JP3630521B2 - 油圧ショベルの作業種別判別装置 - Google Patents

油圧ショベルの作業種別判別装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベルの作業種別を判別する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベルは、その作業用アクチュエータとして、ブーム、アーム、バケットをそれぞれ駆動するための油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)や、旋回、走行を行うための油圧アクチュエータ(油圧モータ)を備えている。そして、作業に際しては、各アクチュエータに対応した操作レバーの操作を行うことで、それに応じて各アクチュエータに油圧ポンプから圧油を供給して各油圧アクチュエータを作動させ、各種作業を行うようにしている。
【0003】
該油圧ショベルにより行う作業には、ばらまき作業、土羽打ち作業、法面仕上げ作業、クレーン作業、掘削作業、積み込み作業、旋回地ならし作業等の種々様々な作業種別があり、また、掘削作業には、押しつけ掘削作業や単純掘削作業、溝掘削作業、水平掘削作業等の作業種別がある。
【0004】
ところで、これらの各種作業では、必要とされる油圧ショベルの動作や負荷状態等が異なる場合が多いため、それらの作業種別に応じた的確な動作形態で油圧ポンプやこれを駆動するエンジンを動作させることが好ましい。
【0005】
例えば、掘削作業は、一般に、他の作業に較べて負荷が大きいため、エンジンの駆動力を十分に油圧ポンプを介して各アクチュエータに伝えることができるようにエンジンや油圧ポンプ等を制御することが好ましい。また、逆に、クレーン作業や積み込み作業等では、負荷が小さいため、エンジンの駆動力をさほど大きく引き出す必要はなく、エンジンの燃料消費をなるべく低減するようにエンジンや油圧ポンプ等を制御することが好ましい。
【0006】
このため、本願出願人は、各操作レバーの操作量を検出して、その検出した操作量に基づき、油圧ショベルにより行っている作業種別を自動的に判別して特定し、その特定した作業種別に適合させてエンジンや油圧ポンプ等の動作を制御するものを先に提案している(特願平8−28266号、特願平8−176664号参照)。
【0007】
この装置にあっては、各操作レバーの所定時間分の操作量の検出データに基づき、各操作レバーの操作量の大きさの前記所定時間内における平均値や、ブーム用あるいはバケット用の操作レバーの操作量が前記所定時間内で増減する度合い等を油圧ショベルの動作状態を示す特徴量として求め、それらの特徴量をあらかじめ定めた所定値と比較したり、あるいは判別しようとする各作業種別に対する該特徴量の適合度をファジー推論手法により求めることで、油圧ショベルにより現在行っている作業種別を自動的に判別して特定する。そして、特定した作業種別に対応させてエンジンや油圧ポンプ等の動作を制御する。
【0008】
このような作業種別の自動判別・特定を行うことで、作業者による運転モードスイッチ等のスイッチ操作を必要とすることなく、各種作業種別に適した油圧ショベルの運転を行うことができる。
【0009】
しかしながら、従来の作業種別の判別手法では、次のような不都合を生じることが本願発明等のさらなる検討により判明した。
【0010】
すなわち、前述のような手法により、各操作レバーの操作量の検出データから前記特徴量を求めて各種作業種別を判別しするためには、ある時間分の操作量の検出データを必要とする。そして、例えば法面仕上げ作業や、クレーン作業等、操作レバーの操作やそれに伴うアクチュエータの動作が比較的ゆっくりと行われる作業種別を他の作業種別と区別して判別しようとした場合には、仮に短い時間範囲の操作量の検出データを利用してその作業種別を判別しようとしても、該検出データから得られる前記特徴量の値の顕著な特徴性が現れにくく、従って、その作業種別を精度よく判別して特定することが困難である。また、一般的に、多くの種類の作業種別を他の作業種別と区別して判別しようとした場合、短時間の操作量の検出データでは、個々の作業種別毎の前記特徴量の値の顕著な特徴性が現れにくい。
【0011】
このため、従来は、前記特徴量を求めて作業種別を判別するために使用する操作量の検出データの時間範囲、すなわち前記所定時間(以下、ここではデータ利用時間という)を比較的長めに設定していた。
【0012】
ところが、このように従来は前記データ利用時間を長めに設定していたため、例えば油圧ショベルの運転中に作業種別が変更された際には、その変更後の作業種別に対応した判別結果が得られるまでに遅れを生じ、その結果、その作業種別に適した油圧ショベルの運転性能を充分に確保することが困難なものとなっていた。
【0013】
尚、前記データ利用時間を短く設定すれば、上記のような遅れは少なくなるものの、単にこのようにしただけでは、前述の如く、各種の作業種別を精度よく判別して特定することが困難となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、油圧ショベルにより行っている各種の作業種別を可能な限り迅速に判別して特定することができる油圧ショベルの作業種別判別装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等の各種検討に基づく知見によれば、例えば、ばらまき作業や土羽打ち作業、旋回地ならし作業では、それぞれバケット用操作レバー、ブーム用操作レバー、旋回用操作レバーの操作量の増減が他の作業種別に比して、短い時間内で頻繁に行われる。このため、これらの作業種別では、それを判別するための操作レバーの操作量の検出データの時間範囲を比較的短いものとしても、その短時間の検出データから、該作業種別に特徴的な特徴量を得て、該作業種別を精度よく判別して特定することが可能である。逆に、クレーン作業等のように操作レバーの操作やそれに伴うアクチュエータの動作が比較的ゆっくり行われる作業では、前述の如く、その作業種別を判別し特定するために要する操作量の検出データの時間範囲は比較的長い。従って、より一般的にいえば、作業種別を判別・特定し得る特徴量を得ることができる操作量の検出データの時間範囲は、作業種別によって相違する。
