JPH10193376A - 合成樹脂発泡成形体の製造方法 - Google Patents
合成樹脂発泡成形体の製造方法Info
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- JPH10193376A JPH10193376A JP9004708A JP470897A JPH10193376A JP H10193376 A JPH10193376 A JP H10193376A JP 9004708 A JP9004708 A JP 9004708A JP 470897 A JP470897 A JP 470897A JP H10193376 A JPH10193376 A JP H10193376A
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- thermoplastic resin
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- synthetic resin
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 剛性等の機械的強度を十分に保有した合成樹
脂発泡成形体を、毒性の問題や安全上の問題がなく容易
に得ることのできる合成樹脂発泡成形体の製造方法を提
供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂成形体に、水または炭素数
2以下のアルコールと特定の有機溶剤との混合溶液を常
温常圧下で接触させてこれを膨潤させたのち、膨潤した
熱可塑性樹脂成形体を、その熱変形温度以上、融点以下
の温度に加熱加圧し、徐々に減圧しながら前記熱可塑性
樹脂成形体を発泡せしめる。
脂発泡成形体を、毒性の問題や安全上の問題がなく容易
に得ることのできる合成樹脂発泡成形体の製造方法を提
供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂成形体に、水または炭素数
2以下のアルコールと特定の有機溶剤との混合溶液を常
温常圧下で接触させてこれを膨潤させたのち、膨潤した
熱可塑性樹脂成形体を、その熱変形温度以上、融点以下
の温度に加熱加圧し、徐々に減圧しながら前記熱可塑性
樹脂成形体を発泡せしめる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成樹脂発泡成
形体の製造方法に関する。
形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂発泡成形体の製造方法と
して、例えばポリカーボネート等の熱可塑性樹脂成形体
に有機溶剤を含浸せしめ、これを成形用型の内部に封じ
込み加圧しながら前記成形体の融点以上に加熱した後、
前記成形体のガラス転移温度〜融点の温度範囲に冷却
し、前記成形用型の内部を解圧することにより発泡させ
る方法が知られている。このような製造方法の例とし
て、特公昭63−4502号公報を挙げることができ
る。
して、例えばポリカーボネート等の熱可塑性樹脂成形体
に有機溶剤を含浸せしめ、これを成形用型の内部に封じ
込み加圧しながら前記成形体の融点以上に加熱した後、
前記成形体のガラス転移温度〜融点の温度範囲に冷却
し、前記成形用型の内部を解圧することにより発泡させ
る方法が知られている。このような製造方法の例とし
て、特公昭63−4502号公報を挙げることができ
る。
【0003】ところが、上記従来の製造方法では、予め
前記熱可塑性樹脂成形体に有機溶剤のみを含浸させるた
め膨潤度合が大きくなり、加熱加圧後の合成樹脂発泡成
形体は発泡過多となり機械的強度が低下し脆くなるとい
う問題がある。また、上記製造方法においては、有機溶
剤による作業環境上の毒性の問題が生じ、しかも前記成
形体を有機溶剤を入れた圧力容器内に投入し加熱する工
程が採用される場合においては、作業安全上の問題と、
さらには特殊設備を要する点からコスト高となり、生産
効率が悪いという問題がある。
前記熱可塑性樹脂成形体に有機溶剤のみを含浸させるた
め膨潤度合が大きくなり、加熱加圧後の合成樹脂発泡成
形体は発泡過多となり機械的強度が低下し脆くなるとい
う問題がある。また、上記製造方法においては、有機溶
剤による作業環境上の毒性の問題が生じ、しかも前記成
形体を有機溶剤を入れた圧力容器内に投入し加熱する工
程が採用される場合においては、作業安全上の問題と、
