JPH10192403A - シリンジ - Google Patents

シリンジ

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JPH10192403A
JPH10192403A JP9059391A JP5939197A JPH10192403A JP H10192403 A JPH10192403 A JP H10192403A JP 9059391 A JP9059391 A JP 9059391A JP 5939197 A JP5939197 A JP 5939197A JP H10192403 A JPH10192403 A JP H10192403A
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sliding seal
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誠司 大谷
Nobuo Tanaka
信夫 田中
Katsuyuki Yokogawa
勝之 横川
Teruo Matsuda
照夫 松田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器内壁との隙間を通過したり、また、分別
廃棄にあたりロッドを容器から外す場合に隔板に溜まっ
ていた薬液が離散する恐れがない漏液防止機構を備えた
シリンジを提供する。 【解決手段】 上記隔板の遮断機能だけでなく、保液機
能を備える漏液防止機構で、上記端部摺動シール部材3
cの後方に連続しまたは間隔をおいて、該端部摺動シー
ル部材全体がバイパス部6を通過したとき、端部摺動シ
ール部材の後方に流出する液Lを吸収保持可能な吸液機
構Mを設けてなることを特徴とする2室型シリンジにあ
る。この吸液機構Mは円盤形状Dと円筒形状Rのものが
代表的で、保水・吸液促進剤を含浸させることにより漏
出防止効果を高め、抗菌剤を含浸させることにより衛生
性を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は漏液防止機構を備え
るシリンジ、特に中間摺動シール部材で分割される後方
の第2室の液を第1室に流入させるバイパス部に残留す
る液のシリンジ外への漏れ出しを防止する機構に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】あらかじめ薬剤が充填された使い捨てタ
イプの注射器、いわゆるプレフィルドシリンジのうち、
所定の薬剤と、その溶解液または分散液、あるいは他の
薬液を分離させた状態で充填した2成分型のプレフィル
ドシリンジにおいて、従来、図10に例示するように、
先端部分に注射針の装着部をもつ筒状容器31内の後端
開口側から端部シール部材32を挿入するとともに、容
器31内にその軸方向に摺動可能な中間シール部材33
を設けて先端側に第1室34および後端側に第2室35
に分割するとともに、各室内にはそれぞれの薬剤Pおよ
び溶解液等Lを収容し、先端部をキャップ37で封鎖し
た構造のものがある(特公昭49−14465号)。
【0003】このタイプにおいては、中間摺動シール部
材33よりも先端側の第1室34において、容器31の
側壁にバイパス部、通常は外側に突出するバイパス溝3
6、を設けた構造とし、使用時に端部シール部材32を
ロッドにより押し込むことにより、図11に示すように
第2室35内の液体Lとともに中間シール部材33を前
進させ、中間シール部材33がバイパス溝36にさしか
かったときにこの溝36を介して第2室35内の液体L
を第1室34内に流入させ、その後は図12に示すよう
に端部シール部材32の先端で中間シール部材33を押
圧して第1室34内で溶解あるいは分散もしくは混合
後、その液体を先端から押し出すようになっている。
【0004】この際、端部シール部材がバイパス部を通
過するため、バイパス部に残留する液が端部シール部材
の後方に漏出する。そのため、特開昭62−14863
号では端部シール部材の後方に隔板を配設し、液のシリ
ンジ外への漏出を防止する機構が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
方法では粘度の低い薬液および表面張力の小さい薬液等
ではロッドに設けてある隔板と容器内壁との隙間を通過
する場合があり、また、分別廃棄にあたりロッドを容器
から外す場合に隔板に溜まっていた薬液が離散する恐れ
がある。そこで、本発明は容器内壁との隙間を通過した
り、また、分別廃棄にあたりロッドを容器から外す場合
に隔板に溜まっていた薬液が離散する恐れがない漏液防
止機構を備えたシリンジを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記隔板の遮
断機能だけでなく、保液機能を備える漏液防止機構を開
発することにより上記目的を達成するものであり、注射
針が装着される先端開口部分と、ロッドが挿入され、そ
の先端に位置する端部摺動シール部材により封鎖される
後端開口を有する筒状容器が、容器内部を長手方向前後
に分割するに少なくとも1個の中間摺動シール部材と、
該中間摺動シール部材の初期位置より前方の容器壁に上
記中間摺動シール部材の厚みより長く長手方向に延びて
形成されたバイパス部とを備え、該バイパス部を介して
上記中間摺動シール部材の前方室に後方室液を流入させ
るシリンジであって、上記端部摺動シール部材の後方
