JPH10191983A - 大腸菌betA遺伝子、該遺伝子で形質転換されたイネ科植物及びその製造方法 - Google Patents

大腸菌betA遺伝子、該遺伝子で形質転換されたイネ科植物及びその製造方法

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JPH10191983A
JPH10191983A JP9006793A JP679397A JPH10191983A JP H10191983 A JPH10191983 A JP H10191983A JP 9006793 A JP9006793 A JP 9006793A JP 679397 A JP679397 A JP 679397A JP H10191983 A JPH10191983 A JP H10191983A
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Yasuyuki Hayashi
泰行 林
Mariko Shono
真理子 庄野
Hideya Fujimoto
英也 藤本
Akira Tanaka
章 田中
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SHOKUBUTSU KOGAKU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベタイン産生能を有する形質転換植物を得
る。 【解決手段】 天然型betAタンパク質をコードする遺伝
子の塩基配列において、poly(A)付加シグナル様配列で
あるATTATTはATCATCに、AATAACはAACAACに、TTTATTはTT
CATCに、AATATTはAACATCに、ATTAACはATCAACに、TATAAC
はTACAACに置換し、かつ、パリンドローム配列TGCCGGCT
CAGCCGGCAはTGCCGGGTCAGCGGGCAに置換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大腸菌由来の適合
溶質合成遺伝子、該遺伝子を導入して得られたイネ科植
物及びその製造方法に関し、詳細には適合溶質として知
られるグリシンベタイン(以下、「ベタイン」と略す)
の生合成酵素タンパク質をコードする合成遺伝子及び当
該遺伝子を導入することによる耐塩性・耐乾燥性イネ科
植物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
生物が高塩類環境や乾燥に適応する機構として、適合溶
質(低分子有機化合物、浸透圧調節物質)に関する研究
が活発に進められている。例えば、高塩類環境下で、大
腸菌は適合溶質として4級アンモニウム化合物のベタイ
ンやアミノ酸のプロリンを、細胞内に高濃度蓄積するこ
とによって細胞内の浸透圧を高め、環境に適応する。ま
た、耐塩性・耐乾燥性植物も、ベタイン、プロリン、な
いしはジメチルスルフォニオプロピオネートのような3
級スルフォニウム化合物、マンニトールのような糖アル
コールなどを細胞質に蓄積し、塩類ストレスや乾燥スト
レスに適応することが明らかとなった。一方、イネ科の
重要な作物、例えばイネ、普及種のトウモロコシなど
は、これらの適合溶質を蓄積する能力を欠くために、高
塩類環境や乾燥に弱いと考えられている。
【0003】適合溶質のなかでも、ベタインは多くの植
物種で利用されており、また植物細胞内の浸透圧調節以
外の機能、即ち、葉緑体のタンパクの保護作用(野村
ら、日本植物生理学会1996年度年会講演要旨集,p14
6)の解明がすすんでいる。そこで、ベタイン生産能の
ない植物にベタイン生合成に関わる酵素タンパク質の遺
伝子を導入することによる耐塩性・耐乾燥性作物の育種
に関する研究がさかんになってきた。例えば、林らは、
放線菌が持つコリンオキシダーゼ遺伝子をクローニング
し、アラビドプシスで発現させ、ベタイン生産能のある
形質転換体植物を得ることに成功している(日本植物生
理学会1996年度年会講演要旨集,p146)。コリンオ
キシダーゼは、前駆体であるコリンからベタインへ一段
階で転換する酵素であるが、その反応の際に、植物細胞
にとって極めて毒性の高い過酸化水素をベタインと等量
産生するという問題がある。
【0004】大腸菌ではベタインは、コリンからベタイ
ンアルデヒドへ転換するコリン脱水素酵素と、ベタイン
アルデヒドからベタインへ転換するベタインアルデヒド
脱水素酵素の2つの酵素によって産生される。コリン脱
水素酵素はbetA遺伝子にコードされているが、この遺伝
子にコードされるタンパクにはベタインアルデヒド脱水
素酵素活性もあることが報告されている。野村らは、淡
水性ラン藻に大腸菌のbetA遺伝子を導入し、耐塩性の強
化に成功した(Plant Physiol.107,703-708(1995))。ま
た、Liliusらは、betA遺伝子をタバコに導入することで
ストレス耐性の形質転換体植物を得たと報告している
(Bio/Technology,165(3),849 (1996))。しかし、betA
遺伝子が植物細胞中で発現したという証拠がなく、ベタ
インが蓄積したことも証明できていない。さらに、農業
上重要なイネ科作物においてbetA遺伝子を導入し発現さ
せ、ベタイン産生能のある形質転換体を得たという報告
は未だなされていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、betA遺伝
子を詳細に解析した結果、遺伝子配列中に植物、とくに
イネ科植物での遺伝子発現に好ましくない配列が存在す
ることを見出した。即ち、転写レベルでの発現を妨げ
る6カ所のpoly(A)付加シグナル様配列、翻訳レベル
での発現を妨げるパリンドローム配列である。さらに、
betA遺伝子には、イネ科植物遺伝子ではほとんど使用さ
れないコドンが存在することを見出した。そこで、当該
遺伝子のイネ科植物での発現を検討した結果、特定の改
変遺伝子が、遺伝子導入によりイネ科植物で高発現し、
betA遺伝子産物の酵素タンパク質をコードし、植物体内
にベタインを蓄積させうることを初めて見出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】即ち本発明の要旨は、植物中で遺伝子発現
させる際に妨げとなる当該遺伝子中のpoly(A)付加シグ
ナル様配列、及びパリンドローム配列がなくなるように
改変されたbetA遺伝子(以下、「改変型betA遺伝子」と
いう)、当該遺伝子が導入されたベクター、当該ベクタ
ーで形質転換されたイネ科植物およびその製造法に存す
る。
【0007】本発明において対象となる植物はイネ科植
物であり、イネ科に属するものであれば特に制限はされ
ない。具体的にはイネ、ムギ(コムギ、オオムギ、ライ
ムギ等)、ヒエ、アワ、シバ、トウモロコシ等が挙げら
れ、本発明においては特にイネが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。
【0009】<1>本発明の改変型betA遺伝子 本発明の改変型betA遺伝子は、天然型大腸菌betAタンパ
ク質をコードする遺伝子の塩基配列から、poly(A)付加
シグナル様配列およびパリンドローム配列が除去された
塩基配列を有し、かつ、大腸菌betAタンパク質をコード
する遺伝子である。poly(A)付加シグナル様配列として
はATTATT、AATAAC、TTTATT、AATATT、ATTAAC、及びTATA
ACが、パリンドローム配列としてはTGCCGGCTCAGCCGGCA
が挙げられる。
【0010】天然型大腸菌betAタンパク質をコードする
遺伝子は、Molecular Microbiology, 5(5), 1049 (199
1)に記載されている。その塩基配列は、配列表の配列番
号2に示すような配列であり、配列番号3に示すアミノ
酸配列を有するタンパク質をコードしている。尚、配列
番号2に示される塩基配列では、翻訳開始コドンの前に
BamHI切断部位の6塩基GGATCCが、終始コドンの27塩基
後にSacI切断部位の6塩基GAGCTCが、各々付加され、翻
訳開始コドンはTTGからATGに置換されている。
【0011】本発明の遺伝子は、betAタンパク質と機能
的に同等のタンパク質をコードし、かつ、イネ科植物内
で天然のbetA遺伝子よりも高いレベルで発現されるよう
に、化学的、酵素学的に改変される。ここで、betAタン
パク質と機能的に同等なタンパク質とは、betA遺伝子の
コードするタンパク質、すなわち配列表の配列番号3に
示すアミノ酸配列を有するタンパク質、又はこのアミノ
酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換
若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、コリ
ンからベタインを生成する活性を有するタンパク質であ
る。このようなbetAタンパク質と機能的に同等なタンパ
ク質をコードするDNAは、例えば野生型betA遺伝子を
基に部位特異的変異法によって取得することができる。
また、野生型betA遺伝子又はこれを有する細胞に変異処
理を行って得られるDNA若しくは細胞微生物から、配
列番号2に記載の塩基配列を有するDNAとストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、
コリンからベタインを生成する活性を有するタンパク質
を選択することによっても、欠失、置換若しくは付加さ
れた塩基配列を有する遺伝子を得ることができる。ここ
でいう「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異
的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッド
が形成されない条件をいう。この条件を明確に数値化す
ることは困難であるが、一例を示せば、相同性が高い核
酸同士、例えば、60%以上、好ましくは80%以上の
相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それよ
り相同性が低い核酸同士がハイブリダイズしない条件が
挙げられる。
【0012】本発明の改変型betA遺伝子は、天然のbetA
遺伝子がコードするアミノ酸配列又はbetAタンパク質と
機能的に同等のタンパク質のアミノ酸配列を基にして、
これらのアミノ酸配列を変化させることなく、それぞれ
のアミノ酸のコドンの種類だけを変化させるように改変
される。具体的には、次の2点を満たすように改変され
る。
【0013】遺伝子転写の妨げとなる天然のbetA遺伝
子中のpoly(A)付加シグナル様配列を、転写の妨げとな
らないような他の配列であって、アミノ酸置換を起こさ
ないような配列に置換する。置換後の配列として、具体
的には表1に示す配列が挙げられる。これらのpoly(A)
付加シグナル様配列のうち、少なくとも1箇所、好まし
くは2箇所以上、特に好ましくは全てを置換する。
【0014】
【表1】
【0015】遺伝子の翻訳の妨げとなる天然のbetA遺
伝子中のパリンドローム配列TGCCGGCTCAGCCGGCA(配列
