JPH10186827A - トナー濃度センサ装置 - Google Patents

トナー濃度センサ装置

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JPH10186827A
JPH10186827A JP8341821A JP34182196A JPH10186827A JP H10186827 A JPH10186827 A JP H10186827A JP 8341821 A JP8341821 A JP 8341821A JP 34182196 A JP34182196 A JP 34182196A JP H10186827 A JPH10186827 A JP H10186827A
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color
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Atsuo Fujikawa
淳雄 藤川
Shinya Kawanishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラートナー濃度およびブラックトナー濃度を
広い濃度範囲にわたって高精度に検出する。 【解決手段】赤外発光ダイオード1から感光体ドラム8
上の所定領域に赤外光を照射し、赤外受光素子2にて受
光される赤外光量に基づいて感光体ドラム8に付着した
トナー9の濃度を検出するトナー濃度センサ装置であっ
て、赤外受光素子2の出力を電圧に変換する電流−電圧
変換回路3と、この電流−電圧変換回路3の出力電圧を
入力とし、イエロー、マゼンタ、シアン等の各カラート
ナー濃度に応じた出力が得られるように基準電圧および
回路増幅率が決定されたカラー増幅回路4と、電流−電
圧変換回路3の出力電圧を入力とし、ブラックトナー濃
度に応じた出力が得られるように基準電圧および回路増
幅率が決定されたブラック増幅回路5とで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー複写機、カ
ラープリンター等のカラー画像形成装置において、カラ
ー画像の形成に使用されるカラートナーおよびブラック
トナーの濃度を検出するために使用されるトナー濃度セ
ンサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー複写機では、通常、感光体ドラム
上に形成された静電潜像に、イエロー(Ye)、マゼン
タ(Mg)、シアン(Cy)の3色のカラートナーを選
択的に付着させてカラー画像を形成し、そのカラー画像
を転写紙等に転写することにより、複写画像が形成され
る。このようなカラー複写機では、これら3色のカラー
トナーによって、ブラックを含む全てのカラーを再現す
ることができるが、ブラックをより鮮明に表現するため
に、これら3色のカラートナーとともに、ブラックトナ
ーを使用することも実施されている。
【0003】カラートナーとともにブラックトナーを使
用するカラー複写機では、良好な色再現性を得るため
に、感光体ドラムに付着したカラートナーおよびブラッ
クトナーの濃度を検出するトナー濃度センサが使用され
ている。カラートナーおよびブラックトナーの濃度を検
出するトナー濃度センサは、通常、モノクロ複写機にお
いてブラックトナーの濃度を検出するために使用される
トナー濃度センサと同様の構造になっている。
【0004】図8(a)はカラートナーおよびブラック
トナーの濃度検出に使用される従来のトナー濃度センサ
の検出部の正面図、図8(b)はその側面図である。こ
のトナー濃度センサ50は、感光体ドラム20の所定領
域21に付着したトナーに対して赤外光を照射する赤外
発光ダイオード51と、その所定領域21に付着したト
ナー23によって反射された赤外光を受光する赤外受光
素子52とがケース53内に配置された反射型になって
いる。赤外発光ダイオード51は、感光体ドラム20に
おけるトナー23が付着される所定領域21に対して、
所定の傾斜角度で赤外光を照射するように配置されてお
り、また、赤外受光素子52は、感光体ドラム20の所
定領域21にて鏡面反射(正反射)される赤外光を受光
するように配置されている。
【0005】このようなトナー濃度センサ50では、赤
