JPH10187812A - ビルの保全作業管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率良く保全作業を行なうことができるよう
に作業情報を提供するビルの保全作業管理システムを提
供する。 【解決手段】 端末情報処理手段２からＩＣカード３に
作業計画情報を伝送する際に、端末情報処理手段２のテ
ーブル選択手段を作動させて作業情報設定テーブル９を
どのように分けてＩＣカード３に伝送するかを決定し、
その後、端末情報処理手段２の作業情報作成手段を作動
させてＩＣカード３に伝送し、このＩＣカード３を携帯
情報端末装置４に装着し、その指示に従って保全作業を
実施する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビルの保全作業管
理システムに係り、特に、ビルの保全作業を行なうに際
して作業に必要な情報を提供するのに好適なビルの保全
作業管理システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、多くのビルには電気設備や空調
設備等の各種設備機器が設置されており、これらの設備
機器が故障するとビルの居住者やビルに出入する人々に
多大の迷惑を与えることになるので、ビルに設置された
各種設備機器は、常時的確な保全が必要となる。この各
設備機器の保全は、各設備機器についての専門知識を持
つ作業員でなければ行なうことが出来ないので、通常、
各ビルではこれらの設備機器の保全を行なう保守会社と
契約してビルの各設備機器の保全を委託しており、この
保守会社が専門の作業員を各顧客ビルに定期的に巡回さ
せて各設備機器の点検、修理、整備等のサービスを提供
している。

【０００３】従来のビルの保全作業管理システムは、特
開平６−１５６９１５号公報に記載されているように、
ビル内設備保守作業員は携帯情報端末装置を携帯し、そ
の携帯情報端末装置には各保守会社の営業所に設置され
ている端末情報処理手段から提供された作業指示情報が
記憶されているＩＣカードが収納されており、各作業員
はこのＩＣカードに記憶された作業指示情報に基づいて
１日の保全作業を行ない、作業実績をＩＣカードに記憶
させ、１日の保全作業を終えた作業員は、ＩＣカードに
記憶させた作業実績情報を営業所に設置された端末情報
処理手段に送信伝送するようにしている。これを受信し
た端末情報処理手段は、情報内容をチェックして作業漏
れや誤記入があったときには、その旨を保守作業員がも
つ携帯情報端末装置の表示部に表示され、作業漏れや誤
記入がないときには作業実績情報を保守会社が保有して
いる中央情報処理手段に送信伝送するようにしている。
中央情報処理手段はこの作業実績情報を受けると、その
作業実績情報を基にして保全作業の進捗状況の把握分析
を行ない、その結果を次回の作業計画の作成の際に反映
させている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、設備機
器が多く存在する大規模ビル、例えば、国際空港や東京
都庁舎等のビルでは、保守会社の作業員が作業発生の都
度訪れるのではなく、保守会社の作業員が設備機器を計
画的に監視したり、顧客からの依頼作業に即座に対応で
きるように常駐ビル管理が行なわれている。このような
常駐ビル管理では、各設備機器毎に作成された作業項目
と、各ビル毎に作成された年間計画および月間計画に基
づいてビル内を巡回し、各種設備機器の保全作業を実行
管理している。このため、従来の作業管理システムを常
駐ビル管理用に用いると、端末情報処理手段から提供さ
れる作業指示情報がＩＣカード１枚に一定期間分がまと
めて納められているので、建物内の複数箇所に点在する
同一設備機器から該当するものを選択する際に、間違っ
た設備機器を選択しやすく、その点に多くの注意を向け
ねばならなかった。また、ＩＣカード１枚の記憶容量に
は限界があるため、設備機器毎の故障履歴や計測データ
等の詳細情報を記憶するのが難しくなっていた。

【０００５】本発明の目的は、常駐ビル管理が必要な大
規模ビルでも、効率良く保全作業を行なえるようにした
ビルの保全作業管理システムを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、ビルに設置されている設備機器の保全作業
に対する過去の実績情報を記憶した記憶部を備えた中央
情報処理手段と、この中央情報処理手段に接続されて前
記設備機器の保全作業に対する各種の作業指示情報およ
び作業管理情報を記憶した記憶部を備えた端末情報処理
手段と、前記設備機器の保全作業の当日作業予定事項を
少なくとも記憶した作業情報記憶体とで構成され、前記
端末情報処理手段は、前記作業指示情報および前記作業
管理情報に基づいて作業情報を前記作業情報記憶体に記
憶させるようにしたビルの保全作業管理システムにおい
て、前記端末情報処理手段に、複数の列毎に予め設定さ
れた複数の行で構成されている作業情報設定テーブル
と、この作業情報設定テーブルをどのように分けるか選
択するテーブル選択手段と、このテーブル選択手段での
選択に対応して前記記憶部から作業情報を検索して前記
作業情報記憶体に記憶させる作業情報作成手段とを備え
たことを特徴とする。