さらには特殊設備を要する点からコスト高となり、生産
効率が悪いという問題がある。
【0004】この発明は、上記のような従来の問題点に
対処するためになされたもので、吸水性の比較的高い熱
可塑性樹脂成形体を選び、これを水または炭素数2以下
のアルコールと特定の有機溶剤からなる混合溶液に接触
させ膨潤させた後、これを加熱加圧して発泡させれば、
熱可塑性樹脂成形体本来の機械的強度に近い機械的強度
を維持した合成樹脂発泡成形体が容易にかつ安全に得ら
れることを見出だし、完成したものである。
対処するためになされたもので、吸水性の比較的高い熱
可塑性樹脂成形体を選び、これを水または炭素数2以下
のアルコールと特定の有機溶剤からなる混合溶液に接触
させ膨潤させた後、これを加熱加圧して発泡させれば、
熱可塑性樹脂成形体本来の機械的強度に近い機械的強度
を維持した合成樹脂発泡成形体が容易にかつ安全に得ら
れることを見出だし、完成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな背景の下に、剛性等の機械的強度を十分に保有した
合成樹脂発泡成形体を、毒性の問題や安全上の問題がな
く容易に得ることのできる合成樹脂発泡成形体の製造方
法を提供することを目的とする。
うな背景の下に、剛性等の機械的強度を十分に保有した
合成樹脂発泡成形体を、毒性の問題や安全上の問題がな
く容易に得ることのできる合成樹脂発泡成形体の製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的において、こ
の発明の第1の発明は、熱可塑性樹脂成形体に、水また
は炭素数2以下のアルコール(成分A)と沸点が50℃
〜150℃の有機溶剤(成分B)との混合溶液を常温常
圧下で接触させてこれを膨潤させる工程と、前記工程で
膨潤させられた熱可塑性樹脂成形体の単独または複数を
積層して、その熱変形温度以上、融点以下の温度に加熱
し加圧したのち、徐々に減圧しながら前記熱可塑性樹脂
成形体を発泡せしめる工程とからなる合成樹脂発泡成形
体の製造方法を要旨とする。
の発明の第1の発明は、熱可塑性樹脂成形体に、水また
は炭素数2以下のアルコール(成分A)と沸点が50℃
〜150℃の有機溶剤(成分B)との混合溶液を常温常
圧下で接触させてこれを膨潤させる工程と、前記工程で
膨潤させられた熱可塑性樹脂成形体の単独または複数を
積層して、その熱変形温度以上、融点以下の温度に加熱
し加圧したのち、徐々に減圧しながら前記熱可塑性樹脂
成形体を発泡せしめる工程とからなる合成樹脂発泡成形
体の製造方法を要旨とする。
【0007】また、この発明の第2の発明は、熱可塑性
樹脂成形体に、水または炭素数2以下のアルコールと沸
点が50℃〜100℃の有機溶剤との混合溶液を常温常
圧下で接触させてこれを膨潤させる工程と、前記工程で
膨潤させられた熱可塑性樹脂成形体と膨潤していない他
の成形体とを接着層を介してまたは介せずして積層し、
その熱変形温度以上、融点以下の温度に加熱し加圧した
のち、徐々に減圧しながら前記熱可塑性樹脂成形体を発
泡せしめる工程とからなる合成樹脂発泡成形体の製造方
法を要旨とする。
樹脂成形体に、水または炭素数2以下のアルコールと沸
点が50℃〜100℃の有機溶剤との混合溶液を常温常
圧下で接触させてこれを膨潤させる工程と、前記工程で
膨潤させられた熱可塑性樹脂成形体と膨潤していない他
の成形体とを接着層を介してまたは介せずして積層し、
その熱変形温度以上、融点以下の温度に加熱し加圧した
のち、徐々に減圧しながら前記熱可塑性樹脂成形体を発
泡せしめる工程とからなる合成樹脂発泡成形体の製造方
法を要旨とする。
【0008】この発明において用いられる熱可塑性樹脂
成形体は、例えばポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、
ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ABSの中の
いずれか1種または2種以上の混合物から選ばれた熱可
塑性樹脂からなる成形体である。
成形体は、例えばポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、
ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ABSの中の
いずれか1種または2種以上の混合物から選ばれた熱可
塑性樹脂からなる成形体である。
