JPH10185343A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JPH10185343A
JPH10185343A JP34293896A JP34293896A JPH10185343A JP H10185343 A JPH10185343 A JP H10185343A JP 34293896 A JP34293896 A JP 34293896A JP 34293896 A JP34293896 A JP 34293896A JP H10185343 A JPH10185343 A JP H10185343A
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徹 稲塚
Tomohiro Yabu
知宏 薮
Takayuki Setoguchi
隆之 瀬戸口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間圧力が適性値に保持されるようにして最
大のインジェクション効果を発揮し得るようにする。 【解決手段】 主冷媒回路(2M)にインジェクション回
路(30)を設ける一方、インジェクション回路(30)を
流れる中間圧ガス冷媒の最大流量に対応する中間圧冷媒
の目標圧力が主冷媒回路(2M)における各冷媒状態に対
して設定され、中間圧冷媒の中間圧力が目標圧力になる
ように下流側膨張弁(EV)の開度を制御する。特に、中
間圧ガス冷媒の最大流量に対応する圧縮機(21)の吐出
温度の低下量の急変化点に下流側膨張弁(EV)の開度を
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスインジェクシ
ョン回路を備えた冷凍装置に関し、特に、中間圧力制御
に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍装置としての空気調和装
置には、各種のものが提案されており、例えば、特公平
1−15786号公報に開示されているように、圧縮機
と四路切換弁と室外熱交換器と第1膨張機構と気液分離
器と第2膨張機構と室内熱交換器とが順に接続されてな
る冷媒回路を備えているものがある。
【0003】上記気液分離器と圧縮機との間には、気液
分離器の中間圧ガス冷媒を圧縮機に供給するインジェク
ション回路を設け、空調能力の向上を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した空気調和装置
において、第1膨張機構及び第2膨張機構が何れもキャ
ピラリチューブの組み合わせて構成されているので、減
圧量が固定され、圧縮機の容量を増大すると、インジェ
クションする中間圧ガス冷媒を適性量に保つことができ
ないという問題があった。
【0005】そこで、第1膨張機構及び第2膨張機構を
開度可変な膨張弁で構成することが考えられる。しかし
ながら、従来、上記両膨張機構を何れもキャピラリチュ
ーブの組み合わせて構成しているので、中間圧力の調整
については何ら考慮されておらず、両膨張機構を膨張弁
で構成した際においても、中間圧ガス冷媒のインジェク
ション量を変更するものの、最適な中間圧力に保たれて
いるという保証がなく、インジェクション効果を最大限
に発揮しているとはいえないという問題があった。
【0006】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、中間圧力が適性値に保持されるようにして最大のイ
ンジェクション効果を発揮し得るようにすることを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 −発明の概要− 本発明は、主冷媒回路(2M)にインジェクション回路
(30)を設ける一方、インジェクション回路(30)を流
れる中間圧ガス冷媒の最大流量に対応する中間圧冷媒の
目標圧力が主冷媒回路(2M)における各冷媒状態に対し
て設定され、中間圧冷媒の中間圧力が目標圧力になるよ
うに下流側膨張弁(EV)の開度を制御する。特に、中間
圧ガス冷媒の最大流量に対応する圧縮機(21)の吐出温
度の低下量の急変化点に下流側膨張弁(EV)の開度を制
御する。
【0008】−解決手段− 具体的に、図1に示すように、請求項1に係る発明が講
じた手段は、先ず、容量の可変な圧縮機(21)と熱源側
熱交換器(23)と開度の可変な第1膨張弁(EV-1)と気
液分離器(24)と開度の可変な第2膨張弁(EV-2)と利
用側熱交換器(25)とが順に接続されて成る主冷媒回路
(2M)が設けられている。更に、該主冷媒回路(2M)に
おける凝縮圧力と蒸発圧力との間の中間圧力にある中間
圧冷媒のうちの中間圧ガス冷媒を気液分離器(24)から
圧縮機(21)に供給するインジェクション回路(30)が
設けられている。加えて、該インジェクション回路(3
0)を流れる中間圧ガス冷媒が最大流量となるように主
冷媒回路(2M)の下流側膨張弁(EV)の開度を調整する
開度調整手段(52)が設けられている。
【0009】請求項2記載の発明が講じた手段は、上記
請求項1記載の発明において、開度調整手段(52)は、
中間圧ガス冷媒の最大流量に対応する中間圧冷媒の目標
圧力が主冷媒回路(2M)における各冷媒状態に対して設
定され、該中間圧冷媒の中間圧力が目標圧力になるよう
に下流側膨張弁(EV)の開度を制御する構成としてい
る。
【0010】請求項3記載の発明が講じた手段は、上記
請求項1記載の発明において、圧縮機(21)の吐出冷媒
の吐出温度を検出して検出信号を出力する吐出温度検出
手段(Th-d)が設けられている。更に、開度調整手段
(52)は、吐出温度検出手段(Th-d)の検出信号を受け
て、中間圧ガス冷媒の最大流量に対応する吐出温度の低
下量の急変化点に下流側膨張弁(EV)の開度を制御す構
成としている。
