JP3412079B2 - 炭酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

炭酸ジエステルの製造方法

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JP3412079B2 JP19193697A JP19193697A JP3412079B2 JP 3412079 B2 JP3412079 B2 JP 3412079B2 JP 19193697 A JP19193697 A JP 19193697A JP 19193697 A JP19193697 A JP 19193697A JP 3412079 B2 JP3412079 B2 JP 3412079B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ジエステルの
製造方法に関する。炭酸ジメチルなどの炭酸ジエステル
は、医薬、農薬等の原料として有用であるほか、近年で
はガソリンの添加剤(オクタンブースター)として、あ
るいは各種カーボネート類の製造原料として用いられる
ホスゲンに代わる反応原料として注目されているもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭酸ジエステルの製造方法と
しては、ホスゲンとアルコールを反応させる方法が知ら
れており、現実に工業化もなされている。しかしなが
ら、この方法は、副生する塩酸により装置材料が腐食す
るという問題及びホスゲンそのものが極めて強い毒性を
持っているという問題があり、ホスゲンを用いない非ホ
スゲン法の製造技術が求められていた。 このような要
望に応じるベく、Enichem社は、塩化銅(I)を
触媒として用い、メタノールの酸化カルボニル化反応に
よる炭酸ジメチルの製造を工業化している(Quad.
Ind.Chim.Ital vo1.21 No.1
(1985))。これは唯一の非ホスゲン法プラントで
ある。しかしながら、このようなEnichemプロセ
スにおいても副生する塩酸等による装置材料の腐食の問
題は完全には解決しておらず、そのため、反応器内面を
ガラスライニングする必要があり、装置の大型化への障
害となっている。さらに、Enichemプロセスで
は、十分な反応速度を得るためには14重量%以上の高
濃度の銅塩が必要とされており、反応液は、その液中に
固形分が存在するいわゆる水性スラリー液となる。その
ため、生成した炭酸エステルから固形分を分離するため
に、別途、膜分離あるいは遠心分離などの特別な工程が
必要となるという問題もある。さらに、これらの装置を
耐熱、耐圧、耐腐食性とするには大変なコストがかかる
という問題もある。リアクターから生成した炭酸ジエス
テルを気相で抜出すことにより、腐食性の触媒をリアク
ター内に残存させる方法(特開平4−270251)も
提案されているが、この方法の場合には、COガスを大
過剰に供給する必要があるため、そのCOガスのリサイ
クルにコストがかかるという問題がある。このような問
題に対して、反応系がスラリー系になるのを回避するた
めに、各種添加物を加えて均一反応系を作りだし、均一
反応系での炭酸ジエステル製造の試みもなされている。
例えば、U.S.P.Re29338(Snam Pr
ogetti)には、塩化銅と含窒素化合物からなる触
媒によるアルコールの酸化カルボニル化の実験例が開示
されている。しかしながら、この触媒の場合、塩化銅の
溶解度が低いために触媒濃度を低く制限する必要があ
り、実用的とは言えない。また、特開昭62−8135
6号公報(テキサコ・デベロップメント)には、反応系
にピリジン類を加える例が開示されているが、この場合
の反応系は均一系ではなくてスラリー系である。U.
S.P.4604242(Dow Chemica1)
には、bis(2,4−pentandianato)
copper(II)methoxide−ピリジンを用
いて均一系を達成する旨の提案がなされているが、この
場合の触媒は、用いる銅化合物が極めて特殊であり、し
かも反応速度が遅く実用的とはいえない。特開平5−1
7410号公報には、CuCl2にアルカリ土類金属の
水酸化物(Mg(OH)2等)を加えることにより触媒
を均一化し、塩化第2銅を用いた場合の欠点である塩化
メチル、ジメチルエーテル等の副生物の生成を抑えるこ
とが開示されている。しかしながら、この場合の触媒
も、工業的触媒としては、未だ満足しえるものではな
い。特開平6−25105号公報には、チタン、スズ、
ニオブ、ビスマス、モリブデン又はマンガン等の金属の
ハロゲン化物を共存させることにより、銅(I)の析出
を回避しようとしているが、このような金属ハロゲン化
物は、COの燃焼によるCO2の副生量を増加させる傾
向を示すことから、その使用は余り好ましくない。スラ
リー系を回避する別の方法として、比較的低濃度のCu
Cl2/PdCl3からなる均一触媒系を用いる方法も広
