先度も
同時に記載してある。そして、優先度格納部20には、
図6を表すテーブルを格納しておくのである。上記膨張
弁開度制御量決定部19は、上記優先度格納部20に格
納された優先度を用いて、以下のようにして膨張弁3の
開度の実制御量ΔEVを算出する。
【0044】1)総ての制御量ΔEV1〜ΔEV4の値が
0以上である場合 この場合には、実制御量ΔEVを、最も大きな制御量を
必要とする制御項目の制御量に設定しておけば、他の制
御項目の必要制御量は満たされることになる。そこで、
各制御量と対応する優先度との積を求め、その最大値を
実制御量ΔEVとするのである。例えば、上述のように
して求められた各制御量制御量ΔEV1〜ΔEV4の値が 制御量ΔEV1(能力最大制御) = 0パルス 制御量ΔEV2(COP最大制御)=40パルス 制御量ΔEV3(過熱保護制御) =50パルス 制御量ΔEV4(湿り保護制御) = 0パルス であるとすると、各制御量と対応す優先度との積 ΔEV1×0.6= 0×0.6= 0パルス ΔEV2×0.6=40×0.6=24パルス ΔEV3×1.0=50×1.0=50パルス ΔEV4×1.0= 0×1.0= 0パルス となるから、最大値50パルスを膨張弁3の開度の実制
御量ΔEVとするのである。
【0045】2)総ての制御量ΔEV1〜ΔEV4の値が
0以下である場合 この場合には、実制御量ΔEVを、最も大きな│制御量
│を必要とする制御項目の制御量に設定しておけば、他
の制御項目の必要制御量は満たされることになる。そこ
で、各制御量と対応する優先度との積を求め、その最小
値を実制御量ΔEVとするのである。例えば、上述のよ
うにして求められた各制御量制御量ΔEV1〜ΔEV4
値が 制御量ΔEV1(能力最大制御) = 0パルス 制御量ΔEV2(COP最大制御)=−10パルス 制御量ΔEV3(過熱保護制御) = 0パルス 制御量ΔEV4(湿り保護制御) =−50パルス であるとすると、各制御量と対応す優先度との積 ΔEV1×0.6= 0×0.6= 0パルス ΔEV2×0.6=−10×0.6= −6パルス ΔEV3×1.0= 0×1.0= 0パルス ΔEV4×1.0=−50×1.0=−50パルス となるから、最小値−50パルスを膨張弁3の開度の実
制御量ΔEVとするのである。
【0046】3)各制御量ΔEV1〜ΔEV4の値が異符
号(0を含む)を呈する場合 この場合には、1)によって求められた制御量と2)に
よって求められた制御量との和を実制御量ΔEVとする
のである。例えば、上述のようにして求められた各制御
量制御量ΔEV1〜ΔEV4の値が 制御量ΔEV1(能力最大制御) =−50パルス 制御量ΔEV2(COP最大制御)= 0パルス 制御量ΔEV3(過熱保護制御) = 30パルス 制御量ΔEV4(湿り保護制御) = 0パルス であるとすると、各制御量と対応する優先度との積 ΔEV1×0.6=−50×0.6=−30パルス ΔEV2×0.6= 0×0.6= 0パルス ΔEV3×1.0= 30×1.0= 30パルス ΔEV4×1.0= 0×1.0= 0パルス となるから、最大値30パルスと最小値−30パルスと
の和0パルスを膨張弁3の開度の実制御量ΔEVとする
のである。
【0047】このように、本実施例においては、能力最
大制御部15によって、現在の吐出管温度と過去の吐出
管温度とに基づいて最大冷房能力時の吐出管温度になる
ように膨張弁3の開度の制御量ΔEV1を求める。ま
た、COP最大制御部16によって、現在の蒸発器(室
内熱交換器4)出口の過熱度と過去の蒸発器出口過熱度
とに基づいて最大COP時の蒸発器出口の過熱度になる
ように制御量ΔEV2を求める。また、過熱保護制御部
17によって、現在の吐出管温度と過去の吐出管温度と
から予測した20秒先の吐出管温度に基づいて、圧縮機
1の過熱保護を行うための膨張弁3の開度の制御量ΔE
3を求める。また、湿り保護制御部18によって、現
在の吐出管温度および吐出冷媒圧と過去の吐出管温度お
よび吐出冷媒圧とから予測した20秒先のDSHに基づ
いて、圧縮機1の湿り保護を行うための膨張弁3の開度
の制御量ΔEV4を求める。
【0048】そして、上記膨張弁開度制御量決定部19
によって、各制御量ΔEV1〜ΔEV4と、優先度格納部
20に格納された優先度とに基づいて、総ての制御量Δ
EV1〜ΔEV4の値が0以上である場合には、各制御量
と対応する優先度との積の最大値を実制御量ΔEVとし
て求める。また、総ての制御量ΔEV1〜ΔEV4の値が
0以下である場合には、各制御量と対応する優先度との
積の最小値を実制御量ΔEVとして求める。また、各制
御量ΔEV1〜ΔEV4の値が異符号を呈する場合には、
各制御量と対応する優先度との積の最大値と最小値との
和を実制御量ΔEVとして求めるのである。
【0049】したがって、上記膨張弁3の開度を制御す
る場合の実際の制御量は上記実制御量ΔEV唯一つとな
り、膨張弁3の開度の制御回数を低減できる。さらに、
上記能力最大制御部15,COP最大制御部16,過熱保
護制御部17および湿り保護制御部18による異なるア
ルゴリズムで、異なるタイミングで、相反するような膨
張弁3の開度の制御量ΔEV1〜ΔEV4が求められたと
しても、膨張弁3の開度がハンチングを起こすことはな
い。また、その場合に、上記唯一つ求められる実制御量
ΔEVは、個々の制御部15〜18からの制御量ΔEV
1〜ΔEV4に優先度を加味して求めているので、空気調
和機全体として重要な制御項目を重視した膨張弁3の開
度制御を行うことができ、的確な空気調和を行うことが
できる。また、上述のごとく、上記膨張弁3の開度の実
際の制御量は実制御量ΔEV唯一つであり、この実制御
量ΔEV算出には常に過熱保護制御や湿り保護制御に基
づく制御量が用いられている。したがって、本実施例に
よれば、膨張弁3の開度制御の毎に保護制御が機能する
ことになり、従来の問題であったガードタイムに起因す
る異常停止を防止することができるである。
【0050】尚、本実施の形態においては、能力最大制
御を行う能力最大制御部15とCOP最大制御を行うC
OP最大制御部16とを備えているが、何れか一方のみ
を備えていても何ら差し支えない。
【0051】<第2実施の形態>本実施の形態は、室内
ファンの駆動周波数を複数のアルゴリズムに従ってハン
チングすることなく制御できる空気調和機の制御装置に
関する。図7は、本実施の形態の空気調和の制御装置に
おける室内ファンの風量制御に係る概略構成図である。
図7において、圧縮機1,室外熱交換器2,膨張弁3,室
内熱交換器4,圧縮機用インバータ5,室内ファン用イン