【0011】請求項4記載の発明が講じた手段は、図6
に示すように、上記請求項1記載の発明において、主冷
媒回路(2M)における冷媒の凝縮温度を検出する凝縮温
度検出手段(Th)と、冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温
度検出手段(Th)と、中間圧冷媒の中間圧温度を検出す
る中間圧温度検出手段(Th-m)が設けられている。更
に、開度調整手段(52)は、中間圧ガス冷媒の最大流量
に対応する中間圧冷媒の目標温度が主冷媒回路(2M)の
各凝縮温度と各蒸発温度に対して予め設定され、上記凝
縮温度検出手段(Th)と蒸発温度検出手段(Th)と中間
圧温度検出手段(Th-m)の検出信号を受けて、中間圧冷
媒の中間圧温度が、検出凝縮温度と検出蒸発温度に対応
する目標温度になるように下流側膨張弁(EV)の開度を
制御する構成としている。
【0012】請求項5記載の発明が講じた手段は、図8
に示すように、上記請求項1記載の発明において、イン
ジェクション回路(30)を流れる中間圧ガス冷媒の流量
を検出する流量検出手段(60)が設けられている。開度
調整手段(52)は、流量検出手段(60)の検出流量が最
大になるように下流側膨張弁(EV)の開度を制御する構
成としている。
【0013】請求項6記載の発明が講じた手段は、図9
に示すように、上記請求項1記載の発明において、主冷
媒回路(2M)における冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温
度検出手段(Th)と、中間圧冷媒の中間圧温度を検出す
る中間圧温度検出手段(Th-m)とが設けられる一方、圧
縮機(21)は、供給周波数が周波数制御手段(51)によ
って制御されて容量が制御される。更に、開度調整手段
(52)は、中間圧ガス冷媒の最大流量に対応する中間圧
力と圧縮機(21)の吸込側の低圧圧力との目標圧力差が
圧縮機(21)の各供給周波数に対して予め設定され、周
波数制御手段(51)の周波数信号と蒸発温度検出手段
(Th)及び中間圧温度検出手段(Th-m)の検出信号を受
けて、検出中間圧温度に基づく中間圧力と検出蒸発温度
に基づく低圧圧力との圧力差が、検出供給周波数に対応
する目標圧力差になるように下流側膨張弁(EV)の開度
を制御する構成としている。
【0014】−作用− 上記の発明特定事項により、請求項1記載の発明では、
冷凍運転時において、高圧冷媒は、第1膨張弁(EV-1)
と第2膨張弁(EV-2)とによって減圧されることになる
が、主体となる減圧は、上流側膨張弁(EV)で行われ
る。例えば、冷房運転時の第1膨張弁(EV-1)及び暖房
運転時の第2膨張弁(EV-2)は、蒸発器となる利用側熱
交換器(25)又は熱源側熱交換器(23)(23)の出口側
の冷媒過熱度が所定値になるように開度が制御される。
【0015】一方、中間圧ガス冷媒のインジェクション
のための減圧は、下流側膨張弁(EV)で行われる。例え
ば、冷房運転時の第2膨張弁(EV-2)及び暖房運転時の
第1膨張弁(EV-1)が減圧を行う。
【0016】この下流側の減圧動作は、開度調整手段
(52)によって行われ、インジェクション回路(30)を
流れる中間圧ガス冷媒が最大流量となるように主冷媒回
路(2M)の下流側膨張弁(EV)の開度を調整する。
【0017】具体的に、請求項2記載の発明では、中間
圧ガス冷媒の最大流量に対応する中間圧冷媒の目標圧力
が主冷媒回路(2M)における各冷媒状態に対して設定さ
れ、該中間圧冷媒の中間圧力が目標圧力になるように下
流側膨張弁(EV)の開度を制御する。
【0018】請求項3記載の発明では、圧縮機(21)の
吐出温度が急激に低下する急変化点の中間圧力に中間圧
冷媒が保持されるように下流側膨張弁(EV)の開度を調
整する。つまり、気液分離器(24)の中間圧力が増大し
ていくと、中間圧ガス冷媒の流量、つまり、インジェク
ション量は増大していくものの、気液分離器(24)の乾
き度Xが小さくなる。この結果、気液分離器(24)の中
間圧ガス冷媒が少なくなるので、所定圧力以上になる
と、中間圧ガス冷媒の実際のインジェクション量が低下
する。
【0019】このインジェクション量が最大となると、
気液分離器(24)の中間圧ガス冷媒が少ないため、気液
分離器(24)の中間圧液冷媒がインジェクション回路
(30)を通って圧縮機(21)に供給される。この結果、
この液冷媒の蒸発によって圧縮機(21)内の冷媒が急激
に冷却され、吐出温度が急激に低下する。ことから、圧
縮機(21)の吐出温度の低下量が急変化する点の中間圧
力に中間圧冷媒がなるように下流側膨張弁(EV)の開度
を調整し、中間圧ガス冷媒のインジェクション量を最大
にする。
【0020】請求項4記載の発明では、開度調整手段
(52)は、各凝縮温度及び各蒸発温度において、中間圧
ガス冷媒のインジェクション量が最大となる最適な中間
圧温度の目標温度を予め設定し、例えば、目標温度をテ
ーブル化して設定している。そして、上記開度調整手段
(52)は、凝縮温度検出手段(Th)及び蒸発温度検出手
段(Th)の凝縮温度及び蒸発温度に基づき最適な中間圧
温度の目標温度を導出し、検出中間圧温度が目標温度に
なるように下流側膨張弁(EV)の開度を調整する。
【0021】請求項5記載の発明では、インジェクショ
ン回路(30)に設けられた流量検出手段(60)がインジ
ェクション回路(30)を流れる中間圧ガス冷媒の流量を
検出する。この流量検出手段(60)の検出流量を受けて
開度調整手段(52)は中間圧ガス冷媒の流量、つまり、
インジェクション量が最大となるように下流側膨張弁
(EV)の開度を調整する。
【0022】請求項6記載の発明では、周波数制御手段
が、圧縮機(21)の供給周波数を制御して該圧縮機(2
1)の容量を制御し、開度調整手段(52)は、この周波
数指令に基づき圧縮機(21)の供給周波数を導出する。
