JPH1018355A - 油圧ショベルの作業種別判別装置 - Google Patents

油圧ショベルの作業種別判別装置

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JPH1018355A
JPH1018355A JP17666496A JP17666496A JPH1018355A JP H1018355 A JPH1018355 A JP H1018355A JP 17666496 A JP17666496 A JP 17666496A JP 17666496 A JP17666496 A JP 17666496A JP H1018355 A JPH1018355 A JP H1018355A
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直樹 田村
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敦 大西
Takahiro Kobayashi
隆博 小林
Hideki Kinukawa
秀樹 絹川
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作業者の好みや作業環境等に応じた操作レバー
の操作形態のばらつきによらずに、高精度で種々の作業
種別を判別することができる油圧ショベルの作業種別判
別装置を提供する。 【解決手段】各操作レバーの操作量を検出する操作量セ
ンサ25〜30の検出データに基づき、油圧ショベルの
動作状態を示す複数種の特徴量を把握部43〜50によ
り把握する。把握した各特徴量から、ファジー推論用の
メンバーシップ関数に基づき、判別しようとする複数の
作業種別のそれぞれに対する各特徴量の適合度を適合度
算出部52により求める。求めた適合度に基づき、各特
徴量が最も適合する作業種別を油圧ショベルが現在行っ
ている作業種別として判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧ショベルの作業
種別を判別する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルは、その作業用アクチュエ
ータとして、ブーム、アーム、バケットをそれぞれ駆動
するための油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)や、旋
回、走行を行うための油圧アクチュエータ(油圧モー
タ)を備えている。そして、作業に際しては、各アクチ
ュエータに対応した操作レバーの操作を行うことで、そ
れに応じて各アクチュエータに油圧ポンプから圧油を供
給して各油圧アクチュエータを作動させ、各種作業を行
うようにしている。
【0003】該油圧ショベルにより行う作業には、ばら
まき作業、土羽打ち作業、法面仕上げ作業、クレーン作
業、掘削作業、積み込み作業、旋回地ならし作業等の種
々様々な作業種別があり、また、掘削作業には、押しつ
け掘削作業や単純掘削作業、溝掘削作業、水平掘削作業
等の作業種別がある。
【0004】ところで、これらの各種作業では、必要と
される油圧ショベルの動作や負荷状態等が異なる場合が
多いため、それらの作業種別に応じた的確な動作形態で
油圧ポンプやこれを駆動するエンジンを動作させること
が好ましい。
【0005】例えば、掘削作業は、一般に、他の作業に
較べて負荷が大きいため、エンジンの駆動力を十分に油
圧ポンプを介して各アクチュエータに伝えることができ
るようにエンジンや油圧ポンプ等を制御することが好ま
しい。また、逆に、クレーン作業や積み込み作業等で
は、負荷が小さいため、エンジンの駆動力をさほど大き
く引き出す必要はなく、エンジンの燃料消費をなるべく
低減するようにエンジンや油圧ポンプ等を制御すること
が好ましい。
【0006】このため、従来の油圧ショベルでは、作業
者が運転室等に設けた運転モードスイッチを操作するこ
とで、例えば油圧ポンプによるエンジンの駆動力(出
力)の吸収割合(所謂、油圧ポンプ吸収馬力)を複数種
に設定可能とし、これにより、作業種別に適合した油圧
ショベルの運転を行うことができるようにしたものが知
られている。
【0007】しかしながら、このような従来の油圧ショ
ベルでは、作業者が意図する作業種別に適合した油圧シ
ョベルの運転を行うためには、作業者自らがその作業種
別を他の作業種別と区別して所定のスイッチ操作を行わ
なければならないため、そのスイッチ操作を忘れたりし
て、該スイッチ操作が行われない場合も多く、このよう
な場合には、作業種別に適した油圧ショベルの運転を行
うことができないと共に、該油圧ショベルの能力を十分
に引き出すことができないという不都合があった。ま
た、ある作業において、作業者がスイッチ操作を行って
も、別種の作業を行う際に、該スイッチ操作を解除する
ことを忘れる場合も多く、このような場合には、作業者
が所望する油圧ショベルの運転を行うことができないこ
とがあるという不都合があった。
【0008】そこで、本願発明者等は、このような不都
合を解消するために、各操作レバーの操作量を検出し
て、その検出した操作量に基づき、油圧ショベルにより
行っている作業種別を自動的に判別し、その判別した作
業種別に適合させてエンジンや油圧ポンプ等の動作を制
御するものを先に提案している(特願平8−28266
号参照)。
【0009】この装置にあっては、各操作レバーの検出
した操作量に基づき、各操作レバーの操作量の大きさの
一定時間内における平均値や、ブーム用あるいはバケッ
ト用の操作レバーの操作量が一定時間内で増減する度合
い等を油圧ショベルの動作状態を示す特徴量として把握
し、それらの特徴量とあらかじめ定めた所定値とを比較
してその大小関係を求めることで、該大小関係に基づ
き、作業種別を自動判別する。そして、判別した作業種
別に対応させてエンジンや油圧ポンプ等の動作を制御す
る。
【0010】このように作業種別を自動判別すること
で、作業者による運転モードスイッチ等のスイッチ操作
を必要とすることなく、各種作業種別に適した油圧ショ
ベルの運転を行うことができる。
【0011】しかしながら、上記のような作業種別の判
別手法では、次のような不都合を生じる虞れがあること
が本願発明等のさらなる検討により判明した。
【0012】すなわち、同じ作業種別であっても、作業
者の好みや、作業環境等によって、各操作レバーの操作
形態にはある程度のばらつきがあり、従って、各操作レ
バーの操作量の大きさの一定時間内における平均値等の
前記特徴量も、ある程度のばらつきを生じる。このた
め、それらの特徴量を前述のように単に所定値と比較す
るだけでは、作業者の好みや作業環境等によっては、同
一の作業種別であっても、該特徴量と所定値との大小関
係が異なるものとなる場合が生じる虞れがあり、このよ
うな場合には、作業種別が誤って判別されてしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、作業者の好みや作業環境等に応じた操作レバーの
操作形態のばらつきによらずに、高精度で種々の作業種
別を判別することができる油圧ショベルの作業種別判別
装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の油圧ショベルの
作業種別判別装置はかかる目的を達成するために、ブー
ム用アクチュエータ、アーム用アクチュエータ、バケッ
ト用アクチュエータ及び旋回用アクチュエータを含む複
数の作業用アクチュエータをそれぞれ各作業用アクチュ
エータに対応する操作レバーの操作に応じて作動させて
所要の作業を行う油圧ショベルにおいて、該油圧ショベ
ルによる作業時の作業種別を判別する装置であって、前
記各作業用アクチュエータに対応する各操作レバーのう
ち、少なくとも一つの操作レバーの操作量を検出する操
作量検出手段と、該操作量検出手段により検出された操
作量に基づき、作業種別を判別するための前記油圧ショ
ベルの動作状態を示す少なくとも一つの特徴量を求める
特徴量算出手段と、該特徴量算出手段により求められた
各特徴量から、判別すべき作業種別毎に各特徴量に対応
させてあらかじめ定められたファジー推論用の複数のメ