く知られている(特開平5−105642号公報、特開
平5−320098号公報、特開平5−320099号
公報等)。しかしながら、これらの方法においては、P
dを用いることによる副生物としてのシュウ酸の生成と
その生成シュウ酸と銅イオンとの反応による不溶性のシ
ュウ酸銅の生成による触媒活性の低下が指摘されてい
る。スラリー系を回避するさらに別の方法として、銅塩
あるいはその錯塩を固体に担持した触媒により気相反応
を行う方法も提案されている。例えば、U.S.P.2
625044(Dow Chemica1)や特開平2
−256651号公報には、活性炭に塩化銅あるいは銅
−ピリジン錯体を担持した触媒による気相反応が開示さ
れている。しかしながら、これらの方法は、炭酸ジエス
テルの選択性(選択率)が低く、また、ハロゲン等の飛
散に伴う触媒活性の劣化といった問題があり、未だ満足
し得る方法ではない。特開平6−210181号公報に
は、銅−トリフェニルホスフィン錯体を活性炭に担持し
た触媒による反応が開示されている。しかしながら、こ
の場合も、触媒上にはハロゲンの共存が必要であり、そ
のハロゲンやハロゲン化水素の飛散に伴う触媒活性の劣
化が問題となる。さらに、このような固定化触媒の再生
法として、ハロゲンガスやハロゲン化水素ガスを再生ガ
スとして用いて処理する方法が提案されている(特開平
6−210181号公報、特開平5−49947号公
報、特開平5−208137号公報等)。しかしなが
ら、これらの触媒再生法は、再生ガスによる反応器等の
腐食や、残留する再生ガスと原料アルコールとの反応に
よるハロゲン化アルキルの生成や、製品である炭酸ジエ
ステルの加水分解といった問題を含む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は以下の
通りである。 (i)炭酸ジエステルの選択率が高く、しかも腐食性の
低い炭酸ジエステル製造用触媒液及びその再生方法を提
供すること。 (ii)前記触媒液を用いる炭酸ジエステルの製造方法を
提供すること。 (iii)前記触媒液を用いる炭酸ジエステルの製造方法
の実施に好適な炭酸ジエステル製造装置を提供するこ
と。 本発明のさらに他の課題は以下の記載において明らかに
理解されるであろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、アルコールを一酸化
炭素及び酸素と反応させて炭酸ジエステルを製造する際
に用いた活性の低下した触媒液の再生方法であって、該
触媒液は、(i)銅化合物とともに、(ii)置換又は未
置換のピリジン、置換又は未置換のジピリジル及び置換
又は未置換のフェナントロリンの中から選ばれる少なく
とも1種の環状窒素化合物及び(iii)下記一般式
(I) 1 O〔CH(R )CH O] (I) (式中、R 1 は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 2
炭素数1〜2のアルキル基又は水素を示し、R 3 は炭素
数1〜6のアルキル基又は水素を示し、nは1〜12の
整数を示す)で表されるグリコールエーテルからなり、
該銅化合物を溶解状で含有する溶液からなる触媒液であ
り、該活 性の低下した触媒液に一酸化炭素を50〜20
0℃の温度及び0.1〜50kg/cm 2 の一酸化炭素
分圧の条件下で接触させることを特徴とする触媒液の再
生方法が提供される。さらに、本発明によれば、前記触
媒液中でアルコールに一酸化炭素及び酸素を反応させて
炭酸ジエステルを含む反応溶液を得る炭酸ジエステル生
成工程と、該反応溶液からそれに含まれる炭酸ジエステ
ルを分離する炭酸ジエステル分離工程と、該炭酸ジエス
テルを分離した後に得られる触媒液に一酸化炭素を接触
させる触媒液再生工程からなることを特徴とする炭酸ジ
エステルの製造方法が提供される。さらにまた、本発明
によれば、前記触媒液を用いる炭酸ジエステルの製造用
装置において、 (i)前記触媒液中でアルコールに一酸化炭素及び酸素
を反応させて炭酸ジエステルを生成させる反応装置、 (ii)該反応装置で得られた炭酸ジエステルを含む反応
溶液から炭酸ジエステルを分離する分離装置、 (iii)該分離装置で得られた炭酸ジエステルを分離した
後に得られる触媒液の少なくとも一部に一酸化炭素を接
触させて再生させる触媒液再生装置、を備えていること
を特徴とする前記装置が提供される。さらにまた、本発
明によれば、前記触媒液を用いる炭酸ジエステル製造用
装置において、 (i)炭酸ジエステル生成帯域を形成する筒体と、触媒
液再生帯域を形成する筒体を有すること。 (ii)それらの2つの筒体は、その上端部とその下端部
において液体的に連絡していること、 (iii)該炭酸ジエステル生成帯域を形成する筒体の下部
に、一酸化炭素と酸素を別々に又は混合物として供給す
るための供給管が配設されていること、 (iv)該炭酸ジエステル生成帯域を形成する筒体の上部
に、炭酸ジエステルを排出するための排出管が配設され