該開度調整手段(52)は、圧縮機(21)の各供給周波数
に対する中間圧力と低圧圧力との最適な目標圧力差を予
め記憶しているので、現在の圧縮機(21)の供給周波数
から最適な中間圧力を導出する。そして、上記開度調整
手段(52)は、蒸発温度検出手段(Th)及び中間圧温度
検出手段(Th-m)の蒸発温度と中間圧温度とに基づき中
間圧力と低圧圧力との圧力差を演算し、目標圧力差にな
るように下流側膨張弁(EV)の開度を制御する。
【0023】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、中間圧ガ
ス冷媒の供給量が最大になるように下流側膨張弁(EV)
の開度を制御するようにしたために、中間圧ガス冷媒の
インジェクション効果を確実に発揮させることができ
る。つまり、中間圧ガス冷媒のインジェクションによる
運転能力の向上を確実に図ることができ、運転能力の向
上が図られる。換言すると、運転能力を従来と同様に保
つと、圧縮機(21)入力を低減することができ、省エネ
ルギ化を確実に図ることができる。
【0024】特に、請求項3記載の発明によれば、圧縮
機(21)の吐出温度が急変化する状態に下流側膨張弁
(EV)の開度を調整するようにしたために、圧縮機(2
1)の吐出温度を検出するのみでもって、中間圧冷媒を
適正な中間圧力に保つことができることから、簡略な制
御構成によって確実に冷凍能力の向上又は省エネルギ化
を確実に図ることができる。
【0025】請求項4記載の発明によれば、中間圧ガス
冷媒が最大となる中間圧温度に中間圧冷媒を保持するの
で、中間圧ガス冷媒のインジェクション効果を確実に発
揮させることができると同時に、各凝縮温度及び各蒸発
温度における最適な目標温度を予め設定しているので、
中間圧ガス冷媒の供給量を確実に最大値に調整すること
ができる。
【0026】請求項5記載の発明によれば、中間圧ガス
冷媒の流量を直接に検出することから、中間圧ガス冷媒
の流量を正確に最大値に調整することができる。
【0027】請求項6記載の発明によれば、圧縮機(2
1)の供給周波数に基づく目標圧力差から中間圧ガス冷
媒の最適な中間圧力を導出し、下流側膨張弁(EV)の開
度を調整するようにしたために、中間圧ガス冷媒のイン
ジェクション量を最大に保持することができるので、中
間圧ガス冷媒のインジェクション効果を確実に発揮させ
ることができる。
【0028】また、中間圧温度検出手段(Th-m)等を設
けるのみでもって中間圧ガス冷媒の中間圧力を制御する
ことができるので、簡易な構成とすることができると共
に、冷媒温度と圧縮機(21)の供給周波数を検出するの
みであることから、制御構成の簡易化を図ることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0030】図1に示すように、空気調和装置(10)
は、冷凍装置としてのヒートポンプ式の空気調和装置で
あって、冷房運転と暖房運転とに切り換え運転自在に構
成されている。
【0031】該空気調和装置(10)の冷媒回路(20)
は、圧縮機(21)と四路切換弁(22)と熱源側熱交換器
である室外熱交換器(23)と第1電動膨張弁(EV-1)と
気液分離器(24)と第2電動膨張弁(EV-2)と利用側熱
交換器である室内熱交換器(25)とアキュムレータ(2
6)とが冷媒配管(27)によって順に接続されてなる主
冷媒回路(2M)を備えている。
【0032】上記圧縮機(21)は、インバータ(40)が
接続されて制御電力が供給され、該インバータ(40)に
は、コントローラ(50)が接続されて該インバータ(4
0)がコントローラ(50)の電力制御部(51)によって
制御されている。該コントローラ(50)の電力制御部
(51)は、室内の熱負荷に対応して圧縮機(21)の供給
周波数を制御し、該圧縮機(21)の運転容量を無段階又
は多段階に制御する周波数制御手段を構成している。
【0033】上記四路切換弁(22)は、圧縮機(21)の
吐出側を室外熱交換器(23)に接続し且つ吸入側を室内
熱交換器(25)に接続する状態(図1に実線で示す状
態)と、圧縮機(21)の吐出側を室内熱交換器(25)に
接続し且つ吸入側を室外熱交換器(23)に接続する状態
(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。この四路切
換弁(22)の切り換え動作によって冷媒回路(20)の冷
媒循環方向が変り、空気調和装置(10)の冷房運転と暖
房運転とが切り換わる。
【0034】上記冷媒回路(20)には、本発明の特徴と
して、インジェクション回路(30)を設けている。該イ
ンジェクション回路(30)は、中間圧ガス冷媒を圧縮機
(21)にインジェクションする回路であって、一端が気
液分離器(24)の上部に、他端が圧縮機(21)の圧縮行
程中に連通し、途中に電磁弁(SV)が設けられている。
つまり、上記気液分離器(24)には、凝縮圧力と蒸発圧
力との中間圧力になっている中間圧冷媒が貯溜されてい
るが、インジェクション回路(30)は、電磁弁(SV)を
開口し、気液分離器(24)の中間圧冷媒のうち、ガス相
の中間圧ガス冷媒を圧縮機(21)にインジェクションす
る。
【0035】上記第1電動膨張弁(EV-1)と第2電動膨
張弁(EV-2)とは、本発明の特徴として、開度調整自在
に構成されて減圧度(絞り率)の調整を行えるようにし
ている。そして、上記第1電動膨張弁(EV-1)又は第2
電動膨張弁(EV-2)で減圧される中間圧冷媒が気液分離
器(24)に貯溜される。
【0036】上記圧縮機(21)の吐出側の冷媒配管に
は、吐出管センサ(Th-d)が設けられている。該吐出管
センサ(Th-d)は、圧縮機(21)の吐出冷媒の吐出温度
を検出して検出温度をコントローラ(50)に出力する吐
出温度検出手段を構成している。
