JPH10186343A - アクティブマトリクス型液晶表示装置 - Google Patents

アクティブマトリクス型液晶表示装置

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JPH10186343A
JPH10186343A JP34213896A JP34213896A JPH10186343A JP H10186343 A JPH10186343 A JP H10186343A JP 34213896 A JP34213896 A JP 34213896A JP 34213896 A JP34213896 A JP 34213896A JP H10186343 A JPH10186343 A JP H10186343A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間絶縁膜を介在することで、走査線や信号
線とは別層に画素電極が形成され、画素電極の周辺部を
走査線や信号線にオーバーラップさせることで、高い開
口率を有するアクティブマトリクス型液晶表示装置で
は、信号線と画素電極とがオーバーラップするため、信
号線と画素電極との間の容量が大きいと、縦クロストー
クが発生し、表示品位が低下する。 【解決手段】 層間絶縁膜17の材料となる感光性樹脂
の光官能基に、該光官能基によって発生する双極子モー
メントを相殺し得るベクトルの双極子モーメントを誘起
させる残基を付加し、感光性樹脂の誘電率低下を図る。
これにより、層間絶縁膜17の誘電率を低減化し、信号
線と画素電極との間の容量を低減し、縦クロストークの
発生を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示用の画素電極
にスイッチング素子を介して駆動信号を印加することに
より表示を行うアクティブマトリクス型液晶表示装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置では、マトリクス状
に配列された複数の画素電極とこれらの画素電極と対向
して配される対向電極とを備え、両電極間に液晶が介在
されている。上記の液晶表示装置は、画素電極に選択的
に電圧を印加することにより、画面上に表示パターンを
形成し、さらに、選択された画素電極と対向電極との間
に印加される電圧により、液晶が表示データを光学的に
変調して上記の表示パターンを可視化する。
【0003】画素電極の駆動方法としては、マトリクス
状に配された画素電極のそれぞれにスイッチング素子を
接続し、画素電極個々をスイッチング素子により駆動す
る、いわゆるアクティブマトリクス駆動方法が知られて
おり、また、スイッチング素子としては、TFT(薄膜
トランジスタ)、MIM(金属−絶縁膜−金属)素子等
が知られている。
【0004】アクティブマトリクス駆動方法で駆動され
るアクティブマトリクス型液晶表示装置の液晶表示パネ
ルは、基板上に、複数の走査線、該走査線と直交するよ
うに形成された複数の信号線、隣り合う上記走査線と隣
り合う上記信号線とで囲まれた領域に配置される画素電
極、及び上記走査線からの走査信号によりON・OFF
して上記画素電極への信号線を介しての表示信号の入力
をスイッチングするスイッチング素子を有するアクティ
ブマトリクス基板を備えている。
【0005】上記の液晶表示パネルは、このアクティブ
マトリクス基板と、対向電極を備えた対向基板とが、数
μmの空間を介して対向して貼り合わされ、その間隙に
液晶が封入された構成である。
【0006】図6に、スイッチング素子としてTFTを
備えた、アクティブマトリクス型液晶表示装置の液晶表
示パネルの等価回路図を示す。TFT36のゲート電極
は走査線31に、ソース電極は信号線32にそれぞれ接
続されている。TFT36のドレイン電極は、対向基板
側の対向電極と、その間に挟持された液晶とで液晶容量
34を構成する画素電極と、付加容量35の一方の端子
に接続されている。この付加容量35は、保持動作を改
善し高画質化するために液晶容量34と並列に付加され
るものであり、付加容量35のもう一方の端子は、付加
容量配線(以下、Cs線と称する)33に接続され、対
向基板側の対向電極と接続されている。
【0007】上記構成において、走査線31からの走査
信号によりゲート電極が選択状態になるとTFT36は
ONし、信号線32からの表示信号を液晶容量34と付
加容量35とに書き込む。一方、ゲート電極が走査信号
により非選択状態となるとTFT36はOFFし、不要
な表示信号の入力を防ぎ、液晶容量34及び付加容量3
5に書き込まれた表示信号が保持される(保持動作)。
【0008】ところで、アクティブマトリクス基板にお
いて、画素電極は、基板上で信号線または走査線(バス
ライン)と同じ平面上に形成されることが多く、バスラ
インと接触しないように配置されているが、その一方、
例えば図7に示すように、層間絶縁膜48を介在させ
て、画素電極49を、信号線47や走査線(TFT40
のゲート電極42と同層)とは厚み方向に異なる別表面
に形成することも提案されている(特開昭58−172