ンバーシップ関数に基づき各特徴量の各作業種別に対す
る適合度を求める適合度算出手段とを具備し、該適合度
算出手段により求められた適合度に基づき、前記各特徴
量が最も適合する作業種別を前記油圧ショベルにより行
っている作業種別として判別することを特徴とする。
【0015】かかる本発明によれば、油圧ショベルによ
り作業を行っている際に、前記特徴量算出手段によっ
て、前記操作量検出手段により検出される操作レバーの
操作量に基づき、作業種別を判別するための油圧ショベ
ルの動作状態を示す特徴量が求められる。そして、前記
適合度算出手段によって、求められた各特徴量につい
て、その各特徴量の各作業種別に対する適合度が前記フ
ァジー推論用のメンバーシップ関数に基づき求められ
る。このとき、このようにして求められる各特徴量の各
作業種別に対する適合度は、実際に行っている作業種別
に対して最も高くなり、その他の作業種別に対してはそ
れ以下となる。また、該適合度は、ファジー推論用のメ
ンバーシップ関数を用いて求めることで、作業者の好み
や作業環境等に応じた操作レバーの操作形態のばらつき
加味したかたちで、各特徴量の各作業種別に対する適合
性を示すものとなる。従って、該適合度算出手段により
求められた適合度に基づいて、各特徴量が最も適合する
作業種別を油圧ショベルにより行っている作業種別とし
て判別することで、作業者の好みや作業環境等に応じた
操作レバーの操作形態のばらつきによらずに、高精度で
種々の作業種別を判別することができる。
【0016】尚、本発明では 前記判別すべき作業種別
は、単純掘削作業、法面仕上げ作業、溝掘削作業、水平
掘削作業、旋回地ならし作業、土羽打ち作業、ばらまき
作業、押し付け掘削作業、クレーン作業及び積み込み作
業のうちの少なくともいずれか一つの作業種別を含む。
【0017】かかる本発明において、より具体的には、
前記特徴量算出手段は、ブーム用の操作レバーの操作量
が所定時間内で増減変動を生じる割合を示すブーム操作
複雑さ表示量と、バケット用の操作レバーの操作量が所
定時間内で増減変動を生じる割合を示すバケット操作複
雑さ表示量と、旋回用の操作レバーの操作量の大きさが
所定時間内で所定値以上となる時間を示す高速旋回時間
と、所定時間内においてブーム用の操作レバーの操作量
がブームの上昇側で所定値以上となり且つアーム用及び
バケット用の各操作レバーの操作量がアーム及びバケッ
トの引き込み側でそれぞれ所定値以上となる時間を示す
ブーム逆操作時間と、所定時間内においてブーム用操作
レバーの操作量の大きさが所定値以上で且つアーム用及
びバケット用の各操作レバーの操作量の大きさがそれぞ
れ所定値以下となる時間を示すバケット・アーム停止時
間と、所定時間内におけるブーム用、アーム用及びバケ
ット用の各操作レバーの操作量の大きさのそれぞれの平
均値を示すブーム操作量平均値、アーム操作量平均値及
びバケット操作量平均値とのうち、少なくともいずれか
一つを前記特徴量として求め、前記操作量検出手段は、
当該少なくとも一つの特徴量に対応する前記操作レバー
の操作量を検出する。
【0018】すなわち、ブーム用アクチュエータやアー
ム用アクチュエータ、バケット用アクチュエータ、旋回
用アクチュエータにそれぞれ対応する操作レバーの操作
形態は行っている作業に対応した油圧ショベルの動作状
態を規定するもので、その操作形態のうち、特に前記ブ
ーム操作複雑さ表示量や、バケット操作複雑さ表示量、
高速旋回時間、ブーム逆操作時間、バケット・アーム停
止時間、ブーム操作量平均値、アーム操作量平均値、バ
ケット操作量平均値、あるいはそれらを組み合わせたも
のは、行っている作業種別に固有のものとなる傾向があ
り、従って、それらの各特徴量の各作業種別との適合性
を規定する前記メンバーシップ関数も、各特徴量と各作
業種別との組に固有のものとなる傾向がある。
【0019】従って、これらのブーム操作複雑さ表示量
等の特徴量を、その特徴量に対応する操作レバーの操作
量から求め、さらにその求めた各特徴量の各作業種別に
対する適合度を前記メンバーシップ関数に基づき求め、
それらの各作業種別のうち、各特徴量が最も適合する作
業種別を油圧ショベルにより行っている作業種別として
判別することで、掘削作業やばらまき作業等、各種の作
業種別を精度よく判別することができる。
【0020】ところで、本発明にあっては、特に判別し
ようとする作業種別が多数あると、作業中に求められる
前述の各特徴量について、それらの多数の作業種別毎に
前記適合度を求めることとなるため、前記適合度算出手
段の演算負荷が大きなものとなる。
【0021】一方、油圧ショベルにより行う作業種別の
うち、例えばばらまき作業にあっては、一般にバケット
用の操作レバーが短い時間間隔で頻繁に増減され、しか
もこのようなバケット用の操作レバーの操作形態の傾向
は、作業者の好みや作業環境等の影響を受け難いと共
に、他の作業種別に較べて極めて顕著に現れる。
【0022】また、例えば土羽打ち作業にあっては、一
般にブーム用の操作レバーの操作量が短い時間間隔で頻
繁に増減されると共に、ブーム用の操作レバーの操作量
に比してアームやバケット用の操作レバーの操作量が小
さなものとなる時間が比較的長く、また、旋回用の操作
レバーによる高速旋回が行われることは少ない。そし
て、このような各操作レバーの操作形態の傾向も、作業
者の好みや作業環境等の影響を受け難いと共に、他の作
業種別に較べて極めて顕著に現れる。
【0023】そこで、本発明では、さらに、前記特徴量
算出手段が求める特徴量は、前記バケット操作複雑さ表
示量を含み、該バケット操作複雑さ表示量が所定値以上
であるときには、前記適合度算出手段により求められる
適合度によらずに、前記油圧ショベルにより行っている
作業種別をばらまき作業であると判別する。
【0024】また、前記特徴量算出手段が求める特徴量
は、前記ブーム操作複雑さ表示量と前記バケット・アー
ム停止時間と前記高速旋回時間とを含み、該ブーム操作
複雑さ表示量が所定値以上で且つ該バケット・アーム停
止時間が所定値以上で且つ該高速旋回時間が所定値以下
であるときには、前記適合度算出手段により求められる
適合度によらずに、前記油圧ショベルにより行っている
作業種別を土羽打ち作業であると判別する。
【0025】このように、前記バケット操作複雑さ表示
量や、ブーム操作複雑さ表示量、バケット・アーム停止
時間、高速旋回時間を所定値と比較して、その大小関係
が上記の条件を満たす場合に、行っている作業種別をば
らまき作業や土羽打ち作業と判別することで、これらの
作業種別の判別に際しては、前記各特徴量の個々の作業
種別に対する適合度を求める必要がなくなり、また、該
適合度を求めずともばらまき作業や土羽打ち作業を精度
よく判別することができる。
【0026】従って、前記適合度算出手段の演算負荷を
適宜、軽減しつつ各種の作業種別を精度よく判別するこ
とができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1乃至図
14を参照して説明する。
【0028】図1を参照して、本実施形態の油圧ショベ
ルは、エンジン1と、これを駆動源とする二つの油圧ポ
ンプ2,3と、作業用アクチュエータであるブーム用ア
クチュエータ4(油圧シリンダ)、アーム用アクチュエ
ータ5(油圧シリンダ)、バケット用アクチュエータ6
(油圧シリンダ)、旋回用アクチュエータ7(油圧モー
タ)、右側走行用アクチュエータ8(油圧モータ)及び
左側走行用油圧アクチュエータ9(油圧モータ)とを具
備し、また、これらの機器の作動形態(動作特性)を制
御するためのコントローラ10を備えている。
【0029】油圧ポンプ2は、前記作業用アクチュエー
タのうち、ブーム用アクチュエータ4、バケット用アク
チュエータ6及び右側走行用アクチュエータ8に圧油を
供給してこれらを作動させるためのものであり、これら
の各アクチュエータ4,6,8にそれぞれ方向切換弁で
あるブーム用コントロールバルブ11、バケット用コン
トロールバルブ12及び右側走行用コントロールバルブ
13を介して接続されている。
【0030】同様に、油圧ポンプ3は、アーム用アクチ
ュエータ5、旋回用アクチュエータ7及び左側走行用ア