に、液を吸収保持可能な吸液機構を設けてなることを特
徴とするシリンジにある。なお、本発明において、「端
部摺動シール部材の後方」とは該シール部材を含み、そ
のシリンジ後方のあらゆる部分を含む意味で用いられ、
上記吸液機構が上記ロッドの先端の端部摺動シール部材
の後方に密着してまたはその後方に間隔をおいて設けら
れる場合だけでなく、上記筒状容器の後端開口を封鎖す
るように嵌め込まれ、そこに留め置かれる場合を含む。
【0007】
【発明の作用・効果】本発明の第1適用例によれば、上
記中間摺動シール部材を境に前方室と後方室に分割さ
れ、上記前方室には所定の薬剤を、上記後方室には薬剤
と混合される液を収容するが、該液が収容された後方室
の後端開口側を上記ロッドの先端により押圧される端部
摺動シール部材を挿入して閉鎖し、上記ロッドで端部摺
動シール部材を前方に押圧すると、上記中間摺動シール
部材は上記バイパス部域まで前方に従動変位し、該バイ
パス部を介して上記前方室に後方室液を流入させる。端
部摺動シール部材の一部又は全体がバイパス部を通過し
たとき、端部摺動シール部材の後方に流出する液は吸液
機構に吸収保持されるので、注射容器の外部への液漏出
を防止できるとともに、分別廃棄時に使用後のロッドを
取り外しても薬液の離散が防止できる。また、一般に注
射容器は透明であり、単に遮蔽しているだけでは残留液
が外部から見え、漏出の不安感を与えるが、吸収保持さ
れていると液自体が確実に保持されているので、このよ
うな不安感を与えることもない。特に、吸液材が保水・
吸液剤を含浸する場合は、吸液材とシリンジの内壁との
間にクリアランスがあっても完全に吸液保持効果を達成
することができる。また、上記吸液材はその性質上微生
物が繁殖しやすいが、上記保水・吸液剤と同時に、また
は単独で抗菌剤を含有させることができ、吸液材に発生
しやすい微生物の繁殖を防止することができ、分別廃棄
時の安全性を高めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】上記吸液機構Mは、一般に上記ロ
ッドの先端に一体的にまたは取り外し可能に設けられる
端部摺動シール部材の後方に密着してまたは間隔をおい
て一体的にまたは取り外し可能に設けられてもよい。し
たがって、図13に示すように、吸液機能を有する濾
紙、ナイロンフェルトまたは綿不織布、糸あるいは織布
とした繊維または吸水性ポリマーなどの樹脂からなる摺
動可能な円盤状吸液材Dをロッド2の先端に取り付ける
ようにして構成される。装着方法は図14および図15
に示すようにロッド2の先端突出部2aをネジ切りする
一方、円盤状吸液材Dの中心にネジ穴Hを設け、螺着し
て溝2bにはめ込むようにするか、図16および図17
に示すようにロッド2の先端突出部2a’にツイストロ
ックを設ける一方、円盤状吸液材Dの中心にツイスト穴
H’を設け、ツイスト螺着して溝2bにはめ込むように
することができる。なお、円盤状吸液材Dは複数枚を積
層してまたは間隔をおいて配設するようにすることもで
きる。他方、上記吸液機構Mはロッド2により筒状容器
内を摺動する端部摺動シール部材と切り離し、上記筒状
容器の後端開口を封鎖するように嵌め込まれ、その位置
に留め置かれるようにしてもよい。この場合、図25に
示すように、上記Dと同様の円盤状吸液ストッパー部材
Sの中心にロッド2の貫通孔hを設け、端部摺動シール
部材3cの後方の筒状容器後端開口1bに嵌め込み、該
貫通孔hから前方にロッド2の先端を通し、端部摺動シ
ール部材3cの後端に螺着し、ストッパー部材Sを留め
置くようにしてもよいし、また、図26に示すように、
上記吸液機構Mが上記ストッパー部材Sを、上記筒状容
器の後端1b外周に嵌め込み可能なフィンガーグリップ
100に嵌め込み、フィンガーグリップ100の装着に
より上記筒状容器の後端開口を封鎖するように留め置か
れてもよい。なお、上記吸液機構Mは上記端部摺動シー
ル部材3cとともに上記筒状容器内を摺動する吸液材D
に代表される第1の摺動吸液機構と上記筒状容器の後端
に留め置き可能な吸液ストッパー部材Sに代表される第
2の吸液機構の双方の組み合わせから構成することもで
きる。
【0009】また、吸液機構Mは図18に示すように上
記ロッド2の先端に形成された巻回溝2cに濾紙、布ま
たは糸あるいは不織布の形態とした繊維を巻回するかま
たは吸水性ポリマーなどの樹脂を塗布するようにして形
成することができる(図19参照)。図19では先端に
のみ巻回したが、ロッドの長手方向に延びて巻回するよ
うにしてもよい。なお、吸液材の外形はシリンジ内壁と
の隙間を規定するものであるから、液の表面張力および
粘度等を考慮し、アルコールのように表面張力の小さい
ものである場合は上記隙間が0.2〜1.0mmとなるよう
に小さく、水のように比較的表面張力が大きいものでは
0.2〜1.5mmとなるように大きくすることも可能であ
る。
【0010】上記吸液機構Mは材料による吸液性能を示
すものを示したが、図20に示すロッド2の先端に設け
た環状または螺旋状の吸液溝Cの毛細管現象により吸収
するようにしてもよい。また、図21に示すようにロッ
ド2の先端の円板2dの後方にさらに複数枚の円板2e
を並列積層して溝を構成するようにしてもよい。この場
合も吸収される液の粘度および表面張力を考慮して溝幅
および深さを決定するようにするのが好ましい。
【0011】また、上記吸液機構Mは図22に示すよう