685号公報等)。
【0009】図7に示すアクティブマトリクス基板で
は、基板41上に、ゲート電極42、ゲート絶縁膜4
3、半導体層44、チャネル層45、n+ −Si層から
なるソース電極46a及びドレイン電極46bが順に積
層されてTFT40が構成されており、上記ソース電極
46aと金属層からなる信号線47とが接続され、ドレ
イン電極46bと金属層からなる接続電極50とが接続
されている。
【0010】そして、上記TFT40及び、信号線47
等を覆うように層間絶縁膜48が設けられ、この上に透
明導電膜からなる画素電極49が形成されている。画素
電極49とTFT40との接続は、上記接続電極50と
画素電極49とを層間絶縁膜48に設けたコンタクトホ
ール48aを介して接続することで成されている。
【0011】このような層間絶縁膜48を介在させる構
成では、信号線47及び走査線に対して画素電極49を
オーバーラップさせることが可能となるので、画素電極
49の面積を大きくして開口率の向上が図れる。また、
信号線47に対して画素電極49をオーバーラップさせ
た構成では、画素電極49と信号線47との隔たりに起
因した液晶に電界が印加されない領域が形成されず、か
つ、隣接する画素電極49間での液晶に電界が印加され
ないことによる光漏れが信号線47によって遮断される
こととなるので、対向電極側に貼合せズレを見込んだ上
でブラックマトリクスを形成していた従来の構成に比
べ、開口率の向上が図れる。また、信号線47や走査線
に起因する電界をシールドすることによる液晶の配向不
良の抑制といった効果もある。
【0012】一方、上記の層間絶縁膜48には、例えば
一般式(2)
【0013】
【化2】
【0014】(式中、Xはアクリル樹脂の主鎖或いは側
鎖を表す)で表される、アクリル樹脂に感光剤としてナ
フトキノンジアジド系感光剤を用いたアクリル系のポジ
型感光性樹脂が従来からよく用いられている。尚、式
中、Xで表されるアクリル樹脂としては、例えばメタク
リル酸とグリシジルメタクリレートのポリマー等が用い
られる。ナフトキノンジアジド系感光剤を用いた上記感
光性樹脂は、水銀灯の光によって化学式(3)にて示す
加水分解反応をする。
【0015】
【化3】
【0016】(式中、Xはアクリル樹脂の主鎖或いは側
鎖を表す) 上記の感光性樹脂は、感光部分がアルカリ現像液に溶解
する透明度の高いポジ型の感光性樹脂であり、フォトレ
ジスト塗布→露光→現像→エッチングといった工程を経
ることなく、露光→アルカリ現像といった容易な工程
で、層間絶縁膜48に上記したコンタクトホール48a
をパターニングできる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように信号線や走査線に対して画素電極をオーバーラ
ップさせるアクティブマトリクス基板の場合、画素電極
の開口率を向上でき、高輝度である等の利点を有する反
面、信号線と画素電極との間の容量が増加することによ
る表示品位の低下といった問題がある。
【0018】即ち、図7に示すアクティブマトリクス基
板を基に説明すると、オーバーラップ部分の信号線47
と画素電極49との間に介在する層間絶縁膜48に電荷
が蓄積されることとなるが、もしも信号線47と画素電
極49との間の容量が大きい場合、液晶容量及び付加容
量に保持されている表示信号が保持期間の間に信号線4
7の電位によって揺動を受け、その画素の液晶に印加さ
れる実効値が変動する。その結果、実際の表示におい
て、信号線47の方向に沿った縦クロストークが見えて
しまい、表示品位の低下が起こる。そして、このような
縦クロストークの発生は、より高周波での駆動が要求さ
れる高精細な画素密度であるXGA、S−XGA、EW
S対応への展開が図れないといった問題にもつながる。
【0019】そこで、信号線47と画素電極49との間
の容量を低減させることが必要となる。その一つの方法
として、層間絶縁膜48の膜厚を厚くすることが考えら
れるが、膜厚を厚くすると、画素電極49の材料である
透明導電膜の乗り上げを考慮したコンタクトホール48
aの形成が困難となると共に、材料費の増加によるコス
トアップにもなる。また、コンタクトホール48a周辺
における液晶配向の乱れに伴う光漏れによるコントラス
ト低下もより顕著に起こることとなる。
【0020】そこで、本願発明者は、別の方法として、
層間絶縁膜48の誘電率を低減させるべく、光官能基の
含有量を低減することを試みた。層間絶縁膜48の材料
となる感光性樹脂では、光官能基による双極子モーメン
トにより、誘電率がベース樹脂の有する誘電率より高く
なっている。例えば、前記一般式(2)で表されるアク
リル系のポジ型感光性樹脂においては、光官能基に、以
下に示すような双極子モーメントμが存在し、この双極
子モーメントμにより、感光性樹脂の誘電率が高くな
る。
【0021】
【化4】
【0022】(式中、Xはアクリル樹脂の主鎖或いは側
鎖を表し、δ- 、δ+ は分極した極性を表す) しかしながら、光官能基の含有量を減らすと、感光性樹
脂の誘電率を低減することは可能であるものの、光官能
感度の低下及び層間絶縁膜48の密着力の低下を引き起