クチュエータ9に圧油を供給してこれらを作動させるた
めのものであり、これらの各アクチュエータ5,7,9
にそれぞれアーム用コントロールバルブ14、旋回用コ
ントロールバルブ15及び左側走行用コントロールバル
ブ16を介して接続されている。
【0031】上記各コントロールバルブ11〜16は、
それぞれブーム用操作レバー17,バケット用操作レバ
ー18、右側走行用操作レバー19、アーム用操作レバ
ー20、旋回用操作レバー21及び左側走行用操作レバ
ー22を備えた操作装置17a〜22aの図示しないパ
イロットバルブから各操作レバー17〜22の操作量及
び操作方向に応じたパイロット圧が付与されて、切換作
動等が行われるようになっている。
【0032】尚、図では、便宜上、各操作レバー17〜
22はそれぞれ別個に備えられているように記載した
が、実際には、ブーム用操作レバー17とバケット用操
作レバー18とは、一つの操作レバーにより構成され、
該操作レバーの前後方向での操作と左右方向での操作と
で各別のアクチュエータ4,6の作動が行われるように
なっており、同様に、アーム用操作レバー20と旋回用
操作レバー21とは一つの操作レバーにより構成されて
いる。
【0033】また、油圧ポンプ2,3は、可変容量型の
ものであり、その吐出流量を規定する傾転角がそれぞれ
第1比例電磁弁23及び第2比例電磁弁24により生成
される二次圧によって、図示しないレギュレータを介し
て調整可能とされている。各比例電磁弁23,24は、
その通電量に応じた二次圧を生成するものであり、各比
例電磁弁23,24を通電制御することで、各油圧ポン
プ2,3の吐出流量を制御可能としている。この比例電
磁弁23,24の通電制御がコントローラ10により後
述するように行われる。
【0034】一方、本実施形態の油圧ショベルは、前記
各操作レバー17〜21の操作量(操作方向を含む)を
それぞれ検出する操作量検出手段であるブーム操作量セ
ンサ25、バケット操作量センサ26、右走行操作量セ
ンサ27、アーム操作量センサ28、旋回操作量センサ
29及び左走行操作量センサ30を備え、これらの各操
作量センサ25〜30は、各操作レバー17〜21の操
作量に応じた信号をコントローラ10に出力する。さら
に、油圧ポンプ2,3の吐出圧(負荷圧)をそれぞれ検
出する圧力センサ31,32や、エンジン1の回転数を
検出する回転数センサ33が設けられ、これらの圧力セ
ンサ31,32及び回転数センサ33は、それぞれ油圧
ポンプ2,3の吐出圧及びエンジン1の回転数に応じた
信号をコントローラ10に出力する。
【0035】この場合、前記各操作量センサ25〜30
は、圧力センサにより構成されたものであり、各操作レ
バー17〜21を備えた前記操作装置17a〜22aが
各操作レバー17〜21の操作量に応じて生成するパイ
ロット圧を該操作量を示すものとして検出する。
【0036】尚、図1において、本実施形態では、ブー
ム用アクチュエータ4には、油圧ポンプ3側の管路に設
けられたブーム用合流弁34を介して適宜、油圧ポンプ
3の吐出圧油が油圧ポンプ2の吐出圧油に合流して供給
されるようになっており、同様に、アーム用アクチュエ
ータ5には、油圧ポンプ2側の管路に設けられたアーム
用合流弁35を介して適宜、油圧ポンプ2の吐出圧油が
油圧ポンプ2の吐出圧油に合流して供給されるようにな
っている。
【0037】また、油圧ポンプ2の吐出圧油は、ブーム
用アクチュエータ4、バケット用アクチュエータ6及び
右側走行用アクチュエータ8の非作動状態では、カット
弁36を介して図示しない作動油タンクにそのまま還流
するようになっており、該カット弁36は、上記アクチ
ュエータ4,6,8のいずれかの作動時に上記の還流を
遮断するようにしている。そして、これと同様のカット
弁37が油圧ポンプ3側にも設けられている。
【0038】また、図1で38は油圧ショベルの直進走
行時に右側走行用アクチュエータ8及び左側走行用アク
チュエータ9に各油圧ポンプ2,3から同じ流量の圧油
が供給されるように調整するための弁である。
【0039】次に、図2を参照して、コントローラ10
はマイクロコンピュータを用いて構成されたものであ
り、その機能的構成として、前記各操作量センサ25〜
30の出力信号をA/D変換するA/D変換器39と、
そのA/D変換された各操作レバー17〜21の操作量
を示すデータを保持するデータ保持部40と、保持され
たデータに基づき油圧ショベルにより行われている作業
種別を判別する作業種別判別部41と、判別された作業
種別に応じて油圧ポンプ2,3やエンジン1の作動形態
を設定して、それに従って各油圧ポンプ2,3やエンジ
ン1の作動を制御する作動形態制御部42とを備えてい
る。
【0040】データ保持部40は、A/D変換器39を
介して各操作量センサ25〜30から得られる各操作レ
バー17〜21の操作量を示すデータを連続した所定時
間分(例えば20秒)保持し、それを例えば5秒毎に更
新していく。
【0041】作業種別判別部41は、本発明の要部をな
すもので、作業種別を判別するために、後述する複数種
(本実施形態では8種類)の特徴量をデータ保持部40
に保持された各操作レバー17〜21の所定時間分の操
作量データからそれぞれ把握するブーム操作複雑さ把握
部43、バケット操作複雑さ把握部44、高速旋回時間
把握部45、ブーム逆操作時間把握部46、バケットア
ーム停止時間把握部47、ブーム操作平均値把握部4
8、アーム操作平均値把握部49及びバケット操作平均
値把握部50とを特徴量算出手段として具備する。さら
に前記作業種別判別部41は、上記の各把握部43〜5
0の他に、ファジー推論用の複数のメンバーシップ関数
をあらかじめ記憶保持したメモリ51と、このメモリ5
1に記憶保持されたメンバーシップ関数を用いて、作業
時に上記各把握部43〜50により把握された各特徴量
の各作業種別への適合度を求める適合度算出部52(適
合度算出手段)と、上記各把握部43〜50に把握され
る各特徴量のうち、特定の複数の特徴量をそれぞれあら
かじめ定められた所定値と比較する比較部53とを具備
する。
【0042】尚、本実施形態ではこの作業種別判別部4
1により判別する作業種別は、単純掘削作業、法面仕上
げ作業、溝掘削作業、水平掘削作業、旋回地ならし作
業、土羽打ち作業、ばらまき作業、押し付け掘削作業、
クレーン作業及び積み込み作業の10種類の作業種別で
あり、これらの各作業種別の作業内容の概要は次の通り
である。
【0043】単純掘削作業は、車両の前方箇所でバケッ
トを地面に押し当てて、アーム及びブームの動作によっ
てバケットを手前に引き込むことにより地面に穴を掘る
作業である。
【0044】法面仕上げ作業は、バケット、アーム、ブ
ームの同時動作によって、バケットを斜面に沿わせ、こ
の状態でアームやブームを動作させてバケットにより斜
面を削っていく作業である。
【0045】溝掘削作業は、車両の前方箇所でバケット
を地面に押し当てて、アーム及びブームの動作によって
バケットを手前に引き込むことにより地面に溝を掘る作
業である。
【0046】水平掘削作業は車両の前方箇所でバケット
を地面の凸部に押し当てて、アーム及びブームの動作に
よってバケットを手前に引き込むことにより地面の凸部
を削り取る作業である。
【0047】旋回地ならし作業は、バケットを地面に接
触させ、この状態で旋回動作を行うことで地ならしを行
う作業である。
【0048】土羽打ち作業は、ブームの上下動の繰り返
しによって、バケットを地面にたたきつけて、地面をか
ためていく作業である。
【0049】ばらまき作業は、バケット、アーム、ブー
ムの同時動作によって、バケットに土をすくい、それを
バケットの動作によってばらまくという作業を高速で繰
り返す作業である。
【0050】押し付け掘削作業は、車両の側方箇所で車
両の前後方向に溝を掘る場合等に、旋回動作を行いつつ
バケットを地面に押し当てて引き込んで、掘削を行う作
業である。
【0051】クレーン作業は、バケットの刃先にロープ
等を介して運搬物を吊り下げ、該運搬物の移動を行う作
業である。
【0052】積み込み作業は、油圧ショベルを輸送する
際に、トレーラ等に油圧ショベルを積み込む作業であ
る。
【0053】これらの作業種別を判別する作業種別判別
