JP2022549267A - 薬剤注射用の針システム - Google Patents

Abstract

本発明は、針組立品（１、１００、２００、３００）および薬剤カートリッジ（３０、１３０、２３０、３３０）を含む、針システムを提供し、針組立品（１、１００、２００、３００）は、針ハブ部材（４．１、１０４．１、２０４．１、３０４．１）であって、注射針（１５、１１５、２１５、３１５）が、前方針部分（１５ｆ、１１５ｆ、２１５ｆ、３１５ｆ）が針ハブ部材から遠位方向に延在し、後方針部分（１５ｒ、１１５ｒ、２１５ｒ、３１５ｒ）が針ハブ部材から近位方向に延在するように固定して装着されている、針ハブ部材（４．１、１０４．１、２０４．１、３０４．１）と、針ハブ部材（４．１、１０４．１、２０４．１、３０４．１）から近位方向に延在しており、かつ後方針部分（１５ｒ、１１５ｒ、２１５ｒ、３１５ｒ）を収容するスカート空洞（４．９、１０４．９、２０４．９、３０４．９）を画定する、スカート部材（４．２、１０４．２、２０４．２、３０４．２）であって、スカート空洞（４．９、１０４．９、２０４．９、３０４．９）が、スカート空洞構成を有する、スカート部材（４．２、１０４．２、２０４．２、３０４．２）と、を含み、薬剤カートリッジ（３０、１３０、２３０、３３０）は、摺動可能なピストン（２３９、３３９）によって近位方向に密封され、首部（３２、１３２、２３２、３３２）および頭部（３３、１３３、２３３、３３３）によって画定される出口端部分を有する、概して円筒形の本体（３１、１３１、２３１、３３１）を含み、頭部（３３、１３３、２３３、３３３）は、頭部構成を有し、スカート空洞構成が、頭部構成に対応しており、それにより、後方針部分（１５ｒ、１１５ｒ、２１５ｒ、３１５ｒ）を出口端部分に永久的に常駐させる、頭部（３３、１３３、２３３、３３３）上のスカート部材（４．２、１０４．２、２０４．２、３０４．２）の緊密な嵌合が提供される。【選択図】図４

Description

技術分隔壁

本発明は、薬剤注射処置で使用するための針システムに関する。

ペン注射装置と、取り付け可能な針ユニットと、を含む、薬剤を自己投与するための注射システムは、概して単純で便利な取り扱いパターンにより、ますます普及している。

主に、２タイプのペン注射装置が利用可能であり、耐久性注射装置は、使用前に装置にロードし、消耗後に交換することができる予め充填された薬剤カートリッジから１回以上の用量の薬剤を送達することができ、使い捨て注射装置は、予め充填された非交換式の薬剤カートリッジから１回以上の用量の薬剤を送達することができる。これらのタイプのペン注射装置の各々は、例えば、薬剤カートリッジから所定のもしくは選択されたサイズの一回の用量のみを送達するように適合されたシングルショット装置、薬剤カートリッジから複数回の用量を送達することができるマルチショット装置、ユーザが注射に必要な力を提供する手動装置、注射時に解放可能な組み込みエネルギー源を有する自動装置、同一のサイズの用量を送達するように適合された固定用量装置、可能な用量サイズの範囲からユーザにより毎回設定可能な薬剤の複数回の用量の送達を提供する用量可変装置などの、様々なサブタイプで実現されるか、または原理上は実現され得る。

ラベルが示唆するように、耐久性注射装置は、複数の薬剤カートリッジが使い果たされ交換されるかなりの時間にわたって使用されることを意図し、使い捨て注射装置は、専用薬剤カートリッジが使い果たされるまで使用され、その後、注射装置全体が廃棄されることを意図する。

ペン注射装置のタイプに関係なく、かかる注射システムのユーザは、汚染のリスクを最小限に抑えるために、注射ごとに針ユニットを廃棄することを推奨される。したがって、多用途注射装置は、耐用期間の過程において、複数の針ユニットとともにデフォルトで使用されるべきである。

針ユニットは典型的に、使用前に滅菌性を確保するために個々に包装および密封されている。したがって、用量投与行為に関連して、ユーザは、針ユニットの包装を解き、それを注射装置の上に装着し、それによって薬剤カートリッジへの流体接続を確立し、注射を実施し、それを注射装置から装着解除し、それを再び包装するか、または別様に封入して、針刺し傷害を防止し、かつ最終的にそれを、好ましくは専用の鋭利な容器の中に捨てる必要がある。

針ユニットの準備とその後の取り外しは両方とも、注射処置の最も複雑で最も時間のかかる部分である。従来のスレッドインターフェースでは、針ユニットの装着および装着解除は、回転の繰り返しの手の動きをユーザに要求することさえあり、これはモーター的に困難である。一般的に、特に、年少者や高齢者のユーザにとっては、小さな物品およびホイルの取り扱いが課題となり、注射作業が煩雑になる場合がある。

ＷＯ２０１５／１１７８５４（Ｎｏｖｏ Ｎｏｒｄｉｓｋ Ａ／Ｓ）は、再利用可能な注射装置で使用するためのカートリッジと針とを組み合わせた組立品を開示している。液体薬剤および針組立品を含むカートリッジは、互いに永久的に取り付けられ、注射装置に挿入可能な単一の薬剤ユニットを形成する。針組立品は、ハウジング、テレスコピック針シールド、および軸方向に移動可能な針ハブを含み、移動可能な針ハブは、ハウジングの回転に伴い、カートリッジと針組立品との組み合わせが注射装置に挿入された後、弾性要素によって注射位置に軸方向に移動する。針ハブの移動は、カートリッジへの流体接続を確立し、軸方向に引き離される２つの分離可能な隔壁の間に針シールド内に貯蔵部を生成し、その結果としてカートリッジからの液体薬剤の体積の貯蔵部への移動を開始する貯蔵部内部の真空を生成する。このように貯蔵部が充填されると、注射装置は、各注射行為後に貯蔵部内の針先端を液体薬剤洗浄する防腐剤により、針組立品を変更することなく可能な複数の第１の注射を実施する準備ができ、カートリッジが最終的に空になると、薬剤ユニットを交換することができる。