こし、層間絶縁膜48として信頼性の高い膜が得られな
かった。
【0023】本発明は、上記課題に鑑み成されたもの
で、その目的は、層間絶縁膜の膜厚を厚くしたり、層間
絶縁膜の材料となる感光性樹脂の膜質を低下させること
なく、画素電極と信号線との間の容量を低減し、開口率
が高く高輝度で、縦クロストークの無い、高表示品位の
液晶表示装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、上記の課題
を解決するために、基板上に設けられた複数の走査線
と、該走査線と直交するように形成された複数の信号線
と、隣り合う上記走査線と隣り合う上記信号線とで囲ま
れた領域に配置される画素電極と、上記走査線からの走
査信号によりON・OFFして上記画素電極への信号線
を介しての表示信号の入力をスイッチングするスイッチ
ング素子とを備え、かつ、上記画素電極が、上記のスイ
ッチング素子、走査線及び信号線を覆うように形成され
た層間絶縁膜の上に形成されてなるアクティブマトリク
ス型液晶表示装置において、上記層間絶縁膜に、樹脂の
主鎖或いは側鎖に光官能基が付加された感光性樹脂が用
いられ、上記光官能基に、該光官能基によって発生する
双極子モーメントを相殺し得るベクトルの双極子モーメ
ントを誘起させる残基が付加されていることを特徴とし
ている。
【0025】これによれば、層間絶縁膜を形成する感光
性樹脂の光官能基によって発生する双極子モーメント
は、該光官能基に付加された残基によって誘起される双
極子モーメントにより相殺されるので、光官能基の双極
子モーメントによって感光性樹脂の誘電率が高くなるこ
とはなく、層間絶縁膜の誘電率を低いものとできる。
【0026】光官能基によってもたらされる双極子モー
メントを相殺するベクトルとなる方向の双極子モーメン
トを誘起させることで、有機高分子材料の誘電率を低減
化できることは、例えば、L.F.Fieser,Ad
vanced Organic ChemistryI
I,319(1964)等に記載されている。
【0027】特に従来、層間絶縁膜の材料として、上述
したように一般式(2)
【0028】
【化5】
【0029】(式中、Xはアクリル樹脂の主鎖或いは側
鎖を表す)で表される、感光剤としてナフトキノンジア
ジド系感光剤を用いたアクリル系のポジ型感光性樹脂が
よく用いられている。この樹脂は、感光部分がアルカリ
現像液に溶解する透明度の高いものであり、フォトレジ
スト塗布→露光→現像→エッチングといった工程を経る
ことなく、露光→アルカリ現像といった容易な工程でパ
ターニングが可能で、生産性に優れている。
【0030】本発明の請求項1の構成をこの樹脂に適用
したものが、本発明の請求項2記載のアクティブマトリ
クス型液晶表示装置であって、層間絶縁膜の材料とし
て、一般式(1)
【0031】
【化6】
【0032】(式中、Xはアクリル樹脂の主鎖或いは側
鎖を表し、Rはベンゼン環に対して電子供与性を示す残
基を表す)で表されるアクリル系の感光性樹脂を用いて
いる。
【0033】これによれば、層間絶縁膜を形成する前記
一般式(1)で表されるアクリル系の感光性樹脂におい
て、化学式(4)に示すように、アクリル樹脂の主鎖或
いは側鎖に対してオルト位置に置換された、ベンゼン環
に電子を供与する残基により、光官能基による双極子モ
ーメントμを相殺し得る双極子モーメントμ’が誘起さ
れる。
【0034】
【化7】
【0035】(式中、Xはアクリル樹脂の主鎖或いは側
鎖を表し、Rはベンゼン環に対して電子供与性を示す残
基を表し、δ- 、δ+ は分極した極性を表す) ポジ型の場合、未反応の光官能基が残るが、それに伴う
双極子モーメントμが存在しても効果的に相殺されるの
で、光官能基によって感光性樹脂の誘電率が高くなるこ
とはなく、層間絶縁膜の誘電率は低いものとなる。
【0036】このような構成により、本発明のアクティ
ブマトリクス型液晶表示装置では、層間絶縁膜の膜厚を
厚くしたり、その材料である感光性樹脂の膜質を低下さ
せたりすることなく、層間絶縁膜の誘電率を下げること
ができ、画素電極と信号線との間の容量が大きくなるこ
とに起因する縦クロストークの発生を抑制できる。
【0037】また、同等の表示品位であれば、従来の層
間絶縁膜よりも膜厚を薄くできるので、画素電極とスイ
ッチング素子とを接続するコンタクトホール周辺におけ
る、液晶配向の乱れに伴う光漏れが起こり難くなり、こ
の光漏れによるコントラスト低下を防止することもでき
る。
【0038】本発明の請求項3記載のアクティブマトリ
クス型液晶表示装置は、請求項2の構成において、上記
Rが、メチル基、エチル基、或いはビニル基の何れかで
あることを特徴としている。
【0039】例えば、オルト位置に付加する電子供与性
の残基として、立体障害の大きなものを用いると、光官
能基の反応が阻害され、精度良くパターニングできない
こととなるが、メチル基、エチル基、或いはビニル基は
光官能基の光反応時における立体障害が小さいので、光
官能基の反応を阻害せず、精度良いパターニングが可能