【0016】
そこで、本発明の油圧ショベルの作業種別判別装置は、前記の目的を達成するために、油圧ショベルの複数の作業用アクチュエータをそれぞれ作動させるための複数の操作レバーのうちの少なくとも一つの操作レバーの操作量を検出する操作量検出手段と、作業種別を判別するための前記油圧ショベルの動作状態を示す少なくとも一つのあらかじめ定められた種類の特徴量を、前記操作量検出手段により検出された操作レバーの操作量の所定時間分のデータに基づき求める特徴量算出手段と、該特徴量算出手段により求められた特徴量に基づき前記油圧ショベルにより現在行われている作業種別を判別して特定する判別手段とを備えた油圧ショベルの作業種別判別装置において、前記特徴量算出手段を複数備えて、各特徴量算出手段に対応する前記所定時間を互いに異なる各別の時間に設定しておくと共に、各特徴量算出手段により算出される前記特徴量に基づき特定可能な作業種別を各特徴量算出手段に対応させてあらかじめ定めておき、前記判別手段は、前記各特徴量算出手段により前記特徴量が算出される毎に、該特徴量に基づく前記作業種別の判別を行うと共に、その判別結果が該特徴量算出手段に対応する作業種別であるとき、該判別結果の作業種別を前記油圧ショベルにより現在行われている作業種別として特定することを特徴とする。
【0017】
かかる本発明によれば、前記各特徴量算出手段は、それぞれ各別の所定時間分の前記操作レバーの操作量のデータに基づき前記特徴量を算出し、その算出が行われる毎に、その算出された前記特徴量に基づく作業種別の判別が前記判別手段により行われる。そして、このとき、該判別手段は、判別結果の基礎とした特徴量を算出した特徴量算出手段が、判別結果の作業種別に対応するものであるときには、その判別結果の作業種別を、前記油圧ショベルにより現在行われている作業種別として特定する。このため、他の特徴量算出手段に較べて短い前記所定時間が設定されている特徴量算出手段に対応する作業種別にあっては、その作業種別が、他の特徴量算出手段に対応する作業種別に比して短時間で判別されて特定されることとなる。また、この場合、各特徴量算出手段に対応する前記所定時間は、該特徴量算出手段に対応する作業種別を正しく特定し得る程度の時間範囲で充分であるので、該所定時間を必要最低限の時間に留めることができる。
【0018】
従って、本発明によれば、油圧ショベルにより行っている各種の作業種別を可能な限り迅速に判別して特定することができる。そして、このように作業種別の判別・特定を迅速に行うことができるため、その判別・特定した作業種別に合わせた適正な動作形態で油圧ショベルの運転を行うことが可能となる。
【0019】
かかる本発明では、前記判別を行う作業種別は、単純掘削作業、法面仕上げ作業、溝掘削作業、水平掘削作業、旋回地ならし作業、土羽打ち作業、ばらまき作業、押し付け掘削作業、クレーン作業及び積み込み作業のうちの少なくとも二つ以上の作業種別を含む。
【0020】
そして、特に、前記判別を行う作業種別が、ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業のうちの少なくとも一つの作業種別と、該ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業以外の作業種別とを含むときには、該ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業のうちの少なくとも一つの作業種別に対応する前記特徴量算出手段に対する前記所定時間は、他の特徴量算出手段に対する前記所定時間よりも短く設定されていることが好ましい。
【0021】
すなわち、前記ばらまき作業や、土羽打ち作業、旋回地ならし作業では、前述の如く、それぞれバケット用操作レバー、ブーム用操作レバー、旋回用操作レバーの操作量の増減が他の作業種別に比して、短い時間内で頻繁に行われため、これらの作業種別では、該作業種別に対応する特徴量算出手段に対する前記所定時間を比較的短いものとしても、その短い所定時間内の前記操作量のデータから、該作業種別に特徴的な特徴量を得て、該作業種別を精度よく判別して特定することができる。従って、前記ばらまき作業や、土羽打ち作業、旋回地ならし作業の判別・特定を迅速に行うことができ、ひいては、それらの作業に適した油圧ショベルの動作形態を迅速に得ることが可能となる。
【0022】
また、本発明では、より具体的には、前記各特徴量算出手段は、油圧ショベルのブーム用の操作レバーの操作量が前記所定時間内で増減変動を生じる割合を示すブーム操作複雑さ表示量と、バケット用の操作レバーの操作量が前記所定時間内で増減変動を生じる割合を示すバケット操作複雑さ表示量と、旋回用の操作レバーの操作量の大きさが前記所定時間内で所定値以上となる時間を示す高速旋回時間と、前記所定時間内においてブーム用の操作レバーの操作量がブームの上昇側で所定値以上となり且つアーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量がアーム及びバケットの引き込み側でそれぞれ所定値以上となる時間を示すブーム逆操作時間と、前記所定時間内においてブーム用操作レバーの操作量の大きさが所定値以上で且つアーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量の大きさがそれぞれ所定値以下となる時間を示すバケット・アーム停止時間と、前記所定時間内におけるブーム用操作レバーの操作量の大きさの平均値を示すブーム操作量平均値と、前記所定時間内におけるアーム用操作レバーの操作量の大きさの平均値を示すアーム操作量平均値と、前記所定時間内におけるバケット用操作レバーの操作量の大きさの平均値を示すバケット操作量平均値とのうち、少なくともいずれか一つを前記特徴量として求め、前記操作量検出手段は、当該少なくとも一つの特徴量に対応する前記操作レバーの操作量を検出する。
【0023】