この溶液は、注射装置の準備完了を容易にし、針の取り扱いに関連して通常実施されるユーザ行為の数を減少させるが、それでもなお、注射装置への薬剤ユニットの挿入、ならびにカートリッジへの流体接続の確立およびその後の貯蔵部の充填につながる針ハブの移動を引き起こすためのハウジングの調製回転の両方が必要である。貯蔵部の充填は自動的であり、したがって、ユーザからのさらなる行為を必要としないが、注射のための新しい薬剤ユニットを有する注射装置の準備に必要な時間が長くなる。さらに、このソリューションには、複数の可動部品を含む、同等に複雑な針組立品構造が伴い、誤動作のリスクが増大する。

国際公開第２０１５／１１７８５４号（Ｎｏｖｏ Ｎｏｒｄｉｓｋ Ａ／Ｓ）

先行技術の少なくとも１つの欠点を除去するかもしくは低減させること、または先行技術のソリューションに対する有用な代替案を提供することが、本発明の目的である。

特に、本発明の目的は、針ベースの注射システムの使用に関連する取り扱い工程の数を減少させるソリューションを提供することである。

本発明のさらなる目的は、使用者が、使用目的の針ベースの注射システムを迅速かつ容易に準備することを可能にするソリューションを提供することである。

本発明のさらなる目的は、シンプルで、コンパクトで、かつ費用効果の高いこのようなソリューションを提供することである。

本発明のさらなる目的は、安全かつ信頼できるこのようなソリューションを提供することである。

本発明の開示では、上記の目的のうちの１つ以上に対処し、かつ／または、以下の文章から明らかである目的に対処する、態様および実施形態が記載される。

第１の態様では、本発明は、請求項１に記載の針システムを提供する。

したがって、針組立品および薬剤カートリッジを含む、針システムが提供される。針組立品は、基準軸に沿って延在している注射針が、例えば、接着によって固定して装着されている、針ハブ部材を含む。注射針の前方針部分は、針ハブ部材から遠位方向に延在しており、注射針の後方針部分は、針ハブ部材から近位方向に延在している。針組立品は、針ハブ部材から近位方向に延在し、後方針部分を収容するスカート空洞を画定する、スカート部材をさらに含む。スカート空洞は、スカート空洞構成、すなわち、特定のサイズおよび形状を有する。

薬剤カートリッジは、従来的なタイプの薬剤カートリッジであり、概して円筒形のカートリッジ本体と、液体物質を保持するためのチャンバーを画定する摺動可能なピストンと、を含む。カートリッジ本体は、組立品ダウンセクションまたは首部、および頭部によって画定された出口端部分を有する。頭部は、スカート空洞構成に対応する頭部構成を有する。

これにより、頭部上のスカート部材の緊密な嵌合によって、針組立品を薬剤カートリッジに確実かつ安定的に取り付けることが提供され、それにより、後方針部分が常にチャンバーと流体的に接続されるという意味で、後方針部分が出口端部分内に永久的に常駐することが確実になる。それによって、組み立てられた針システムを注射装置に挿入することができ、力がピストンに印加されて、さらなるユーザ準備行為を行うことなく、１回分の液体物質の量を直ちに排出することができる。

頭部上のスカート部材の緊密な嵌合は、さらに、針システムのコンパクトな構造を提供し、蠕動を可能にする中間空間がないため、強固な一体感を与える。したがって、スカート空洞の構成は頭部の構成に対応するため、組み立てられた針システムでは、スカート部材および頭部は、針組立品と薬剤カートリッジとの間の相対的な軸方向または傾斜の動きがないようにしっかりと係合される。

針組立品および薬剤カートリッジは、例えば、製造業者によって予め組み立てられてもよく、したがって、針システムは、例えば、簡単に取り外し可能で、注射装置への迅速な挿入を可能にする滅菌包装で、予め組み立てられた状態でユーザに提供されてもよい。針システムは、例えば、専用のカートリッジホルダーに前方充填されるように設計されてもよく、または専用のカートリッジホルダーに横断的にクリックされるように設計されてもよい。

スカート部材および針ハブ部材は、一体となって形成されてもよく、それによって、特に単純で費用効果の高い構造が得られる。

本発明の一部の実施形態では、頭部は、出口端部分を密封する自己密封隔壁と、概して円筒形本体に対して自己密封隔壁を固定するための端部キャップと、を含む。これにより、別個の統一体としての針組立品および薬剤カートリッジの製造が可能となる。

本発明の他の実施形態では、スカート部材は、予め配設された自己密封隔壁をさらに含み、後部針部分は、自己密封隔壁の中央部分を貫通している。したがって、スカート空洞構成は、開放薬剤カートリッジの頭部構成に対応し、出口端部分は、頭部上のスカート部材の嵌合時に密封されるようになる。これにより、自己密封隔壁を固定するための端部キャップが省略され、針システムに必要な構成要素の数が減少する。密封効果の強化を提供するために、自己密封隔壁はわずかに圧縮可能であってもよいことが留意され、これは、スカート空洞構成が開放薬剤カートリッジの頭部構成に対応する場合、頭部がスカート空洞に入る際に、自己密封隔壁の圧縮を考慮するために、頭部構成よりもわずかに小さいスカート空洞構成を含むものと解釈されるべきである。

スカート部材は、頭部の後ろで薬剤カートリッジに対してしっかりと留まるように構成され得る。特に、頭部は、トレーリングリムを含んでもよく、スカート部材は、トレーリングリムと係合するよう適合されたキャッチ部分を含んでもよい。これにより、針システムの非常にコンパクトな構造が提供されるであろう。

針システムは、前方針部分の遠位端部の周りにしっかりと嵌合された取り外し可能なプラグ部材をさらに含んでもよい。こうしたプラグ部材は、ユーザの皮膚に入る前方針部分のセクションの無菌性を維持し、注射針を通して薬剤カートリッジからの液体物質の漏出を防止するという二重の目的を果たすことができるであろう。取り外し可能なプラグ部材は、前方針部分の遠位端部に沿って摺動するように適合され得る。

