JPH10182561A - 炭酸エステルの製造方法 - Google Patents

炭酸エステルの製造方法

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JPH10182561A
JPH10182561A JP8356816A JP35681696A JPH10182561A JP H10182561 A JPH10182561 A JP H10182561A JP 8356816 A JP8356816 A JP 8356816A JP 35681696 A JP35681696 A JP 35681696A JP H10182561 A JPH10182561 A JP H10182561A
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reaction
copper
compound
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dehydration
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JP8356816A
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Nobuto Kobayashi
伸人 小林
Haruto Kobayashi
治人 小林
Takeshi Minami
武志 皆見
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭酸エステルの選択率が極めて高く、しかも
反応液の腐食性が極めて低く、実際の工業化に適した均
一触媒系での炭酸エステルの製造方法を提供する。 【解決手段】 金属銅、金属銅化合物または銅の錯化合
物と、所定の構造式で示されるグリコールエーテル類、
環状窒素化合物、および酸素の共存下でアルコール類の
酸化反応(酸化反応工程)を行った後、反応液中に含ま
れる水を除去し(脱水工程)、次いで、脱水処理後の反
応液を一酸化炭素の存在下で反応させる(カルボニル化
反応工程)ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸エステルの製
造方法に関する。炭酸ジメチルなどの炭酸エステルは、
医薬、農薬等の原料として有用であるほか、近年ではガ
ソリンの添加剤(オクタンブースター)として、あるい
は有機硝子の原料となる各種カーボネート類の製造にお
けるホスゲンに代わる反応剤として注目されているもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭酸エステルの製造方法とし
ては、ホスゲンとアルコールを反応させる方法が知られ
ている。しかしながら、この方法は、副生する塩酸によ
り装置材料が腐食するという問題およびホスゲンそのも
のが極めて強い毒性を持っているという問題があり、ホ
スゲンを用いない非ホスゲン法の製造技術が求められて
いた。
【0003】このような要望に応じるべく、Enichem 社
は、塩化銅(I) を触媒として用い、メタノールの酸化カ
ルボニル化反応による炭酸ジメチルの製造を工業化して
いる(Quad.Ind.Chim.Ital vol.21 No.1 (1985) )。し
かしながら、このようなEnichem プロセスにおいても副
生する塩酸等による装置材料の腐食の問題は完全には解
決しておらず、そのため、反応器内面をガラスライニン
グやホローライニングする必要があり、装置の大型化へ
の障害となっていると言われている。さらに、Enichem
プロセスでは、十分な反応速度を得るために高濃度の銅
塩(数十wt% )を必要とし、この系は反応液中に固形分
が存在するいわゆるスラリー系となる。そのため、生成
した炭酸エステルを分離するために別途、さらに膜分離
あるいは遠心分離などの特別な工程が必要となるという
問題もある(さらにこれらの装置を耐熱、耐圧、耐摩耗
性、耐腐食性とするには大変なコストがかかる)。
【0004】また、宇部興産は、亜硝酸メチルを介在さ
せる独特の酸化カルボニル化技術を用いたセミコマーシ
ャルプラントを稼働させているが、一酸化窒素を供給す
る必要があることから立地条件が限られるプロセスであ
る。
【0005】Enichem 法における上述の問題に対して、
スラリー反応系を回避するために、各種添加物を加えて
均一反応系を作りだし、均一反応系での炭酸エステル製
造の試みもなされている。
【0006】すなわち、U.S.P.-29338には、塩化銅−含
窒素化合物系触媒によるアルコールの酸化カルボニル化
の実験例が開示されている。しかしながら、塩化銅の溶
解度が低いために触媒濃度が低く制限されており、実用
的とは言えない。また、特開昭62-81356には、反応系に
ピリジン類を加える例が開示されている。これによれ
ば、炭酸エステルの生成率の向上が示されているもの
の、反応系は均一系ではなくてスラリー系である。
【0007】また、U.S.P.-4604242には、bis (2,4-pen
tandianato)copper(II)methoxide−ピリジンを用いて均
一系を達成する旨の提案がなされているが、用いる銅化