である。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0041】本実施の形態に係るアクティブマトリクス
型液晶表示装置(以降、液晶表示装置と称する)の有す
る液晶表示パネルは、図2にその1画素部分の平面図を
示すように、1画素毎にスイッチング素子としてのTF
T(薄膜トランジスタ)6を有するアクティブマトリク
ス基板を備えている。液晶表示パネルは、このアクティ
ブマトリクス基板と、図示しない対向電極を有する対向
基板とが、数μmの空間を介して対向して貼り合わさ
れ、その間隙に液晶が封入された構成である。
【0042】まず、図2の平面図と、該図2のA−A’
線矢視断面図である図1を用いて、上記アクティブマト
リクス基板の構造を大まかに説明する。アクティブマト
リクス基板では、ガラス等からなる透明な絶縁性の基板
11の上に、互いに交差するように複数の信号線2…と
複数の走査線1…とが配置され、これら走査線1…と信
号線2…の各交差部に、TFT6が設けられている
(尚、図2では、それぞれ2本の走査線1・1及び信号
線2・2と、1つのTFT6が示されている)。
【0043】TFT6は、基板11上に、ゲート電極1
a、ゲート絶縁膜13、半導体層14、チャネル保護層
15、及びソース電極16a・ドレイン電極16bとな
るn+ −Si層がこの順に積層されてなる構造を有して
いる。TFT6のゲート電極1aは該TFT6が配され
た交差部を形成する走査線1と接続され、ソース電極1
6aは交差部を形成する信号線2と接続されている。ま
た、TFT6のドレイン電極16bは、後述する接続電
極7と接続されており、この接続電極7を介して画素電
極4と接続されている。
【0044】画素電極4は、隣り合う信号線2・2と、
隣り合う走査線1・1とで囲まれた領域に配置されてい
る。この画素電極4は、TFT6や走査線1、信号線2
が形成されている面との間に層間絶縁膜17を介在する
ことで、これらの形成面とは、厚み方向(各種薄膜の積
層方向)に異なる面に形成されており、画素電極4の周
端部は、画素電極4を囲む、それぞれ隣り合う信号線2
・2と走査線1・1の外縁部とオーバーラップされてい
る。そして、この画素電極4と上記した接続電極7と
が、上記層間絶縁膜17に形成されたコンタクトホール
17aを介して接続されている。
【0045】さらに、上記の基板11の上には、互いに
平行な付加容量配線(以下、Cs線)3が、走査線1…
と平行に、隣り合う走査線1・1の間に一つというよう
に配置されている。このCs線3は、全画素に共通して
設けられ、上記した対向基板の対向電極に接続されてい
る。そして、このCs線3の上部に、上記の接続電極7
が延設されてなる付加容量電極(以下、Cs電極)7a
が形成されている。このCs電極7aと上記Cs線3と
の間には、上記のゲート絶縁膜13が挟持されており、
これらCs線3、Cs電極7a、及びゲート絶縁膜13
で、いわゆるCson Common構造の付加容量が形成されて
いる。また、上記した層間絶縁膜17に形成されたコン
タクトホール17aは、このCs線3上に形成されてい
る。
【0046】このような構成のアクティブマトリクス基
板からなる液晶表示パネルを有する液晶表示装置では、
走査線1…からの走査信号によりそれぞれの走査線1上
にあるTFT6…のON・OFFが制御される。そし
て、TFT6がON状態のとき、信号線2より入力され
る表示信号が画素電極4及びCs電極7aに入力し、画
素電極4と対向基板側の対向電極とそれらの間に挟持さ
れる液晶とからなる液晶容量に表示信号が書き込まれる
と共に、付加容量にも表示信号が書き込まれる。一方、
TFT6がOFF状態のとき、信号線2からの表示信号
の画素電極4及びCs電極7aへの入力が阻止され、液
晶容量と付加容量に書き込まれた表示信号が保持され
る。
【0047】ところで、このような画素電極4の周端部
が、画素電極4を囲む、それぞれ隣り合う信号線2・2
と走査線1・1の外縁部とオーバーラップするような構
成のアクティブマトリクス基板の場合、〔発明が解決し
ようとする課題〕の項でも説明したように、特にオーバ
ーラップ部分の画素電極4と信号線2との間に介在する
層間絶縁膜17の容量が大きいと、液晶容量及び付加容
量に保持されている表示信号が、保持期間の間に信号線
2の電位によって揺動を受け、その画素の液晶に印加さ
れる実効値が変動し、その結果、実際の表示において、
信号線2の方向に沿った縦クロストークが見えてしま
い、表示品位の低下が伴うといった問題がある。
【0048】そこで、上記アクティブマトリクス基板で
は、層間絶縁膜17の材料として、一般式(1)で表さ
れるアクリル系のポジ型感光性樹脂を用いている。
【0049】
【化8】
【0050】(式中、Xはアクリル樹脂の主鎖或いは側
鎖を表し、Rはベンゼン環に対して電子供与性を示す残
基を表す) このような感光性樹脂においては、化学式(4)に示す
ように、アクリル樹脂の主鎖或いは側鎖に対してオルト
位置に置換されたベンゼン環に電子を供与する残基によ
り、光官能基による双極子モーメントμを相殺し得る双
極子モーメントμ’が誘起される。
【0051】