表配列番号2において塩基番号33〜49)は、パリンドロ
ームを形成せず、かつ、コードするアミノ酸の置換が起
こらないような配列、例えばTGCCGGGTCAGCGGGCA(配列
表配列番号1において塩基番号27〜43)に置換する。
【0016】上記のような置換型betA遺伝子は、例え
ば、天然型betA遺伝子を鋳型とし、置換しようとする領
域を含む63〜85塩基程度の合成1本鎖オリゴヌクレオチ
ド(以下、「プライマー」と略す)を用いたポリメラー
ゼチェインリアクション法(以下、「PCR」と略す
(Am.J.Hum.Genet.,37,172,1985))による増幅反応を行
うことによって、取得することができる。オリゴヌクレ
オチドの合成は、定法によって行えばよく、その際、プ
ライマー内のアミノ酸のコドンは、イネ科植物でのコド
ン使用率が1%以下の場合、最大使用率のコドン等、使
用率の高いコドンに変えることが好ましい。PCRに用
いるプライマーは、betA遺伝子の塩基配列を基に、上記
の置換を含むように設計したものを用いればよい。プラ
イマーの配列と、PCR法による改変型betA遺伝子の取
得法を、以下に例示する。
【0017】まず、天然型betA遺伝子の配列のうち、5'
末端部分の改変したい塩基配列を含む約300 bpの配列を
はさんで63 bpの5'側プライマー(配列番号6)と63
bpの3'側プライマー(配列番号7)を合成し、天然be
tA遺伝子を鋳型としてPCRによって2本鎖DNA(配
列番号4において7〜290、配列番号1において塩基
番号1〜275に相当する)を増幅する。以下、このD
NA断片を、「DNA断片A」という。尚、プライマー
の5'末端側には、開始コドンの上流に、グルタミン合
成酵素の葉緑体移行配列の一部をコードする塩基配列と
制限酵素の認識配列(GGATCC)が付加されている。
【0018】次に、85 bpの2本のプライマー(配列
番号9)及びプライマー(配列番号10)を、それぞ
れの3'末端で約15 bp相補鎖を形成するように合成し、
このプライマーを用いたPCRにより、156 bpの2本鎖
DNA(配列番号5において78〜233、配列番号1
において塩基番号1010〜1165に相当する)を増
幅する。次に得られたDNAとプライマー(配列番号
8)を用いてPCR反応を行い、226bpの2本鎖DNA
(配列番号5において8〜233、配列番号1において
塩基番号940〜1165に相当する)を得る。以下、
このDNA断片を、「DNA断片B」という。
【0019】上記のようにして得られるDNA断片A及
びDNA断片Bは、マルチプルクローニングサイトを有
する大腸菌ベクター、例えばpCRTMII(Invitrogen
社製、TA Cloning Kit)にクローニングされる。この
後、クローニングされた各々のDNA断片はSangerら、(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.,74,5463-5467,1977)のジデオキシ法
等によって配列を決定、確認される。各々のDNA断片は
定法により、両端に有する制限酵素部位を利用して制限
酵素で切断後、天然betA遺伝子中の各々のDNA断片が対
応する部分と置き換えることで最終的にbetAタンパク質
をコードする全長の構造遺伝子となる。その一例を、配
列表の配列番号1に示す。尚、この塩基配列において
は、表2に示すように、イネ科植物遺伝子で使用頻度の
低いコドンが、アミノ酸の置換を伴わないように他の等
価のコドンに置換されている。本発明においては、これ
らのコドンのうち、好ましくは18箇所以上、より好ま
しくは20箇所以上、特に好ましくは全てを置換する。
【0020】
【表2】
【0021】<2>本発明のベクター 本発明のベクターは、上記のようにして得られる改変型
betA遺伝子が導入されたベクターである。改変型betA遺
伝子は、イネ科植物中で発現するプロモーターとターミ
ネーター、もしくは必要に応じてイントロンを有するプ
ラスミドベクターに組み込まれる。
【0022】利用するプロモーターとして、例えばCaMV
35S(pBI221: EMBO.J., 6, 3901-3907, 1987)等のカリフ
ラワーモザイクウイルス由来のプロモーター、rbcS(ribu
lose1.5-bisphosphate carboxylase)、Cab(chlorophyll
a/b binding protein)等(Science, 244, 174 (198
9))、植物中で発現することが確認されたプロモーター
が挙げられる。また、構造遺伝子の上流には、蛋白質を
葉緑体に移行させるアミノ酸配列(Plant Molecular Bi
ology,13,611 (1989))もしくはミトコンドリアに移行
させるアミノ酸配列(Plant Cell Physiol.34(2):345(1
993))を、betAタンパク質との融合タンパクを形成する
ように付加し、betAタンパク質を葉緑体もしくはミトコ
ンドリアに局在させるか、移行配列は付けずに発現され
たbetAタンパク質が細胞質に存在するようにする。
【0023】ターミネーターとしては、例えばカリフラ
ワーモザイクウイルス由来のターミネーター,NOS(ノパ
リン合成酵素)遺伝子由来のターミネーター等があげら
れる。また、プロモーターと構造遺伝子の間にイントロ
ンを配するベクターも高発現ベクターとして利用でき、
イントロンとしては、例えばトウモロコシAdh1(アルコ
ールデヒドロゲナーゼ遺伝子)の第一イントロン(Genes
&Development, 1, 1183-1200, 1987)、ヒマCat(カタラ
ーゼ遺伝子)の第一イントロン(Tanaka et al., Nuclei
c Acids Research, 18, 6767-6770, 1990)等があげられ
る。
【0024】本発明においては更に、ハイグロマイシン
フォスフォトランスフェラーゼ遺伝子、ネオマイシンフ
ォスフォトランスフェラーゼ遺伝子、クロラムフェニコ
ールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子、β−グルクロ
ニダーゼ遺伝子等から選ばれる2つ以上の外来遺伝子を
使用し、かつその1つは目的とするコロニーを選択する
際に有効な、いわゆる選択マーカー遺伝子を使用するの
が好ましい。かかる選択マーカー遺伝子としては、ハイ
グロマイシンフォスフォトランスフェラーゼ遺伝子が好
ましい。
【0025】<3>本発明のイネ科植物及びその製造法 本発明のイネ科植物は、上記ベクターをイネ科植物由来
のプロトプラストに導入し、このプロトプラストからコ
ロニーを形成させた後、該コロニーから植物体を再生さ
せて得られる。また、本発明のイネ科植物の製造方法
は、上記ベクターおよびイネ科植物由来のプロトプラス
トを液体培地に懸濁し、電気パルスを印加して該ベクタ
ーを導入した後、イネ培養細胞を含有する培地で培養し
コロニーを形成させ、該コロニーから植物体を再生させ
ることを特徴とする。
【0026】本発明においては、選択マーカー遺伝子と
改変型betA遺伝子を同一のプラスミド中に有するものを
使用してもよいし、選択マーカー遺伝子を有するプラス
ミドと改変型betA遺伝子を有するプラスミドとを併用し
てもよい。ベクターはイネ科植物を形質転換するのに用
いられる。すなわち、イネ科植物由来のプロトプラスト
を液体培地に懸濁し、電気パルスを印加して当該ベクタ
ーを導入した後、イネ培養細胞を含有する培地で培養し
コロニーを形成させ、該コロニーから植物体を再生させ
る方法である(Shimamoto et al., Nature, 337, 274-27
6, 1989)。
【0027】プロトプラストは次のようにして調製する
ことができる。例えば、日本晴、コシヒカリ、ササニシ
キ等の栽培イネの完熟及び未熟種子、葉鞘、根の組織に
由来するサスペンジョン細胞あるいはカルスを液体培地
で培養した後、常法に従い、例えばセルラーゼやマセロ
ザイム等の細胞壁分解酵素を含む酵素液中25〜30
℃, 0〜50 r.p.m.の条件で3〜16時間程度酵素処理す
る。酵素処理終了後、濾過して未消化物を除き、ろ液に
2〜5倍量のKMC液(0.118M 塩化カリウム, 0.0817M 塩
化マグネシウム, 0.085M 塩化カルシウム, pH6.0)(Theo
r. Appl. Genet.,53, 57-63,1978)等を加え遠心分離し
て、精製されたプロトプラストを得ることができる。
【0028】上記のようにして調製した改変型betA遺伝
子を含む発現ベクター、例えば1-100μg/mlと、上記植
物由来のプロトプラスト、例えば(2〜10)×106個/mlと
を、30〜200mM塩化カリウム, 0〜50mM塩化マグネシウ
ム, 0.2〜0.6Mマニトール、0.1%MESを含むpH5.8の緩衝
液中に懸濁し、これに電気パルスを印加してプラスミド
をプロトプラスト中に導入する。電気パルス処理は,100
〜1000μFのコンデンサーを用いて得られる200〜1000V/
cmの初期電圧の直流パルスで、パルス幅1〜50msec程度
の条件で印加するのが好適である(特開平1-181791号公
報参照)。
【0029】上述のように電気パルス処理したプロトプ
ラストを、例えばR2培地(Plant.Cell. Physiol., 14,
1113, 1973)の無機成分とMS培地(Murashige and Sk
oog, 15, 473-497, 1962)のビタミン混合液を含む液体
培地(R2/MS)あるいはMS培地で、好ましくは窒素源とし
て硝酸カリウムを0.2〜0.5%含有する培地に懸濁し、こ
れを1.0〜3.0%程度のアガロースを含むR2/MSあるいはMS
培地等と等量ずつ混ぜ、速やかにシャーレ中に広げて薄
く固める。この時のプロトプラストの濃度は約(5〜50)
×105個/mlとなるようにするのが好ましい。
【0030】続いて固化したアガロースを5〜20mm大の
大きさに切断し上記液体培地上で培養する。その際、イ
ネ科植物由来のプロトプラストを使用した場合には、好
ましくは培地中にイネ培養細胞を100〜300mgFW/シャー
レ程度共存させ、20〜50r.p.mの回転でゆっくり振とう
しながら、暗条件下23〜27℃で培養する。イネ培養細胞
と共存させる方法は上記の方法のほかに、プロトプラス
トを含む液体培地を、底にメンブレンフィルターを設け
た容器内に入れ、その容器をイネ培養細胞と共に液体培
地を入れたシャーレに浸して共存させる方法がある。こ
こに示すイネ培養細胞は、旺盛に分裂している細かい細
胞塊から成る物が好ましい。このような培養細胞は、例
えばイネ植物の種子、茎、根あるいは葯より得られたカ
ルスを液体培地中に継代して分裂速度の早い細胞を選抜
していく等の公知の方法に準じて容易に得られる。
【0031】培養後3〜4週間で、0.5〜1mm程度のコロニ
ーが形成される。その際、ベクターに選択マーカー遺伝
子としてハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺
伝子(hph)を導入しておいた場合、培養開始後7〜20
日にハイグロマイシンを10〜100μg/ml程度培養液中に
添加し、さらに培養を続けると目的とする形質転換細胞