バータ6,室内ファン7,第1温度センサ8,第1圧力セ
ンサ9,第2圧力センサ10,第2温度センサ11,第3
温度センサ12および第4温度センサ13は、第1実施
の形態の場合と同じである。
【0052】室内機吹出空気温度制御部25は、過去に
おける室内機吹出空気温度(以下、単に吹出空気温度と
言う)を格納するレジスタ(図示せず)を有している。
そして、第2温度センサ11からの出力信号に基づく現
在の吹出空気温度と上記レジスタに保持された過去の吹
出空気温度とに基づいて、上記吹出空気温度が設定値に
なるように室内ファン7の駆動周波数の制御量ΔAHz1
を求める。凍結保護制御部26は、過去の蒸発器(室内
熱交換器4)出口の冷媒温度を格納するレジスタ(図示せ
ず)を有している。そして、第4温度センサ13からの
出力信号に基づく現在の蒸発器出口の冷媒温度と上記レ
ジスタに保持された過去の蒸発器出口の冷媒温度とに基
づいて、蒸発器の出口における冷媒の凍結保護を行うた
めの室内ファン7の駆動周波数の制御量ΔAHz2を求め
る。
【0053】過熱保護制御部27は、上記膨張弁制御部
21からの出力信号に基づく膨張弁3の開度、第1温度
センサ8からの出力信号に基づく吐出管温度、および、
第4温度センサ13からの出力信号に基づく蒸発器(室
内熱交換器4)出口の過熱度に基づいて、圧縮機1の過
熱保護を行うための室内ファン7の駆動周波数の制御量
ΔAHz3を求める。湿り保護制御部28は、過去の吐出
管温度および過去の吐出冷媒圧を格納するレジスタ(図
示せず)を有している。そして、第1温度センサ8から
の出力信号に基づく現在の吐出管温度と、第1圧力セン
サ9からの出力信号に基づく現在の吐出冷媒圧と、上記
レジスタに保持された過去の吐出管温度および過去の吐
出冷媒圧とに基づいて、上記圧縮機1の湿り保護を行う
ための室内ファン7の駆動周波数の制御量ΔAHz4を求
める。
【0054】高圧保護制御部29は、上記圧縮機用イン
バータ5からの出力信号に基づく圧縮機1の駆動周波
数、室内ファン用インバータ6からの出力信号に基づく
室内ファン7の駆動周波数、および、第1圧力センサ9
からの出力信号に基づく吐出冷媒圧に基づいて、上記高
圧保護を行うための室内ファン7の駆動周波数の制御量
ΔAHz5を求める。低圧保護制御部30は、上記圧縮機
用インバータ5からの出力信号に基づく圧縮機1の駆動
周波数、室内ファン用インバータ6からの出力信号に基
づく室内ファン7の駆動周波数、第1圧力センサ9から
の出力信号に基づく吐出冷媒圧、および、第2圧力セン
サ10からの出力信号に基づく吸込冷媒圧に基づいて、
上記低圧保護を行うための室内ファン7の駆動周波数の
制御量ΔAHz6を求める。
【0055】上述のようにして求められた各制御量ΔA
Hz1〜ΔAHz6は、室内ファン駆動周波数制御量決定部
24に送出される。上記室内ファン駆動周波数制御量決
定部24は、室内機吹出空気温度制御部25,凍結保護
制御部26,過熱保護制御部27,湿り保護制御部28,
高圧保護制御部29および低圧保護制御部30から総て
の制御量ΔAHz1〜ΔAHz6を受け取ると、優先度格納
部20に上記各制御部25〜30による制御項目別に格
納された優先度を用いて、室内ファン7の駆動周波数の
実制御量ΔAHzを決定する。そして、この決定された
実制御量ΔAHzを表す制御信号を、室内ファン7駆動
用のモータ23の回転数を制御する室内ファン用インバ
ータ6に出力する。上記室内ファン用インバータ6は、
上記モータ23の駆動周波数を室内ファン駆動周波数制
御量決定部24からの制御信号に基づく実制御量ΔAH
zだけ変更する。
【0056】このように、複数のアルゴリズムに従って
求められた複数の制御量ΔAHz1〜ΔAHz6から一つの
実制御量ΔAHzを求め、この実制御量ΔAHzに基づい
て室内ファン7の駆動周波数を制御することによって、
室内ファン7の駆動周波数をハンチングすることなく制
御できるのである。
【0057】以下、本実施の形態の特徴である室内機吹
出空気温度制御部25,凍結保護制御部26,過熱保護制
御部27,湿り保護制御部28,高圧保護制御部29及び
低圧保護制御部30による制御量ΔAHz1〜ΔAHz6
算出と、室内ファン駆動周波数制御量決定部24による
実制御量ΔAHzの決定について詳細に説明する。
【0058】(6)室内機吹出空気温度制御 図8は、上記吹出空気温度Toの経時変化を示す。この
吹出空気温度Toは、吹出空気温度設定値Tset1を目標
とし、室内ファン7の駆動周波数を制御量としてPID
制御される。その場合の制御量ΔAHz1は式(8)で与え
られる。 ΔAHz1=a(ΔT0−ΔT-30)+b(ΔT0−2ΔT-10+ΔT-20) +c(2ΔT0+ΔT-20+ΔT-30) …(8) 但し、 ΔT0:吹出空気温度設定値Tset1− 現在
の吹出空気温度To0 ΔT-10:吹出空気温度設定値Tset1−10秒前の吹出
空気温度To-10 ΔT-20:吹出空気温度設定値Tset1−20秒前の吹出
空気温度To-20 ΔT-30:吹出空気温度設定値Tset1−30秒前の吹出
空気温度To-30 a,b,c:定数
【0059】すなわち、上記室内機吹出空気温度制御部
25は、第2温度センサ11からの出力信号に基づいて
10秒間隔で過去30秒間の吹出空気温度To-10,To
-20,To-30を上記レジスタに格納しておく。そして、
現在取り込まれた第2温度センサ11からの出力信号に
基づく現在の吹出空気温度To0と、吹出空気温度設定値
Tset1と、過去の吹出空気温度To-10,To-20,To-30
から、式(8)を用いて制御量ΔAHz1を算出するのであ
る。
【0060】(7)凍結保護制御 この凍結保護制御は、過去の凝縮器出口冷媒温度から2
0秒先の凝縮器出口冷媒温度を予測する。そして、この
予測値に従って室内ファン7の駆動周波数の制御量ΔA
Hz2を求めるものである。本凍結保護制御では、第1実
施の形態における過熱保護制御部17による過熱保護制
御の場合と同様に、図9の曲線上における現在および過
去の3点から回帰分析で得られる式(9)によって、20
秒先の蒸発器出口冷媒温度Te20を求めるのである。 Te20=6Te0−8Te-10+3Te-20 …(9)
【0061】すなわち、上記凍結保護制御部26は、第
4温度センサ13からの出力信号に基づいて10秒間隔
に常時過去20秒間の蒸発器出口冷媒温度Te-10,Te
-20を上記レジスタに格納しておく。そして、現在取り
込まれた第4温度センサ13からの出力信号に基づく現
在の蒸発器出口冷媒温度Te0と、過去の蒸発器出口冷媒