外発光ダイオード51から照射されて感光体ドラム20
の所定領域21に付着したトナー23にて反射された赤
外光が赤外受光素子52にて受光されるようになってお
り、赤外受光素子52は、受光した赤外光の光量に対応
した電圧を出力する。そして、赤外受光素子52の出力
電圧に基づいて、感光体ドラム20の所定領域21に付
着したトナー23の濃度が検出される。
【0006】図9は、ブラックトナーの分光反射率を示
すグラフ、図10は、感光体ドラム20表面の分光反射
率を示すグラフである。ブラックトナーは、図9に示す
ように、400 〜900 nmの波長の光に対して低い反射率に
なっているが、感光体ドラム20の表面は、図10に示
すように、光の波長が大きくなるにつれて反射率が順次
大きくなり、赤外領域の光に対しては、50%以上の反射
率になっている。
【0007】感光体ドラム20の所定領域21にトナー
が付着していない場合には、赤外発光ダイオード51か
ら照射された赤外光は、感光体ドラム20の表面によっ
て鏡面反射されるとともに、感光体ドラム20の表面に
て拡散反射される。トナー濃度センサ50の赤外受光素
子52には、感光体ドラム20の表面にて鏡面反射した
光と、感光体ドラム20の表面の反射率によって決まる
拡散反射光とが受光される。
【0008】これに対して、感光体ドラム20の所定領
域21にブラックトナーが付着すると、ブラックトナー
の付着量に応じて、感光体ドラム20の表面によって鏡
面反射する赤外光の量が減少するとともに、感光体ドラ
ム20の表面およびブラックトナーの双方にて拡散反射
する赤外光の量も減少する。そして、ブラックトナーの
付着量(ブラックトナーの濃度)が増加すると、最終的
には、ブラックトナーによる拡散反射光のみが赤外受光
素子52によって受光されることになり、赤外受光素子
52の出力は一定となる。
【0009】図11(a)はイエロートナーの分光反射
率を示すグラフ、図11(b)はマゼンタトナーの分光
反射率を示すグラフ、図11(c)はシアントナーの分
光反射率を示すグラフである。イエロートナーは、500
nm程度以下の波長の光に対しては反射率が低く、マゼン
タトナーは500 〜600 nm程度の波長の光に対しては反射
率が低く、シアントナーは600 〜800 nm程度の波長の光
に対しては反射率が低くなっている。従って、全てのカ
ラートナーは、赤外領域の光に対しては反射率が大き
く、また、図10に示した感光体ドラム20の表面の赤
外領域の光に対する反射率よりも大きくなっている。
【0010】このようなカラートナーでは、感光体ドラ
ム20の表面に対する付着量(カラートナー濃度)が増
加する(大きくなる)と、感光体ドラム20表面による
鏡面反射光量は減少する。しかし、感光体ドラム20の
表面による赤外光の反射率よりも各カラートナーによる
赤外光の反射率が大きいために、感光体ドラム20に付
着する各カラートナー量が増加すると、拡散反射される
赤外光の光量が増加することになる。そして、感光体ド
ラム20表面に付着するカラートナー量が一定値以上に
なると、赤外受光素子52には、感光体ドラム20表面
からの鏡面反射光は受光されず、カラートナーによる拡
散反射光のみが受光される状態になり、赤外受光素子5
2の出力は一定になる。
【0011】図3は、各カラートナーの濃度およびブラ
ックトナーの濃度とトナー濃度センサの出力電圧との関
係を示すグラフである。ブラックトナーの場合には、感
光体ドラム20表面における赤外光の反射率よりも、赤
外光の反射率が小さいために、図3に実線(ドラム反射
率=50%の場合)で示すように、感光体ドラム20の
所定領域21に付着したブラックトナーの濃度が大きく
なるほど、すなわち、感光体ドラム20の所定領域21
に付着したブラックトナー量が多くなるほど、ブラック
トナーにて拡散反射される赤外光量が減少するために、
赤外受光素子52の出力電圧V02が減少する。
【0012】感光体ドラム20の表面にトナーが付着し
ていない(トナー濃度が0mg/cm2)状態で、感光体ド
ラム20表面による赤外光の拡散反射光を受光した赤外
受光素子52の出力電圧を2Vとすると、ブラックトナ
ーを最適な色再現性が得られる濃度Amg/cm2 となるよ
うに感光体ドラム20に付着させた場合、そのブラック
トナーによる赤外光の拡散反射光を受光した赤外受光素