の選択を効率よく行うことができる。次いでこのコロニ
ーを増殖培地、例えばR2培地に植物ホルモン、例えば
2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)を2mg/l程度、アガ
ロースを0.1〜1.0%加えた寒天培地上で2ー4週間、照明下
(1,000〜4,000lux)、23〜27℃で培養し直径3〜6mmのカ
ルスを得る。個々のカルスを単独に分離し、さらに、例
えば選択マーカー遺伝子としてhph遺伝子を導入した場
合には、ハイグロマイシン20-50μg/mlを含む同増殖培
地に置床して培養し、ハイグロマイシン耐性を確認す
る。
【0032】このカルスを、例えば0.5〜1.5%アガロー
スを含むR2/MS培地(但しホルモン無添加あるいはサイ
トカイニンを1〜10mg/l添加)で23〜27℃, 2,000〜4,00
0luxの条件下で培養すれば2〜10週間で不定胚または不
定芽の形成が認められる。さらに2〜3週間ホルモンを含
まないR2/MS培地等で培養することにより、移植可能な
幼植物体が得られる。こうして得られた幼植物体は、バ
ーミュキュライト等に移植して成長させると目的とする
形質転換されたイネの植物体を得ることができる。
【0033】形質転換細胞、もしくは形質転換植物に遺
伝子が組み込まれていることは、これらからDNAを、
例えばMol. Gen. Genet., 211, 27, 1988に準じた方法
で単離し、PCR法(Am. J. Hum. Genet., 37, 172, 19
85)もしくはサザン法(J. Mol. Biol., 98, 505, 1980)
により確認できる。また、形質転換細胞が植物ゲノムに
組み込まれた改変型betA遺伝子を発現していることは、
例えば、改変型betA遺伝子の配列又はその一部をプロー
ブとしたノーザン法(Thomas, P. et al., Proc. Natl.
Acad. Sci., 77, 5201, 1980)、導入した遺伝子産物(b
etAタンパク質)に対する抗血清を用いたウエスタン法
(Towbin et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 76, 4350,
1979) により明らかにできる。導入した遺伝子の翻訳産
物であるbetAタンパク質の酵素活性は、長沢らの方法
(Agr.Biol.Chem.,40(10),2077 (1976))により測定で
きる。形質転換イネ植物体中のベタイン含量は荒川らの
方法(Plant Physiol. 29, 1315-1321 (1988))に従って
1H-NMRにより検出・定量できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明につき実施例を挙げて具体的に
説明するが、その要旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではない。
【0035】
【実施例1】未改変betA遺伝子を含む植物用発現ベクタ
ーの構築、betA構造遺伝子の化学的、酵素的合成、及び
ベクターへの結合 (1)未改変betA遺伝子(配列表配列番号2)を含む植
物用発現ベクターの構築カリフラワーモザイクウイルス
35Sプロモーターと、ヒマ カタラーゼ遺伝子のイン
トロンと、イネのグルタミン合成酵素の葉緑体移行配列
をコードするDNAと、β−グルクロニダーゼ(GUS)構
造遺伝子とをこの順序で含み、葉緑体移行配列とβ−グ
ルクロニダーゼが融合タンパクのかたちで発現するプラ
スミドGSC-GUS(日本農芸化学会誌,69(5),11-13,(199
5))を、10mM Tris-HCl(pH7.5), 7mM MgCl2, 7mM 2-メ
ルカプトエタノール, 20mM KCl (以後、この組成の反
応液をLow bufferと呼ぶ)100μl中で制限酵素SacI 2un
itsで切断したのち、10mM Tris-HCl(pH7.5), 7mM MgC
l2, 7mM 2-メルカプトエタノール, 150mM KCl(以後、
この組成の反応液をHigh bufferと呼ぶ)100μl中で制
限酵素BamHI 2unitsで切断し、GUS遺伝子を取り除い
た。
【0036】次いで、betA遺伝子(Molecular Microbio
logy, 5(5), 1049 (1991))の翻訳開始コドンの前にBamH
I切断部位の6塩基GGATCCを付加し、終始コドンの27塩
基後にSacI切断部位の6塩基GAGCTCを付加したbetA遺伝
子(翻訳開始コドンはTTGからATGに変えてある)(配列
表の配列番号2)を、Low buffer 100μl中で制限酵素S
acI 2unitsで切断したのち、High buffer 100μl中で制
限酵素BamHI 2unitsで切断して得たDNA断片を、先のプ
ラスミドGSC-GUSのGUS遺伝子を取り除いた部分にライゲ
ーションキット(Ligation kit、宝酒造(株))を用い
て繋ぎ込み、プラスミドpbet/chl(図1)を得た。
【0037】(2)PCR用プライマーの調製 前述のようにして設計されたbetA遺伝子の塩基配列(配
列表の配列番号1)にしたがって、DNA断片A(配列表
の配列番号4)、DNA断片B(配列表の配列番号5)を
PCRによって増幅するためのプライマーに用いるオリ
ゴヌクレオチド(配列表の配列番号6〜10)を合成し
た。オリゴヌクレオチドの調製は、Matteucciら (1981)
J. Am. Chem. Soc. 103, 3185-3192およびBeaucage
ら、(1981) Tetrahedron Lett. 22, 1859-1862に記載さ
れている一般的な手法にしたがって実施した。オリゴヌ
クレオチドはすべて,Applied Biosystems 391形DNA合
成装置を用いて、固相ホスホアミダイトトリエステル・
カップリング法で調製した。オリゴマーの個体担体から
の脱保護と分離は、標準法に従い28%アンモニア水を用
いて行った。粗製オリゴヌクレオチド混合物は、オリゴ
ヌクレオチド精製カートリッジ(OPCカラム、Applied Bi
osystems)を用い、Mcbridgら (1988) Biotechniques,
6; 362-367)に記載されているのと同様にして精製し
た。
【0038】(3)PCR法による2本鎖DNA化 置換しようとするpoly(A)付加シグナル様配列、及びイ
ネ科植物遺伝子で使用頻度の低いコドンの位置は、前記
表1、2に示したとおりである。また、パリンドローム
配列は、配列表配列番号2において塩基番号33〜49(TG
CCGGCTCAGCCGGCA)に存在する。
【0039】DNA断片Aは、両端にBamHI,BclI部位を持
つ284bpの断片で、これは前述のように、2本のオリゴ
ヌクレオチド(配列表の配列番号6、7)をプライ
マーとして用い、天然のbetA遺伝子を鋳型としてPCR
反応を行うことにより増幅された(配列表の配列番号
4)。PCRはプライマー濃度10μM,10mM Tris-HCl(pH
8.3),1.5mM MgCl2,50mM KCl,0.005% NP-40,0.001% Gel
atin,dATP,dGTP,dCTP,dTTP,各200μM,AmpliTaqR DNA po
lymerase (PERKIN-ELMER社)5 units,全100μlの反応
液(以後(3)の項におけるPCR法による2本鎖DN
A化には、プライマーの種類と鋳型DNAが異なる以外
は同じ組成の反応液を用いて行った。)をDNAサーマ
ルサイクラー(MJ RESEARCH社)を用いて、94℃, 1 mi
n., 54℃, 2 min., 72℃, 3 min.からなるサイクルを30
回繰り返し反応させて行った。
【0040】DNA断片Bは、両端にPstI,BglI部位をもつ
226bpの断片で、これは3本のオリゴヌクレオチドプラ
イマー(配列表の配列番号8、9、10)を用い
たPCRによって増幅された。DNA断片Bは、まずプラ
イマーおよびを用いてPCRを行い、156bpのDN
Aを合成した。PCRは94℃, 1 min., 45℃, 1 min.,7
2℃, 2 min.の条件で5回繰り返し、次に94℃, 1 min.,
60℃, 1 min., 72℃,2 min.の条件で20回繰り返し反応
させて行った。続いて、前記のようにして増幅された15
6bpのDNA5μlとプライマーを用いて1回目と同じ
反応条件でPCRを行い226bpのDNAを合成した(配
列表の配列番号5)。
【0041】プラスミドの構築は図1〜4に従って行っ
た。プラスミドpbet/chlを10mM Tris-HCl(pH7.5), 7mM
MgCl2, 7mM 2-mercaptoethanol, 60mM NaCl(以後この
組成の反応液をMedium bufferと呼ぶ) 100μl中で制限
酵素BclI 2unitsで切断したのちHigh buffer 100μl中
で制限酵素BamHI 2 unitsで切断し、0.7% Seakem GTGAg
arose(FMC社), 1×TBE 緩衝液で電気泳動し4.9 kbp の
DNAバンドを切り出した。このバンドを透析チューブ
に入れ、0.5×TBE 緩衝液中で135mA定電流を流し、ゲル
からDNAを泳動して回収した。得られた400μlのDN
A溶液に40μl3M NaOAcおよび1000μl 100% エタノール
を加え、15000 rpmで15分遠心し目的の4.9 kbp DNA
断片C(図1)を精製した。
【0042】ついで、DNA断片Aが挿入された大腸菌ベ
クタ−pCRTMII/AをMedium buffer100μl中で制限酵
素BclI 2 unitsで切断したのちHigh buffer 100μl中で
制限酵素BamHI 2 unitsで切断し、4% NuSieve GTG Agar
ose(FMC社), 1×TBE 緩衝液で電気泳動し278 bpのDN
Aバンドを切り出した。このバンドを透析チューブに入
れ、0.5×TBE 緩衝液中で135mA定電流を流し、ゲルから
DNAを泳動して回収した。得られた400μlのDNA溶
液に40μl 3M NaOAcおよび1000μl 100% エタノールを
加え、15,000 rpmで15分遠心し目的の278 bp DNA断
片A’(図1)を精製した。精製したDNAそれぞれ約
1/10量をT4 DNA リガーゼを利用したDNALigation Kit(T
akara社)を用いてキットのマニュアルに従って全50 μl
の反応系で結合し、大腸菌株DH5αに形質転換しクロラ
ムフェニコールで選抜することでDNA断片A相当部分が
置き換わったプラスミドpbet/chl/M1(図1)が導入さ
れた菌株を得た。この菌を培養しプラスミドpbet/chl/M
1を精製した。
【0043】プラスミドpbet/chl/M1をLow buffer 100
μl中で制限酵素SacI 2 unitsで切断したのちHigh buff
er 100μl中で制限酵素SalI 2 unitsで切断し、1% Sea
kem TG Agarose(FMC社), 1×TBE 緩衝液で電気泳動し1.