温度Te-10,Te-20とから、式(9)を用いて20秒先の
蒸発器出口冷媒温度Te20を求める。そして、この求め
られた蒸発器出口冷媒温度Te20が−3℃以下である場
合に、式(10)から制御量ΔAHz2を算出するのであ
る。 ΔAHz2=a3(−3−Te20) …(10) 但し、a3:定数
【0062】(8)過熱保護制御 上記過熱保護制御部27は、膨張弁制御部21からの出
力信号に基づく膨張弁3の現在の開度EVが全開であ
り、第4温度センサ13からの出力信号に基づく蒸発器
出口冷媒温度Teから求めた蒸発器出口過熱度SHが2
0度より大きく、第1温度センサからの出力信号に基づ
く吐出管温度Tが105℃より大きい場合に、式(11)
から制御量ΔAHz3を算出する。 ΔAHz3=a4(T−105) …(11) 但し、a4:定数
【0063】(9)湿り保護制御 この湿り保護制御は、第1実施の形態における湿り保護
制御部18による湿り保護制御の場合と同様に、式
(3),式(5)および式(6)によって、図10に示す20
秒先のDSH20を予測するのである。
【0064】すなわち、上記湿り保護制御部28は、第
1実施の形態における湿り保護制御部18と同様に、第
1温度センサ8と第1圧力センサ9からの出力信号に基
づく現在の吐出管温度T0および吐出冷媒圧P0と、過去
の吐出管温度T-10,T-20および吐出冷媒圧P-10,P-20
とから、式(3),式(5)および式(6)を用いて20秒先
のDSH20を求める。そして、この求められたDSH20
が15度以下である場合に、式(12)から制御量ΔAH
z4を算出するのである。 ΔAHz4=a5(15−DSH20) …(12) 但し、a5:定数
【0065】(10)高圧保護制御 上記高圧保護制御部29は、上記圧縮機用インバータ5
からの出力信号に基づく圧縮機1の駆動周波数CHzが
(最大ステップ−2ステップ)以上であり、室内ファン用
インバータ6からの出力信号に基づく室内ファン7の駆
動周波数AHzが50Hz以上であり、第1圧力センサ9
からの出力信号に基づく吐出冷媒圧PHが29kg/cm2
上である場合に、式(13)から制御量ΔAHz5を算出す
る。 ΔAHz5=a6(PH−29) …(13) 但し、a6:定数
【0066】(11)低圧保護制御 上記低圧保護制御部30は、上記圧縮機用インバータ5
からの出力信号に基づく圧縮機1の駆動周波数CHzが
(最大ステップ−2ステップ)以上であり、室内ファン用
インバータ6からの出力信号に基づく室内ファン7の駆
動周波数AHzが40Hz以下であり、第1圧力センサ9
からの出力信号に基づく吐出冷媒圧PHが15kg/cm2
下であり、第2圧力センサ10からの出力信号に基づく
吸込冷媒圧PLが2.5kg/cm2以下である場合に、式(1
4)から制御量ΔAHz6を算出する。 ΔAHz6=a7(2.5−PL) …(14) 但し、a7:定数
【0067】(12)室内ファン駆動周波数の制御量決
定 上記室内ファン駆動周波数制御量決定部24は、上記優
先度格納部20に格納された室内ファン駆動周波数の制
御量決定用の優先度を用いて、第1実施の形態における
膨張弁開度制御量決定部19と同様に、 1)総ての制御量ΔAHz1〜ΔAHz6の値が0以上であ
る場合には、各制御量と対応する優先度との積の最大値
を実制御量ΔAHzとする。 2)総ての制御量ΔAHz1〜ΔAHz6の値が0以下であ
る場合には、各制御量と対応する優先度との積の最小値
を実制御量ΔAHzとする。 3)各制御量ΔAHz1〜ΔAHz6の値が異符号を呈する
場合には、各制御量と対応する優先度との積の最大値
と、上記積の最小値との和を、上記実制御量ΔAHzと
する。
【0068】例えば、上述のようにして求められた各制
御量制御量ΔAHz1〜ΔAHz6の値が 制御量ΔAHz1(室内機吹出空気温度制御)= 40パル
ス 制御量ΔAHz2(凍結保護制御) = 0パルス 制御量ΔAHz3(過熱保護制御) = 30パルス 制御量ΔAHz4(湿り保護制御) = 0パルス 制御量ΔAHz5(高圧保護制御) = 0パルス 制御量ΔAHz6(低圧保護制御) =−50パルス であるとすると、各制御量と対応す優先度との積 ΔAHz1×0.7= 40×0.7= 28パルス ΔAHz2×0.5= 0×0.5= 0パルス ΔAHz3×1.0= 30×1.0= 30パルス ΔAHz4×1.0= 0×1.0= 0パルス ΔAHz5×1.0= 0×1.0= 0パルス ΔAHz6×0.5=−50×0.5=−25パルス となるから、最大値30パルスと最小値−25パルスと
の和5パルスを室内ファン7の駆動周波数の実制御量Δ
AHzとするのである。
【0069】このように、本実施例においては、室内機
吹出空気温度制御部25によって、現在の吹出空気温度
と過去の吹出空気温度に基づいて、吹出空気温度Toが
吹出空気温度設定値Tset1になるように室内ファン7の
駆動周波数の制御量ΔAHz1を求める。また、凍結保護
制御部26によって、現在の蒸発器(室内熱交換器4)出
口の冷媒温度と過去の蒸発器出口冷媒温度から予測した
20秒先の蒸発器出口冷媒温度に基づいて、上記凍結保
護を行うための室内ファン7の駆動周波数の制御量ΔA
Hz2を求める。また、過熱保護制御部27によって、膨
張弁3の開度と蒸発器出口過熱度と吐出管温度に基づい
て、圧縮機1の過熱保護を行うための室内ファン7の駆
動周波数の制御量ΔAHz3を求める。また、湿り保護制
御部28によって、現在の吐出管温度および現在の吐出
冷媒圧と過去の吐出管温度および過去の吐出冷媒圧とか
ら予測した20秒先のDSHに基づいて、圧縮機1の湿
り保護を行うための室内ファン7の駆動周波数の制御量
ΔAHz4を求める。また、高圧保護制御部29によっ
て、圧縮機1の駆動周波数と室内ファン7の駆動周波数
と吐出冷媒圧に基づいて、上記高圧保護を行うための室
内ファン7の駆動周波数の制御量ΔAHz5を求める。ま
た、低圧保護制御部30によって、圧縮機1の駆動周波
数と室内ファン7の駆動周波数と吐出冷媒圧と吸込冷媒
圧に基づいて、上記低圧保護を行うための室内ファン7
における駆動周波数の制御量ΔAHz6を求める。
【0070】そして、上記室内ファン駆動周波数制御量
決定部24によって、各制御量ΔAHz1〜ΔAHz6と優
先度格納部20に格納された優先度とに基づいて、総て
の制御量ΔAHz1〜ΔAHz6の値が0以上の場合には、
各制御量と対応する優先度との積の最大値を実制御量Δ
AHzとして求める。また、総ての制御量ΔAHz1〜Δ
AHz6の値が0以下である場合には、各制御量と対応す