に、上記筒状容器を摺動可能な円筒形状の吸液材Rをな
し、上記ロッド2の先端部に取り外し可能に装着されて
もよい。詳しくは、ロッド2の先端20aには端部シー
ル部材3cがネジ止め装着されるネジ部分が突出してい
るとともにその周囲には吸液材Rの回り止めの浅い溝が
4個形成されるとともに、その間には突起がそれぞれ4
個形成され、吸液材Rの抜け止めをなしている。この先
端部分20aの半径は上記吸液材Rの穴径よりやや大き
く形成されている。なお、20bはロッド2の押し出し
部分である。この場合、図23に示すように円筒形状の
吸液材Rは円盤状吸液材D(図15参照)に比して全長
が進行方向に長いため、シリンジのバイパス部を通過す
る時に残留液の落下タイミングがやや遅れても十分に吸
液保持することができる。通常、全長10mm以上である
のが好ましい。この端部摺動シール部材を最後まで押し
込んだ時に上記円筒形状の吸液材Rは通常バイパス部を
越えて前方に押し込まれるが、特に図24に示すように
その後端がバイパス部を塞いで残留するようにすると残
留液の漏出防止効果が大きい。
【0012】上記吸液材がポリビニルホルマール、ポリ
エステル系繊維、パルプ、パルプを含有するポリエステ
ル系樹脂、アセテート繊維を含有するポリエステル系繊
維、アセテート繊維、セルローススポンジ、ポリビニル
アルコール系スポンジからなる群から選ばれるのが好ま
しい。上記吸液材は吸液機能を促進する保水・吸液促進
剤を含浸しているのが好ましく、この保水・吸液促進剤
はグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、D−ソルビトール、ポリオキシエチレンセチ
ルエーテル、ベンジルアルコールからなる群から選ば
れ、水等の媒体に1〜30重量%含有させた液中に上記
吸液材を浸漬して含浸させる。その際、特にポリソルベ
ート80などの 界面活性剤が併用添加することもでき
る。
【0013】上記吸液材が抗菌剤を含有しているのがよ
い。抗菌剤が塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ム、ドデシルジアミノエチルグリシン、ドデシルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライド、ポリヘキサメチレ
ンビグアナイドおよびアルキルジアミノエチルグリシン
塩酸塩から選ばれ、使用環境に応じて含浸量が調整され
る。
【0014】上記吸液材は上記薬剤を溶解または分散さ
せる溶媒液が着色している場合、それを着色し、吸液痕
跡がシリンジ外部から見えないようにするのがよい。着
色剤としては、アセンヤクタンニン末、インジゴカルミ
ン、ウコン抽出液、塩化メチルロザニリン、黄酸化鉄、
黄色三二酸化鉄、オパラックスAS−6178(日本カ
ラコン社商標名)、カーボンブラック、カラーペースト
1、カラーペースト2、カラーペースト3(日本カラコ
ン社商品名)、カラメル、カルミン、β−カロチン、カ
ロチン液、金箔、黒酸化鉄、ケッケツ、酸化亜鉛、酸化
チタン、三二酸化鉄、ジスアゾイエロー、食用黄色4
号、食用黄色5号、食用青色1号、食用黄色4号アルミ
ニウムレーキ、食用赤色102号、食用赤色2号、食用
赤色3号、ゼイン、太陽カラメル、銅クロロフィリンナ
トリウム、銅クロロフィル、フェノールレッド、マッチ
ャ、ミリスチン酸オクチルドデシル、メチレンブルー、
薬用炭、酪酸リボフラビン、リボフラビン、緑茶末、リ
ン酸マンガンアンモニウム、リン酸リボフラビンナトリ
ウム、ローズ油が挙げられる。
【0015】また、上記吸液材は上記薬剤またはその溶
媒液が薬理活性を有する場合、廃棄にあたりそれを失活
させる必要がある。その場合、失活剤を含有させるのが
好ましい。失活剤の具体例として、エタノール、メタノ
ール、過酸化水素水、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、
ホウ酸、硫酸、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸二
ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、塩
酸、乳酸、アンモニア水、水銀などの少なくとも一種が
用いられる。
【0016】上記吸液材はその外周とシリンジ内壁との
間に実質的にクリアランスを有しない方が漏出防止効果
大きいが、クリアランスを設けると吸液材の摺動性が向
上し、分別廃棄が容易である。また、シリンジ後端にフ
ィンガーグリップを有するとき、その形状によってはク
リアランスを設ける必要がある。上記吸液材がその外周
とシリンジ内壁との間にクリアランスを有する場合は残
留液の吸液率がやや減少するが、上記保水・吸液促進剤
を含有させることにより吸液率を100%まで向上させ
ることができる。
【0017】本発明に係るシリンジは次の形態に適用す
ることができる。吸液機構は各図面においてMで示され
ている。その作用機構は上述したと同様であるので、説
明を省略する。図1は本発明の実施の形態の基本的構成
を示す断面図である。筒状容器1は後述するバイパス部
を形成するバイパス溝6を除いて全体として一様な円筒
形を有し、その両端はそれぞれ全開している。
【0018】この筒状容器1の後端側からロッド2が装
着された端部摺動シール部材3Cが挿入されているとと
もに、その内部には、容器1内を第1室4と第2室5に
仕切る摺動シール部材3が挿入されているが、この摺動