部41のブーム操作複雑さ把握部43は、ブーム用操作
レバー17の前記所定時間分の操作量データから、該所
定時間内において該操作レバー17の操作量が増減変動
される割合をブーム操作の複雑さを示す複雑さ表示量と
して把握する。同様に、バケット操作複雑さ把握部44
は、バケット用操作レバー18の前記所定時間分の操作
量データから、該所定時間内において該操作レバー18
の操作量が増減変動される割合をブーム操作の複雑さを
示す複雑さ表示量として把握する。
【0054】さらに詳細には、図3を参照して、本実施
形態では、ブーム操作複雑さ把握部43は、前記所定時
間分(20秒)のブーム用操作レバー17の操作量の時
間的変化を示す波形a(これはデータ保持部40に保持
された操作量データの前記所定時間分の時系列データに
相当する)が、あらかじめ定められた複数の所定操作量
S1 〜S5 を表す直線b1 〜b5 のそれぞれと交わる交
点P1 〜P5 の個数、換言すれば、前記所定時間内にお
いてブーム用操作レバー17の操作量が各所定操作量S
1 〜S5 より小さい操作量又は大きい操作量からそれぞ
れ該所定操作量S1 〜S5 より大きい操作量又は小さい
操作量に変化する回数(各所定操作量S1 〜S5 の上下
に変化する回数)を各所定操作量S1 〜S5 毎に求め
る。そして、各所定操作量S1 〜S5 に対応する各交点
P1 〜P5 の個数の平均値を前記ブーム操作の複雑さ表
示量として求める。
【0055】例えば、図3に示したブーム用操作レバー
17の操作量の波形aでは、各所定操作量S1 〜S5 に
対応する直線b1 〜b5 との交点P1 〜P5 の個数は、
それぞれ8個、8個、8個、8個、16個であり、この
場合には、前記ブーム操作の複雑さ表示量は“9.6”
となる。
【0056】このような複雑さ表示量の求め方は、バケ
ット操作複雑さ把握部44についても全く同様である。
但し、前記所定操作量S1 〜S5 は、各操作レバー1
7,18毎に各別に定められている。
【0057】このようにして求められるブーム操作及び
バケット操作の複雑さ表示量は、それぞれブーム用操作
レバー17及びバケット用操作レバー18が前記所定時
間内で頻繁に増減操作される程度を示すものであり、該
複雑さ表示量が大きい程、各操作レバー17,18が頻
繁に増減操作されて、複雑なブーム操作及びバケット操
作が行われていることを意味する。
【0058】また、この場合、複数の所定操作量S1 〜
S5 に対応する直線b1 〜b5 との交点P1 〜P5 の個
数の平均値をブーム操作やバケット操作の複雑さ表示量
とすることで、同じ作業に際して作業者の好みや作業環
境等によって、各操作レバー17,18の操作量の増減
幅がばらつくような場合であっても、各操作レバー1
7,18が頻繁に増減操作される程度(操作の複雑さ)
を上記複雑さ表示量により適正に把握することができ
る。さらに、図3の右寄りの箇所に示すように、単なる
振動等により、僅かな増減幅で各操作レバー17,18
の操作量が増減するような場合に、該操作レバー17,
18が頻繁に増減操作されていると誤認してしまうよう
な事態を排除できる。
【0059】尚、このような複雑さ表示量は、前記各交
点P1 〜P5 の個数の最小値を該複雑さ表示量として求
めるようにしてもよい。この場合には、図3の波形aで
は、該複雑さ表示量は“8”となる。
【0060】高速旋回時間把握部45は、旋回用操作レ
バー21の前記所定時間分の操作量データから、該所定
時間内において該操作レバー21の操作量の大きさ(絶
対値)があらかじめ定めた所定操作量以上となる時間の
合計を求め、それを高速旋回時間として把握する。この
ように求められる高速旋回時間は、前記所定時間内にお
いて、油圧ショベルの高速旋回動作が行われた合計時間
を意味する。
【0061】ブーム逆操作時間把握部46は、ブーム
用、アーム用及びバケット用の各操作レバー17,2
0,18の前記所定時間分の操作量データから、該所定
時間内においてブーム用操作レバー17の操作量がブー
ムの上昇側であらかじめ定めた所定操作量以上となり、
且つ、アーム用操作レバー20及びバケット用操作レバ
ー18の各操作量が、アーム及びバケットの引き込み側
でそれぞれあらかじめ定められた所定操作量以上となる
時間の合計を求め、それをブーム逆操作時間として把握
する。このようにして求められるブーム逆操作時間は、
ブームが上昇側に駆動される一方、アーム及びバケット
が引き込み側に駆動される状態の前記所定時間内におけ
る合計時間を意味する。
【0062】バケットアーム停止時間把握部47は、ブ
ーム用、アーム用及びバケット用の各操作レバー17,
20,18の前記所定時間分の操作量データから、該所
定時間内においてブーム用操作レバー17の操作量の大
きさ(絶対値)があらかじめ定めた所定操作量以上で、
且つアーム用操作レバー20及びバケット用操作レバー
18の各操作量の大きさが、それぞれあらかじめ定めら
れた所定操作量以下となる時間の合計を求め、それをバ
ケット・アーム停止時間として把握する。このようにし
て求められるバケット・アーム停止時間は、バケット及
びアームをほぼ停止した状態で、ブームのみを駆動する
状態の前記所定時間内における合計時間を意味する。
【0063】ブーム操作平均値把握部48、アーム操作
平均値把握部49及びバケット操作平均値把握部50
は、それぞれブーム用、アーム用及びバケット用の各操
作レバー17,20,18の前記所定時間分の操作量デ
ータから、該所定時間内における各操作レバー17,2
0,18の操作量の大きさ(絶対値)の平均値を求め、
それをそれぞれブーム操作量平均値、アーム操作量平均
値及びバケット操作量平均値として把握する。
【0064】本実施形態では、これらの各把握部43〜
50により把握されるブーム操作の複雑さ表示量、バケ
ット操作の複雑さ表示量、高速旋回時間、ブーム逆操作
時間、バケットアーム停止時間、ブーム操作量平均値、
アーム操作量平均値及びバケット操作量平均値を油圧シ
ョベルの動作状態を示す特徴量としている。
【0065】メモリ51に記憶保持されたメンバーシッ
プ関数は、図4乃至図11に例示するように、前記ブー
ム操作の複雑さ表示量等の8種類の各特徴量の値と、前
述の各作業種別に対する該特徴量の適合度とのあらかじ
め定められた関係を示すものであり、各作業種別毎に、
前述の各特徴量に対応するメンバーシップ関数がメモリ
51に記憶保持されている。すなわち、該メンバーシッ
プ関数は、各作業種別と各特徴量との組毎に設定されて
いる。この場合、各作業種別と各特徴量との各組に対応
するメンバーシップ関数は、基本的には、各作業種別の
実際の作業時において前述の各特徴量が通常的にとり得
る値の範囲で、その特徴量の値に対応した適合度が最大
値(本実施形態では“1”)となり、該特徴量の値が上
記の範囲からはずれるに従って、徐々に適合度が小さく
なるように設定されている。
【0066】具体的には、例えば単純掘削作業と旋回地
ならし作業とに関して、前述の8種類の各特徴量に対応
するメンバーシップ関数は図4乃至図11にそれぞれ実
線及び破線で示すように設定されている。
【0067】この場合、図4乃至図11に実線でメンバ
ーシップ関数を示した単純掘削作業にあっては、通常、
ブーム用操作レバー17及びバケット用操作レバー18
が、短時間で頻繁に増減操作されることは少ないため、
図4及び図5に示すように前記ブーム操作の複雑さ表示
量及びバケット操作の複雑さ表示量の値が“0”を含め
て比較的低い大きさの範囲で、適合度が最大の“1”と
なるようにメンバーシップ関数が設定されている。
【0068】また、該単純掘削作業にあっては、通常、
高速旋回を行う動作や、バケット及びアームをほぼ停止
した状態でブームのみを駆動する動作、ブームを上昇側
に駆動しつつバケット及びアームを引き込み側に駆動す
る状態の頻度が少ないため、図6乃至図8に示すように
前記高速旋回時間、バケットアーム停止時間及びブーム
逆操作時間の値が“0”を含めて比較的低い大きさの範
囲で、適合度が最大の“1”となるようにメンバーシッ
プ関数が設定されている。尚、図6乃至図8の横軸の時
間は、所定の単位時間を“1”としたスケールで表して
