JPH10183320A - 溶融亜鉛めっきにおける溶融亜鉛浴制御方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっきにおける溶融亜鉛浴制御方法

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JPH10183320A
JPH10183320A JP34596496A JP34596496A JPH10183320A JP H10183320 A JPH10183320 A JP H10183320A JP 34596496 A JP34596496 A JP 34596496A JP 34596496 A JP34596496 A JP 34596496A JP H10183320 A JPH10183320 A JP H10183320A
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JP
Japan
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bath
amount
aluminum
zinc
molten zinc
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Application number
JP34596496A
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English (en)
Inventor
Hisafumi Tsuchida
尚史 土田
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】互いの変化に影響を及ぼしあう浴温,浴レベ
ル,アルミ濃度に対する制御精度をより向上させる。 【解決手段】検出した浴温,浴レベル,アルミ濃度をも
とに、予め設定した操作パターン毎に、当該操作パター
ンにより操作を行った場合の浴温,浴レベル,アルミ濃
度のそれぞれの所定期間の変動状態を、予め設定した予
測モデルに基づいて算出し、所定期間内の単位時間毎の
変化量の自乗和と、浴温調整のための誘導加熱装置5の
操作状態の変化状況とからなる評価関数に基づき評価関
数値を求める。全ての操作パターンのうち、評価関数値
が予め設定した基準値以下であり且つ最小値となる操作
パターンを実行パターンとして選定し、これに基づき、
誘導加熱装置5,亜鉛インゴット投入機13,アルミ高
濃度インゴット投入機15を操作し、浴温,浴レベル,
アルミ濃度を所定値に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融亜鉛めっき法
における溶融亜鉛浴の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、めっき層の加工性をよくするた
めには、硬くて脆い鉄・亜鉛合金層を、できるだけ抑制
し薄くする必要があり、これには、溶融亜鉛浴中にアル
ミを添加することが有効であることが知られている。ま
た、亜鉛付着量は溶融亜鉛槽中の溶融亜鉛の浴レベルに
影響され、また、亜鉛めっき表面が平滑であるか或いは
均一であるか等のめっき状態は溶融亜鉛浴の浴温に左右
されることが知られている。
【0003】そのため、溶融亜鉛めっき設備100で
は、従来、図5に示すように、浴レベル計8により溶融
亜鉛浴の浴レベルLを測定し、この測定値に基づき浴レ
ベル制御装置8aにより亜鉛インゴット投入機13を制
御し、亜鉛インゴットを溶融亜鉛槽1に適宜投入して浴
レベルを所定のレベルに維持するようにしている。ま
た、アルミ濃度センサ9により溶融亜鉛浴中に含まれる
アルミ濃度Mを測定し、この測定値をもとにアルミ濃度
制御装置9aによりアルミ高濃度インゴット投入機15
を制御し、アルミ高濃度インゴットを溶融亜鉛槽1に適
宜投入して、溶融亜鉛浴中のアルミ濃度を所定濃度に維
持するようにしている。さらに、浴温計7により、溶融
亜鉛浴の浴温Tを測定し、測定した浴温をもとに浴温制