上述の針システムは、１回の注射行為後に薬剤カートリッジを空にして廃棄する、単回ショットタイプの注射装置での使用に特に好適であり得るが、各注射行為後に前方針部分の遠位端部が洗浄される場合、薬剤カートリッジから複数の用量を送達することができる複数回ショットタイプの注射装置でも使用され得る。これは、例えば、微生物成長阻害剤を含む取り外し可能なプラグ部材によって達成されてもよく、ユーザは、注射装置の各使用後に、前方針部分の遠位端部上に取り外し可能なプラグ部材を再装着することができる。

しかしながら、あるいは、針組立品は、前方針部分の一部分の周りにしっかりと嵌合された取り外せないプラグ部材をさらに含んでもよく、プラグ部材は、貫通可能な自己密封前方セクションを含み、前方針部分の遠位端部セクションが貫通可能な自己密封前方セクションの近位でプラグ部材内に収容される、前方プラグ位置と、遠位端部セクションが露出される、後方プラグ位置との間で、針ハブに対して注射針の長手方向軸に沿って変位可能である。プラグ部材は針組立品の一体部分を形成するため、ユーザがプラグ部材を失うリスクは排除される。結果として、プラグ部材は、常に利用可能であり、偶発的な針刺し傷害を防ぐように配置可能である。

また、この場合、プラグ部材は、微生物成長阻害剤を含み得る。特に、プラグ部材は、固定化した亜鉛（Ｚｉ^＋＋）または固定化した銀（Ａｇ^＋＋）を含有する熱可塑性エラストマーで作製され得る。これは、これらのイオンが微生物成長を阻害することが公知であるためである。プラグ部材は、前方針部分の一部分の周りにしっかりと嵌合するため、その上の任意の微生物汚染物は結果として中和されるであろう。使用の間のプラグ部材を前方プラグ位置に置くと、遠位端部セクションは、それによって、注射と針組立品との間の静生環境に保たれ、それに応じて複数回の使用に適している。

プラグ部材は、中に円筒状チャネルを有する固体プラグ部分を画定する円筒状プラグ本体をさらに含み得る。その場合、円筒状チャネルは、自己密封前部セクションに隣接し、注射針の横方向の寸法よりも小さい横方向のチャネル寸法を有する。

プラグ部材は、並進運動または螺旋運動によって、針ハブ部材に対して軸方向に変位可能であり得る。いずれの場合も、プラグ部材は、例えば、ばねなどの弾性要素によって、前方プラグ位置に向かって付勢されてもよい。

したがって、プラグ部材は、ユーザが貫通可能な自己密封前方セクションを上に置き、前方針部分の遠位端部を挿入するために、針システムを皮膚に押し付けることによって、前方プラグ位置から後方プラグ位置に近位方向に、および皮膚から注射針を取り外したときに弾性要素によって、後方プラグ位置から前方プラグ位置に遠位に変位することができる。

本発明の一部の実施形態では、針組立品は、針ハブ部材に対してプラグ部材を変位させるための手段をさらに含む。例えば、針組立品は、第１の角度位置と第２の角度位置との間で針ハブ部材に対して回転可能なスリーブ部材をさらに含んでもよく、ａ）第１の角度位置から第２の角度位置へのスリーブ部材の回転に応答して、前方プラグ位置から後方プラグ位置へのプラグ部材の変位、およびｂ）第２の角度位置から第１の角度位置へのスリーブ部材の回転に応答して、後方プラグ位置から前方プラグ位置へのプラグ部材の変位を引き起こすように構成され得る。

第２の態様では、本発明は、薬剤カートリッジが、摺動可能なピストンによって近位方向に密封され、首部および頭部によって画定される開放出口端部分を有する、概して円筒形の本体を含む、薬剤カートリッジに取り付けるための針組立品を提供し、針組立品は、針ハブ部材であって、注射針が、前方針部分が針ハブ部材から遠位方向に延在し、後方針部分が針ハブ部材から近位方向に延在するように固定して装着されている、針ハブ部材と、針ハブ部材から近位方向に延在しており、かつ頭部を受けるためのスカート空洞を画定する、スカート部材と、を含み、ここで、後方針部分は、自己密封隔壁を通してスカート空洞内に延在している。

これにより、頭部をスカート空洞内に挿入することによって、針組立品と薬剤カートリッジとの組み合わせが可能になり、それによって、薬剤注射装置とともに使用するための針システムが生成される。自己密封隔壁は、スカート空洞への頭部の挿入が、後方針部分の周りに開放出口端部分を密封するように配設されてもよい。具体的には、自己密封隔壁は、針ハブ部材とスカート部材を接続する横断壁に配設されてもよい。

針組立品は、頭部をスカート空洞内に保持するための手段をさらに含んでもよい。その例示的な実施形態では、頭部は、頭部構成を有し、スカート部材は、例えば、リップ部材などの半径方向内向きに突出する構造を含み、それによって、スカート空洞構成は、自己密封隔壁と半径方向内向きに突出する構造との間のスカート部材内に形成され、スカート空洞構成は、頭部構成に対応する。それによって、頭部がスカート空洞内に挿入されたときに、内向きに突出する構造は、頭部を所定の位置にしっかりと保持し、薬剤カートリッジ上の針組立品の緊密な嵌合を提供し、後方針部分の周りに開放出口端部分を密封し、それ自体が、薬剤カートリッジの内部への永久的な流体接続を提供する。

これにより、すぐに使用できる状態で、追加の取り扱い工程を必要とせずに、例えば、摺動またはスナップ動作によって、注射装置内に迅速かつ容易に挿入され得る、シンプルでコンパクトな針システムが可能となる。さらに、自己密封隔壁は、追加の端部キャップを必要とせずに薬剤カートリッジに付着されてもよく、それにより、針システムを構成する構成要素の数が減少する。針組立品は、上述のように、取り外し可能または取り外せないプラグ部材をさらに含んでもよい。

スカート空洞は、サイズおよび形状を有し、頭部は、サイズおよび形状を有し、本文脈において、「スカート空洞構成は頭部構成に対応する」という語句は、スカート空洞のサイズおよび形状が頭部のサイズおよび形状と等しくなることを意味する。しかしながら、スカート部材が予め配設された自己密封隔壁を含む実施形態については、その語句は、頭部がスカート空洞内への進入中に自己密封隔壁を圧縮して、それによって、頭部の遠位リムに沿った自己密封隔壁の密封能力を増加させるように、頭部構成よりもわずかに小さいスカート空洞構成を暗黙的にカバーする。