ていること、 (v)該触媒液再生帯域を形成する筒体に一酸化炭素を
供給するための供給管が配設されていること、 (vi)該2つの筒体の頂部に一酸化炭素を含むガスを排
出するための排出管が配設されていること、を特徴とす
る前記装置が提供される。さらにまた、本発明によれ
ば、前記触媒液を用いる炭酸ジエステル製造用装置にお
いて、 (i)外筒体とその内部に挿入された内筒体とからな
り、その内筒体の内部が炭酸ジエステル生成帯域に形成
され、その外筒体の内表面と内筒体の外表面との間に形
成される間隙部が触媒再生帯域に形成されている反応装
置を有すること、 (ii)該外筒体と該内筒体とは、その上端部とその下端
部において液体的に連絡していること、 (iii)該内筒体の下部に、一酸化炭素と酸素を別々に又
は混合物として供給するためのノズルが配設されている
こと、 (iv)該外筒体表面と該内筒体の外表面との間に形成さ
れる間隙部に一酸化炭素を供給するためのノズルが配設
されていること、 (v)該外筒体の上部に、炭酸ジエステルを含む液を排
出するための排出管が配設されていること、 (vi)該外筒体の頂部に、一酸化炭素を含むガスを排出
するための排出管を有すること、を特徴とする前記装置
が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる触媒液は、銅化合
物と、環状窒素化合物と、前記一般式(1)で表される
グリコールエーテルを含む均一溶液からなる。この触媒
液において、それに含まれる銅化合物は触媒液中に均一
に溶解している。銅化合物には、銅ハライド、銅無機酸
塩、銅有機酸塩及び銅錯塩等が包含される。銅化合物
は、1価の銅(I)化合物及び/又は2価の銅(II)化
合物であることができる。前記銅ハライドには、塩化
物、臭化物及びヨウ化物が包含される。その具体例とし
ては、CuCl、CuCl2、CuBr、CuBr2、C
uI等が挙げられる。前記銅無機酸塩には、硝酸塩、炭
酸塩、ホウ酸塩及びリン酸塩等が包含される。その具体
例としては、Cu(NO3)2、CuCo3・Cu(OH)2
2O、CuB47、CuPO4等が挙げられる。前記銅
有機酸塩には、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸
塩、ホスホン酸塩等が包含される。その具体例として
は、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。前記
銅錯塩には、トリメチルアミン等の鎖状アミン、ピリジ
ン等の環状アミン又はトリフェニルホスフィン等の有機
リン化合物を配位子とする銅錯塩が挙げられる。本発明
で用いる銅化合物としては、触媒活性と炭酸ジエステル
の選択性の観点から、特に、塩化第1銅(CuCl)又
はその錯体が好ましい。
【0006】本発明に用いられるグリコールエーテル類
を表す前記一般式(I)において、R1は炭素数1〜
6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1
〜2のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜2のアルキ
ル基又は水素、好ましくは水素又はメチル基、より好ま
しくは水素を示し、R3は炭素数1〜6、好ましくは炭
素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のアルキル基
又は水素を示し、nは1〜12、好ましくは1〜6、よ
り好ましくは2〜4の整数を示す。R1の炭素数が6を
超えると、銅化合物の溶解度が低下するという不都合が
生じる、また、R2の炭素数が2を超えると、やはり銅
化合物の溶解度が低下するという不都合が生じる。ま
た、R3の炭素数が6を超えると、やはり銅化合物の溶
解度が低下するという不都合が生じる。また、nの値が
12を超えると、銅化合物の溶解度の低下、及び触媒液
の粘度の増大という不都合が生じる。本発明で用いられ
るグリコールエーテルは、前記の一般式(I)で表され
るものであるが、その代表的グリコールエーテルは、メ
タノール、エタノール、プロパノールおよび/またはブ
タノール1モルに対し、酸化エチレンおよび/または酸
化プロピレンを2〜12モル付加したグリコールモノア
ルキルエーテル系化合物である。また、それらの代表的
グリコールエーテルの別の群は、上記グリコールモノア
ルキルエーテルの末端のOH基のHをメチル基、エチル
基、プロピル基、またはブチル基等の低級アルキル基で
置換したグリコールジアルキルエーテル系化合物であ
る。なお、これらのグリコールエーテル類は、単独でま
たは2種以上の混合物の形で用いることができる。この
ようなグリコールエーテル類は、CO及びO2の溶解度
が高いのみならず、Cuと環状窒素化合物との錯体の溶
解度も高く、Cu化合物の析出を回避することができ
る。これらのグリコールエーテル類は、グリコール類と
アルコールのエーテル化により容易に合成できるが、市
