JPH10186214A - ズームレンズカメラ及びその制御方法 - Google Patents

ズームレンズカメラ及びその制御方法

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JPH10186214A
JPH10186214A JP35123196A JP35123196A JPH10186214A JP H10186214 A JPH10186214 A JP H10186214A JP 35123196 A JP35123196 A JP 35123196A JP 35123196 A JP35123196 A JP 35123196A JP H10186214 A JPH10186214 A JP H10186214A
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lens
zoom
moving
lens group
operated
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JP35123196A
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English (en)
Inventor
Takayuki Ito
孝之 伊藤
Yukio Hasushita
幸生 蓮下
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レンズ位置の制御の自由度が高く、その制御
が容易な3群構成のズームレンズカメラ及びその制御方
法を得る。 【構成】 第2レンズ群と第3レンズ群を一体に、第1
レンズ群とは別々に、それぞれ予め定めた移動軌跡で移
動させる全体移動手段;第2レンズ群に対して第3レン
ズ群を相対的に移動させる相対移動手段;レンズ系によ
る焦点距離を設定するズーム操作手段;合焦動作を開始
させるフォーカス操作手段;及びズーム操作手段によっ
て焦点距離を設定した後、フォーカス操作手段を操作し
たとき、全体移動手段と相対移動手段の少なくとも一方
を動作させて被写体に合焦させる制御手段;を有するズ
ームレンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ズームレンズカメラ、特に3群
の可動レンズを有するコンパクトカメラ用ズームレンズ
及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】ズームレンズの光学系
は、ズーム比をより増大するため、最も単純な前後2群
レンズから、3群ズームレンズが採用されつつある。こ
の3群タイプのズームレンズ系は従来、ズーミングに際
しては3群をそれぞれ独立の軌跡で移動させ、フォーカ
シングに際しては、いずれか1つのレンズ群を移動させ
ている。このため、フォーカシングレンズ群には、ズー
ミングとは別にフォーカスのための移動量を確保しなけ
ればならず、これがレンズ全長の短縮を妨げていた。
【0003】また、ズームコンパクトカメラは、ズーム
撮影光学系の像とは別のズームファインダ光学系の像を
観察するカメラであるから、焦点距離を設定するズーム
操作手段が操作されたとき、常に特定被写体距離(通常
無限遠)の被写体に合焦している位置にズーム撮影レン
ズが移動していることが必要な訳ではない。ところが、
従来のズームコンパクトカメラは一般に、ズーミング操
作で複数のレンズ群を所定のズーム軌跡上に移動させ、
シャッタレリーズ時に複数のレンズ群のうちのフォーカ
シングレンズを合焦位置に移動させている。つまりズー
ムとフォーカスの移動手段とその操作とを完全に分離さ
せているため、つまりズームとフォーカスの移動手段と
その操作とを完全に分離させているため、レンズ位置に
自由度がない。また、従来のズームレンズでは、フォー
カスレンズ群は、環状のシャッタブロックの中心部に支
持されていて、ズーミング時にはこのシャッタブロック
をズーム軌跡によって移動させ、シャッタレリーズ時に
は被写体距離情報に応じてシャッタブロックに対してフ
ォーカスレンズ群を移動させている。フォーカスレンズ
群の繰出機構(合焦機構)だけでなくシャッタブレード
の開閉機構(露出機構)も有する従来のシャッタブロッ
クは、環状をなす大型の部品であり、このためレンズ鏡
筒の径方向の小型化の妨げになっていた。
【0004】
【発明の目的】本発明は、3群構成のズームレンズを備
えたコンパクトカメラ、及びその新たな制御方法を提案
し、3群のレンズのズーミング操作時の位置の自由度を
高め、レンズ系の小型化、及びレンズ鏡筒(シャッタブ
ロック)の径方向の小型化を図ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】本発明は、コンパクトカメラにおけるズ