【0037】上記コントローラ(50)には、本発明の最
も特徴とする開度調整手段(52)が構成され、該開度調
整手段(52)は、インジェクション回路(30)を流れる
中間圧ガス冷媒が最大流量となるように下流側電動膨張
弁(EV)の開度を調整して中間圧力を制御する。具体的
に、上記吐出管センサ(Th-d)が検出する吐出管温度の
低下量が急変化する点の中間圧力に中間圧冷媒がなるよ
うに下流側膨張弁(EV)の開度を制御する。
【0038】−開度調整の基本原理− そこで、上述した中間圧力を吐出温度に基づいて制御す
るようにした基本的原理について説明する。
【0039】先ず、上記主冷媒回路(2M)における冷媒
の状態変化について概略説明すると、図2に示すよう
に、圧縮機(21)における冷媒は、A点からB点の高圧
状態に圧縮され、この高圧ガス冷媒は、凝縮してC点で
高圧液冷媒になる。この高圧液冷媒は、第1電動膨張弁
(EV-1)又は第2電動膨張弁(EV-2)でD点まで中間圧
冷媒に減圧され、気液分離器(24)で中間圧液冷媒と中
間圧ガス冷媒とに分離する。
【0040】この分離した中間圧ガス冷媒は、インジェ
クション回路(30)を介して圧縮機(21)の圧縮行程途
中(G点参照)に供給される一方、中間圧液冷媒は、E
点から第2電動膨張弁(EV-2)又は第1電動膨張弁(EV
-1)でF点まで低圧二相冷媒に減圧される。この低圧二
相冷媒は、蒸発してA点に変化し、圧縮機(21)に戻
る。
【0041】上記インジェクション回路(30)を流れる
中間圧ガス冷媒の流量、つまり、インジェクション量
は、低圧圧力と中間圧力との圧力差によって定まる。
【0042】一方、図3に示すように、上記圧縮機(2
1)にインジェクションする中間圧ガス冷媒のインジェ
クション量を増大すると、運転能力が向上する。具体的
に、A1のインジェクションを行わない場合からA2及
びA3の順にインジェクション量を増大すると、運転能
力が向上する。
【0043】つまり、圧縮機(21)の供給電力(圧縮機
入力)を一定とすると、暖房運転時では、中間圧ガス冷
媒のインジェクション量を多くすると、室内熱交換器
(25)を流れる冷媒循環量が増大し、暖房能力(運転能
力)が向上し、冷房運転時にあっては、D点からE点ま
でのエンタルピが増大するので、蒸発する冷媒の熱量が
多くなり、冷房能力(運転能力)が向上する。
【0044】換言すると、運転能力を一定とすると、中
間圧ガス冷媒をインジェクションしない場合から中間圧
ガス冷媒を増大するに従って圧縮機(21)の供給電力
(圧縮機入力)が低下する。
【0045】したがって、中間圧ガス冷媒のインジェク
ション量、つまり、インジェクション回路(30)を流れ
る中間圧ガス冷媒の流量を最大にすると、運転能力が最
大又は圧縮機入力が最小となる。
【0046】この中間圧ガス冷媒のインジェクション量
は、蒸発器の冷媒圧力である低圧圧力(圧縮機(21)の
吸入圧力)と気液分離器(24)の冷媒圧力である中間圧
力との圧力差によって定まる。そこで、図4に示すよう
に、上記圧力差ΔPを増大していくと、中間圧ガス冷媒
のインジェクション量Q1は増大して所定の圧力差ΔP
で最大Qmax となる。更に、圧力差ΔPを増大すると、
中間圧ガス冷媒のインジェクション量Q1は逆に低下す
る。
【0047】この圧力差ΔPとインジェクション量Q1
の特性図に吐出温度Tdの特性を重畳すると、この吐出
温度Tdは、圧力差ΔPを増大していくと、徐々に低下
し、中間圧ガス冷媒のインジェクション量Q1が最大と
なる点において、吐出温度Tdが急激に低下する。この
吐出温度Tdの低下量の急変化点C1は、インジェクシ
ョン量Q1の最大点Qmax にほぼ一致する。
【0048】この理由は次の通りである。先ず、気液分
離器(24)に中間圧力が十分に貯溜していると仮定する
と、図5に示すように、圧力差ΔPを増大していくと、
中間圧ガス冷媒のインジェクション量Q2は増大してい
く。この圧力差ΔPとインジェクション量Q2の特性図
に気液分離器(24)の乾き度Xの特性を重畳すると、所
定の圧力差ΔPで交叉し、この交叉点C2は、実際のイ
ンジェクション量Q1の最大点Qmax にほぼ一致する。
【0049】つまり、上記圧力差ΔPを増大していく
と、中間圧ガス冷媒のインジェクション量Q2は増大し
ていくものの、この中間圧力を増大すると、気液分離器
(24)の乾き度Xが小さくなる。この結果、気液分離器
(24)に存在する中間圧ガス冷媒が少なくなるので、所
定の圧力差ΔP以上になると、中間圧ガス冷媒の実際の
インジェクション量Q1が低下し、インジェクション量
Q1が最大となる圧力差ΔPが存在することになる。
【0050】更に、上記インジェクション量Q1が最大
となると、上述したように気液分離器(24)の中間圧ガ
ス冷媒が少ないため、気液分離器(24)の中間圧液冷媒
がインジェクション回路(30)を通って圧縮機(21)に
供給される。この結果、この液冷媒の蒸発によって圧縮
機(21)内の冷媒が急激に冷却され、図3に示すよう
に、吐出温度TdがC1点で急激に低下することにな
る。
【0051】以上のことから、本実施形態1では、吐出
管センサ(Th-d)が検出する吐出温度Tdの低下量が急
変化する点C1の中間圧力に中間圧冷媒がなるように下
流側膨張弁(EV)の開度を調整し、中間圧ガス冷媒のイ
ンジェクション量Q1は最大にするようにしている。
【0052】−空気調和動作− 次に、上述した空気調和装置(10)の空気調和動作につ
いて説明する。
【0053】先ず、室内の冷房運転時には、四路切換弁
(22)を図1の実線側に切り換える。この状態におい
て、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、四路切換弁(2
2)を経て室外熱交換器(23)に流れ、該室外熱交換器
(23)において外気と熱交換して凝縮する。その後、こ