子52の出力電圧V02は2Vよりも低下する。そして、
感光体ドラム20に付着したブラックトナーの濃度がさ
らに上昇すると、そのブラックトナーによる赤外光の拡
散反射光を受光した赤外受光素子52の出力電圧V02
さらに低下する。
【0013】反対に、イエロー、マゼンタ、シアンの各
カラートナーの場合には、各カラートナーによる赤外光
の反射率は、感光体ドラム20の表面における赤外光の
反射率よりも大きいために、図3に同じく実線で示すよ
うに、感光体ドラム20の所定領域21に付着したカラ
ートナーの濃度が大きくなるほど、すなわち、感光体ド
ラム20の所定領域21に付着したカラートナーの量が
多くなるほど、カラートナーにて拡散反射される赤外光
量が増加し、赤外受光素子52の出力電圧V01が増加す
る。
【0014】そして、トナー濃度を最適な色再現性が得
られるAmg/cm2 となるように、感光体ドラム20に付
着させた場合には、そのカラートナーによる赤外光の拡
散反射光を受光した赤外受光素子52の出力電圧V01
2Vよりも上昇し、トナー濃度がさらに上昇すると、そ
のカラートナーによる赤外光の拡散反射光を受光した赤
外受光素子52の出力電圧V01はさらに上昇する。
【0015】このように、感光体ドラム20の表面にト
ナーが付着していない状態(トナー濃度が0mg/cm2
のとき、赤外受光素子52の出力電圧V01,V02が共に
同一の出力電圧(2V)となり、特にカラートナー濃度
の出力電圧V01の変化量ΔV 01が小さいため、トナー濃
度に対する検出精度が低下するといった問題があった。
【0016】また、トナー濃度0mg/cm2 のときの出力
電圧V01,V02は、感光体ドラム20の反射率によって
異なり、反射率が高いと(ドラム反射率≧50%)、図
3に一点鎖線で示すように出力電圧V01,V02は共に高
くなり、反射率が低いと(ドラム反射率≦50%)、図
3に一点鎖線で示すように出力電圧V01,V02は共に低
くなる。そのため、感光体ドラム20の表面にトナーが
付着していない状態(トナー濃度が0mg/cm2 )のとき
の赤外受光素子52の出力電圧と、トナー濃度がAmg/
cm2 のときの赤外受光素子52の出力電圧との差(出力
電圧差)ΔV01,ΔV02に誤差を生じるといった問題が
あった。つまり、ドラム反射率が高いときにはΔV01
精度が悪くなる反面、ΔV02の精度がやや良くなり、ド
ラム反射率が低いときにはΔV02の精度が悪くなる反
面、ΔV01の精度がやや良くなる。
【0017】因みに、感光体ドラム20の反射率は、図
8(a)で示したトナー濃度センサ50の取り付け位置
が、感光体ドラム20の表面に対して適正であるときに
は、50%となる。これに対し、トナー濃度センサ50
の取り付け位置が、感光体ドラム20の表面に対して図
中矢符a方向に傾いている場合には、正反射光が多くな
るとともに、赤外発光ダイオード51から感光体ドラム
20の表面までの光路長が短くなって、感光体ドラム2
0の反射率が50%以上となる。また、トナー濃度セン
サ50の取り付け位置が、感光体ドラム20の表面に対
して図中矢符b方向に傾いている場合には、正反射光が
少なくなるとともに、赤外発光ダイオード51から感光
体ドラム20の表面までの光路長が長くなって、感光体
ドラム20の反射率が50%以下となる。
【0018】また、赤外発光ダイオード50の放射束に
ついても、例えば放射束TYPの赤外発光ダイオードに
ついて、図7に実線で示すような出力特性を得たとする
と、この放射束TYPよりも大きい放射束の赤外発光ダ
イオードを使用した場合には、図7に一点鎖線で示すよ
うな出力特性となり、この放射束TYPよりも小さい放
射束の赤外発光ダイオードを使用した場合には、図7に
二点鎖線で示すような出力特性となる。つまり、赤外発
光ダイオード50の放射束のばらつきによって出力自体
も一定しないといった問題があった。
【0019】また、赤外発光ダイオード50の経時変化
によって光量が劣化したときの出力電圧V01,V02は共
に下がってしまうため、初期のトナー濃度出力電圧とは
異なった出力電圧となってしまうといった問題があっ
た。すなわち、図3に実線で示した経時変化前の出力特
性と、図6に示した経時変化後の出力特性とを比較する
と、トナー濃度Aにおいて、図3の出力電圧V01は2.