シール部材3は、前方側摺動シール部材3aと後方側摺
動シール部材3bに2分割されている。この前方側摺動
シール部材3aと後方側摺動シール部材3bとは、互い
に当接していてもよいし、あるいは図示のように所定の
空隙を有していてもよい。このような空隙を設けること
を目的として、前方側摺動シール部材3aと後方側摺動
シール部材3bの互いに対向する面の少なくともいずれ
か一方の面に適当な突起を形成してもよい。
【0019】筒状容器1の先端開口部1aには、シール
部材7が装着されている。なお、この筒状容器1の先端
部には、後述する注射液の投与時に、例えば針つきのキ
ャップを装着したり、あるいは保持部材を介して両頭針
を装着してその後端をシール部材7に刺通するという公
知の手段により、注射針が装着される。
【0020】そして、第1室4内には粉末薬剤Pが、第
2室5内にはその溶解液もしくは分散液、あるいは多種
の薬液Lがそれぞれ充填されており、筒状容器1の第1
室4の側壁には、所定の幅で外側に突出するバイパス溝
6が形成されており、このバイパス溝6の容器1の軸方
向への長さは、前方側摺動シール部材3aと後方側摺動
シール部材3bの合計の厚さよりも所定量だけ長くなっ
ている。更に、摺動シール部材3aと3bおよび端部シ
ール部材3cの軸方向における合計長さは、バイパス溝
6の軸方向長さよりも所定量長くなるようにしてある。
この長さの調整は、端部摺動シール部材3cの長さを加
減することにより容易にできる。
【0021】以上の構成の本発明の実施の形態を使用す
るときは、従来と同様、ロッド2を装着した端部摺動シ
ール部材3c(以下プランジャという)を先端側に押圧
することにより、第2室5内の液体Lを介して前方側摺
動シール部材3aおよび後方側摺動シール部材3bがと
もに前進し、これらがバイパス溝6の形成位置に到達し
て第1室4と第2室5が連通した時点で第2室5内の液
体Lが第1室4内に流入し、この流入が完了して端部シ
ール部材3cの先端が後方側摺動シール部材3bの後端
に当接した後は直接これを押圧して前方側および後方側
摺動シール部材3aおよび3bを前進させ、前方側摺動
シール部材3aの少なくとも前半部分がバイパス溝6の
先端部よりも前方に到達し、かつ、プランジャのシール
部材3cの少なくとも後半部がバイパス溝6に到達せず
筒状容器1の内壁に摺動状態を保持している位置で押圧
を停止し、筒状容器1を振って薬剤の混合等を行った後
に、容器1の先端に装着された注射針を介して溶解、分
散または混合された注射液を射出させる。この時、漏液
防止機構Mがバイパス溝内の残留液を吸収保持する。
【0022】次に、以上のような本発明実施の形態にお
ける粉末薬剤や溶解液等の充填を含めたシリンジ本体の
組み立ての手順を図2に示す。まず、(A)に示すよう
に、筒状容器1内に後方側摺動シール部材3bを挿入し
た状態で、第2室5内に溶解液、分散液もしくは薬液L
を充填して端部シール部材3cを挿入する。この状態で
その溶解液、分散液もしくは薬液Lに対して蒸気加熱滅
菌を施した後、第1室4の内面を乾燥させる。ここでの
蒸気加熱滅菌処理に際しては、第2室5内の溶解液、分
散液もしくは薬液Lが活性物質を含む場合には、それを
破壊しない程度の温度、例えば50〜60℃以下の温度
で処理する。
【0023】その後、(B)に示すように、前方側摺動
シール部材3aをあらかじめ十分に乾燥させた状態で筒
状容器1の先端開口部1aから挿入し、後方側摺動シー
ル部材3bに密着させるか、あるいは僅かな空隙を設け
て接近させる。その状態で先端開口部1aから第1室4
内の粉末薬剤Pを充填した後、先端開口部1aに固定シ
ール部材7を装着することにより、図1に示した構造の
2成分プレフィルドシリンジを得る。この場合、ロッド
2は初めから付いているものでも、後で付けるものでも
どちらでもよい。
【0024】以上のような組み立て手順において、第2
室5内の溶解液、分散液もしくは薬液Lの蒸気加熱滅菌
時に後方側摺動シール部材3bには水分が付着ないし浸
透してしまうが、この蒸気加熱滅菌および乾燥・冷却工
程の後に乾燥した前方側摺動シール部材3aを挿入し、
その後に第1室4内に粉末薬剤Pを充填することで、こ
の粉末薬剤P側への水分の移行を防止できる。
【0025】また、前方側と後方側の各摺動シール部材
3aと3b間に空隙を設けた構造とすると、組立後の保
管状態において第2室5側からの湿気が後方側摺動シー
ル部材3bをへて前方側摺動シール部材3aに入り込む
に要する時間が長くなり、第1室4側の薬剤に湿気が達
するまでの期間を長くすることができる。
【0026】以上のような本発明に係る2成分プレフィ
ルドシリンジは、その筒状容器1の先端に注射針を装着
した状態で使用されることを既述したが、以下、注射針
の装着機構並びに筒状容器1の先端開口部1aのシール
部材7および摺動シール部材3a等についてのより具体
的な構成例について述べる。
【0027】
【実施例】図3は筒状容器1の先端開口部に挿入される
シール部材7として摺動タイプのものを用いた例を示す
断面図である。この例は筒状容器1の先端に針付きキャ
ップ8を装着する例で、針付きキャップ8は、カップ状
のキャップ本体81の先端に注射針82が固着され、か
つ、その本体81の内周には注射針82に連通する溝8
1aが形成された構造を持つ。また、本体81は筒状容
器1の先端開口部1aから所定長さだけ先端側に突出し
た空隙81bを有しており、その内部にシール部材7が