すなわち、油圧ショベルのブーム用アクチュエータやアーム用アクチュエータ、バケット用アクチュエータ、旋回用アクチュエータにそれぞれ対応する操作レバーの操作形態は行っている作業に対応した油圧ショベルの動作状態を規定するもので、その操作形態のうち、特に前記ブーム操作複雑さ表示量や、バケット操作複雑さ表示量、高速旋回時間、ブーム逆操作時間、バケット・アーム停止時間、ブーム操作量平均値、アーム操作量平均値、バケット操作量平均値、あるいはそれらを組み合わせたものは、行っている作業種別に固有のものとなる傾向がある。
【0024】
従って、これらのブーム操作複雑さ表示量等の特徴量を、その特徴量に対応する操作レバーの操作量から各特徴量算出手段により求め、その求めた特徴量に基づき油圧ショベルの作業種別を判別・特定することで、各種の作業種別を精度よく判別して特定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。
【0026】
図1は、本実施形態の作業種別判別装置を具備した油圧ショベルの要部構成を示すブロック図であり、1は油圧ショベルのエンジン、2,3はエンジン1を駆動源とする油圧ポンプ、4はマイクロコンピュータ等により構成されたコントロールユニットである。この場合、図示を省略するが、この油圧ショベルには、その作業用アクチュエータとして、ブーム用アクチュエータ、アーム用アクチュエータ、バケット用アクチュエータ、旋回用アクチュエータ、右側走行用アクチュエータ及び左側走行用アクチュエータが通常的な油圧ショベルと同様に備えられており、また、これらの各作業用アクチュエータをそれぞれ操作するためのブーム用操作レバー、アーム用操作レバー、バケット用操作レバー、旋回用操作レバー、右側走行用操作レバー及び左側走行用操作レバーが通常的な油圧ショベルと同様に備えられている。
【0027】
そして、本実施形態の油圧ショベルでは、上記の各操作レバーの操作量(操作方向を含む)に応じた信号をそれぞれコントロールユニット4に出力するブーム操作量センサ5、アーム操作量センサ6、バケット操作量センサ7、旋回操作量センサ8、右走行操作量センサ9及び左走行操作量センサ10が本発明の構成における操作量検出手段として備えられている。
【0028】
油圧ポンプ2は、前述の作業用アクチュエータのうち、ブーム用アクチュエータ、バケット用アクチュエータ及び右側走行用アクチュエータに圧油を供給してこれらを作動させるためのものであり、これらの各アクチュエータにそれぞれ、前記ブーム用操作レバー、バケット用操作レバー及び右側走行用操作レバーの操作に応じて駆動される方向切換弁(図示しない)を介して接続されている。
【0029】
同様に、油圧ポンプ3は、アーム用アクチュエータ、旋回用アクチュエータ及び左側走行用アクチュエータに圧油を供給してこれらを作動させるためのものであり、これらの各アクチュエータにそれぞれ、前記アーム用操作レバー、旋回用操作レバー及び左側走行用操作レバーの操作に応じて駆動される方向切換弁(図示しない)を介して接続されている。
【0030】
この場合、油圧ポンプ2,3は、可変容量型のものであり、その吐出流量を規定する傾転角がそれぞれ第1電磁比例弁11及び第2電磁比例弁12により生成される二次圧によって、レギュレータ13,14を介して調整可能とされている。各電磁比例弁11,12は、その通電量に応じた二次圧を図示しないパイロットポンプの吐出圧油から生成するものであり、各電磁比例弁11,13をコントロールユニット4により通電制御することで、各油圧ポンプ2,3の吐出流量を制御可能としている。
【0031】
尚、これらの油圧ポンプ2,3の駆動源であるエンジン1は、その回転数を図示しないスロットルアクチュエータを介してコントロールユニット4により制御可能としている。
【0032】
コントロールユニット4は、油圧ショベルによる作業中に、その作業種別を判別して特定したり、その判別結果に応じて油圧ポンプ2,3の吐出流量やエンジン1の回転数を制御したりするものであり、その機能的構成として、前記各操作量センサ5〜10の出力信号により各操作レバー毎の操作量を示すデータ(以下、操作量検出データという)を生成する操作量データ生成部15と、この操作量データ生成部15により生成された各操作レバー毎の操作量検出データをあらかじめ定められた所定時間分、保持する二つのデータ保持部16a,16bと、それぞれのデータ保持部16a,16bに保持された所定時間分の操作量検出データから油圧ショベルによる作業種別を判別するための後述の特徴量を各別に算出する特徴量算出部17a,17b(特徴量算出手段)と、それぞれの特徴量算出部17a,17bにより算出された特徴量に基づき油圧ショベルにより現在行われている作業種別を各別に判別する判別部18a,18bと、これらの判別部18a,18bによる判別結果から油圧ショベルにより現在行われている作業種別を特定する作業種別特定部19と、この作業種別特定部19により特定された作業種別に応じてエンジン1の回転数や油圧ポンプ2,3の吐出流量を制御することで、油圧ショベルの動作形態(動作特性)の制御を行うエンジン/ポンプ制御部20とを具備している。尚、判別部18a,18b及び作業種別特定部19は、本発明の構成に対応して判別手段21を構成するものである。
【0033】
操作量データ生成部15は、各操作量センサ5〜10の出力信号を逐次A/D変換することで各操作レバー毎の操作量検出データを生成する。そして、各データ保持部16a,16bは、それぞれ各別の所定時間分の各操作レバーの操作量検出データを保持し、それを後述する作業種別の判別・特定が行われる毎に更新していく。この場合、データ保持部16aの上記所定時間は、データ保持部16bの上記所定時間よりも短いものとされている。以下、上記所定時間をデータ利用時間と称し、また、データ保持部16a,16bに係わるそれぞれのデータ利用時間に参照符号Ta,Tb(Ta<Tb)を付して説明する。
【0034】
各特徴量算出部17a,17bは、油圧ショベルによる作業種別を判別するための複数種(本実施形態では8種類)の特徴量を、それぞれの特徴量算出部17a,17bに対応するデータ保持部16a,16bに保持された操作量検出データから以下に説明するように算出する。