【0009】上記熱可塑性樹脂成形体の成形方法は、従
来の公知の成形方法を採用することができ、例えば押出
成形法、圧縮成形法、射出成形法等が適用可能である。
熱可塑性樹脂成形体は、目的とする合成樹脂発泡成形体
の形態に見合う形態に成形されるが、通常はシ−ト状体
とする。この場合のシート状体の厚さは、薄過ぎると取
扱作業が困難であり、厚過ぎると均一な発泡状態が得ら
れない。したがって、好ましくは0.05〜1.0mm
程度とする。
来の公知の成形方法を採用することができ、例えば押出
成形法、圧縮成形法、射出成形法等が適用可能である。
熱可塑性樹脂成形体は、目的とする合成樹脂発泡成形体
の形態に見合う形態に成形されるが、通常はシ−ト状体
とする。この場合のシート状体の厚さは、薄過ぎると取
扱作業が困難であり、厚過ぎると均一な発泡状態が得ら
れない。したがって、好ましくは0.05〜1.0mm
程度とする。
【0010】また、この発明において、熱可塑性樹脂成
形体を膨潤させるための混合溶液に用いられる有機溶剤
は、沸点が50℃〜150℃の範囲のものとする。これ
は、上記有溶剤の沸点が、50℃未満であると無用に揮
散して熱可塑性樹脂成形体の膨潤に寄与せず、また15
0℃以上であると得られた合成樹脂発泡成形体の内部に
残存することとなり好ましくないからである。このよう
な点から、この発明に用いる有機溶剤は、好ましくは酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチル
エチルケトン、トリクロロメタン、テトラヒドロフラン
の中のいずれか1種または2種以上の混合物から選ばれ
た有機溶剤とする。
形体を膨潤させるための混合溶液に用いられる有機溶剤
は、沸点が50℃〜150℃の範囲のものとする。これ
は、上記有溶剤の沸点が、50℃未満であると無用に揮
散して熱可塑性樹脂成形体の膨潤に寄与せず、また15
0℃以上であると得られた合成樹脂発泡成形体の内部に
残存することとなり好ましくないからである。このよう
な点から、この発明に用いる有機溶剤は、好ましくは酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチル
エチルケトン、トリクロロメタン、テトラヒドロフラン
の中のいずれか1種または2種以上の混合物から選ばれ
た有機溶剤とする。
【0011】さらにまた、この発明において用いられる
上記混合溶液の成分比率は、水または炭素数2以下のア
ルコール(成分A)と有機溶剤(成分B)との体積比率
を、成分A:成分B=60〜85:40〜15とする。
この場合の体積比率は、有機溶剤(成分B)が85を超
えると過剰に膨潤して、爾後の加熱加圧工程で発泡過多
となり、また15未満では十分に膨潤せず、同じく加熱
加圧工程で十分な発泡が得られないので注意を要する。
上記混合溶液の成分比率は、水または炭素数2以下のア
ルコール(成分A)と有機溶剤(成分B)との体積比率
を、成分A:成分B=60〜85:40〜15とする。
この場合の体積比率は、有機溶剤(成分B)が85を超
えると過剰に膨潤して、爾後の加熱加圧工程で発泡過多
となり、また15未満では十分に膨潤せず、同じく加熱
加圧工程で十分な発泡が得られないので注意を要する。
【0012】この発明の第2の発明において、前記膨潤
した熱可塑性樹脂成形体の両面のうち少なくとも片面に
積層される他の成形体とは、前記熱可塑性樹脂成形体と
同質ないしはこれと相溶性を有する熱可塑性樹脂からな
る膨潤していない、通常は板状の成形体である。また、
積層態様は、前記熱可塑性樹脂成形体と前記他の成形体
を接着層を介してまたは介せずして積層するほか、前記
両成形体を複数層交互にして、同様に積層したものとす
ることもできる。なお、この場合の前記膨潤した熱可塑
性樹脂成形体は、上記第1の発明における製造過程で得
られるものが利用される。
した熱可塑性樹脂成形体の両面のうち少なくとも片面に
積層される他の成形体とは、前記熱可塑性樹脂成形体と
同質ないしはこれと相溶性を有する熱可塑性樹脂からな
る膨潤していない、通常は板状の成形体である。また、
積層態様は、前記熱可塑性樹脂成形体と前記他の成形体
を接着層を介してまたは介せずして積層するほか、前記
両成形体を複数層交互にして、同様に積層したものとす
ることもできる。なお、この場合の前記膨潤した熱可塑
性樹脂成形体は、上記第1の発明における製造過程で得
られるものが利用される。
【0013】上記第2の発明における積層態様におい