入り込むことができるようになっている。
【0028】このような構成において、使用時にプラン
ジャを押圧して第2室5内の溶解液もしくは分散液ある
いは他種の薬液をバイパス溝6を介して第1室4内に流
入させるとき、あるいは流入が完了したときに、図4に
示すようにシール部材7が針付きキャップ8の本体81
の空隙内に移動する。この状態で更にプランジャを押圧
すると、第1室4内で分散または溶解された後の注入液
が針つきキャップ8の本体81に形成された溝81aを
経由して注射針82内に入り込んで注射できるようにな
っている。なお、針付きキャップ8には、注射針81を
投与時に取り付けるもの、またはそれ以前に既に取り付
けた構造のもののいずれでもかまわない。
【0029】また、上記の構造に代えて、シール部材7
は筒状容器1の先端より少し距離をとって容器1の内側
に配置し、プランジャ3cの押圧により第2室5の液が
第1室4内に流入完了したとき、そのシール部材7が筒
状容器1の先端部分に留まるように構成してもよい。こ
うすることにより、後述する係止機構の機能と相まっ
て、第1室4内の前後は完全に密閉されるので、溶解、
分散時に容器1を振動させても液はどこからも漏れるこ
とがなくなる。
【0030】図5はシール部材7に非可動タイプのもの
を用いた例を示す断面図である。このタイプでは、筒状
容器1の先端部に針保持部材を兼用するキャップ9を装
着し、このキャップ9を介して両頭針10を所定の位置
まで挿入することにより、両頭針10の後端部がシール
部材7を貫通して第1室4内に突出するような構造とな
っている。
【0031】この構造では、両頭針10の装着により針
は直ちに第1室4に連通することになり、上記と同様に
第1室4内で溶解または分散された注射液を直接両頭針
10内を通して注射することができる。
【0032】両頭針10を用いる方式のものにおいて
は、針10の後端部がシール部材7を貫通して第1室4
内に入り込む関係上、図5に示したようにシール部材7
の第1室4側の端面に針の突出代を収容可能な窪み7a
を形成しておくことにより、投与時において筒状容器1
内に残存する注射液の量(ロス量)を少なくすることが
できる。
【0033】さて、2成分プレフィルドシリンジにおい
ては、実際の投与に先立ち、第1室4内で2成分が均一
に溶解、分散または混合するように、プランジャを押圧
して第2室5内の液体Lが第1室4内にほぼ完全に流入
した状態で、しかも容器1の先端から未だ流出しない状
態で、プランジャを一旦停止させ、その状態でシリンジ
をよく振る必要がある。また、この振動付与作業時に、
第1室4内に移動した溶解液ないしは分散液等が、バイ
パス溝6を逆流して、元の第2室5内側、すなわちプラ
ンジャのシール部材3cを越えて筒状容器1の後部へ流
出させないためには、このプランジャを最適な位置で一
旦停止させる。上記作業の後、プランジャ3cをさらに
前進させると、薬液は針82を介して射出される。プラ
ンジャのシール部材3cの後端が上記バイパス溝6を通
過し始めると、バイパス溝6内に残留した液が後方に漏
出する。本発明においてはプランジャのシール部材3c
の後端に漏液防止機構Mが設けられている。
【0034】図6ないし図7に、このような操作を容易
化した実施例を示す。図6に示す例では、筒状容器1の
後端部に装着されるフィンガーグリップ100の内周面
に、筒状容器1の内周面よりも内側に円周状に突出する
凸部101を形成するとともに、ロッド2には、その軸
方向の所定位置の同一円周上に複数の突起201を形成
している。各突起201のロッド2の軸方向上への形成
位置は、ロッド2の押圧により前方側摺動シール部材3
aの先端面がバイパス溝6の先端部より前方に到達し、
かつ、後方側摺動シール部材3bの後端面がプランジャ
3cのシール部材先端面と当接し、更にはプランジャの
シール部材3cの後半部分がバイパス溝6に到達せず、
筒状容器1の内壁と摺動状態を保っている状態におい
て、突起201がフィンガーグリップ100の凸部10
1と接するような位置であり、また、ロッド2の中心軸
と各突起の先端との距離は、フィンガーグリップ100
の凸部101の内径寸法よりも僅かに大としている。更
に、フィンガーグリップ100の材質は、例えば合成樹
脂等の可撓性のあるものとしている。
【0035】以上の構成によると、図6(A)の不使用
状態からロッド2を押し込んでいくと、液が移動する間
は前方側摺動シール部材3aは図(B)のようにバイパ
ス溝6の先端付近に止まっているが、さらに押し込むと
(C)に示すように突起201が凸部101に当接する
ことによる抵抗で、ロッド2およびシール部材3cは一
旦停止する。その状態では第2室5内の液体は第1室4
内に完全に注入され、かつ、バイパス溝6の先端部も後
端部もともに閉鎖されて液の逆流、流失は完全に防止さ
れているから、その状態でシリンジを振って2成分を均
一に溶解、分散ないし混合させる。その後、ロッド2を
強く押し込むことにより、フィンガーグリップ100が
撓んで突起201が凸部101を通過し、溶解、分散な
いしは混合後の注射液の生体への投与が可能となる。
【0036】一方、図7に示す例では、筒状容器1の後
端部に装着されるフィンガーグリップ100の内周面に
同様にして凸部101を形成し、この凸部101に、同
図(B)に軸方向から見た図を示すように、複数の切り
欠き溝102を形成するとともに、ロッド2には、同数