御装置7aにより、溶融亜鉛槽1を加熱する誘導加熱装
置5を作動させ、所定の浴温を維持するように制御を行
っている。このとき、浴温に関しては、亜鉛インゴット
投入機13或いはアルミ高濃度インゴット投入機15に
よるインゴットの投入が行われたときには、インゴット
投入に伴う浴温の変化量を予測し、計算熱量に相当する
誘導加熱装置5の操作量をフィードフォワード的に操作
するようにしている。
【0004】そして、これらの各制御装置7a,8a,
9aにおける各制御は、例えばフィードバック制御、或
いはオペレータの判断によって行われるようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の溶融亜鉛浴の制御装置においては、浴レベルL,ア
ルミ濃度M,浴温Tをそれぞれ独立に制御するようにし
ている。このとき、例えば、亜鉛インゴットの投入に伴
う溶融亜鉛中のアルミ濃度への影響、インゴットの溶解
熱量による浴温への影響、また、浴温によるアルミ溶解
量への影響及びこれに伴うアルミ濃度、或いは浴レベル
への影響等、各制御装置での操作は互いに他の制御装置
の制御対象に影響を与えているから、他の制御装置での
操作が外乱として作用することになり、各制御装置での
制御精度を高精度に一定に保つことが困難となり、制御
対象の浴レベル,アルミ濃度,浴温を高精度に制御する
ことができないという未解決の課題がある。
【0006】そこで、本発明は上記従来の問題点に着目
してなされたものであり、浴レベル,アルミ濃度,浴温
に対する制御精度をより向上させることのできる溶融亜
鉛めっきにおける溶融亜鉛浴制御方法を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る溶融亜鉛めっきにおける溶
融亜鉛浴制御方法は、少なくとも溶融亜鉛浴への亜鉛投
入量とアルミ投入量と加熱量とからなる操作要素を制御
し、前記溶融亜鉛浴の浴面レベルとアルミ濃度と浴温と
を所定値に維持するようにした溶融亜鉛浴の制御方法で
あって、前記操作要素のうちの何れかを制御することに
伴う、前記溶融亜鉛浴の浴面レベルとアルミ濃度と浴温
とのそれぞれの変化量を加味して前記操作要素を制御す
るようにしたことを特徴としている。
【0008】この発明によれば、溶融亜鉛浴にストリッ
プを浸漬してめっきを行うようにした溶融亜鉛めっき設
備において高品質なめっきを行うために、少なくとも溶
融亜鉛浴の浴面レベルと溶融亜鉛浴のアルミ濃度と溶融
亜鉛浴の浴温とが所定値に維持されるように、溶融亜鉛
浴への亜鉛投入量とアルミ投入量と加熱量とからなる操
作要素が制御される。このとき、これら亜鉛投入量とア
ルミ投入量と加熱量とは、これらのうちの何れかを制御
することに伴い生じる溶融亜鉛浴の浴面レベル,アルミ
濃度,及び浴温の変化量を加味して制御される。よっ
て、例えば浴面レベルを増加させるために亜鉛投入量を
操作すれば、亜鉛投入により浴面レベルが増加すると共
に、浴温が低下し、またアルミ濃度が変化するというよ
うに、溶融亜鉛浴の浴面レベル,アルミ濃度,浴温の変
化は互いに影響を及ぼし合っているが、この互いに影響
を及ぼし合う浴面レベル,アルミ濃度或いは浴温の変化
量を加味して操作要素が制御されるから、例えば、浴面
レベル,アルミ濃度,浴温等の制御対象のうちの何れか
一つ、例えば浴面レベルを調整するために亜鉛投入量を
制御した場合に、亜鉛投入が行われることに伴って変化
する他の制御対象、例えばアルミ濃度,浴温の変化量が
抑制される。
【0009】また、本発明の請求項2に係る溶融亜鉛め
っきにおける溶融亜鉛浴制御方法は、少なくとも溶融亜
鉛浴への亜鉛投入量とアルミ投入量と加熱量とからなる
操作要素を制御し、前記溶融亜鉛浴の浴面レベルとアル
ミ濃度と浴温とを所定値に維持するようにした溶融亜鉛
浴の制御方法であって、前記操作要素を制御するに当た
り、前記操作要素制御後に予測される予め設定した評価
対象の変動状態から設定される評価関数値が基準範囲内
となる前記操作要素毎の制御量を求め、当該制御量に基
づき前記操作要素を制御するようにしたことを特徴とし