合物が極めて特殊であり、しかも反応速度が遅く実用的
とはいえない。
【0008】また、特開平5-17410 号公報には、CuCl2
にアルカリ土類金属の水酸化物(Li(OH),Mg(OH)2 等)を
加えることにより触媒を均一化し、塩化第2銅を用いた
場合の欠点である塩化メチル、ジメチルエーテル等の副
生物の生成を抑えることが開示されている。しかしなが
ら、工業的実現に向けて充分な結果を得るまでには至っ
ていない。
【0009】さらに、特開平6-25105 号公報には、チタ
ン、スズ、ニオブ、ビスマス、モリブデン、マンガン等
のハロゲン化物を共存させることにより、銅(I) の析出
を回避しようとしているが、COの燃焼によるCO2 の副生
量が増える傾向にあり好ましくない。
【0010】さらに、スラリー系を回避する別の方法と
して、比較的低濃度のCuCl2/PdCl2からなる均一触媒系
を用いる方法も広く知られている( 特開平5-105642号公
報,特開平5-320098号公報, 特開平5-320099号公報等)
。しかしながら、これらの方法は、Pdを用いることに
よるシュウ酸の生成とこれに続く不溶性のシュウ酸銅の
生成による触媒活性の低下が指摘されている。
【0011】また、スラリー系を回避するさらなる別の
方法として、銅塩あるいはその錯塩を固体に担持した触
媒により気相反応を行う方法も提案されている。例え
ば、U.S.P.-2625044や特開平2-256651号公報には、活性
炭に塩化銅あるいは銅−ピリジン錯体を担持した触媒に
よる気相反応が開示されている。しかしながら、これら
の方法は、炭酸エステルの選択性(選択率)が低く、ま
た、ハロゲン等の飛散に伴う触媒活性の劣化といった問
題がある。
【0012】また、特開平6-210181号公報には、銅−ト
リフェニルホスフィン錯体を活性炭に担持した触媒によ
る反応が開示されている。しかしながら、この場合も触
媒上にはハロゲンの共存が必要であり、これらの飛散に
伴う触媒活性の劣化が問題となる。さらに、このような
固定化触媒の再生法として、ハロゲンガスやハロゲン化
水素ガスで処理する方法が提案されている( 特開平6-21
0181号公報, 特開平5-49947 号公報, 特開平5-208137号
公報等) 。しかしながら、これらの提案のものは、製造
工程に別途さらに触媒再生工程を加える必要があるほ
か、再生ガスによる反応器等の腐食や、残留する再生ガ
スによるハロゲン化アルキルの生成や、製品である炭酸
エステルの加水分解といった問題がある。
【0013】ところで、炭酸エステルの製造に際して、
高価な原料であるCOの炭酸エステルの選択率を向上さ
せることは、工業化の実現に向けてきわめて重要な課題
となっている。
【0014】このような課題に対処するために、特開平
5−201930号公報には、アルコール類を酸化的カ
ルボニル化触媒の存在下で、一酸化炭素および酸素と反
応させて、しかる後、浸透気化膜で反応器から水を除去
することにより、高い転化率および選択率でジアルキル
カーボネートを製造することができる旨の提案がなされ
ている。
【0015】しかしながら、この提案における方法にお
いても実際の工業化に向けて十分満足のいく結果が得ら
れているとは言い難く、さらなる選択率の向上が要望さ
れている。また、反応液の腐食性に対する課題も解決さ
れていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このような実状のもと
に、本発明は創案されたものであって、その目的は、炭
酸エステルの選択率が極めて高く、しかも反応液の腐食
性が極めて低く、実際の工業化に適した均一触媒系での
炭酸エステルの製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明の炭酸エステルの製造方法は、金属
銅、金属銅化合物または銅の錯化合物と、下記構造式
(I)で示されるグリコールエーテル類、環状窒素化合
物、および酸素の共存下でアルコール類の酸化反応(酸
化反応工程)を行った後、反応液中に含まれる水を除去
し(脱水工程)、次いで、脱水処理後の反応液を一酸化
炭素の存在下で反応させる(カルボニル化反応工程)よ
うに構成される。
【0018】 R1 O(CH(R2 )CH2 O)n3 … 式(I) (式(I)中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、R2
は炭素数1〜2のアルキル基または水素、R3 は炭素数
1〜6のアルキル基または水素、nは1〜12の整数を
表す) また、好ましい態様として、前記脱水工程における脱水
処理は、反応液をゼオライト、または吸水性ポリマーと
接触させることにより行なわれる。
【0019】また、好ましい態様として、前記脱水工程
における脱水処理後の反応液中の水分濃度は1wt%以
下となるように構成される。
【0020】また、好ましい態様として、前記脱水工程
における脱水処理は、30〜180℃の温度で行われる
ように構成される。
【0021】また、好ましい態様として、前記環状窒素
化合物は、ピリジン類から構成される。
【0022】また、好ましい態様として、金属銅、金属
銅化合物または銅の錯化合物に対する環状窒素化合物の