販品を用いることも可能である。市販品としては東邦化
学工業社製のハイソルブ等がある。グリコールエーテル
類はガス吸収剤として広く用いられている溶剤であり、
各種ガス状物質の溶解性に優れる。また、化学的に不活
性で、腐食性が無く、不溶物や沈殿を形成しない;熱安
定性が高く、溶剤劣化がない;蒸気圧が低く、溶剤ロス
が少ない等の特徴を有する。
【0007】本発明に用いられる環状窒素化合物として
は、ピリジンあるいはピリジン骨格にアルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン原子等の炭酸ジエステル生成反応を
阻害しない置換基を有するピリジン類、例えば、ピリジ
ン、2−ヒドロキシピリジン、2−メチルピリジン、2
−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2−メ
チル4−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシ4−メト
キシピリジン、2−ヒドロキシ6−クロロピリジン等が
挙げられる。さらには、置換又は未置換のフェナントロ
リン、置換又は未置換のジピリジル、置換又は未置換の
イミダゾール等の環状窒素化合物を用いてもよい。これ
らは触媒としてのCuと錯体化合物をつくり、上記のグ
リコールエーテル類に溶解する。これらの中では、特
に、ピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メチルピ
リジン、1,10−フェナントロリン、2,2’−ジピ
リジルを用いることが好ましい。
【0008】本発明で原料物質として用いられるアルコ
ール類としては、ヒドロキシル基を有する広範囲の化合
物が使用でき、例えば、メタノール、エタノール、1−
プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1
−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノー
ル、1−デカノール、1−オクタデカノール、アリルア
ルコール、2−ブテン−1−オール、2−ヘキセンー1
−オールなどの炭素数1〜20の飽和または不飽和脂肪
族アルコール;シクロヘキサノール、シクロペンタノー
ルなどの炭素数3〜7の脂環族アルコール;ベンジルア
ルコール、フェネチルアルコールなどの芳香族アルコー
ル等が挙げられる。また、用いるアルコールとしては、
一価のアルコールに限らず、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコールなどの二価のア
ルコールや、グリセリンなどの多価のアルコールでもよ
い。これらの中では特に、反応生成物の需要の観点か
ら、メタノールやエタノールが好ましく用いられる。
【0009】さらに、原料として用いられる一酸化炭素
及び酸素は、それぞれ、高純度ガスである必要はなく、
窒素、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスにより希
釈したものであってもよい。特に、反応条件下において
は、酸素による爆発を防止するために、不活性ガスによ
る希釈を行うのことが好ましい。その意味では酸素の代
わりに空気を用いてもよい。本発明で用いる炭酸ジエス
テル生成工程においては、前記触媒液中において、アル
コールと一酸化炭素と酸素とを反応させる。この場合の
反応を、銅化合物として、CuClを用いた場合の反応
例を反応式で示すと以下の通りである。
【0010】
【化1】 上記2つの反応式をまとめると、次式になる。
【化2】 2(ROH) + CO + 1/2 O2 → (RO)2CO + H2O (4) 前記式において、Rはアルコール残基を示し、Xは配位
子を示し、nはCuClに結合する配位子の数である。
【0011】本発明で用いる触媒液において、環状窒素
化合物の使用割合は、銅化合物に対するモル比で、0.
1〜100の範囲、好ましくは、0.5〜50の範囲、
より好ましくは、1〜10の範囲に設定される。この値
が0.1未満となると、未溶解の銅化合物が存在し、触
媒系が均一系とならないという不都合が生じ、また、こ
の値が100を超えると、アルコールの存在時に銅化合
物が析出してしまうという不都合が生じる。グリコール
エーテルの使用割合は、銅化合物に対するモル比で、
0.5〜200の範囲、好ましくは、1〜100の範
囲、より好ましくは、3〜50の範囲に設定される。こ
の値が0.5未満となると、触媒系が均一系とならない
という不都合が生じ、また、この値が200を超える
と、触媒液中の銅濃度が低下するために、充分な反応速
度が得られないという不都合が生じる。原料アルコール
の使用割合は、銅化合物に対するモル比で、10〜70
0の範囲、好ましくは、30〜500の範囲、さらに好
ましくは50〜300の範囲に設定される。この値が1
0未満となると、充分な反応速度が得られないという不
都合が生じ、また、この値が700を超えても、触媒液