8V付近であり、トナー付着無し(トナー濃度が0mg/
cm2 )のときの出力電圧(2V)との出力電圧差ΔV01
は約0.8Vとなっている。一方、図6のトナー濃度A
において、出力電圧V01は1.9V付近であり、トナー
付着無し(トナー濃度が0mg/cm2 )のときの出力電圧
(1.5V)との出力電圧差ΔV02は約0.4Vとなっ
ている。つまり、出力電圧差0.4Vは、図3の出力特
性ではトナー濃度A′となっており、実際にはトナー濃
度Aであるにも係わらず、トナー濃度A′であると誤っ
て検出してしまうことになる。このことは、出力電圧V
02についても同様である。
【0020】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、カラートナー濃度およびブラック
トナー濃度を広い濃度範囲にわたって高精度に検出する
ことができ、従って、カラー複写機等画像形成装置によ
って形成されるカラー画像の色再現性を著しく向上させ
ることができるトナー濃度センサ装置を提供することに
ある。また、本発明の他の目的は、赤外発光ダイオード
の放射束ばらつきを無くすことによって、正確にトナー
濃度を検出することのできるトナー濃度センサ装置を提
供することにある。また、本発明のさらに他の目的は、
赤外発光ダイオードの出力が経時的に低下しても、正確
にトナー濃度を検出することができるトナー濃度センサ
装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のトナー濃度セン
サ装置は、赤外発光ダイオードから感光体上の所定領域
に赤外光を照射し、赤外受光素子にて受光される赤外光
量に基づいて感光体に付着したトナーの濃度を検出する
トナー濃度センサ装置において、前記赤外受光素子の出
力を電圧に変換する電流−電圧変換回路と、この電流−
電圧変換回路の出力電圧を入力とし、イエロー、マゼン
タ、シアン等の各カラートナー濃度に応じた出力が得ら
れるように基準電圧および回路増幅率が決定されたカラ
ー増幅回路と、前記電流−電圧変換回路の出力電圧を入
力とし、ブラックトナー濃度に応じた出力が得られるよ
うに基準電圧および回路増幅率が決定されたブラック増
幅回路とを備えたことを特徴とする。
【0022】前記カラー増幅回路は、前記基準電圧を、
トナー付着無し状態での出力電圧が前記感光体の反射率
が50%のときのトナー付着無し状態での出力電圧より
低くなるように設定するとともに、前記回路増幅率を、
前記感光体の反射率が50%のときの回路増幅率より大
きくなるように設定し、前記ブラック増幅回路は、前記
基準電圧を、トナー付着無し状態での出力電圧が前記感
光体の反射率が50%のときのトナー付着無し状態での
出力電圧より高くなるように設定するとともに、前記回
路増幅率を、前記感光体の反射率が50%のときの回路
増幅率より大きくなるように設定したことを特徴とす
る。
【0023】また、前記赤外発光ダイオードの駆動電流
を制御する制御端子を備えたことを特徴とする。
【0024】また、前記赤外発光ダイオードが劣化する
前の前記感光体にトナーが付着していないときの出力値
を初期値として記憶する記憶部と、前記感光体にトナー
が付着していないときの出力値と前記記憶部に記憶され
ている初期値とを定期的に比較して、前記出力値が前記
初期値に一致するように前記赤外発光ダイオードの駆動
電流を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明のトナー濃度センサ装置の
電気的構成を示すブロック図である。このトナー濃度セ
ンサ装置の検出部は、感光体ドラム8の所定領域に付着
したトナー9に対して赤外光を照射する赤外発光ダイオ
ード1と、その所定領域に付着したトナー9によって反