いる。
【0069】また、単純掘削作業にあっては、通常、ブ
ーム用操作レバー17及びバケット用操作レバー18が
比較的大きな操作量で操作される場合が多く、このた
め、図9及び図11に示すように前記ブーム操作量平均
値及びバケット操作量平均値の値がある値以上の比較的
高い大きさの範囲で、適合度が最大の“1”となるよう
にメンバーシップ関数が設定されている。そして、アー
ム用操作レバー20は、中程度の操作量で操作される場
合が多いことから、図10に示すように前記アーム操作
量平均値の値が中程度の大きさの範囲で、適合度が最大
の“1”となるようにメンバーシップ関数が設定されて
いる。
【0070】一方、図4乃至図11に破線でメンバーシ
ップ関数を示した旋回地ならし作業にあっては、通常、
ブーム用操作レバー17及びバケット用操作レバー18
が、極度に頻繁に増減操作されることは少ないものの、
その増減操作の機会は前述の単純掘削作業の場合よりも
多く、このため、図4及び図5に示すように前記ブーム
操作の複雑さ表示量及びバケット操作の複雑さ表示量の
値が“0”を含めて比較的低い大きさの範囲で且つ単純
掘削作業の場合よりも広い範囲で、適合度が最大の
“1”となるようにメンバーシップ関数が設定されてい
る。
【0071】また、旋回地ならし作業にあっては、高速
旋回が行われる状態は、通常、単純掘削作業の場合より
も頻度が高く、このため、図6に示すように前記高速旋
回時間の値が概ね単純掘削作業の場合よりも大きい中程
度の大きさの範囲で、適合度が最大の“1”となるよう
にメンバーシップ関数が設定されている。
【0072】また、旋回地ならし作業にあっては、単純
掘削作業の場合と逆に、通常、バケット及びアームをほ
ぼ停止した状態でブームのみを駆動する場合が比較的多
く、このため、図7に示すように、前記バケットアーム
停止時間の値が比較的大きい範囲で、適合度が最大の
“1”となるようにメンバーシップ関数が設定されてい
る。
【0073】また、旋回地ならし作業にあっては、通
常、ブームを上昇側に駆動しつつバケット及びアームを
引き込み側に駆動する状態の頻度はさほど高くないもの
の、その頻度は単純掘削作業の場合よりも高く、このた
め、図8に示すように前記ブーム逆操作時間の値が、
“0”を含めて比較的低い大きさの範囲で、且つ単純掘
削作業の場合よりも広い範囲で、適合度が最大の“1”
となるようにメンバーシップ関数が設定されている。
【0074】また、旋回地ならし作業にあっては、アー
ム用操作レバー20及びバケット用操作レバー18が比
較的小さな操作量で操作される場合が多く、このため、
図10及び図11に示すように前記アーム操作量平均値
及びバケット操作量平均値の値が“0”を含めて比較的
低い大きさの範囲で、適合度が最大の“1”となるよう
にメンバーシップ関数が設定されている。そして、ブー
ム用操作レバー17は、中程度の操作量で操作される場
合が多いことから、図9に示すように前記ブーム操作量
平均値の値が中程度の大きさの範囲で、適合度が最大の
“1”となるようにメンバーシップ関数が設定されてい
る。
【0075】このような作業種別毎の各特徴量に対する
メンバーシップ関数の設定は、上記単純掘削作業及び旋
回地ならし作業の他の作業種別についても同様であり、
各作業種別の実際の作業時において前述の各特徴量が通
常的にとり得る値の範囲で、その特徴量の値に対応した
適合度が最大値“1”となるように各メンバーシップ関
数が設定されている。そして、各作業種別についての各
特徴量の値が通常的な値の範囲をはずれるに従って、前
記図4乃至図11に示したように適合度が徐々に低下す
るように各メンバーシップ関数が設定されている。尚、
各作業種別について、特徴量の通常的な値の範囲が、該
特徴量の全範囲にわたるような場合には、その特徴量の
全範囲にわたって適合度が最大の“1”となるようにメ
ンバーシップ関数が設定されている。
【0076】適合度算出部52は、作業時に前記各把握
部43〜50により実際に把握された各特徴量の値か
ら、前述のように設定されたメンバーシップ関数を用い
て各作業種別毎に、各特徴量の各作業種別に対する適合
度を求める。さらに、適合度算出部52は、各作業種別
毎に、各特徴量について求めた適合度のうちの最も小さ
な値の適合度を、その作業種別に対する各特徴量の総合
的な適合度(以下、これを総合適合度という)として求
める。
【0077】具体的には、例えば図4乃至図11を参照
して、前記各把握部43〜50により把握された前述の
8種類の特徴量(ブーム操作の複雑さ表示量、バケット
操作の複雑さ表示量、高速旋回時間、ブーム逆操作時
間、バケットアーム停止時間、ブーム操作量平均値、ア
ーム操作量平均値及びバケット操作量平均値)の値をそ
れぞれ図示のようにch1,ch2,ch3,ch4,ch5,ch6,ch7,ch8
とすると、各特徴量の値ch1 〜ch8 の単純掘削作業に対
する適合度はそれぞれ1、0.6、0.5、0.6、
1、0.8、1、0.4であり、このとき、該単純掘削
作業に対する前記総合適合度は、上記の各特徴量毎の適
合度の値のうちの最小値“0.4”である。同様に、各
特徴量の値ch1 〜ch8 の旋回地ならし作業に対する適合
度はそれぞれ1、1、1、1、1、1、0.9、1であ
り、このとき、該旋回地ならし作業に対する前記総合適
合度は、上記の各特徴量毎の適合度の値のうちの最小値
“0.9”である。
【0078】このようにして求められる総合適合度は、
その値が大きい程、その総合適合度に対応する作業種別
への各特徴量の適合性が高く、その作業種別の作業が行
われてれている確率が高いことを意味する。従って、上
記の場合には、総合適合度が0.4である単純掘削作業
よりも、総合適合度が0.9である旋回地ならし作業が
行われている可能性が高く、この場合、他の作業種別に
対応する総合適合度が0.9よりも小さければ、全ての
作業種別の中で、旋回地ならし作業が行われている可能
性が最も高いこととなる。
【0079】比較部53は、前記各把握部43〜50の
うち、ブーム操作複雑さ把握部43、バケット操作複雑
さ把握部44、高速旋回時間把握部45及びバケットア
ーム停止時間把握部47によりそれぞれ把握される各特
徴量と、その各特徴量毎にあらかじめ定めた所定値との
大小関係を比較する。この比較は、後述のように前記各
作業種別のうち、ばらまき作業と土羽打ち作業とを判別
するために行うものである。
【0080】以上のような構成を具備した作業種別判別
部41は、適合度算出部52により求められる作業種別
毎の前記総合適合度、あるいは比較部53により得られ
る比較結果に基づき、油圧ショベルにより現在行ってい
る作業種別を後述するように判別する。
【0081】前記作動形態制御部42は、作業種別判別
部41により判別された作業種別に応じて、油圧ポンプ
2,3の以下に説明する複数種の作動形態(動作特性)
を設定する吸収馬力設定部54、最大供給流量設定部5
5、流量変化度設定部56及び応答時定数設定部57
と、設定された作動形態に従って、油圧ポンプ2,3を
それぞれ第1比例電磁弁23及び第2比例電磁弁24を
介して制御する油圧ポンプ制御部58と、作業種別判別
部41により判別された作業種別に応じてエンジン1の
後述のオートデセル制御を行うオートデセル制御部59
とを備えている。
【0082】吸収馬力設定部54は、エンジン1の出力
を油圧ポンプ2,3により吸収する割合である、所謂油
圧ポンプ吸収馬力を作業種別に応じて設定するものであ
り、例えば図12に示すように、油圧ポンプ吸収馬力を
作業種別に応じて100%、80%、70%に設定する
ようにしている。ここで、100%の油圧ポンプ吸収馬
力は、エンジン1の各回転数における出力トルクと油圧
ポンプ2,3の発生トルク(これは油圧ポンプ2,3の
吐出流量と吐出圧との積に一致する)とが一致する状態
を示しており、この状態では、エンジン1の出力が、そ
のまま各アクチュエータ4〜9を駆動するための油圧ポ
ンプ2,3の出力に変換される。また、80%あるいは
70%の油圧ポンプ吸収馬力は、エンジン1の各回転数
における油圧ポンプ2,3の発生トルクをエンジン1の
出力トルクの80%あるいは70%となる状態を示して