9 kbp のDNAバンドを切り出し、透析チューブに入
れ、0.5×TBE 緩衝液中で135mA定電流を流し、ゲルから
DNAを泳動して回収した。得られた400μlのDNA溶
液に40μl 3M NaOAcおよび1000μl 100% エタノールを
加え、15,000 rpmで15分遠心し目的の1.9 kbp DNA断
片D(図2)を精製した。大腸菌ベクターpBluescriptR
II KS(STRATAGENE社)についても同様にして制限酵素S
alI,SacIで切断し精製した2.9 kbp DNA断片E(図
2)を得た。精製したDNAそれぞれ約1/10量をT4 DNA
リガーゼを利用したDNA Ligation Kit(Takara社)を用
いてキットのマニュアルに従って全50μlの反応系で結
合し、大腸菌株DH5αに形質転換しアンピシリンで選抜
することで変異させたbetA構造遺伝子部分が挿入された
プラスミドpBS/bet/M1(図2)が導入された菌株を得
た。この菌を培養しプラスミドpBS/bet/M1を精製した。
【0044】プラスミドpBS/bet/M1をLow buffer 100
μl中で制限酵素SacI 2 unitsで切断したのちHigh buff
er 100 μl中で制限酵素PstI 2 unitsで切断し、1% Sea
kemGTG Agarose(FMC社), 1×TBE 緩衝液で電気泳動し4
kbp のDNAバンドおよび742 bpのDNAバンドを切
り出し、それぞれ透析チューブに入れて0.5×TBE 緩衝
液中で135mA定電流を流し、ゲルからDNAを泳動して
回収した。得られた400μlのDNA溶液に40μl 3M NaO
Acおよび1000μl 100% エタノールを加え、15、000rpmで
15分遠心し目的の4 kbp DNA断片F(図3)と742 bp
のDNA断片G(図3)を精製した。742 bpのPstI-Sa
cI断片GはさらにHigh buffer 100 μl中で制限酵素Bgl
I 2 unitsで切断し、4% NuSieve GTG Agarose(FMC社),
1×TBE 緩衝液で電気泳動し542 bpのバンドを切り出
し、透析チューブに入れ、0.5×TBE緩衝液中で135mA定
電流を流し、ゲルからDNAを泳動して回収した。得ら
れた400μlのDNA溶液に40μl 3M NaOAcおよび1ml 10
0% エタノールを加え、15、000rpmで15分遠心し目的の54
2 bp DNA断片H(図3)を精製した。
【0045】ついで、DNA断片Bが挿入された大腸菌ベ
クタ−pCRTMII/B(図3)をHighbuffer 100 μl中で
制限酵素PstI 2 unitsで切断したのちHigh buffer 100
μl中で制限酵素BglI 2 unitsで切断し、4% NuSieve GT
G Agarose(FMC社), 1×TBE緩衝液で電気泳動し205 bp
のDNAバンドを切り出し、透析チューブに入れ、0.5
×TBE 緩衝液中で135mA定電流を流し、ゲルからDNA
を泳動して回収した。得られた400μlのDNA溶液に40
μl 3M NaOAcおよび1ml 100% エタノールを加え、15,00
0 rpmで15分遠心し、目的の205 bp DNA断片B’(図
3)を精製した。
【0046】205 bpのPstI -BglI断片B’と542 bpのBg
lI-SacI断片Hを、T4 DNA リガーゼを利用したDNA Liga
tion Kit(Takara社)を用いてキットのマニュアルに従っ
て全50 μlの反応系で結合したのちエタノール沈殿によ
り精製し、次いでそれと4 kbpのDNA断片Fを、T4 DN
A リガーゼを利用したDNA Ligation Kit(Takara社)を用
いてキットのマニュアルに従って全50 μlの反応系で結
合した。この反応液を用いて大腸菌株DH5αに形質転換
しアンピシリンで選抜することで変異の入ったbetA構造
遺伝子部分が挿入されたプラスミドpBS/bet/M2(図3)
が導入された菌株を得た。この菌を培養しプラスミドpB
S/bet/M2を精製した。
【0047】プラスミドpBS/bet/M2をLow buffer 100μ
l中で制限酵素SacI 2 unitsで切断したのちHigh buffer
100μl中で制限酵素SalI 2 unitsで切断し、1% Sea ke
m GTG Agarose(FMC社), 1×TBE 緩衝液で電気泳動し、
1.9 kbp のDNAバンドを切り出し、透析チューブに
入れ、0.5×TBE 緩衝液中で135mA定電流を流し、ゲルか
らDNAを泳動して回収した。得られた400μlのDNA
溶液に40μl 3M NaOAcおよび1ml 100% エタノールを加
え、15、000 rpmで15分遠心し目的のDNA断片I(図
4)を精製した。
【0048】プラスミドpbet/chlをLow buffer 100μl
中で制限酵素SacI 2 unitsで切断したのちHigh buffer
100μl中で制限酵素SalI 2 unitsで切断し、1% Sea kem
GTGAgarose(FMC社), 1×TBE 緩衝液で電気泳動し3.5 k
bp のDNAバンドを切り出し、透析チューブに入れ、
0.5×TBE 緩衝液中で135mA定電流を流し、ゲルからDN
Aを泳動して回収した。得られた400μlのDNA溶液に
40μl 3M NaOAcおよび1ml 100% エタノールを加え、15,
000 rpmで15分遠心し目的のDNA断片J(図4)を精
製した。
【0049】変異の入ったbetA構造遺伝子の1.9 kbp Sa
lI-SacI断片Iとプラスミドpbet/chlから切り出された
3.5 kbp SalI-SacI断片JをT4 DNA リガーゼを利用した
DNA Ligation Kit(Takara社)を用いてキットのマニュア
ルに従って全50μlの反応系で結合し、この反応液を用
いて大腸菌DH5αに形質転換しクロラムフェニコールで
選抜することで変異の入ったbetA構造遺伝子部分が挿入
されたプラスミドpbet/chl/M2(図4)が導入された菌
株を得た。この菌を培養しプラスミドpbet/chl/M2を精
製した。
【0050】
【実施例2】合成betA遺伝子の植物中での発現 (1)イネプロトプラストへの形質転換 ベクターpbet/chl/M2はイネ科植物を形質転換するのに
用いられる。すなわち、イネ科植物由来のプロトプラス
トを液体媒体に懸濁し、電気パルスを印加して当該ベク
ターを導入した後、イネ培養細胞を含有する培地で培養
しコロニーを形成させ、当該コロニーから植物体を再生
させる方法である(Shimamoto et al., Nature, 338: 27
4-276, 1989)。
【0051】プロトプラストは次のようにして調製し
た。栽培イネ(品種 日本晴)の完熟胚カルスから作製
した植え継ぎ後3〜5日のサスペンション細胞を、4%
セルラーゼRS, 1% マセロザイムR-10, 0.4M マニトール
を含む酵素液(pH5.6)で30℃,3〜4時間処理した。酵
素処理終了後、濾過して未消化物を除き、ろ液に4倍量
のKMC液(0.118M 塩化カリウム, 0.0817M 塩化マグネシ
ウム, 0.085M 塩化カルシウム, pH6.0;前述の文献参
照)を加え、遠心分離して沈降したプロトプラストを集
め、更にKMC液で2回洗浄した。
【0052】得られたプロトプラストを、70mM 塩化カ
リウム, 5mM 塩化マグネシウム, 0.4M マニトール, 0.1
% MESを含むpH5.8の緩衝液に8×106個/mlとなるように
懸濁した。
【0053】この懸濁液に上記のようにして調製した遺
伝子を含むプラスミドベクター60μg/ml並びにプロモー
ターとしてCaMV35S、外来遺伝子としてハイグロマイシ
ンホスホトランスフェラーゼ遺伝子及びNOS(ノパリン
シンターゼ)あるいはCaMV由来のターミネーターを有す
るプラスミド、例えばpGL2(Nature, 338 : 274-276,198
9)60μg/mlを添加し、4℃で5分間冷却した後、滅菌し
たプラスチックセルに移し並行電極を用い、直流の電気
パルスを印加した。その際、1000μFのコンデンサーを
用いて500V/cmの初期電圧をかけ、パルス幅30msecとし
た。パルス印加後、4℃で10分間冷却した後、等量のR2
/MSプロトプラストアガロース培地(Mol. Gen. Genet.,
206, 408, 1987)と混合し,0.7mmの厚さとなるように固
化させた。この時の細胞密度は約4×106個/mlであっ
た。
【0054】電気パルス処理したプロトプラストを含む
アガロースを10mm大の大きさに切断しR2/MS液体プロト
プラスト培地が5ml入った直径6cmのプレートに入れ、更
に約100mg(FW)のイネ培養細胞をナース細胞として入れ
た。プロトプラストの培養は約29℃で約10日間,50
rpmの回転でゆっくり振とうしながら、暗条件下で培養
した。
【0055】このイネ培養細胞は次のようにして調製し
た。実生のイネの根に由来するカルスを液体培地中で週
1回植継ぎ、作製した懸濁培養細胞中に存在する分裂旺
盛な細かい細胞(直径1mm)を用いた。10日間培養後、
ナース細胞をKMC液で取り除いた。さらに培養2〜4日
後に20〜30μg/mlとなるようにハイグロマイシンBを培
地に加え、2〜3週間培養した。
【0056】次いでこのアガロース片をR2ソフトアガ
ー培地(2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)2mg/l, 6%
ショ糖,0.25%アガロース)に置き培養し、2〜4週間
後、さらに大きくなったコロニーを個々に分けてR2ソ
フトアガー培地に移した。このカルスをR2/MS再生培地
(3%ソルビトール,2%ショ糖,1%アガロース,pH5.8)に移
し、25℃,2,000〜4,000luxの条件下で3〜10週間培養す
ると、芽及び根が現れた。芽が2cm程度に成長したとこ
ろで、R2/MS再生培地を入れたプラスチックボックスに
移し、幼植物へと成長させた。さらにバーミュキュライ
トポットに移植して成育させたところ、成熟した完全な
形質転換イネ植物体が得られた。
【0057】(2)PCR法による形質転換細胞のスク
リーニング 得られたハイグロマイシン耐性カルスの1部からDNA
を抽出した(Mol. Gen.Genet., 211, 27, 1988)。直径約
2〜3mmのカルス2個を1.5mlマイクロ遠心チューブ内でR
esuspension buffer (20mM Tris-HCl, 10mM EDTA) 250
μlと共にホモゲナイズし、20% SDSを20 μl加えて、68
℃15分間加温した。ここに、7.5M Ammonium Acetate 15
0μlを加えて氷上に30分間置いた。15,000 rpm.、4
℃、15分間遠心後、上清にエタノール 1ml加えて再度同
様の条件で遠心してDNAを沈澱させた。得られたDN
Aを70%EtOHで洗い、乾燥させた後、TE 緩衝液(10mM Tr
is-HCl(pH8.0),1mM EDTA)30μlに溶かした。
