JPH10184007A - 鋼管コンクリート柱の施工方法 - Google Patents

鋼管コンクリート柱の施工方法

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JPH10184007A
JPH10184007A JP35492996A JP35492996A JPH10184007A JP H10184007 A JPH10184007 A JP H10184007A JP 35492996 A JP35492996 A JP 35492996A JP 35492996 A JP35492996 A JP 35492996A JP H10184007 A JPH10184007 A JP H10184007A
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concrete
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steel pipe
column
filling
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JP35492996A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kawai
拓 川合
Tateo Mitsui
健郎 三井
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Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼管の柱部材内にコンクリートを円滑かつ均一
に充填でき、充填されたコンクリートが密実なものにな
る鋼管コンクリート柱の施工方法を提供すること。 【解決手段】鋼管で構成された柱部材12Aに充填管1
4を取り付け、該充填管14を通して柱部材内にコンク
リートを圧入する鋼管コンクリート柱の施工方法におい
て、柱部材12Aの中心軸を中心とするコンクリートの
回動流が柱部材内12Acに生じるように、充填管12
Aの吐出部から柱部材内にコンクリートを圧入する。な
お、柱部材12A内には補強用部材を構成する籠状鉄筋
13Aが挿着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋼管コンクリー
ト柱の施工方法、特に、建て込んだ鋼管の柱部材内にコ
ンクリートを圧入して鋼管コンクリート柱とする鋼管コ
ンクリート柱の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鋼管の柱部材内にコンクリートを
充填してなる鋼管コンクリート柱には、例えば、次の
〜のようなものがある。 円形又は角形の鋼管の柱部材内に、単にコンクリート
を充填したもの。 円形又は角形の鋼管の柱部材内に、該柱部材の長手方
向に延びる複数の主筋又は補助鉄筋で複数のリング筋
(帯筋)又はスパイラル筋を繋いで造った籠状鉄筋を挿
着して、コンクリートを充填したもの。 円形又は角形の鋼管の柱部材内に、該柱部材の長手方
向に延びる複数の主筋で複数のリング筋又はスパイラル
筋を繋いてなる籠状鉄筋内に複数の主筋又は補助筋で複
数のリング筋又はスパイラル筋を繋いてなる籠状鉄筋を
配してなる2重の籠状鉄筋を挿着して、コンクリートを
充填したもの。 円形又は角形の鋼管の柱部材内に、該柱部材の長手方
向に延びる形鋼(例えば、H形鋼)を配設して、コンク
リートを充填したもの。 円形又は角形の鋼管の柱部材内に、柱部材の長手方向
に延びる1本以上の太い鉄筋、鉄筋束、高引張強度繊維
束等を配設して、コンクリートを充填したもの。 円形又は角形の鋼管の柱部材内に、該柱部材の長手方
向に延びる円形又は角形の補強用鋼管を配設して、柱部
材及び補強用鋼管内にコンクリートを充填したもの。 前記〜の鋼管コンクリート柱の施工方法には、鋼管
の柱部材内へのコンクリートの流し込みによるもの、コ
ンクリートの圧入によるもの、遠心成形によるもの等が
あり、鋼管の柱部材内へのコンクリートの圧入による施
工方法が一般的である。
【0003】従来のコンクリートの圧入による鋼管コン
クリート柱の施工方法には、例えば、図11〜図13に
示すように、円形(又は角形)の鋼管の下部1aに、そ
の中央部で横向きに開口する吐出部2aのある充填管2
を取り付けて、円形(又は角形)の鋼管の柱部材1を造
り、複数の柱部材を所定の位置に建て込み、各柱部材1
の仕口の梁取付部に鉄骨梁の端部を接合してから、鉄骨
梁上にコンクリート床を形成し、各柱部材1の充填管2
に供給管4を繋ぎ、この供給管4をコンクリートの圧送
機に接続し、ミキサー車等のコンクリートの供給源から
圧送機に供給されたコンクリートを、圧送機により高圧
にしかつ供給管4及び充填管2を通して柱部材1内に圧
入し、鋼管コンクリート柱とする方法がある。また、従
来の鋼管コンクリート柱の施工方法には、例えば、図1
4及び図15に示すように、円形(又は角形)の鋼管の
下部1aに、その中央部で上向きに開口する吐出部3a
のある充填管3を設けて、円形(又は角形)の柱部材1
を造り、複数の柱部材1を所定の位置に建て込み、各柱
部材1の仕口の梁取付部に鉄骨梁の端部を接合し、鉄骨
梁上にコンクリート床を形成し、各柱部材1の充填管3
にコンクリートの供給管4を繋ぎ、高圧のコンクリート
を供給管4及び充填管3を通して柱部材1内に圧入し、
鋼管コンクリート柱とする方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の図11〜図13
に示す鋼管コンクリート柱の施工方法は、充填管2の吐