おり、この状態では、エンジン1の出力の80%あるい
は70%が、各アクチュエータ4〜9を駆動するための
油圧ポンプ2,3の出力に変換される。
【0083】尚、このような油圧ポンプ吸収馬力の設定
値に従って油圧ポンプ2,3を作動させるためには、例
えば回転数センサ33により検出されるエンジン1の回
転数と図12に示すようなデータテーブルとから油圧ポ
ンプ吸収馬力の設定値に対応した油圧ポンプ2,3の発
生トルクを求め、その求めた発生トルクに、油圧ポンプ
2,3の吐出圧(これは、各アクチュエータ4〜9の負
荷に依存し、前記圧力センサ31,32により検出され
る)と吐出流量との積が一致するように油圧ポンプ2,
3の吐出流量を調整することで行われる。
【0084】最大供給流量設定部55は、油圧ポンプ
2,3から各アクチュエータ4〜9への圧油の最大供給
流量(油圧ポンプ2,3の上限吐出流量)を作業種別に
応じて設定するものであり、例えば図13に示すよう
に、油圧ポンプ2,3の許容最大吐出流量に等しい最大
供給流量を100%として、該最大供給流量を100
%、80%、70%に設定するようにしている。かかる
最大供給流量は、それが大きい程、各操作レバー17〜
22の操作による各アクチュエータ4〜9の最大作動速
度が早くなる。
【0085】流量変化度設定部56は、図13に示すよ
うに、各操作レバー17〜22の操作量の変化量に対す
る油圧ポンプ2,3から各アクチュエータ4〜9への圧
油の流量の変化量(静的な変化量)の割合(図13の直
線c,d,eの傾き)を流量変化度として、作業種別に
応じて設定するものであり、同図に示すように、該流量
変化度を例えば大、中、小の3種類で設定するようにし
ている。かかる流量変化度は、それが大きい程、各操作
レバー17〜22の操作量の増減に対して、各アクチュ
エータ4〜9の作動速度の増減変化が大きくなる。
【0086】応答時定数設定部57は、各操作レバー1
7〜22の操作量の変化速度に対する各アクチュエータ
4〜9の作動速度の変化速度を規定する応答時定数を作
業種別に応じて設定するものであり、該応答時定数を例
えば0s、0.2s、0.3s、0.5sに設定するよ
うにしている。この応答時定数は、それが小さい程、各
操作レバー17〜22の操作量の変化に対する各アクチ
ュエータ4〜9の作動速度の追従性(応答性)が高くな
るものである。
【0087】尚、設定された応答時定数に従った作動
は、例えば各操作レバー17〜22の操作量が変化され
たときに、それに応じた油圧ポンプ2,3の流量変化を
生ぜしめるための前記比例電磁弁23,24への通電タ
イミングを該応答時定数の時間だけ遅延させることで行
われる。
【0088】油圧ポンプ制御部58は、前述のように各
設定部51〜54で作業種別に応じて設定される油圧ポ
ンプ吸収馬力、最大供給流量、流量変化度及び応答時定
数に従って、各操作レバー17〜22の時々刻々の操作
量に応じた流量の圧油が各アクチュエータ4〜9に供給
されるように第1及び第2比例電磁弁23,24への通
電量を決定して該比例電磁弁23,24に通電し、これ
により、油圧ポンプ2,3の吐出流量を制御する。
【0089】オートデセル制御部59は、作業の休止時
に、エンジン1の回転数を低速回転数に下げてエンジン
1の燃料消費を低減するもので、基本的には、各操作量
センサ25〜30により検出される各操作レバー17〜
22の操作量が全て“0”になったとき(全ての操作レ
バー17〜22が中立位置に操作された時)から、その
状態であらかじめ定められた一定時間が経過した時に、
エンジン1の回転数をあらかじめ定められた所定の低速
回転数に制御し、また、その後いずれかの操作レバー1
7〜22が操作されたときには、エンジン1の回転数を
元の回転数に復帰させる(以下、この制御をオートデセ
ル制御という)。そして、この場合、オートデセル制御
部56は、作業種別判別部41により判別される作業種
別によって、オートデセル制御を有効(オートデセル制
御を行う)としたり、オートデセル制御を無効(オート
デセル制御を行わない)とするようにしている。
【0090】次に、本実施形態の油圧ショベルの作動を
説明する。
【0091】油圧ショベルによる作業が開始すると、前
記データ保持部40に各操作量センサ25〜30の検出
データが前記所定時間分づつ保持され、それが例えば5
秒毎に更新されていく。そして、作業種別判別部41
は、前述のようにデータ保持部40に保持されたデータ
に基づき、各把握部43〜50により前記ブーム操作の
複雑さ表示量、バケット操作の複雑さ表示量、高速旋回
時間、ブーム逆操作時間、バケット・アーム停止時間、
ブーム操作量平均値、アーム操作量平均値及びバケット
操作量平均値を求め、これらの特徴量から図14のフロ
ーチャートに示すように、現在行っている作業種別を判
別する。
【0092】すなわち、作業種別判別部41は、まず、
比較部53によって、把握部44により把握されたバケ
ット操作の複雑さ表示量をこれに対応してあらかじめ定
められた所定値Th1 と比較し(STEP1)、その比較
結果がバケット操作の複雑さ表示量≧Th1 であれば、行
っている作業種別がばらまき作業であると判断する(S
TEP2)。
【0093】このばらまき作業は、前述の通り、バケッ
トに土をすくい、それをバケットの動作によってばらま
くという作業を高速で繰り返す作業であり、このような
作業では、特に、バケット用操作レバー18の操作量が
比較的大きな増減幅で頻繁に増減変動され、しかもこの
ようなバケット用操作レバー18の操作形態は、作業者
の好みや作業環境等の影響をあまり受けずに該ばらまき
作業において顕著なものとなる。このため、バケット操
作の複雑さ表示量が他の作業に較べて顕著に大きな値と
なり、従って、所定値Th1 を適切に設定しておくこと
で、ばらまき作業時にはSTEP1の条件が成立し、ば
らまき作業を行っていると判断することができる。
【0094】STEP1の条件が成立しない場合には、
次に、作業種別判別部41は、比較部53によって、把
握部43,45,47によりそれぞれ把握されたブーム
操作の複雑さ表示量と、高速旋回時間と、バケット・ア
ーム停止時間とをそれぞれあらかじめ定められた所定値
Th2,Th3,Th4 と比較し(STEP3〜5)、それらの比
較結果が、ブーム操作の複雑さ表示量≧Th2 、且つ高速
旋回時間≦Th3 、且つバケット・アーム停止時間≧Th4
であれば、行っている作業種別が土羽打ち作業であると
判断する(STEP6)。
【0095】この土羽打ち作業は、前述の通りブームの
上下動の繰り返しによって、バケットを地面にたたきつ
けて、地面をかためていく作業であり、このような作業
では、特に、ブーム用操作レバー17の操作量が比較的
大きな増減幅で頻繁に増減変動されると共に、高速旋回
動作はほとんど行われず、また、ブームの上下動に際し
てバケット及びアームが停止されている時間が比較的長
い。しかもこのようなブーム用操作レバー17、アーム
用操作レバー20及びバケット用操作レバー18の操作
形態は、作業者の好みや作業環境等の影響をあまり受け
ずに該ばらまき作業において顕著なものとなる。このた
め、ブーム操作の複雑さ表示量が他の作業に較べて大き
な値となると共に、高速旋回時間が比較的短く、また、
バケット・アーム停止時間が比較的長くなる。従って、
所定値Th2,Th3,Th4 を適切に設定しておくことで、土羽
打ち作業時には、STEP3〜5の条件が成立して、土
羽打ち作業を行っていると判断することができる。
【0096】STEP3〜5のいずれかの条件が成立し
ない場合には、次に、作業種別判別部41は、前記適合
度算出部52によって、各把握部43〜50により把握
された各特徴量について、前記メモリ51に記憶保持さ
れたメンバーシップ関数に基づき、各作業種別毎の適合
度を求め、さらに、その適合度を総合してなる前記総合
適合度を各作業種別毎に求める(STEP7)。
【0097】そして、作業種別判別部41は、各作業種
別毎の総合適合度のうち、最も値の大きな総合適合度に
対応する作業種別を現在実際に行っている作業種別とし
て判断する(STEP8)。例えば、前述に例示したよ
うに旋回地ならし作業に対応する総合適合度が“0.