て、熱可塑性樹脂成形体と他の成形体との間に接着層
は、前記両成形体が同質のものまたは互いに相溶性を有
するものである場合は不要であるが、そうでない場合は
前記両成形体に見合う接着層を介在させるものとする。
て、熱可塑性樹脂成形体と他の成形体との間に接着層
は、前記両成形体が同質のものまたは互いに相溶性を有
するものである場合は不要であるが、そうでない場合は
前記両成形体に見合う接着層を介在させるものとする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
実施例に基づき、かつ比較例とともに説明する。
実施例に基づき、かつ比較例とともに説明する。
【0015】実施例1〜16 まず、実施例1〜15では、この発明の第1の発明に適
用される熱可塑性樹脂成形体の樹脂原料として1、1−
ビス(4−オキシフェニール)エタンのビスフェノ−ル
からなるポリカーボネートを、また実施例16では、ポ
リアミドであるポリカプラミド(6−ナイロン)を夫々
用意し、これらを押出成形法法により、いずれも厚さ
0.1mmのシート状体に成形した。
用される熱可塑性樹脂成形体の樹脂原料として1、1−
ビス(4−オキシフェニール)エタンのビスフェノ−ル
からなるポリカーボネートを、また実施例16では、ポ
リアミドであるポリカプラミド(6−ナイロン)を夫々
用意し、これらを押出成形法法により、いずれも厚さ
0.1mmのシート状体に成形した。
【0016】ついで、表1に示すような混合比率(体積
%)の成分Aと成分Bとからなる混合溶液を夫々別容器
に入れて用意し、各実施例毎に、表1のように対応させ
て、各混合溶液に上記シート状体から30cm×30c
mの大きさにカットした2種類のシートを浸漬して、常
温常圧下で膨潤が平衡に達するまで浸漬した。なお、膨
潤が平衡に達するまでの時間は、同じく表1に浸漬時間
として示した。
%)の成分Aと成分Bとからなる混合溶液を夫々別容器
に入れて用意し、各実施例毎に、表1のように対応させ
て、各混合溶液に上記シート状体から30cm×30c
mの大きさにカットした2種類のシートを浸漬して、常
温常圧下で膨潤が平衡に達するまで浸漬した。なお、膨
潤が平衡に達するまでの時間は、同じく表1に浸漬時間
として示した。
【0017】上記のようにして混合溶液に浸漬したシー
トは、夫々表1に示すような膨潤率(重量%)となっ
た。なお、前記膨潤率は、膨潤が平衡に達したときのシ
ートの重量増加分を、元のシートの重量で除した値を1
00分率で示したものである。つぎに、上記で得られ
た、膨潤した各シートを、各実施例ごとに7枚用意し積
み重ねた後、温度140℃、圧力12MPaの加熱加圧
条件でホットプレスにより15〜20秒間圧締し、その
後ホットプレスの上下熱盤の間隙を1〜1.5mm/秒
の速度で10mmまで徐々に解放しながら冷却し、厚さ
10mmの積層された合成樹脂発泡成形体を得た。
トは、夫々表1に示すような膨潤率(重量%)となっ
た。なお、前記膨潤率は、膨潤が平衡に達したときのシ
ートの重量増加分を、元のシートの重量で除した値を1
00分率で示したものである。つぎに、上記で得られ
た、膨潤した各シートを、各実施例ごとに7枚用意し積
み重ねた後、温度140℃、圧力12MPaの加熱加圧
条件でホットプレスにより15〜20秒間圧締し、その
後ホットプレスの上下熱盤の間隙を1〜1.5mm/秒
の速度で10mmまで徐々に解放しながら冷却し、厚さ
10mmの積層された合成樹脂発泡成形体を得た。
【0018】上記で得られた合成樹脂発泡成形体は、指
圧試験を行い、指で押したときの凹みの発生状態を観察
して、凹みが残らないものを○、若干凹みが残るものを
△、著しく凹みが残るかあるいは崩壊するものを×とし
て評価した結果、表1に示す評価結果となり、実施例1
〜16のいずれにおいても○と評価された。
圧試験を行い、指で押したときの凹みの発生状態を観察
して、凹みが残らないものを○、若干凹みが残るものを
△、著しく凹みが残るかあるいは崩壊するものを×とし
て評価した結果、表1に示す評価結果となり、実施例1
〜16のいずれにおいても○と評価された。
【0019】
【表1】
【0020】比較例1〜5 熱可塑性樹脂成形体としては上記実施例1〜15で用い
たと同様のポリカーボネートからなる厚さ0.1mmの
シート状体からカットしたシートを適用し、また混合溶
液としては上記実施例1〜5で用いたと同様の有機溶剤
を成分として、表2に示す混合比率からなる混合溶液を