る優先度との積の最小値を実制御量ΔAHzとして求め
る。また、各制御量ΔAHz1〜ΔAHz6の値が異符号を
呈する場合には、各制御量と対応する優先度との積の最
大値と上記積の最小値との和を実制御量ΔAHzとして
求めるのである。
【0071】したがって、上記室内ファン7の駆動周波
数を制御する場合の実際の制御量は上記実制御量ΔAH
z唯一つとなり、室内ファン7の駆動周波数の制御回数
を低減できる。さらに、上記室内機吹出空気温度制御部
25,凍結保護制御部26,過熱保護制御部27,湿り保
護制御部28,高圧保護制御部29及び低圧保護制御部
30による異なるアルゴリズムで、異なるタイミング
で、相反するような室内ファン7の駆動周波数の制御量
ΔAHz1〜ΔAHz6が求められたとしても、室内ファン
7の駆動周波数がハンチングを起こすことはない。ま
た、その場合に、上記唯一つ求められる実制御量ΔAH
zは、各制御部25〜30からの制御量ΔAHz1〜ΔA
Hz6に優先度を加味して求めているので、的確な空気調
和を行うことができる。また、上述のごとく、唯一つ得
られる実制御量ΔAHzの算出には、常に凍結保護,過熱
保護制御,湿り保護制御,高圧保護および低圧保護に基づ
く制御量が用いられている。したがって、本実施例によ
れば、室内ファン7の駆動周波数制御の毎に保護制御が
機能することになり、従来の問題であるガードタイムに
起因する異常停止を防止することができるのである。
【0072】<第3実施の形態>本実施の形態は、圧縮
機の駆動周波数を複数のアルゴリズムに従ってハンチン
グすることなく制御できる空気調和機の制御装置に関す
る。図11は、本実施の形態の空気調和の制御装置にお
ける圧縮機の駆動周波数制御に係る概略構成図である。
図7において、圧縮機1,室外熱交換器2,膨張弁3,室
内熱交換器4,圧縮機用インバータ5,室内ファン用イン
バータ6,室内ファン7,第1温度センサ8,第1圧力セ
ンサ9,第2圧力センサ10,第2温度センサ11,第3
温度センサ12および第4温度センサ13は、第1実施
の形態の場合と同じである。
【0073】室内機吸込空気温度制御部31は、過去に
おける室内機吸込空気温度(以下、単に吸込空気温度と
言う)を格納するレジスタ(図示せず)を有している。
そして、第3温度センサ12からの出力信号に基づく現
在の吸込空気温度と上記レジスタに保持された過去の吸
込空気温度とに基づいて、室内温度の設定値になるよう
に圧縮機1の駆動周波数の制御量ΔCHz1を求める。過
熱保護制御部32は、過去の吐出管温度を格納するレジ
スタ(図示せず)を有している。そして、第1温度センサ
8からの出力信号に基づく現在の吐出管温度と上記レジ
スタに保持された過去の吐出管温度とに基づいて、過熱
保護を行うための圧縮機1の駆動周波数の制御量ΔCH
z2を求める。
【0074】高圧保護制御部33は、過去の吐出冷媒圧
を格納するレジスタ(図示せず)を有している。そして、
第1圧力センサ9からの出力信号に基づく現在の吐出冷
媒圧と上記レジスタに保持された過去の吐出冷媒圧とに
基づいて、高圧保護を行うための圧縮機1の駆動周波数
の制御量ΔCHz3を求める。低圧保護制御部34は、過
去の吸込冷媒圧を格納するレジスタ(図示せず)を有して
いる。そして、第2圧力センサ10からの出力信号に基
づく現在の吸込冷媒圧と上記レジスタに保持された過去
の吸込冷媒圧とに基づいて、低圧保護を行うための圧縮
機1の駆動周波数の制御量ΔCHz4を求める。
【0075】凍結保護制御部35は、過去の蒸発器(室
内熱交換器4)出口の冷媒温度を格納するレジスタ(図示
せず)を有している。そして、第4温度センサ13から
の出力信号に基づく現在の蒸発器出口の冷媒温度と上記
レジスタに保持された過去の蒸発器出口の冷媒温度とに
基づいて、凍結保護を行うための圧縮機1の駆動周波数
の制御量ΔCHz5を求める。
【0076】上述のようにして求められた各制御量ΔC
Hz1〜ΔCHz5は、圧縮機駆動周波数制御量決定部36
に送出される。上記圧縮機駆動周波数制御量決定部36
は、室内機吸込空気温度制御部31,過熱保護制御部3
2,高圧保護制御部33,低圧保護制御部34および凍結
保護制御部35から総ての制御量ΔCHz1〜ΔCHz5
受け取ると、優先度格納部20に各制御部31〜35に
よる制御項目別に格納された優先度を用いて、圧縮機1
の駆動周波数の実制御量ΔCHzを決定する。そして、
この決定された実制御量ΔCHzを表す制御信号を、圧
縮機1の回転数を制御する圧縮機用インバータ5に出力
する。上記圧縮機用インバータ5は、上記圧縮機1の駆
動周波数を圧縮機駆動周波数制御量決定部36からの制
御信号に基づく実制御量ΔCHzだけ変更する。
【0077】このように、複数のアルゴリズムに従って
求められた複数の制御量ΔCHz1〜ΔCHz5から一つの
実制御量ΔCHzを求め、この実制御量ΔCHzに基づい
て圧縮機1の駆動周波数を制御することによって、圧縮
機1の駆動周波数をハンチングすることなく制御できる
のである。
【0078】以下、本実施の形態の特徴である室内機吸
込空気温度制御部31,過熱保護制御部32,高圧保護制
御部33,低圧保護制御部34および凍結保護制御部3
5による制御量ΔCHz1〜ΔCHz5の算出と、圧縮機駆
動周波数制御量決定部36による実制御量ΔCHzの決
定について詳細に説明する。
【0079】(13)室内機吸込空気温度制御 図12は、上記吸込空気温度Tiの経時変化を示す。こ
の吸込空気温度Tiは、室内温度設定値Tset2を目標と
し、圧縮機1の駆動周波数を制御量としてPID制御さ
れる。その場合の制御量ΔCHz1は式(15)で与えられ
る。 ΔCHz1=a(ΔT0−ΔT-30)+b(ΔT0−2ΔT-10+ΔT-20) +c(2ΔT0+ΔT-20+ΔT-30) …(15) 但し、 ΔT0: 現在の吸込空気温度Ti0 −室内
温度設定値Tset2 ΔT-10:10秒前の吸込空気温度Ti-10−室内温度設
定値Tset2 ΔT-20:20秒前の吸込空気温度Ti-20−室内温度設
定値Tset2 ΔT-30:30秒前の吸込空気温度Ti-30−室内温度設
定値Tset2 a,b,c:定数
【0080】すなわち、上記室内機吸込空気温度制御部
31は、第3温度センサ12からの出力信号に基づいて
10秒間隔で過去30秒間の吸込空気温度Ti-10,Ti
-20,Ti-30を上記レジスタに格納しておく。そして、
現在取り込まれた上記第3温度センサ12からの出力信
号に基づく現在の吸込空気温度Ti0と、室内温度設定値
Tset2と、過去の吸込空気温度Ti-10,Ti-20,Ti-30
