JPH10193132A - アルミニウム合金製部材のスポット溶接方法 - Google Patents

アルミニウム合金製部材のスポット溶接方法

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JPH10193132A
JPH10193132A JP9327150A JP32715097A JPH10193132A JP H10193132 A JPH10193132 A JP H10193132A JP 9327150 A JP9327150 A JP 9327150A JP 32715097 A JP32715097 A JP 32715097A JP H10193132 A JPH10193132 A JP H10193132A
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aluminum alloy
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spot welding
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welding
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JP9327150A
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Jun Takagi
順 高木
Nobuyuki Mori
信行 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金製部材へのスポット溶接
を、欠陥の無い状態で可能にする。 【解決手段】 アルミニウム合金製板材1であって、そ
の厚さがtmmのものを、同じくアルミニウム合金製板材
2であって、その厚さがtmmと同等以上の値を有するも
のと重ね合せた状態で単相交流溶接機に設置する。この
ような状態において上記両部材1、2を一対の電極にて
所定の加圧力(P)を加えた状態にて挟み込む。このよ
うな状態において、上記両電極間に、所定の電流値
(I)からなる主電流を所定時間(nサイクル)通電す
る。しかる後に、その電流値が0.9Iないし0.77
Iの値を有する電流を0.7t×nないし2t×nの時
間だけ流す(二次通電)。 【効果】 このような条件にてスポット溶接を行なうこ
とによって、溶接ナゲット部周りには熱応力に起因する
欠陥は生じないようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
製部材、特に、アルミニウム合金製板材を抵抗スポット
溶接手段にて接合する場合の、その溶接方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウム合金製部材、特
に、Al−Mg系の板材は、材料そのものの熱伝導率及
び熱膨張係数が大きいにもかかわらず、その伸び変形能
が小さな値を有するものであるところから、これら材料
からなる板材を抵抗スポット溶接手段にて溶接を行なお
うとすると、溶接ナゲット部にブローホールあるいはひ
け割れ等の欠陥の生ずるおそれがある。そこで、これら
欠陥が生じないようにするため、一般にはWES730
2(日本溶接協会規格)で推奨されている通電条件が採
用されている。しかしながら、このような条件において
も、スポット溶接ナゲット部にブローホールや、表面割
れ等の欠陥の生ずるおそれがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決するために、抵抗スポット溶接の成されるアルミニウ
ム合金製部材の、その表面部に、純アルミニウム材をク
ラッド手段にて設けるようにしたものが開発されてい
る。これによって、マグネシウム(Mg)系合金材から
なるアルミニウム合金製部材の抵抗スポット溶接におい
て、ナゲット部に空孔及び表面割れ等の生じさせないよ
うにした溶接方法が、例えば特開平8−10964号公
報等により、公表されている。ところで、この公知のも
のは、スポット溶接を行なうに際して、まず、アルミニ
ウム合金製部材の、その表面部に熱伝達性の良い純アル
ミニウム材をクラッドさせて、いわゆるクラッド材を形
成させるようにしているものである。従って、スポット