ーミングの概念は、単にズーム操作手段によって焦点距
離を設定する動作であって、各レンズ群の空気間隔やフ
ォーカスレンズの位置は、最終的にフォーカス操作手段
が操作されたとき、シャッタが開く前に、設定焦点距離
と被写体距離に応じた正しい位置にあればよいとの着眼
に基づいてなされたものである。本発明のズームレンズ
カメラは、物体側より順に、それぞれ可動の第1レンズ
群、第2レンズ群及び第3レンズ群を有するレンズ系;
第2レンズ群と第3レンズ群を一体に、第1レンズ群と
は別々に、それぞれ予め定めた移動軌跡で移動させる全
体移動手段;第2レンズ群に対して第3レンズ群を相対
的に移動させる相対移動手段;レンズ系による焦点距離
を設定するズーム操作手段;合焦動作を開始させるフォ
ーカス操作手段;及びズーム操作手段によって焦点距離
を設定した後、フォーカス操作手段を操作したとき、全
体移動手段と相対移動手段の少なくとも一方を動作させ
て被写体に合焦させる制御手段;を有することを特徴と
している。
【0006】また本発明のズームレンズカメラは、別の
態様によると、その制御手段が、ズーム操作手段によっ
て設定される少なくとも短焦点距離端において、フォー
カス操作手段を操作したとき、上記全体移動手段と相対
移動手段の双方を動作させて被写体に合焦させることを
特徴としている。
【0007】本発明は、制御方法の表現によると、同一
の構成において、ズーム操作手段によって焦点距離を設
定した後、フォーカス操作手段を操作したとき、全体移
動手段と相対移動手段の少なくとも一方を動作させて被
写体に合焦させることを特徴とするズームレンズカメラ
の制御方法である。
【0008】具体的な制御態様は、種々可能であるが、
具体的には例えば、ズーム操作手段によって設定され
る少なくとも短焦点距離端において、フォーカス操作手
段を操作したとき、全体移動手段だけを動作させて被写
体に合焦させる態様、ズーム操作手段によって設定さ
れる少なくとも短焦点距離端において、フォーカス操作
手段を操作したとき、上記全体移動手段と相対移動手段
の双方を動作させて被写体に合焦態様、あるいはズー
ム操作手段によって設定される短焦点距離端以外の設定
焦点距離において、フォーカス操作手段が操作されたと
きには、上記相対移動手段だけを動作させて被写体に合
焦させる態様が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のズームレンズのレンズ系
は、図1に示すように、正の第1レンズ群L1、正の第
2レンズ群L2及び負の第3レンズ群L3とからなる。
レンズ鏡筒の固定環11の外周には、駆動リング12が
回転自在に支持され、固定環11の内周には、第1レン
ズ群L1を支持した第1レンズ枠13、第2レンズ群L
2を支持した第2レンズ枠14、及び第3レンズ群L3
を支持した第3レンズ枠15が嵌まっている。固定環1
1には光軸と平行な直進案内溝11a、11b、11c
が形成されており、第1レンズ枠13、第2レンズ枠1
4、第3レンズ枠15にそれぞれ固定した半径方向ピン
16a、16b、16cは、それぞれ、この直進案内溝
11a、11b、11cに嵌まっている。
【0010】半径方向ピン16aと16bは、直進案内
溝11aと11bを貫通して、駆動リング12側に延び
ており、駆動リング12には、この半径方向ピン16a
と16bを嵌合させるカム溝12a、12b(図2参
照)が形成されている。駆動リング12の外周には、ギ
ヤ17が固定されており、このギヤ17は全体移動モー
タ18のギヤ19と噛み合っている。
【0011】第2レンズ枠14には、3群移動モータ2
1(相対移動モータ)21とこれによって回転駆動され
る駆動ねじ軸22とが備えられており、駆動ねじ軸22
は、第3レンズ枠15に設けた回転しないナット部材2
3と係合している。
【0012】以上の機械構成によると、全体移動モータ
18を介して駆動リング12を回転駆動すると、カム溝
12a、12bと直進案内溝11a、11bの関係に従
って、第1レンズ枠13(第1レンズ群L1)と第2レ
ンズ枠14(第2レンズ群L2)が光軸方向に移動す
る。この第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動軌
跡は、カム溝12aと12bの形状によって決定され
る。一方、第3レンズ枠15(第3レンズ群L3)は、
3群移動モータ21の駆動ねじ軸22とナット部材23
を介して、第2レンズ枠14に載っているので、第2レ
ンズ枠14(第2レンズ群L2)と一体に移動する。す
なわち、全体移動モータ18は、第2レンズ群L2と第
3レンズ群L3を一体に、第1レンズ群L1をこれとは