出部2aから吐出されたコンクリートが直接に柱部材1
の内周面に当たるため、コンクリートが分離したり、打
設不良による空隙部を生じやすい欠点がある。特に、鋼
管の柱部材内に籠状鉄筋、形鋼等の補強用部材を内蔵さ
せると、コンクリートの充填性が悪くなる。例えば、鋼
管の柱部材1内に籠状鉄筋5を挿着した図13に示す場
合には、その2点鎖線で囲んだ部分のコンクリートに打
設不良による空隙部が生じやすい。また、従来の図14
及び図15に示す鋼管コンクリート柱の施工方法も、鋼
管の柱部材1内の中央に位置する充填管3の吐出部3a
からコンクリートが上向きに吐出され、吐出されたコン
クリートが柱部材1内の中央部から外周部に流動するた
め、その外周部に打設不良による空隙部が生じやすい欠
点がある。柱部材内に籠状鉄筋、形鋼等の補強用部材を
内蔵させると、コンクリートの上記流動が前記補強用部
材により妨げられ、コンクリートの充填性が悪くなる。
この発明の解決しようとする課題は、従来の施工方法の
上記のような欠点を有しない鋼管コンクリート柱の施工
方法を提供すること、換言すると、鋼管の柱部材内にコ
ンクリートを円滑かつ均一に充填でき、充填されたコン
クリートが密実なものになる鋼管コンクリート柱の施工
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は前記課題を解
決するものであって、この発明の鋼管コンクリート柱の
施工方法は、鋼管で構成された柱部材に充填管を取り付
け、該充填管を通して柱部材内にコンクリートを圧入す
る鋼管コンクリート柱の施工方法において、柱部材の中
心軸を中心とするコンクリートの回動流が柱部材内に生
じるように、充填管の吐出部から柱部材内にコンクリー
トを圧入するものである。この発明の好ましい実施形態
においては、柱部材を鋼管で構成し、複数の柱部材を所
望位置に建て、柱部材の仕口に鉄骨梁の端部を接合し、
鉄骨梁上に床を形成して、充填管を通して柱部材内にコ
ンクリートを圧入するようにし、充填管は平面視の充填
管の吐出部からのコンクリートの吐出方向を柱部材の中
心から偏位させて柱部材に取り付け、充填管の吐出部か
ら柱部材内にコンクリートを圧入し、柱部材内にコンク
リートの回動流を発生させながら下方から上方へコンク
リートを充填するようにし、あるいは、充填管はその吐
出部からのコンクリートの吐出方向を柱部材の中心軸線
に対して斜め上方に向けるとともに平面視の柱部材の中
心から偏位させて柱部材に取り付け、充填管の吐出部か
ら柱部材内にコンクリートを圧入し、柱部材内にコンク
リートのスパイラル形の上昇回動流を発生させながら柱
部材内に下方から上方へコンクリートを充填するように
する。なお、柱部材内に圧入するコンクリートとして、
高流動性のコンクリートを用いれば、より密実に打設で
きる。
【0006】この発明の好適な実施形態においては、次
の(A)〜(E)のようにする。 (A)鋼管の柱部材内に補強用の1重又は2重の籠状鉄
筋を該籠状鉄筋の中心軸線が鋼管の柱部材の中心軸線と
一致するように挿着する。 (B)鋼管の柱部材内に1本以上の太い鉄筋、鉄筋束、
高引張強度繊維束等からなる補強用部材をそれらの中心
軸線が鋼管の柱部材の中心軸線と略一致するように挿着
する。 (C)鋼管の柱部材内にH形鋼、I形鋼、十字形鋼等の
形鋼からなる補強用部材をそれらの中心軸線が鋼管の柱
部材の中心軸線と一致するように挿着する。 (D)鋼管の柱部材内に円形又は角形の補強用鋼管をそ
れらの中心軸線が鋼管の柱部材の中心軸線と一致するよ
うに挿着する。 (E)柱部材を構成する鋼管としては、例えば、横断面
が円形又は角形の鋼管を使う。 上記の(C)の場合において、補強用部材の形鋼(例え
ば、H形鋼、I形鋼、十字形鋼)のウェブやフランジに
複数の小開口を穿設しておくと、コンクリートの充填性
を向上させることができる。上記の(D)の場合におい
て、補強用鋼管として柱部材の鋼管の径よりも小径であ
ってかつその周方向及び軸線方向に間隔をおいて多数の
貫通孔を穿った鋼管を用いる際には、次のようにする。
補強用鋼管内にコンクリートの回動流又はスパイラル形
の上昇回動流が生じるように充填管を補強用鋼管に取り
付け、充填管の吐出部から補強用鋼管内にコンクリート
を圧入し、補強用鋼管内に生じるコンクリートの回動流
又はスパイラル形の上昇回動流の一部を前記貫通孔を通
して柱部材と補強用鋼管との間の隙間へ流入させ、補強
用鋼管及び柱部材内にそれらの下方から上方へコンクリ
ートを充填するようにし、あるいは、柱部材と補強用鋼
管との間の隙間にコンクリートの回動流又はスパイラル
形の上昇回動流が生じるように充填管を柱部材に取り付
け、充填管の吐出部から柱部材内にコンクリートを圧入
し、前記隙間内に生じるコンクリートの回動流又はスパ
イラル形の上昇回動流の一部を前記貫通孔を通して補強
用鋼管内へ流入させ、柱部材及び補強用鋼管内にそれら
の下方から上方へコンクリートを充填するようにする。
上記の(D)の場合において、補強用鋼管として柱部材
の鋼管の径よりも小径の貫通孔を穿たない鋼管を用いる
際には、柱部材と補強用鋼管との間の隙間にコンクリー
トの回動流又はスパイラル形の上昇回動流が生じるよう
に充填管を柱部材に取り付け、充填管の吐出部から柱部
材内にコンクリートを圧入して、前記隙間内に回動流又
はスパイラル形の上昇回動流を生じさせながらコンクリ
ートを充填し、かつ前記補強用鋼管内に別法(例えば、
落とし込み)にてコンクリートを充填するようにする。
【0007】この発明の好適な実施形態においては、柱
部材は、上述のように鋼管で構成し、柱部材の仕口に梁
取付部を設け、平面視で充填管の吐出部の中心軸線を柱
部材の中心を通らないように偏位させて、充填管を柱部