【化9】
【0052】したがって、ポジ型の場合、未反応の光官
能基が残るため、光官能基による双極子モーメントμに
よる誘電率の上昇が引き起こされるが、これにより、未
反応の光官能基に伴う双極子モーメントμが存在しても
効果的に相殺されるので、光官能基によって感光性樹脂
の誘電率が高くなることはなく、層間絶縁膜17は従来
に比べ低誘電率となる。
【0053】ベース樹脂となるアクリル樹脂には、例え
ばメタクリル酸とグリシジルメタクリレートのポリマー
を用いることができる。また、光官能基に付与される電
子供与性の残基としては、脂肪族等などを用いればよい
が、その中でも特に、立体障害の小さいメチル基、エチ
ル基又はビニル基が光感応基の光反応を阻害しないとい
った点で好ましい。
【0054】次に、図1の断面図を用いて、上記アクテ
ィブマトリクス基板の製造方法の一例を説明すると共
に、同時にその構造の詳細な部分についても説明する。
【0055】まず、基板11の表面に、Ta等の導電薄
膜を形成し、この導電薄膜をパターニングして、走査線
1、TFT6のゲート電極1a、及びCs線3を形成す
る。次に、これら走査線1、ゲート電極1a、及びCs
線3を全て覆うように窒化シリコン等の絶縁性薄膜を成
膜し、ゲート絶縁膜13を形成する。
【0056】次いで、その上に、半導体層14となる薄
膜、チャネル保護層15となる薄膜、及びソース電極1
6a及びドレイン電極16bとなるn+ −Si層を形成
すると共にパターニングし、半導体層14、チャネル保
護層15、ソース電極16a、ドレイン電極16bを形
成する。尚、ここまでのプロセスは、従来の逆スタガ型
構造のTFTを作成する場合と同様である。
【0057】次に、その上に、透明導電膜であるITO
(Indium Tin Oxide)膜19、TaやAlからなる金属薄
膜18を順にスパッタ法によって形成し、2層構造の導
電薄膜を形成し、この導電薄膜をパターニングして、信
号線2、接続電極7、及びCs電極7aを形成する。こ
のとき、信号線2はITO膜19と金属薄膜18とから
なる2層構造となり、接続電極7はドレイン電極16b
との接続部分のみ2層構造で他の部分はITO膜19の
みからなり、Cs電極7aはITO膜19のみからな
る。
【0058】次に、基板11の表面に対して、層間絶縁
膜17となる感光性樹脂との濡れ性を向上させるための
前処理を施した後、前記の一般式(1)で表されるアク
リル系のポジ型感光性樹脂をスピン塗布法によって3μ
mの膜厚で形成する。そして、この感光性樹脂をプリベ
ークした後、所定のパターンに従って露光し、アルカリ
現像液で現像し、コンタクトホール17aを形成する。
このとき、感光性樹脂における露光された部分のみがア
ルカリ現像液によって除去され、除去部分が層間絶縁膜
17を貫通するコンタクトホール17aとなる。
【0059】その後、このアクティブマトリクス基板を
用いて作製する液晶表示パネルが、透過型であり層間絶
縁膜17の透明度が要求され、層間絶縁膜17の原料と
して用いた上記の感光性樹脂が着色している場合は、基
板11側から裏面露光を行い、層間絶縁膜17を形成す
る感光性樹脂を露光して透明化し、その後、感光性樹脂
を本硬化する。
【0060】このとき、基板11側からの裏面露光とす
ることで、走査線1及び信号線2がマスクとして機能
し、上記感光性樹脂における走査線1及び信号線2が形
成されている部分の光官能基が反応することはなく、未
反応のままとなり、前述の光官能基による双極子モーメ
ントμと残基による双極子モーメントμ’とが相殺し、
感光性樹脂の誘電率が高くなることはない。
【0061】尚、このアクティブマトリクス基板を用い
て作製する液晶表示パネルが、反射型であったり、層間
絶縁膜17の原料として用いた感光性樹脂が十分に透明
である場合は、このような露光処理を行なう必要はな
く、そのまま感光性樹脂を本硬化すればよい。
【0062】この後、さらにその上に、ITO膜をスパ
ッタ法によって形成し、パターニングし、画素電極4を
形成する。ITO膜は上記の層間絶縁膜17に設けられ
たコンタクトホール17aにも乗り上げ、コンタクトホ
ール17aを介して上記の接続電極7上にまで至ること
で、画素電極4と接続電極7とが接続される。このよう
にして、上記アクティブマトリクス基板が作製される。
【0063】尚、本実施の形態では、層間絶縁膜17の
材料としてアクリル系のポジ型感光性樹脂を例示したた
め、未反応の光官能基の双極子モーメントを相殺するよ
うなベクトルを有する双極子モーメントを誘起させる残
基を光官能基に付加したが、ネガ型であれば、光反応後
の光官能基に有る双極子モーメントを相殺し得るベクト
ルを有する双極子モーメントを誘起させる残基を光官能
基に付加することで、同様の効果が得られるものであ
る。
【0064】また、同様に、たとえポジ型であっても感
光性樹脂の透明化のために全面露光を施す場合などは、
光官能基が反応した後の状態の双極子モーメントを相殺
し得るベクトルを有する双極子モーメントを誘起させる
残基を光官能基に付加すればよい。
【0065】さらに、ここでは、透明化する方法とし