別に移動させるモータである。カム溝12aとカム溝1
2bの軌跡は、第1、第2、第3レンズ群の各焦点距離
における無限遠物体時の最終位置(焦点移動のない基準
位置)に応じて定められる。
【0013】また、3群移動モータ21を介して駆動ね
じ軸22を回転駆動すると、第2レンズ枠14(第2レ
ンズ群L2)に対して第3レンズ枠15(第3レンズ群
L3)が相対的に移動する。つまり3群移動モータ21
は、第3レンズ群L3と第2レンズ群L2の間隔を変化
させるモータである。全体移動モータ18と3群移動モ
ータ21はそれぞれ、それぞれのモータ制御手段25、
26を介して駆動制御される。全体移動モータ18はま
た、ズームファインダ27に接続されており、全体移動
モータ18が駆動されると、ファインダ視野が大小に変
化する。
【0014】カメラ本体は、ズーム操作手段31、フォ
ーカス操作手段32、測距手段33、及び測光手段34
を備えている。ズーム操作手段31は、第1レンズ群L
1ないし第3レンズ群L3からなるズームレンズにズー
ミング指令、すなわちワイド側からテレ側への移動指
令、及びテレ側からワイド側への移動指令を与えるもの
で、例えばモーメンタリのスイッチから構成される。フ
ォーカス操作手段32は、通常レリーズボタンから構成
されるもので、その一段押しで測距手段33への測距指
令と測光手段34への測光指令を与え、二段押しで合焦
動作を開始し、合焦後シャッタ制御手段35を介して、
第2レンズ枠14に搭載されているシャッタ36を動作
させる。一段押しで合焦動作を開始させることもでき
る。シャッタ36は、測光手段34からの測光出力を受
けて、そのシャッタブレード36aを所定時間開放す
る。
【0015】上記構成のズームレンズカメラは、ズーム
操作手段31が操作されたとき、少なくともモータ制御
手段25を介して全体移動モータ18を動作させ、第1
レンズ群L1と第2レンズ群L2(第3レンズ群L3)
を別々に移動させながら、第3レンズ群L3を第2レン
ズ群L2と一体に移動させる。モータ制御手段26を介
して3群移動モータ21を同時に動作させてもよいが、
重要な点は、このズーム操作手段31による第1レンズ
群L1ないし第3レンズ群L3の移動は、焦点位置が移
動しないという従来のズーミングの概念では行なわない
ということである。
【0016】つまり、ズーム操作手段31が操作された
とき、 全体移動モータ18のみを動作させて、駆動リング1
2のカム溝12aと12bに従い第1レンズ群L1と第
2レンズ群L2(第3レンズ群L3)を別々に移動させ
ながら、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の空気間
隔を変化させることなく前後に移動させる態様、及び、 全体移動モータ18と3群移動モータ21の双方を動
作させて、駆動リング12のカム溝12aと12bに従
い第1レンズ群L1と第2レンズ群L2(第3レンズ群
L3)を別々に移動させながら、第2レンズ群L2と第
3レンズ群L3の空気間隔も同時に変化させて前後に移
動させる態様、とが可能である。
【0017】の態様においては当然特定の被写体に常
時ピントが合うことはあり得ないが、撮影光学系の像を
観察する訳ではないコンパクトカメラでは、シャッタレ
リーズ時にピントが合えばよいから全く問題がない。
の態様においても、焦点位置の移動を許容しつつ、第1
レンズ群L1ないし第3レンズ群L3を移動させ、シャ
ッタレリーズ時に全体移動モータ18と3群移動モータ
21の双方を動作させてピントを合わせる。一方、ズー
ム操作手段31を介して全体移動モータ18が駆動され
ると、ズームファインダ27が駆動され、設定焦点距離
に応じて、ファインダ視野が大小に変化する。つまり、
設定焦点距離が短焦点距離から長焦点距離に変化するに
つれて、ファインダ視野(角)が大(広)から小(狭)
に変化する。このファインダ視野は勿論撮影画面サイズ
に対応する。このようなズームファインダは、具体例を
示す迄もなく、周知である。
【0018】このようにズーム操作手段31が操作され
ると、その設定焦点距離に応じた視野(撮影範囲)がズ
ームファインダ27によって観察される。そして設定さ
れる焦点距離の少なくとも一部の焦点距離域においてフ
ォーカス操作手段32が操作されたとき、全体移動モー
タ18と3群移動モータ21の双方を動作させて被写体
に合焦させる。このときの全体移動モータ18と3群移
動モータ21による前群レンズ第1レンズ群L1と第3
レンズ群L3の移動量は、測距手段33による被写体距
離情報によって得られる移動量だけでなく、ズーム操作
手段31によって設定される焦点距離情報によって得ら
れる移動量を加味して決定される。このように、フォー
カス操作手段32が操作されたとき、全体移動モータ1