材に取り付ける。あるいは、充填管の吐出部の中心軸線
を柱部材の中心軸線に対して斜め上方に向けて傾斜さ
せ、かつ平面視で充填管の吐出部の中心軸線を柱部材の
中心を通らないように偏位させて、充填管を柱部材の下
部に取り付ける。充填管を真っ直な管体で構成し、充填
管の中心軸線を平面視で柱部材の中心を通らないように
偏位させて、充填管を柱部材の下部に接合する(取り付
ける)ようにしてもよいし、充填管を屈曲部と真っ直な
部分とがある管体で構成し、鋼管の柱部材にその中心に
向けて開口を穿ち、充填管の屈曲部を前記開口から柱部
材内に挿入し、平面視で充填管の屈曲部の吐出部の中心
軸線を柱部材の中心を通らないように偏位させて、充填
管の真っ直な部分を前記開口の周囲の柱部材に接合させ
るようにしてもよい。この発明の好ましい実施形態にお
いては、鋼管からなる柱部材の内周面にスパイラル状の
溝又は突条を形成することにより、柱部材内においてコ
ンクリートのスパイラル形の回動流を形成し易くするこ
ともできる。
【0008】
【作用】この出願の鋼管コンクリート柱の施工方法は、
柱部材内にその中心軸を中心とするコンクリートの回動
流が生じるように、充填管の吐出部から柱部材内にコン
クリートを圧入し、柱部材内にその下方から上方へコン
クリートを充填するから、圧入されたコンクリートの流
動が円滑に行われ、コンクリートが分離することがな
く、密実なコンクリートが充填された鋼管コンクリート
柱が容易に得られる。また、柱部材内に補強用部材を挿
着する場合であっても、圧入されたコンクリートの流動
が、補強用部材に妨げられることがなく、柱部材の内周
面に沿って螺旋状に回動しながら順次押し上げられ、コ
ンクリートが柱部材の内部に円滑かつ均一に充填され
る。
【0009】
【実施例】実施例1は、図1及び図2に示され、円形の
鋼管からなる柱部材内に籠状鉄筋を挿着した鋼管コンク
リート柱を使って構造物を建築する場合にこの発明を適
用した例である。柱部材12Aは横断面が円形の鋼管で
構成され、構造物10は、図1及び図2に示すように、
複数本の柱部材12Aを基礎又は下部躯体11上に建
て、各柱部材12Aの仕口12Aaに接合した外ダイア
フラム12Abの梁取付部12Ab1に、各柱部材間に
配した鉄骨梁(又は鉄骨鉄筋コンクリート梁)16の端
部16aを接合し、かつ鉄骨梁16の上側には、例え
ば、コンクリート床17を形成して建築される。円筒形
の籠状鉄筋13Aは、柱部材12Aの長手方向に延びる
複数の主筋又は補助鉄筋13Aaで多数のリング筋(帯
筋)13Abを繋いで造られ、円筒形の籠状鉄筋13A
が柱部材12Aの内部12Acに柱部材12Aの中心軸
線と籠状鉄筋13Aの中心軸線とが一致するように挿入
され、適宜の手段で鋼管柱12Aに固着されている。柱
部材12Aの下部12Adには、図1及び図2に示すよ
うに、充填管14が接合されている。すなわち、平面視
で、充填管14の外側の線(面)が柱部材12Aの円形
の接線と重なり、充填管14の中空部と柱部材12Aの
中空部が連通孔(吐出部)14a1を通して連通するよ
うに、充填管14が柱部材12Aの下部に接合されてい
る。充填管14には供給管15が着脱自在に接続され、
供給管15がコンクリートの圧送機に接続され、ミキサ
ー車等のコンクリートの供給源から圧送機に高流動性の
コンクリートが供給される。したがって、圧送機が作動
すると、供給管15及び充填管14を通して高圧のコン
クリートが柱部材12A内にその下部12Adから圧入
されるようになっている。
【0010】構造物10の柱部材12Aを鋼管コンクリ
ート柱12にするには、圧送機を作動させ、供給管15
及び充填管14を通して、高圧の高流動性のコンクリー
トを柱部材12Aの下部12Adから柱部材12Aの内
部12Acに圧入する。高圧のコンクリートは連通孔
(吐出部)14aから柱部材12Aの円形の接線と略平
行な方向に向けて柱部材12Aの内部12Acに圧入さ
れ、矢印R1に示すように、柱部材12Aの内周面に沿
った回動流、すなわち、柱部材の中心軸を中心とする回
動流となり、その回動流の一部が、矢印R2に示すよう
に、柱部材12A内の籠状鉄筋13Aの中側に流入して
流動する。したがって、圧入されたコンクリートの流動
が籠状鉄筋13Aにより妨げられることがすくなく、コ
ンクリートの分離も起らない。圧入されたコンクリート
は、順次柱部材12Aの内周面に沿って螺旋状に回動し
ながら下方から上方へ押し上げられ、柱部材12Aの内
部12Acに円滑かつ均一に充填される。そして、充填
されたコンクリートの固化により、密実なコンクリート
が充填された鋼管コンクリート柱12が得られる。実施
例1のように、柱部材12Aの仕口に外ダイアフラム1
2Abを設け、外ダイアフラム12Abの梁取付部12
Ab1に鉄骨梁16の端部16aを接合する場合には、
仕口12Aa内にコンクリートの流動を妨げるものがな
いから、上下方向に接合された複数の柱部材内へのコン
クリートの充填を一度に行うことができる。各階の柱部
材の仕口の内側にコンクリートの流動を妨げるもの(例
えば、内ダイアフラム、スチフナ等)がある場合には、
柱部材内へのコンクリートの充填を各階毎に行うことに
なる。
【0011】実施例2は、図3に示され、円形の柱部材
内にH形鋼を挿着した鋼管コンクリート柱にて構造体を
建築する場合にこの発明を適用した例である。構造体1
0の建築の仕方は実施例1と同じである。実施例2と実
施例1との相違点は、実施例1と同じ柱部材12B内
に、籠状鉄筋13Aの代りにH形鋼13Bを挿着した点
のみである。構造体10の柱部材12Bを鋼管コンクリ
ート柱12にするには、実施例1と同様に、供給管15
及び充填管14を通して、高圧の高流動性のコンクリー