用意し、比較例1〜5を表2のように対応させて、以後
実施例と同様にして前記シートを膨潤させ、比較用の積
層された合成樹脂発泡成形体を得た。
たと同様のポリカーボネートからなる厚さ0.1mmの
シート状体からカットしたシートを適用し、また混合溶
液としては上記実施例1〜5で用いたと同様の有機溶剤
を成分として、表2に示す混合比率からなる混合溶液を
用意し、比較例1〜5を表2のように対応させて、以後
実施例と同様にして前記シートを膨潤させ、比較用の積
層された合成樹脂発泡成形体を得た。
【0021】上記で得られた合成樹脂発泡成形体を、実
施例と同様にして指圧試験を行い評価した結果、表2に
併記するように、比較例1は△、比較例2は○、比較例
3〜5は全て×であった。比較例2については、発泡が
不十分で厚さも7mmと薄いものとなった。
施例と同様にして指圧試験を行い評価した結果、表2に
併記するように、比較例1は△、比較例2は○、比較例
3〜5は全て×であった。比較例2については、発泡が
不十分で厚さも7mmと薄いものとなった。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】以上のように、この発明の合成樹脂発泡
成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂成形体に、水または
炭素数2以下のアルコールと沸点が50℃〜150℃の
有機溶剤との混合溶液を常温常圧下で接触させてこれを
膨潤させる工程と、前記工程で膨潤させられた熱可塑性
樹脂成形体を、その熱変形温度以上、融点以下の温度に
加熱し加圧したのち、徐々に減圧しながら前記熱可塑性
樹脂成形体を発泡せしめる工程とからなるものであるか
ら、機械的強度を十分に維持した合成樹脂発泡成形体
を、容易にかつ安全に得られるという効果がある。
成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂成形体に、水または
炭素数2以下のアルコールと沸点が50℃〜150℃の
有機溶剤との混合溶液を常温常圧下で接触させてこれを
膨潤させる工程と、前記工程で膨潤させられた熱可塑性
樹脂成形体を、その熱変形温度以上、融点以下の温度に
加熱し加圧したのち、徐々に減圧しながら前記熱可塑性
樹脂成形体を発泡せしめる工程とからなるものであるか
ら、機械的強度を十分に維持した合成樹脂発泡成形体
を、容易にかつ安全に得られるという効果がある。
【0024】さらに、この発明の合成樹脂発泡成形体の
製造方法においては、膨潤させられた熱可塑性樹脂成形
体と膨潤していない他の成形体とを接着層を介してまた
は介せずして積層し、これを加熱加圧して合成樹脂発泡
成形体とすることができるから、変化に富む積層構造の
合成樹脂発泡成形体を容易に、しかも低コストで得られ
るという利点がある。
製造方法においては、膨潤させられた熱可塑性樹脂成形
体と膨潤していない他の成形体とを接着層を介してまた
は介せずして積層し、これを加熱加圧して合成樹脂発泡
成形体とすることができるから、変化に富む積層構造の
合成樹脂発泡成形体を容易に、しかも低コストで得られ
るという利点がある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、この発明の第2の発明は、熱可塑性
樹脂成形体に、水または炭素数2以下のアルコールと沸
点が50℃〜150℃の有機溶剤との混合溶液を常温常
圧下で接触させてこれを膨潤させる工程と、前記工程で
膨潤させられた熱可塑性樹脂成形体と膨潤していない他
の成形体とを接着層を介してまたは介せずして積層し、
その熱変形温度以上、融点以下の温度に加熱し加圧した
のち、徐々に減圧しながら前記熱可塑性樹脂成形体を発
泡せしめる工程とからなる合成樹脂発泡成形体の製造方
法を要旨とする。
樹脂成形体に、水または炭素数2以下のアルコールと沸
点が50℃〜150℃の有機溶剤との混合溶液を常温常
圧下で接触させてこれを膨潤させる工程と、前記工程で
膨潤させられた熱可塑性樹脂成形体と膨潤していない他
の成形体とを接着層を介してまたは介せずして積層し、
その熱変形温度以上、融点以下の温度に加熱し加圧した
のち、徐々に減圧しながら前記熱可塑性樹脂成形体を発
泡せしめる工程とからなる合成樹脂発泡成形体の製造方
法を要旨とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】さらにまた、この発明において用いられる