モル比は0.1〜100の範囲に構成される。
【0023】また、好ましい態様として、金属銅、金属
銅化合物または銅の錯化合物に対する上記構造式(I)
で示されるグリコールエーテル類のモル比は、0.5〜
200の範囲に構成される。
【0024】また、好ましい態様として、前記酸化反応
工程における酸化反応は、酸素分圧:0.001〜10
Kg/cm2 、反応温度:30〜180℃で行われるよ
うに構成される。
【0025】また、好ましい態様として、前記カルボニ
ル化反応工程におけるカルボニル化反応は、一酸化炭素
分圧:0.1〜50Kg/cm2 、反応温度:30〜1
80℃で行われるように構成される。
【0026】本発明においては、酸化反応工程とカルボ
ニル化反応工程とを分離し、酸化反応工程の次に脱水工
程を介在させているために炭酸エステルの選択率が極め
て高くなる。さらに、本発明においては、銅の環状窒素
化合物錯体(例えば、銅ピリジン錯体)がグリコールエ
ーテル類に溶解するために均一触媒系が実現できる。反
応液の腐食性も極めて低い。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0028】まず、最初に本発明における炭酸エステル
の製造方法に用いられる装置の一例を挙げて説明する。
【0029】図1には、本発明の炭酸エステルの製造方
法に用いられるプロセス装置1が模式的に示されてお
り、当該プロセス装置1は、アルコール類の酸化反応を
行う酸化反応槽5と、この反応槽5から反応液(触媒液
を含む)5aを抜き出し、当該反応液中に含まれる水を
除去するための脱水処理槽10,11と、脱水処理され
た反応液(触媒液を含む)を一酸化炭素でカルボニル化
処理を行うためのカルボニル化反応処理槽15と、プロ
ダクトである炭酸エステル等を分離して抜き出すととも
に、未反応のアルコール類、触媒液等を分離するための
分離槽20を備えている。分離槽20の下部に連接され
る触媒液等の回収ライン25には、好適な態様として触
媒液の再生処理槽30が介在されている。またさらに、
反応槽5と脱水処理槽10,11との間、および脱水処
理槽10,11と次工程のカルボニル化反応処理槽15
との間には、2系列配管切替え装置8および9がそれぞ
れ介在されている。
【0030】酸化反応槽5の中には、金属銅、金属銅化
合物または銅の錯化合物と、グリコールエーテル類と、
環状窒素化合物が仕込まれており、さらに反応槽5には
反応原料であるアルコール類(アルコール類供給ライン
3)、および酸素が供給されるようになっている(酸化
反応工程)。
【0031】酸化反応槽5から抜き出された反応液5a
は、2系列配管切替え装置8を介して、脱水処理槽10
または脱水処理槽11に送られる。2つの脱水処理槽1
0,11を備えているのは、一方の脱水処理槽で脱水処
理を行っている間に、他方の脱水処理槽の脱水処理機能
を回復(再生)させるためである。なお、下流側の2系
列配管切替え装置9も上流側の2系列配管切替え装置8
と同様な作用を示し、酸化反応槽5から抜き出された反
応液5aは、脱水処理槽10または脱水処理槽11のい
ずれか一方を通過するようになっている。
【0032】脱水処理槽10または脱水処理槽11によ
って脱水処理された反応液10aは、次工程のカルボニ
ル化反応処理槽15に入り、ここで、カルボニル化反応
処理槽15の下部から供給される一酸化炭素(CO)に
よって還元処理されプロダクトとしての炭酸エステルが
製造される。カルボニル化反応処理槽15で行われる一
酸化炭素(CO)の供給は、図示のごとく、後述する再
生処理槽30を経由して行ってもよいし、再生処理槽3
0を経由することなくカルボニル化反応処理槽15に一
酸化炭素(CO)供給源から直接供給してもよい。ま
た、これらの併用であってもよい。
【0033】カルボニル化反応処理槽15から抜き出さ
れた反応液15aは、分離槽20に入り、ここで分離さ
れた一成分である炭酸エステルがプロダクトとして抜き
出される。この一方で、低沸点成分の未反応アルコール
類は、分離槽20の頂部より回収ライン21を経て原料
供給ライン3に戻され、銅触媒、グリコールエーテル
類、および環状窒素化合物等は、分離槽20の底部より
回収ライン25を経て原料供給ライン3に戻される。
【0034】回収ライン25の途中には、図示のごとく
触媒液の再生処理槽30を介在させ、この再生処理槽3
0の底部から供給される一酸化炭素(CO)によって触
媒液の再生処理を行うようにすることが好ましい。これ
により触媒活性の維持・再生が図られる。さらに図示の
ごとく余剰の一酸化炭素(CO)をCO供給ライン33
を介して、上記のカルボニル化反応処理槽15に送り込
むようにすることが好ましい。
【0035】なお、上記分離槽20は、図面の簡略化の
ために1つだけ示しているが、実際の分離には、通常、
複数の分離槽(蒸留塔)が設けられる。
【0036】このような装置を用いて行われる本発明に
おける炭酸エステルの製造方法について、以下詳細に説
明する。
【0037】本発明における炭酸エステルの製造方法
は、まず、最初に、金属銅、金属銅化合物または銅の錯
化合物と、グリコールエーテル類と、環状窒素化合物と
の存在下に、アルコール類を酸素と反応させることによ