第３の態様では、本発明は、針組立品および薬剤カートリッジを含む、針システムを製造する方法を提供し、その方法は、ｉ）針ハブ部材であって、注射針が、前方針部分が針ハブ部材から遠位方向に延在し、後方針部分が針ハブ部材から近位方向に延在するように固定して装着されている、針ハブ部材と、針ハブ部材から近位方向に延在しており、かつスカート空洞を画定する、スカート部材と、自己密封隔壁と、を含む、針組立品を提供することであって、後方針部分が、自己密封隔壁を通してスカート空洞内に延在しており、スカート部材は、スカート空洞構成が自己密封隔壁と半径方向内向きに突出する構造との間でスカート部材内に形成されるように、半径方向内向きに突出する構造を含む、提供することと、ｉｉ）摺動可能なピストンによって近位方向に密封され、首部および頭部によって画定される開放出口端部分を有する、概して円筒形の本体を含む、薬剤カートリッジを提供することであって、頭部が、スカート空洞構成に対応する頭部構成を有する、提供することと、ｉｉｉ）頭部上にスカート部材を装着することと、を含む。

いかなる疑念も回避するために、この文脈では、用語「注射装置」は、例えば、取り付け可能な針装置の助けを借りて、対象の体内に流体媒体を注射するのに適した装置を指し、用語「薬剤」は、状態の治療、予防、または診断に使用される媒体、すなわち、体内で治療または代謝効果を有する媒体を含む媒体を指す。さらに、「遠位」および「近位」という用語は、薬剤送達装置、薬剤貯蔵部、または針ユニットにおける位置、もしくはこれらに沿った方向を示し、「遠位」は薬剤出口端を指し、また「近位」は、薬剤出口端とは反対側の端を指す。

本明細書において、特定の態様または特定の実施形態（例えば、「一態様」、「第１の態様」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」など）への言及は、それぞれの態様または実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または、特性が、少なくとも本発明のその一態様または実施形態に含まれるか、または固有のものであるが、必ずしも本発明のすべての態様または実施形態の中に含まれるわけではなく、それらすべての固有のものでもないことを表す。しかしながら、本発明に関連して説明した様々な特徴、構造および／もしくは特性の任意の組み合わせが、本明細書に明示的に記載されない限り、または明確に文脈上矛盾しない限り、本発明に包含されることが強調される。

本文中のありとあらゆる例、または例示的な言語（例えば、など）の使用は、単に本発明をより良く明らかにすることを意図するものであり、別段特許請求されない限り、本発明の範囲を制限するものではない。さらに、本明細書中のいずれの言語または言い回しも、特許請求されないいずれの要素も本発明の実施に必須であると示しているとは解釈されない。

以下において、本発明は、図面を参照してさらに説明される。

図１は、本発明の例示的な実施形態による針システムの長手方向断面図である。 図２は、本発明の別の例示的な実施形態による針システムの長手方向断面図である。 図３は、本発明のさらに別の例示的な実施形態による、針システムで使用するための針組立品のｖ断面斜視図である。 図４および図５は、図３の針組立品を用いる針システムの長手方向断面図である。 図６は、注射装置の一部を形成するカートリッジホルダーに挿入された針システムの斜視図である。 図７～図９は、使用中に異なる状態にある針組立品の斜視図である。 図１０および図１１は、本発明のさらなる例示的な実施形態による針システムの長手方向断面図である。

図において、同様の構造物は、主として同様の参照番号によって特定される。

「上」および「下」、「左」および「右」、「水平」および「垂直」、「時計回り」および「反時計回り」などの相対的な表現が以下で使用されるとき／場合、これらは添付の図を参照しており、必ずしも実際の使用状況を参照するものではない。示された図は、概略表現であり、そのため、異なる構造の構成、およびそれらの相対寸法は、例示的な目的のみを果たすことが意図される。

図１は、針組立品１および薬剤カートリッジ３０（その遠位部分のみを示す）の形態での、本発明の第１の例示的な実施形態による針システムの長手方向断面図である。針組立品１は、針キャリア４および注射針１５を含む。注射針１５は、前方針部分１５ｆが針ハブ４．１から遠位方向に延在し、後方針部分１５ｒが針ハブ４．１から近位方向に延在するように、針キャリア４の遠位端部分を形成する針ハブ４．１に固定される。前方針部分１５ｆには、皮膚バリアを通した挿入を容易にするために鋭利な前方針先端１５ｔが提供される。針ハブ４．１と一体となって形成されるスカート４．２は、円周内部リップ４．７を有し、内部リップ４．７の遠位に空洞構成を有する空洞４．９を提供するように成形される。後方針部分１５ｒは、空洞４．９内に、および部分的にそれを超えて延在している。

薬剤カートリッジ３０は、出口端部を画定する最も遠位の部分にある首部３２およびカラー３８を有する、概して円筒形のカートリッジ本体３１を含む。出口端部は、フェルール３４によってカラー３８上に固定されている、貫通可能な自己密封隔壁３６によって密封される。フェルール３４は、カラー３８、自己密封隔壁３６、およびフェルール３４が一緒に頭部構成を有するカートリッジ頭部３３を構成するように、カラー３８の近位リム３７の周りに曲げられ、それによって、後ろに固定される。カートリッジ本体３１は、摺動可能なゴムピストン（図示せず）によって近位方向に密封されており、したがって、薬剤カートリッジ３０は、液体薬剤物質（可視的でない）を保持する境界チャンバー３５を含む。

空洞構成は、頭部構成に対応しており、すなわち、カートリッジ頭部３３は、スカート４．２がカートリッジ頭部３３上に装着されたときに、内部リップ４．７が、近位リム３７の周りに曲げられるフェルール３４の部分の後ろにしっかりと留まるように、空洞４．９に正確に嵌合するサイズおよび形状を有する。これにより、薬剤カートリッジ３０上の針組立品１の緊密な嵌合が得られるが、これは、蠕動のための空間が存在しないため、硬くかつ安定している。また、後方針部分１５ｒは、自己密封隔壁３６を貫通し、チャンバー３５内に永久的に常駐する。したがって、チャンバー３５と注射針１５との間の流体接続は、針システム内に予め確立されており、このため、専用の注射装置（図示せず）への挿入時に注射の準備ができることになる。