【０００７】上述したように本発明のビルの保全作業管
理システムは、端末情報処理手段に、点検する項目毎に
保全方法基準を定めた複数の列と、列毎に区分けされた
複数の行で構成した作業情報設定テーブルを設定し、こ
の作業情報設定テーブルをどのように分類して伝送する
かを選択するテーブル選択手段と、このテーブル選択手
段により選択した情報をＩＣカードなどの作業情報記憶
体に伝送する作業情報作成手段とを設けたため、作業員
はテーブル選択手段によって選択した作業情報に基づい
て作業情報作成手段で作業情報記憶体に記憶させること
ができるから、この複数枚の作業情報記憶体をそれぞれ
携帯情報端末装置に装着させて保全作業を行なったり、
優先すべきものを選んで保全作業を行なうことも可能に
なり、常駐ビル管理が必要な大規模ビルでも、効率良く
保全作業を行なうことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。図１は本発明の一実施の形態による
ビルの保全作業管理システムのブロック構成図である。
制御部１ａと、設備名称や作業内容や顧客情報等の保全
作業に対する作業指示情報を記憶する記憶部１ｂをもつ
中央情報処理手段１は、表示部２ａと、入力部２ｂと、
制御部２ｃと、保全作業に関する作業計画や作業来歴や
測定データおよび中央情報処理手段１から送信伝送され
てきた過去の保全作業実績情報を記憶する記憶部２ｄ
と、入出力装置２ｅとを有する端末情報処理手段２と接
続されている。この端末情報処理手段２は、入力部４ａ
と表示部４ｂと入出力装置４ｃを有する携帯情報端末装
置４と、ＩＣカード３などの作業情報記憶体を介して情
報の授受を行なうことができる。端末情報処理手段２の
入出力装置２ｅは、ＩＣカード３に対して所定の情報、
ここでは作業指示と必要情報の書き込みと読み出しを行
なうことができる。携帯情報端末装置４の入出力装置４
ｃも、ＩＣカード３から作業指示と必要情報の読み出し
と書き込みを行なうことができる。また、端末情報処理
手段２は、後述するようにこれらのブロック構成によっ
て少なくともテーブル選択手段と作業情報作成手段を構
成している。

【０００９】このビルの保全作業管理システムは、次の
ように運用する。初めに、端末情報処理手段２の制御部
２ｃは、記憶部２ｄに送信伝送された中央情報処理手段
１の記憶部１ｂに記憶されている過去数年の作業実績情
報を基にして、例えば１年に１回、ビルの年間の保全作
業計画の作成を行ない、表示部２ａに表示させる。ここ
で、表示された年間の保全作業計画について変更、追
加、削除を行なう必要がある場合、作業員は入力部２ｂ
から行なう。内容が確定した年間の保全作業計画は、内
容を作業指示情報として記憶部２ｄに記憶させる。次い
で、端末情報処理手段２の制御部２ｃは、記憶された作
業指示情報と、既に記憶部２ｄに記憶されている設備機
器情報や作業実績情報とを基にして、ビル内設備機器の
月間の巡回保全作業計画を当該作業月の前月末までに作
成し、表示部２ａに表示させる。ここで、表示された月
間の巡回保全作業計画について変更、追加、削除を行な
う必要がある場合、入力部２ｂから行なう。内容が確定
した月間の巡回保全作業計画は、内容を巡回作業計画情
報として記憶部２ｄに記憶させる。

【００１０】この巡回保全作業計画に基づいて作業する
場合、作業員は、月に１度、端末情報処理手段２の記憶
部２ｄに記憶されている巡回作業計画情報をＩＣカード
３などの作業情報記憶体に伝送させる。そのため、端末
情報処理手段２の入力部２ｂから記憶部２ｂに記憶され
ている巡回作業計画情報をＩＣカード３に伝送するよう
命令する信号を入力すると、制御部２ｃは記憶部２ｄに
記憶されている巡回作業計画情報を読み出し、一時的に
制御部２ｃの内部メモリに記憶収納させる。ここで、作
業員がＩＣカード３を入出力装置２ｅに装着させること
により、一時的に制御部２ｃの内部メモリに記憶収納さ
れた巡回作業計画情報が、入力部２ｂを介してＩＣカー
ド３に伝送されて記憶収納される。ＩＣカードが複数枚
に及ぶ場合は、順次ＩＣカード３を入出力装置２ｅに挿
入させることにより巡回作業計画情報がＩＣカード３に
伝送されて記憶収納される。また、ＩＣカード３に記憶
収納された巡回作業計画情報は、ＩＣカード３を携帯情
報端末装置４の入出力装置４ｃに装着させることによ
り、表示部４ｂに表示させることができるので、作業員
は、保全作業実行時に、ＩＣカード３と携帯情報端末装
置４を所持して行き、その表示部４ｂに表示されている
巡回作業計画の表示情報に基づいて作業を行なうことが
できる。