トを柱部材12Bの下部12Bdから柱部材12Bの内
部12Bcに圧入して、柱部材12Bの内部12Bc
に、矢印R1で示すように、柱部材12Bの内周面に沿
って流動する回転流を形成し、かつその回転流の一部
を、矢印R2に示すように、柱部材12B内のH形鋼1
3Bのウェブ13Ba等の方に向けて流動させるように
する。圧入されたコンクリートは、柱部材12Bの内周
面に沿った回転流になって流動するから、その流動がH
形鋼13Bにより妨げられることがなく、順次螺旋状に
回動しながら下方から上方へ押し上げられ、柱部材12
Bの内部12Bcに円滑かつ均一に充填され、コンクリ
ートの分離も起らない。なお、よりコンクリートの充填
性を増すためには、補強用部材を構成するH形鋼13B
のウェブ又は(及び)フランジに小開口を設けることが
有効である。
【0012】実施例3は、図4に示され、角形の柱部材
内に籠状鉄筋を挿着した鋼管コンクリート柱にて構造体
を建築する場合にこの発明を適用した例である。構造体
10の建築の仕方は実施例1と同じである。実施例3と
実施例1との相違点は、柱部材12C、籠状鉄筋13C
等の構成である。柱部材12Cは角形の鋼管で構成さ
れ、4角筒形の籠状鉄筋13Cは柱部材12Cの長手方
向に延びる複数の主筋又は補助鉄筋13Caで多数の4
角形のリング筋(帯筋)13Cbを繋いで造られる。籠
状鉄筋13Cは、柱部材12Cの内部12Ccに、柱部
材12Cの中心軸線と籠状鉄筋13Cの中心軸線とが一
致するように挿入され、適宜の手段で柱部材12Cに固
着されている。柱部材12Cの下部には、図4に示すよ
うに、コンクリート充填用の充填管14が接合されてい
る。すなわち、平面視で、柱部材12Cの4角形の一つ
の辺の一方の端に貫通孔12Cd1をあけ、充填管14
の中心軸線が柱部材12Cの4角形の前記一つの辺と直
角に交わる他の2辺と平行になるように、前記貫通孔1
2Cd1に充填管14の端部を嵌めて、この充填管14
の端部を柱部材12Cに溶接等して、充填管14が柱部
材12Cの下部に接合されている。構造体10の柱部材
12Cを鋼管コンクリート柱にするには、実施例1と同
様に、供給管15及び充填管14を通して、高圧の高流
動性のコンクリートを柱部材12Cの下部からその内部
12Ccに圧入する。そして、柱部材内の4つの隅部が
コンクリートで満たされると、柱部材12Cの内部に、
矢印R1で示すように、柱部材12Cの4角形の内接円
に沿うような回転流が生じ、かつその流れの一部が、矢
印R2に示すように、柱部材内の籠状鉄筋13C内に流
入して流動する。柱部材12C内に圧入されたコンクリ
ートの流動が籠状鉄筋13Cにより妨げられることがな
く、圧入されたコンクリートが柱部材の内部において螺
旋状に回動しながら下方から上方へ押し上げられ、柱部
材12Cの内部に円滑かつ均一に充填され、コンクリー
トの分離が生じない。
【0013】実施例4は、図5に示され、角形の柱部材
内に2重の籠状鉄筋を挿着した鋼管コンクリート柱にて
構造体を建築する場合にこの発明を適用した例である。
構造体10の建築の仕方は実施例1と同じである。実施
例4と実施例3との相違点は、柱部材12D及び籠状鉄
筋13D1,13D2の構成である。柱部材12Dの下部
12Ddには、図4に示すように、充填管14が接合さ
れている。すなわち、平面視で、柱部材12Dの4角形
の一つの辺の中間に斜めの貫通孔12Dd1をあけ、充
填管14の中心軸線が柱部材12Dの4角形の前記辺に
対して傾斜するように、充填管14の端部を貫通孔12
Dd1に嵌め、充填管14の端部を柱部材12Dに溶接
等して、充填管14が柱部材12Dの下部に接合されて
いる。なお、外側の籠状鉄筋13D1の構成は実施例3
の籠状鉄筋13Cと同様であり,内側の籠状鉄筋13D
2の構成は実施例1の籠状鉄筋13Aと同様である。構
造体10の柱部材12Dを充填型鋼管コンクリート柱に
するには、実施例1と同様に、供給管15及び充填管1
4を通して、高圧の高流動性のコンクリートを柱部材1
2Dの下部から柱部材12Dの内部12Dcに圧入す
る。すると、柱部材12Dの内部に、矢印R1で示すよ
うに、柱部材12Cの4角形の内接円に沿うコンクリー
トの回動流が形成される。この回動流の一部は外側の籠
状鉄筋13D1を通って回動し、その流れの他の一部
は、矢印R2に示すように、柱部材の内部12Dcの内
側の籠状鉄筋13D2内に流入して流動する。柱部材1
2D内に圧入されたコンクリートの流動が2重の籠状鉄
筋13D1,13D2により妨げられることが少なく、圧
入されたコンクリートは、柱部材12Dの内部において
螺旋状に回転しながら順次押し上げられ、柱部材12D
の内部に円滑かつ均一に充填され、コンクリートの分離
も起らない。
【0014】実施例5は、図6に示され、円形の柱部材
内に円形の補強用鋼管を挿着した鋼管コンクリート柱に
て構造体を建築する場合にこの発明を適用した例であ
る。構造体10の建築の仕方は実施例1と同じである。
実施例5と実施例1との相違点は、補強用部材、柱部材
12E及び充填管14の構成である。柱部材12Eは円
形の鋼管で構成され、補強用鋼管13Eは周方向及び軸
線方向に適当な間隔をおいて多数の貫通孔13Eaを穿
った柱部材12Eの径よりも小径の円形の鋼管で構成さ
れている。補強用鋼管13Eは、柱部材12Eの内部1
2Ecに柱部材12Eの中心軸線と補強用鋼管13Eの
中心軸線とが一致するように挿入され、適宜の手段で柱
部材12Eに固着されている。柱部材12E及び補強用
鋼管13Eの下部には、図6に示すように、コンクリー
ト充填用の充填管14が接合されている。すなわち、柱
部材12E及び補強用鋼管13Eの下部12Ed,13