【0058】このDNAをPCR法によるスクリーニン
グに用いた。5’側プライマーには配列番号1の塩基番
号9〜26に相当する塩基配列を有するプライマー、及
び5’側プライマーには配列番号1の塩基番号1098
〜1114に相当する塩基配列を有するプライマーを用
いた。このプライマーの部位を図5に示す。PCRはプ
ライマー濃度各1μM, 10mM Tris-HCl(pH8.3), 1.5mM Mg
Cl2, 50mM KCl, 0.005% Tween 20, 0.005% NP-40, 0.00
1% ゼラチン, dATP, dGTP, dCTP, dTTP各200μM, 耐熱
性DNAポリメラーゼ(REPLITHERM Thermostable DNA Pol
ymerase(EPISENTRE社))5 units、先の方法で調製した
DNA5μlを合わせて、全50μlの反応液をDNAサー
マルサイクラーPJ1000(PERKIN-ELMER CETUS社)を用い
て、94℃,1分., 50℃,2分., 72℃,3分からなるサイ
クルを、30〜35回繰り返し反応させて行った。PCR反
応産物を常法のアガロース電気泳動で分析したところ、
図6に見られるようにプラスミドpbet/chl/CM2が組み込
まれた形質転換カルスには1.1 kbpの位置に増幅された
DNAが見られた。同様にして多くのハイグロマイシン
耐性カルスをスクリーニングした結果、約30%の効率で
カルスに導入されていた。
【0059】(3)導入した遺伝子の転写−mRNAの
検出 先にサザン法により全長の遺伝子が導入された形質転換
体植物から全RNAを抽出(Analytical Biochem., 162,
156-159, 1987)し、Oligo-dT kit (宝酒造)を用いて
mRNAを抽出した。各mRNA 2μgをノザン法(Thomas,
P. et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 77, 5201, 1980)
で解析した。プローブとしては、配列番号1に示す塩基
配列を含む、pbet/chl/M2のBamHI〜NotI断片を用いた。
このプローブの位置を図5に示す。その結果、図7に示
すように形質転換体植物ではbetA遺伝子から予想される
2.0 KbのmRNAを検出した。遺伝子に改変を加えたプ
ラスミドpbet/chl/M2を導入した形質転換体では、もと
のプラスミドpbet/chlを導入したものの最大11倍のm
RNAが検出された。
【0060】(4)導入した遺伝子の翻訳−betAタンパ
ク質の検出 大腸菌betAタンパクに対するウサギ抗体を作成し、Blob
elらの方法に従って免疫沈降により35Sでラベルした試
料中のbetAタンパク質を濃縮し、定法に従ってウェスタ
ン分析をして約60kDaのbetAタンパク質由来のバンド
を検出した(図8)。
【0061】(5)導入した遺伝子の翻訳産物のコリン
脱水素酵素活性の検出 形質転換体カルスを 46.5mM K-リン酸緩衝液(pH 7.4),
10% グリセロール,5mMジチオスレイトール, 5 mM EDTA,
5 % ポリビニルピロリドン, 1μM PMSF(フェニルメタ
ンスルフォニルフルオリド), 1μM MIA(モノヨード酢
酸)を含む抽出液中で磨砕し10,000rpmで15分遠心分離
し上清を得た。これを抽出液中で一晩透析して得られた
ものを粗抽出液とした。この粗抽出液のタンパク含量を
測定し、サンプル間の濃度を揃えたのち、400μlに対
し、91 mM K-リン酸緩衝液(pH 7.4)300μl, 20mM KCN 5
0μl, 2mM DCPIP(2,6−ジクロロフェノールインド
フェノールナトリウム塩水和物) 50μl, 2.6mM PMS 50
μl 加えて混ぜ合わせ26℃で5分放置した後、0.73M 塩
化コリンを50μl加えて600 nmの吸収の減少を2分間測
定した。1分間に1μMのDCPIPを還元する酵素量を1uni
tとして活性値を計算したところ、遺伝子に改変を加え
たプラスミドpbet/chl/M2を導入した形質転換体では、
もとのプラスミドpbet/chlを導入したものの最大10倍
のコリン脱水素酵素活性が検出された(図9)。
【0062】(6)形質転換体植物でのベタインの検出 荒川らの方法(Plant Physiol. 29, 1315-1321 (1988))
に従い、イネ形質転換植物体からベタインを抽出し、こ
れを過ヨウ素酸塩の形で析出させ重水に溶解し、500
MHz の1H-NMRを用いてベタインの蓄積を確認した。
同時に内部標準として加えたt-ブタノールの量をもとに
ベタイン含量を定量した。もとのプラスミドpbet/chlを
導入した形質転換体植物では全くベタインが検出されな
かったが、遺伝子に改変を加えたプラスミドpbet/chl/M
2を導入した形質転換体では1〜2μmoles/gFW(FW:新
鮮重)のベタインが検出された(図10)。これはベタ
インを蓄積する耐塩性の強いオオムギの数分の1の蓄積
量に相当している。
【0063】
【発明の効果】本発明の大腸菌betAタンパク質をコード
する遺伝子は、betAタンパク質をコードし、植物細胞中
での遺伝子発現の妨げになるpoly(A)付加シグナル様配
列およびパリンドローム配列をのぞいたものであること
から、イネ科植物において高発現し、かかる遺伝子を導
入して形質転換されたイネ科植物はベタインを生産・蓄
積し、高塩類ストレスや乾燥ストレスに耐性のある作物
としての有用性が期待される。
【0064】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1671 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸..Genomic DNAを部分的に改変し
たもの 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..1668 特徴を決定した方法:E 配列 ATG CAA TTC GAC TAC ATC ATC ATC GGT GCC GGG TCA GCG GGC AAC GTT 48 Met Gln Phe Asp Tyr Ile Ile Ile Gly Ala Gly Ser Ala Gly Asn Val 1 5 10 15 CTC GCT ACC CGT CTG ACT GAA GAT CCG AAT ACC TCC GTG CTG CTG CTT 96 Leu Ala Thr Arg Leu Thr Glu Asp Pro Asn Thr Ser Val Leu Leu Leu 20 25 30 GAA GCG GGC GGC CCG GAC TAT CGC TTT GAC TTC CGC ACC CAG ATG CCC 144 Glu Ala Gly Gly Pro Asp Tyr Arg Phe Asp Phe Arg Thr Gln Met Pro 35 40 45 GCT GCC CTG GCA TTC CCG CTA CAG GGT AAA CGC TAC AAC TGG GCC TAT 192 Ala Ala Leu Ala Phe Pro Leu Gln Gly Lys Arg Tyr Asn Trp Ala Tyr 50 55 60 GAA ACG GAA CCT GAA CCG TTT ATG AAC AAC CGC CGC ATG GAG TGC GGC 240 Glu Thr Glu Pro Glu Pro Phe Met Asn Asn Arg Arg Met Glu Cys Gly 65 70 75 80 CGC GGC AAG GGT CTG GGC GGC TCG TCG CTG ATC AAC GGC ATG TGC TAC 288 Arg Gly Lys Gly Leu Gly Gly Ser Ser Leu Ile Asn Gly Met Cys Tyr 85 90 95 ATC CGT GGC AAT GCG CTG GAT CTC GAT AAC TGG GCG CAA GAA CCC GGT 336 Ile Arg Gly Asn Ala Leu Asp Leu Asp Asn Trp Ala Gln Glu Pro Gly 100 105 110 CTG GAG AAC TGG AGC TAC CTC GAC TGC CTG CCC TAC TAC CGC AAG GCC 384 Leu Glu Asn Trp Ser Tyr Leu Asp Cys Leu Pro Tyr Tyr Arg Lys Ala 115 120 125 GAG ACT CGC GAT ATG GGT GAA AAC GAC TAT CAC GGC GGT GAT GGC CCG 432 Glu Thr Arg Asp Met Gly Glu Asn Asp Tyr His Gly Gly Asp Gly Pro 130 135 140 GTG AGC GTC ACT ACC TCC AAA CCC GGC GTC AAT CCG CTG TTT GAA GCG 480 Val Ser Val Thr Thr Ser Lys Pro Gly Val Asn Pro Leu Phe Glu Ala 145 150 155 160 ATG ATT GAA GCG GGC GTG CAG GCG GGC TAC CCG CGC ACG GAC GAT CTC 528 Met Ile Glu Ala Gly Val Gln Ala Gly Tyr Pro Arg Thr Asp Asp Leu 165 170 175 AAC GGT TAT CAG CAG GAA GGT TTT GGT CCG ATG GAT CGC ACC GTC ACG 576 Asn Gly Tyr Gln Gln Glu Gly Phe Gly Pro Met Asp Arg Thr Val Thr 180 185 190 CCG CAG GGC CGT CGC GCC AGC ACC GCG CGT GGC TAT CTC GAT CAG GCC 624 Pro Gln Gly Arg Arg Ala Ser Thr Ala Arg Gly Tyr Leu Asp Gln Ala 195 200 205 AAA TCG CGT CCT AAC CTG ACC ATT CGT ACT CAC GCT ATG ACC GAT CAC 672 Lys Ser Arg Pro Asn Leu Thr Ile Arg Thr His Ala Met Thr Asp His 210 215 220 ATC ATT TTT GAC GGC AAA CGC GCG GTG GGC GTC GAA TGG CTG GAA GGC 720 Ile Ile Phe Asp Gly Lys Arg Ala Val Gly Val Glu Trp Leu Glu Gly 225 230 235 240 GAC AGC ACC ATC CCA ACC CGC GCA ACG GCC AAC AAA GAA GTG CTG TTA 768 Asp Ser Thr Ile Pro Thr Arg Ala Thr Ala Asn