中の銅濃度が低下するために、充分な反応速度が得られ
ないという不都合が生じる。
【0012】本発明の炭酸ジエステル生成工程における
反応条件は、以下のように設定される。すなわち、その
反応温度は、30〜200℃、好ましくは50〜150
℃、より好ましくは80〜140℃に設定され、一酸化
炭素分圧(CO分圧)は、0.1〜50kg/cm2
好ましくは、1〜30kg/cm2、より好ましくは、
1〜25kg/cm2に設定され、酸素分圧(O2分圧)
は、0.001〜10kg/cm、好ましくは、0.0
05〜5kg/cm2、より好ましくは、0.01〜3
kg/cm2に設定される。反応温度が30℃未満とな
ると、充分な反応速度が得られないという不都合が生
じ、一方、反応温度が200℃を超えると、副生物が多
くなったり、グリコールエーテル類が熱分解するという
不都合が生じる。また、CO分圧が0.1kg/cm2
未満となると、充分な反応速度が得られないという不都
合が生じ、一方、CO分圧が50kg/cm2を超える
と、耐圧容器(リアクター)の製造コストが高くなり、
経済的不都合が生じる。また、O2分圧が0.001k
g/cm2未満となると、充分な反応速度が得られない
という不都合が生じ、一方、O2分圧が10kg/cm2
を超えると、グリコールエーテル類が酸化分解するとい
う不都合が生じる。
【0013】本発明における炭酸ジエステル生成反応
は、回分方式又は流通方式のいずれの方式によっても実
施することができる。 (回分方式)触媒液を反応器に仕込み、この反応器に、
CO及びO2を供給する。反応器の形式は、気液接触を
充分に達成し得ることのできる反応器であればよく、撹
拌槽や、気泡塔等の従来公知の各種の反応器を用いるこ
とができる。この回分方式の反応においては、COの供
給量は、銅化合物1モル当り、8〜200mol/h
r、好ましくは10〜100mol/hrであり、O2
の供給量は、0.08〜4mol/hr、好ましくは
0.1〜2mol/hrである。生成した炭酸ジエステ
ルは、気相として反応器から回収され、さらに残液にア
ルコールおよびピリジン類、グリコールエーテル類の補
充量を加えて2回目以降の反応が行なわれる。また、炭
酸ジエステルを液相として反応器から回収し、蒸留塔で
これを蒸留して回収することもできる。この場合は、蒸
留塔の釜残液(Cu触媒と環状窒素化合物とグリコール
エーテル類を含む)を反応器に返送し、反応器にさらに
アルコール、環状窒素化合物、グリコールエーテル類の
補充量を加えて2回目以降の反応が行なわれる。液相抜
き出し法は、一般に蒸留塔で生成物を分離するため、気
相抜き出し法と較べると効率がよい。炭酸ジエステルの
生成工程においては、前記反応式(2)と反応式(3)
を一度に行うのではなくて、それらの反応を別別に順次
行うことも可能である。この場合、まず最初に上記触媒
液を反応器に仕込み、O2分圧を0.001〜10kg
/cm2とし、温度30〜150℃で反応させた後、O2
を除去する。ついで、CO分圧を0.1〜50kg/c
2とし、温度30〜180℃で反応させることにより
炭酸ジエステルを生成させることができる。
【0014】(流通方式)反応系に連続的にアルコー
ル、COおよびO2、さらに必要に応じて環状窒素化合
物、グリコールエーテル類の補充量を加え、この一方で
連続的に反応生成物(炭酸ジエステル)を抜き出して回
収する方法である。反応器の形式は、撹拌槽、気泡塔な
どの従来公知の各種のものが用いられる。反応生成物の
抜き出しは、気相抜き出し、液相抜き出しのいずれの方
式でもよい。後者の場合、通常、外部に設置された蒸留
装置等で反応生成物を分離し、蒸留装置の釜残液(Cu
触媒、環状窒素化合物、グリコールエーテル類を含む)
は連続的に反応器に返送される。液相抜きだし法は、一
般に蒸留塔で生成物を分離するため、気相抜き出し法と
較べると効率がよい。また、この流通方式の反応におい
ても、前記反応(2)及び反応(3)を別々に行うこと
ができる。すなわち、2つの反応器を直列につなぎ、そ
れぞれの反応器内で反応(2)の酸化工程と反応(3)
のカルボニル化工程を逐次行えばよい。それぞれの工程
におけるCO分圧、O2分圧、温度等の反応条件は、前
記回分式の場合と同様である。酸化工程とカルボニル化
工程とを別々に行うことにより、COとO2の混合によ
る爆発混合気の形成を回避することができる。このよう
なシステムを組むことができるのは、本発明の触媒が安
定な均一系触媒であるためである。本発明の触媒液は、
反応後には、その活性が低下するが、このような活性低
下した触媒液は、これに一酸化炭素を接触させることに
より、再生することができる。触媒液再生のための活性
低下した触媒液と一酸化炭素との接触は、0.1kg/
cm2以上、好ましくは0.5kg/cm2以上の一酸化
炭素分圧下で行われる。一酸化炭素分圧の上限値は特に
制約されないが、50kg/cm2程度である。このC
O分圧が0.1kg/cm2未満であると、充分な触媒