ている。
【0010】この発明によれば、少なくとも溶融亜鉛浴
の浴面レベルとアルミ濃度と浴温とが、溶融亜鉛浴への
亜鉛投入量とアルミ投入量と加熱量とを制御することに
よって、所定値に維持される。このとき、亜鉛投入量と
アルミ投入量と加熱量とかなる制御要素を制御するに当
たり、例えば浴面レベルとアルミ濃度と浴温と加熱量を
与える加熱装置の操作状態と、等からなる予め設定した
評価対象のそれぞれについて、操作要素の制御量として
求めた値に基づいて制御を行った後に予測される変動状
態、例えば単位時間毎の偏差の自乗和等が求められ、各
評価対象毎の変動状態の和等により設定される評価関数
値が求められ、この評価関数値が基準範囲内となる操作
要素毎の制御量が求められる。そして、この制御量に基
づいて操作要素が制御される。よって、例えば浴面レベ
ルを増加させるために亜鉛投入量を操作すれば、亜鉛投
入により浴面レベルが増加すると共に、浴温が低下し、
またアルミ濃度が変化するというように、溶融亜鉛浴の
浴面レベル,アルミ濃度,浴温の変化は互いに影響を及
ぼし合っているが、各評価対象の予測される変動状態か
ら求められる評価関数値が基準範囲内となる制御量、つ
まり、互いに影響を及ぼしあうことに伴う変動量が所定
値内となる制御量に基づいて制御が行われるから、操作
要素の何れかを制御することに伴う他の操作要素の変動
が抑制される。
【0011】さらに、本発明の請求項3に記載の溶融亜
鉛めっきにおける溶融亜鉛浴制御方法は、前記操作要素
毎の制御量を予め操作パターンとして設定しておき、前
記操作パターン毎に前記評価関数値を求め、当該評価関
数値が最小となる操作パターンに基づいて前記操作要素
を制御するようにしたことを特徴としている。
【0012】この発明によれば、例えば、亜鉛投入量,
アルミ投入量,加熱量をそれぞれどれだけ操作するか等
といった操作要素毎の制御量の組み合わせが予め操作パ
ターンとして設定され、操作パターン毎に評価関数値が
求められてその評価関数値が最小となる操作パターンに
基づいて、操作量の制御が行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。図1は、本発明における溶融亜鉛浴制御装置を
適用した溶融亜鉛めっき設備100の一例を示す概略構
成図である。
【0014】図中、1は、溶融亜鉛浴が貯蓄される溶融
亜鉛槽であって、前ラインから搬送された亜鉛めっきを
施す鋼板2は、シンクロール3に導かれて、溶融亜鉛槽
1の溶融亜鉛浴中を通り次のラインに進むようになって
いる。
【0015】前記溶融亜鉛槽1には、溶融亜鉛浴温度調
整用の、少なくとも2段階以上に供給電力が切り換え可
能な誘導加熱装置5が取り付けられている。そして、熱
電対等で形成される浴温計7により溶融亜鉛浴の浴温T
を測定し、この浴温Tが所定値に維持されるように誘導
加熱装置5を作動させるようになっている。
【0016】また、前記溶融亜鉛槽1中の溶融亜鉛浴の
浴レベルLを、例えばレーザ式レベル計からなる浴レベ
ル計8で測定すると共に、溶融亜鉛浴中に含まれるアル
ミの濃度Mを、例えばサンプル採取による定期的な分
析、或いは、濃淡電池を測定原理とする連続測定可能な
センサ等のアルミ濃度センサ9で測定するようになって
いる。
【0017】前記浴温計7,レベル計8,アルミ濃度セ
ンサ9の各検出値は、溶融亜鉛浴制御装置10に入力さ
れる。この溶融亜鉛浴制御装置10は、入力された各種
センサの検出値をもとに、亜鉛インゴットの投入量(亜
鉛投入量),アルミ高濃度インゴットの投入量(アルミ
投入量),誘導加熱装置5の操作量(加熱量)とからな
る操作要素の各制御量を設定し、誘導加熱装置5の操作
量に基づき前記誘導加熱装置5を操作制御すると共に、
前記溶融亜鉛槽1への亜鉛インゴットの供給を行う亜鉛
インゴット投入機13及び溶融亜鉛槽1へのアルミ高濃
度インゴットの供給を行うアルミ高濃度インゴット投入
機15を制御する。
【0018】前記溶融亜鉛浴制御装置10は、例えばマ
イクロコンピュータ等で形成される実行パターン演算部