8と3群移動モータ21の双方を動作させると、レンズ
位置の制御に自由度が生れ、その制御が容易になる。
【0019】なお、理論的には、ズーム操作手段31の
操作時には、全体移動モータ18と3群移動モータ21
のいずれも動作させずに単にファインダの視野倍率と焦
点距離情報だけを変化させ、フォーカス操作手段32が
操作されたときに、その焦点距離情報と測距手段33に
よる被写体距離情報とにより全体移動モータ18と3群
移動モータ21を同時に動作させて、その焦点距離情報
と被写体距離情報によって一義的に決定される位置に第
1レンズ群L1、第2レンズ群L2及び第3レンズ群L
3を移動させることもできる。
【0020】次に具体的な第1レンズ群L1、第2レン
ズ群L2及び第3レンズ群L3と、その移動制御の実施
例を説明する。表1は、このズームレンズ系のレンズデ
ータであり、図3はそのレンズ構成図である。第1レン
ズ群L1は2群2枚、第2レンズ群L2は3群5枚、第
3レンズ群L3は2群2枚からなっている。このレンズ
データは、本発明を適用可能な具体的なレンズ系を一つ
示したものである。表および図面中、FNO はFナンバ
ー、fは焦点距離、ωは半画角、fBはバックフォーカ
ス、ri はレンズ各面の曲率半径、di はレンズ厚もし
くはレンズ間隔、nはd線に対する屈折率、νはアッベ
数を示す。
【0021】
【表1】 FNO=1:4.4-12.5 f=39-150 ω=28.6 ゜-8.1゜ fB =9.50-81.48 面 No. rii n ν 1 -40.648 1.50 1.84666 23.8 2 -62.428 0.10 - - 3 45.233 3.05 1.48749 70.2 4 -56.756 1.14-19.582 - - 5 -15.919 1.50 1.83481 42.7 6 15.919 2.93 1.80518 25.4 7 141.599 0.20 - - 8 22.082 3.16 1.80518 25.4 9 12.539 2.38 1.64850 53.0 10 -90.855 0.20 - - 11 53.188 2.93 1.58913 61.2 12 * -17.646 1.00 - - 絞 ∞ 15.26-2.300 - - 13 * -66.681 2.35 1.58547 29.9 14 -29.405 4.34 - - 15 -13.550 1.50 1.80400 46.6 16 62.260 2.30 1.80518 25.4 17 -466.047 - - - * は光軸を中心とする回転対称非球面 非球面データ; No.12; K=0.0、 A4=6.30090×10-3、 A6=-5.16750 ×10-6、 A8=1.05590×10-7 No.13; K=0.0、 A4=4.40830×10-3、 A6=-1.58480 ×10-5、 A8=2.85310×10-7 但し、回転対称非球面は次式で定義される。 x=Ch2/{1+[1-(1+K)C2h2]1/2}+A4h4+A6h6+A8h8+・・・ (Cは曲率(1/r)、hは光軸からの高さ、Kは円錐係数)
【0022】このズームレンズ系のズーミングデータを
表2に示す。TLは第1面から像面迄の距離、d1G-2G
は第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔、d
2G-3G は第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔で
ある。このTLの値とd1G-2G の値は、無限遠物体に合
焦させたままズーミングするときの第1レンズ群L1、
第2レンズ群L2及び第3レンズ群L3の絶対位置を示
すものであり、従来のズームレンズカメラでは、カム機
構を用いて、その絶対位置への移動が行われていた。つ
まり、ズームスイッチによって焦点距離を設定すると、
各設定焦点距離において、一義的に第1レンズ群L1、
第2レンズ群L2及び第3レンズ群L3がこの絶対位置
に移動していた。
【0023】これに対し、本発明のズームレンズでは、
焦点距離を設定したとき、直ちに前後群レンズを表2の
TL、d1G-2G 、d2G-3G の値の位置に移動させること
はしない。表2のXA(f)は、短焦点距離端(f=3
9mm)で無限遠物体に合焦させたときの第1レンズ群
L1と第2レンズ群L2(第3レンズ群L3)の位置を
基準(XA1(f)=0、XA2(f)=0)としたと
き、他の焦点距離(45、70、135mm)で、全体
移動モータ18によって第1レンズ群L1と第2レンズ
群L2(第3レンズ群L3)をどれだけ移動させるかを
示した数値である。XB(f)は、長焦点距離端(f=
150mm)で無限遠物体に合焦させたときの第3レン