【0035】
ここで、上記特徴量等について説明する前に、本実施形態で判別しようとする作業種別について説明しておく。本実施形態で判別しようとする作業種別は、例えば単純掘削作業、法面仕上げ作業、溝掘削作業、水平掘削作業、旋回地ならし作業、土羽打ち作業、ばらまき作業、押し付け掘削作業、クレーン作業及び積み込み作業の10種類の作業種別であり、これらの各作業種別の作業内容の概要は次の通りである。
【0036】
単純掘削作業は、車両の前方箇所でバケットを地面に押し当てて、アーム及びブームの動作によってバケットを手前に引き込むことにより地面に穴を掘る作業である。
【0037】
法面仕上げ作業は、バケット、アーム、ブームの同時動作によって、バケットを斜面に沿わせ、この状態でアームやブームを動作させてバケットにより斜面を削っていく作業である。
【0038】
溝掘削作業は、車両の前方箇所でバケットを地面に押し当てて、アーム及びブームの動作によってバケットを手前に引き込むことにより地面に溝を掘る作業である。
【0039】
水平掘削作業は車両の前方箇所でバケットを地面の凸部に押し当てて、アーム及びブームの動作によってバケットを手前に引き込むことにより地面の凸部を削り取る作業である。
【0040】
旋回地ならし作業は、バケットを地面に接触させ、この状態で旋回動作を行うことで地ならしを行う作業である。
【0041】
土羽打ち作業は、ブームの上下動の繰り返しによって、バケットを地面にたたきつけて、地面をかためていく作業である。
【0042】
ばらまき作業は、バケット、アーム、ブームの同時動作によって、バケットに土をすくい、それをバケットの動作によってばらまくという作業を高速で繰り返す作業である。
【0043】
押し付け掘削作業は、車両の側方箇所で車両の前後方向に溝を掘る場合等に、旋回動作を行いつつバケットを地面に押し当てて引き込んで、掘削を行う作業である。
【0044】
クレーン作業は、バケットの刃先にロープ等を介して運搬物を吊り下げ、該運搬物の移動を行う作業である。
【0045】
積み込み作業は、油圧ショベルを輸送する際に、トレーラ等に油圧ショベルを積み込む作業である。
【0046】
これらの作業種別を判別するために各特徴量算出部17a,17bが算出する8種類の特徴量は、ブーム操作複雑さ表示量、バケット操作複雑さ表示量、高速旋回時間、ブーム逆操作時間、バケット・アーム停止時間、ブーム操作量平均値、アーム操作量平均値及びバケット操作量平均値であり、これらの特徴量は、以下に説明するような意味をもち、各特徴量算出部17a,17bが対応するデータ保持部16a,16bに保持されたデータ利用時間Ta,Tb分の操作量検出データから以下に説明するように算出するものである。尚、特徴量算出部17a,17bの処理内容は同一であるので、ここでは、データ保持部16a及び特徴量算出部17aの組を主体として説明し、データ保持部16b及び特徴量算出部17bの組については括弧付きの参照符号(16b),(17b)を用いて説明する。
【0047】
まず、ブーム操作複雑さ表示量は、データ保持部16a(16b)が操作量検出データを保持するデータ利用時間Ta(Tb)内においてブーム用操作レバーの操作量が増減変動される割合を意味するものである。同様に、バケット操作複雑さ表示量は、該データ利用時間Ta(Tb)内においてバケット用操作レバーの操作量が増減変動される割合を意味するものである。そして、特徴量算出部17a(17b)は、これらのブーム操作複雑さ表示量及びバケット操作複雑さ表示量を次のように算出する。
【0048】
すなわち、図3を参照して、例えばブーム操作複雑さ表示量の算出に関し、本実施形態では、特徴量算出部17a(17b)は、これに対応するデータ保持部16a(16b)に保持されたデータ利用時間Ta(Tb)分のブーム用操作レバーの操作量検出データの時間的変化を示す波形a(これはデータ保持部16a(16b)に保持された操作量データの時系列データにより表される)が、あらかじめ定められた複数の所定操作量S1 〜S5 を表す直線b1 〜b5 のそれぞれと交わる交点P1 〜P5 の個数、換言すれば、前記データ利用時間Ta(Tb)内においてブーム用操作レバーの操作量が各所定操作量S1 〜S5 より小さい操作量又は大きい操作量からそれぞれ該所定操作量S1 〜S5 より大きい操作量又は小さい操作量に変化する回数(各所定操作量S1 〜S5 の上下に変化する回数)を各所定操作量S1 〜S5 毎に求める。そして、各所定操作量S1 〜S5 に対応する各交点P1 〜P5 の個数の平均値を前記ブーム操作の複雑さ表示量として求める。
【0049】
例えば、図3に示したブーム用操作レバーの操作量検出データの波形aでは、各所定操作量S1 〜S5 に対応する直線b1 〜b5 との交点P1 〜P5 の個数は、それぞれ8個、8個、8個、8個、16個であり、この場合には、前記ブーム操作の複雑さ表示量は“9.6”となる。
【0050】
このような複雑さ表示量の求め方は、バケット操作複雑さ表示量についても全く同様である。但し、前記所定操作量S1 〜S5 は、ブーム用操作レバーとバケット用操作レバーとで各別に定められている。
【0051】
このようにして求められるブーム操作複雑さ表示量やバケット操作の複雑さ表示量は、それぞれブーム用操作レバーやバケット用操作レバーが前記データ利用時間Ta(Tb)内で頻繁に増減操作される程度を示すものであり、該複雑さ表示量が大きい程、ブーム用操作レバーやバケット用操作レバーが頻繁に増減操作されて、複雑なブーム操作やバケット操作が行われていることを意味する。
【0052】
この場合、複数の所定操作量S1 〜S5 に対応する直線b1 〜b5 との交点P1 〜P5 の個数の平均値をブーム操作やバケット操作の複雑さ表示量とすることで、同じ作業に際して作業者の好みや作業環境等によって、ブーム用操作レバーやバケット用操作レバーの操作量の増減幅がばらつくような場合であっても、それらの各操作レバーが頻繁に増減操作される程度(操作の複雑さ)を上記複雑さ表示量により適正に示すことができる。さらに、図3の右寄りの箇所に示すように、単なる振動等により、僅かな増減幅でブーム用操作レバーやバケット用操作レバーの操作量が増減するような場合に、それらの各操作レバーが頻繁に増減操作されていると誤認してしまうような事態を排除できる。