10aと、実行パターン演算部10aで決定した実行パ
ターンに応じて前記誘導加熱装置5,亜鉛インゴット投
入機13及びアルミ高濃度インゴット投入機15を作動
させる操作量出力装置10bと、実行パターン演算部1
0aでの実行パターン決定に要する予測モデルが格納さ
れるモデル格納部10cとから構成されている。
【0019】前記実行パターン演算部10aでは、制御
対象としての誘導加熱装置5,亜鉛インゴット投入機1
3,アルミ高濃度インゴット投入機15のそれぞれの制
御量を組み合わせて予め設定した各操作パターンについ
て、各センサの検出値をもとに、前記各操作パターンの
制御量に応じて各装置及び投入機を操作した際のこれ以
後所定期間における浴温T,浴レベルL,アルミ濃度M
の推移を、モデル格納部10cに格納された、次式
(1)〜(3)に示す予測モデルに基づいて算出する。
なお、式(1)は浴温Tの単位時間当たりの変化量を表
し、式(2)は所定時間経過後の浴レベルL〔m〕,式
(3)は所定時間経過後のアルミ濃度M〔%〕を表す。
【0020】 浴温変化量dT/dt =(QZn+Qind +Qst+QAl−Qout )/C ……(1) Qout =Q0 +KQ ×T ……(1a) C=C0 +KC ×L ……(1b) なお、(1)式中の、QZnは亜鉛インゴットを溶融亜鉛
槽1に投入することに伴う熱量の変化量〔J/se
c〕,Qind は誘導加熱装置5を操作することに伴う溶
融亜鉛への投入熱量〔J/sec〕,Qstは鋼板2が溶
融亜鉛槽1内を通過することに伴う持ち込み及び持ち出
し熱量の差〔J/sec〕,QAlはアルミ高濃度インゴ
ットを溶融亜鉛槽1に投入することに伴う熱量の変化量
〔J/sec〕を表す。また、Qout は放散熱量〔J/
sec〕,Cは溶融亜鉛槽1の溶融亜鉛及び浴内の機器
を含む熱容量〔J/K〕を表し、それぞれ前記(1a)
及び(1b)式により決定される。(1a)式中の、Q
0 は固定分,KQ は浴レベル依存係数,Tは浴温〔K〕
を表し、(1b)式中のC0 は固定分,KC は浴レベル
依存係数,Lは浴レベル〔m〕をそれぞれ表す。
【0021】 浴レベルL =L0 +∫{(−Mst+MZn+MAl)/A}dt ……(2) Mst=V×(WU +WB )/ρ×B ……(2a) なお、(2)式中の、L0 は、浴レベルの現在値
〔m〕,Mstは鋼板2が溶融亜鉛浴中を通過することに
伴う単位時間当たりの溶融亜鉛の持ち出し量〔m3 /s
ec〕を表し前記(2a)式に基づき決定される。ま
た、MZnは単位時間当たりの亜鉛インゴットの投入量
〔m3 /sec〕,MAlは単位時間当たりのアルミ高濃
度インゴットの投入量〔m3 /sec〕,Aは溶融亜鉛
浴槽1内の溶融亜鉛の断面積〔m2 〕を表す。前記式
(2a)中の、Vは鋼板2の搬送速度〔m/sec〕を
表し、WU は鋼板2の表面への付着量〔g/m2 〕,W
B は鋼板2の裏面への付着量〔g/m2 〕,ρは亜鉛の
比重〔g/m3 〕,Bは鋼板2の板幅〔m〕を表す。
【0022】 アルミ濃度M =(WAl+∫{−DAld −DAls +InAl}dt)/(ρ×A×L)×100 ……(3) なお、(3)式中の、WAlは溶融亜鉛浴中のアルミ量
〔kg〕,DAld はドロスによるアルミ量の減少速度
〔kg/sec〕,DAls は鋼板2が溶融亜鉛浴を通過
することによる単位時間当たりのアルミの持ち出し量
〔kg/sec〕,InAlはアルミ高濃度インゴットを
投入することに伴うアルミの増加速度(アルミ高濃度イ
ンゴットの溶融速度×アルミ高濃度インゴットに含まれ
るアルミ濃度)〔kg/sec〕を表す。前記ドロスに
よるアルミ量の減少速度DAld は、例えば予め実験等に
より、浴温T,アルミ濃度M,鋼板2からの鉄溶融量等
の関数として実験式を求めておき、この実験式に基づき
算出する。同様に、鋼板2によるアルミの持ち出し量D
Als は、予め実験等により、浴温T,アルミ濃度M,鋼
板サイズ,鋼板の搬送速度V等の関数として実験式を求
めておき、この実験式に基づき算出する。
【0023】そして、実行パターン演算部10aでは、