溶接手段を施す前に、複雑で、かつ、手間のかかる作業
を行なわなければならないという問題点がある。このこ
とは、作業効率の向上を目的に採られているスポット溶
接手段本来のねらいを逸脱させるものである。このよう
な問題点を解決するために、マグネシウム(Mg)を含
有するアルミニウム合金製部材を、そのまま接合するこ
とのできるようにしたスポット溶接方法を提供しようと
するのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、請求項1記載の発明においては、単相交
流溶接手段を用いたアルミニウム合金製部材のスポット
溶接方法に関して、その厚さがtmmのアルミニウム合金
製部材を、同じくアルミニウム合金製部材からなるもの
であって、その厚さが上記tmmと同等若しくはそれより
も大きな値を有するものと重ね合せし、このような状態
のものを一対の電極をもって加圧した状態にて保持し、
更に、このような状態において、上記両電極の間に所定
の電流値(I)からなる主電流をnサイクルからなる所
定時間通電をし、しかる後に、上記主電流値(I)に対
して、0.9Iないし0.77Iの電流値を有する二次
電流を、0.7t×nないし2t×nの時間だけ二次通
電するようにした手順(工程)を採ることとした。
【0005】このような手順からなるスポット溶接方法
を採ることにより、本発明のものにおいては、次のよう
な作用を呈することとなる。すなわち、このような手順
によるスポット溶接においては、それによって形成され
る溶接ナゲット部及び当該溶接ナゲットの周辺部の、い
ずれの部分においても、表面割れ等からなる欠陥が生じ
ないようになる。具体的には、上記主電流値(I)から
なる電流の通電によって、上記電極の設けられるところ
には所定の大きさの溶接ナゲットが形成されることとな
る。そして、この部分が、まだ溶融状態にある間に、上
記二次電流を所定時間流すことによって、溶融状態にあ
る上記溶接ナゲット部及びその周辺部を、ある程度量の
ジュール熱発生による加熱状態(保温状態)に保持す
る。その結果、溶接ナゲット部の、その周辺の部分は、
徐々に冷却されることとなり、この部分における温度勾
配は小さな値となる。従って、溶接ナゲットの周辺部に
は熱歪みに起因する欠陥等の生ずることが無くなる。こ
のような温度勾配を得るようにするために、上記発熱量
に影響を与える二次通電時の電流値としては、最低限
0.77I程度の電流値が必要となるとともに、その通
電時間も最小限0.7t×n程度は必要となる。
【0006】また、このような二次電流の通電(二次通
電)による上記冷却に関する温度勾配の低減化を図る工
程において、この二次通電時におけるジュール熱の発生
量が大きすぎても種々の欠陥が生ずるおそれがあるの
で、その上限値が設定されることとなる。すなわち、二
次電流の電流値を上げすぎると発熱量が大きくなり過
ぎ、溶接ナゲット部からは大きなスパッタが発生するこ
ととなる。その結果、溶接部に孔があく等の欠陥の生ず
るおそれがある。これを避けるために、二次電流の上限
値としては0.9Iの値が設定されることとなる。ま
た、二次通電時間を長く採り過ぎると、溶接ナゲット内
部の溶融部が電極の加圧力によって押し潰されて、当該
溶接ナゲットを形成する電極圧痕部における厚さ(板
厚)が低下するという問題点が生ずる。そして、この電
極圧痕部における板厚の薄くなった部分は、切欠効果あ
るいは応力集中を受けることとなり、構造部材において
は欠陥となる。このような点を考慮して、上記二次通電
時間の上限値は2t×nの値に規制することとしてい
る。このような二次電流値及び二次通電時間を制御する
ことによって、溶接ナゲット部及びその周辺部において
欠陥の無いスポット溶接手段(方法)が得られることと
なる。
【0007】次に、請求項2記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は、上記請求項1記載
のものと同じである。その特徴とするところは、銅(C
u)及びマグネシウム(Mg)を含有する、いわゆる2
000系のものについてもスポット溶接が可能なように
したことである。すなわち、単相交流溶接手段を用いた
アルミニウム合金製部材のスポット溶接方法に関して、
その厚さがtmmのものであって銅(Cu)及びマグネシ
ウム(Mg)を含有するアルミニウム合金製部材を、同