ズ群L3の位置を基準(XB(f)=0)としたとき、
他の焦点距離(39、45、70、135mm)で、相
対移動モータ21によって第3レンズ群L3を第2レン
ズ群L2に対してどれだけ移動(後退)させるかを示し
た数値である。重要な点は、これらの移動量XA1
(f)、XA2(f)及びXB(f)は、焦点距離が設
定されたとき直ちに、第1レンズ群L1、第2レンズ群
L2及び第3レンズ群L3(モータ18、3群移動モー
タ21)に与えられるのではなく、フォーカス操作手段
が操作されたときに与えられるという点である。なお、
XA1(f)、XA2(f)及びXB(f)の『0』
は、基準位置を示すもので、レンズの駆動前の待機位置
を示すものではない。つまり、フォーカス操作手段が操
作されたときに、全体移動モータ18、3群移動モータ
21が駆動されないという意味ではない。機械的には、
XA1(f)、XA2(f)及びXB(f)の位置精度
を高めるために、XA1(f)、XA2(f)、XB
(f)が負の値を取る位置(基準位置からの動作方向と
反対の方向)に各レンズ群を待機させ、フォーカス操作
手段が操作されたときに待機位置から、基準位置を含む
計算位置に移動させるのがよい。
【0024】
【表2】 f TL d1G-2G2G-3GB XA1(f) XA2(f) XB(f) 39 55.61 1.41 16.26 9.50 0 0 12.96 45 60.60 4.36 14.28 13.52 4.99 2.04 10.98 70 79.89 13.44 9.11 28.00 24.28 12.25 5.81 135 122.97 18.95 3.91 71.68 67.36 49.82 0.61 150 132.80 19.58 3.30 81.48 77.19 59.02 0
【0025】上述のように、本発明のズームレンズは、
ズーム操作手段31とフォーカス操作手段32を用いて
全体移動モータ18と3群移動モータ21を駆動するこ
とにより、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2及び第
3レンズ群L3を、設定焦点距離情報と検出被写体距離
情報によって定まる位置に移動させることができる。従
って、有段の焦点距離情報と有段の被写体距離情報の組
み合わせによるレンズ位置データをメモリに内蔵させ、
このメモリデータに基づいて、全体移動モータ18と3
群移動モータ21をデジタル制御すれば、ズーム制御及
びフォーカシング制御ができる。なお、カム溝12aと
カム溝12bの軌跡は、具体的には、表2に示す第1、
第2、第3レンズ群の各焦点距離における無限遠合焦位
置(焦点移動のない基準位置)によって、XA1
(f)、XA2(f)のように決定される。
【0026】本発明は、設定焦点距離情報と検出被写体
距離情報の組み合わせに基づいて行なう全体移動モータ
18と3群移動モータ21の制御態様を問うものではな
いが、次に、それぞれ特徴(利点)を持つ制御態様を2
例説明する。これらの制御態様は、本発明のズームレン
ズカメラによれば、任意に選択使用できるものである。
【0027】[実施例1]図4は、以上の具体的な第1
レンズ群L1、第2レンズ群L2及び第3レンズ群L3
による第1の実施例である。XA1とXA2とは全体移
動手段(全体移動モータ18)による第1レンズ群L1
と第2レンズ群L2(第3レンズ群L3)の移動量を示
し、XBは相対移動手段(3群移動モータ21)による
第3レンズ群L3の移動量を示し、(f)は焦点距離の
みの関数であることを示し、(u)は物体距離のみの関
数であることを示し、(f,u)は焦点距離と物体距離
の関数であることを示し、ΔXA1、ΔXA2及びΔX
Bはフォーカシングの移動量である。例えば、XA1
max とXA2max は全体移動手段によるズーミングとフ
ォーカシングを加えた最大移動量、XA1(f)max
XA2(f)max はズーミングとしての同最大移動量、
ΔXB(u)は、焦点距離に関係なく物体距離のみに基
づく移動量、XBmax は相対移動手段によるズーミング
とフォーカシングを加えた最大移動量、XB(f)max
はズーミングとしての同最大移動量を示している。図4
及び図5では、ΔXA1、ΔXA2及びΔXBの矢印の
長さは、XA1、XA2及びXBのそれと比べて誇張し
て描いている。また、第4図中のXA1=F(XA2)
は、第1レンズ群のズーミング移動量XA1は、第2レ
ンズ群のズーミング移動量XA2の関数で表わされるこ
とを意味する。
【0028】この実施例では、ズーム操作手段31によ
って設定される短焦点距離端(39mm)において、X