り行われる(酸化反応工程)。すなわち、銅を含む均一
触媒系の存在下に、アルコール類の酸化が行われる。具
体的な反応機構は下記式で示されるとおりである。
【0038】2(ROH) + 1/2 O2 + 2(CuCl)・Xn → (2[C
uORCl])・Xn + H2O (酸化) ここでRはアルキル基、Xは銅に配位した配位化合物、
nは整数。
【0039】このような酸化反応が完了した後、この反
応液中に含まれる水が脱水除去される(脱水工程)。脱
水処理を行う際の温度は、30〜180℃、特に、30
〜130℃とすることが好ましい。この値が180℃を
超えると、脱水剤の脱水能力の低下、分解、均一触媒系
の変成、劣化という不都合が生じ、またこの値が30℃
未満となると、脱水剤の脱水速度の低下、触媒の析出と
いう不都合が生じる。また、脱水処理後の反応液中の水
分濃度は、本発明の効果を発現させるために1wt%以
下にすることが要求される。この値は、限りなくゼロに
近づけることが望ましい。
【0040】脱水除去の方法は特に限定されることな
く、公知の種々の方法を用いることができるが、工業的
に好適な手法としては、例えば、脱水剤としてゼオライ
トや吸水性ポリマーの吸収剤を用いて、これらと反応液
中とを接触させることにより行うのが好ましい。吸水性
ポリマーとしては、ポリアクリル酸塩系、デンプン−ア
クリル酸塩グラフトポリマー系、酢酸ビニル・アクリル
酸共重合体系、イソブチレン・マレイン酸共重合体系、
ポリビニルアルコール系、カルボキシメチルセルロース
系などが挙げられる。 ゼオライトを脱水剤として使用
する場合、使用する触媒の均一性の維持ならびに吸着容
量の温度依存性を考慮して、脱水処理温度は、30〜1
30℃の範囲に設定することが好ましい。また、水を吸
着した後、再度ゼオライトを脱水剤として使用するため
に水を飛ばして再生する必要があるが、この再生操作
は、グリコールエステル類の沸点と同等の温度(約20
0〜250℃)のパージガス(N2 等)を流した後に、
さらに200〜300℃のパージガス(N2 等)を流し
続けて加熱処理することが好ましい。
【0041】このように酸化反応工程の次に脱水工程を
介在させて、酸化反応液より水を除去することにより、
次工程のカルボニル化反応工程(還元工程)において、
CO2 生成副反応を抑えることができる。CO2 副生の
抑制機構は明らかではないが、脱水により下記式で示さ
れる反応が抑えられるためと考えられる。CO2 生成副
反応を抑えることによりCO選択率が向上する。
【0042】2[CuORCl] + H2O + CO → 2CuCl + 2RO
H + CO2 (CO2 生成副反応) このように脱水処理された酸化反応液は、次工程におい
て一酸化炭素の存在下で還元処理される(カルボニル化
反応工程)。ここでの具体的具体的な反応機構は下記式
で示されるとおりである。
【0043】(2[CuORCl])・Xn + CO → (RO)2CO + 2(C
uCl)・Xn (カルボニル化) さらに本発明においては、上記酸化反応とカルボニル化
反応を分離して行っているので、酸素とCOとの接触に
よるCO2 生成反応(すなわち、CO+1/2O2 →C
2 の反応)も抑制できる。
【0044】本発明に用いられる金属銅、金属銅化合物
または銅の錯化合物は、触媒成分としての機能を果た
し、金属銅化合物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物
等のハライド(例えば、CuCl、CuCl2 、CuB
r、CuBr2 、CuI);硝酸、炭酸、ホウ酸、リン
酸などの無機酸の塩(例えば、Cu(NO32 、Cu
CO3 ・Cu(OH)2 ・H2 O、CuB47 、Cu
3 (PO42 );ぎ酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸
の塩(例えば、Cu(HCOO)2 、Cu(CH3 CO
O)2 、Cu(C24 ));酸化物(例えば、Cu2
O、CuO);水酸化物(例えば、Cu(OH)2 )等
が挙げられる。また、銅の錯化合物としては、上記金属
銅化合物と配位性化合物との錯体が挙げられる。この
際、用いられる配位化合物としては、トリメチルアミン
等のアミン類;ピリジン等の含窒素環状化合物;トリフ
ェニルホスフィン等の有機リン化合物などが挙げられ
る。これらの中では、触媒活性、選択性(選択率)の観
点から特に塩化第一銅(CuCl) 、あるいはその錯体が好
ましく用いられる。
【0045】本発明に用いられるグリコールエーテル類
としては、下記構造式(I)で示されるものが用いられ
る。
【0046】 R1 O(CH(R2 )CH2 O)n3 … 式(I) 上記式(I)において、R1 は炭素数1〜6、好ましく
は炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のアルキ
ル基を表し、R2 は炭素数1〜2のアルキル基または水
素、好ましくは水素またはメチル基、より好ましくは水
素を表し、R3は炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜
4、より好ましくは炭素数1〜2)のアルキル基または
水素を表し、nは1〜12、好ましくは1〜6、より好