前記(1)〜(3)式の予測モデルに基づいて算出した
所定期間内における所定時間毎の浴温T,浴レベルL,
アルミ濃度Mと、実行パターンに基づく誘導加熱装置5
の操作状態とに基づいて、次式(4)の評価関数f
(t,m,n)を各操作パターン毎に求める。
【0024】 なお、(4)式中の、ΔT(τ),ΔL(τ),ΔM
(τ)は、それぞれ前記(1)〜(3)式に基づき設定
される、現時点からτ秒後の浴温T,浴レベルL,アル
ミ濃度Mの偏差予測値をそれぞれ表す。また、ΔV
(τ)は、τ>0の場合は現時点からτ秒後の誘導加熱
装置5の操作量の変化,τ≦0の場合は現在までの誘導
加熱装置5の操作量の変化を表し、変化がある場合には
“1”,変化がない場合には“0”として設定される値
である。
【0025】ここで、前記(4)式の1項が評価対象と
しての浴温Tの変動状態に対応し、2項が評価対象とし
ての浴レベルLの変動状態に対応し、3項が評価対象と
してのアルミ濃度Mの変動状態に対応し、4項が評価対
象としての実行パターンに基づく誘導加熱装置5の操作
状態の変動状態に対応している。
【0026】次いで、実行パターン演算部10aでは、
求めた評価関数値が、予め設定した基準値以下であり且
つ最小となる操作パターンを実行パターンとして設定す
る。この操作を予め設定した所定周期Δhで行い、これ
を操作量出力装置10bに出力する。前記基準値は、例
えば前記誘導加熱装置5,亜鉛インゴット及びアルミ高
濃度インゴット投入機13,15を制御した際に生じる
浴温T,浴レベルL,アルミ濃度Mの変動が十分小さい
とみなすことの可能な値であり、予め実験等によって求
められる。
【0027】操作量出力装置10bでは、通知された実
行パターンに基づいて、予め設定された所定周期Δt毎
に、誘導加熱装置5,亜鉛インゴット投入機13,アル
ミ高濃度インゴット投入機15を制御する。
【0028】なお、前記実行パターンの決定周期Δh,
前記操作量出力装置10bが実行パターンに基づき前記
誘導加熱装置5,亜鉛インゴット投入機13,アルミ高
濃度インゴット投入機15を制御する制御周期Δt,実
行パターン決定のための予測モデルによる予測時間n・
Δtは、次式(5)を満足する値として設定される。
【0029】 Δt≦Δh≦n・Δt ……(5) 次に、上記実施の形態の動作を説明する。実行パターン
演算部10aでは、予め設定した実行パターンの決定周
期Δh毎に、図2のフローチャートに示す実行パターン
決定処理を実行する。まず、浴温計7,浴レベル計8,
アルミ濃度計9の各検出値を読み込み(ステップS
1)、予め設定して保持している操作パターンのうち、
一番目の操作パターンについて(ステップS2)、前記
(1)〜(3)式に基づいて、現時点から所定期間n・
Δt間の浴温T,浴レベルL,アルミ濃度Mの推移を所
定時間Δt毎にそれぞれ求める(ステップS3)。さら
に、求めた推移に基づいて、前記(4)式から評価関数
値を求める(ステップS4)。
【0030】そして、評価関数値が予め設定した基準値
以下であるとき(ステップS5)、この操作パターンを
実行パターン候補として、評価関数値と対応付けて所定
の記憶領域に記憶しておく(ステップS6)。このと
き、評価関数値が基準値以下でない場合には(ステップ
S5)、実行パターン候補として設定しない。
【0031】次いで同様にして、操作パターンのうち二
番目の操作パターンについて、所定期間内の所定時間毎
の推移を求め、これに基づき評価関数値を求める。そし
て、評価関数値が基準値以下であるとき、この操作パタ
ーンを評価関数値と共に、実行パターン候補として所定
の記憶領域に格納する。この操作を繰り返し行い、予め
設定した全ての操作パターンについての評価関数値の算
出が終了すると(ステップS7)、所定の記憶領域に記
憶している実行パターン候補の中から、評価関数値が最
小となる操作パターンを選択し(ステップS8)、これ
を実行パターンとして操作量出力装置10bに出力する
(ステップS9)。
【0032】操作量出力装置10bでは、通知された実
