JPH10191857A - 糸通し具とこれをセットにした釣り道具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部に螺旋状の釣糸ガイドを配設している場
合にも容易に糸通しできる糸通し具、或いはこれをセッ
トにした釣り道具を提供する。 【解決手段】 内部に螺旋状の釣糸ガイド２６を設けた
中通し釣竿１２に挿通させることができ、４ｃｍ以上の
長さＬを有する撓み剛性の高い頭部２８と、該頭部に続
き、腰があって撓み性を有する撓み部３０とを具備する
よう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、糸通し具、或いは
これをセットにした釣り道具に関する。

【０００２】

【従来の技術】中通し釣竿は、その釣り準備において釣
糸を釣竿内部に挿通させなければならず、一般にこの作
業に糸通し具が使用される。重力作用による糸通し具や
その他の作用の糸通しが行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、中通し釣
竿内部に螺旋状の釣糸ガイドを配設している場合には、
内部が多くのガイドによって凹凸状態になっており、一
般にこの凹凸の存在は糸通し具の挿通を妨げる。

【０００４】依って本発明は内部に螺旋状の釣糸ガイド
を配設している場合にも容易に糸通しできる糸通し具、
或いはこれをセットにした釣り道具の提供を目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、請求項１において、内部に螺旋状の釣糸ガイドを設
けた中通し釣竿に挿通させることができ、４ｃｍ以上の
長さを有する撓み剛性の高い頭部と、該頭部に続き、腰
があって撓み性を有する撓み部とを具備することを特徴
とする糸通し具を提供する。好ましくは４．５ｃｍ以
上、或いは５ｃｍ以上の長さとする。また請求項２にお
いて、内部に螺旋状の釣糸ガイドを設けた中通し釣竿
と、該螺旋の最大ピッチの２倍を超える長さを有する撓
み剛性の高い頭部と、該頭部に続き、腰があって撓み性
を有する撓み部とを具備した糸通し具とをセットにした
釣り道具を提供する。

【０００６】請求項１において、中通し釣竿の螺旋状釣
糸ガイドの最大ピッチは、一般に２ｃｍにも満たないた
め、４ｃｍ以上の長さの撓み剛性の高い頭部を先頭にし
て釣竿内部に挿通させれば、螺旋の２ピッチ間に亘る長
さを有するため、常時２条以上のガイドに亘っており、
従って、螺旋状釣糸ガイドから落ちてガイド条側面に引
っ掛ることが防止され、容易円滑に糸通し具が挿通で
き、ひいては糸通しが容易となる。長さが４ｃｍ以上の
頭部によって種々の中通し釣竿に汎用的に使用可能とな
る。請求項２において、中通し釣竿とセット販売される
糸通し具が、そのセット釣竿の螺旋状釣糸ガイドのピッ
チの内、最大ピッチの２倍を超える長さを有する撓み剛
性の高い頭部を有するため、常時２条以上のガイドに亘
り、螺旋状釣糸ガイドから落ちてガイド条側面に引っ掛
ることが防止され、容易円滑に糸通し具が挿通でき、ひ
いては糸通しが容易となる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す形
態例に基づき、更に詳細に説明する。図１は本発明に係
る糸通し具をセットにした釣り道具としての中通し釣竿
の側面図である。各竿管は炭素繊維等を使用した繊維強
化プラスチック製であり、元竿１０の前部細径部１０Ａ
には中竿１２が並継式に継ぎ合わされており、中竿１２
の先端大径部１２Ｔには穂先竿１４が並継式に継ぎ合わ
されている。元竿１０と中竿１２とは振出式又はインロ
ー継式であってもよく、継方式に制約は無い。穂先竿１
４の先端にはトップガイド１６が装着されており、元竿
１０にはリール２０を装着するリール脚固定装置１８が
設けられており、中竿１２の後部には釣糸挿通孔の形成
されたセラミックス製の釣糸導入ガイド部材２２が長孔
形状の釣糸導入部用孔の周囲を囲むように配設されてい
る。

【０００８】また、中竿１２と穂先竿１４の各内部には
螺旋状の釣糸ガイドが設けられている。釣糸は、下記の
糸通し具を使用して釣糸導入ガイド部材の釣糸挿通孔を
通してトップガイド１６から外部に引出す。２４は尻栓
であり、取外し可能に螺着されている。