上記混合溶液の成分比率は、水または炭素数2以下のア
ルコール(成分A)と有機溶剤(成分B)との体積比率
を、成分A:成分B=60〜85:40〜15とする。
この場合の体積比率は、有機溶剤(成分B)が40を超
えると過剰に膨潤して、爾後の加熱加圧工程で発泡過多
となり、また15未満では十分に膨潤せず、同じく加熱
加圧工程で十分な発泡が得られないので注意を要する。
上記混合溶液の成分比率は、水または炭素数2以下のア
ルコール(成分A)と有機溶剤(成分B)との体積比率
を、成分A:成分B=60〜85:40〜15とする。
この場合の体積比率は、有機溶剤(成分B)が40を超
えると過剰に膨潤して、爾後の加熱加圧工程で発泡過多
となり、また15未満では十分に膨潤せず、同じく加熱
加圧工程で十分な発泡が得られないので注意を要する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】実施例1〜16 まず、実施例1〜15では、この発明の第1の発明に適
用される熱可塑性樹脂成形体の樹脂原料として1、1−
ビス(4−オキシフェニール)エタンのビスフェノ−ル
からなるポリカーボネートを、また実施例16では、ポ
リアミドであるポリカプラミド(6−ナイロン)を夫々
用意し、これらを押出成形方法により、いずれも厚さ
0.1mmのシート状体に成形した。 ─────────────────────────────────────────────────────
用される熱可塑性樹脂成形体の樹脂原料として1、1−
ビス(4−オキシフェニール)エタンのビスフェノ−ル
からなるポリカーボネートを、また実施例16では、ポ
リアミドであるポリカプラミド(6−ナイロン)を夫々
用意し、これらを押出成形方法により、いずれも厚さ
0.1mmのシート状体に成形した。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【表2】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、この発明において、熱可塑性樹脂成
形体を膨潤させるための混合溶液に用いられる有機溶剤
は、沸点が50℃〜150℃の範囲のものとする。これ
は、上記有機溶剤の沸点が、50℃未満であると無用に
揮散して熱可塑性樹脂成形体の膨潤に寄与せず、また1
50℃以上であると得られた合成樹脂発泡成形体の内部
に残存することとなり好ましくないからである。このよ
うな点から、この発明に用いる有機溶剤は、好ましくは
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチ
ルエチルケトン、トリクロロメタン、テトラヒドロフラ
ンの中のいずれか1種または2種以上の混合物から選ば
れた有機溶剤とする。
形体を膨潤させるための混合溶液に用いられる有機溶剤
は、沸点が50℃〜150℃の範囲のものとする。これ
は、上記有機溶剤の沸点が、50℃未満であると無用に
揮散して熱可塑性樹脂成形体の膨潤に寄与せず、また1
50℃以上であると得られた合成樹脂発泡成形体の内部
に残存することとなり好ましくないからである。このよ
うな点から、この発明に用いる有機溶剤は、好ましくは
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチ
ルエチルケトン、トリクロロメタン、テトラヒドロフラ
ンの中のいずれか1種または2種以上の混合物から選ば
れた有機溶剤とする。
フロントページの続き (72)発明者 坂山 和久 栃木県宇都宮市八千代1−13−5
Claims (9)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂成形体に、水または炭素数
2以下のアルコール(成分A)と沸点が50℃〜150
℃の有機溶剤(成分B)との混合溶液を常温常圧下で接
触させてこれを膨潤させる工程と、前記工程で膨潤させ
られた熱可塑性樹脂成形体の単独または複数を積層し
て、その熱変形温度以上、融点以下の温度に加熱し加圧
したのち、徐々に減圧しながら前記熱可塑性樹脂成形体
を発泡せしめる工程とからなる合成樹脂発泡成形体の製
造方法。 - 【請求項2】 有機溶剤が、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、トリクロ
ロメタン、テトラヒドロフランの中のいずれか1種また
は2種以上の混合物から選ばれた有機溶剤である、請求