ましくは2〜4の整数を表す。R1 の炭素数が6を超え
ると、触媒成分の溶解度が低下するという不都合が生じ
る。また、R2 の炭素数が2を超えると、やはり触媒成
分の溶解度が低下するという不都合が生じる。また、R
3 の炭素数が6を超えると、やはり触媒成分の溶解度が
低下するという不都合が生じる。また、nの値が12を
超えると、触媒成分の溶解度の低下、および粘度の増大
という不都合が生じる。
【0047】このように本発明で用いられるグリコール
エーテル類は、上記の構造式(I)で示されるものであ
るが、代表的化合物はメタノール、エタノール、プロパ
ノールおよび/またはブタノール1モルに対し、酸化エ
チレンおよび/または酸化プロピレンを2〜12モル付
加したグリコールモノアルキルエーテル系化合物であ
る。また、それらの代表的化合物の別の群は上記グリコ
ールモノアルキルエーテルの末端のOH基のH をメチル
基、エチル基、プロピル基、またはブチル基等で置換し
たグリコールジアルキルエーテル系化合物である。な
お、これらのグリコールエーテル類は、1種または2種
以上の混合物を用いることができる。
【0048】このようなグリコールエーテル類は、C
O、O2 の溶解度が高いのみならず、Cu- ピリジン類錯
体等の溶解度も高く、Cu化合物の析出を回避することが
できる。これらのグリコールエーテル類は、グリコール
類とアルコールのエーテル化により容易に合成できる
が、市販品を用いることも可能である。市販品としては
東邦化学工業社製のハイソルブ等がある。グリコールエ
ーテル類はガス吸収剤として広く用いられている溶剤で
あり、各種ガス状物質の溶解性に優れる。また、化学的
に不活性で、腐食性が無く、不溶物、沈殿を形成しな
い;熱安定性が高く、溶剤劣化がない;蒸気圧が低く、
溶剤ロスが少ない等の特徴を有する。
【0049】本発明に用いられる環状窒素化合物として
は、ピリジンあるいはピリジン骨格にアルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン原子等の本反応を阻害しない置換基
を有するピリジン類、例えば、ピリジン、2-ヒドロキシ
ピリジン、2-メチルピリジン、2-エチルピリジン、2,4-
ジメチルピリジン、2-メチル 4- ヒドロキシピリジン、
2-ヒドロキシ 4- メトキシピリジン、2-ヒドロキシ 6-
クロロピリジンが挙げられる。さらには、フェナントロ
リン、ジピリジル、イミダゾール等の環状窒素化合物を
用いてもよい。これらは触媒としてのCuと錯体化合物
をつくり、上記のグリコールエーテル類に溶解する。こ
れらの中では、特に、ピリジン、2-ヒドロキシピリジ
ン、2-メチルピリジンを用いることが好ましい。
【0050】本発明の反応物質(原料)であるアルコー
ル類としては、ヒドロキシル基を有する広範囲の化合物
が使用でき、例えば、メタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−
ペンタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、
1−デカノール、1−オクタデカノール、アリルアルコ
ール、2−ブテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オ
ールなどの炭素数1〜20の飽和または不飽和脂肪族ア
ルコール;シクロヘキサノール、シクロペンタノールな
どの炭素数3〜7の脂環族アルコール;ベンジルアルコ
ール、フェネチルアルコールなどの芳香族アルコール等
が挙げられる。また、用いるアルコールとしては、一価
のアルコールに限らず、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコールなどの二価のアルコ
ールや、グリセリンなどの多価のアルコールでもよい。
これらの中では特に、反応生成物の需要の観点から、メ
タノール、エタノールが好ましく用いられる。
【0051】さらに、原料として用いられる一酸化炭素
および酸素は、それぞれ、高純度ガスである必要はな
く、窒素、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスによ
り希釈したものであってもよい。特に、反応条件下にお
いては、酸素による爆発を防止するために、不活性ガス
による希釈を行うのことが好ましい。その意味では酸素
の代わりに空気を用いてもよい。
【0052】本発明における反応液組成は、上述してき
たような金属銅、金属銅化合物または銅の錯化合物;環
状窒素化合物;上記構造式(I)で示されるグリコール
エーテル類;およびアルコール類を含有して構成され
る。従来のCuCl、ピリジン類およびメタノールの混合液
では、Cu- ピリジン類錯体が固体として析出するため炭
酸エステルの製造には適していないが、本発明に示され
るごとく所定の構造からなるグリコールエーテル類を溶
媒として加えることにより、均一な触媒系として炭酸エ
ステルの製造が可能となる。
【0053】本発明において、上記触媒としての金属
銅、金属銅化合物または銅の錯化合物に対する環状窒素
化合物のモル比は、0.1〜100の範囲、好ましく
は、0.5〜50の範囲、より好ましくは、1〜10の