Lys Glu Val Leu Leu 245 250 255 TGT GCA GGC GCG ATT GCC TCA CCG CAG ATC CTG CAA CGC TCC GGC GTC 816 Cys Ala Gly Ala Ile Ala Ser Pro Gln Ile Leu Gln Arg Ser Gly Val 260 265 270 GGC AAC GCT GAA CTG CTG GCG GAG TTT GAT ATT CCG CTG GTG CAT GAA 864 Gly Asn Ala Glu Leu Leu Ala Glu Phe Asp Ile Pro Leu Val His Glu 275 280 285 TTA CCC GGC GTC GGC GAA AAT CTT CAG GAT CAT CTG GAG ATG TAT CTG 912 Leu Pro Gly Val Gly Glu Asn Leu Gln Asp His Leu Glu Met Tyr Leu 290 295 300 CAA TAT GAG TGC AAA GAA CCG GTT TCC CTC TAC CCT GCC CTG CAG TGG 960 Gln Tyr Glu Cys Lys Glu Pro Val Ser Leu Tyr Pro Ala Leu Gln Trp 305 310 315 320 TGG AAC CAG CCG AAG ATC GGC GCG GAG TGG CTG TTC GGC GGC ACC GGC 1008 Trp Asn Gln Pro Lys Ile Gly Ala Glu Trp Leu Phe Gly Gly Thr Gly 325 330 335 GTC GGC GCC AGC AAC CAC TTC GAG GCG GGC GGC TTC ATC CGC AGC CGC 1056 Val Gly Ala Ser Asn His Phe Glu Ala Gly Gly Phe Ile Arg Ser Arg 340 345 350 GAG GAG TTC GCG TGG CCG AAC ATC CAG TAC CAC TTC CTG CCG GTC GCG 1104 Glu Glu Phe Ala Trp Pro Asn Ile Gln Tyr His Phe Leu Pro Val Ala 355 360 365 ATC AAC TAC AAC GGC TCG AAC GCC GTG AAG GAG CAC GGC TTC CAG TGC 1152 Ile Asn Tyr Asn Gly Ser Asn Ala Val Lys Glu His Gly Phe Gln Cys 370 375 380 CAC GTC GGC TCA ATG CGC TCG CCA AGC CGT GGG CAT GTG CGG ATT AAA 1200 His Val Gly Ser Met Arg Ser Pro Ser Arg Gly His Val Arg Ile Lys 385 390 395 400 TCC CGC GAC CCG CAC CAG CAT CCG GCG ATT CTG TTT AAC TAC ATG TCG 1248 Ser Arg Asp Pro His Gln His Pro Ala Ile Leu Phe Asn Tyr Met Ser 405 410 415 CAC GAG CAG GAC TGG CAG GAG TTC CGC GAC GCA ATT CGC ATC ACC CGC 1296 His Glu Gln Asp Trp Gln Glu Phe Arg Asp Ala Ile Arg Ile Thr Arg 420 425 430 GAG ATC ATG CAT CAA CCC GCG CTG GAT CAG TAT CGT GGC CGC GAA ATC 1344 Glu Ile Met His Gln Pro Ala Leu Asp Gln Tyr Arg Gly Arg Glu Ile 435 440 445 AGC CCC GGT GTC GAA TGC CAG ACG GAT GAA CAG CTC GAT GAG TTC GTG 1392 Ser Pro Gly Val Glu Cys Gln Thr Asp Glu Gln Leu Asp Glu Phe Val 450 455 460 CGT AAC CAC GCC GAA ACC GCC TTC CAT CCG TGC GGT ACC TGC AAA ATG 1440 Arg Asn His Ala Glu Thr Ala Phe His Pro Cys Gly Thr Cys Lys Met 465 470 475 480 GGT TAC GAC GAG ATG TCC GTG GTT GAC GGC GAA GGC CGC GTA CAC GGG 1488 Gly Tyr Asp Glu Met Ser Val Val Asp Gly Glu Gly Arg Val His Gly 485 490 495 TTA GAA GGC CTG CGT GTG GTG GAT GCG TCG ATT ATG CCG CAG ATT ATC 1536 Leu Glu Gly Leu Arg Val Val Asp Ala Ser Ile Met Pro Gln Ile Ile 500 505 510 ACC GGG AAT TTG AAC GCC ACG ACA ATT ATG ATT GGC GAG AAA ATA GCG 1584 Thr Gly Asn Leu Asn Ala Thr Thr Ile Met Ile Gly Glu Lys Ile Ala 515 520 525 GAT ATG ATT CGT GGA CAG GAA GCG CTG CCG AGG AGC ACG GCG GGA TAT 1632 Asp Met Ile Arg Gly Gln Glu Ala Leu Pro Arg Ser Thr Ala Gly Tyr 530 535 540 TTT GTG GCA AAT GGG ATG CCG GTG AGA GCG AAA AAA TGA 1671 Phe Val Ala Asn Gly Met Pro Val Arg Ala Lys Lys 545 550 555
【0065】配列番号:2 配列の長さ:1710 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:大腸菌(Escherichia coli) 株名:K−10 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:7..1674 特徴を決定した方法:E 配列 GGATCC ATG CAA TTT GAC TAC ATC ATT ATT GGT GCC GGC TCA GCC GGC 48 Met Gln Phe Asp Tyr Ile Ile Ile Gly Ala Gly Ser Ala Gly 1 5 10 AAC GTT CTC GCT ACC CGT CTG ACT GAA GAT CCG AAT ACC TCC GTG CTG 96 Asn Val Leu Ala Thr Arg Leu Thr Glu Asp Pro Asn Thr Ser Val Leu 15 20 25 30 CTG CTT GAA GCG GGC GGC CCG GAC TAT CGC TTT GAC TTC CGC ACC CAG 144 Leu Leu Glu Ala Gly Gly Pro Asp Tyr Arg Phe Asp Phe Arg Thr Gln 35 40 45 ATG CCC GCT GCC CTG GCA TTC CCG CTA CAG GGT AAA CGC TAC AAC TGG 192 Met Pro Ala Ala Leu Ala Phe Pro Leu Gln Gly Lys Arg Tyr Asn Trp 50 55 60 GCC TAT GAA ACG GAA CCT GAA CCG TTT ATG AAT AAC CGC CGC ATG GAG 240 Ala Tyr Glu Thr Glu Pro Glu Pro Phe Met Asn Asn Arg Arg Met Glu 65 70 75 TGC GGA CGC GGT AAA GGT CTG GGT GGA TCG TCG CTG ATC AAC GGC ATG 288 Cys Gly Arg Gly Lys Gly Leu Gly Gly Ser Ser Leu Ile Asn Gly Met 80 85 90 TGC TAC ATC CGT GGC AAT GCG CTG GAT CTC GAT AAC TGG GCG CAA GAA 336 Cys Tyr Ile Arg Gly Asn Ala Leu Asp Leu Asp Asn Trp Ala Gln Glu 95 100 105 110 CCC GGT CTG GAG AAC TGG AGC TAC CTC GAC TGC CTG CCC TAC TAC CGC 384 Pro Gly Leu Glu Asn Trp Ser Tyr Leu Asp Cys Leu Pro Tyr Tyr Arg 115 120 125 AAG GCC GAG ACT CGC GAT ATG GGT GAA AAC GAC TAT CAC GGC GGT GAT 432 Lys Ala Glu Thr Arg Asp Met Gly Glu Asn Asp Tyr His Gly Gly Asp 130 135 140 GGC CCG GTG AGC GTC ACT ACC TCC AAA CCC GGC GTC AAT CCG CTG TTT 480 Gly Pro Val Ser Val Thr Thr Ser Lys Pro Gly Val Asn Pro Leu Phe 145 150 155 GAA GCG ATG ATT GAA GCG GGC GTG CAG GCG GGC TAC CCG CGC ACG GAC 528 Glu Ala Met Ile Glu Ala Gly Val Gln Ala Gly Tyr Pro Arg Thr Asp 160 165 170 GAT CTC AAC GGT TAT CAG CAG GAA GGT TTT GGT CCG ATG GAT CGC ACC 576 Asp Leu Asn Gly Tyr Gln Gln Glu Gly Phe Gly Pro Met Asp Arg Thr 175 180 185 190 GTC ACG CCG CAG GGC CGT CGC GCC AGC ACC GCG CGT GGC TAT CTC GAT 624 Val Thr Pro Gln Gly Arg Arg Ala Ser Thr Ala Arg Gly Tyr Leu Asp 195 200 205 CAG GCC AAA TCG CGT CCT AAC CTG ACC ATT CGT ACT CAC GCT ATG ACC 672 Gln Ala Lys Ser Arg Pro Asn Leu Thr Ile Arg