射された赤外光を受光する赤外受光素子2とがケース内
に配置された反射型となっており、赤外受光素子2のカ
ソード端子は、電流−電圧(I/V)変換回路3を構成
するオペアンプOP1の非反転入力端子と基準電圧Vre
f1とに接続されている。また、赤外受光素子2のアノー
ド端子は、オペアンプOP1の反転入力端子に接続され
ているとともに、抵抗R1を介してオペアンプOP1の
出力端子に接続されている。
【0027】また、オペアンプOP1の出力は、抵抗R
2を介してオペアンプOP2の反転入力端子に接続され
ているとともに、出力端子と反転入力端子とが抵抗R3
によって接続されており、オペアンプOP2の非反転入
力端子には、基準電圧Vref2が与えられている。これら
オペアンプOP2および抵抗R2,R3によってカラー
増幅回路4を構成している。
【0028】また、オペアンプOP1の出力は、抵抗R
4を介してオペアンプOP3の反転入力端子に接続され
ているとともに、出力端子と反転入力端子とが抵抗R5
によって接続されており、オペアンプOP3の非反転入
力端子には、基準電圧Vref1が与えられている。これら
オペアンプOP3および抵抗R4,R5によってブラッ
ク増幅回路5を構成している。また、カラー増幅回路4
の出力およびブラック増幅回路5の出力は、マイクロコ
ンピュータを搭載した制御部6のアナログ−デジタル
(A/D)変換入力端子に接続されている。
【0029】また、アノード端子に駆動電圧VDDが与え
られた赤外発光ダイオード1のカソード端子は、ベース
端子が制御部6のD/A変換出力端子に接続され、エミ
ッタ端子がアース電位に接続されたトランジスタQ1の
コレクタ端子に、制御端子1aを介して接続されてい
る。赤外発光ダイオード1は、制御部6によるトランジ
スタQ1の制御によって駆動電流が制御されるようにな
っている。
【0030】また、制御部6には、E2 PROMのよう
な不揮発性メモリによって構成された記憶部7が接続さ
れており、この記憶部7は、赤外発光ダイオード1が劣
化する前の感光体ドラム8にトナー9が付着していない
ときの出力電圧(V01,V02)を初期値として記憶す
る。
【0031】図2は、赤外発光ダイオード1の駆動電流
を制御する制御回路の他の実施形態を示している。すな
わち、アノード端子に駆動電圧VDDが与えられた赤外発
光ダイオード1のカソード端子は、エミッタ端子が抵抗
R7を介してアース電位に接続されたトランジスタQ1
のコレクタ端子に接続されており、トランジスタQ1の
ベース端子が、制御端子1aを介して制御部6のD/A
変換出力端子に接続されたものである。
【0032】このような構成のトナー濃度センサ装置に
おいて、赤外受光素子2に電流Iが発生したとすると、
カラー増幅回路4の出力電圧V01およびブラック増幅回
路5の出力電圧V02はそれぞれ、
【0033】
【数1】 V01=Vref2+(R3/R2)×(Vref1−Vref2)+R3×R1×I/R2 ・・・(1) V02=Vref1+(R5/R4)×R1×I ・・・(2) となる。ただし、図3の場合、Vref1=Vref2=1Vで
ある。
【0034】図3において、感光体ドラム8の表面にト
ナー9が付着していない状態(トナー濃度が0mg/c
m2 )のときと、トナー濃度がB(mg/cm2 )のときの
出力電圧差ΔV01,ΔV02は、ΔV01≒1V、ΔV02
1Vである。
【0035】これに対し、高精度化したトナー濃度セン
サ装置の出力例を示す図5においては、感光体ドラム8
の表面にトナーが付着していない状態(トナー濃度が0
mg/cm2 )のときと、トナー濃度がB(mg/cm2 )のと
きの出力電圧差ΔV01′,ΔV02′は、ΔV01′≒2.