Edに偏心させてそれぞれ貫通孔12Ed1,13Ed1
をあけ、平面視で、充填管14の外側の線(面)が補強
用鋼管13Eの円形の接線と重なるように、充填管14
の端部を貫通孔12Eb1,13Eb1に挿入し、充填管
14が柱部材12E及び補強用鋼管13Eに溶接等にて
接合されている。構造体10の柱部材12Eを鋼管コン
クリート柱にするには、実施例1と同様に、供給管15
及び充填管14を通して、高圧の高流動性のコンクリー
トを柱部材12E内の補強用鋼管13Eの内部に圧入
し、この補強用鋼管13Eの内部に、矢印R1で示すよ
うに、柱部材13Eの内周面に沿った回動流を発生さ
せ、その流れの一部を、矢印R3に示すように、貫通孔
13Eaを通して柱部材12Eと補強用鋼管13Eとの
間の隙間内に流入させる。圧入されたコンクリートの流
動が補強用鋼管13Eにより妨げられることがなく、コ
ンクリートが補強用鋼管13Eの内部で螺旋状に回動し
ながら下方から上方へ押し上げられ、補強用鋼管13E
及び柱部材12Eの内部に円滑かつ均一に充填され、コ
ンクリートの分離も起らない。
【0015】実施例6は、図7に示され、円形の柱部材
内に円形の補強用鋼管を挿着した鋼管コンクリート柱に
て構造体を建築する場合にこの発明を適用した例であ
る。構造体10の建築の仕方は実施例1と同じである。
実施例6と実施例5と相違する点は、充填管14の柱部
材12Fへの取付方等である。柱部材12Fは柱部材1
2Eと同じであり、補強用鋼管13Fには、補強用鋼管
13Eの貫通孔13Eb1のようなものは設けられてい
ない。柱部材12Fの下部12Fdには、図7に示すよ
うに、コンクリート充填用の充填管14が接合されてい
る。すなわち、柱部材12Fの下部にその中心から偏位
させて貫通孔12Fd1をあけ、平面視で、充填管14
の外側の線(面)が柱部材12Fの円形の接線と重なる
ように、充填管14の端部を貫通孔12Fd1に挿入し
て、充填管14の端部を柱部材12Fに溶接等して、充
填管14が柱部材12Fに接合されている。構造体10
の柱部材12Fを充填型鋼管コンクリート柱にするに
は、実施例1と同様に、高圧の高流動性のコンクリート
を柱部材12Fの下部12Fd内に圧入し、この柱部材
12Fの内部12Fcに、矢印R1で示すように、柱部
材12Fの内周面に沿った回動流を発生させ、その流れ
の一部を、矢印R4に示すように、補強用鋼管13Fの
貫通孔13Faを通して補強用鋼管13F内に流入させ
る。そのため、柱部材12F内に圧入されたコンクリー
トの流動が補強用鋼管13Eにより妨げられることがな
く、柱部材12Fの内周面と補強用鋼管13Fの外周面
との間の筒形の隙間内において、コンクリートが螺旋状
に回動しながら下方から上方へ順次押し上げられ、柱部
材12F及び補強用鋼管13Fの内部に円滑かつ均一に
充填され、コンクリートの分離も起らない。
【0016】実施例7は、図8及び図9に示され、鋼管
コンクリート柱にて構造体を建築する場合にこの発明を
適用した例である。構造体10の建築の仕方は実施例1
と同じである。柱部材12Gは円形の鋼管で構成され、
柱部材12Gの下部12Gdには、図8及び図9に示す
ように、斜め上方に向けて充填管14が接合されてい
る。すなわち、充填管14の中心軸線が柱部材12Gの
中心軸線に対して斜め上方に向き、かつ平面視で充填管
14の外側の線(面)が柱部材12Gの円形の接線と平
行になり、充填管14の中空部と柱部材12Gの中空部
が連通孔(吐出部)14aを通して連通するように、充
填管14が柱部材12Gの下部に接合されている。構造
体10の柱部材12Gを鋼管コンクリート柱にするに
は、実施例1と同様に、高圧の高流動性のコンクリート
を柱部材12Gの内部12Gcに圧入する。そうする
と、柱部材12Gの内部12Gcに、矢印R5で示すよ
うに、柱部材12Gの内周面に沿ったスパイラル形の上
昇回動流、すなわち、柱部材12Gの中心軸を中心とす
るスパイラル形の上昇回動流が発生し、その流れの一部
が、矢印R6に示すように、柱部材12Gの内側に流入
して流動する。実施例7においては、柱部材12Gの下
部内にコンクリートを斜め上方に向けて圧入して、柱部
材12G内にスパイラル形の上昇回動流を形成するか
ら、コンクリートの圧入力をコンクリートを上昇させる
力として有効的に利用できる。そのため、コンクリート
の圧入力を過大にすることなく、コンクリートの押し上
げ高さを増大させることができる。そのうえ、コンクリ
ートの流動が円滑に行われるから、コンクリートの分離
も起らない。実施例7では、柱部材12G内への補強用
部材の挿着が省かれているが、1重又は2重の籠状鉄
筋、H形鋼等の形鋼、円形又は角形の鋼管、1本以上の
太い鉄筋、鉄筋束又は高引張強度繊維束等からなる補強
用部材を柱部材12G内に挿着しても、上記と同様の作
用効果を奏することができる。
【0017】実施例8は、図10に示され、この発明で
使う円形又は角形の柱部材への充填管の取付方の他の例
である。実施例8は、実施例2と同様に柱部材12Hが
円形の鋼管で構成され、この柱部材12H内に補強用部
材のH形鋼13Hが挿着されている。柱部材12Hの下
部12Hdに柱部材の中心に向け貫通孔12Hd1をあ
ける。柱部材12H内に挿入される部分14Aaを柱部
材12Hの内周面に沿うように屈曲させて充填管14A
を製作する。充填管14Aの屈曲させた部分14Aaを
貫通孔12Hd1から柱部材12H内に挿入し、充填管
14Aの屈曲面14Aa1を柱部材12Hの内周面に接
触させた状態にして、充填管14Aの真っ直な部分14
Abを柱部材12Hに溶接等により接合する。このよう
にすると、充填管14Aの屈曲面14Aa1の先の吐出
部から柱部材12Hの内周面に沿うようにコンクリート