ら、式(15)を用いて制御量ΔCHz1を算出するのであ
る。
【0081】(14)過熱保護制御 この過熱保護制御では、第1実施の形態における過熱保
護制御部17による過熱保護制御の場合と同様に、図1
3の曲線上における現在および過去の3点から回帰分析
で得られる式(3)によって、20秒先の吐出管温度T20
を求めるのである。
【0082】すなわち、上記過熱保護制御部32は、第
1実施の形態における過熱保護制御部17と同様に、上
記第1温度センサ8からの出力信号に基づく現在の吐出
管温度T0と、過去の吐出管温度T-10,T-20とから、式
(3)を用いて20秒先の吐出管温度T20を求める。そし
て、この求められた吐出管温度T20が105℃以上であ
る場合に、式(16)から制御量ΔCHz2を算出するので
ある。 ΔCHz2=a8(T20−105) …(16) 但し、a8:定数
【0083】(15)高圧保護制御 この高圧保護制御においても、図14の曲線上における
現在および過去の3点から回帰分析で得られる式(17)
によって、20秒先の吐出冷媒圧PH20を求める。 PH20=6PH0−8PH-10+3PH-20 …(17) すなわち、上記高圧保護制御部33は、第1圧力センサ
9からの出力信号に基づいて、現在の吐出冷媒圧PH0
と、過去の吐出冷媒圧PH-10,PH-20とから、式(1
7)を用いて20秒先の吐出冷媒圧PH20を求める。そ
して、求められた吐出冷媒圧PH20が28kg/cm2以上で
ある場合に、式(18)から制御量ΔCHz3を算出するの
である。 ΔCHz3=a9(PH20−28) …(18) 但し、a9:定数
【0084】(16)低圧保護制御 この低圧保護制御においても、図15の曲線上における
現在および過去の3点から回帰分析で得られる式(19)
によって、20秒先の吸入媒圧PL20を求めるのであ
る。 PL20=6PL0−8PL-10+3PL-20 …(19) すなわち、上記低圧保護制御部34は、上記第2圧力セ
ンサ10からの出力信号に基づいて、現在の吸入冷媒圧
PL0と、過去の吸入冷媒圧PL-10,PL-20とから、式
(19)を用いて20秒先の吸入冷媒圧PL20を求める。
そして、この求められた吸入冷媒圧PL20が3kg/cm2
下である場合に、式(20)から制御量ΔCHz4を算出す
るのである。 ΔCHz4=a10(3−PL20) …(20) 但し、a10:定数
【0085】(17)凍結保護制御 この凍結保護制御においては、第2実施の形態における
凍結保護制御部26による凍結保護制御と同様に、図1
6の曲線上における現在および過去の3点から回帰分析
で得られる式(9)によって、20秒先の蒸発器出口冷媒
温度Te20を求めるのである。すなわち、上記凍結保護
制御部35は、第4温度センサ13からの出力信号に基
づいて、現在の蒸発器出口冷媒温度Te0と、過去の蒸発
器出口冷媒温度Te-10,Te-20とから、式(9)を用いて
20秒先の蒸発器出口冷媒温度Te20を求める。そし
て、この求められた蒸発器出口冷媒温度Te20が0℃以
下である場合に、式(21)から制御量ΔCHz5を算出
するのである。 ΔCHz5=a11(0−Te20) …(21) 但し、a11:定数
【0086】(18)圧縮機駆動周波数の制御量決定 上記圧縮機駆動周波数制御量決定部36は、上記優先度
格納部20に格納された圧縮機駆動周波数の制御量決定
用の優先度を用いて、第1実施の形態における膨張弁開
度制御量決定部19と同様に、 1)総ての制御量ΔCHz1〜ΔCHz5の値が0以上であ
る場合には、各制御量と対応する優先度との積の最大値
を実制御量ΔCHzとする。 2)総ての制御量ΔCHz1〜ΔCHz5の値が0以下であ
る場合には、各制御量と対応する優先度との積の最小値
を実制御量ΔCHzとする。 3)各制御量ΔCHz1〜ΔCHz6の値が異符号を呈する
場合には、各制御量と対応する優先度との積の最大値
と、上記積の最小値との和を、上記実制御量ΔCHzと
する。
【0087】例えば、上述のようにして求められた各制
御量制御量ΔCHz1〜ΔCHz5の値が 制御量ΔCHz1(室内機吸込空気温度制御)=−10パル
ス 制御量ΔCHz2(過熱保護制御) = 5パルス 制御量ΔCHz3(高圧保護制御) = 10パルス 制御量ΔCHz4(低圧保護制御) = 0パルス 制御量ΔCHz5(凍結保護制御) = 0パルス であるとすると、各制御量と対応す優先度との積 ΔCHz1×0.5=−10×0.5= −5パルス ΔCHz2×1.0= 5×1.0= 5パルス ΔCHz3×1.0= 10×1.0= 10パルス ΔCHz4×1.0= 0×1.0= 0パルス ΔCHz5×1.0= 0×1.0= 0パルス となるから、最大値10パルスと最小値−5パルスとの
和5パルスを圧縮機1の駆動周波数の実制御量ΔCHz
とするのである。
【0088】このように、本実施例においては、室内機
吸込空気温度制御部31によって、現在の吸込空気冷媒
温度と過去の吸込空気冷媒温度とに基づいて、吸込空気
冷媒温度Tiが室内温度設定値Tset2になるように圧縮
機1の駆動周波数の制御量ΔCHz1を求める。また、過
熱保護制御部32によって、現在の吐出管温度と過去の
吐出管温度とから予測した20秒先の吐出管温度に基づ
いて、過熱保護を行うための圧縮機1の駆動周波数の制
御量ΔCHz2を求める。また、高圧保護制御部33によ
って、現在の吐出冷媒圧と過去の吐出冷媒圧とから予測
した20秒先の吐出冷媒圧に基づいて、高圧保護を行う
ための圧縮機1の駆動周波数の制御量ΔCHz3を求め
る。また、低圧保護制御部34によって、現在の吸入冷
媒圧と過去の吸入冷媒圧とから予測した20秒先の吸入
冷媒圧に基づいて、低圧保護を行うための圧縮機1の駆
動周波数の制御量ΔCHz4を求める。また、凍結保護制
御部35によって、現在の蒸発器出口冷媒温度と過去の
蒸発器出口冷媒温度とから予測した20秒先の蒸発器出
口冷媒温度に基づいて、凍結保護を行うための圧縮機1
の駆動周波数の制御量ΔCHz5を求める。
【0089】そして、上記圧縮機駆動周波数制御量決定
部36によって、各制御量ΔCHz1〜ΔCHz5と優先度
格納部20に格納された優先度とに基づいて、総ての制
御量ΔCHz1〜ΔCHz5の値が0以上である場合には、
各制御量と対応する優先度との積の最大値を実制御量Δ
CHzとして求める。また、総ての制御量ΔCHz1〜Δ
CHz5の値が0以下である場合には、各制御量と対応す
る優先度との積の最小値を実制御量ΔCHzとして求め
る。また、各制御量ΔCHz1〜ΔCHz5の値が異符号を
呈する場合には、各制御量と対応する優先度との積の最