6V、ΔV02′≒2Vである。従って、図5に示す出力
電圧V01,V02の傾きを得るためには、図3のV01の増
幅率(R3/R2)を2.6倍、V02の増幅率(R5/
R4)を2倍にする必要がある。
【0036】一方、図3の基準電圧にてこのような増幅
を行うと、図4に示すような出力特性となり、V02に関
しては理想的な出力特性を得ることができる。しかしな
がら、V01については、図4に破線で示すように、感光
体ドラム8の表面にトナーが付着していない状態(トナ
ー濃度が0mg/cm2 )の時点で、すでにオペアンプOP
2の飽和電圧になっており、カラートナー濃度の検出が
全く行えない状態となる。
【0037】そこで、この破線で示す出力特性が検出可
能なレベルとなるように、感光体ドラム8の表面にトナ
ーが付着していない状態(トナー濃度が0mg/cm2 )の
ときの出力電圧V01を1Vにする必要がある。これは、
上記(1)式の基準電圧Vref2の値を変更(Vref2<V
ref1)することによって、調整することができる。調整
後の出力特性は図5に示したものとなる。
【0038】このように、感光体ドラム8およびトナー
9の反射率によって基準電圧Vref1,Vref2、および増
幅率を調整することによって、カラートナー濃度および
ブラックトナー濃度を検出したときの各出力電圧V01
02の特性は、図5に示すようになり、トナー濃度検出
を高精度に行うことができるものである。
【0039】一方、赤外発光ダイオード1の放射束のば
らつきにより、出力特性も図7に示すようにばらつきを
生じる。この場合、放射束TYPよりも大きい放射束の
赤外発光ダイオードを使用したとき(図中、一点鎖線で
示す出力特性)には、駆動電流を小さく(入力電圧を低
く)して放射束を小さくしていくことにより、放射束T
YPの出力特性(図中、実線で示す特性)を得ることが
できる。また、放射束TYPよりも小さい放射束の赤外
発光ダイオードを使用したとき(図中、二点鎖線で示す
出力特性)には、駆動電流を大きく(入力電圧を高く)
して放射束を大きくしていくことにより、放射束TYP
の出力特性(図中、実線で示す特性)を得ることができ
る。このように駆動電流を制御することにより、放射束
のばらつき(すなわち、センサ出力のばらつき)を無く
すことができ、トナー濃度における一定の出力電圧を得
ることが可能となるものである。
【0040】一方、赤外発光ダイオード1が経時的に劣
化していくと、従来の技術でも述べたように、図3に実
線で示した初期の出力特性データが、図6に示した劣化
後の出力特性データとなり、初期の出力特性データと異
なるデータとなるため、トナー濃度を誤検出してしま
う。従って、劣化時には、赤外発光ダイオード1の駆動
電流を多く(入力電圧を大きく)して、初期の出力特性
データに戻す必要がある。そこで、赤外発光ダイオード
1が劣化する前の、感光体8にトナーが付着していない
ときの出力電圧値を初期の出力電圧値として記憶部7に
記憶しておき、使用中において感光体8にトナーが付着
していないときの出力電圧値と、記憶部7に記憶されて
いる初期の出力電圧値とを定期的に比較し、実際の出力
電圧値が初期の出力電圧値に一致するように、赤外発光
ダイオード1の駆動電流を制御する。これにより、トナ
ー濃度における一定の出力電圧を得ることが可能となる
ものである。
【0041】
【発明の効果】本発明のトナー濃度センサ装置は、カラ
ー増幅回路の基準電圧および回路増幅率を各カラートナ
ー濃度に応じた出力が得られるように決定し、ブラック
増幅回路の基準電圧および回路増幅率をブラックトナー
濃度に応じた出力が得られるように決定したので、拡散
反射方式の特徴をより生かした高精度のトナー濃度検出
が可能となる。従って、カラー複写機等のカラー画像形
成装置において、色再現性に優れたカラー画像を形成す
ることができる。
【0042】また、本発明のトナー濃度センサ装置は、
赤外発光ダイオードの駆動電流を制御する制御端子を備
えるとともに、赤外発光ダイオードが劣化する前の感光
体にトナーが付着していないときの出力値を初期値とし
て記憶し、感光体にトナーが付着していないときの出力
値と記憶されている初期値とを定期的に比較して、出力
値が初期値に一致するように赤外発光ダイオードの駆動
電流を制御するようにしたので、赤外発光ダイオードの
放射束のばらつきや、経時的な劣化があっても、トナー
濃度を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー濃度センサ装置の電気的構成を
示すブロック図である。
【図2】赤外発光ダイオードの駆動電流を制御する制御
回路の他の実施形態を示す図である。
【図3】カラートナーの濃度およびブラックトナーの濃
度と、トナー濃度センサ装置における赤外受光素子の出
力電圧との一般的な関係(出力特性)を示すグラフであ
る。
【図4】図3に示す基準電圧で増幅率を大きくしたとき
の出力特性を示すグラフである。
【図5】カラートナーの濃度およびブラックトナーの濃