【００１１】図２は、図１の端末情報処理手段２からＩ
Ｃカード３などの作業情報記憶体に情報を伝送する際
に、伝送する情報をどのように分けてＩＣカード３に伝
送するかを示した作業情報設定テーブル図である。この
作業情報設定テーブル９は記憶部２ｄに予め格納されて
おり、複数の列と列毎に区分けされた複数の行とで構成
されている。列はどのような項目毎に点検するかの保全
方法基準を示し、行は列の項目に対して予め設定した詳
細情報を示している。この作業情報設定テーブル９の列
は少なくとも点検エリア９ａ、機器種別９ｂ、作業種別
９ｃとから構成され、点検エリア９ａは１〜２階、３〜
４階、５〜７階の３行に分けられ、機器種別９ｂは空調
設備、電気設備、搬送設備、消防設備、衛生設備の５行
に分けられ、作業種別９ｃは巡回点検、定期点検、法定
点検の３行に分けられている。

【００１２】今、端末情報処理手段２からＩＣカード３
に伝送する際に、点検エリアによってＩＣカードを分
け、保全作業を行なう場合について説明する。図２の作
業情報設定テーブル９において、点検エリア９ａの列の
項目には、１〜２階、３〜４階、５〜７階と、３つの詳
細情報が設定されている。これは、１つのビルを３つの
エリアに分けたもので、それぞれのエリアの詳細情報に
は、各エリアに存在する設備機器の巡回作業計画情報が
結びついている。

【００１３】作業者は、端末情報処理手段２からＩＣカ
ード３に巡回作業計画情報を伝送する際に、入力部２ｂ
を操作して端末情報処理手段２からＩＣカード３に巡回
作業計画情報を伝送するように命令する信号を入力する
が、端末情報処理手段２はテーブル選択手段を構成して
いるので、テーブル選択手段を作動させて巡回作業計画
情報をどのように分けてＩＣカード３に伝送するかを決
定する信号も同時に入力する。ここでは、図２に示す点
検エリア９ａで巡回作業計画情報を分けるようにテーブ
ル選択手段を作動させる。すると、端末情報処理手段２
は作業情報作成手段を構成しているので、この作業情報
作成手段は巡回作業計画情報を１〜２階に存在する設備
機器の巡回作業計画情報、３〜４階に存在する設備機器
の巡回作業計画情報、５〜７階に存在する設備機器の巡
回作業計画情報の３つに分けた作業情報を作成して制御
部２ｃの内部メモリに一時的に記憶収納し、３つに分け
た巡回作業計画情報を、それぞれ３枚のＩＣカード３に
伝送する。このようにして、端末情報処理手段２のテー
ブル選択手段と作業情報作成手段により、予め設定した
点検エリア毎に巡回作業計画情報を分けたＩＣカード３
が作成される。

【００１４】図３は、上述した３枚のＩＣカード３の割
り当てを示した斜視図を示している。作業員は、保全作
業対象ビル８の３つのエリア、すなわち１〜２階８ａ
と、３〜４階８ｂと、５〜７階８ｃのそれぞれのエリア
において、端末情報処理手段２により作成したＩＣカー
ド３を１枚ずつ携帯情報端末装置４の入出力装置４ｃに
装着して保全作業を行なう。ここで、テーブル選択手段
によって選択された列に対応する行毎にＩＣカード３な
どの作業情報記憶体を作成しているので、作業場所や機
器別や作業種類別に作業指示データが記憶された複数の
ＩＣカード３をそれぞれ常駐ビル管理作業員に配布でき
るので、複数人の常駐ビル管理作業員がそれぞれＩＣカ
ード３を携帯情報端末装置４に装着して、同時に効率良
く保全作業を行なうことができるとともに、重複作業が
発生することもない。