【0053】
尚、このような複雑さ表示量は、前記各交点P1 〜P5 の個数の最小値を該複雑さ表示量として求めるようにしてもよい。この場合には、図3の波形aでは、該複雑さ表示量は“8”となる。
【0054】
高速旋回時間は、前記データ利用時間Ta(Tb)内において、油圧ショベルの高速旋回動作が行われた合計時間を意味するものであり、特徴量算出部17a(17b)は、データ保持部16a(16b)に保持されたデータ利用時間Ta(Tb)分の旋回用操作レバーの操作量検出データから、該データ利用時間Ta(Tb)内において該操作レバーの操作量の大きさ(絶対値)があらかじめ定めた所定操作量以上となる時間の合計を高速旋回時間として算出する。
【0055】
ブーム逆操作時間は、ブームが上昇側に駆動される一方、アーム及びバケットが引き込み側に駆動される状態のデータ利用時間Ta(Tb)内における合計時間を意味する。そして、特徴量算出部17a(17b)は、データ保持部16a(16b)に保持されたデータ利用時間Ta(Tb)分のブーム用、アーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量検出データから、該データ利用時間Ta(Tb)内においてブーム用操作レバーの操作量がブームの上昇側であらかじめ定めた所定操作量以上となり、且つ、アーム用操作レバー及びバケット用操作レバーの各操作量が、アーム及びバケットの引き込み側でそれぞれあらかじめ定められた所定操作量以上となる時間の合計をブーム逆操作時間として算出する。
【0056】
バケット・アーム停止時間は、バケット及びアームをほぼ停止した状態で、ブームのみを駆動する状態のデータ利用時間Ta(Tb)内における合計時間を意味する。そして、特徴量算出部17a(17b)は、データ保持部16a(16b)に保持されたデータ利用時間Ta(Tb)分のブーム用、アーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量検出データから、該データ利用時間Ta(Tb)内においてブーム用操作レバーの操作量の大きさ(絶対値)があらかじめ定めた所定操作量以上で、且つアーム用操作レバー及びバケット用操作レバーの各操作量の大きさが、それぞれあらかじめ定められた所定操作量以下となる時間の合計をバケット・アーム停止時間として算出する。
【0057】
ブーム操作量平均値、アーム操作量平均値及びバケット操作量平均値は、それぞれデータ利用時間Ta(Tb)内におけるブーム用、アーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量の大きさ(絶対値)の平均値を意味するものであり、特徴量算出部17a(17b)は、データ保持部16a(16b)に保持されたデータ利用時間Ta(Tb)分のブーム用、アーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量検出データから上記ブーム操作量平均値、アーム操作量平均値及びバケット操作量平均値を算出する。
【0058】
本実施形態では、各特徴量算出部17a,17bは、これらのブーム操作の複雑さ表示量、バケット操作の複雑さ表示量、高速旋回時間、ブーム逆操作時間、バケットアーム停止時間、ブーム操作量平均値、アーム操作量平均値及びバケット操作量平均値を油圧ショベルの動作状態を示す特徴量として算出するものである。
【0059】
前記各判別部18a,18bは、それぞれに対応する特徴量算出部17a,17bにより前述の如く算出される8種類の特徴量から、例えば本願出願人が特願平8−176664号で先に提案したように、ファジー推論手法を用いて油圧ショベルにより現在行われている作業種別を判別する。尚、ここでの説明においては、前述と同様、判別部18aを主体として説明し、判別部18bに関しては括弧付きの参照符号を用いるものとする。
【0060】
すなわち、判別部18a(18b)には、特徴量算出部17a(17b)により算出される前述の8種類の各特徴量の値と、前述の10種類の各作業種別に対する該特徴量の適合度との関係を示す図3に例示するようなファジー推論用のメンバーシップ関数が8種類の各特徴量と10種類の各作業種別との各組に対応させてあらかじめ設定されている。この場合、各作業種別と各特徴量との各組に対応して判別部18a(18b)に設定されているメンバーシップ関数は、基本的には、各作業種別の実際の作業時において特徴量算出部17a(17b)により算出される前述の各特徴量が通常的にとり得る値の範囲で、その特徴量の値に対応した適合度が最大値(本実施形態では“1”)となり、該特徴量の値が上記の範囲からはずれるに従って、徐々に適合度が小さくなるように設定されている。
【0061】
具体的には、例えば単純掘削作業と旋回地ならし作業とに関して、前述の8種類の各特徴量のうち、例えばブーム操作複雑さ表示量に対応するメンバーシップ関数は図3にそれぞれ実線及び破線で示すように設定されている。
【0062】
この場合、図3に実線でメンバーシップ関数を示した単純掘削作業にあっては、通常、ブーム用操作レバーが短時間で頻繁に増減操作されることは少ないため、同図3に示すようにブーム操作の複雑さ表示量の値が“0”を含めて比較的低い大きさの範囲で、適合度が最大の“1”となるようにメンバーシップ関数が設定されている。
【0063】
一方、図3に破線でメンバーシップ関数を示した旋回地ならし作業にあっては、通常、ブーム用操作レバーが極度に頻繁に増減操作されることは少ないものの、その増減操作の機会は前述の単純掘削作業の場合よりも多く、このため、同図3に示すようにブーム操作の複雑さ表示量の値が“0”を含めて比較的低い大きさの範囲で且つ単純掘削作業の場合よりも広い範囲で、適合度が最大の“1”となるようにメンバーシップ関数が設定されている。