9”で(この場合、旋回地ならし作業に対する各特徴量
毎の適合度は全て“0.9”以上となる)、その他の作
業種別のそれぞれに対応する総合適合度が“0.9”よ
りも小さい(“0”を含む)ならば、現在実際に行って
いる作業種別を旋回地ならし作業と判断する。これによ
り、各特徴量が最も適合する作業種別が、現在実際に行
っている作業種別であると判断されることとなる。
【0098】尚、STEP8において、各作業種別毎の
総合適合度のうち、最も値の大きな総合適合度に対応す
る作業種別が複数ある場合、例えば単純掘削作業と水平
掘削作業とについてそれらの総合適合度が共に“1”で
ある場合には、作業種別判別部41は、作業種別を判別
不能とする。
【0099】このように前記メンバーシップ関数を用い
て前記各特徴量の各作業種別に対する適合度を求め、そ
れにより作業種別を判別することで、その判別に際して
各作業種別における各操作レバー17〜22の操作形
態、あるいはそれに対応した各特徴量の値のばらつきが
加味され、各作業種別を高精度で判別することができ
る。また、上記適合度を用いて作業種別を判別する場
合、10種類の各作業種別と8種類の各特徴との各組に
ついて適合度を求めることとなるため、それらの適合度
を求めるための演算量が大きなものとなるが、ばらまき
作業あるいは土羽打ち作業を行っている際には、適合度
を求める演算を行うことなく、ブーム操作の複雑さ表示
量等の特定の特徴量を単に所定値と比較することで、そ
れらのばらまき作業あるいは土羽打ち作業を精度よく判
別することができるので、演算負荷を軽減することがで
きる。
【0100】尚、以上の作業種別の判別は、データ保持
部40のデータが更新される毎に行われる。
【0101】次に、このようにして判別された作業種別
に基づき、作動形態制御部42の各設定部54〜57及
びオートデセル制御部59は、それぞれ前記油圧ポンプ
吸収馬力、最大供給流量、流量変化度、応答時定数及び
オートデセル制御を次の表1に示すように設定する。そ
して、油圧ポンプ制御部58は、このように作業種別毎
に設定される油圧ポンプ吸収馬力等の設定値に従って、
油圧ポンプ2,3の吐出流量を比例電磁弁23,24を
介して制御し、また、オートデセル制御部59はオート
デセル制御を有効あるいは無効とする。
【0102】
【表1】
【0103】このようにすることで、各作業種別に適し
た動作形態で油圧ショベルを運転することができる。
【0104】すなわち、表1に示されるように、前記油
圧ポンプ吸収馬力は、他の作業に較べて重負荷作業とな
る掘削作業(単純、溝、水平、押し付け掘削作業)で
は、最大の100%に設定されるため、エンジン1の出
力を最大限に使用して作業を行うことができ、逆に、他
の作業に較べて軽負荷作業となるクレーン作業及び積み
込み作業では、最小の70%に設定されるため、燃費の
良いエンジン1の稼働を行うことができる。そして、こ
れら以外の作業では、油圧ポンプ吸収馬力は中間の80
%に設定されるため、エンジン1の出力を必要な程度で
十分に引出しつつ、エンジン1の燃費も比較的良好なも
のとすることができる。
【0105】また、前記最大供給流量は、他の作業に較
べて各アクチュエータ4〜9の大きな作動速度が要求さ
れる掘削作業や旋回地ならし作業では、最大の100%
に設定されるため、各アクチュエータ4〜9必要な作動
速度を確実に確保することができる。逆に、他の作業に
較べて各アクチュエータ4〜9の要求される作動速度が
低い法面仕上げ作業、クレーン作業、及び積み込み作業
では、最大供給流量が最小の70%に設定されるため、
各操作レバー17〜22を不用意に大きく操作したとき
に必要以上に各アクチュエータ4〜9の作動速度が大き
くなってしまうような事態を回避することができる。そ
して、これら以外の作業では、最大供給流量は中間の8
0%に設定されるため、各作業に必要な程度で十分な各
アクチュエータ4〜9の作動速度を得ることができる。
【0106】また、前記流量変化度は、各操作レバー1
7〜22の操作量の変化量に対する各アクチュエータ4
〜9の作動速度の変化が他の作業に較べて大きなものに
要求されるばらまき作業、土羽打ち作業及び掘削作業で
は、最大の流量変化度に設定されるため、それらの作業
を迅速に行うことができ、逆に、他の作業に較べてブー
ムやアーム、バケット等の微速動作が要求されるクレー
ン作業及び積み込み作業では、最小の流量変化度が設定
されるため、各操作レバー17〜22の操作量の僅かな
変化で各アクチュエータ4〜9の作動速度が大きく変化
してしまうようなことがなく、所望の作動速度で作業を
行うことができる。そして、これら以外の作業では、流
量変化度が中程度の流量変化度とされるので、各操作レ
バー17〜22の操作量の変化量に対する各アクチュエ
ータ4〜9の作動速度の変化をそれらの作業に適したも
のとすることができる。
【0107】また、前記応答時定数は、各操作レバー1
7〜22の操作速度に対する各アクチュエータ4〜9の
作動速度の迅速な応答性が他の作業に較べて要求される
ばらまき作業及び土羽打ち作業では、最小の0sに設定
されるので、各操作レバー17〜22の操作量を素早く
増減させれば、ただちにこれに追従して各アクチュエー
タ4〜9の作動速度が変化し、各操作レバー17〜22
の操作によって応答性のよく各アクチュエータ4〜9を
作動させて作業を行うことができる。逆に、各アクチュ
エータ4〜9の瞬時的な動きが作業に支障をきたす虞れ
のあるクレーン作業、積み込み作業及び法面仕上げ作業
では、応答時定数は最大の0.5sに設定されるので、
各操作レバー17〜22を瞬時的に動かしても、これに
追従して各アクチュエータ4〜9が動いてしまうような
ことがなく、安定した作業を行うとができる。そして、
これら以外の作業では、応答時定数は、中程度の0.3
sあるいは0.2sに設定されるので、操作レバー17
〜22に操作に応じた各アクチュエータ4〜9の動作の
応答性と安定性とを必要な程度で十分に確保することが
できる。
【0108】また、クレーン作業や積み込み作業では、
作業中に全ての操作レバー17〜22がある程度の時
間、継続して中立位置に操作される場合が多々あるもの
の、これらの作業では、前記オートデセル制御が無効と
されるため、作業中に、作業者の意図に反してエンジン
1の回転数が低速回転数に制御されてしまうような事態
を回避することができる。そして、これら以外の作業で
は、オートデセル制御が有効とされるので、作業者が全
ての操作レバー17〜22を中立位置に戻して作業を休
止すれば、その後間もなくエンジン1の回転数がオート
デセル制御部56によって低速回転数に制御され、エン
ジン1の燃費を向上することができ、また、その後さら
に作業者が作業を再開すべくいずれかの操作レバー17
〜22を操作すれば、エンジン1の回転数が元の回転数
に復帰して、支障なく作業を行うことができる。
【0109】このように、本実施形態の油圧ショベルに
よれば、各種の作業種別を自動的に精度よく判別するこ
とができ、それによって、作業者によるスイッチ操作を
必要とすることなく、各作業種別に適した作動形態で油
圧ショベルを運転することができる。
【0110】尚、本実施形態では、多種類(10種類)