Thr His Ala Met Thr 210 215 220 GAT CAC ATC ATT TTT GAC GGC AAA CGC GCG GTG GGC GTC GAA TGG CTG 720 Asp His Ile Ile Phe Asp Gly Lys Arg Ala Val Gly Val Glu Trp Leu 225 230 235 GAA GGC GAC AGC ACC ATC CCA ACC CGC GCA ACG GCC AAC AAA GAA GTG 768 Glu Gly Asp Ser Thr Ile Pro Thr Arg Ala Thr Ala Asn Lys Glu Val 240 245 250 CTG TTA TGT GCA GGC GCG ATT GCC TCA CCG CAG ATC CTG CAA CGC TCC 816 Leu Leu Cys Ala Gly Ala Ile Ala Ser Pro Gln Ile Leu Gln Arg Ser 255 260 265 270 GGC GTC GGC AAC GCT GAA CTG CTG GCG GAG TTT GAT ATT CCG CTG GTG 864 Gly Val Gly Asn Ala Glu Leu Leu Ala Glu Phe Asp Ile Pro Leu Val 275 280 285 CAT GAA TTA CCC GGC GTC GGC GAA AAT CTT CAG GAT CAT CTG GAG ATG 912 His Glu Leu Pro Gly Val Gly Glu Asn Leu Gln Asp His Leu Glu Met 290 295 300 TAT CTG CAA TAT GAG TGC AAA GAA CCG GTT TCC CTC TAC CCT GCC CTG 960 Tyr Leu Gln Tyr Glu Cys Lys Glu Pro Val Ser Leu Tyr Pro Ala Leu 305 310 315 CAG TGG TGG AAC CAG CCG AAA ATC GGT GCG GAG TGG CTG TTT GGC GGC 1008 Gln Trp Trp Asn Gln Pro Lys Ile Gly Ala Glu Trp Leu Phe Gly Gly 320 325 330 ACT GGC GTT GGT GCC AGC AAC CAC TTT GAA GCA GGT GGA TTT ATT CGC 1056 Thr Gly Val Gly Ala Ser Asn His Phe Glu Ala Gly Gly Phe Ile Arg 335 340 345 350 AGC CGT GAG GAA TTT GCG TGG CCG AAT ATT CAG TAC CAT TTC CTG CCA 1104 Ser Arg Glu Glu Phe Ala Trp Pro Asn Ile Gln Tyr His Phe Leu Pro 355 360 365 GTA GCG ATT AAC TAT AAC GGC TCG AAT GCA GTG AAA GAG CAC GGT TTC 1152 Val Ala Ile Asn Tyr Asn Gly Ser Asn Ala Val Lys Glu His Gly Phe 370 375 380 CAG TGC CAC GTC GGC TCA ATG CGC TCG CCA AGC CGT GGG CAT GTG CGG 1200 Gln Cys His Val Gly Ser Met Arg Ser Pro Ser Arg Gly His Val Arg 385 390 395 ATT AAA TCC CGC GAC CCG CAC CAG CAT CCG GCG ATT CTG TTT AAC TAC 1248 Ile Lys Ser Arg Asp Pro His Gln His Pro Ala Ile Leu Phe Asn Tyr 400 405 410 ATG TCG CAC GAG CAG GAC TGG CAG GAG TTC CGC GAC GCA ATT CGC ATC 1296 Met Ser His Glu Gln Asp Trp Gln Glu Phe Arg Asp Ala Ile Arg Ile 415 420 425 430 ACC CGC GAG ATC ATG CAT CAA CCC GCG CTG GAT CAG TAT CGT GGC CGC 1344 Thr Arg Glu Ile Met His Gln Pro Ala Leu Asp Gln Tyr Arg Gly Arg 435 440 445 GAA ATC AGC CCC GGT GTC GAA TGC CAG ACG GAT GAA CAG CTC GAT GAG 1392 Glu Ile Ser Pro Gly Val Glu Cys Gln Thr Asp Glu Gln Leu Asp Glu 450 455 460 TTC GTG CGT AAC CAC GCC GAA ACC GCC TTC CAT CCG TGC GGT ACC TGC 1440 Phe Val Arg Asn His Ala Glu Thr Ala Phe His Pro Cys Gly Thr Cys 465 470 475 AAA ATG GGT TAC GAC GAG ATG TCC GTG GTT GAC GGC GAA GGC CGC GTA 1488 Lys Met Gly Tyr Asp Glu Met Ser Val Val Asp Gly Glu Gly Arg Val 480 485 490 CAC GGG TTA GAA GGC CTG CGT GTG GTG GAT GCG TCG ATT ATG CCG CAG 1536 His Gly Leu Glu Gly Leu Arg Val Val Asp Ala Ser Ile Met Pro Gln 495 500 505 510 ATT ATC ACC GGG AAT TTG AAC GCC ACG ACA ATT ATG ATT GGC GAG AAA 1584 Ile Ile Thr Gly Asn Leu Asn Ala Thr Thr Ile Met Ile Gly Glu Lys 515 520 525 ATA GCG GAT ATG ATT CGT GGA CAG GAA GCG CTG CCG AGG AGC ACG GCG 1632 Ile Ala Asp Met Ile Arg Gly Gln Glu Ala Leu Pro Arg Ser Thr Ala 530 535 540 GGA TAT TTT GTG GCA AAT GGG ATG CCG GTG AGA GCG AAA AAA 1674 Gly Tyr Phe Val Ala Asn Gly Met Pro Val Arg Ala Lys Lys 545 550 555 TGAGTCGTGA TGTGAACTAA CGCAGGAACC GAGCTC 1710
【0066】配列番号:3 配列の長さ:556 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Gln Phe Asp Tyr Ile Ile Ile Gly Ala Gly Ser Ala Gly Asn Val 1 5 10 15 Leu Ala Thr Arg Leu Thr Glu Asp Pro Asn Thr Ser Val Leu Leu Leu 20 25 30 Glu Ala Gly Gly Pro Asp Tyr Arg Phe Asp Phe Arg Thr Gln Met Pro 35 40 45 Ala Ala Leu Ala Phe Pro Leu Gln Gly Lys Arg Tyr Asn Trp Ala Tyr 50 55 60 Glu Thr Glu Pro Glu Pro Phe Met Asn Asn Arg Arg Met Glu Cys Gly 65 70 75 80 Arg Gly Lys Gly Leu Gly Gly Ser Ser Leu Ile Asn Gly Met Cys Tyr 85 90 95 Ile Arg Gly Asn Ala Leu Asp Leu Asp Asn Trp Ala Gln Glu Pro Gly 100 105 110 Leu Glu Asn Trp Ser Tyr Leu Asp Cys Leu Pro Tyr Tyr Arg Lys Ala 115 120 125 Glu Thr Arg Asp Met Gly Glu Asn Asp Tyr His Gly Gly Asp Gly Pro 130 135 140 Val Ser Val Thr Thr Ser Lys Pro Gly Val Asn Pro Leu Phe Glu Ala 145 150 155 160 Met Ile Glu Ala Gly Val Gln Ala Gly Tyr Pro Arg Thr Asp Asp Leu 165 170 175 Asn Gly Tyr Gln Gln Glu Gly Phe Gly Pro Met Asp Arg Thr Val Thr 180 185 190 Pro Gln Gly Arg Arg Ala Ser Thr Ala Arg Gly Tyr Leu Asp Gln Ala 195 200 205 Lys Ser Arg Pro Asn Leu Thr Ile Arg Thr His Ala Met Thr Asp His 210 215 220 Ile Ile Phe Asp Gly Lys Arg Ala Val Gly Val Glu Trp Leu Glu Gly 225 230 235 240 Asp Ser Thr Ile Pro Thr Arg Ala Thr Ala Asn Lys Glu Val Leu Leu 245 250 255 Cys Ala Gly Ala Ile Ala Ser Pro Gln Ile Leu Gln Arg Ser Gly Val 260 265 270 Gly Asn Ala Glu Leu Leu Ala Glu Phe Asp Ile Pro Leu Val His Glu 275 280 285 Leu Pro Gly Val Gly Glu Asn Leu Gln Asp His Leu Glu Met Tyr Leu 290 295 300 Gln Tyr Glu Cys Lys Glu Pro Val Ser Leu Tyr Pro Ala Leu Gln Trp 305 310 315 320 Trp Asn Gln Pro Lys Ile Gly Ala Glu Trp Leu Phe Gly Gly Thr Gly 325 330 335 Val Gly Ala Ser Asn His Phe Glu Ala Gly Gly Phe Ile Arg Ser Arg 340 345 350 Glu Glu Phe Ala Trp Pro Asn Ile Gln Tyr His Phe Leu Pro Val