を吐出することができる。実施例8のようにすると、円
形又は角形の柱部材12Hへの貫通孔12Hd1の穿設
作業、充填管14Aの柱部材12Hへの溶接作業、充填
管14Aからのコンクリートの吐出方向の調節等が容易
になる。なお、実施例1〜8の柱部材12A〜12Hの
製作時に、柱部材内に発生させたいコンクリートのスパ
イラル形の上昇回動流のスパイラル形と一致する形状の
スパイラル形の溝又は突条を柱部材12A〜12Hの内
周面に形成しておくと、スパイラル形の溝又は突条がコ
ンクリートの流動を案内するから、柱部材内におけるス
パイラル形の上昇回動流の形成を助長し、コンクリート
の押し上げ高さの増大にも役立つ。また、柱部材12A
〜12Hとその中部に充填されたコンクリートとが完全
に一体化される。
【0018】
【発明の効果】この発明は、特許請求の範囲の欄に記載
した構成を備えることにより、次の(イ)〜(ヌ)の効
果を奏する。 (イ)請求項1記載の鋼管コンクリート柱は、鋼管で構
成された柱部材の中心軸を中心とするコンクリートの回
動流が柱部材内に生じるように、充填管の吐出部から柱
部材内にコンクリートを圧入するから、圧入されたコン
クリートは柱部材内で回動しながら下方から上方へ押し
上げられ、柱部材の内部に円滑かつ均一に充填され、コ
ンクリートが分離することもなく、密実なコンクリート
が充填された鋼管コンクリート柱を容易に得ることがで
きる。 (ロ)請求項2記載の鋼管コンクリート柱の施工方法
は、平面視の充填管の吐出部からのコンクリートの吐出
方向を柱部材の中心から偏位させて充填管を柱部材に取
り付け、充填管の吐出部から柱部材内にコンクリートを
圧入し、柱部材内にコンクリートの回動流を発生させな
がらその下方から上方へコンクリートを充填するから、
柱部材の内部に円滑かつ均一に充填され、コンクリート
が分離することもなく、密実なコンクリートが充填され
た鋼管コンクリート柱が容易に得られる。 (ハ)請求項3記載の鋼管コンクリート柱の施工方法
は、充填管の吐出部からのコンクリートの吐出方向を柱
部材の中心軸線に対して斜め上方に向けるとともに平面
視の柱部材の中心から偏位させて充填管を柱部材に取り
付け、充填管の吐出部から柱部材内にコンクリートを圧
入し、柱部材内にコンクリートのスパイラル形の上昇回
動流を発生させながらその下方から上方へコンクリート
を充填するから、コンクリートの圧入力をコンクリート
を上昇させる力として有効的に利用でき、コンクリート
の圧入力を過大にすることなく、コンクリートの押し上
げ高さを増大させることができる。そのうえ、柱部材の
内部にコンクリートを円滑かつ均一に充填することがで
き、コンクリートが分離しないから、密実なコンクリー
トが充填された鋼管コンクリート柱が容易に得られる。
【0019】(ニ)請求項4記載の鋼管コンクリート柱
の施工方法は、鋼管の柱部材内に補強用の1重又は2重
の籠状鉄筋を該籠状鉄筋の中心軸線が柱部材の中心軸線
と一致するように挿着しても、充填管から柱部材内に圧
入されたコンクリートは、柱部材の中心軸を中心とする
(換言すると、鋼管の柱部材の内周面に沿った)回動流
又はスパイラル形の上昇回動流になって、柱部材内を下
方から上方へ押し上げられて充填されるから、コンクリ
ートの前記回動流が前記籠状鉄筋によって邪魔されるこ
とが少なく、柱部材の内部にコンクリートを円滑かつ均
一に充填することができ、コンクリートが分離すること
もないから、鋼管コンクリート柱内のコンクリートが密
実なものになる。 (ホ)請求項5記載の鋼管コンクリート柱の施工方法
は、柱部材内にH形鋼等の形鋼、1本以上の太い鉄筋、
鉄筋束、高引張強度繊維束等の補強用部材をそれらの中
心軸線が柱部材の中心軸線と略一致するように挿着して
も、充填管から柱部材内に圧入されたコンクリートは、
柱部材の中心軸を中心とする(換言すると、鋼管の柱部
材の内周面に沿った)回動流又はスパイラル形の上昇回
動流になって、下方から上方へ押し上げられて柱部材内
に充填されるから、コンクリートの前記回動流が前記補
強用部材によって邪魔されることが少なく、柱部材の内
部にコンクリートを円滑かつ均一に充填することがで
き、コンクリートが分離することもないから、鋼管コン
クリート柱内のコンクリートが密実なものになる。
【0020】(ヘ)請求項6記載の鋼管コンクリート柱
の施工方法は、柱部材の鋼管の径よりも小径であってか
つその周方向及び軸線方向に間隔をおいて多数の貫通孔
を穿った鋼管を補強用鋼管とし、該補強用鋼管を柱部材
内に補強用鋼管の中心軸線が柱部材の中心軸線と略一致
するように挿着し、補強用鋼管内にコンクリートの回動
流又はスパイラル形の上昇回動流が生じるように充填管
を補強用鋼管に取り付け、充填管の吐出部から補強用鋼
管内にコンクリートを圧入し、補強用鋼管内に生じるコ
ンクリートの回動流又はスパイラル形の上昇回動流の一
部を前記貫通孔を通して柱部材と補強用鋼管との間の隙
間へ流入させ、補強用鋼管及び柱部材内にそれらの下方
から上方へコンクリートを充填するから、鋼管からなる
柱部材内に補強用鋼管が挿着されていても、柱部材内及
び補強用鋼管内に一度にコンクリートを充填することが
できる。そのうえ、圧入されたコンクリートは補強用鋼
管の内周面に沿って回動しながら押し上げられ、補強用
鋼管及び柱部材の内部に円滑かつ均一に充填され、コン
クリートが分離することもなく、鋼管コンクリート柱内
のコンクリートを密実なものにすることができる。 (ト)請求項7記載の鋼管コンクリート柱の施工方法
は、柱部材の鋼管の径よりも小径であってかつその周方
向及び軸線方向に間隔をおいて多数の貫通孔を穿った鋼
管を補強用鋼管とし、該補強用鋼管を柱部材内に補強用