じく銅(Cu)及びマグネシウム(Mg)を含有するア
ルミニウム合金製部材からなるものであって、その厚さ
が上記tmmと同等若しくはそれよりも大きな値を有する
ものと重ね合せし、このような状態のものを一対の電極
をもって加圧した状態にて保持し、更に、このような状
態において、上記両電極の間に所定の電流値(I)から
なる主電流をnサイクルからなる所定時間(nサイク
ル)通電をし、しかる後に、上記主電流値(I)に対し
て、0.85Iないし0.77Iの電流値を有する二次
電流を、1.5t×nないし2t×nの時間だけ二次通
電するようにした手順(工程)を採ることとした。この
ような手順からなる溶接方法を採ることにより、本発明
のものにおいては、銅(Cu)及びマグネシウム(M
g)を含有する2000系のアルミニウム合金製部材に
ついても、上記請求項1記載のものと同様、スポット溶
接が可能となる。すなわち、上記のような二次電流値及
びその通電時間(通電サイクル数)に制御することによ
って、欠陥の無いスポット溶接結果を得ることができる
ようになる。
【0008】次に、請求項3記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は、上記請求項1また
は請求項2記載のものと同じである。その特徴とすると
ころは、マグネシウム(Mg)及びシリコン(Si)を
含有する、いわゆる6000系のものについてもスポッ
ト溶接が可能なようにしたことである。すなわち、単相
交流溶接手段を用いたアルミニウム合金製部材のスポッ
ト溶接方法に関して、その厚さがtmmのものであってマ
グネシウム(Mg)及びシリコン(Si)を含有するア
ルミニウム合金製部材を、同じくマグネシウム(Mg)
及びシリコン(Si)を含有するアルミニウム合金製部
材からなるものであって、その厚さが上記tmmと同等若
しくはそれよりも大きな値を有するものと重ね合せし、
このような状態のものを一対の電極をもって加圧した状
態にて保持し、更に、このような状態において上記両電
極の間に所定の電流値(I)からなる主電流をnサイク
ルからなる所定時間(nサイクル)通電し、しかる後
に、上記主電流値(I)に対して0.9Iないし0.7
Iの電流値を有する二次電流を、0.7t×nないし
2.5t×nの時間だけ二次通電するようにした手順
(工程)を採ることとした。このような手順からなる溶
接方法を採ることにより、本発明のものにおいては、マ
グネシウム(Mg)及びシリコン(Si)を含有する6
000系のアルミニウム合金製部材についても、上記請
求項1記載のものと同様、スポット溶接が可能となる。
すなわち、上記のような二次電流値及びその通電時間
(通電サイクル数)に制御することによって、欠陥の無
い溶接結果を得ることができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図5を基に説明する。本発明の実施の形態に関
するものの、そのスポット溶接の手順(方法)は、次の
ような工程からなるものである。すなわち、まず、図2
に示す如く、その厚さがtmmの値を有するものであって
マグネシウム(Mg)を含有するアルミニウム合金製板
材1を、同じくマグネシウム(Mg)を含有するアルミ
ニウム合金製部材からなるものであって、その厚さが上
記tmmと同等程度の値を有するもの(アルミニウム合金
製板材)2と重ね合せた状態で、単相交流溶接機に設置
(セット)する工程と、次に、このような状態のもの
を、一対の電極をもって所定の加圧力(P)にて加圧し
た状態に保持する工程と、更に、このような状態におい
て、上記両電極の間に、図1に示す如く、所定の電流値
(I)からなる主電流をnサイクルからなる所定時間
(nサイクル)通電する工程と、しかる後に、上記主電
流値(I)に対して0.9Iないし0.77Iの電流値
を有する二次電流を、0.7t×nないし2t×nの時
間だけ二次通電する工程と、からなるようにしたことを
基本とするものである(図1参照)。
【0010】このような手順(工程)において、上記重
ね合されるアルミニウム合金製板材1、2の板厚として
は、本実施の形態のものにおいては、双方とも同じ厚さ
であるt=1mmのものを用いることとする。また、上記
主電流値(I)及びそのときの通電時間(nサイクル)
等については、下記表1に示すような値のものを採用す