のブレード202を形成している。ロッド2の中心から
各ブレード202の先端までの距離は、フィンガーグリ
ップ100の凸部101の内径寸法よりも大で、かつ、
フィンガーグリップ100の中心と各切り欠き溝102
の底面との距離よりも短くしている。また、各ブレード
202の先端側の端面位置は、プランジャの押圧により
前方側摺動シール部材3aの先端面がバイパス溝6の先
端部より前方に到達し、かつ、後方側シール部材3bの
後端面とプランジャのシール部材3cの先端面が当接
し、更にはプランジャのシール部材3cの後半部分がバ
イパス溝6に到達せず、容器1の内壁に対して摺動状態
を保っている状態において、ブレード202がフィンガ
ーグリップ100の後端面に接するような位置である。
【0037】以上の構成において、(A)に示す使用前
の状態では、ロッド2は、(C)に示すように、その各
ブレード202がフィンガーグリップ100の切り欠き
溝102の形成位置と一致しないような状態で筒状容器
1内に挿入しておく。そして、使用に際しては、まず
(C)の状態のままプランジャを押し込む。これによ
り、液が移動する間は前方側摺動シール部材3aは
(D)のようにバイパス溝6の先端に止まっているが、
更に押し込むと(E)に示すように、ブレード202が
フィンガーグリップ100の後端面に接した時点でプラ
ンジャが停止する。その状態では前記したように第2室
5内の液体は第1室4内に完全に注入され、かつ、バイ
パス溝6を介して逆流することも防止されているから、
その状態でシリンジを振って2成分を均一に溶解、分散
ないし混合させる。その後、ロッド2を回転させて各ブ
レード202を各切り欠き溝102の形成位置と一致さ
せると、(F)に示すようにロッド全部の押し込みが可
能となるから、溶解、分散ないしは混合後の注射液の生
体への注入を行うことができる。
【0038】なお、以上のような図6または図7に示し
た構造を採用することなく、バイパス溝6の先端部より
前方の所定位置、例えばバイパス溝6の先端部よりも2
mm程度前方位置の筒状容器1の外周または内周面に、
その円周方向に沿ったライン状のマークを設けるだけで
も効果的である。すなわち、前方側摺動シール部材3a
の先端面がそのマークを越えないようにプランジャを押
圧すると、第2室5内の液体がほぼ完全に第1室4内に
注入された状態となるから、その状態でシリンジを振れ
ばよい。
【0039】ところで、既に述べた各実施例において、
前方側および後方側の各摺動シール部材3aおよび3
b、あるいはプランジャ3cは、それぞれ、その外周面
に円周状に突出する複数のリブ、すなわち複数の円形リ
ブを持つ構造として、第1室4と第2室5間の液密性、
あるいは第2室5と容器1の外部との液密性を保ち、し
かも容器1内での摺動性が良好となるように考慮されて
いる。このような構造では、ロッド2の押圧により各摺
動シール部材3a、3b、あるいはシール部材3cがバ
イパス溝6を通過する際に、バイパス溝6内に溜まって
いる液が各シール部材3a、3bないしはプランジャの
シール部材3cのそれぞれの円形リブ間に形成されてい
る円環状の凹所に入り込み、その分だけ注射液が投与さ
れずにロスになってしまう。これを解決するためには、
その凹所を、シール部材の摺動性を阻害しない程度に浅
くすることが考えられるが、更にそのロス量を少なくす
るための対策を以下に述べる。
【0040】図8にその対策を施した実施例の断面図を
示す。前方側摺動シール部材3a、後方側摺動シール部
材3bおよび端部シール部材3cには、それぞれ複数の
円形リブ300が形成されているとともに、各円形リブ
300の間に、これらと略同等の高さを持つ複数個の縦
リブ301が形成されており、この各縦リブ301によ
って、各円形リブ300間に形成される空隙がそれぞれ
複数個の小空隙に仕切られている。
【0041】この例では、各シール部材3a、3bおよ
び3cのそれぞれの外周を4等分する位置に、各空隙内
に4個の縦リブ301が形成されており、これによって
円形リブ300間の各空隙がそれぞれ4等分されている
(図9参照)。
【0042】このような構成の採用により、プランジャ
の押圧によって前方側摺動シール部材3a、後方側摺動
シール部材3bおよびプランジャ3cがバイパス溝6を
通過する際、このバイパス溝6を介して注射液が各円形
リブ300間の空隙のうち、縦リブ301で仕切られた
小空隙のいずれかに入り込むが、縦リブ301の存在に
よって隣接する小空隙には侵入し得ず、従って、この例
においては円形リブ300のみを設けた場合に比して、
各シール部材の空隙に残存する注射液は約1/4に減少
する。
【0043】なお、円形リブ300間の各空隙内に設け
る縦リブ301の数は4個に限定されず、2個以上の任
意個数とすることができ、個数を増やすほど注射液のロ
ス量を減少させることができる反面、各シール部材の摺
動性がそれに従って低下するから、これらの兼ね合いに
より適当な個数とすることが望ましい。また、縦リブ3
01については、前方側および後方側の摺動シール部材
3aおよび3bにのみ形成してもよい。
【0044】また、前後の摺動シール部材3aと3b、
およびプランジャ3cの各円形リブ300並びに縦リブ
301については、その軸方向形状を図示のように筒状
容器1の内壁面に沿った直線状とするほか、筒状容器1
との摩擦抵抗をより軽減させるべく、軸方向に適宜に曲
面状の膨らみを持たせた、いわゆるクラウニング状にす
ることもできる。