鋼管の中心軸線が柱部材の中心軸線と略一致するように
挿着し、柱部材と補強用鋼管との間の隙間にコンクリー
トの回動流又はスパイラル形の上昇回動流が生じるよう
に充填管を柱部材に取り付け、充填管の吐出部から柱部
材内にコンクリートを圧入し、前記隙間内に生じるコン
クリートの回動流又はスパイラル形の上昇回動流の一部
を前記貫通孔を通して補強用鋼管内へ流入させ、柱部材
及び補強用鋼管内にそれらの下方から上方へコンクリー
トを充填するから、鋼管からなる柱部材内に補強用鋼管
が挿着してあっても、柱部材内及び補強用鋼管内に一度
にコンクリートを充填することができる。そのうえ、圧
入されたコンクリートは鋼管の柱部材の内周面に沿って
回動しながら順次押し上げられ、柱部材及び補強用鋼管
の内部に円滑かつ均一に充填され、コンクリートが分離
することもなく、密実なコンクリートが充填された鋼管
コンクリート柱を容易に得ることができる。
【0021】(チ)請求項8記載の鋼管コンクリート柱
用の柱部材は、柱部材が鋼管で構成され、柱部材の仕口
に梁取付部が設けら、平面視で充填管の吐出部の中心軸
線を柱部材の中心を通らないように偏位させて、充填管
が柱部材に取り付けられているから、充填管から柱部材
内にコンクリートを圧入すると、柱部材内にその内周面
に沿ったコンクリートの回動流が発生し、柱部材内にそ
の下方から上方へコンクリートを円滑に充填することが
でき、コンクリートは柱部材の内部に均一に充填され、
密実なコンクリートが充填された鋼管コンクリート柱を
容易に得ることができる。 (リ)請求項9記載の鋼管コンクリート柱用の柱部材
は、鋼管で構成され、その仕口部に梁取付部が設けら
れ、充填管の吐出部の中心軸線を柱部材の中心軸線に対
して斜め上方に向けて傾斜させ、かつ平面視で充填管の
吐出部の中心軸線を柱部材の中心を通らないように偏位
させて、充填管が柱部材に取り付けられているから、充
填管から柱部材内にコンクリートを圧入すると、柱部材
内にその内周面に沿ったスパイラル形の上昇回動流が発
生し、柱部材内にその下方から上方へコンクリートを円
滑に充填することができ、コンクリートは柱部材の内部
に均一に充填され、密実なコンクリートが充填された鋼
管コンクリート柱を容易に得ることができる。そのう
え、コンクリートの圧入力をコンクリートを上昇させる
力として有効的に利用でき、コンクリートの圧入力を過
大にすることなく、コンクリートの押し上げ高さを増大
させることができる。 (ヌ)請求項10記載の鋼管コンクリート柱用の柱部材
のように、鋼管の内周面にスパイラル状の溝又は突条を
形成すると、充填管から柱部材内に圧入されたコンクリ
ートが前記溝又は突条により案内されて、圧入されたコ
ンクリートの流れを柱部材の内周面に沿ったスパイラル
形(螺旋状)の上昇回動流にすることができ、コンクリ
ートの押し上げ高さを容易に増大させることができる。
そのうえ、柱部材の内部にコンクリートを円滑かつ均一
に充填でき、密実なコンクリートが充填された鋼管コン
クリート柱を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の建築中の構造体の1本の鋼管コンク
リート柱の正面図
【図2】実施例1の柱部材を図1のA−A線に沿って断
面した平面図
【図3】実施例2の柱部材を図1のA−A線と同じ線で
断面した平面図
【図4】実施例3の柱部材を図1のA−A線と同じ線で
断面した平面図
【図5】実施例4の柱部材を図1のA−A線と同じ線で
断面した平面図
【図6】実施例5の柱部材を図1のA−A線と同じ線で
断面した平面図
【図7】実施例6の柱部材を図1のA−A線と同じ線で
断面した平面図
【図8】実施例7の柱部材の下部の正面図
【図9】実施例7の柱部材を図8のB−B線で断面した
平面図
【図10】実施例8の柱部材を図1のA−A線と同じ線
で断面した平面図
【図11】従来の構造体の1本の柱部材の下部の正面図
【図12】図11の柱部材をそのC−C線で断面した平
面図
【図13】従来の内部に籠状鉄筋を挿着した柱部材内に
コンクリートを圧入する際のコンクリートの流れの状態
を示す図11のC−C線と同じ線で断面した平面図
【図14】従来の他の構造体の1本の柱部材の下部の正
面図
【図15】図14の柱部材を図14のD−D線で断面し
た平面図
【符号の説明】
10 構造体 11 基礎 12 鋼管コンクリート柱 12A〜12H 柱部材 13A,13C,13D1,13D2 籠状鉄筋 13B,13H H形鋼 13E,13F 補強用鋼管 14,14A 充填管 15 供給管 16 鉄骨梁 17 コンクリート床

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼管で構成された柱部材に充填管を取り付
    け、該充填管を通して柱部材内にコンクリートを圧入す
    る鋼管コンクリート柱の施工方法において、柱部材の中
    心軸を中心とするコンクリートの回動流が柱部材内に生
    じるように、充填管の吐出部から柱部材内にコンクリー
    トを圧入することを特徴とする鋼管コンクリート柱の施
    工方法。
  2. 【請求項2】柱部材を鋼管で構成し、複数の柱部材を所
    望位置に建て、柱部材の仕口に鉄骨梁の端部を接合し、
    鉄骨梁上に床を形成し、柱部材に取り付けた充填管を通
    して柱部材内にコンクリートを圧入する鋼管コンクリー
    ト柱の施工方法において、平面視の充填管の吐出部から
    のコンクリートの吐出方向を柱部材の中心から偏位させ
    て充填管を柱部材に取り付け、充填管の吐出部から柱部
    材内にコンクリートを圧入し、柱部材内にコンクリート
