JPH1018683A - 吊下扉のレール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 仮令重荷重の扉でも開閉動作がスムーズで、
扉が横振れすることがなく、または扉本体が例え横振れ
したとしても、奇音を発したりレールから外れたりする
虞がないこと。 【構成】 扉本体（１）と扉吊り下げ機構（２）とよな
り、扉吊り下げ機構（２）は、扉本体（１）の上部に固
着した摺動部材（４）と、建造物の入口上辺等に取付け
られるレール部材（５）との所謂摺動部分に、多数の鋼
球（９）を配したこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上利用の分野】この発明は、病院や倉庫や工場や
一般家庭の入口や間仕切りに使用される吊下扉のレール
装置に関する。

【０００２】

【この発明が解決しようとする課題】一般的に吊下扉は
床面に扉のレールや凹みを設けないことから、ベット等
が搬送される病院の入口や病棟に、自動車などが通過す
る倉庫や工場や、近頃は一般家庭にあっても高齢者対策
として家屋の入口や室の間仕切りに用いられている。

【０００３】而してこの種従来の吊下扉は、図１に示す
ような構成のが主流である。即ち図で（Ａ）は扉本体，
（Ｂ）は、扉本体（Ａ）の上端面の一側より上方に突出
させた軸受部材で、垂直方向の滑車（Ｃ）が取付けられ
ている。また、（Ｄ）は例えば建物の入口（Ｅ）上部内
面に取付けたレール支持部材で、上記入口（Ｅ）の上辺
とほぼ同一長さのレール（Ｆ）が固着されており、上記
滑車（Ｃ）がこのレール（Ｆ）上を滑動できるようにし
たものである。

【０００４】而してこのような滑車方式は、レール
（Ｆ）から滑車（Ｃ）が外れ易く、また騒音を発する欠
点があるばかりか、例えば冷凍室の扉本体（Ａ）など重
い扉の場合は、その荷重に耐える構造とせねばならない
こと、扉本体（Ａ）の開閉動作がスムーズに行なわれな
い欠点があった。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】本発明は扉本体（１）と扉
吊り下げ機構（２）とよなり、扉吊り下げ機構（２）
は、扉本体（１）の上部に固着した摺動部材（４）と、
建造物の入口上辺等に取付けられるレール部材（５）と
の所謂摺動部分に、多数の鋼球（９）を配したことがそ
の主な特徴である。即ち鋼球（９）は扉の開閉動作に伴
って横振れすることがなく、または扉本体が例え横振れ
したとしても鋼球（９）は球状であるから、従来の滑車
（Ｃ）と異なり奇音を発したりレールから外れたりする
虞がないのである。

【０００６】また扉本体（１）の荷重が大きい場合は、
上記扉吊り下げ機構（２）を、扉本体（１）上部の垂直
方向に、一対以上固着さればこの荷重に十分対処できる
こと当然である。さらに上記断面「コ」字形の摺動部材
内に相似形の張設部材を篏入させたことで、扉本体の荷
重に対処させると共に摺動部材の上下辺に鋼球方向の弾
力性を持たせるようにしたものである。

【０００７】

【実施例】図３で（１）は病院や倉庫や工場などの出入
口を開閉する扉本体であり、その上端面は上方に突出さ
せて取付鈑（３）がある。（２）は扉吊り下げ機構で、
同図では扉本体（１）より上方に突出させた取り付け鈑
（２）に、垂直方向に一対取り付けられている状態を示
しているが、これは扉本体（１）の荷重に対応させて１
つ或いは複数など適宜選ばれるものである。

【０００８】（３）は、上記取付鈑（３）にその垂直背
面を固着した長尺の「コ」字形の摺動部材で、図６では
上記上記摺動部材（４）の１つを拡大した縦断面図が描
かれている。而して、この「コ」字形の摺動部材（４）
のそれぞれの上下面は、それぞれの対向面方向に第１湾
曲（６）部を形成させてある。（５）は上記「コ」字形
の摺動部材（４）の開放部側から、該摺動部材（４）の
上下面とは間隔（７）を置いてその外方向に被冠させた
レール部材で、上記摺動部材（４）の第１湾曲（６）部
と対向する位置に第２湾曲（８）部があり、これら第１
湾曲（４）部と第２湾曲（８）部間の間隔（７）に多数
の鋼球（９）を介在させる。