て、露光することを上げたが、このような光学的な処理
のみならず、化学的にも行うことが可能であり、それら
のいずれの方法を用いてもかまわない。
【0066】次に、このようなアクティブマトリクス基
板からなる液晶表示パネルを有する液晶表示装置と組み
合わせることで、縦クロストークをさらに低減し、表示
品位のさらなる向上を図り得る液晶表示装置の駆動方法
について説明する。上記液晶表示装置においては、信号
線2と画素電極4との間の容量による、表示品位への影
響を低減させるために、表示信号が図3(b)に示すよ
うな波形を有し、信号線2の極性を1走査線毎に反転さ
せる駆動法(以下、1H反転駆動と称する)で駆動され
る。
【0067】ここで、1H反転駆動により、信号線2と
画素電極4との間の容量による、表示品位への影響が低
減される理由を説明する。縦クロストークに関係する容
量比αは次式で定義される。その意味するところは、信
号線2と画素電極4との間の容量に起因する画素電極4
の電圧変動に比例する量である。
【0068】α=Csd/(Csd+Clc+Ccs) Csd:画素電極と信号線の間の容量 Clc:画素を構成する液晶容量(中間調表示) Ccs:画素を構成する付加容量 同図(a)に、フィールド反転駆動、及び1H反転駆動
(対向DC、対向AC/5V)の、容量比αと充電率差
との関係を示す。フィールド反転駆動とは、表示信号の
波形が同図(c)に示すような、信号線2の極性を1フ
ィールド毎に反転させる駆動法である。また、充電率差
とは、一般にクロストーク検査で用いられる中間調表示
の中に黒四角の窓表示をさせた画面時における、中間調
の一様表示部分と黒窓後の中間調部分との液晶に印加さ
れる実効電圧差を求めたものである。
【0069】この図からわかるように、1H反転駆動で
は、フィールド反転駆動に比べて、信号線2と画素電極
4との間の容量が同じ場合、実際の液晶に印加される実
効電圧への影響が1/5〜1/10に低減される。これ
は1H反転駆動の場合には、1フィールドの間にlフィ
ールドの時間に対して十分に短い周期で表示信号の極性
が反転されるため、+極性の信号からの影響と−極性の
信号からの影響とが表示への影響においてキャンセルさ
れるためである。
【0070】一方、表示実験の結果から、パネル対角2
6cm(10.4型)のVGA対応の液晶表示パネルで
は、この充電率差が中間調表示において0.6%以上にな
ると縦クロストークが顕著になり表示品位として問題と
なることが判明している。このスペックを図3(a)中
の点線によって示す。
【0071】また、図4には、パネル対角26cm(1
0.4型)のVGA対応の液晶表示パネルにおいて、下記
の式 C=ε0 εs S/d ε0 :真空誘電率 εs :比誘電率 S:オーバーラップ部分の面積 d:層間絶縁膜の膜厚 を用いて層間絶縁膜17の膜厚dをパラメータとして計
算した、画素電極4と信号線2とのオーバーラップ量と
容量比αとの関係を示す。
【0072】図中、グラフaが層間絶縁膜17の比誘電
率εs として、前述の前記一般式(1)で表される感光
性樹脂のものを用いた場合のもので、グラフbは層間絶
縁膜17の比誘電率εs として前述の一般式(2)で表
される従来の感光性樹脂のものを用いた場合のものであ
る。
【0073】画素電極4と信号線2との間のオーバーラ
ップ幅は、加工精度を考慮すると少なくとも1μmは必
要である。そこで、充電率差を0.6%以下とするために
は、層間絶縁膜17の膜厚を2.0μm以上にする必要が
あることがわかる。
【0074】本液晶表示装置で層間絶縁膜17の材料と
して用いる、前記一般式(1)にて表されるナフトキノ
ンジアジド系感光剤を有するポジ型のアクリル系の感光
性樹脂では、光官能基による感光性樹脂の誘電率の上昇
がなく、層間絶縁膜17を低誘電率とできるので、幅1
μmでオーバーラップしている部分の充電率差を0.6%
以下とするための層間絶縁膜の膜厚の条件が2.0μm以
上というように、従来に比べて薄くできる。
【0075】このように、画素電極4と信号線2とをオ
ーバーラップさせる構造の場合にも、1H反転駆動を用
いることによって、隣接する信号線2・2の間で極性を
反転させない場合にも縦クロストークの認められない良
好な表示を実現できる。
【0076】また、このような駆動方法は、本液晶表示
装置における画素配列のように、縦ストライプであり、
かつ、それぞれの画素が走査線1に平行な辺よりも信号
線2に平行な辺の方が長いという長方形の形状を持つ場
合に、信号線2と画素電極4とのオーバーラップ部分が
多くなり、信号線2と画素電極4との容量が大きくなる
ため、特に効果的である。
【0077】また、上記のような誘電率の低い層間絶縁
膜17によって、従来と同等の表示品位を実現しようと
すれば、層間絶縁膜17の膜厚を薄くすることが可能で
あり、層間絶縁膜17の膜厚を薄くすることで、コンタ
クトホール17aにおける光漏れを起こり難くすること
ができる。
【0078】また、層間絶縁膜17の膜厚を変えずに画
素電極4と信号線2との間の容量を低減する設計によっ
ては、縦クロストークの発生が起こり難いため、より高