【0045】また、上記吸液機構Mとしては図22に示
すように、上記筒状容器を摺動可能な円筒形状の吸液材
Rをなし、上記ロッドの先端部に取り外し可能に装着さ
れてもよい。この吸液材Rはポリビニルホルマール、ポ
リエステル系繊維、パルプ、パルプを含有するポリエス
テル系樹脂、アセテート繊維を含有するポリエステル系
繊維、アセテート繊維、セルローススポンジからなる群
から選ばれる材料シートを、グリセリン、プロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、D−ソルビトー
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ベンジルアル
コールからなる群から選ばれる保水・吸液促進剤含有液
中に浸漬して含浸させ、これを所定の形状に打ち抜いて
製造される。また、上記円盤状吸液材D(図15参照)
を重ね合わせて円筒形状としてもよい。上記吸液材は塩
化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ドデシルジ
アミノエチルグリシン、ドデシルジメチルベンジルアン
モニウムクロライド、ポリヘキサメチレンビグアナイ
ド、塩化セチルビリジニウムおよびアルキルジアミノエ
チルグリシン塩酸塩から選ばれる抗菌剤を含浸させてあ
る。
【0046】この場合、図23に示すように円筒形状の
吸液材Rは円盤状吸液材D(図15参照)に比して全長
が進行方向に長い(通常、全長10mm以上である)た
め、シリンダのバイパス通路を通過する時に残留液の落
下タイミングがやや遅れても十分に吸液保持することが
できる。このプランジャ3cを最後まで押し込んだ時に
上記円筒形状の吸液材Rは通常バイパス溝を越えて前方
に押し込まれるが、特に図24に示すようにその後端が
バイパス溝を越えて残留するようにすると残留液の漏出
防止効果が大きい。なお、図中図6と同一部材は同一番
号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の基本的構成を示す断面図。
【図2】その薬剤等の充填を含むシリンジ本体の組み立
て工程の説明図。
【図3】筒状容器の先端開口部に摺動タイプのシール部
材を用いる場合の本発明の具体的実施例の構成を示す断
面図。
【図4】図3の例の使用時における作用説明図。
【図5】筒状容器の先端開口部に非可動タイプのシール
部材を用い、注射針として両頭針を用いる場合の本発明
の他の実施例の構成を示す断面図。
【図6】本発明におけるロッド2と筒状容器1との間の
係止機構およびその解除機構の例の説明図。
【図7】同じく本発明におけるロッド2と筒状容器1と
の間の係止機構およそその解除機構の例の説明図。
【図8】本発明の2成分プレフィルドシリンジにおい
て、その注射液の投与ロス量を減少させるための対策を
施した例を示す断面図。
【図9】その各シール部材3a、3bおよび3cの外観
斜視図。
【図10】従来の2成分プレフィルドシリンジの構成を
示す断面図。
【図11】その第1作業説明図。
【図12】その第2作業説明図。
【図13】本発明で用いる漏液防止機構の第1実施例の
配置を示す概要図。
【図14】上記第1実施例の第1取り付け機構を示す側
面図。
【図15】上記第1実施例の第1取り付け機構を示す正
面図。
【図16】上記第1実施例の第2取り付け機構を示す側
面図。
【図17】上記第1実施例の第2取り付け機構を示す正
面図。
【図18】上記第2実施例の取り付け機構を示す側面
図。
【図19】本発明で用いる漏液防止機構の第2実施例の
配置を示す概要図。
【図20】本発明で用いる漏液防止機構の第3実施例の
配置を示す概要図。
【図21】本発明で用いる漏液防止機構の第3実施例の
変形例を示す概要図。
【図22】本発明で用いる漏液防止機構の第4実施例を
示す斜視図。
【図23】本発明で用いる漏液防止機構の第4実施例の
第1の形態の押し込み状態を示す断面側面図。
【図24】本発明で用いる漏液防止機構の第4実施例の
第2の形態の押し込み状態を示す断面側面図。
【図25】本発明で用いる漏液防止機構として第1の吸
液ストッパー部材を用いるシリンジの断面側面図。
【図26】本発明で用いる漏液防止機構として第2の吸
液ストッパー部材を用いるシリンジの断面側面図。
【符号の説明】 1 筒状容器 1a 先端開口部 100 フィンガーグリップ 101 突起 102 切り欠き 2 ロッド 201 凸部 202 ブレード 3 中間摺動シール部材 3a 前方側摺動シール部材 3b 後方側摺動シール部材 3c 端部摺動シール部材 300 円形リブ 301 縦リブ 4 第1室 5 第2室 6 バイパス溝 7 シール部材 7a 窪み 8 針付きキャップ 81 キャップ本体 81a 溝 81b 空隙 82 注射針 9 キャップ 10 両頭針 P 粉末等の薬剤 L 溶解液、分散液もしくは他の薬液 M 吸液機構 D 円盤状吸液材 R 円筒状吸液材 S 吸液ストッパー部材。
フロントページの続き (72)発明者 横川 勝之 大阪府摂津市正雀1丁目2−15 サンリバ ーハイツ401号 (72)発明者 松田 照夫 東京都千代田区岩本町1丁目5番8号 株 式会社アルテ内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注射針が装着される先端開口部分と、ロ
    ッドが挿入され、その先端に位置する端部摺動シール部
    材により封鎖される後端開口を有する筒状容器が、容器