行パターンに基づいて、誘導加熱装置5,亜鉛インゴッ
ト投入機13,アルミ高濃度インゴット投入機15を、
所定の制御周期Δtで制御する。これにより、浴温T,
浴レベルL,アルミ濃度Mがそれぞれ所定値に制御され
る。
【0033】このとき、実行パターン演算部10aで
は、予め設定した操作パターンに基づいて操作を行った
ときのこれ以後予測される、浴温T,浴レベルL,アル
ミ濃度Mの変動状態を予測モデルに基づいて求め、これ
ら変動状態と誘導加熱装置5の操作状態の変動状態との
和が最小となる値、つまり、操作パターンに伴う、浴温
T,浴レベルL,アルミ濃度Mの変動がより少ない操作
パターンを実行パターンとして設定し、これを実行する
ようにしたから、誘導加熱装置5或いは亜鉛インゴット
投入機13,アルミ高濃度インゴット投入機15の制御
に伴う、浴温T,浴レベルL,アルミ濃度Mの変動をよ
り少なくすることができ、より高精度な制御を行うこと
ができる。
【0034】また、誘導加熱装置5或いは亜鉛インゴッ
ト投入機13,アルミ高濃度インゴット投入機15の何
れかを制御した場合、これらは互いに影響し合っている
から他の装置における操作は外乱として作用することに
なるが、この外乱分を考慮して各部を制御するようにし
たから、より高精度な制御を行うことができ、浴温T,
浴レベルL,アルミ濃度Mを高精度に所定値に維持する
ことができる。よって、高品質な亜鉛めっきを行うこと
ができる。
【0035】また、例えば、電磁接触器をオンオフする
ことによって変圧器のタップ切り換えを行い、これによ
って誘導加熱装置5の投入電力を変更するような場合に
は、電磁接触器の寿命はオンオフ回数によって決まり、
このオンオフ回数、つまり、タップ切り換えの頻度が少
ない方が、電磁接触器の寿命延長には有効である。上記
実施の形態においては、評価関数fに、誘導加熱装置5
の操作状態の変動状態の項を設け、誘導加熱装置5にお
けるタップ切り換えの頻度を抑制するようにしているか
ら、電磁接触器の寿命延長を図ることができる。
【0036】図3は、本発明における溶融亜鉛浴制御装
置10による誘導加熱装置5,亜鉛インゴット及びアル
ミ高濃度インゴット投入機13,15の操作タイミング
とこれに伴う、浴温T,浴レベルL,アルミ濃度Mの変
動状態を表したものである。図4に示す従来の溶融亜鉛
浴制御装置における各部の変動状態に比較して、誘導加
熱装置5,亜鉛インゴット及びアルミ高濃度インゴット
投入機13,15の操作に伴う、浴温T,浴レベルL,
アルミ濃度Mの変動が小さく、制御性が向上しているこ
とがわかる。
【0037】なお、上記実施の形態においては、予め設
定した操作パターンのうち、評価関数値が基準値以下で
あり且つ最小となる操作パターンを実行パターンとして
設定するようにした場合について説明したが、例えば、
評価関数値が所定の基準値以下であるものを、実行パタ
ーンとして設定するようにすることも可能であり、この
ようにすることにより、実行パターン演算部10aの負
荷を軽減させることができる。
【0038】また、上記実施の形態においては、予め設
定した予測モデルに基づいて、各部の変動状態を推測す
るようにした場合について説明したが、このときに、各
種センサの検出値に基づいて、予測モデルを修正するよ
うにすれば、予測モデルの精度不足による制御精度の悪
化を防止することができる。
【0039】また、上記実施の形態においては、評価対
象として、浴温T,浴レベルL,アルミ濃度M,誘導加
熱装置5の変動状態を設定した場合について説明した
が、これに限るものではなく、任意に設定することがで
きる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る溶融亜鉛めっきにおける溶融亜鉛浴制御方法によ
れば、溶融亜鉛浴への亜鉛投入量とアルミ投入量と加熱
量とからなる操作要素を制御する際に、操作要素のうち
の何れかを制御することに伴う、溶融亜鉛浴の浴面レベ
ル,浴温,アルミ濃度等の変化量を加味して操作量を制
御するようにしたから、前記操作量のうちの何れかを制