ることとする。なお、この場合における単相交流のサイ
クル数としては60Hzのものを採用することとする。
【表1】
【0011】なお、このような溶接条件にてスポット溶
接の行なわれた部分について、X線透過による検査を行
なった結果、例えば図2に示すような溶接部断面におけ
る溶接ナゲット3及びその周辺部において、何んら欠陥
が見い出されない。特に、下限値の限界条件である表1
の(D)に示すようなものにおいても、表1の(B)、
(C)に示すような条件の場合と同様、上記溶接ナゲッ
ト3及びその周辺部において、特に欠陥は見い出されな
い。また、このような条件下にてスポット溶接の成され
た部材(試験片)についての疲労強度試験結果は、図3
に示すような状態となっている。これによると、従来の
WES7302による溶接条件にてスポット溶接の成さ
れたものと比較して、約2倍ないし3倍、疲労強度が向
上していることが判る。特に、二次通電の下限条件であ
る表1の(B)、(C)に示すような二次電流値及び通
電時間からなるものにおいても、図3に示す如く、従来
のものに較べて、可成り優れた疲労強度を有しているこ
とが判る。これらのことから、二次通電に関する電流の
下限値としては、主電流値(I)に対して0.77Iの
値が、また、通電時間(サイクル数)の下限値として
は、主電流の通電サイクル数(n)に対して1t×nの
値が、推測されることとなる。なお、二次通電時間(サ
イクル数)の上限値としては、表1の(E)、(F)に
示すような条件下でのスポット溶接時において欠陥が認
められたところから、主電流の通電サイクル数(n)に
対して2t×nの値が規定されることとなる。
【0012】なお、本実施の形態においては、上記アル
ミニウム合金製部材のうち、特に、銅(Cu)及びマグ
ネシウム(Mg)を含有する2000系のアルミニウム
合金について、並びに、マグネシウム(Mg)及びシリ
コン(Si)を含有する6000系のアルミニウム合金
について、そのスポット溶接可能な条件(方法)を考察
することとする。まず、銅(Cu)及びマグネシウム
(Mg)を含有する2000系のものについて考察する
こととする。すなわち、主電流値(I)及びそのときの
通電時間(nサイクル数)に対して、所定の二次電流値
及び通電時間(サイクル数)を与えるようにした条件下
でスポット溶接を行なった場合における、その結果を下
記表2に示す。
【表2】
【0013】その結果によれば、表2中において○印の
付されたものについては、溶接に供せられた双方の部材
(試料)ともに、欠陥は見い出されなかった(認められ
なかった)。これらのことから、本2000系のアルミ
ニウム合金製部材のスポット溶接条件、特に、二次通電
の条件としては、電流値が0.85Iないし0.77I
の範囲内であって、通電時間(サイクル数)は、1.5
t×nないし2t×nの範囲内であることが最適である
と推測される。なお、このような条件にてスポット溶接
の成された部材(試料)のうち、例えば表2のNO.2
4のものについての疲労強度試験結果を図4に示す。そ
の結果によれば、従来のWES7302による溶接条件
にてスポット溶接の成されたものに対して、約2倍ない
し3倍、疲労強度の向上していることが判る。
【0014】次に、マグネシウム(Mg)及びシリコン
(Si)を含有する6000系のものについて考察する
こととする。すなわち、主電流値(I)及びそのときの
通電時間(nサイクル数)に対して、所定の二次電流値
及び通電時間(サイクル数)を与えるようにした条件下
でスポット溶接を行なった場合における、その結果を下
記表3に示す。
【表3】
【0015】その結果によれば、表3中において○印の
付されたものについては、溶接に供せられた双方の部材
(試料)ともに、欠陥は見い出されなかった(認められ
なかった)。これらのことから、6000系のアルミニ
ウム合金製部材のスポット溶接条件、特に二次通電の条
件としては、電流値が0.9Iないし0.7Iの範囲内
であって、通電時間(サイクル数)は、0.7t×nな
いし2.5t×nの範囲内であることが最適であると推
測される。なお、このような条件下にてスポット溶接の
成された部材(試料)のうち、例えば表3のNO.3の
ものについての疲労強度試験結果を図5に示す。その結
果によれば、従来のWES7302による溶接条件にて
スポット溶接の成されたものに対して、約2倍程度、疲