【0064】
尚、単純掘削作業と旋回地ならし作業とに関し、前記ブーム操作複雑さ表示量以外の各特徴量に対応するメンバーシップ関数については、前記特願平8−176664号で本願出願人が詳細に説明しているので、ここでは説明を省略する。
【0065】
このような判別部18a(18b)における作業種別毎の各特徴量に対するメンバーシップ関数の設定は、各作業種別と各特徴量との各組についても同様であり、各作業種別の実際の作業時において特徴量算出部17a(17b)により算出される前述の各特徴量が通常的にとり得る値の範囲で、その特徴量の値に対応した適合度が最大値“1”となるように各メンバーシップ関数が設定されている。そして、各作業種別についての各特徴量の値が通常的な値の範囲をはずれるに従って、前記図3に例示したように適合度が徐々に低下するように各メンバーシップ関数が設定されている。尚、各作業種別について、特徴量の通常的な値の範囲が、該特徴量の全範囲にわたるような場合には、その特徴量の全範囲にわたって適合度が最大の“1”となるようにメンバーシップ関数が設定されている。
【0066】
このように設定されたメンバーシップ関数を用い、判別部18a(18b)は、油圧ショベルによる作業時に特徴量算出部17a(17b)により実際に算出された8種類の各特徴量の値から、各特徴量の各作業種別に対する適合度を求める。さらに、判別部18a(18b)は、各作業種別毎に、各特徴量について求めた適合度のうちの最も小さな値の適合度を、その作業種別に対する各特徴量の総合的な適合度(以下、これを総合適合度という)として求める。
【0067】
具体的には、例えば特徴量算出部17a(17b)により算出された8種類の各特徴量の例えば旋回地ならし作業に対する適合度がそれぞれ1、1、1、1、1、1、0.9、1であるとすると、該旋回地ならし作業に対する前記総合適合度は、上記の各特徴量毎の適合度の値のうちの最小値“0.9”である。
【0068】
このようにして求められる総合適合度は、その値が大きい程、その総合適合度に対応する作業種別への各特徴量の適合性が高く、その作業種別の作業が行われてれている確率が高いことを意味する。従って、例えば上記のように旋回地ならし作業に対する総合適合度が“0.9”である場合に、他の作業種別に対する総合適合度が“0.9”よりも小さければ、全ての作業種別の中で、旋回地ならし作業が行われている可能性が最も高いこととなる。
【0069】
そこで、判別部18a(18b)は、特徴量算出部17a(17b)により算出された8種類の特徴量に基づく前記総合適合度が最も大きなものとなる作業種別を油圧ショベルにより現在行っている作業種別として判別する。
【0070】
尚、判別部18a(18b)は、総合適合度が最も大きなものとなる作業種別が複数有り、あるいは、ある一つの作業種別に対する総合適合度が最大となっても、その最大の総合適合度とあまり差異の無い総合適合度を有する作業種別が他に在る場合には、作業種別を判別不能とする。換言すれば、判別部18a(18b)は、他の作業種別よりも比較的顕著に総合適合度が最大となるような作業種別を油圧ショベルにより現在行っている作業種別として判別する。
【0071】
前記作業種別特定部19は、各判別部18a,18bにより各別に得られる作業種別の判別結果から、次のように油圧ショベルにより現在行っている作業種別を特定する。
すなわち、前記データ利用時間Tbが設定されているデータ保持部16bに対応する特徴量算出部17b及び判別部18bにあっては、該データ利用時間Tbがデータ保持部16aよりも長めに設定されているため、各操作レバーの前記操作量検出データの量が多く、このため、特徴量算出部17bにより算出される各特徴量は、油圧ショベルにより実際に行っている作業種別毎に、他の作業種別との差異が生じ易い。従って、判別部18bにより求められる前記総合適合度は、油圧ショベルにより実際に行っている作業種別についての総合適合度が他の作業種別についての総合適合度よりも比較的顕著に大きなものとなりやすく、その結果、該判別部18bによる作業種別の判別結果は、比較的精度のよいものとなる。但し、この作業種別の判別には、長めのデータ利用時間Tb分の操作量検出データが必要であるため、油圧ショベルによる作業開始直後や、作業種別の変更直後においては、作業種別の判別が正しく行われるようになるまで時間を要する。
【0072】
これに対して、短めのデータ利用時間Taが設定されているデータ保持部16aに対応する特徴量算出部17a及び判別部18aにあっては、特徴量算出部17aにより算出される各特徴量は、いくつかの種類の作業種別について、一般的には、油圧ショベルにより実際に行っている作業種別毎の差異が生じにくい。このため、それらの作業種別については、前記総合適合度の差異も生じにくく、判別部18aによる適正な作業種別の判別が難しい。但し、前述の10種類の作業種別のうち、例えばばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業の三種類の各作業種別については、特徴量算出部17aにより算出される各特徴量が他の作業種別に対して比較的顕著な差異を生じ易い。すなわち、ばらまき作業や土羽打ち作業、旋回地ならし作業では、それぞれバケット用操作レバー、ブーム用操作レバー、旋回用操作レバーの操作量の増減が他の作業種別に比して、短い時間内で頻繁に行われるため、短めのデータ利用時間Taが設定されているデータ保持部16aの操作量検出データを用いても、特徴量算出部17aにより算出される特徴量のうち、例えば前記バケット操作複雑さ表示量や、ブーム操作複雑さ表示量、高速旋回時間というような特徴量が他の作業種別に対して比較的顕著に大きなものとなる。その結果、油圧ショベルにより実際に行っている作業種別が上記の三種類の各作業種別のいずれかである場合には、その作業種別について判別部18aにより求められる前記総合適合度が他の総合適合度よりも比較的顕著に大きなものとなって、それらの三種類の各作業種別の判別が充分に適正に行われる。また、この場合には、それらの作業種別の判別は、短めのデータ利用時間Ta分の操作量検出データを用いるため、油圧ショベルによる作業開始直後や、作業種別の変更直後において、作業種別の判別が正しく行われるようになるまで時間が短いものとなる。