【００１５】尚、本実施の形態では、巡回作業計画情報
を点検エリア９ａで分けたが、これに限らず、機器種別
９ｂや作業種別９ｃなど作業情報設定テーブル９におけ
る巡回作業計画情報の分割方法を予め設定しておくこと
により、様々な巡回作業計画情報の分割が可能である。
また、本実施の形態では、巡回作業計画情報の分割方法
を点検エリア９ａの１つだけで行なったが、作業情報作
成手段を列毎に作業情報設定テーブルの行を複数個設定
可能とすることもでき、例えば、図２の作業情報設定テ
ーブル９の点検エリア９ａおよび機器種別９ｂの２つを
指定すると、点検エリア９ａで３枚のＩＣカード３を、
また機器種別９ｂで５枚のＩＣカードをそれぞれ作成し
て合計７枚のＩＣカード３とすることもできる。このよ
うにすると、ビル１〜２階の点検を行なっているとき
に、例えば、空調設備の不具合を発見して保全作業対象
ビル８全体の空調設備の点検が必要と判断した場合、ビ
ル１〜２階の点検に関するＩＣカードから空調設備に関
するＩＣカードに差し替え、この空調設備に関する情報
が集約されているＩＣカード３で検索が容易に行なえる
ようになり、点検漏れを無くすことができる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によるビルの
保全作業管理システムは、端末情報処理手段に、点検す
る項目毎に保全方法基準を定めた複数の列およびこの列
毎に区分けされた複数の行で構成した作業情報設定テー
ブルと、この作業情報設定テーブルをどのように分類し
て伝送するかを選択するテーブル選択手段と、このテー
ブル選択手段により選択した情報を作業情報記憶体に伝
送する作業情報作成手段とを設けたため、作業員はテー
ブル選択手段によって選択した作業情報に基づいて作業
情報作成手段で作業情報記憶体に記憶させることができ
るから、この複数枚の作業情報記憶体をそれぞれ携帯情
報端末装置に装着させて並行して保全作業を行なった
り、優先すべきものを選んで保全作業を行なうことも可
能になり、常駐ビル管理が必要な大規模ビルでも、効率
良く保全作業を行なうことができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態によるビルの保全作業管
理システムのブロック構成図である。

【図２】図１に示したビルの保全作業管理システムの作
業情報設定テーブル図である。

【図３】図１に示したビルの保全作業管理システムのＩ
Ｃカードの割り当てを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 中央情報処理手段 １ｂ 記憶部 ２ 端末情報処理手段 ２ｂ 入力部 ２ｃ 制御部 ２ｄ 記憶部 ２ｅ 入出力装置 ３ ＩＣカード ４ 携帯情報端末装置 ９ 作業情報設定テーブル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 清重 東京都足立区中川４丁目16番29号 日立エ レベータテクノサービス株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ビルに設置されている設備機器の保全作
   業に対する過去の実績情報を記憶した記憶部を備えた中
   央情報処理手段と、この中央情報処理手段に接続されて
   前記設備機器の保全作業に対する各種の作業指示情報お
   よび作業管理情報を記憶した記憶部を備えた端末情報処
   理手段と、前記設備機器の保全作業の当日作業予定事項
   を少なくとも記憶した作業情報記憶体とで構成され、前
   記端末情報処理手段は、前記作業指示情報および前記作
   業管理情報に基づいて作業情報を前記作業情報記憶体に
   記憶させるようにしたビルの保全作業管理システムにお
   いて、前記端末情報処理手段に、複数の列毎に予め設定
   された複数の行で構成されている作業情報設定テーブル
   と、この作業情報設定テーブルをどのように分けるか選
   択するテーブル選択手段と、このテーブル選択手段での
   選択に対応して前記記憶部から作業情報を検索して前記
   作業情報記憶体に記憶させる作業情報作成手段とを備え
   たことを特徴とするビルの保全作業管理システム。
2. 【請求項２】 請求項１記載のものにおいて、前記テー
   ブル選択手段は、前記作業情報設定テーブルの少なくと
   も１つの列を選択可能にし、前記作業情報作成手段は、
   前記テーブル選択手段で選択された列に対応する行毎に
   前記記憶部から作業情報を検索して前記作業情報記憶体
   に記憶させるようにしたことを特徴とするビルの保全作
   業管理システム。
3. 【請求項３】 請求項１記載のものにおいて、前記作業
   情報設定テーブルの列は、少なくとも前記ビルの作業エ
   リアと設備機器の種別および作業種別とし、前記作業情
   報作成手段は、前記列毎に前記作業情報設定テーブルの
   行を複数個設定可能としたことを特徴とするビルの保全
   作業管理システム。