【０００９】図３は釣竿とセット販売されている糸通し
具を図示している。例えば黄銅で作られ、長さＬを有
し、撓み剛性の高い頭部２８の後部には、腰があって撓
み性を有する撓み部３０が接続されている。接続方法
は、撓み部先端部をパイプ状頭部の後部に挿入し、それ
から長手方向に沿ってパイプ状頭部の上から線状に陥没
させることにより一体化できる。更に後端部には釣糸係
止部３０Ｂが形成されている。頭部の長さＬは、セット
の釣竿の最大ピッチ寸法の２倍を超える長さに設定して
おり、例えば５０ｍｍに設定する。撓み部３０の長さは
釣糸導入ガイド部材２２の釣糸挿通孔からトップガイド
１６までの長さよりも長く設定する。例えば１．７ｍに
設定する。

【００１０】頭部２８の外径は、例えば１．５ｍｍ程度
にする。重量は１ｍｇ以上にすれば重力の作用も加わっ
て移動させ易いので好ましい。その先端部２８Ａは面取
を施したり、先細形状に形成すると竿管内部を挿通させ
易い。頭部を釣糸導入ガイド部材の釣糸挿通孔を通して
トップガイドから出すためには、この頭部を押して移動
させる撓み部３０の撓み性をよくすると共に、ある程度
の剛性が必要である。しかし、頭部を比重の大きな材質
で形成することにより殆ど重力の作用で移動でき、この
場合、撓み部３０は殆ど剛性を要しない。このため、撓
み部３０は軟質材で作ることもできる。従って、一般に
高価な細径金属線条体の束を撚ったものでなく、廉価な
ナイロン等の軟質材の線条体の束、或いは１本で撓み部
３０を構成できる。しかし、軟質材であっても撓み部を
操作して頭部を移動できる程度の剛性が有れば、重力に
頼る必要は無い。

【００１１】撓み部３０を金属で形成する場合には、一
般に、図４に示すように細径線条体３０Ｅの束を撚った
もので構成しなければその撓み性が確保し難い。このよ
うに金属で形成すれば、撚りのために撓み部３０の表面
が滑り難くなる。このため、表面にナイロンの層３０Ａ
をコーティングして、滑り易く、竿管内部を挿通させ易
くできる。

【００１２】糸通し具の頭部を硬めのコイルばねで形成
し、撓み部を柔らかめのコイルばねで形成してもよい。
以上のようにして形成した糸通し具を、中通し釣竿の釣
糸導入ガイド部材の釣糸挿通孔から頭部２８を先頭にし
て中竿１２内に挿通させている状態を図２に示す。頭部
の長さＬは中竿１２の螺旋状釣糸ガイド２６のピッチＰ
の２倍を超える長さを有するように設定している。穂先
竿１４の螺旋状釣糸ガイドのピッチはこの中竿１２のピ
ッチＰと同じか、或いは小さいため、前記ピッチＰは、
この中通し釣竿の螺旋状釣糸ガイドのピッチの中で最大
のピッチといえる。頭部の長さが螺旋最大ピッチの２倍
を超えるため、図２に示すように、頭部は常時２条以上
の螺旋ガイドによって支持されており（穂先竿内を通過
する際も同様である）、頭部が螺旋状釣糸ガイドの側面
に突き当って、進行できない事態が防止される。頭部先
端部２８Ａの細径化もこの作用に寄与する。

【００１３】以上の説明は、釣竿と糸通し具とがセット
販売される場合であるが、糸通し具を単独で販売する場
合には、その汎用性を担保するためには、各種中通し釣
竿に使用される螺旋状釣糸ガイドの内の最大ピッチの２
倍を超えるように設定すればよく、この最大ピッチは２
ｃｍ未満と考えられるため、頭部長さを４ｃｍ以上に設
定すればよい。

【００１４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、内部に螺旋状の釣糸ガイドを配設している場合
にも容易に糸通しできる糸通し具、或いはこれをセット
にした釣り道具が提供可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明に係る中通し釣竿の側面図であ
る。

【図２】図２は図１の要部の拡大縦断面図である。

【図３】図３は本発明に係る糸通し具の図である。

【図４】図４は図３の矢視線Ｄ−Ｄによる拡大横断面図
である。

【符号の説明】

２６ 螺旋状釣糸ガイド ２８ 頭部 ３０ 撓み部 Ｐ 螺旋ピッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に螺旋状の釣糸ガイドを設けた中通
   し釣竿に挿通させることができ、４ｃｍ以上の長さを有
   する撓み剛性の高い頭部と、該頭部に続き、腰があって
   撓み性を有する撓み部とを具備することを特徴とする糸
   通し具。
2. 【請求項２】 内部に螺旋状の釣糸ガイドを設けた中通
   し釣竿と、 該螺旋の最大ピッチの２倍を超える長さを有する撓み剛
   性の高い頭部と、該頭部に続き、腰があって撓み性を有
   する撓み部とを具備した糸通し具とをセットにした釣り
   道具。