範囲に設定される。この値が0.1未満となると、触媒
が均一系とならないという不都合が生じ、また、この値
が100を超えると、アルコールの存在時に触媒成分が
析出してしまうという不都合が生じる。
【0054】また、金属銅、金属銅化合物または銅の錯
化合物に対する上記構造式(I)で示されるグリコール
エーテル類のモル比は、0.5〜200の範囲、好まし
くは、1〜100の範囲、より好ましくは、3〜50の
範囲に設定される。この値が0.5未満となると、触媒
が均一系とならないという不都合が生じ、また、この値
が200を超えると、銅濃度の低下に伴い、充分な反応
速度が得られないという不都合が生じる。
【0055】また、金属銅、金属銅化合物または銅の錯
化合物に対するアルコールのモル比は、10〜700の
範囲、好ましくは、30〜500の範囲、さらに好まし
くは50〜300の範囲とされる。この値が10未満と
なると、充分な反応速度が得られないという不都合が生
じ、また、この値が700を超えても、銅濃度の低下に
伴い、充分な反応速度が得られないという不都合が生じ
る。
【0056】本発明の酸化反応工程における反応条件
は、以下のように設定される。すなわち、反応温度は、
30〜180℃、好ましくは50〜130℃、より好ま
しくは60〜100℃に設定され、酸素分圧(O2
圧)は、0.001〜10Kg/cm2 、好ましくは、
0.005〜5Kg/cm、より好ましくは、0.01
〜3Kg/cm2 に設定される。反応温度が30℃未満
となると、充分な反応速度が得られないという不都合が
生じ、この一方で、反応温度が180℃を超えると、副
生物が多くなったり、グリコールエーテル類が熱分解す
るという不都合が生じる。O2 分圧が0.001Kg/
cm2 未満となると、充分な反応速度が得られないとい
う不都合が生じ、この一方で、O2 分圧が10Kg/c
2 を超えると、グリコールエーテル類が酸化分解する
という不都合が生じる。
【0057】また、本発明のカルボニル化反応工程にお
ける反応条件は、以下のように設定される。すなわち、
反応温度は、30〜180℃、好ましくは50〜150
℃、より好ましくは60〜140℃に設定され、一酸化
炭素分圧(CO分圧)は、0.1〜50Kg/cm2
好ましくは、1〜30Kg/cm、より好ましくは、1
〜25Kg/cm2 に設定される。反応温度が30℃未
満となると、充分な反応速度が得られないという不都合
が生じ、この一方で、反応温度が180℃を超えると、
副生物が多くなったり、グリコールエーテル類が熱分解
するという不都合が生じる。また、CO分圧が0.1K
g/cm2 未満となると、充分な反応速度が得られない
という不都合が生じ、この一方で、CO分圧が50Kg
/cm2を超えると、耐圧容器(リアクター)の製造コ
ストが高くなり、経済的不都合が生じる。
【0058】このようにしてアルコール類の酸化反応お
よびカルボニル化反応が順次行われた後の反応液は、分
離槽20により所定の成分に分離され、製品として抜き
出されたりあるいは、反応槽5に戻されたりする。すな
わち、目的生成物である炭酸エステルは分離後反応槽5
から取り出され、未反応アルコール類、銅触媒、グリコ
ールエーテル類、環状窒素化合物等は、反応槽5に戻さ
れる。この循環途中(回収ライン25)で触媒液を、一
酸化炭素雰囲気下で処理し(再生処理槽30)、触媒の
還元・再生を行うことが好ましい。この一酸化炭素雰囲
気下での処理時における一酸化炭素の分圧は、1.0k
g/cm2 以上、好ましくは、5.0〜50kg/cm
2 とされる。この値が1.0kg/cm2 未満である
と、充分な触媒の再生が行われないという不都合が生じ
る。CO分圧が50kg/cm2 を超えると前述したよ
うにリアクターコストが高くなるという不都合が生じ
る。また、この一酸化炭素雰囲気下での処理時における
処理温度は、50〜180℃、好ましくは、70〜15
0℃とされる。この値が50℃未満となると、充分な触
媒の再生が行われないという不都合が生じ、この値が1
80℃を超えると、グリコールエーテル類の分解が生じ
るという不都合が生じる。このようにして一酸化炭素雰
囲気下での触媒活性処理がなされた処理液は、最初の反
応領域、すなわち酸化反応槽5まで返送され、ここで返
送された処理液は、再度、酸化およびカルボニル化反応
の触媒液として機能を果たすようになっている。
【0059】なお、本発明における炭酸エステルの製造
に際しては、上記の個々の工程を連続的に行う連続操作
とすることが望ましいが、個々の工程をバッチ処理する
ようにしてもよい。
【0060】
【実施例】以下、具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
【0061】(実施例1)触媒溶液の調製 触媒溶液として、CuCl/ピリジン/トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル/メタノール系の混合溶液を、以
下の要領で作成し、準備した。
【0062】500ml の耐熱ねじ口ビンにメタノール57.1
g 、ピリジン31.4g 、トリエチレングリコールジメチル
エーテル(東邦化学工業社製、HISOLVE MTM )77.3g を