    の回動流を発生させながらその下方から上方へコンクリ
    ートを充填することを特徴とする鋼管コンクリート柱の
    施工方法。
  3. 【請求項3】柱部材を鋼管で構成し、複数の柱部材を所
    望位置に建て、柱部材の仕口に鉄骨梁の端部を接合し、
    鉄骨梁上に床を形成し、柱部材に取り付けた充填管を通
    して柱部材内にコンクリートを圧入する鋼管コンクリー
    ト柱の施工方法において、充填管の吐出部からのコンク
    リートの吐出方向を柱部材の中心軸線に対して斜め上方
    に向けるとともに平面視の柱部材の中心から偏位させて
    充填管を柱部材に取り付け、充填管の吐出部から柱部材
    内にコンクリートを圧入し、柱部材内にコンクリートの
    スパイラル形の上昇回動流を発生させながらその下方か
    ら上方へコンクリートを充填することを特徴とする鋼管
    コンクリート柱の施工方法。
  4. 【請求項4】柱部材内に補強用の1重又は2重の籠状鉄
    筋を該籠状鉄筋の中心軸線が柱部材の中心軸線と一致す
    るように挿着することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の鋼管コンクリート柱の施工方法。
  5. 【請求項5】柱部材内にH形鋼等の形鋼、1本以上の太
    い鉄筋、鉄筋束、高引張強度繊維束等の補強用部材をそ
    れらの中心軸線が柱部材の中心軸線と略一致するように
    挿着することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の鋼管コンクリート柱の施工方法。
  6. 【請求項6】柱部材を鋼管で構成し、複数の柱部材を所
    望位置に建て、柱部材の仕口に鉄骨梁の端部を接合し、
    鉄骨梁上に床を形成し、柱部材に取り付けた充填管を通
    して柱部材内にコンクリートを圧入する鋼管コンクリー
    ト柱の施工方法において、柱部材の鋼管の径よりも小径
    であってかつその周方向及び軸線方向に間隔をおいて多
    数の貫通孔を穿った鋼管を補強用鋼管とし、該補強用鋼
    管を柱部材内に補強用鋼管の中心軸線が柱部材の中心軸
    線と略一致するように挿着し、補強用鋼管内にコンクリ
    ートの回動流又はスパイラル形の上昇回動流が生じるよ
    うに充填管を補強用鋼管に取り付け、充填管の吐出部か
    ら補強用鋼管内にコンクリートを圧入し、補強用鋼管内
    に生じるコンクリートの回動流又はスパイラル形の上昇
    回動流の一部を前記貫通孔を通して柱部材と補強用鋼管
    との間の隙間へ流入させ、補強用鋼管及び柱部材内にそ
    れら下方から上方へコンクリートを充填することを特徴
    とする鋼管コンクリート柱の施工方法。
  7. 【請求項7】柱部材を鋼管で構成し、複数の柱部材を所
    望位置に建て、柱部材の仕口に鉄骨梁を取り付け、鉄骨
    梁上に床を形成し、柱部材に取り付けた充填管を通して
    柱部材内にコンクリートを圧入する鋼管コンクリート柱
    の施工方法において、柱部材の鋼管の径よりも小径であ
    ってかつその周方向及び軸線方向に間隔をおいて多数の
    貫通孔を穿った鋼管を補強用鋼管とし、該補強用鋼管を
    柱部材内に補強用鋼管の中心軸線が柱部材の中心軸線と
    略一致するように挿着し、柱部材と補強用鋼管との間の
    隙間にコンクリートの回動流又はスパイラル形の上昇回
    動流が生じるように充填管を柱部材に取り付け、充填管
    の吐出部から柱部材内にコンクリートを圧入し、前記隙
    間内に生じるコンクリートの回動流又はスパイラル形の
    上昇回動流の一部を前記貫通孔を通して補強用鋼管内へ
    流入させ、柱部材及び補強用鋼管内にそれらの下方から
    上方へコンクリートを充填することを特徴とする鋼管コ
    ンクリート柱の施工方法。
  8. 【請求項8】柱部材が鋼管で構成され、柱部材の仕口に
    梁取付部が設けられている鋼管コンクリート柱用の柱部
    材において、平面視で充填管の吐出部の中心軸線を柱部
    材の中心を通らないように偏位させて、充填管が柱部材
    に取り付けられていることを特徴とする鋼管コンクリー
    ト柱用の柱部材。
  9. 【請求項9】柱部材が鋼管で構成され、柱部材の仕口に
    梁取付部が設けられている鋼管コンクリート柱用の柱部
    材において、充填管の吐出部の中心軸線を柱部材の中心
    軸線に対して斜め上方に向けて傾斜させ、かつ平面視で
    充填管の吐出部の中心軸線を柱部材の中心を通らないよ
    うに偏位させて、充填管が柱部材に取り付けられている
    ことを特徴とする鋼管コンクリート柱形成用の柱部材。
  10. 【請求項10】鋼管からなる柱部材の内周面にスパイラ
    ル状の溝又は突条が形成されていることを特徴とする請
    求項8又は9に記載の鋼管コンクリート柱用の柱部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017503942A (ja) * 2014-01-24 2017-02-02 ▲謝▼英俊 双方向連続二重梁によって形成される三次元軽量鋼骨組

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JP2017503942A (ja) * 2014-01-24 2017-02-02 ▲謝▼英俊 双方向連続二重梁によって形成される三次元軽量鋼骨組

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