    内部を長手方向前後に分割するに少なくとも1個の中間
    摺動シール部材と、該中間摺動シール部材の初期位置よ
    り前方の容器壁に上記中間シール部材の厚みより長く長
    手方向に延びて形成されたバイパス部とを備え、 該バイパス部を介して上記中間摺動シール部材の前方室
    に後方室液を流入させるシリンジであって、 上記端部摺動シール部材の後方に、液を吸収保持可能な
    吸液機構を設けてなることを特徴とするシリンジ。
  2. 【請求項2】 上記吸液機構が上記ロッドの先端の端部
    摺動シール部材に密着してまたはその後方に間隔をおい
    て設けられている請求項1記載のシリンジ。
  3. 【請求項3】 上記吸液機構が上記ロッドの先端に一体
    的に形成される端部摺動シール部材に一体的にまたは取
    り外し可能に設けられている請求項2記載のシリンジ。
  4. 【請求項4】 上記吸液機構が上記ロッド先端から取り
    外し可能な端部摺動シール部材の後方に一体的にまたは
    取り外し可能に設けられる請求項2記載のシリンジ。
  5. 【請求項5】 上記吸液機構が吸液機能を有する紙、繊
    維または樹脂から選ばれる吸液材からなる請求項1〜4
    のいずれかに記載のシリンジ。
  6. 【請求項6】 上記吸液材がポリビニルホルマール、ポ
    リエステル繊維、パルプ、パルプまたはアセテート繊維
    を含有するポリエステル繊維、アセテート繊維、スポン
    ジおよび吸収性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも
    1種からなる請求項5記載のシリンジ。
  7. 【請求項7】 上記吸液材がその吸液機能を促進する保
    水・吸液促進剤を含浸している請求項5または6記載の
    シリンジ。
  8. 【請求項8】 上記保水・吸液促進剤がグリセリン、プ
    ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、D−ソ
    ルビトール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ベン
    ジルアルコールからなる群から選ばれる1種以上である
    請求項7記載のシリンジ。
  9. 【請求項9】 上記吸液材が保水・吸液促進剤と界面活
    性剤を含有している請求項5記載のシリンジ。
  10. 【請求項10】 上記吸液材が抗菌剤を含有している請
    求項5〜9のいずれかに記載のシリンジ。
  11. 【請求項11】 上記吸液材が保水・吸液促進剤と抗菌
    剤を含有している請求項5〜9のいずれかに記載のシリ
    ンジ。
  12. 【請求項12】 上記抗菌剤が塩化ベンザルコニウム、
    塩化ベンゼトニウム、ドデシルジアミノエチルグリシ
    ン、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
    ド、ポリヘキサメチレンビグアナイドおよびアルキルジ
    アミノエチルグリシン塩酸塩から選ばれる1種以上であ
    る請求項10または11記載のシリンジ。
  13. 【請求項13】 上記吸液材が着色剤で着色されている
    請求項5〜11のいずれかに記載のシリンジ。
  14. 【請求項14】 上記吸液材が失活剤を含有している請
    求項5〜11記載のシリンジ。
  15. 【請求項15】 上記吸液材が着色剤と失活剤を含有し
    ている請求項5〜11のいずれかに記載のシリンジ。
  16. 【請求項16】 上記吸液機構がその外周とシリンジ内
    壁との間に実質的にクリアランスを有しない請求項1〜
    4のいずれかに記載のシリンジ。
  17. 【請求項17】 上記吸液材がその外周とシリンジ内壁
    との間にクリアランスを有し、上記保水・吸液促進剤を
    含有する請求項1〜4のいずれかに記載のシリンジ。
  18. 【請求項18】 上記吸液材が上記端部摺動シール部材
    から取り外し可能な上記ロッドの先端に嵌め込み可能な
    中空円筒形状をなす請求項5または6記載のシリンジ。
  19. 【請求項19】 上記吸液機構が吸液機能を有する環状
    または螺旋状の吸液溝からなる請求項1〜5のいずれか
    に記載のシリンジ。
  20. 【請求項20】 上記吸液機構が少なくともロッド先端
    にリング状に巻回する吸液材からなる請求項1〜5のい
    ずれかに記載のシリンジ。
  21. 【請求項21】 上記吸液機構が上記ロッドの貫通孔を
    有し、上記筒状容器の後端開口に嵌め込みかつ留め置き
    可能な吸液部材である請求項1記載のシリンジ。
  22. 【請求項22】 上記吸液機構が上記ロッドの貫通孔を
    有し、上記筒状容器の後端外周に嵌め込み可能なフィン
    ガーグリップに嵌め込まれ、上記筒状容器の後端開口に
    留め置き可能な吸液部材である請求項1記載のシリン
    ジ。
  23. 【請求項23】 上記吸液機構が上記端部摺動シール部
    材とともに上記筒状容器内を摺動する吸液部材と上記筒
    状容器の後端に留め置き可能な吸液部材からなる請求項
    1記載のシリンジ。
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