A1、XA2及びXBは、 XA1=XA1(f)+ΔXA1(f,u) XA2=XA2(f)+ΔXA2(f,u) XB=XB(f)+0 で与えられ、短焦点距離端以外の設定焦点距離では、 XA1=XA1(f)+0 XA2=XA2(f)+0 XB=XB(f)+ΔXB(f,u) で与えられる。また、 XA1max =XA1(f)max XA2max =XA2(f)max XB=XB(f)max つまり、この実施例によれば、ズーミングのために必要
な全体移動手段と相対移動手段の移動量の範囲内でフォ
ーカシングが可能であり、また、各レンズ群間隔の最小
値、最大値もズーミングで必要なスペース条件内で得る
ことが可能となり、レンズ全長の短縮、鏡筒径の小型化
が達成できる。
【0029】この実施例では、物体距離がu=1000
mmのとき、f=39mmでは、 ΔXA1(f,u)=3.184 ΔXA2(f,u)=1.277 で与えられ、フォーカシングのとき、第1、第2レンズ
群間隔d1G-2G は広がる。従って無限遠物体のd1G-2G
は、1.41と従来方式より小さくでき、レンズ全長及
び径を小さくできる。XA1が0〜3.184の範囲で
は、ΔXA1は、 ΔXA1≒k1 (ΔXA2)+k2 (ΔXA2)2 (k1 =2.572、k2 =−0.0613) で近似できる。他の焦点距離では、 f=45のとき、ΔXB(f,u)=1.282 f=70のとき、ΔXB(f,u)=1.213 f=135のとき、ΔXB(f,u)=1.242 f=150のとき、ΔXB(f,u)=1.262 である。
【0030】[実施例2]図5は、以上の具体的な第1
レンズ群L1、第2レンズ群L2及び第3レンズ群L3
による第2の実施例である。この実施例では、ズーム操
作手段31によって設定される短焦点距離端(39m
m)において、XA1、XA2及びXBは、 XA1=XA1(f)+ΔXA1(f,u) XA2=XA2(f)+ΔXA2(f,u) XB=XB(f)+ΔXB(f,u) (但し、ΔXA2(f,u)=ΔXB(f,u)) で与えられ、短焦点距離端以外の設定焦点距離では、 XA1=XA1(f)+0 XA2=XA2(f)+0 XB=XB(f)+ΔXB(f,u) で与えられる。また、 XA1max =XA1(f)max XA2max =XA2(f)max XB=XB(f)max +ΔXB(f,u)max つまり、この実施例によれば、全体移動手段の移動量及
び第1、第2レンズ群間隔の最小値のスペース条件に基
づき、ズーミングで必要な範囲内でフォーカシングも可
能となり、小型化が達成できる。また、実施例1と比べ
ると、大きく重い第1、第2、第3レンズ群全部を移動
させる全体移動手段の移動量ΔXA1、ΔXA2を小さ
くできる。
【0031】この実施例では、物体距離がu=1000
mmのとき、f=39mmでは、 ΔXA1(f,u)=1.651 ΔXA2(f,u)=0.652 で与えられる。XA1が0〜1.651の範囲では、Δ
XA1は、 ΔXA1≒k (ΔXA2)+k2 (ΔXA2)2 (k1 =2.572、k2 =−0.0624) で近似できる。他の焦点距離では、 f=45のとき、ΔXB(f,u)=1.282 f=70のとき、ΔXB(f,u)=1.213 f=135のとき、ΔXB(f,u)=1.242 f=150のとき、ΔXB(f,u)=1.262 である。
【0032】図1に示したズームレンズの機械構成は単
純な一例を示したものである。ズームレンズの機械構成
自体は、無数に可能であり、本発明はその機械構成を問
うものではない。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明のズームレンズカ
メラ及びその制御方法は、ズーム操作手段によって焦点
距離を設定した後、フォーカス操作手段を操作したと
き、第2レンズ群と第3レンズ群を一体に、第1レンズ
群とは別々に予め定めた移動軌跡で移動させる全体移動
手段と、第2レンズ群に対して第3レンズ群を移動させ
る相対移動手段の少なくとも一方を動作させて被写体に
合焦させるので、レンズ位置の制御に自由度が生れ、そ
の制御が容易になる。また、本発明によれば、レンズ移
動量、レンズ群間隔の制約が緩くなるので、レンズ系及
びレンズ径も小さくでき、シャッタブロックの小型化も
容易で、カメラ全体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のズームレンズカメラの機械構成の一例
を示す図である。
【図2】図1のズームレンズカメラのカム環の展開図で
ある。
【図3】本発明のズームレンズカメラを適用する具体的
なズームレンズ系の構成を示す図である。
【図4】本発明のズームレンズカメラのレンズ移動制御
例を示すグラフ図である。
【図5】本発明のズームレンズカメラのレンズ移動制御
例を示すグラフ図である。
【符号の説明】