針システムは、シンプルであり、製造を安価にするいくつかの構成要素から作製される。さらに、針組立品は、可動部品を含んでおらず、したがって、針システムは、機能的に非常に信頼性が高い。

前方針部分１５ｆを密封するために、取り外し可能なプラグ（図示せず）を任意に含むことができる。こうしたプラグは、例えば、弾性材料から作製され、注射針１５の外部表面に沿った滑動運動によって簡単に除去できるように構造化されてもよい。

図２は、針組立品１００および薬剤カートリッジ１３０（その遠位部分のみを示す）の形態での、本発明の第２の例示的な実施形態による針システムの長手方向断面図である。針組立品１００は、針キャリア１０４および注射針１１５を含む。注射針１１５は、前方針部分１１５ｆが針ハブ１０４．１から遠位方向に延在し、後方針部分１１５ｒが針ハブ１０４．１から近位方向に延在するように、針キャリア１０４の遠位端部分を形成する針ハブ１０４．１に固定される。前方針部分１１５ｆには、皮膚バリアを通した挿入を容易にするために鋭利な前方針先端１１５ｔが提供される。針ハブ１０４．１と一体となって形成されるスカート１０４．２は、近位端部分に円周内部リップ１０４．７と、遠位端部分に予め配設された自己密封隔壁１３６とを有する。したがって、スカート１０４．２は、自己密封隔壁１３６と内部リップ１０４．７との間に空洞１０４．９を画定し、空洞構成を有する。後方針部分１１５ｒは、空洞１０４．９の中、および部分的にそれを超えて、自己密封隔壁１３６を通って延在している。

薬剤カートリッジ１３０は、出口端部を画定する最も遠位の部分にある首部１３２およびカラー１３８を有する、概して円筒形のカートリッジ本体１３１を含む。カートリッジ本体１３１は、摺動可能なゴムピストン（図示せず）によって近位方向に密封されているが、第１の実施形態とは対照的に、出口端部は開放されており、薬剤カートリッジ１３０は、したがって、液体薬剤物質（可視的でない）を保持する開放チャンバー１３５を含む。この場合、カラー１３８のみが、頭部構成を有するカートリッジ頭部１３３を構成する。

空洞構成は、頭部構成に対応しており、すなわち、カートリッジ頭部１３３は、スカート１０４．２がカートリッジ頭部１３３上に装着されたときに、内部リップ１０４．７が、近位リム１３７の後ろにしっかりと留まるように、空洞１０４．９に嵌合するサイズおよび形状を有する。特に、この場合、空洞構成が頭部構成に対応するという事実は、実際には、自己密封隔壁１３６の任意の圧縮性を説明するために、頭部構成よりもわずかに小さい空洞構成を含む。こうした圧縮性は、針組立品１００が薬剤カートリッジ１３０の上に装着されたときに、薬剤カートリッジ１３０の密封を強化することになり、したがって、カートリッジ頭部１３３は、空洞１０４．９内に入ると、自己密封隔壁をわずかに変形させ得る。

これにより、薬剤カートリッジ１３０上の針組立品１００の緊密な嵌合が得られるが、これは、蠕動のための空間が存在しないため、硬くかつ安定している。このソリューションでは、自己密封隔壁１３６を固定するためのフェルールを省略して、針システムの構成要素の数を減らすこともでき、なぜなら、スカート部材１０４．２が、内部リップ１０４．７が近位リム１３７の後ろにしっかりと留まって、カートリッジ頭部１３３と自己密封隔壁１３６との間の緊密な接触を維持するため、効果的にフェルールの機能を引き継ぐからである。

また、後方針部分１１５ｒは、チャンバー１３５内に永久的に常駐する。したがって、チャンバー１３５と注射針１１５との間の流体接続は、針システム内に予め確立されており、このため、専用の注射装置（図示せず）への挿入時に注射の準備ができることになる。針システムは、シンプルであり、製造を安価にするいくつかの構成要素から作製される。さらに、針組立品は、可動部品を含んでおらず、したがって、針システムは、機能的に非常に信頼性が高い。

前方針部分１１５ｆを密封するために、取り外し可能なプラグ（図示せず）を任意に含むことができる。こうしたプラグは、例えば、弾性材料から作製され、注射針１１５の外部表面に沿った滑動運動によって簡単に除去できるように構造化されてもよい。

図３は、本発明の第３の例示的な実施形態による、針システムのための針組立品２００の斜視図である。針組立品２００は、９０°の切断で分けられ、使用前状態で示されている。

針組立品２００は、針キャリア２０４および注射針２１５を含む。注射針２１５は、前方針部分２１５ｆが針ハブ２０４．１から遠位方向に延在し、後方針部分２１５ｒが針ハブ２０４．１から近位方向に延在するように、針キャリア２０４の遠位部分を形成する針ハブ２０４．１に固定される。前方針部分２１５ｆには、皮膚バリアを通した挿入を容易にするために鋭利な前方針先端２１５ｔが提供される。針ハブ２０４．１と一体となって形成されるスカート２０４．２は、円周内部リップ２０４．７を有し、内部リップ２０４．７の遠位に空洞構成を有する空洞２０４．９を提供するように成形される。後方針部分２１５ｒは、空洞２０４．９内に、および部分的にそれを超えて延在している。

針ハブ２０４．１とスカート２０４．２との間の接合部で、針キャリア２０４には、外側トラックスリーブ２０２の取り付けの手段として役立つ円周フランジ２０４．４が提供されている。外側トラックスリーブ２０２は、針ハブ２０４．１の周りに同心に配設されており、円周フランジ２０４．４の後ろにしっかりと留まる内部リム２０２．８を有する。内側トラックスリーブ２０３は、外側トラックスリーブ２０２内に配設されており、その２つは、軸方向および回転方向の両方に相互係止され、単一のユニットとして機能する。

針組立品２００は、前方針部分２１５ｆの周りにぴったりと嵌合したプラグ２１０をさらに含む。プラグ２１０は、微生物汚染物質を中和するための固定亜鉛（Ｚｉ^＋＋）を含有する熱可塑性エラストマーから作製されるという点で、生物統計学的であり、自己密封前方セクション２１０．４および一対の対向するプラグアーム２１０．５（一方のみが可視的である）を有する。