項1に記載の合成樹脂発泡成形体の製造方法。 - 【請求項3】 混合溶液の各成分の体積比率が、成分
A:成分B=60〜85:40〜15である、請求項1
または2に記載の合成樹脂発泡成形体の製造方法。 - 【請求項4】 熱可塑性樹脂成形体が、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリメチルメタ
クリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエー
テルケトン、ABSの中のいずれか1種または2種以上
の混合物から選ばれた熱可塑性樹脂からなる、請求項1
ないし3のいずれか1に記載の合成樹脂発泡成形体の製
造方法。 - 【請求項5】 熱可塑性樹脂成形体に、水または炭素数
2以下のアルコール(成分A)と沸点が50℃〜150
℃の有機溶剤(成分B)との混合溶液を常温常圧下で接
触させてこれを膨潤させる工程と、前記工程で膨潤させ
られた熱可塑性樹脂成形体と膨潤していない他の成形体
とを接着層を介してまたは介せずして積層し、その熱変
形温度以上、融点以下の温度に加熱し加圧したのち、徐
々に減圧しながら前記熱可塑性樹脂成形体を発泡せしめ
る工程とからなる合成樹脂発泡成形体の製造方法。 - 【請求項6】 有機溶剤が、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル、アセトン、エチルメチルケトン、トリクロ
ロメタン、テトラヒドロフランの中のいずれか1種また
は2種以上の混合物から選ばれた有機溶剤である、請求
項5に記載の合成樹脂発泡成形体の製造方法。 - 【請求項7】 混合溶液の各成分の体積比率が、成分
A:成分B=60〜85:40〜15である、請求項5
または6に記載の合成樹脂発泡成形体の製造方法。 - 【請求項8】 熱可塑性樹脂成形体が、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリメチルメタ
クリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエー
テルケトン、ABSの中のいずれか1種または2種以上
の混合物から選ばれた熱可塑性樹脂からなる、請求項5
ないし7のいずれか1に記載の合成樹脂発泡成形体の製
造方法。 - 【請求項9】 膨潤した熱可塑性樹脂成形体と他の成形
体を接着層を介してまたは介せずして各複数層を交互に
積層させる、請求項5ないし8のいずれか1に記載の合
成樹脂発泡成形体の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9004708A JPH10193376A (ja) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | 合成樹脂発泡成形体の製造方法 |
EP98300191A EP0852994A1 (en) | 1997-01-14 | 1998-01-13 | Process for foaming synthetic resins |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9004708A JPH10193376A (ja) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | 合成樹脂発泡成形体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10193376A true JPH10193376A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=11591393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9004708A Pending JPH10193376A (ja) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | 合成樹脂発泡成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10193376A (ja) |
-
1997
- 1997-01-14 JP JP9004708A patent/JPH10193376A/ja active Pending
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