大値と上記積の最小値との和を実制御量ΔCHzとして
求めるのである。
【0090】したがって、上記圧縮機1の駆動周波数を
制御する場合における実際の制御量は上記実制御量ΔC
Hz唯一つとなり、圧縮機1の駆動周波数の制御回数を
低減できる。さらに、上記室内機吸込空気温度制御部3
1,過熱保護制御部32,高圧保護制御部33,低圧保護
制御部34および凍結保護制御部35による異なるアル
ゴリズムで、異なるタイミングで、相反するような圧縮
機1の駆動周波数の制御量ΔCHz1〜ΔCHz5が求めら
れたとしても、圧縮機1の駆動周波数がハンチングを起
こすことはない。また、その場合に、上記唯一つ求めら
れる実制御量ΔCHzは、各制御部31〜35からの制
御量ΔCHz1〜ΔCHz5に優先度を加味して求めている
ので、的確な空気調和を行うことができる。また、上述
のごとく、唯一つ得られる実制御量ΔCHzの算出に
は、常に過熱保護,高圧保護制御,低圧保護制御および凍
結保護に基づく制御量が用いられている。したがって、
本実施例によれば、圧縮機1の駆動周波数制御の毎に保
護制御が機能することになり、従来の問題であるガード
タイムに起因する異常停止を防止することができるであ
る。
【0091】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の空気調和機の制御装置は、能力最大制御部で空
気調和機が最大能力を発揮するように求められた膨張手
段の開度の制御量あるいはCOP最大制御部で空気調和
機が最大COPを発揮するように求められた上記膨張手
段の開度の制御量の少なくとも一方と、保護制御部で保
護制御を行うために求められた上記膨張手段の開度の制
御量と、優先度格納部に格納されている各制御量の優先
度とに基づいて、制御量決定部によって上記膨張手段の
開度の実際の制御量を決定するので、複数のアルゴリズ
ムに従って求められた上記膨張手段の開度の複数の制御
量から実際の制御量を唯一つ決定することができる。し
たがって、この唯一つの実制御量に従って、少ない制御
回数でハンチングすることなく上記膨張手段の開度を制
御できる。
【0092】さらに、上記実際の制御量の決定には、常
に上記保護制御部で求められた制御量が用いられるの
で、上記膨張手段の開度が制御される毎に保護制御が機
能することになる。したがって、上記膨張手段の開度制
御のガードタイムに起因する異状停止を防止できる。さ
らに、上記実際の制御量は優先度を加味して決定される
ので、重要な制御部によって求められた制御量に重きを
置いて上記膨張手段の開度を決定でき、適切に空気調和
を行うことができる。
【0093】また、請求項2に係る発明の空気調和機の
制御装置における上記制御量決定部は、上記各制御部で
求められた制御量の値が総て0以上の場合には上記各制
御量の値と対応する優先度との積の最大値を上記実際の
制御量として決定し、上記各制御量の値が総て0以下の
場合には上記積の最小値を上記実際の制御量として決定
し、上記各制御量の値が異符号を呈する場合には上記積
の最大値と上記積の最小値との和を上記実際の制御量と
して決定するので、上記各制御部で求められた制御量の
値の符号に応じて適切に上記膨張手段の実際の制御量を
決定できる。したがって、上記各制御部によって求めら
れた制御量が相反するような値であっても、上記膨張手
段の開度をハンチングすることなく制御できる。
【0094】また、請求項3に係る発明の空気調和機の
制御装置における保護制御部は、上記検出された物理量
の所定時間先の値を予測し、上記物理量の履歴と予測値
とから上記膨張手段の開度の制御量を求めるので、上記
所定時間先における保護制御の必要性を予知して保護制
御を早めに実行できる。
【0095】また、請求項4に係る発明の空気調和機の
制御装置は、室内機吹出空気温度制御部で室内機の吹出
空気温度が設定値になるよう求められた室内ファンの駆
動周波数の制御量と、保護制御部で保護制御を行うため
に求められた上記ファンの駆動周波数の制御量と、優先
度格納部に格納されている各制御量の優先度とに基づい
て、制御量決定部によって上記ファンの駆動周波数の実
際の制御量を決定するので、複数のアルゴリズムに従っ
て求められた上記ファンの駆動周波数の複数の制御量か
ら実際の制御量を唯一つ決定することができる。したが
って、この唯一つの実制御量に従って、少ない制御回数
でハンチングすることなく上記蒸発器用のファンの駆動
周波数を制御できる。
【0096】さらに、上記実際の制御量の決定には、常
に上記保護制御部で求められた制御量が用いられるの
で、上記ファンの駆動周波数が制御される毎に保護制御
が機能することになる。したがって、上記ファンの駆動
周波数制御のガードタイムに起因する異状停止を防止で
きる。さらに、上記実際の制御量は優先度を加味して決
定されるので、重要な制御部によって求められた制御量
に重きを置いて上記ファンの駆動周波数を決定でき、適
切に空気調和を行うことができる。
【0097】また、請求項5に係る発明の空気調和機の
制御装置における上記制御量決定部は、上記各制御部で
求められた制御量の値が総て0以上の場合には上記各制
御量の値と対応する優先度との積の最大値を上記実際の
制御量として決定し、上記各制御量の値が総て0以下の
場合には上記積の最小値を上記実際の制御量として決定
し、上記各制御量の値が異符号を呈する場合には上記積
の最大値と上記積の最小値との和を上記実際の制御量と
して決定するので、上記各制御部で求められた制御量の
値の符号に応じて適切に上記ファンの駆動周波数の実際
の制御量を決定できる。したがって、上記各制御部によ
って求められた制御量が相反するような値であっても、
上記ファンの駆動周波数をハンチングすることなく制御
できる。
【0098】また、請求項6に係る発明の空気調和機の
制御装置における保護制御部は、上記検出された物理量
の所定時間先の値を予測し、上記物理量の履歴と予測値
とから上記蒸発器用のファンの駆動周波数の制御量を求
めるので、上記所定時間先における保護制御の必要性を
予知して保護制御を早めに実行できる。
【0099】また、請求項7に係る発明の空気調和機の
制御装置は、室内機吸込空気温度制御部で室内機の吸込
空気温度が設定値になるよう求められた上記圧縮機の駆
動周波数の制御量と、保護制御部で保護制御を行うため
に求められた上記圧縮機の駆動周波数の制御量と、優先
度格納部に格納されている各制御量の優先度とに基づい
て、制御量決定部によって上記圧縮機の駆動周波数の実
際の制御量を決定するので、複数のアルゴリズムに従っ