針ハブ２０４．１とスカート２０４．２との間の接合部から遠位方向に延在している、互いに対向して配設された一対のプラグガイド２０４．３（一方のみが可視的である）は、それぞれのプラグアーム２１０．５が摺動しやすいように受容される軸方向スロット（可視的でない）を形成する。したがって、プラグ２１０は、回転固定されるが、針キャリア２０４に対して軸方向に変位可能である。

針シールド２１２は、プラグ２１０の周りに配設されており、針シールド２１２の遠位端部分が、（図３に描写されるように）前方針先端２１５ｔを超えて延在しており、それによって、前方針先端２１５ｔを覆う、針カバー位置と、前方針先端２１５ｔが針シールド２１２の遠位端部分を超えて延在している、針露出位置との間で針キャリア２０４に対して軸方向に変位可能である。一対の直径の方向に対向する放射状突起部２１２．５（図７～図９を参照）が提供された針シールド２１２は、シールドばね２０５によって針カバー位置に向かって付勢される。

図４は、組み立てられる前の状態の針組立品２００および薬剤カートリッジ２３０を含む、針システムの長手方向断面図である。薬剤カートリッジ２３０は、本発明の第１の実施形態の薬剤カートリッジ３０と同一であり、すなわち、出口端部を画定する最も遠位の部分にある首部２３２およびカラー２３８を有する、概して円筒形のカートリッジ本体２３１を含む。出口端部は、フェルール２３４によってカラー２３８上に固定されている、貫通可能な自己密封隔壁２３６によって密封される。フェルール２３４は、カラー２３８、自己密封隔壁２３６、およびフェルール２３４が一緒に頭部構成を有するカートリッジ頭部２３３を構成するように、カラー２３８の近位リム２３７の周りに曲げられ、それによって、後ろに固定される。カートリッジ本体２３１は、摺動可能なゴムピストン２４０によって近位方向に密封されており、したがって、薬剤カートリッジ２３０は、液体薬剤物質（可視的でない）を保持する境界チャンバー２３５を含む。

空洞構成は、頭部構成に対応しており、すなわち、カートリッジ頭部２３３は、スカート２０４．２がカートリッジ頭部２３３上に装着されたときに、内部リップ２０４．７が、近位リム２３７の周りに曲げられるフェルール２３４の部分の後ろにしっかりと留まるように、空洞２０４．９に正確に嵌合するサイズおよび形状を有する。これにより、薬剤カートリッジ２３０上の針組立品２００の緊密な嵌合が得られるが、これは、蠕動のための空間が存在しないため、硬くかつ安定している。また、後方針部分２１５ｒは、自己密封隔壁２３６を貫通し、チャンバー２３５内に永久的に常駐する。これは、組み立てられた状態の針システムを示す図５に示されている。

したがって、チャンバー２３５と注射針２１５との間の流体接続は、図６に示すように、針システム内に予め確立されており、このため、専用の注射装置２５０への挿入時に注射の準備ができることになる。注射装置２５０は、用量ダイヤル２６９の回転によって動作可能な用量設定機構と、注射ボタン２６５の押下によって動作可能な用量排出機構とを収容する、ハウジング２５１を含む。現在の設定用量のサイズを示すためのスケールドラム２５９は、ハウジング２５１の窓を通して見ることができる。

注射システムは、その軸方向拡張でハウジング２５１に永久的に取り付けられるカートリッジホルダー２２０（図で見えるものと反対側の側面から）に、透過的にしっかりと留まることができ、それによって、注射装置２５０は、使用のために迅速かつ容易に準備され得る。

図７～図９は、注射装置２５０の使用中に針組立品２００がどのように動作するかを示している。明確にするために、注射装置２５０は図から省略されているが、以下に説明されるように針組立品が動作するときに、スカート２０４．２はカートリッジ頭部２３３上にしっかりと装着され、後方針部分２１５ｒはチャンバー２３５内に常駐することが黙示的である。また、外側トラックスリーブ２０２は、外側トラックスリーブ２０２の内部幾何学的形状および内側トラックスリーブ２０３の外部形状によって形成される、内部トラック構成（点線で示される）の提示を可能にするシースルー構成要素として示される。

図７では、針組立品２００は、使用前または使用中の、針シールド２１２がシールドばね２０５によって針カバー位置に維持され、プラグ２１０が前方針先端２１５ｔを覆う状態である。それによって、注射針２１５は、密封されており、チャンバー２３５からは液体が漏れ出ないことができる。上述のように、外側トラックスリーブ２０２および内側トラックスリーブ２０３は、一緒に内部トラック構成を形成する。これらは、針キャリア２０４に対するプラグ２１０および針スリーブ２１２のそれぞれの移動を誘導する役割を果たす。

具体的には、内部トラック構成は、それぞれの放射状突起部２１２．５の摺動調節のための一対の直径方向に対向する針シールドトラック２９１と、それぞれのプラグアーム２１０．５の摺動調節のための一対の直径方向に対向するプラグトラック（一方のみが可視的である）と、を含む。針シールドトラック２９１は、注射針２１５の長手方向基準軸に沿って軸方向に延在しており、プラグトラックの各々は、円周方向トラックセクション２９３および螺旋状のトラックセクション２９４を含む。円周方向トラックセクション２９３および螺旋状のトラックセクション２９４は、バルブ２０３．７によって形成されるトラックナローイングで接続される。針組立品２００の示された状態では、プラグアーム２１０．５は、それぞれの円周方向トラックセクション２９３に残り、放射状突起部２１２．５は、針シールドトラック２９１のそれぞれの遠位端部に位置付けられている。プラグ２１０および針シールド２１２の両方は、それによって、針キャリア２０４に対して軸方向に係止され、前方針先端２１５ｔを安全に覆い、偶発的な針刺し傷害を防止する。

次に、図８および図９を参照すると、一方のプラグアーム２１０．５および一方の放射状突起部２１２．５の移動のみが記述されており、他方のプラグアーム２１０．５および他方の放射状突起部２１２．５はそれぞれ、同様の移動を経ることが理解される。