【0073】
そこで、本実施形態では、前述の10種類の作業種別のうち、ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業の三種類の作業種別を、判別部18aにより適正に判別し得る作業種別としてあらかじめ定めておく。言い換えれば、データ保持部16aのデータ利用時間Ta分の操作量検出データから特徴量算出部17aにより算出される特徴量に基づいて判別部18aによる上記の三種類の作業種別の判別が適正になされるように、該データ利用時間Taが設定されている。
【0074】
尚、判別部18bにより適正に判別し得る作業種別は、前述の10種類の全ての作業種別である。
【0075】
そして、前記作業種別特定部19は、判別部18aにより作業種別の判別結果が得られたとき、図4のフローチャートに示すように、判別結果の作業種別が、ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業のいずれかの作業種別であるか否かを判断し、これらの3種類のいずれかの作業種別である場合には、判別部18aによる作業種別の判別結果を、油圧ショベルにより現在行っている作業種別として特定する。
【0076】
また、判別部18aにより作業種別の判別結果、ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業のいずれでもない場合(判別不能の場合を含む)には、判別部18bにより得られる作業種別の判別結果を、油圧ショベルにより現在行っている作業種別として特定する。
【0077】
以上説明した内容が、コントロールユニット4における作業種別の判別・特定のための処理の内容である。
【0078】
尚、コントロールユニット4のエンジン/ポンプ制御部20は、作業種別特定部19により特定された作業種別に応じて、油圧ポンプ2,3によるエンジン1の出力を吸収する割合(所謂、油圧ポンプ吸収馬力)や、油圧ポンプ2,3から各作業用アクチュエーアへの最大供給流量(油圧ポンプ2,3の上限吐出流量)、各操作レバーの操作量に対する各作業用アクチュエータへの圧油の供給流量の特性、各操作レバーの操作に対する各作業用アクチュエータの応答特性、所謂オートデセル制御(油圧ショベルの運転休止時にエンジン1の回転数を省燃費のために低下させる制御)を有効とするか無効とするか等、油圧ショベルの動作特性を特定された作業種別に合わせて設定する。そして、エンジン/ポンプ制御部20は、設定した動作特性に従って、油圧ポンプ2,3を前記電磁比例弁11,12を介して制御したり、エンジン1の回転数を制御する。このような作業種別に応じた油圧ショベルの動作特性の制御は、本願出願人が特願平8−28266号や特願平8−176664号で詳細に説明しているので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0079】
以上説明したように構成された本実施形態の装置では、油圧ショベルによる作業中に、各操作レバーの操作量検出データがデータ保持部16a,16bにそれぞれのデータ利用時間Ta,Tb分、取り込まれて保持される。そして、前記各特徴量算出部17a,17bが、それぞれに対応するデータ保持部16a,16bに保持された操作量検出データから各別に、前述の8種類の特徴量を前述の如く算出する。さらに、前記各判別部18a,18bが、それぞれに対応する特徴量算出部17a,17bにより特徴量が算出される毎に、その算出された特徴量に基づき、前述の如く油圧ショベルにより現在行われている作業種別を判別する。そして、このとき、判別部18aによる作業種別の判別結果が、ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業のいずれかであれば、作業種別特定部19が該判別部18aの判別結果を油圧ショベルにより現在行われている作業種別として特定して、その特定した作業種別をエンジン/ポンプ制御部20に与える。
【0080】
また、判別部18aによる作業種別の判別結果が、ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業のいずれでもない場合には、作業種別特定部19は判別部18bの判別結果を油圧ショベルにより現在行われている作業種別として特定し、その特定した作業種別をエンジン/ポンプ制御部20に与える。
【0081】
そして、エンジン/ポンプ制御部20は、作業種別特定部19により特定された作業種別に応じた動作特性で油圧ポンプ2,3やエンジン1を制御し、これにより油圧ショベルによる作業種別に適した動作特性での作業が行われることとなる。
【0082】
このような作動により、本実施形態によれば、油圧ショベルにより行っている作業種別が、ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業のいずれかである場合には、前記データ利用時間の短いデータ保持部16aに保持された操作量検出データに基づく特徴量から判別された作業種別に応じた動作特性で油圧ショベルの運転が行われるため、ばらまき作業、土羽打ち作業、あるいは旋回地ならし作業の開始直後や、作業種別がばらまき作業、土羽打ち作業、あるいは旋回地ならし作業に切換えられた際に、迅速にその作業種別を判別・特定して、その作業種別に適した油圧ショベルの運転操作を行うことができる。
【0083】