て求められた上記圧縮機の駆動周波数の複数の制御量か
ら実際の制御量を唯一つ決定することができる。したが
って、この唯一つの実制御量に従って、少ない制御回数
でハンチングすることなく上記圧縮機の駆動周波数を制
御できる。
【0100】さらに、上記実際の制御量の決定には、常
に上記保護制御部で求められた制御量が用いられるの
で、上記圧縮機の駆動周波数が制御される毎に保護制御
が機能することになる。したがって、上記圧縮機の駆動
周波数制御のガードタイムに起因する異状停止を防止で
きる。さらに、上記実際の制御量は優先度を加味して決
定されるので、重要な制御部によって求められた制御量
に重きを置いて上記圧縮機の駆動周波数を決定でき、適
切に空気調和を行うことができる。
【0101】また、請求項8に係る発明の空気調和機の
制御装置における上記制御量決定部は、上記各制御部で
求められた制御量の値が総て0以上の場合には上記各制
御量の値と対応する優先度との積の最大値を上記実際の
制御量として決定し、上記各制御量の値が総て0以下の
場合には上記積の最小値を上記実際の制御量として決定
し、上記各制御量の値が異符号を呈する場合には上記積
の最大値と上記積の最小値との和を上記実際の制御量と
して決定するので、上記各制御部で求められた制御量の
値の符号に応じて適切に上記圧縮機の駆動周波数の実際
の制御量を決定できる。したがって、上記各制御部によ
って求められた制御量が相反するような値であっても、
上記圧縮機の駆動周波数をハンチングすることなく制御
できる。
【0102】また、請求項9に係る発明の空気調和機の
制御装置における保護制御部は、上記検出された物理量
の所定時間先の値を予測し、上記物理量の履歴と予測値
とから上記圧縮機の駆動周波数の制御量を求めるので、
上記所定時間先における保護制御の必要性を予知して保
護制御を早めに実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気調和機の制御装置における概略
構成を示す図である。
【図2】吐出管温度と冷房能力との関係を示す図であ
る。
【図3】蒸発器出口の過熱度とCOPとの関係を示す図
である。
【図4】図1における過熱保護制御部によって行われる
膨張弁開度の制御量算出の説明図である。
【図5】図1における湿り保護制御部によって行われる
膨張弁開度の制御量算出の説明図である。
【図6】図1における優先度格納部に格納される優先度
の説明図である。
【図7】図1とは異なる空気調和機の制御装置における
概略構成を示す図である。
【図8】図7における室内機吹出空気温度制御部によっ
て行われる室内ファンの駆動周波数の制御量算出の説明
図である。
【図9】図7における凍結保護制御部によって行われる
室内ファンの駆動周波数の制御量算出の説明図である。
【図10】図7における湿り保護制御部によって行われ
る室内ファンの駆動周波数の制御量算出の説明図であ
る。
【図11】図1および図7とは異なる空気調和機の制御
装置における概略構成を示す図である。
【図12】図11における室内機吸込空気温度制御部に
よって行われる圧縮機の駆動周波数の制御量算出の説明
図である。
【図13】図11における過熱保護制御部によって行わ
れる圧縮機の駆動周波数の制御量算出の説明図である。
【図14】図11における高圧保護制御部によって行わ
れる圧縮機の駆動周波数の制御量算出の説明図である。
【図15】図11における低圧保護制御部によって行わ
れる圧縮機の駆動周波数の制御量算出の説明図である。
【図16】図11における凍結保護制御部によって行わ
れる圧縮機の駆動周波数の制御量算出の説明図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、 2…室内熱交換
器、3…膨張弁、 4…室外熱
交換器、5…圧縮機用インバータ、 6…室
内ファン用インバータ、7…室内ファン、
8,11,12,13…温度センサ、9,10…圧
力センサ、 15…能力最大制御部、16
…COP最大制御部、 17,27,32…過
熱保護制御部、18,28…湿り保護制御部、
19…膨張弁開度制御量決定部、20…優先度格納部、
21…膨張弁制御部、24…室内ファ
ン駆動周波数制御量決定部、25…室内機吹出空気温度
制御部、26,35…凍結保護制御部、 29,
33…高圧保護制御部、30,34…低圧保護制御部、
31…室内機吸込空気温度制御部、36…圧
縮機駆動周波数制御量決定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 健史 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 渡邊 慎一 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 加地 徹 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 三宅 大輔 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 原 正務 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 北野 茂一 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(1),凝縮器(2),膨張手段(3),
    蒸発器(4)を有する冷凍回路に関する物理量を検出する
    物理量検出手段(8,9,13)と、 上記物理量検出手段(8)で検出された物理量を用いて、
    空気調和機が最大能力を発揮するように上記膨張手段
    (3)の開度の制御量を求める能力最大制御部(15)、あ
    るいは、上記物理量検出手段(13)で検出された物理量
    を用いて、空気調和機が最大COPを発揮するように上
    記膨張手段(3)の開度の制御量を求めるCOP最大制御
    部(16)の少なくとも一方と、 上記物理量検出手段(8,9)で検出された物理量を用い
    て、保護制御を行うための上記膨張手段(3)の開度の
    制御量を求める保護制御部(17,18)と、 上記各制御部(15,16,17,18)で求められる制御
    量の優先度が格納されている優先度格納部(20)と、 上記各制御部(15,16,17,18)で求められた制御
    量と上記優先度格納部(20)に格納されている優先度
    とに基づいて、上記膨張手段(3)の開度の実際の制御量
    を決定する制御量決定部(19)を備えたことを特徴とす