【０００９】図で（１０）はこの鋼球（９）の保持部材
で、係る鋼球（９）が上記摺動部材（４）とレール部材
（５）間から離脱しないよう保持する構造であればいず
れの形状でもよいが、この実施例では図示のように上記
間隔（７）に置かれた上記の鋼球（９）を保持する多数
の孔（１１）をもった部材がよい。なお上記レール部材
（５）の長さは建造物（１２）の例えば入口（１３）の
上辺等に固着されるもので、その長さは上記扉本体
（１）の摺動距離と等しい。

【００１０】また図５で、（１４）は定荷重ばね［商標
名ＣＯＮＳＴＯＮ］と呼ばれるもので、図のワイヤー
（１５）の先端を引出しても、押してもまたはそのスト
ロークが長くても、常に一定の力で往復するようになし
たスプリング力を持っているものである。而してこの定
荷重ばね（１４）を、建造物（１２）の入口（１３）の
外側に取り付け、上記ワイヤー（１５）の先端を扉本体
（１）の適宜箇所に固着しておけば、扉本体（１）の滑
動がスムーズで所望の位置で確実に停止させることが出
来るのである。

【００１１】今扉本体（１）を左右方向に摺動させる
と、該扉本体（１）の摺動部材（４）は扉入口（１３）
に固着されたレール部材（５）を滑動する。この場合、
このレール部材（２）は仮令えば扉の本体（１）の荷重
が嵩むものであっても、多数の鋼球（９）を介してレー
ル部材（５）に案内されて滑動することになるから、そ
の滑動はスムーズで奇音を発生する虞れもないのであ
る。

【００１２】なお図に於いて（１６）は上記摺動部材
（４）内に嵌入される張設部材である。この部材（１
６）は摺動部材（４）と略々相似形の「コ」字形である
が、その開放端部（１７）は上記摺動部材（４）の第１
の湾曲（６）部の外面を、それぞれの外方向に押圧する
張力を有する。

【００１３】即ち、斯くなすことによって上記摺動部材
（４）の第１の湾曲（６）部を鋼球（９）方向に押圧す
ることになるので、該鋼球（９）が摺動部材（４）とレ
ール部材（５）間から離脱するのを防止すると共に、鋼
球（９）を少しく押圧することで、鋼球（９）のスムー
ズな回転運動、即ち扉本体（１）のスムーズな開閉動作
を助長させる働きをするものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来装置の全体縦断面図

【図２】本発明装置の全体縦断面図

【図３】摺動部材とレール部材を嵌合させた状態の一部
切り欠つ平面図

【図４】本発明装置を取り付けた扉の正面説明図

【図５】本発明装置に用いられる定荷重ばねの一例を示
す斜視図

【図６】摺動部材とレール部材を嵌合させた状態の縦断
面拡大図

【符号の説明】

１，扉本体 ２，扉吊り下げ機構 ３，取付鈑 ４，摺動材 ５，レール部材 ６，第１湾曲 ７，間隔 ８，第２湾曲 ９，鋼球 １０，保持部材 １１，孔 １２，建造物 １３，入口 １４，張設部材 １５，開放端部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉本体（１）と、扉吊り下げ機構（２）
   とよなり、 扉吊り下げ機構（２）は、扉本体（１）の上部に固着し
   た断面「コ」字形の長尺の摺動部材（４）と、この摺動
   部材（４）の上下方向に間隔を置いてその開放部側から
   被冠させかつ、建造物の入口上辺等に取付けられ、上記
   扉本体の摺動距離とほぼ同等長さのレール部材（５）
   と、このレール部材（５）の上下面と摺動部材（４）の
   内面間に介在させた多数の鋼球（９）とよりなることを
   特徴とする吊下扉のレール装置。
2. 【請求項２】上記扉吊り下げ機構（２）は、扉本体
   （１）上部の垂直方向に、一対以上固着されていること
   が特徴の上記請求項１に示された吊下扉のレール装置。
3. 【請求項３】 上記断面「コ」字形の摺動部材内に相似
   形の張設部材を嵌入させ、扉本体の荷重に対処させると
   共に摺動部材の上下辺に鋼球方向の弾力性を持たせるよ
   うにしたことを特徴とする請求項１および２記載の吊下
   扉のレール装置。