の液冷媒は、第1電動膨張弁(EV-1)で減圧され、凝縮
圧力と蒸発圧力との中間圧力の中間圧冷媒となって気液
分離器(24)に流れ、該気液分離器(24)に溜まる。
【0054】上記気液分離器(24)に溜まった中間圧冷
媒のうち、中間圧液冷媒は、第2電動膨張弁(EV-2)で
減圧された後、室内熱交換器(25)において室内空気と
熱交換して蒸発し、室内空気を冷却する。その後、この
ガス冷媒は四路切換弁(22)及びアキュムレータ(26)
を経て圧縮機(21)に戻る。このような冷媒の循環動作
を行うことにより室内の冷房が行われる。
【0055】一方、暖房運転時には、四路切換弁(22)
を図1の破線側に切り換える。この状態において、圧縮
機(21)から吐出した冷媒は、四路切換弁(22)を経て
室内熱交換器(25)に流れ、該室内熱交換器(25)にお
いて室内空気と熱交換し、室内空気を加熱しながら凝縮
する。その後、この液冷媒は、第2電動膨張弁(EV-2)
で減圧され、中間圧冷媒となって気液分離器(24)に流
れ、該気液分離器(24)に溜まる。
【0056】上記気液分離器(24)に溜まった中間圧冷
媒のうち、中間圧液冷媒は、第1電動膨張弁(EV-1)で
減圧された後、室外熱交換器(23)において外気と熱交
換して蒸発する。その後、このガス冷媒は四路切換弁
(22)及びアキュムレータ(26)を経て圧縮機(21)に
戻る。このような冷媒の循環動作を行うことにより室内
の暖房が行われる。
【0057】上述した空気調和運転時において、インジ
ェクション回路(30)の電磁弁(SV)を開口すると、気
液分離器(24)の中間圧ガス冷媒が圧縮機(21)にイン
ジェクションされる。
【0058】上記冷媒回路(20)における冷媒の状態変
化は、上述した図2に示すようになる。
【0059】先ず、圧縮機(21)における冷媒は、A点
の低圧状態からB点の凝縮圧力の高圧状態に圧縮され
る。この高圧ガス冷媒は、室外熱交換器(23)又は室内
熱交換器(25)で凝縮し、C点で高圧液冷媒になる。こ
の高圧液冷媒は、第1電動膨張弁(EV-1)又は第2電動
膨張弁(EV-2)でD点まで中間圧冷媒に減圧され、気液
分離器(24)に貯溜し、該気液分離器(24)で中間圧液
冷媒と中間圧ガス冷媒とに分離する。
【0060】この分離した中間圧ガス冷媒は、インジェ
クション回路(30)を介して圧縮機(21)の圧縮行程途
中(G点参照)にインジェクションされる一方、中間圧
液冷媒は、E点から第2電動膨張弁(EV-2)又は第1電
動膨張弁(EV-1)でF点まで低圧二相冷媒に減圧され
る。この低圧二相冷媒は、室内熱交換器(25)又は室外
熱交換器(23)で蒸発し、A点に変化して圧縮機(21)
に戻る。
【0061】この結果、暖房運転時にあっては、凝縮器
となる室内熱交換器(25)を流れる冷媒は、中間圧ガス
冷媒が加わることから、冷媒循環量が増大し、暖房能力
が向上する。
【0062】一方、冷房運転時にあっては、F点の低圧
二相冷媒は、D点からE点までのエンタルピが増大する
ので、室内熱交換器(25)で蒸発する冷媒の熱量が多く
なり、冷房能力が向上する。
【0063】上記空調運転時において、高圧冷媒は、第
1電動膨張弁(EV-1)と第2電動膨張弁(EV-2)とによ
って減圧されることになるが、主体となる減圧は、上流
側電動膨張弁(EV)で行われる。つまり、冷房運転時の
第1電動膨張弁(EV-1)及び暖房運転時の第2電動膨張
弁(EV-2)は、蒸発器となる室内熱交換器(25)又は室
外熱交換器(23)の出口側の冷媒過熱度が所定値になる
ように開度が制御され、図2におけるC−Dの減圧を行
う。
【0064】一方、中間圧ガス冷媒のインジェクション
のための減圧は、下流側電動膨張弁(EV)で行われる。
つまり、冷房運転時の第2電動膨張弁(EV-2)及び暖房
運転時の第1電動膨張弁(EV-1)が、図2におけるE−
Fの減圧を行う。
【0065】この下流側の減圧動作は、本発明の特徴と
して、開度調整手段(52)によって行われ、図4に示す
ように、圧縮機(21)の吐出温度Tdが急激に低下する
急変化点C1の中間圧力に中間圧冷媒が保持されるよう
に下流側電動膨張弁(EV)の開度が調整される。
【0066】具体的に、吐出管温度センサが圧縮機(2
1)の吐出冷媒の温度である吐出温度Tdを検出し、こ
の吐出温度Tdは、上述したように、下流側電動膨張弁
(EV)の開度を小さくして中間圧力を大きくすると、所
定の中間圧力で急激に低下する。この吐出温度Tdが急
激に低下する点の中間圧力に中間圧冷媒が保持されるよ
うに下流側電動膨張弁(EV)、つまり、冷房運転時の第
2電動膨張弁(EV-2)、暖房運転時の第1電動膨張弁
(EV-1)の開度を制御し、中間圧ガス冷媒のインジェク
ション量Q1を最大にする。
【0067】−実施形態1の効果− 以上のように、本実施形態によれば、圧縮機(21)の吐
出温度Tdが急変化する状態に下流側電動膨張弁(EV)
の開度を調整するようにしたために、中間圧ガス冷媒の
インジェクション量Q1が最大となる中間圧力に中間圧
冷媒を保持することができる。この結果、中間圧ガス冷
媒のインジェクション量Q1を最大に保持することがで
きるので、中間圧ガス冷媒のインジェクション効果を確
実に発揮させることができる。つまり、中間圧ガス冷媒
のインジェクションによる運転能力の向上を確実に図る
ことができ、冷房能力及び暖房能力の向上が図られる。
換言すると、運転能力を従来と同様に保つと、圧縮機入
力を低減することができ、省エネルギ化を確実に図るこ
とができる。
【0068】特に、圧縮機(21)の吐出温度Tdを検出
するのみでもって、中間圧冷媒を適正な中間圧力に保つ
ことができることから、簡略な制御構成によって確実に
冷房能力及び暖房能力の向上又は省エネルギ化を確実に
図ることができる。
【0069】
【発明の実施の形態2】図6は、本発明の実施形態2を