    る空気調和機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の空気調和機の制御装置
    において、 上記制御量決定部(19)は、 上記各制御部(15,16,17,18)で求められた制御
    量の値が総て0以上の場合には、上記各制御量の値と対
    応する優先度との積の最大値を上記実際の制御量として
    決定し、 上記各制御部(15,16,17,18)で求められた制御
    量の値が総て0以下の場合には、上記積の最小値を上記
    実際の制御量として決定し、 上記各制御部(15,16,17,18)で求められた制御
    量の値が異符号を呈する場合には、上記積の最大値と上
    記積の最小値との和を上記実際の制御量として決定する
    ようになっていることを特徴とする空気調和機の制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の空気調和機の制御装置
    において、 上記保護制御部(17,18)は、上記検出された物理量
    の履歴から所定時間先の物理量を予測し、上記物理量の
    履歴と予測値とから上記膨張手段(3)の開度の制御量を
    求めるようになっていることを特徴とする空気調和機の
    制御装置。
  4. 【請求項4】 圧縮機(1),室外熱交換器(2),膨張手段
    (3),室内熱交換器(4)を有する冷凍回路に関する物理
    量を検出する物理量検出手段(8,9,10,11,13)
    と、 上記物理量検出手段(11)で検出された物理量を用い
    て、室内機の吹出空気温度が設定値になるように室内フ
    ァン(7)の駆動周波数の制御量を求める室内機吹出空気
    温度制御部(25)と、 上記物理量検出手段(8,9,10,13)で検出された物
    理量を用いて、保護制御を行うための上記ファン(7)の
    駆動周波数の制御量を求める保護制御部(26,27,2
    8,29,30)と、 上記各制御部(25,26,27,28,29,30)で求め
    られる制御量の優先度が格納されている優先度格納部
    (20)と、 上記各制御部(25,26,27,28,29,30)で求め
    られた制御量と上記優先度格納部(20)に格納されてい
    る優先度とに基づいて、上記ファン(7)の駆動周波数の
    実際の制御量を決定する制御量決定部(24)を備えたこ
    とを特徴とする空気調和機の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の空気調和機の制御装置
    において、 上記制御量決定部(24)は、 上記各制御部(25,26,27,28,29,30)で求め
    られた制御量の値が総て0以上の場合には、上記各制御
    量の値と対応する優先度との積の最大値を上記実際の制
    御量として決定し、 上記各制御部(25,26,27,28,29,30)で求め
    られた制御量の値が総て0以下の場合には、上記積の最
    小値を上記実際の制御量として決定し、 上記各制御部(25,26,27,28,29,30)で求め
    られた制御量の値が異符号を呈する場合には、上記積の
    最大値と上記積の最小値との和を上記実際の制御量とし
    て決定するようになっていることを特徴とする空気調和
    機の制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の空気調和機の制御装置
    において、 上記保護制御部(26,27,28,29,30)は、上記検
    出された物理量の履歴から所定時間先の物理量を予測
    し、上記物理量の履歴と予測値とから上記蒸発器(4)用
    のファン(7)の駆動周波数の制御量を求めるようになっ
    ていることを特徴とする空気調和機の制御装置。
  7. 【請求項7】 圧縮機(1),室外熱交換器(2),膨張手段
    (3),室内熱交換器(4)を有する冷凍回路に関する物理
    量を検出する物理量検出手段(8,9,10,12,13)
    と、 上記物理量検出手段(12)で検出された物理量を用い
    て、室内機の吸込空気温度が設定値になるように上記圧
    縮機(1)の駆動周波数の制御量を求める室内機吸込空気
    温度制御部(31)と、 上記物理量検出手段(8,9,10,13)で検出された物
    理量を用いて、保護制御を行うための上記圧縮機(1)の
    駆動周波数の制御量を求める保護制御部(32,33,3
    4,35)と、 上記各制御部(31,32,33,34,35)で求められる
    制御量の優先度が格納されている優先度格納部(20)
    と、 上記各制御部(31,32,33,34,35)で求められた
    制御量と上記優先度格納部(20)に格納されている優先
    度とに基づいて、上記圧縮機(1)の駆動周波数の実際の
    制御量を決定する制御量決定部(36)を備えたことを特
    徴とする空気調和機の制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の空気調和機の制御装置
    において、 上記制御量決定部(36)は、 上記各制御部(31,32,33,34,35)で求められた
    制御量の値が総て0以上の場合には、上記各制御量の値
    と対応する優先度との積の最大値を上記実際の制御量と
    して決定し、 上記各制御部(31,32,33,34,35)で求められた
    制御量の値が総て0以下の場合には、上記積の最小値を
    上記実際の制御量として決定し、 上記各制御部(31,32,33,34,35)で求められた
    制御量の値が異符号を呈する場合には、上記積の最大値
    と上記積の最小値との和を上記実際の制御量として決定
    するようになっていることを特徴とする空気調和機の制
    御装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の空気調和機の制御装置
    において、 上記保護制御部(32,33,34,35)は、上記検出さ
    れた物理量の履歴から所定時間先の物理量を予測し、上
    記物理量の履歴と予測値とから上記圧縮機(1)の駆動周
    波数の制御量を求めるようになっていることを特徴とす
    る空気調和機の制御装置。
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