JPH10185713A - 磁歪式歪センサ用起歪体の製造方法 - Google Patents

磁歪式歪センサ用起歪体の製造方法

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JPH10185713A
JPH10185713A JP35077796A JP35077796A JPH10185713A JP H10185713 A JPH10185713 A JP H10185713A JP 35077796 A JP35077796 A JP 35077796A JP 35077796 A JP35077796 A JP 35077796A JP H10185713 A JPH10185713 A JP H10185713A
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JP
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magnetic
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magnetic film
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JP35077796A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Ikeda
満昭 池田
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Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起歪体の異方性を完全に付与し、しかも、大
量に処理が可能な製造方法を提供する。 【解決手段】 起歪体5に電流を通電しながら炉21中
で熱処理することにより起歪体を製造する磁歪式歪セン
サ用起歪体の製造方法。本発明の実施の態様として、
(1)起歪体が磁歪を有する磁性材料である。(2)磁
性材料がマルエージング鋼である、(3)起歪体が非磁
性材料上に磁歪を有する磁性膜が形成されている材料で
ある、(4)非磁性材料がSUS304である、(5)
磁性膜がNi−Fe合金である、(6)磁性膜がNiめ
っき膜である、(7)磁性膜形成法がスパッタリング法
である、(8)通電する電流によって起歪体表面に発生
する磁界の強さは10Oe以上である、ことが挙げられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体の逆磁歪効
果を利用した磁歪式歪センサ、例えば、モータのトル
ク、液体の圧力や電線の張力を測定するための歪センサ
に用いる起歪体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転駆動系を有するロボットやマニュプ
レータおよび工作機械などの制御に非接触小型トルクセ
ンサが要求されている。このようなトルクセンサとして
は図1に示す構造のものがある。図1中、1は回転軸、
2は回転軸1の表面に形成した加工溝又は磁性膜、3は
検出コイル、4は励磁コイルである。回転軸1としては
マルエージング鋼やステンレス鋼などが使用される。回
転軸1がSUS304ステンレス鋼のように非磁性材料
の場合はその表面に磁性膜2(Ni−Fe膜)などがス
パッタ法やメッキ法で形成される。マルエージング鋼の
場合はそのまま使用される。マルエージング鋼の場合も
高感度センサを構成する場合はその表面にニッケルメッ
キなどが形成されて使用される。回転軸1にトルクが印
加されると、回転軸である起歪体が磁性材料のときは歪
変化に基づきその磁気特性が変化する。また回転軸1が
非磁性体であるときには、表面に形成した磁性膜2に歪
が加わり磁気特性が変化する。この磁気特性の変化を回
転軸の周囲に巻いている検出コイル3によりインピーダ
ンス変化として検出し、トルクに換算する。このような
起歪体は磁性材料の場合、機械加工でシェブロン状にス
リットを入れた物が使用されていた。磁性膜2の場合は
例えばスパッタ時にマスクを施すことにより、磁性膜2
をシェブロン状に形成させた物が使用されていた。シェ
ブロン状にする一つの理由は磁性材料に形状異方性を付
与してセンサ特性であるヒステリシスを少なくするため
である。
【0003】一方、送電線や電車線の張力を測定する試
みが進められている。例えば、送電線に雪がつもり、そ
の重さが増すと電線が荷重に耐えきらなくなり、断線に
いたる。従って、電線の張力を監視して、事故を未然に