労強度の向上していることが判る。
【0016】このように、本実施の形態においては、図
1に示す如く、主電流の通電に続いて二次電流を通電す
るようにするとともに、当該二次電流の値を主電流値
(I)に近づけるようにし、更には、その通電時間(通
電サイクル数)をできる限り長く、場合によっては主電
流通電時間よりも長く採るようにしている。すなわち、
溶接ナゲットが完全凝固するまでの間、当該溶接ナゲッ
ト部周りの非溶融部の加熱(保温)状態をできるだけ長
く維持するようにしている。これによって、溶接ナゲッ
ト部周りの熱応力の発生を最小限に抑えることができる
ようになる。その結果、溶接ナゲット及びその周辺部に
おける欠陥の発生を抑止することができるようになる。
なお、このような溶接条件において、本実施の形態にお
いては、上記両電極間における加圧力(P)を250K
gf(2450N)の値としているが、この加圧力
(P)については、これよりも小さな値を採るようにし
た方が良い場合がある。すなわち、加圧力(P)を低減
化させることによって、図2に示す溶接ナゲット3のと
ころに形成される電極圧痕部の深さの増大化を回避する
ことができるようになるとともに、加圧力(P)の低下
に基づく電極との接触部における電気抵抗の増大化によ
り発熱量が増加し、これによって二次通電時間を短縮化
することができるようになる。すなわち、上記の通電時
間(サイクル数)の下限値1t×nの値を、0.7t×
n程度まで短縮化することができるようになる。その結
果、全体の溶接時間を短縮化することができるようにな
り、生産性の向上を図ることができるようになる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、単相交流溶接手段を用
いたアルミニウム合金製部材のスポット溶接方法に関し
て、その厚さがtmmのアルミニウム合金製部材を、同じ
くアルミニウム合金製部材からなるものであって、その
厚さが上記tmmと同等若しくはそれよりも大きな値を有
するものと重ね合せし、このような状態のものを一対の
電極をもって加圧した状態にて保持し、更に、このよう
な状態において、上記両電極の間に所定の電流値(I)
からなる主電流を所定時間(nサイクル数)通電をし、
しかる後に、上記主電流値(I)に対して、0.9Iな
いし0.77Iの電流値を有する二次電流を0.7t×
nないし2.5t×nの時間だけ二次通電するようにし
た手順(工程)を採ることとしたので、溶接ナゲット及
びその周辺部のところには欠陥が生じないようになっ
た。また、銅(Cu)及びマグネシウム(Mg)を含有
する2000系の合金、及びマグネシウム(Mg)及び
シリコン(Si)を含有する6000系の合金について
も、それぞれ固有の二次通電条件を設定することによっ
て、欠陥の無いスポット溶接を行なうことができるよう
になった。その結果、自動車を初めとした各種車両、更
には航空機等の構造物に、アルミニウム合金製部材を基
礎としたスポット溶接手段を採用することができるよう
になり、これら構造物の軽量化を促進することができる
ようになった。
【0018】特に、本発明においては、主電流の通電に
続いて二次電流を通電するようにするとともに、当該二
次電流の値を主電流値(I)に近づけるようにし、更に
は、その通電時間(通電サイクル数)もできるだけ長く
採るようにしたので、溶接ナゲットが完全凝固するまで
の間、当該溶接ナゲット部周りの非溶融部の加熱(保
温)状態を長く維持することができるようになった。そ
の結果、溶接ナゲット部周りの熱応力の発生を最小限に
抑えることができるようになり、溶接ナゲット及びその
周辺部における欠陥の発生を抑止することができるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる主電流及び二次電流に関する、
その電流値及びその通電時間を示すタイムチャートであ
る。
【図2】本発明にかかる溶接ナゲット部周りの構造を示
す断面図である。
【図3】本発明にかかる溶接条件にてAl−Mg系から
なる試験片をスポット溶接したものについての疲労強度
試験結果を示す図(グラフ)である。
【図4】銅(Cu)及びマグネシウム(Mg)を含有す
るアルミニウム合金製部材についてのスポット溶接後の
疲労強度試験結果を示す図(グラフ)である。
【図5】マグネシウム(Mg)及びシリコン(Si)を