尚、以上説明した実施形態では、データ保持部16a,16b、特徴量算出部17a,17b及び判別部18a,18bの組を二組備えて、データ保持部16aのデータ利用時間Taを、ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業の3種類の作業種別を判別部18aにより適正に判別し得る程度で短めの時間に設定し、これにより、それらの作業種別の特定を迅速に行うことができるようにしたが、データ保持部、特徴量算出部及び判別部の組をさらに多く備えて、各データ保持部のデータ利用時間を互いに異なるものとすると共に、各判別部により適正に判別し得る作業種別をより細かく分類しておき、より多くの種類の作業種別について、可能な限り迅速に作業種別の特定を行うことができるようにしてもよい。例えば、データ保持部、特徴量算出部及び判別部の組を、前述の10種類の作業種別と同数備えて、各データ保持部のデータ利用時間を、各作業種別毎にそれを判別し得る必要最低限の各別時間に設定しておき、各作業種別をそれぞれ各別のデータ保持部、特徴量算出部及び判別部の組により適正に判別し得るようにしてもよい。
【0084】
また、前記実施形態では、各判別部18a,18bによる作業種別の判別をファジー推論を用いて行うようにしたが、例えば本願出願人が特願平8−28266号で提案しているように、前述の特徴量を単にあらかじめ定めた所定値と比較することで作業種別を判別するようにしてもよく、あるいは、本願出願人が特願平8−176664号で提案しているように、一部の作業種別について前述の特徴量をあらかじめ定めた所定値と比較することで作業種別を判別するようにしてもよい。
【0085】
さらに、前記実施形態では、10種類の作業種別を判別するようにしたが、さらに多くの作業種別を判別するようにすることも可能であり、あるいは逆に、判別する作業種別の種類を少なくしてもよい。
【0086】
また、前記実施形態では、走行用操作レバーの操作量の検出データを使用していないが、この検出データをも使用して、作業種別の判別を行うようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の作業種別判別装置を具備した油圧ショベルの要部の構成を示すブロック図。
【図2】図1の装置の作動を説明するための線図。
【図3】図1の装置の作動を説明するための線図。
【図4】図1の装置の作動を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
5〜10…操作量センサ(操作量検出手段)、17a,17b…特徴量算出部、21…判別手段。

Claims (4)

  1. 油圧ショベルの複数の作業用アクチュエータをそれぞれ作動させるための複数の操作レバーのうちの少なくとも一つの操作レバーの操作量を検出する操作量検出手段と、作業種別を判別するための前記油圧ショベルの動作状態を示す少なくとも一つのあらかじめ定められた種類の特徴量を、前記操作量検出手段により検出された操作レバーの操作量の所定時間分のデータに基づき求める特徴量算出手段と、該特徴量算出手段により求められた特徴量に基づき前記油圧ショベルにより現在行われている作業種別を判別して特定する判別手段とを備えた油圧ショベルの作業種別判別装置において、
    前記特徴量算出手段を複数備えて、各特徴量算出手段に対応する前記所定時間を互いに異なる各別の時間に設定しておくと共に、各特徴量算出手段により算出される前記特徴量に基づき特定可能な作業種別を各特徴量算出手段に対応させてあらかじめ定めておき、
    前記判別手段は、前記各特徴量算出手段により前記特徴量が算出される毎に、該特徴量に基づく前記作業種別の判別を行うと共に、その判別結果が該特徴量算出手段に対応する作業種別であるとき、該判別結果の作業種別を前記油圧ショベルにより現在行われている作業種別として特定することを特徴とする油圧ショベルの作業種別判別装置。
  2. 前記判別を行う作業種別は、単純掘削作業、法面仕上げ作業、溝掘削作業、水平掘削作業、旋回地ならし作業、土羽打ち作業、ばらまき作業、押し付け掘削作業、クレーン作業及び積み込み作業のうちの少なくとも二つ以上の作業種別を含むことを特徴とする請求項1記載の油圧ショベルの作業種別判別装置。
  3. 前記判別を行う作業種別は、ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業のうちの少なくとも一つの作業種別と、該ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業以外の作業種別とを含み、該ばらまき作業、土羽打ち作業及び旋回地ならし作業のうちの少なくとも一つの作業種別に対応する前記特徴量算出手段に対する前記所定時間は、他の特徴量算出手段に対する前記所定時間よりも短く設定されていることを特徴とする請求項2記載の油圧ショベルの作業種別判別装置。
  4. 前記各特徴量算出手段は、油圧ショベルのブーム用の操作レバーの操作量が前記所定時間内で増減変動を生じる割合を示すブーム操作複雑さ表示量と、バケット用の操作レバーの操作量が前記所定時間内で増減変動を生じる割合を示すバケット操作複雑さ表示量と、旋回用の操作レバーの操作量の大きさが前記所定時間内で所定値以上となる時間を示す高速旋回時間と、前記所定時間内においてブーム用の操作レバーの操作量がブームの上昇側で所定値以上となり且つアーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量がアーム及びバケットの引き込み側でそれぞれ所定値以上となる時間を示すブーム逆操作時間と、前記所定時間内においてブーム用操作レバーの操作量の大きさが所定値以上で且つアーム用及びバケット用の各操作レバーの操作量の大きさがそれぞれ所定値以下となる時間を示すバケット・アーム停止時間と、前記所定時間内におけるブーム用操作レバーの操作量の大きさの平均値を示すブーム操作量平均値と、前記所定時間内におけるアーム用操作レバーの操作量の大きさの平均値を示すアーム操作量平均値と、前記所定時間内におけるバケット用操作レバーの操作量の大きさの平均値を示すバケット操作量平均値とのうち、少なくともいずれか一つを前記特徴量として求め、前記操作量検出手段は、当該少なくとも一つの特徴量に対応する前記操作レバーの操作量を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の油圧ショベルの作業種別判別装置。
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