防ぐ試みが進められている。張カセンサの構成例を図2
に示す。非磁性ステンレス製の支持体11上にNi−F
e合金からなる磁性膜12が形成されている。支持体1
1の磁性膜12に近接して励磁コイル14と検出コイル
13が配置されている。これにより、支持体11の張力
変化に基づく歪の変化を磁気特性の変化としてとらえ、
張力に換算する。磁性膜12は起歪体の周方向で連続し
ているので形状異方性は周方向に付与されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁歪式歪センサ
で使用される起歪体はセンサとしての精度を向上するた
めに加工により所定形状を形成するか、または、磁性膜
の場合は膜作製時に所定形状を作製し形状異方性を付与
している。ところが、異方性の付与されていない材料に
形状だけで異方性を付与しようとしても、形状だけでは
異方性の付き方が不十分であるために、精度、特にヒス
テリシスが大きかった。磁性体の異方性を付与する方法
としては、原子の移動が容易になる高温で磁界を印加す
ることが最も望ましい。磁性体の異方性を付与する方法
として熱処理装置の外部から磁界を印加しながら熱処理
する方法があるが、複数の起歪体を均一に異方性を付与
することが困難なので量産が難しく、しかも、熱処理装
置の外側に大きなコイルを配置するために装置が大型化
するという欠点があった。本発明が解決しようとする課
題は、起歪体の異方性を完全に付与し、しかも、大量に
処理が可能な製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の磁歪式歪センサ用起歪体の製造方法は、起
歪体に電流を通電しながら炉中で熱処理することにより
起歪体を製造するものである。本発明の実施の態様とし
て、次の事項が挙げられる。 (1) 起歪体が磁歪を有する磁性材料である。 (2) 磁性材料がマルエージング鋼である。 (3) 起歪体が非磁性材料上に磁歪を有する磁性膜が
形成されている材料である。 (4) 非磁性材料がSUS304である。 (5) 磁性膜がNi−Fe合金である。 (6) 磁性膜がNiめっき膜である。 (7) 磁性膜形成法がスパッタリング法である。 (8) 通電する電流によって起歪体表面に発生する磁
界の強さは10Oe以上である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。導電体に電流を通電すると、この電流によ
り電流の流れる方向と直角方向に磁界が発生する。この
磁界の強さは起歪体表面に近いほど大きい。交流電流の
場合は表面付近だけに流れる。この状態で温度を上げる
と、磁界方向に磁気異方性が発生する。磁界の大きさは
大きいほど望ましいが10Oe程度有れば良い。このよ
うな処理を施すと1方向に磁気異方性が付与された起歪
体が形成される。この起歪体の表面をシェブロン状に加
工すれば形状異方性と磁気異方性が合成された方向に均
一な異方性が付与される。起歪体を導線でシリーズにつ
ないで熱処理すれば一度に大量に作製できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。図3は、本発明の磁歪式歪センサ用起歪体の製造
設備を示すものである。図中、21は電気炉、22はア
ルミナ製の炉心管、23はヒータコイルである。SUS
304起歪体5上にNi−Fe膜を形成した材料を電気
炉21の炉心管22の中にセットし、起歪体5の両端部
はネジでリード線6を接続し、電流計7を介して電源8
を接続している。試料セット後、炉心管22の中にアル
ゴンガスを流し、空気を置換した後、温度を上げ、所定
温度に保持した。次に試料に電流を流しながら、所定時
間保持後、冷却した。
【0008】<第1実施例>本実施例では、直径30m
mのマルエージング鋼および表面に厚さ5μmの90%
Ni−Fe膜を形成したSUS304ステンレスシャフ
トからなる起歪体5を電気炉21中で種々の温度に保持
した後、起歪体5の軸長方向に直流もしくは15kHz
の交流電流を流しながら1時間保持後、徐冷した。マル
エージング鋼については図1と同様に表面をシェブロン
状に加工後トルクセンサを構成してヒステリシス精度を
調べた。ステンレスについてはそのまま張カセンサ(図
2)としてのヒステリシス精度を調べた。測定条件は励
磁コイル200ターン、検出コイル400ターン、励磁
電源周波数は20kHzである。それぞれのコイルは起
歪体の周囲にソレノイド状に巻いた。直流電流の結果を
表1に示す。交流電流の場合、10A以上ですべて0.