含有するアルミニウム合金製部材についてのスポット溶
接後の疲労強度試験結果を示す図(グラフ)である。
【符号の説明】
1 アルミニウム合金製部材(板材) 2 アルミニウム合金製部材(板材) 3 溶接ナゲット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単相交流溶接手段を用いたアルミニウム
    合金製部材のスポット溶接方法において、その厚さがt
    mmのアルミニウム合金製部材を、同じくアルミニウム合
    金製部材からなるものであって、その厚さが上記tmmと
    同等若しくはそれよりも大きな値を有するものと重ね合
    せし、このような状態のものを一対の電極をもって加圧
    した状態にて保持し、更に、このような状態において上
    記両電極の間に所定の電流値(I)からなる主電流をn
    サイクルからなる所定時間通電し、しかる後に、上記主
    電流値(I)に対して0.9Iないし0.77Iの電流
    値を有する二次電流を、0.7t×nないし2t×nの
    時間だけ二次通電するようにしたことを特徴とするアル
    ミニウム合金製部材のスポット溶接方法。
  2. 【請求項2】 単相交流溶接手段を用いたアルミニウム
    合金製部材のスポット溶接方法において、その厚さがt
    mmのものであって銅(Cu)及びマグネシウム(Mg)
    を含有するアルミニウム合金製部材を、同じく銅(C
    u)及びマグネシウム(Mg)を含有するアルミニウム
    合金製部材からなるものであって、その厚さが上記tmm
    と同等若しくはそれよりも大きな値を有するものと重ね
    合せし、このような状態のものを一対の電極をもって加
    圧した状態にて保持し、更に、このような状態において
    上記両電極の間に所定の電流値(I)からなる主電流を
    nサイクルからなる所定時間通電し、しかる後に、上記
    主電流値(I)に対して0.85Iないし0.77Iの
    電流値を有する二次電流を、1.5t×nないし2t×
    nの時間だけ二次通電するようにしたことを特徴とする
    アルミニウム合金製部材のスポット溶接方法。
  3. 【請求項3】 単相交流溶接手段を用いたアルミニウム
    合金製部材のスポット溶接方法において、その厚さがt
    mmのものであってマグネシウム(Mg)及びシリコン
    (Si)を含有するアルミニウム合金製部材を、同じく
    マグネシウム(Mg)及びシリコン(Si)を含有する
    アルミニウム合金製部材からなるものであって、その厚
    さが上記tmmと同等若しくはそれよりも大きな値を有す
    るものと重ね合せし、このような状態のものを一対の電
    極をもって加圧した状態にて保持し、更に、このような
    状態において上記両電極の間に所定の電流値(I)から
    なる主電流をnサイクルからなる所定時間通電し、しか
    る後に、上記主電流値(I)に対して0.9Iないし
    0.7Iの電流値を有する二次電流を、0.7t×nな
    いし2.5t×nの時間だけ二次通電するようにしたこ
    とを特徴とするアルミニウム合金製部材のスポット溶接
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014000594A (ja) * 2012-06-20 2014-01-09 Toyota Motor Corp 積層アルミニウム材の製造方法及びそれを含む密閉型電池の製造方法、並びに、密閉型電池
WO2019203363A1 (ja) * 2018-04-20 2019-10-24 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法
JP2021137822A (ja) * 2020-03-02 2021-09-16 株式会社豊田中央研究所 スポット溶接方法
WO2022071022A1 (ja) * 2020-10-02 2022-04-07 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法、及びアルミニウム材の接合体

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