第１に、ユーザは針キャリア２０４を一方の手でつかみ、針キャリア２０４に対して外側トラックスリーブ２０２を反時計回り（遠位の視点から見て）に回転させ、他方の手で、すなわち図８に示す矢印の方向に回転させる。ユーザが比較的高いトルクを最初に印加することによって、プラグアーム２１０．５は、バルブ２０３．７を通過し、螺旋状のトラックセクション２９４に入ると、弾性的に変形する。プラグアーム２１０．５を円周方向トラックセクション２９３の外へ移動させるために必要な比較的高いトルクは、例えば、ハンドバッグまたはバッグの中に横たわる注射装置２５０が、近隣の物体から衝撃を受ける場合に、別様に偶発的に発生する可能性がある、プラグ２１０および針シールド２１２の早期解除のリスクを低減するので、安全の観点から有利である。

針キャリア２０４に対して外側トラックスリーブ２０２の回転を継続し、今度はより低いトルクを印加して、ユーザは、プラグアーム２１０．５を螺旋状のトラックセクション２９４の下に押し込み、それによって、プラグガイド２０４．３によって形成される軸方向スロットに近位に押し込む。したがって、プラグ２１０は、近位方向に引っ張られ、最終的に、針シールド２１２内の前方針部分２１５ｆを露出させる。

プラグアーム２１０．５が螺旋状のトラックセクション２９４の近位端部に到達すると、ユーザは、針シールド２１２を皮膚表面上に置き、針キャリア２０４を本体に向けて押す。それによって、皮膚からの近位に配向された力が針シールド２１２に適用され、その結果、放射状突起部２１２．５がシールドばね２０５からの力に対して軸方向針シールドトラック２９１を移動する際に、針シールド２１２は針カバーシールド位置から針露出シールド位置に摺動する。これは、図９に示されている。したがって、前方針部分１５ｆは皮膚に入り、ユーザは、注射ボタン２６５の動作によって、設定された用量の薬剤の注射を行うことができる。

注射の完了時に、ユーザは、前方針部分２１５ｆを皮膚から引き抜き、それによって、シールドばね２０５は、放射状突起部２１２．５が軸方向針シールドトラック２９１に戻るのにつれて、針シールド２１２を針カバーシールド位置に戻す。その後、ユーザは、針キャリア２０４に対して外側トラックスリーブ２０２を時計回りに回転させて、螺旋状のトラックセクション２９４に沿ってプラグアーム２１０．５を円周方向トラックセクション２９３に戻す。さらに、プラグアーム２１０．５がバルブ２０３．７を通過するには比較的高いトルクが必要であるが、プラグアーム２１０．５が円周方向トラックセクション２９３に再固定されると、針組立品２００は、安全に係止され、偶発的な針刺し傷害を防止する。これは、図７に示す状態に対応する。

プラグ２１０が微生物成長阻害剤を含むため、針システムは、プラグ２１０内に収容された前方針部分２１５ｆが注射行為の間に洗浄されるので、複数回の使用に適している。特に、針システムは、それによって、針組立品２００の使用時間が薬剤カートリッジ２３０の使用時間と等しく、その結果、ユーザは、薬剤カートリッジ２３０が消耗されたときに針組立品２００を交換するだけでよくなる。これにより、注射装置２５０の注射の準備のためにユーザが経時的に経るべき取り扱い工程の数が著しく減少する。

図１０および図１１は、針組立品３００および薬剤カートリッジ３３０を含む、本発明の第４の例示的な実施形態による針システムの長手方向断面図であり、ここで、図１０は、組み立てられる前の状態の針システムを示しており、図１１は、組み立てられた状態の針システムを示している。

針組立品３００は、本発明の第３の実施形態に関連して上述した針組立品２００と実質的に同一であり、すなわち、それは、針ハブ３０４．１およびスカート３０４．２を有する、針キャリア３０４であって、針ハブ３０４．１が後方針部分３１５ｒを有する注射針３１５を担持し、スカート３０４．２には、内部リップ３０４．７が提供されている、針キャリア３０４と、前方針部分３１５ｆと、前方針先端３１５ｔと、外側トラックスリーブ３０２と、内側トラックスリーブ３０３と、自己密封前方セクション３１０．４および一対のプラグアーム３１０．５を有する、プラグ３１０と、シールドばね３０５によって遠位方向に付勢されている針シールド３１２と、を含む。

針組立品３００と針組立品２００との間の唯一の構造的差異は、針ハブ３０４．１のちょうど近位にスカート３０４．２内に予め配設された自己密封隔壁３３６の提供である。自己密封隔壁３３６は、後方針部分３１５ｒによって永久的に貫通されるが、その一部分の周りで密封リップを形成する。したがって、スカート３０４．２は、自己密封隔壁３３６と内部リップ３０４．７との間に空洞３０４．９を画定し、空洞構成を有する。

薬剤カートリッジ３３０は、本発明の第２の実施形態の薬剤カートリッジ１３０と同一であり、すなわち、出口端部を画定する最も遠位の部分にある首部３３２およびカラー３３８を有する、概して円筒形のカートリッジ本体３３１を含む。カートリッジ本体３３１は、摺動可能なゴムピストン３４０によって近位方向に密封されているが、前の実施形態とは対照的に、出口端部は開放されており、薬剤カートリッジ３３０は、したがって、液体薬剤物質（可視的でない）を保持する開放チャンバー３３５を含む。この場合、カラー３３８のみが、頭部構成を有するカートリッジ頭部３３３を構成する。

空洞構成は、頭部構成に対応しており、すなわち、カートリッジ頭部３３３は、図１１に示すように、スカート３０４．２がカートリッジ頭部３３３上に装着されたときに、内部リップ３０４．７が、近位リム３３７の後ろにしっかりと留まるように、空洞３０４．９に正確に嵌合するサイズおよび形状を有する。特に、この場合、空洞構成が頭部構成に対応するという事実は、実際には、自己密封隔壁３３６の任意の圧縮性を説明するために、頭部構成よりもわずかに小さい空洞構成を含む。こうした圧縮性は、針組立品３００が薬剤カートリッジ３３０の上に装着されたときに、薬剤カートリッジ３３０の密封を強化することになり、したがって、カートリッジ頭部３３３は、空洞３０４．９内に入ると、自己密封隔壁をわずかに変形させ得る。