示し、開度調整手段(52)が、凝縮温度と蒸発温度と中
間圧温度とに基づいて下流側電動膨張弁(EV)の開度を
調整するようにしたものである。
【0070】具体的に、室外熱交換器(23)には、該室
外熱交換器(23)の冷媒温度を検出する室外熱交換セン
サ(Th-o)が設けられ、室内熱交換器(25)には、該室
内熱交換器(25)の冷媒温度を検出する室内熱交換セン
サ(Th-i)が設けられる一方、気液分離器(24)には、
該気液分離器(24)の冷媒温度を検出する中間圧温度セ
ンサ(Th-m)が設けられている。
【0071】上記室外熱交換センサ(Th-o)は、冷房運
転時における冷媒の凝縮温度及び暖房運転時における冷
媒の蒸発温度を検出し、室内熱交換センサ(Th-i)は、
冷房運転時における冷媒の蒸発温度及び暖房運転時にお
ける冷媒の凝縮温度を検出し、この室外熱交換センサ
(Th-o)及び室内熱交換センサ(Th-i)が凝縮温度検出
手段(Th)及び蒸発温度検出手段(Th)を構成してい
る。
【0072】上記中間圧温度センサ(Th-m)は、気液分
離器(24)における中間圧冷媒の飽和温度である中間圧
温度を検出する中間圧温度検出手段を構成している。
【0073】一方、コントローラ(50)には、図7に示
すように、各凝縮温度Tc及び各蒸発温度Teにおける
最適な中間圧温度の目標温度Tmが予め記憶されてい
る。つまり、実施形態1における図2のモリエル線図に
示すように、主冷媒回路(2M)における凝縮温度Tc及
び各蒸発温度Teが定まると、この凝縮温度Tc及び各
蒸発温度Teにおける最適な中間圧温度の目標温度Tm
を実験的に定めることができる。
【0074】そこで、上記コントローラ(50)の開度調
整手段(52)は、各凝縮温度Tc及び各蒸発温度Teに
おいて、中間圧ガス冷媒のインジェクション量が最大と
なる最適な中間圧温度の目標温度Tmを予めテーブル化
して設定し、室外熱交換センサ(Th-o)及び室内熱交換
センサ(Th-i)の検出凝縮温度及び検出蒸発温度を受け
て最適な中間圧温度の目標温度Tmを導出する。更に、
該開度調整手段(52)は、中間圧温度センサ(Th-m)か
らの検出中間圧温度を受けて該中間圧温度が目標温度T
mになるように下流側電動膨張弁(EV)の開度を調整す
る。
【0075】したがって、本実施形態によれば、前実施
形態1と同様に、中間圧ガス冷媒のインジェクション量
Q1が最大となる中間圧温度に中間圧冷媒を保持するこ
とができるので、中間圧ガス冷媒のインジェクション効
果を確実に発揮させることができる。その上、各凝縮温
度Tc及び各蒸発温度Teにおける最適な目標温度Tm
を予め設定しているので、中間圧ガス冷媒のインジェク
ション量Q1を確実に最大値に調整することができる。
【0076】
【発明の実施の形態3】図8は、本発明の実施形態3を
示し、インジェクション回路(30)に流量計(60)を設
けたものである。
【0077】具体的に、該流量計(60)は、インジェク
ション回路(30)を流れる中間圧ガス冷媒の流量を検出
する流量検出手段を構成し、直接的に中間圧ガス冷媒の
インジェクション量Q1を検出している。
【0078】一方、コントローラ(50)の開度調整手段
(52)は、流量計(60)から中間圧ガス冷媒の検出流量
を受けて中間圧ガス冷媒のインジェクション量Q1が最
大となるように下流側電動膨張弁(EV)の開度を調整す
る。
【0079】したがって、本実施形態によれば、前実施
形態1と同様に、中間圧ガス冷媒のインジェクション量
Q1を最大にすることができるので、中間圧ガス冷媒の
インジェクション効果を確実に発揮させることができ
る。その上、中間圧ガス冷媒のインジェクション量Q1
を直接に検出することから、中間圧ガス冷媒のインジェ
クション量Q1を正確に最大値に調整することができ
る。
【0080】
【発明の実施の形態4】図9〜図11は、本発明の実施
形態4を示し、圧縮機(21)の運転周波数に基づいて中
間圧力を制御するようにしたものである。
【0081】先ず、上述した実施形態2の図6に示すよ
うに、冷媒回路(20)の室外熱交換器(23)には室外熱
交換センサ(Th-o)が、室内熱交換器(25)に室内熱交
換センサ(Th-i)が、気液分離器(24)には中間圧温度
センサ(Th-m)がそれぞれ設けられている。この冷媒回
路(20)は、実施形態2の図6に示す回路と同様である
ので、回路図及び詳細な説明を省略する。尚、上記中間
圧温度センサ(Th-m)は、図6に示す気液分離器(24)
の内部の他、冷媒配管(27)に設けるようにしてもよ
い。
【0082】一方、コントローラ(50)の開度調整手段
(52)は、図9に示すように、コントローラ(50)に設
けられてインバータ(40)を制御する電力制御部(51)
から圧縮機(21)の周波数指令の情報を受けて指令周波
数を導出する第1演算部(5a)と、該第1演算部(5a)
が導出した指令周波数から圧縮機(21)の供給周波数F
を導出する第2演算部(5b)とを備えている。
【0083】該開度調整手段(52)は、室外熱交換セン
サ(Th-o)又は室内熱交換センサ(Th-i)が検出する蒸
発器の中間部分の温度、つまり、蒸発温度の情報を受
け、補正値αの補正を行って低圧温度を導出する第3演
算部(5c)と、該第3演算部(5c)が導出した低圧温度
から圧縮機(21)の吸込圧力Psを導出する第4演算部
(5d)とを備えている。尚、上記補正値αは、室外熱交
換器(23)又は室内熱交換器(25)における圧力損失及
び圧縮機(21)の吸入圧力損失に対応するものである。
【0084】上記開度調整手段(52)は、中間圧温度セ
ンサ(Th-m)が検出する気液分離器(24)の出口温度、
つまり、中間圧冷媒の中間圧温度を導出する第5演算部
(5e)と、該第5演算部(5e)が導出した中間圧温度か
ら中間圧冷媒の中間圧力Pmを導出する第6演算部(5
f)とを備えている。