周波での駆動を要求される高精度な画素密度であるXG
A、S−XGA、EWSへの展開が可能となる。
【0079】また、層間絶縁膜17に用いた上記感光性
樹脂では、オルト位置に付加する電子供与性の残基とし
て、メチル基、エチル基、或いはビニル基としたので、
光官能基の光反応時における立体障害が小さく、光官能
基の反応が阻害されず、完全に反応させることができ、
コンタクトホール17aを精度良く形成できる。
【0080】さらに、本実施の形態に係る液晶表示装置
は、以上述べた構成により、次のような優れた特徴も備
えている。 アクリル系のポジ型感光性樹脂を用いたので、スピ
ン塗布法により数μmという薄膜の形成が容易に行える
と共に、露光→アルカリ現像剤による現像といった工程
でコンタクトホール17aをパターニングでき、フォト
レジスト塗布→露光→現像→エッチングといった工程を
経ることなく可能であり、生産性に優れている。尚、も
ちろん、フォトレジスト塗布→露光→現像→エッチング
といった工程を経てパターニングすることも可能であ
る。また、アクリル系のポジ型感光性樹脂を載置する方
法としては、スピン塗布法以外に、スロットコート法、
印刷法等を用いてもよい。
【0081】 信号線2を構成する層を金属薄膜18
とITO膜19との2層構造としたので、仮に信号線2
を構成する金属薄膜18の一部に膜の欠損があったとし
てもITO19によって電気的に接続されるため信号線
2の断線を少なくできる。
【0082】 TFT6のドレイン電極16bと画素
電極4とを接続する接続電極7をITO膜19によって
形成したので、従来の接続電極7を金属層によって形成
していたもののように、接続電極7が開口部に存在する
ことによる開口率の低下が伴わず、高い開口率となる。
【0083】 接続電極7が延設して形成された付加
容量のCs電極7aも、ITO膜19によって形成され
るため、このCs電極7aによる開口率の低下も見られ
ない。
【0084】 層間絶縁膜17のコンタクトホール1
7aの形成位置を、Cs線3と対向配置されているCs
電極7a上としたので、コンタクトホール17a付近
が、遮光性の金属層で構成されているCs線3で遮光さ
れることとなり、コンタクトホール17aにおける光漏
れによるコントラスト低下を抑制できるといった利点が
ある。
【0085】つまり、層間絶縁膜17の膜厚を3μmと
した場合、液晶層の厚みである4.5μmと比較しても無
視できない厚みであるので、コンタクトホール17aの
周辺に液晶の配向乱れによる光漏れが発生し、コンタク
トホール17aが開口部の上にあると、光漏れによるコ
ントラストの低下が生じることとなる。しかしながら、
上記のような構成とすることで、コンタクトホール17
aの周辺における光漏れが遮光性のTa等からなるCs
線3で遮られることとなり、開口部にコンタクトホール
17aが存在しないので、光漏れによる上記のようなコ
ントラストの低下が生じない。
【0086】さらに、このような構造とすることで、コ
ンタクトホール17aで液晶の配向が乱れたとしても表
示には影響ないため、コンタクトホール17aの形成に
は、その寸法精度を重視する必要が無く、大きくしかも
滑らかに形成することができるので、層間絶縁膜17上
に形成される画素電極4がコンタクトホール17aで切
れるようなことがなく、滑らかにつながり、歩留まりの
向上が図れる。
【0087】尚、本実施の形態では、付加容量の一方の
電極がCs線3を通じて対向電極に接続されるCs on Co
mmon構造としたが、隣接する走査線1の一部を一方電極
として付加容量を形成する、いわゆるCs on Gate構造で
も同様であり、この場合には、隣接する走査線1の上に
コンタクトホール17aを形成することにより、走査線
1で遮光してコントラストの低下を防ぐことができる。
【0088】また、TFT6として、逆スタガ型の構造
を例示したが、スタガ型のTFTを用いる場合にも、本
発明の適用が可能である。さらに、上記のアクティブマ
トリクス基板の場合、図1に示すように、画素電極4と
接続電極7とを、コンタクトホール17aを介して直接
接続した構成としたが、この場合、例えば図5に示すよ
うに、コンタクトホール17aの下部に形成されたCs
電極7a上に、TaNやAlNなどの金属窒化物20を
配置し、この金属窒化物20を介してCs電極7aと画
素電極4とを接続した構成とすることもできる。
【0089】このように金属窒化物20を介在させるの
は、例えば層間絶縁膜17にコンタクトホール17aを
開口した後の洗浄において、コンタクトホール17aの
開口部から層間絶縁膜17とその下地層となる上記Cs
電極7aを形成するITO膜やその他Ta、Alなど金
属薄膜との間の界面に洗浄液が侵入し、下地層から層間
絶縁膜17が剥がれるといった密着性に問題がある場合
があるためである。
【0090】金属窒化物20を介在させた構成とするこ
とで、層間絶縁膜17とその下地層との密着性が良好と
なり、膜剥がれなどの密着性に関する問題は生じないよ
うになる。この金属窒化物20は、層間絶縁膜17を構
成する感光性樹脂や、Cs電極7aを形成している材料