1%の精度が得られた。交流の場合、表皮効果で表面付
近だけしか電流が流れないので、磁界も表面付近に集中
するために、直流より効果が大きかったと考えられる。
【表1】 表1から、いずれも高精度化していることが分かる。な
お、記載している熱処理温度以下では効果がみられなか
った。熱処理温度は磁性材料の種類によって異なるが一
般にキュリ点以下150°Cより高温領域ならば良い。
【0009】<第2実施例>直径30mmのSUS30
4ステンレスシャフトからなる起歪体を洗浄した後、表
2の電気メッキ条件で厚さ5μmのニッケル膜を被覆し
た。引き続き、図3の電気炉21中で種々の温度に保持
した後、起歪体5の軸長方向に直流もしくは20kHz
の交流電流30Aを流しながら所定時間保持後、徐冷し
た。
【表2】 拡散処理後の起歪体について、シェブロン状に加工した
試料で図1のトルクセンサを加工しないそのままの試料
で張力センサ(図2)を構成し、歪・出力特性を測定し
ヒステリシス精度を求めた。起歪体の周囲に配置した励
磁コイルは200ターン、検出コイルは600ターンで
ある。表3に直流電流の結果を示す。交流電流の場合全
て0.1%の精度がえられた。
【表3】 いずれも高精度化していることが分かる。最終的に形成
された磁性膜の組成をXMA分析で調べたところ、40
0℃(92%Ni−Fe)、500℃(86%Ni−F
e)、600℃(60%Ni−Fe)、700℃(50
%Ni−Fe)であった。
【0010】<第3実施例>直径30mmのSUS30
4ステンレスシャフトからなる起歪体を洗浄した後、ス
パッタ装置中で450℃に加熱したのち、90%Ni−
Fe膜をスパッタリング法で5μmの厚さ形成した。膜
形成時には軸長方向に20kHzの交流電流30Aを流
し続けた。通電は軸の両端に通電端子を設けて行った。
処理後の起歪体について、シェブロン状に加工した試料
で図1のトルクセンサを構成し、加工しないそのままの
試料で張カセンサ(図2)を構成し、歪・出力特性を測
定しヒステリシス精度を求めた。起歪体の周囲に配置し
た励磁コイルは200ターン、検出コイルは600ター
ンである。表4に電流の結果を示す。
【表4】 いずれも電流を流すことにより高精度化していることが
分かる。
【0011】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により製造し
た起歪体は磁気異方性が均一に一方向に付与されている
ので、磁歪式歪センサの高精度化に寄与できる。また、
起歪体の両端から電流を流すだけでよいので、複数本で
も直列に連結すれば量産もできる。また、低価格で量産
に適する電気メッキ法で形成した起歪体を構成できるの
で、磁歪式歪センサの低価格化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来および本発明に使用したマルエージング鋼
を使用した磁歪式トルクセンサの構成図である。
【図2】従来および本発明に使用した磁歪式張力センサ
の構成図である。
【図3】本発明の起歪体の製造に用いる設備の概略図で
ある。
【符号の説明】
1 回転軸、2 磁性膜、3 検出コイル、4 励磁コ
イル、5 起歪体、6リード線、7 電流計、8 電
源、11 支持体、12 磁性膜、13 検出コイル、
14 励磁コイル、21 電気炉、22 炉心管、23
ヒータコイル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起歪体に電流を通電しながら炉中で熱処
    理することにより起歪体を製造することを特徴とする磁
    歪式歪センサ用起歪体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記起歪体が磁歪を有する磁性材料であ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁歪式歪センサ用起
    歪体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記磁性材料がマルエージング鋼である
    請求項2記載の磁歪式歪センサ用起歪体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記起歪体が非磁性材料上に磁歪を有す
    る磁性膜が形成されている材料であることを特徴とする
    請求項1記載の磁歪式歪センサ用起歪体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記非磁性材料がSUS304である請
    求項4記載の磁歪式歪センサ用起歪体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記磁性膜がNi−Fe合金である請求
    項4記載の磁歪式歪センサ用起歪体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記磁性膜がNiめっき膜である請求項
    4記載の磁歪式歪センサ用起歪体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記磁性膜の形成法がスパッタリング法
    であることを特徴とする請求項4記載の磁歪式歪センサ
    用起歪体の製造方法。
  9. 【請求項9】 通電する電流によって起歪体表面に発生
    する磁界の強さは10Oe以上であることを特徴とする
    請求項1ないし8のいずれかの項に記載の磁歪式歪セン
    サ用起歪体の製造方法。
JP35077796A 1996-12-27 1996-12-27 磁歪式歪センサ用起歪体の製造方法 Pending JPH10185713A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6574853B2 (en) 2000-12-22 2003-06-10 Tdk Corporation Torque sensor and manufacturing method of the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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