の作業種別を判別するようにしたが、判別する作業種別
はこれより少なくてもよいことはもちろんであり、例え
ば一つの作業種別のみを判別して、それに応じた作動形
態で油圧ショベルを稼働させるようにしてもよく、この
場合、該作業種別を判別する上で必要なセンサのみを選
択的に備えればよい。
【0111】また、本実施形態では、ばらまき作業と土
羽打ち作業に関しては、メンバーシップ関数を用いた適
合度の算出を行わずにそれらの作業種別を判別できるよ
うにしたが、それらの作業種別の判別に際しても、適合
度を求めて判別するようにしてもよい。
【0112】また、本実施形態では、作業種別を判別で
きない場合に、前記表1に示したように、油圧ポンプ吸
収馬力等を固定的に設定するようにしたが、油圧ポンプ
吸収馬力等を既に設定されている状態に維持するように
してもよい。
【0113】また、本実施形態では、作業種別の判別に
際して、走行操作量センサ27,30の検出データを使
用していないが、該検出データも使用して作業種別を判
別するようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の作業種別判別装置を具備
した油圧ショベルの全体的システム構成図。
【図2】図1の油圧ショベルの制御装置のブロック構成
図。
【図3】図2の制御装置の作動を説明するための線図。
【図4】図2の制御装置の作動を説明するための線図。
【図5】図2の制御装置の作動を説明するための線図。
【図6】図2の制御装置の作動を説明するための線図。
【図7】図2の制御装置の作動を説明するための線図。
【図8】図2の制御装置の作動を説明するための線図。
【図9】図2の制御装置の作動を説明するための線図。
【図10】図2の制御装置の作動を説明するための線
図。
【図11】図2の制御装置の作動を説明するための線
図。
【図12】図2の制御装置の作動を説明するための線
図。
【図13】図2の制御装置の作動を説明するための線
図。
【図14】図2の制御装置の作動を説明するためのフロ
ーチャート。
【符号の説明】
2,3…油圧ポンプ、4〜9…作業用アクチュエータ、
17〜22…操作レバー、25〜30…操作量センサ
(操作量検出手段)、41…作業種別判別部、43〜5
0…把握部(特徴量算出手段)、52…適合度算出部。
フロントページの続き (72)発明者 小林 隆博 兵庫県姫路市船津町566 (72)発明者 絹川 秀樹 広島県広島市安佐南区祇園3丁目12−4

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブーム用アクチュエータ、アーム用アクチ
    ュエータ、バケット用アクチュエータ及び旋回用アクチ
    ュエータを含む複数の作業用アクチュエータをそれぞれ
    各作業用アクチュエータに対応する操作レバーの操作に
    応じて作動させて所要の作業を行う油圧ショベルにおい
    て、該油圧ショベルによる作業時の作業種別を判別する
    装置であって、 前記各作業用アクチュエータに対応する各操作レバーの
    うち、少なくとも一つの操作レバーの操作量を検出する
    操作量検出手段と、 該操作量検出手段により検出された操作量に基づき、作
    業種別を判別するための前記油圧ショベルの動作状態を
    示す少なくとも一つの特徴量を求める特徴量算出手段
    と、 該特徴量算出手段により求められた各特徴量から、判別
    すべき作業種別毎に各特徴量に対応させてあらかじめ定
    められたファジー推論用の複数のメンバーシップ関数に
    基づき各特徴量の各作業種別に対する適合度を求める適
    合度算出手段とを具備し、 該適合度算出手段により求められた適合度に基づき、前
    記各特徴量が最も適合する作業種別を前記油圧ショベル
    により行っている作業種別として判別することを特徴と
    する油圧ショベルの作業種別判別装置。
  2. 【請求項2】前記判別すべき作業種別は、単純掘削作
    業、法面仕上げ作業、溝掘削作業、水平掘削作業、旋回
    地ならし作業、土羽打ち作業、ばらまき作業、押し付け
    掘削作業、クレーン作業及び積み込み作業のうちの少な
    くともいずれか一つの作業種別を含むことを特徴とする
    請求項1記載の油圧ショベルの作業種別判別装置。
  3. 【請求項3】前記特徴量算出手段は、ブーム用の操作レ
    バーの操作量が所定時間内で増減変動を生じる割合を示
    すブーム操作複雑さ表示量と、バケット用の操作レバー
    の操作量が所定時間内で増減変動を生じる割合を示すバ
    ケット操作複雑さ表示量と、旋回用の操作レバーの操作
    量の大きさが所定時間内で所定値以上となる時間を示す
    高速旋回時間と、所定時間内においてブーム用の操作レ
    バーの操作量がブームの上昇側で所定値以上となり且つ
    アーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量がアー
    ム及びバケットの引き込み側でそれぞれ所定値以上とな
    る時間を示すブーム逆操作時間と、所定時間内において
    ブーム用操作レバーの操作量の大きさが所定値以上で且
    つアーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量の大
    きさがそれぞれ所定値以下となる時間を示すバケット・
    アーム停止時間と、所定時間内におけるブーム用、アー
    ム用及びバケット用の各操作レバーの操作量の大きさの
    それぞれの平均値を示すブーム操作量平均値、アーム操
    作量平均値及びバケット操作量平均値とのうち、少なく
    ともいずれか一つを前記特徴量として求め、 前記操作量検出手段は、当該少なくとも一つの特徴量に
    対応する前記操作レバーの操作量を検出することを特徴
    とする請求項1または2記載の油圧ショベルの制御装
    置。
  4. 【請求項4】前記特徴量算出手段が求める特徴量は、前
    記バケット操作複雑さ表示量を含み、該バケット操作複
    雑さ表示量が所定値以上であるときには、前記適合度算
    出手段により求められる適合度によらずに、前記油圧シ
    ョベルにより行っている作業種別をばらまき作業である
    と判別することを特徴とする請求項3記載の油圧ショベ
    ルの作業種別判別装置。
  5. 【請求項5】前記特徴量算出手段が求める特徴量は、前
    記ブーム操作複雑さ表示量と前記バケット・アーム停止
    時間と前記高速旋回時間とを含み、該ブーム操作複雑さ
    表示量が所定値以上で且つ該バケット・アーム停止時間
    が所定値以上で且つ該高速旋回時間が所定値以下である
    ときには、前記適合度算出手段により求められる適合度
    によらずに、前記油圧ショベルにより行っている作業種
    別を土羽打ち作業であると判別することを特徴とする請
    求項3または4記載の油圧ショベルの作業種別判別装
    置。
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