と密着性のよいものであればいずれを用いてもよいが、
Cs電極7aと画素電極4とを電気的に接続する必要が
あるので、良好な導電性を有していることが必要であ
る。
【0091】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載のアクティブマ
トリクス型液晶表示装置は、以上のように、層間絶縁膜
に、主鎖或いは側鎖に光官能基が付加された感光性樹脂
が用いられ、上記光官能基に、該光官能基によって発生
する双極子モーメントを相殺し得るベクトルの双極子モ
ーメントを誘起させる残基が付加されている構成であ
る。
【0092】本発明の請求項2記載のアクティブマトリ
クス型液晶表示装置は、請求項1の構成において、層間
絶縁膜に用いられる感光性樹脂は、一般式(1)
【0093】
【化10】
【0094】(式中、Xはアクリル樹脂の主鎖或いは側
鎖を表し、Rはベンゼン環に対して電子供与性を示す残
基を表す)で表されるアクリル系のポジ型感光性樹脂で
ある構成である。
【0095】これにより、本発明のアクティブマトリク
ス型液晶表示装置では、層間絶縁膜の膜厚を厚くした
り、その材料である感光性樹脂の膜質を低下させたりす
ることなく、層間絶縁膜の誘電率を下げることができ、
画素電極と信号線との間の容量が大きくなることに起因
する縦クロストークの発生を抑制できる。そして、縦ク
ロストークが発生し難いので、より高周波での駆動が要
求される高精細な画素密度であるXGA、S−XGA、
EWS対応への展開が図れる。
【0096】また、同等の表示品位であれば、従来の層
間絶縁膜よりも膜厚を薄くできるので、画素電極とスイ
ッチング素子とを接続するコンタクトホール周辺におけ
る、液晶配向の乱れに伴う光漏れを起こり難くし、この
光漏れによるコントラスト低下を防止することもできる
といった効果を奏する。
【0097】本発明の請求項3記載のアクティブマトリ
クス型液晶表示装置は、請求項2の構成において、上記
Rが、メチル基、エチル基、或いはビニル基の何れかで
ある構成である。
【0098】これにより、光官能基による双極子モーメ
ントを相殺すべく残基を付加した構成においても、光官
能基の光反応時における立体障害が小さく、光官能基の
反応を阻害せず、精度良いパターニングが可能であり、
上記請求項1、2の構成により奏する効果を、感光性樹
脂の光官能感度を低下させることなく実現できるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るアクティブマトリ
クス型液晶表示装置におけるアクティブマトリクス基板
を示すもので、図2のA−A’線矢視断面図である。
【図2】上記アクティブマトリクス基板の一画素分の平
面図である。
【図3】容量比と充電率差との関係を表す説明図であ
る。
【図4】画素電極と信号線とのオーバーラップ幅と容量
比との関係を示す説明図である。
【図5】上記アクティブマトリクス基板における、接続
電極と画素電極とが接続される他の構成を示す要部断面
図である。
【図6】アクティブマトリクス型液晶表示装置に備えら
れる液晶表示パネルの等価回路図である。
【図7】従来のアクティブマトリクス基板の構造を示す
要部断面図である。
【符号の説明】
1 走査線 2 信号線 3 付加容量配線 4 画素電極 6 TFT(スイッチング素子) 17 層間絶縁膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に設けられた複数の走査線と、該走
    査線と直交するように形成された複数の信号線と、隣り
    合う上記走査線と隣り合う上記信号線とで囲まれた領域
    に配置される画素電極と、上記走査線からの走査信号に
    よりON・OFFして上記画素電極への信号線を介して
    の表示信号の入力をスイッチングするスイッチング素子
    とを備え、かつ、上記画素電極が、上記のスイッチング
    素子、走査線及び信号線を覆うように形成された層間絶
    縁膜の上に形成されてなるアクティブマトリクス型液晶
    表示装置において、 上記層間絶縁膜に、樹脂の主鎖或いは側鎖に光官能基が
    付加された感光性樹脂が用いられ、上記光官能基に、該
    光官能基によって発生する双極子モーメントを相殺し得
    るベクトルの双極子モーメントを誘起させる残基が付加
    されていることを特徴とするアクティブマトリクス型液
    晶表示装置。
  2. 【請求項2】上記層間絶縁膜に用いられる感光性樹脂
    は、一般式(1) 【化1】 (式中、Xはアクリル樹脂の主鎖或いは側鎖を表し、R
    はベンゼン環に対して電子供与性を示す残基を表す)で
    表されるアクリル系のポジ型感光性樹脂であることを特
    徴とする請求項1記載のアクティブマトリクス型液晶表
    示装置。
  3. 【請求項3】上記Rが、メチル基、エチル基、或いはビ
    ニル基の何れかであることを特徴とする請求項2記載の
    アクティブマトリクス型液晶表示装置。
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