液の再生が行われないという不都合が生じる。CO分圧
が50kg/cm2を超えると装置コストが高くなると
いう不都合が生じる。また、この触媒液とCOとの接触
温度は、50〜200℃、好ましくは、70〜150℃
である。この接触温度が50℃未満となると、充分な触
媒液の再生が行われないという不都合が生じ、この接触
温度が200℃を超えると、グリコールエーテル類の分
解が生じるという不都合が生じる。このようにして得ら
れる再生触媒液は、炭酸ジエステル生成工程における触
媒液として使用することができる。活性低下した触媒液
を再生する場合、その全てを再生処理する必要はなく、
活性低下した触媒液の一部を再生し、この再生触媒液と
未再生触媒液との混合液を反応系に供給することができ
る。この触媒液の再生は、炭酸ジエステルを製造する反
応装置内で行ってもよく、また、その反応装置とは別に
設けた触媒液再生装置で行ってもよい。
【0015】次に、本発明を図面を参照して説明する。
図1は、本発明を実施する場合のフローシートの1例を
示す。図1において、5は反応装置、6は炭酸ジエステ
ル分離装置、9は触媒液再生装置を示す。反応装置は、
触媒液中でアルコールとCOとO2とを反応させて炭酸
ジエステルを生成させるため反応装置であり、撹拌型の
反応装置である。 炭酸ジエステル分離装置6は、触媒
液から炭酸ジエステルを蒸気状で分離するための装置で
あり、フラッシャーや、蒸留塔が用いられる。触媒液再
生装置9は、炭酸ジエステルが分離された後の触媒液を
再生するための装置であり、気液接触装置が用いられ
る。図1に示すフローシートに従って炭酸ジエステルを
製造するには、触媒液を充填した反応装置5に対し、ラ
イン11、12及び13を通して、それぞれ、O2、C
O及びアルコールを供給して触媒液中でアルコールとC
OとO2とを反応させて炭酸ジエステルを生成させる。
反応装置5においては、触媒液と炭酸ジエステルと未反
応アルコールとからなる反応溶液が得られるが、このも
のは、ライン5aを通って炭酸ジエステル分離装置6に
導入される。未反応のO2/CO混合ガスは、ライン1
4を通し、凝縮器15を通って系外へ排出される。凝縮
器15において、ガス中に含まれるアルコール等の凝縮
性化合物が凝縮される。炭酸ジエステル分離装置6に導
入された反応生成液からは、それに含まれる炭酸ジエス
テルと未反応アルコールが蒸気状でライン6bを通って
分離され、触媒液は液体成分として分離装置内に残留す
る。分離装置6内の触媒液は、ライン6aを通って再生
装置9に導入され、ここでCOと接触して再生される。
再生装置9でCOと接触して再生された触媒液はライン
9aを通って反応装置5に返送され、一方、未反応のC
Oはライン9bを通って反応装置5に導入される。前記
のようにして、炭酸ジエステルを連続的に生成させるこ
とができ、また、触媒液を連続的に再生することができ
る。図1に示したフローシートにおいて、原料アルコー
ルは、必ずしもライン13を通して反応装置5に供給す
る必要はなく、必要に応じてその一部又は全部を、ライ
ン16を通して再生装置9に導入し、この再生装置9か
らライン9aを通して反応装置5に供給することもでき
る。また、分離装置6からライン6aを通して分離され
た触媒液の一部は、再生装置9に送らずに、直接反応装
置5に導入することもできる。
【0016】図2は、本発明を実施するための装置の模
式図を示す。この装置は気泡反応器タイプの装置であ
り、炭酸ジエステル生成帯域Z1を形成する筒状の反応
筒体21と、触媒液再生のための再生域Z2を形成する
筒状の再生筒体25とからなり、それらの各筒体21と
25とは、その上端部において連通筒体21aで連結さ
れ、その下端部において連通筒体21bで連結され、全
体としてはループ構造を形成している。反応筒体21と
再生筒体25には触媒液を充填する。この場合、触媒液
には、反応原料であるアルコールをあらかじめ混合する
ことができる。反応筒体21の下部には、ライン22を
通してO2/CO混合ガスが導入され、ライン23を通
ってアルコールが導入される。このO2/CO混合ガス
の導入により、筒体21には気泡を含む反応溶液の上昇
流が生じる。この上昇流を形成する反応溶液は、筒体2
1の上部において気泡を放出した後、筒体25に流入
し、その筒体25内を下降し、筒体25内には下降流が
生じる。筒体21と筒体25との間には矢印で示す流れ
方向の循環流が形成される。図2に示した炭酸ジエステ
ル製造用装置において、炭酸ジエステル生成帯域Z1
は、アルコールとCOとO2との反応による炭酸ジエス
テル生成反応が起り、触媒液再生帯域Z2では、触媒液
とCOとの接触により触媒液の再生が起る。ライン22
から反応筒体21に導入されるO2/CO混合ガスにお
いて、COの供給量をO2の供給量よりも化学量論的量
において過剰量とすることにより、即ち、O21モル当
り2モル以上のCOを用いることにより、反応筒体21
の上部から連通筒21aを通って再生筒体25に導入さ