御することにより浴面レベル,浴温,アルミ濃度等の全
てに変化が生じる場合でも、この変化量を抑制し、制御
性を向上させることができる。
【0041】また、本発明の請求項2に係る溶融亜鉛め
っきにおける溶融亜鉛浴制御方法によれば、溶融亜鉛浴
への亜鉛投入量とアルミ投入量と加熱量とからなる操作
要素を制御する際に、操作要素の制御量として設定した
各値に基づいて制御を行った際の評価対象の変動状態を
予測し、この変動状態に基づき設定される評価関数値が
基準範囲内となる操作量に基づいて制御を行うようにし
たから、亜鉛投入量,アルミ投入量,加熱量の変化がそ
れぞれ浴面レベル,アルミ濃度,浴温に影響を及ぼす場
合でも、これらの操作量の制御に伴う変化量を抑制し、
制御性をより向上させることができる。
【0042】さらに、本発明の請求項3に係る溶融亜鉛
めっきにおける溶融亜鉛浴制御方法によれば、前記操作
要素毎の制御量を予め操作パターンとして設定してお
き、評価関数値が最小となる操作パターンを求め、これ
に基づいて前記操作要素を制御するようにしたから、制
御量を容易に設定することができ、より制御性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における溶融亜鉛浴制御装置を適用した
溶融亜鉛めっき設備の一例を示す概略構成図である。
【図2】実行パターン演算部10aにおける実行パター
ン決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明における溶融亜鉛浴制御装置による各部
の操作タイミングとこれに伴う浴温,浴レベル,アルミ
濃度の変動状態を表す説明図である。
【図4】従来の溶融亜鉛浴制御装置による各部の操作タ
イミングとこれに伴う浴温,浴レベル,アルミ濃度の変
動状態を表す説明図である。
【図5】従来の溶融亜鉛めっき設備の一例を示す概略構
成図である。
【符号の説明】
1 溶融亜鉛槽 2 鋼板 5 誘導加熱装置 7 浴温計 8 浴レベル計 9 アルミ濃度計 10 溶融亜鉛浴制御装置 10a 実行パターン演算部 13 亜鉛インゴット投入機 15 アルミ高濃度インゴット投入機 100 溶融亜鉛めっき設備

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも溶融亜鉛浴への亜鉛投入量と
    アルミ投入量と加熱量とからなる操作要素を制御し、前
    記溶融亜鉛浴の浴面レベルとアルミ濃度と浴温とを所定
    値に維持するようにした溶融亜鉛浴の制御方法であっ
    て、前記操作要素のうちの何れかを制御することに伴
    う、前記溶融亜鉛浴の浴面レベルとアルミ濃度と浴温と
    のそれぞれの変化量を加味して前記操作要素を制御する
    ようにしたことを特徴とする溶融亜鉛めっきにおける溶
    融亜鉛浴制御方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも溶融亜鉛浴への亜鉛投入量と
    アルミ投入量と加熱量とからなる操作要素を制御し、前
    記溶融亜鉛浴の浴面レベルとアルミ濃度と浴温とを所定
    値に維持するようにした溶融亜鉛浴の制御方法であっ
    て、前記操作要素を制御するに当たり、前記操作要素制
    御後に予測される予め設定した評価対象の変動状態から
    設定される評価関数値が基準範囲内となる前記操作要素
    毎の制御量を求め、当該制御量に基づき前記操作要素を
    制御するようにしたことを特徴とする溶融亜鉛めっきに
    おける溶融亜鉛浴制御方法。
  3. 【請求項3】 前記操作要素毎の制御量を予め操作パタ
    ーンとして設定しておき、前記操作パターン毎に前記評
    価関数値を求め、当該評価関数値が最小となる操作パタ
    ーンに基づいて前記操作要素を制御するようにしたこと
    を特徴とする請求項2記載の溶融亜鉛めっきにおける溶
    融亜鉛浴制御方法。
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