これにより、薬剤カートリッジ３３０上の針組立品３００の緊密な嵌合が得られるが、これは、蠕動のための空間が存在しないため、硬くかつ安定している。このソリューションでは、本発明の第３の実施形態のものと比較して、自己密封隔壁３３６を固定するためのフェルールを省略して、針システムの構成要素の数を減らすことができ、なぜなら、スカート部材３０４．２が、内部リップ３０４．７が近位リム３３７の後ろにしっかりと留まって、カートリッジ頭部３３３と自己密封隔壁３３６との間の緊密な接触を維持するため、効果的にフェルールの機能を引き継ぐからである。

また、後方針部分３１５ｒは、チャンバー３３５内に永久的に常駐する。したがって、チャンバー３３５と注射針３１５との間の流体接続は、針システム内に予め確立されており、このため、例えば、図６に示されるような専用の注射装置に挿入時に注射の準備ができることになる。針システムの組み立てられた状態において、針組立品３００は、上述の針組立品２００と同様に操作される。

Claims (10)

1. 針組立品（１、１００、２００、３００）および薬剤カートリッジ（３０、１３０、２３０、３３０）を含む、針システムであって、前記針組立品（１、１００、２００、３００）が、
   ・針ハブ部材（４．１、１０４．１、２０４．１、３０４．１）であって、注射針（１５、１１５、２１５、３１５）が、前方針部分（１５ｆ、１１５ｆ、２１５ｆ、３１５ｆ）が前記針ハブ部材から遠位方向に延在し、後方針部分（１５ｒ、１１５ｒ、２１５ｒ、３１５ｒ）が前記針ハブ部材から近位方向に延在するように固定して装着されている、針ハブ部材（４．１、１０４．１、２０４．１、３０４．１）と、
   ・前記針ハブ部材（４．１、１０４．１、２０４．１、３０４．１）から近位方向に延在しており、かつ前記後方針部分（１５ｒ、１１５ｒ、２１５ｒ、３１５ｒ）を収容するスカート空洞（４．９、１０４．９、２０４．９、３０４．９）を画定する、スカート部材（４．２、１０４．２、２０４．２、３０４．２）であって、前記スカート空洞（４．９、１０４．９、２０４．９、３０４．９）が、スカート空洞構成を有する、スカート部材（４．２、１０４．２、２０４．２、３０４．２）と、を含み、
   前記薬剤カートリッジ（３０、１３０、２３０、３３０）が、摺動可能なピストン（２３９、３３９）によって近位方向に密封され、組立品部（３２、１３２、２３２、３３２）および頭部（３３、１３３、２３３、３３３）によって画定される出口端部分を有する、概して円筒形の本体（３１、１３１、２３１、３３１）を含み、前記頭部（３３、１３３、２３３、３３３）が、頭部構成を有し、
   前記スカート空洞構成が、前記頭部構成に対応しており、それにより、前記後方針部分（１５ｒ、１１５ｒ、２１５ｒ、３１５ｒ）を前記出口端部分に永久的に常駐させる、前記頭部（３３、１３３、２３３、３３３）上の前記スカート部材（４．２、１０４．２、２０４．２、３０４．２）の緊密な嵌合が提供される、針システム。
2. 前記スカート部材（４．２、１０４．２、２０４．２、３０４．２）および前記針ハブ部材（４．１、１０４．１、２０４．１、３０４．１）が、一体となって形成される、請求項１に記載の針システム。
3. 前記頭部（３３、２３３）が、前記出口端部分を密封する自己密封隔壁（３６、２３６）と、前記自己密封隔壁（３６、２３６）を固定するための端部キャップ（３４、２３４）と、を含む、請求項１または２に記載の針システム。
4. 前記スカート部材（１０４．２、３０４．２）が、予め配設された自己密封隔壁（１３６、３３６）をさらに含み、前記後方針部分（１１５ｒ、３１５ｒ）が、前記自己密封隔壁（１３６、３３６）の中央部分を貫通している、請求項１または２に記載の針システム。
5. 貫通可能な前記自己密封隔壁（１３６、３３６）が、前記スカート部材（１０４．２、３０４．２）が前記頭部（１３３、３３３）上に嵌合されたときに、前記出口端部分を密封可能に閉じるように適合されている、請求項４に記載の針システム。
6. 前記スカート部材（４．２、１０４．２、２０４．２、３０４．２）が、前記頭部（３３、１３３、２３３、３３３）の後ろで前記薬剤カートリッジ（３０、１３０、２３０、３３０）に対してしっかりと留まるように構成されている、請求項１～５のいずれか一項に記載の針システム。
7. 前記頭部（３３、１３３、２３３、３３３）が、トレーリングリム（３７、１３７、２３７、３３７）を含み、前記スカート部材（４．２、１０４．２、２０４．２、３０４．２）が、前記トレーリングリム（３７、１３７、２３７、３３７）と係合するよう適合されたキャッチ部分（４．７、１０４．７、２０４．７、３０４．７）を含む、請求項６に記載の針システム。
8. 前記前方針部分（１５ｆ、１１５ｆ）の遠位端部（１５ｔ、１１５ｔ）の周りにしっかりと嵌合された取り外し可能なプラグ部材をさらに含む、請求項１～７のいずれか一項に記載の針システム。
9. 前記注射針（２１５、３１５）が、基準軸に沿って延在しており、前記針組立品（２００、３００）が、前記前方針部分（２１５ｆ、３１５ｆ）の一部分の周りにしっかりと嵌合されたプラグ部材（２１０、３１０）をさらに含み、前記プラグ部材（２１０、３１０）が、貫通可能な自己密封前方セクション（２１０．４、３１０．４）を含み、かつ前記前方針部分（２１５ｆ、３１５ｆ）の遠位端部（２１５ｔ、３１５ｔ）が前記貫通可能な自己密封前方セクション（２１０．４、３１０．４）の近位で前記プラグ部材（２１０、３１０）内に収容される、前方プラグ位置と、前記遠位端部（２１５ｔ、３１５ｔ）が露出される、後方プラグ位置との間で、前記針ハブ（２０４、３０４）に対して軸方向に変位可能である、請求項１～７のいずれか一項に記載の針システム。
10. 前記プラグ部材（２１０、３１０）が、微生物成長阻害剤を含む、請求項９に記載の針システム。

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