L1 第1レンズ群 L2 第2レンズ群 L3 第3レンズ群 11 固定環 12 駆動リング 13 第1レンズ枠 14 第2レンズ枠 15 第3レンズ枠 18 全体移動モータ 21 3群移動モータ 31 ズーム操作手段 32 フォーカス操作手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側より順に、それぞれ可動の第1レ
    ンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群を有するレンズ
    系;第2レンズ群と第3レンズ群を一体に、第1レンズ
    群とは別々に、それぞれ予め定めた移動軌跡で移動させ
    る全体移動手段;第2レンズ群に対して第3レンズ群を
    相対的に移動させる相対移動手段;上記レンズ系による
    焦点距離を設定するズーム操作手段;合焦動作を開始さ
    せるフォーカス操作手段;及びズーム操作手段によって
    焦点距離を設定した後、フォーカス操作手段を操作した
    とき、上記全体移動手段と相対移動手段の少なくとも一
    方を動作させて被写体に合焦させる制御手段;を有する
    ことを特徴とするズームレンズカメラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のズームレンズカメラにお
    いて、上記制御手段は、ズーム操作手段によって設定さ
    れる少なくとも短焦点距離端において、フォーカス操作
    手段を操作したとき、上記全体移動手段だけを動作させ
    て被写体に合焦させるズームレンズカメラ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のズームレンズカメラにお
    いて、上記制御手段は、ズーム操作手段によって設定さ
    れる少なくとも短焦点距離端において、フォーカス操作
    手段を操作したとき、上記全体移動手段と相対移動手段
    の双方を動作させて被写体に合焦させるズームレンズカ
    メラ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項記載の
    ズームレンズカメラにおいて、上記制御手段は、ズーム
    操作手段によって設定される短焦点距離端以外の設定焦
    点距離において、フォーカス操作手段が操作されたとき
    には、上記相対移動手段だけを動作させて被写体に合焦
    させるズームレンズカメラ。
  5. 【請求項5】 物体側より順に、それぞれ可動の第1レ
    ンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群を有するレンズ
    系;第2レンズ群と第3レンズ群を一体に、第1レンズ
    群とは別々に、それぞれ予め定めた移動軌跡で移動させ
    る全体移動手段;第2レンズ群に対して第3レンズ群を
    相対的に移動させる相対移動手段;上記レンズ系による
    焦点距離を設定するズーム操作手段;及び合焦動作を開
    始させるフォーカス操作手段;を有し、 ズーム操作手段によって焦点距離端を設定した後、フォ
    ーカス操作手段を操作したとき、上記全体移動手段と相
    対移動手段の少なくとも一方を動作させて被写体に合焦
    させることを特徴とするズームレンズカメラの制御方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のズームレンズカメラの制
    御方法において、ズーム操作手段によって設定される少
    なくとも短焦点距離端において、フォーカス操作手段を
    操作したとき、上記全体移動手段だけを動作させて被写
    体に合焦させるズームレンズカメラの制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のズームレンズカメラの制
    御方法において、ズーム操作手段によって設定される少
    なくとも短焦点距離端において、フォーカス操作手段を
    操作したとき、上記全体移動手段と相対移動手段の双方
    を動作させて被写体に合焦させるズームレンズカメラの
    制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれか1項記載の
    ズームレンズカメラの制御方法において、ズーム操作手
    段によって設定される短焦点距離端以外の設定焦点距離
    において、フォーカス操作手段が操作されたときには、
    上記相対移動手段だけを動作させて被写体に合焦させる
    ズームレンズカメラの制御方法。
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