入れ撹拌しながら徐々にCuCl 13.5gを添加した。温度を
50℃にし、撹拌を続け溶解した。
【0063】バッチ処理でのジメチルカーボネート(DM
C) の製造 (1)このように製造した触媒溶液を、リアクター(30
0ml のチタン製オートクレーブ)に仕込んだ。
【0064】(2)O2 ガスでオートクレーブをパージ
した後、80℃まで昇温し、O2 ガスを導入して、1000
r.p.m.で溶液を撹拌しながら酸化反応(酸化工程)を行
った。なお、酸化工程における酸素分圧は4Kg/cm2、反
応時間は45分とした。
【0065】上記酸化反応が終了した後に冷却し、排ガ
スをガスクロマトグラフィーを用いて測定し分析した。
【0066】(3)ゼオライト(3A型)30gを酸化
反応液に添加して、反応液内の水を脱水除去した(脱水
工程)。この脱水条件は60℃、2時間とした。脱水後
の反応液の水分は0.1wt%であった。
【0067】(4)次いで、脱水処理後の反応液を一酸
化炭素の存在下で反応させた(カルボニル化反応工
程)。すなわち、COガスでオートクレーブをパージし
た後、100℃まで昇温し、COガスを導入して、1000
r.p.m.で溶液を撹拌しながらカルボニル化反応(カルボ
ニル化反応工程)を行った。なお、カルボニル化反応工
程におけるCO分圧は25Kg/cm2、反応時間は45分と
した。
【0068】上記カルボニル化反応が終了した後に冷却
し、排ガスおよび反応液を回収して、生成物を分析し
た。
【0069】(5)カルボニル化反応工程後の排ガス中
のCO2 および反応液中のジメチルカーボネート(DM
C)の量からCO選択率を計算したところ、上記実験条
件でのCO選択率は93%であった。
【0070】COベースの選択率SCOは、 SCO=DMC生成量(mol) /(DMC生成量(mol) +C
2 生成量(mol) )×100で定義される。
【0071】(比較例1)上記実施例1において、酸化
工程後の反応液(水分1.5wt%)の脱水工程を省略
した。それ以外は、上記実施例1と同様の条件で実験を
行った。そして、カルボニル化反応工程後の排ガス中の
CO2 および反応液中のジメチルカーボネート(DM
C)の量からCO選択率を計算したところ、上記実験条
件でのCO選択率は75%であった。
【0072】(比較例2) (1)上記実施例1で用いた触媒溶液を、リアクター
(300ml のチタン製オートクレーブ)に仕込んだ。
【0073】(2)COガスでオートクレーブをパージ
した後、COガスで昇圧した後、1000r.p.m.で溶液を撹
拌しながら反応温度(100 ℃)まで昇温した。設定温度
に到達後、CO及びO2 をそれぞれ1.25mol/l・hrお
よび0.01mol/l・hrにてオートクレーブに連続的に供
給した。反応中の圧力は圧力コントロールバルブにて2
5Kg/cm2G に保ち、2時間反応させた(酸化−カルボニ
ル化反応)。
【0074】上記酸化−カルボニル化反応が終了した後
に冷却し、反応液を回収して、生成物を分析した。
【0075】(3)反応中の排ガス中のCO2 濃度と排
ガス量から求めたCO2 生成量、および反応液中のジメ
チルカーボネート(DMC)の量からCO選択率を計算
したところ、上記実験条件でのCO選択率は60%であ
った。
【0076】(実施例2)3回繰り返しバッチ処理実験でのジメチルカーボネート
(DMC) の製造 (1)上記実施例1で用いた触媒溶液を、リアクター
(300ml のチタン製オートクレーブ)に仕込んだ。
【0077】(2)O2 ガスでオートクレーブをパージ
した後、80℃まで昇温し、O2 ガスを導入して、1000
r.p.m.で溶液を撹拌しながら酸化反応(酸化工程)を行
った。なお、酸化工程における酸素分圧は4Kg/cm2、反
応時間は45分とした。
【0078】上記酸化反応が終了した後に冷却し、排ガ
スをガスクロマトグラフィーを用いて測定し分析した。
【0079】(3)リアクターから反応液を回収し、こ
れにゼオライト(3A型)30gを添加してゆっくり攪
拌し、反応液内の水を脱水除去した(脱水工程)。この
脱水条件は60℃、2時間とした。
【0080】(4)脱水処理後の反応液から、ゼオライ
トをふるい分けて除去した。
【0081】(5)COガスでオートクレーブをパージ
した後、脱水処理後の反応液をリアクター内に入れて
(再チャージ)、脱水処理後の反応液を一酸化炭素の存
在下で反応させた(カルボニル化反応工程)。すなわ
ち、COガスでパージした後、100℃まで昇温し、C
Oガスを導入して、1000r.p.m.で溶液を撹拌しながらカ
ルボニル化反応(カルボニル化反応工程)を行った。な
お、カルボニル化反応工程におけるCO分圧は25Kg/c
m2、反応時間は45分とした。
【0082】上記カルボニル化反応が終了した後に冷却
し、排ガスおよび反応液を回収して、生成物を分析し
た。
【0083】(6)反応液から触媒を回収して、さらに
上記(1)からの手順を繰り返して、合計3回の繰り返
し実験を行った。カルボニル化反応工程後の排ガス中の
CO2 および反応液中のジメチルカーボネート(DM
C)の量からCO選択率を計算したところ、いずれも
(3回とも)93%であることが確認できた。なお、上
記3回の繰り返し実験条件において脱水工程後の反応液