【0085】更に、上記開度調整手段(52)は、第6演
算部(5f)が導出した中間圧力Pmと第4演算部(5d)
が導出した吸込圧力Psとから圧力差ΔPを演算する第
7演算部(4g)と、上記第2演算部(5b)が導出した供
給周波数Fから中間圧力Pmと吸込圧力Psとの最適圧
力差ΔPを演算する第8演算部(5h)とを備えている。
【0086】上記開度調整手段(52)は、第7演算部
(4g)の現在の圧力差ΔPと第8演算部(5h)の最適圧
力差ΔPとから該現在の圧力差ΔPが最適圧力差ΔPに
なるように下流側電動膨張弁(EV)の開度を調整する操
作部(5i)を備えている。
【0087】つまり、気液分離器(24)における中間圧
冷媒の中間圧力Pmと、圧縮機(21)の吸込圧力Psと
の圧力差ΔPは、図11に示すように、運転能力に対し
て凸状の特性曲線Mを描く。つまり、上述した実施形態
1における図4に示すように、上記圧力差ΔPの変化に
よって中間圧ガス冷媒のインジェクション量Q1が変化
し、図3に示すように、このインジェクション量Q1に
よって運転能力が変化する。このことから、上記圧力差
ΔPによって運転能力が変化し、特性曲線Mは、圧力差
ΔPの最大値ΔPmax が存在する。
【0088】一方、上記圧力差ΔPの最大圧力差ΔPma
x から圧縮機(21)の吸込圧力Psに対する中間圧冷媒
の最適な中間圧力Pmが定まることになる。この圧縮機
(21)の吸込圧力Psは、該圧縮機(21)の運転容量に
よってほぼ定まることから、図10に示すように、圧縮
機(21)の供給周波数Fに対する最適な最大圧力差ΔP
max の特性曲線Nが定まることになる。
【0089】したがって、上記開度調整手段(52)は、
圧縮機(21)の供給周波数Fに対する最適な目標圧力差
ΔP(ΔPmax )が予めテーブル化して記憶されてい
る。そして、該開度調整手段(52)は、現在の圧力差Δ
Pと目標圧力差ΔPから最適な中間圧力Pmを導出して
下流側電動膨張弁(EV)の開度を調整する。
【0090】−開度制御動作− 次に、第1電動膨張弁(EV-1)及び第2電動膨張弁(EV
-2)の制御動作について説明する。
【0091】先ず、コントローラ(50)の電力制御部
(51)は、インバータ(40)をスイッチング制御して圧
縮機(21)の供給周波数を制御し、該圧縮機(21)の容
量を制御する一方、室外熱交換センサ(Th-o)又は室内
熱交換センサ(Th-i)が蒸発器の中間部分の冷媒温度、
つまり、蒸発温度を検出すると共に、中間圧温度センサ
(Th-m)が気液分離器(24)の出口温度、つまり、中間
圧冷媒の中間圧温度Tmを検出する。
【0092】そこで、コントローラ(50)は、図9に示
すように、電力制御部(51)から圧縮機(21)の周波数
指令の情報を受けて指令周波数を導出して圧縮機(21)
の供給周波数Fを導出する。
【0093】一方、上記蒸発温度に補正値αの補正を行
って低圧温度を導出し、この低圧温度から圧縮機(21)
の吸込圧力Psを導出すると共に、中間圧温度から中間
圧冷媒の中間圧力Pmを導出する。尚、その際、中間圧
力Pmに補正値βの補正を行う。
【0094】更に、上記中間圧力Pmと吸込圧力Psと
から圧力差ΔPを演算する一方、上記圧縮機(21)の供
給周波数Fから中間圧力Pmと吸込圧力Psとの最適な
圧力差ΔPを導出する。すなわち、開度調整手段(52)
は、圧縮機(21)の供給周波数Fに対する最適な目標圧
力差ΔP(ΔPmax )が予めテーブル化して記憶してい
るので、この目標圧力差ΔPを導出し、現在の圧力差Δ
Pと目標圧力差ΔPとから最適な中間圧力Pmを導出す
る。
【0095】その後、上流側電動膨張弁(EV)の開度を
過熱度制御すると共に、下流側電動膨張弁(EV)の開度
を中間圧ガス冷媒の中間圧力が最適な中間圧力Pmにな
るように制御する。つまり、冷房運転時の第1電動膨張
弁(EV-1)及び暖房運転時の第2電動膨張弁(EV-2)
は、蒸発器となる室内熱交換器(25)又は室外熱交換器
(23)の出口側の冷媒過熱度が所定値になるように開度
が制御される。一方、冷房運転時の第2電動膨張弁(EV
-2)及び暖房運転時の第1電動膨張弁(EV-1)は、中間
圧ガス冷媒のインジェクションのために、中間圧力が最
適な中間圧力Pmになるように開度が制御される。
【0096】−実施形態4の効果− 以上のように、本実施形態によれば、圧縮機(21)の運
転周波数に基づく目標圧力差ΔPから中間圧ガス冷媒の
最適な中間圧力を導出し、下流側電動膨張弁(EV)の開
度を調整するようにしたために、中間圧ガス冷媒のイン
ジェクション量Q1を最大に保持することができるの
で、中間圧ガス冷媒のインジェクション効果を確実に発
揮させることができる。
【0097】その上、中間圧温度センサ(Th-m)等の温
度センサを設けるのみでもって中間圧ガス冷媒の中間圧
力を制御することができるので、簡易な構成とすること
ができる。
【0098】また、冷媒温度と圧縮機(21)の運転周波
数を検出するのみであることから、制御構成の簡易化を
図ることができる。
【0099】
【発明の他の実施の形態】本実施形態においては、冷房
運転と暖房運転とに可逆可能な空気調和装置について説
明したが、本発明は冷房専用機や暖房専用機の空気調和
装置の他、各種の冷凍装置であってもよい。
【0100】また、請求項2に係る発明の実施形態とし
て、中間圧ガス冷媒の中間圧力は、中間圧温度センサ
(Th-m)の他、圧力センサで検出するようにしてもよ
く、また、中間圧温度は、圧力センサによる中間圧力に
基づく中間圧力相当飽和温度であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す冷媒回路図である。
【図2】冷媒回路の冷媒状態を示すモリエル線図であ
る。
【図3】インジェクション量に対する運転能力と圧縮機
入力との特性図である。
【図4】中間圧力と低圧圧力の圧力差に対するインジェ