度と、高精度化した本発明のトナー濃度センサ装置にお
ける赤外受光素子の出力電圧との関係(出力特性)を示
すグラフである。
【図6】赤外発光ダイオードが経時的に劣化した後の出
力特性を示すグラフである。
【図7】赤外発光ダイオードの放射束にばらつきがある
ときのそれぞれの出力特性を示すグラフである。
【図8】(a)は従来のトナー濃度センサの実施の形態
の一例を示す正面図、(b)はその側面図である。
【図9】ブラックトナーの分光反射率の概略を示すグラ
フである。
【図10】感光体ドラムの分光反射率の概略を示すグラ
フである。
【図11】(a)はイエロートナーの分光反射率の概略
を示すグラフ、(b)はマゼンタトナーの分光反射率の
概略を示すグラフ、(c)はシアントナーの分光反射率
の概略を示すグラフである。
【符号の説明】
1 赤外発光ダイオード 1a 制御端子 2 赤外受光素子 3 I/V変換回路 4 カラー増幅回路 5 ブラック増幅回路 6 制御部 7 記憶部 8 感光体ドラム 9 トナー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外発光ダイオードから感光体上の所定
    領域に赤外光を照射し、赤外受光素子にて受光される赤
    外光量に基づいて感光体に付着したトナーの濃度を検出
    するトナー濃度センサ装置において、 前記赤外受光素子の出力を電圧に変換する電流−電圧変
    換回路と、 この電流−電圧変換回路の出力電圧を入力とし、イエロ
    ー、マゼンタ、シアン等の各カラートナー濃度に応じた
    出力が得られるように基準電圧および回路増幅率が決定
    されたカラー増幅回路と、 前記電流−電圧変換回路の出力電圧を入力とし、ブラッ
    クトナー濃度に応じた出力が得られるように基準電圧お
    よび回路増幅率が決定されたブラック増幅回路とを備え
    たことを特徴とするトナー濃度センサ装置。
  2. 【請求項2】 前記カラー増幅回路は、前記基準電圧
    を、トナー付着無し状態での出力電圧が前記感光体の反
    射率が50%のときのトナー付着無し状態での出力電圧
    より低くなるように設定するとともに、前記回路増幅率
    を、前記感光体の反射率が50%のときの回路増幅率よ
    り大きくなるように設定し、前記ブラック増幅回路は、
    前記基準電圧を、トナー付着無し状態での出力電圧が前
    記感光体の反射率が50%のときのトナー付着無し状態
    での出力電圧より高くなるように設定するとともに、前
    記回路増幅率を、前記感光体の反射率が50%のときの
    回路増幅率より大きくなるように設定したことを特徴と
    する請求項1記載のトナー濃度センサ装置。
  3. 【請求項3】 前記赤外発光ダイオードの駆動電流を制
    御する制御端子を備えたことを特徴とする請求項1又は
    2記載のトナー濃度センサ装置。
  4. 【請求項4】 前記赤外発光ダイオードが劣化する前の
    前記感光体にトナーが付着していないときの出力値を初
    期値として記憶する記憶部と、 前記感光体にトナーが付着していないときの出力値と前
    記記憶部に記憶されている初期値とを定期的に比較し
    て、前記出力値が前記初期値に一致するように前記赤外
    発光ダイオードの駆動電流を制御する制御部とを備えた
    ことを特徴とする請求項3記載のトナー濃度センサ装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6597878B2 (en) 2000-09-29 2003-07-22 Seiko Epson Corporation Apparatus for measuring quantity of toner, and image forming apparatus comprising measuring apparatus
US6674988B2 (en) 2001-01-31 2004-01-06 Sharp Kabushiki Kaisha Toner misregistration detection sensor, color image-forming apparatus using the same, and method for toner misregistration detection
JP2008304934A (ja) * 2008-07-28 2008-12-18 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体および画像形成装置
EP2853947A1 (en) 2013-09-30 2015-04-01 Omron Corporation Optical sensor, image forming device, and method for correcting toner concentration

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