れる触媒液中にはCOを溶存させることができ、この触
媒液中のCOの作用により触媒液は再生される。再生さ
れた触媒液は、筒体25の下部から連通筒21bを通っ
て筒体21の下部に導入される。再生筒体25には、必
要に応じ、触媒液の再生を促進させるために、その循環
流に大きく影響しない程度のCOを、ライン24を通し
て導入することもできる。炭酸ジエステルと未反応アル
コールとからなる反応生成液は、反応筒体21の上部よ
りライン26を通して外部へ排出される。未反応COガ
スは凝縮器27を通り、ライン28を通って外部へ排出
される。
【0017】図3に、本発明の方法の実施に用いられる
反応装置の他の模式図を示す。この装置は、筒体(外
筒)31と、その筒体31内に同心状に挿入された筒体
(内筒)35とからなる。内筒35の上端35a及び下
端35bは開口端に形成され、その外側の外筒31と連
通している。外筒31の内表面と内筒35の外表面との
間に形成される間隙部31aは、触媒液の再生帯域Z2
を形成し、内筒35の内部は炭酸ジエステル生成帯域Z
1を形成する。外筒31内及び内筒35内には触媒液を
充填する。内筒35の下部には、O2/CO混合ガスが
ライン32及びガス噴出ノズルを通して導入され、原料
アルコールがライン33を通って導入される。このO2
/CO混合ガスの導入により内筒35には、内部に気泡
を含み、密度の低められた反応溶液からなる上昇流が形
成され、この上昇流は内筒35の上端開口35aを出た
後、その内部に含まれる気体(CO)を放散し、密度の
大きい触媒液として、外筒31を下降し、内筒35の下
端開口35bを通して内筒35内に入る。このようにし
て、外筒31と内筒35との間には、矢印で示す流れ方
向の循環流が形成される。図3に示した炭酸ジエステル
製造用装置において、炭酸ジエステル生成帯域Z1
は、アルコールとCOとO2との反応による炭酸ジエス
テル生成反応が実施され、触媒液再生帯域Z2では、触
媒液とCOとの接触により触媒液の再生が実施される。
ライン32から内筒35に導入されるO2/CO混合ガ
スにおいて、COの供給量をO2の供給よりも化学量論
的量で過剰量とすることにより、間隙部31a内を下降
する触媒液中にCOを溶存させることができ、この触媒
液中のCOの作用により触媒液は再生される。再生され
た触媒液は、間隙部31aの下部から内筒35内にその
開口端35bから導入される。間隙部31aには、必要
に応じ、触媒液の再生を促進させるために、その循環流
に大きく影響しない程度のCOを、ライン34を通して
導入することもできる。炭酸ジエステルと未反応アルコ
ールとからなる反応生成液は、外筒31の上端部よりラ
イン36を通して外部へ排出される。未反応ガスは、凝
縮器37を通り、ライン38を通って外部へ排出され
る。図2及び図3に示される装置においては、液攪拌の
動力等が必要とされず、エネルギー消費が少なくて済む
ということ、形状がシンプルであり、装置構造が簡単に
なること、塔形状であることから装置の大型化が容易で
あること等のメリットがある。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0019】実施例1 (触媒液Iの調製)200mlのスクリュー栓付き三角
フラスコを準備し、この中にピリジン28.1gを秤取
り、このピリジン液に攪拌下で12gのCuClを徐々
に加えていった。CuCl添加後、すぐに、トリエチレ
ングリコールジメチルエーテル(東邦化学工業社製、H
ISOLV MTM)を69.2g加えた。CuCl添
加後の状態のままで放置していると、固体になってしま
うので、CuCl添加後の状態が溶液状であるうちにト
リエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。わ
ずかに固体が存在したので、温度を約50℃まで上げ
て、しばらくの間、攪拌を続けると、均一溶液になっ
た。この均一溶液を触媒液Iとした。この溶液にメタノ
ール51.1gを加えたところ、CuClの析出は見ら
れず濃緑色の均一溶液が得られた。
【0020】実施例2 (触媒液IIの調製)実施例1において、13.5gのC
uCl、31.4gのピリジン、77.3gのトリエチ
レングリコールジメチルエーテルを用いた以外は同様に
して均一溶液からなる触媒液IIを調製した。
【0021】比較例1 (比較触媒液Iの調製)実施例1において、トリエチレ
ングリコールジメチルエーテルを用いない以外は同様に
して実験を行った。この場合に得られた触媒液は均一溶
液であったが、これにメタノールを加えると、固形分が
析出し、スラリー液が得られた。このものは撹拌下で5
0℃に加熱しても、固形分は溶解せずに、スラリーのま
まであった。
【0022】実施例3 (炭酸ジメチルの合成)実施例2で得た触媒液IIの12
2.2gを300m1のオートクレーブ(ハステロイC
製、耐圧50kg/cm2)の中に仕込み、さらにメタ
ノール57.1gを加えた。COガスでオートクレーブ
