JPH10192556A - 人形における毛髪の取付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取りつけが簡単確実であり、作業性を向上す
ることができる人形における毛髪の取付方法を提供す
る。 【構成】 毛髪の生えぎわに沿って人形の頭を顔面部材
と頭部材とに分割構成し、分割面の間に配設した毛髪を
両部材の挟圧力によって取りつけ固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、人形における毛
髪の取付方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の人形、例えばひな人形の頭１０は
成形型への石膏の流し込みによって製作している。そし
て、この頭１０への毛髪の取りつけは、毛髪の生えぎわ
に沿って掘られた深溝１１に毛髪１２の一端根部を挿入
し、詰物を施したうえで接着剤を用いて行っている。
（図３参照）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の毛髪の取りつけ
は、熟練技能者の手に委ねられているが、面倒な作業工
程を要するために時間が掛かり、製作コストがかさむと
いう問題点が見られた。また、接着剤の硬化を待たなけ
れば次工程の髪結作業に移れず作業性が悪いという問題
点もあった。

【０００４】本発明は、上記した従来技術の問題点に着
目してなされたものであり、取りつけが簡単確実であ
り、しかも素早く次工程に取り掛かることができる人形
における毛髪の取付方法を提供しようとする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の人形における毛髪の取付方法は、次の通り
である。すなわち、その要旨とするところは、毛髪の生
えぎわに沿って人形の頭を顔面部材と頭部材とに分割
し、これら分割面の間に配設した毛髪を両部材の押し付
けによって固定したことにある。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る人形における
毛髪の取付方法をひな人形に実施した例について説明す
る。

【０００７】図１において、Ａは人形の頭の全体を示す
ものであり、この頭Ａは毛髪の生えぎわを境界にして前
側の顔面部材１と後部の頭部材２とに分割して形成す
る。これらの顔面部材１と頭部材２は、組み合わせたと
き内部が中空をなすように適当な肉厚をもって構成す
る。

【０００８】上記の顔面部材１と頭部材２は、樹脂材料
（ウレタン樹脂、エポキシ樹脂など）の成型加工により
それぞれ個別に製作する。

【０００９】両者の分割面には、それぞれフラット状或
はエッジ状の取付面１ａ及び押え面１ｂを形成する。上
記の頭部材２と顔面部材１は、取付面１ａと押え面１ｂ
を合わせた状態で、止めネジ３によって固定することが
できる。顔面部材２の適所には、その表面側に開口する
取付孔４を形成する。この取付孔４は、開口部が内部よ
り狭くなるように形成する。

【００１０】このように構成された頭Ａに対して、毛髪
Ｂは周知のものであり、一端根部５を連鎖状につないだ
すだれ状に構成する。この毛髪Ｂは、上記の一端根部５
を顔面部材１の取付面１ａに沿って配列された後、頭部
材２の押え面１ｂによって押えられ、止めネジ３によっ
て締付け固定される。

【００１１】このように毛髪Ｂは、二つの取付面１ａ及
び押え面１ｂによって強力に挟み付け固定されるもので
あり、時間を待たずに直ちに後工程の髪結作業に移るこ
とができる。

【００１２】なお、上記の毛髪Ｂを容易かつ均等に取付
面１ａにセットするために、顔面部材１の内部適所に係
止部を設けたり、あるいは補助的に接着剤を使用するこ
とは容易であり、適宜採用しうる事項である。

【００１３】また前述した頭Ａに対して、眼球Ｃは開口
部の大きさより大きな半球状などに構成する。この眼球
Ｃを取りつけるには、頭部材２を取り外した状態で、内
部から取付孔４に向けて眼球Ｃを押し込むようにする。
取りつけ後は、接着剤を取付孔４に充填し固定する。

【００１４】なお、この眼球Ｃの取りつけは、前記した
毛髪Ｂの取付作業の前工程で行うようにする。

【００１５】上記の毛髪Ｂ及び眼球Ｃの取りつけに当た
って、顔面部材１、頭部材２さらには取付面１ａ、押え
面１ｂには強い押圧力などが作用するが、これらは何れ
も樹脂材料で構成されているので、破損するようなこと
がなく商品価値を保持することができる。

【００１６】なお上記の一実施例では、頭部材２に押え
面１ｂを形成し、これにより毛髪Ｂを押し付け固定した
が、中間部材（図示省略）を設けてこの押え面によって
毛髪Ｂを固定しても良い。また頭部材２を省いて中間部
材だけで毛髪Ｂを固定することもできる。

【００１７】また、頭部材２側あるいは中間部材側に取
付面１ａを形成して、これに髪Ｂをセットしておき、こ
れに対し顔面部１の押え面１ｂを作用して毛髪を固定す
るような方法を採ることもできる。

【００１８】また一実施例では、ひな人形において実施
したが、その他の人形においても同様に適用しうるもの
である。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、本発明に係る毛髪の取付
方法によれば、作業が簡単かつ容易であり、製作コスト
の低減に大きく寄与することができる。また次工程への
待ち時間がなく、作業効率を大幅に向上することができ
る。などの優れた効果を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る毛髪の取付方法の一実施例を説
明するための人形の頭の断面図である。

【図２】顔面部材及び頭部材を分解して示す断面図であ
る。

【図３】従来の人形の構成を説明する説明図である。

【符号の説明】

Ａ 人形の頭 Ｂ 毛髪 Ｃ 眼球 １ 顔面部材 ２ 頭部材 １ａ 取付面 １ｂ 押え面 ３ 止めネジ ４ 取付孔 ５ 一端根部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 毛髪の生えぎわに沿って人形の頭を顔面
   部材と頭部材とに分割構成し、これら分割面の間に配設
   した毛髪を両部材の押え付けによって固定したことを特
   徴とする人形における毛髪の取付方法。
2. 【請求項２】 顔面部材と頭部材とを合成樹脂材の成型
   加工により製作した請求項１に記載の人形における毛髪
   の取付方法。