クション量と吐出温度の特性図である。
【図5】中間圧力と低圧圧力の圧力差に対するインジェ
クション量と乾き度の特性図である。
【図6】本発明の実施形態2を示す冷媒回路図である。
【図7】最適中間圧温度の記憶内容を示す説明図であ
る。
【図8】本発明の実施形態3を示す冷媒回路図である。
【図9】本発明の実施形態4の開度調整手段を示すブロ
ック図である。
【図10】圧縮機周波数に対する中間圧力と低圧圧力の
圧力差の特性図である。
【図11】中間圧力と低圧圧力の圧力差に対する運転能
力の特性図である。
【符号の説明】
10 空気調和装置 20 冷媒回路 21 圧縮機 23 室外熱交換器(熱源側熱交換器) 24 気液分離器 25 室内熱交換器(利用側熱交換器) 2M 主冷媒回路 EV-1 第1電動膨張弁 EV-2 第2電動膨張弁 30 インジェクション回路 40 インバータ 50 コントローラ 51 電力制御部(周波数制御手段) 52 開度調整手段 60 流量計(流量検出手段) Th-d 吐出管温度センサ(吐出温度検出手段) Th-m 中間圧温度センサ(中間圧温度検出手
段) Th-o 室外熱交換センサ(温度検出手段) Th-i 室内熱交換センサ(温度検出手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量の可変な圧縮機(21)と熱源側熱交
    換器(23)と開度の可変な第1膨張弁(EV-1)と気液分
    離器(24)と開度の可変な第2膨張弁(EV-2)と利用側
    熱交換器(25)とが順に接続されて成る主冷媒回路(2
    M)と、 該主冷媒回路(2M)における凝縮圧力と蒸発圧力との間
    の中間圧力にある中間圧冷媒のうちの中間圧ガス冷媒を
    気液分離器(24)から圧縮機(21)に供給するインジェ
    クション回路(30)と、 該インジェクション回路(30)を流れる中間圧ガス冷媒
    が最大流量となるように主冷媒回路(2M)の下流側膨張
    弁(EV)の開度を調整する開度調整手段(52)とを備え
    ていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷凍装置において、 開度調整手段(52)は、中間圧ガス冷媒の最大流量に対
    応する中間圧冷媒の目標圧力が主冷媒回路(2M)におけ
    る各冷媒状態に対して設定され、該中間圧冷媒の中間圧
    力が目標圧力になるように下流側膨張弁(EV)の開度を
    制御することを特徴とする冷凍装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の冷凍装置において、 圧縮機(21)の吐出冷媒の吐出温度を検出して検出信号
    を出力する吐出温度検出手段(Th-d)が設けられる一
    方、 開度調整手段(52)は、吐出温度検出手段(Th-d)の検
    出信号を受けて、中間圧ガス冷媒の最大流量に対応する
    吐出温度の低下量の急変化点に下流側膨張弁(EV)の開
    度を制御することを特徴とする冷凍装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の冷凍装置において、 主冷媒回路(2M)における冷媒の凝縮温度を検出する凝
    縮温度検出手段(Th)と、冷媒の蒸発温度を検出する蒸
    発温度検出手段(Th)と、中間圧冷媒の中間圧温度を検
    出する中間圧温度検出手段(Th-m)が設けられる一方、 開度調整手段(52)は、中間圧ガス冷媒の最大流量に対
    応する中間圧冷媒の目標温度が主冷媒回路(2M)の各凝
    縮温度と各蒸発温度に対して予め設定され、上記凝縮温
    度検出手段(Th)と蒸発温度検出手段(Th)と中間圧温
    度検出手段(Th-m)の検出信号を受けて、中間圧冷媒の
    中間圧温度が、検出凝縮温度と検出蒸発温度に対応する
    目標温度になるように下流側膨張弁(EV)の開度を制御
    することを特徴とする冷凍装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の冷凍装置において、 インジェクション回路(30)を流れる中間圧ガス冷媒の
    流量を検出する流量検出手段(60)が設けられる一方、 開度調整手段(52)は、流量検出手段(60)の検出流量
    が最大になるように下流側膨張弁(EV)の開度を制御す
    ることを特徴とする冷凍装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の冷凍装置において、 主冷媒回路(2M)における冷媒の蒸発温度を検出する蒸
    発温度検出手段(Th)と、中間圧冷媒の中間圧温度を検
    出する中間圧温度検出手段(Th-m)とが設けられる一
    方、 圧縮機(21)は、供給周波数が周波数制御手段(51)に
    よって制御されて容量が制御され、 開度調整手段(52)は、中間圧ガス冷媒の最大流量に対
    応する中間圧力と圧縮機(21)の吸込側の低圧圧力との
    目標圧力差が圧縮機(21)の各供給周波数に対して予め
    設定され、周波数制御手段(51)の周波数信号と蒸発温
    度検出手段(Th)及び中間圧温度検出手段(Th-m)の検
    出信号を受けて、検出中間圧温度に基づく中間圧力と検
    出蒸発温度に基づく低圧圧力との圧力差が、検出供給周
    波数に対応する目標圧力差になるように下流側膨張弁
    (EV)の開度を制御することを特徴とする冷凍装置。
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Cited By (6)

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