Ala 355 360 365 Ile Asn Tyr Asn Gly Ser Asn Ala Val Lys Glu His Gly Phe Gln Cys 370 375 380 His Val Gly Ser Met Arg Ser Pro Ser Arg Gly His Val Arg Ile Lys 385 390 395 400 Ser Arg Asp Pro His Gln His Pro Ala Ile Leu Phe Asn Tyr Met Ser 405 410 415 His Glu Gln Asp Trp Gln Glu Phe Arg Asp Ala Ile Arg Ile Thr Arg 420 425 430 Glu Ile Met His Gln Pro Ala Leu Asp Gln Tyr Arg Gly Arg Glu Ile 435 440 445 Ser Pro Gly Val Glu Cys Gln Thr Asp Glu Gln Leu Asp Glu Phe Val 450 455 460 Arg Asn His Ala Glu Thr Ala Phe His Pro Cys Gly Thr Cys Lys Met 465 470 475 480 Gly Tyr Asp Glu Met Ser Val Val Asp Gly Glu Gly Arg Val His Gly 485 490 495 Leu Glu Gly Leu Arg Val Val Asp Ala Ser Ile Met Pro Gln Ile Ile 500 505 510 Thr Gly Asn Leu Asn Ala Thr Thr Ile Met Ile Gly Glu Lys Ile Ala 515 520 525 Asp Met Ile Arg Gly Gln Glu Ala Leu Pro Arg Ser Thr Ala Gly Tyr 530 535 540 Phe Val Ala Asn Gly Met Pro Val Arg Ala Lys Lys 545 550 555
【0067】配列番号:4 配列の長さ:306 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..306 特徴を決定した方法:E 配列 AGGGTGATGG GATCCATGCA ATTCGACTAC ATCATCATCG GTGCCGGGTC AGCGGGCAAC 60 GTTCTCGCTA CCCGTCTGAC TGAAGATCCG AATACCTCCG TGCTGCTGCT TGAAGCGGGC 120 GGCCCGGACT ATCGCTTTGA CTTCCGCACC CAGATGCCCG CTGCCCTGGC ATTCCCGCTA 180 CAGGGTAAAC GCTACAACTG GGCCTATGAA ACGGAACCTG AACCGTTTAT GAACAACCGC 240 CGCATGGAGT GCGGCCGCGG CAAGGGTCTG GGCGGCTCGT CGCTGATCAA CGGCATGTGC 300 TACATC 306
【0068】配列番号:5 配列の長さ:238 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..238 特徴を決定した方法:E 配列 GGTTTCCCTC TACCCTGCCC TGCAGTGGTG GAACCAGCCG AAGATCGGCG CGGAGTGGCT 60 GTTCGGCGGC ACCGGCGTCG GCGCCAGCAA CCACTTCGAG GCGGGCGGCT TCATCCGCAG 120 CCGCGAGGAG TTCGCGTGGC CGAACATCCA GTACCACTTC CTGCCGGTCG CGATCAACTA 180 CAACGGCTCG AACGCCGTGA AGGAGCACGG CTTCCAGTGC CACGTCGGCT CAATGCGC 238
【0069】配列番号:6 配列の長さ:63 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..63 特徴を決定した方法:E 配列 ATGGGATCCA TGCAATTCGA CTACATCATC ATCGGTGCCG GGTCAGCGGG CAACGTTCTC 60 GCT 63
【0070】配列番号:7 配列の長さ:63 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..63 特徴を決定した方法:E 配列 TTGATCAGCG ACGAGCCGCC CAGACCCTTG CCGCGGCCGC ACTCCATGCG GCGGTTGTTC 60 ATA 63
【0071】配列番号:8 配列の長さ:85 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..85 特徴を決定した方法:E 配列 CTCTACCCTG CCCTGCAGTG GTGGAACCAG CCGAAGATCG GCGCGGAGTG GCTGTTCGGC 60 GGCACCGGCG TCGGCGCCAG CAACC 85
【0072】配列番号:9 配列の長さ:85 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..85 特徴を決定した方法:E 配列 TCGGCGCCAG CAACCACTTC GAGGCGGGCG GCTTCATCCG CAGCCGCGAG GAGTTCGCGT 60 GGCCGAACAT CCAGTACCAC TTCCT 85
【0073】配列番号:10 配列の長さ:85 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..85 特徴を決定した方法:E 配列 TGGAGCCGAC GTGGCACTGG AAGCCGTGCT CCTTCACGGC GTTCGAGCCG TTGTAGTTGA 60 TCGCGACCGG CAGGAAGTGG TACTG 85
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラスミドpbet/chl/M1を構築する過程を示
す図。PRはカリフラワーモザイクウイルス35SSプ
ロモーター、INTはヒマカタラーゼ遺伝子第1イント
ロン、Termはノパリンシンターゼ遺伝子ターミネー
ターを表す。
【図2】 プラスミドpBS/chl/M1を構築する過程を示す
図。
【図3】 プラスミドpBS/bet/M2を構築する過程を示す
図。
【図4】 プラスミドpbet/chl/M2を構築する過程を示
す図。
【図5】 ハイグロマイシン耐性カルスから抽出したD
NAのスクリーニングに用いたPCR用プライマーと、
改変型betA遺伝子配列との対応を、及びbetA遺伝子転写
産物の検出に用いたノザン法用プローブと、改変型betA
遺伝子配列との対応を示す図。
【図6】 PCRによるハイグロマイシン耐性カルスの
スクリーニングの結果を示す図(電気泳動写真)。
【図7】 ノザン法によるbetA遺伝子転写産物の検出の
結果を示す図(電気泳動写真)。レーン1はコントロー
ル(キヌヒカリ)、レーン2はpbet/chlで形質転換され
たイネ細胞、レーン3〜8はpbet/chl/M2で形質転換さ
れたイネ細胞。
【図8】 大腸菌betAタンパクに対するウサギ抗体を用
いたウェスタン分析によるbetA遺伝子翻訳産物の検出の
結果を示す図(電気泳動写真)。レーン1は25μlの
抗体とインキュベートしたC−238、レーン2は50
μlの抗体とインキュベートしたC−238。
【図9】 形質転換植物のコリン脱水素酵素活性を示す
図。
【図10】 形質転換植物のベタイン蓄積量を示す図。
【符号の説明】
B:BamHI Bc:BclI Bg:BglI S:SalI Sa:SacI P:PstI
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12Q 1/68 C12N 5/00 C //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 田中 章 神奈川県横浜市鴨志田町1000番地 株式会 社植物工学研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然型大腸菌betAタンパク質をコードす
    る遺伝子の塩基配列からpoly(A)付加シグナル様配列お
    よびパリンドローム配列が除去された塩基配列を有し、
    かつ、大腸菌betAタンパク質をコードする遺伝子。
  2. 【請求項2】 前記poly(A)付加シグナル様配列が、ATT
    ATT、AATAAC、TTTATT、AATATT、ATTAAC、及びTATAACか
    ら選ばれる請求項1記載の遺伝子。
  3. 【請求項3】 前記パリンドローム配列がTGCCGGCTCAGC
    CGGCAである請求項1記載の遺伝子。
  4. 【請求項4】 天然型betAタンパク質をコードする遺伝
    子の塩基配列において、poly(A)付加シグナル様配列で
    あるATTATTはATCATCに、AATAACはAACAACに、TTTATTはTT
    CATCに、AATATTはAACATCに、ATTAACはATCAACに、TATAAC
    はTACAACに置換され、かつ、パリンドローム配列TGCCGG
    CTCAGCCGGCAはTGCCGGGTCAGCGGGCAに置換されることを特
    徴とする請求項1記載の遺伝子。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号1に記載の塩基配列で
    表されることを特徴とする請求項4記載の遺伝子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の遺
    伝子が導入されていることを特徴とするベクター。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のベクターをイネ科植物
    由来のプロトプラストに導入し、このプロトプラストか
    らコロニーを形成させた後、該コロニーから植物体を再
    生させて得られたイネ科植物。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のベクターおよびイネ科
    植物由来のプロトプラストを液体培地に懸濁し、電気パ
    ルスを印加して該ベクターを導入した後、イネ培養細胞
    を含有する培地で培養しコロニーを形成させ、該コロニ
    ーから植物体うを再生させることを特徴とする、大腸菌
    betAタンパク質を産生するイネ科植物の製造方法。
JP9006793A 1997-01-17 1997-01-17 大腸菌betA遺伝子、該遺伝子で形質転換されたイネ科植物及びその製造方法 Pending JPH10191983A (ja)

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