の水分濃度は順に、0.1、0.6、および0.3wt
%であった。
【0084】
【発明の効果】以上の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明の炭酸エステルの製造方法は、
金属銅、金属銅化合物または銅の錯化合物と、所定の構
造式で示されるグリコールエーテル類、環状窒素化合
物、および酸素との共存下でアルコール類の酸化反応
(酸化反応工程)を行った後、反応液中に含まれる水を
除去し(脱水工程)、次いで、脱水処理後の反応液を一
酸化炭素の存在下で反応させる(カルボニル化反応工
程)ように構成しているので、炭酸エステルの選択率が
極めて高い。しかも反応液の腐食性が極めて低く、実際
の工業化に適した均一触媒系での炭酸エステルの製造が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭酸エステルの製造方法に用いられる
プロセス装置の一例を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1…炭酸エステルの製造プロセス装置 3…原料供給ライン 5…酸化反応槽 10…脱水処理槽 15…カルボニル化反応槽 20…分離槽 30…触媒液の再生処理槽

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属銅、金属銅化合物または銅の錯化合
    物と、下記構造式(I)で示されるグリコールエーテル
    類、環状窒素化合物、および酸素の共存下でアルコール
    類の酸化反応(酸化反応工程)を行った後、反応液中に
    含まれる水を除去し(脱水工程)、次いで、脱水処理後
    の反応液を一酸化炭素の存在下で反応させること(カル
    ボニル化反応工程)を特徴とする炭酸エステルの製造方
    法。 R1 O(CH(R2 )CH2 O)n3 … 式(I) (式(I)中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、R2
    は炭素数1〜2のアルキル基または水素、R3 は炭素数
    1〜6のアルキル基または水素、nは1〜12の整数を
    表す)
  2. 【請求項2】 前記脱水工程における脱水処理は、反応
    液をゼオライト、または吸水性ポリマーと接触させるこ
    とにより行なわれる請求項1記載の炭酸エステルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記脱水工程における脱水処理後の反応
    液中の水分濃度が1wt%以下である請求項1または請
    求項2に記載の炭酸エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記脱水工程における脱水処理が30〜
    180℃の温度で行われる請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載の炭酸エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記環状窒素化合物が、ピリジン類であ
    る請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の炭酸エス
    テルの製造方法。
  6. 【請求項6】 金属銅、金属銅化合物または銅の錯化合
    物に対する環状窒素化合物のモル比が0.1〜100の
    範囲である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の
    炭酸エステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 金属銅、金属銅化合物または銅の錯化合
    物に対する上記構造式(I)で示されるグリコールエー
    テル類のモル比が、0.5〜200の範囲である請求項
    1ないし請求項6のいずれかに記載の炭酸エステルの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記酸化反応工程における酸化反応が、
    酸素分圧:0.001〜10Kg/cm2 、反応温度:
    30〜180℃で行われる請求項1ないし請求項7のい
    ずれかに記載の炭酸エステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記カルボニル化反応工程におけるカル
    ボニル化反応が、一酸化炭素分圧:0.1〜50Kg/
    cm2 、反応温度:30〜180℃で行われる請求項1
    ないし請求項8のいずれかに記載の炭酸エステルの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001064235A (ja) * 1999-08-27 2001-03-13 Chiyoda Corp ジアリールカーボネートの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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