内をパージした後、COガスで25kg/cm2まで昇
圧した。その後、さらに1000r.p.m.で、反応
溶液を攪拌しながら、130℃まで昇温した。設定温度
に到達し、状態が安定した後、COガス及びO2ガスの
供給をそれぞれ開始して反応を開始させた。COガスの
供給量は、1.25mo1/hr、O2ガスの供給量
は、0.1mo1/hrとした。5時間後、反応溶液の
サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーでジメチル
カーボネート(炭酸ジメチル)(DMC)の濃度を測定
した。この実験結果より、ジメチルカーボネート(DM
C)は、30.9g生成しており、銅利用率は561%
であることが確認された。また、試験開始後5時間目の
メタノールベースの選択率SMは80%、COベースの
選択率SCOは、60%(2時間目)〜40%(4時間
目)であった。 反応生成液は均一溶液であることが確
認され、また、実験終了時におけるハステロイC製リア
クターには腐食は何ら見当たらなかった。なお、銅利用
率(%)は、(DMC生成量(mo1)×2/仕込みの
銅塩(mo1))×100で定義される。また、メタノ
ールベースの選択率SM(%)は、次式で定義される。 SM=DMC生成量(mol)×2/メタノール消費(mol)×
100 COベースの選択率SCO(%)は、次式で定義される。 SCO=DMC生成量(mol)/CO消費量(mol)×100
【0023】実施例4 (流通方式による炭酸ジメチルの合成)実験装置として
は、図4に示した装置系を用いた。図4において、51
は反応装置を示し、52は第1冷却器を示し、53は炭
酸ジメチル受器を示し、54は第2冷却器を示し、55
はO2メータを示し、56はガスメータを示す。CuC
lの1.3重量部とピリジン2.9重量部とトリエチレ
ングリコールジメチルエーテル49.6重量部からなる
触媒液とメタノール46.2重量部との混合液200m
lを、ハステロイC製反応装置51に仕込んだ。混合液
(反応溶液)を1000r.p.m.で撹拌しながらか
つCOを1.25mol/hrで供給しながら100℃
に昇温した後、O2/CO2混合ガスをライン58を通し
て反応装置51内にその底部から供給し、メタノール/
ピリジン混合液をライン57を通して反応装置51の下
部に供給した。反応装置51内の全分圧を25kg/c
2G(CO分圧は約24.5kg/cm2)に保持し、
2を0.1mol/hrで供給した。メタノール/ピ
リジン混合液のピリジン濃度は0.5wt%であり、こ
の混合液は、反応装置内の液レベルが一定となるように
供給した。反応装置51の上部から、炭酸ジメチル、メ
タノール、ピリジン、H2O及びCOからなる混合物を
気相で抜出し、これを第1冷却器52に導入した。この
冷却器52は、10℃の温度と1kg/cm2Gの圧力
に保持した。この第1冷却器52で得られた凝縮液は、
これを受器53に導入し、一方、気相の混合物は、これ
を第2冷却器54に導入した。第2冷却器54には4℃
の冷媒を循環させ、大気圧で操作した。この冷却器54
において得られたガス状物(排ガス)は、これをO2
ータ及びガスメータ56を通して排出した。一方、凝縮
液は、これを受器53に導入した。前記実験開始後、
0.5時間目、1時間目、2時間目、3時間目及び4時
間目において、ガスメータ56を通る排ガスをサンプリ
ングしてその排ガス中のCO2、CO、炭酸ジメチル、
メタノール及びO2の各濃度をガスクロマトグラフィー
で測定した。また、同時に、受器53内に回収された液
状物中のメタノール、ピリジン、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、炭酸ジメチルの各濃度をガスクロ
マトグラフィーで測定し、さらに、液状物中の水をカー
ルフィシャー法で測定した。前記測定結果に基づいて、
炭酸ジメチルに関するCO基準選択率S(CO)とメタ
ノール基準選択率S(M)を算出し、これらの算出値を
表1に示す。前記S(CO)は次式で表される。 S(CO)={1−A/(B−C)}×100(%) A:排ガス中のCO2濃度(vol%) B:供給ガス中のO2濃度(vol%) C:排ガス中のO2濃度(vol%) 前記S(M)は次式で表される。 S(M)=D/E×2×100(%) D:生成した炭酸ジメチル量(mol) E:消費されたメタノール量(mol)
【0024】
【表1】 前記実験において、4時間の操作時間にわたっての炭酸
ジメチルの反応溶液1リットル当りの生産性は、0.5
9mol/hr・Lであった。また、前記実験において
は、CO2以外の副生物は認められなかった。
【0025】実施例5 (炭酸ジメチルの合成)実施例2の触媒液及びメタノー
ル57.1gを300mlのハステロイC製オートクレ
ーブに仕込んだ。まず、最初に酸化工程を行った。すな
わち、O2ガスでオートクレーブ内をパージした後、1
400r.p.m.で、反応溶液を攪拌しながら、70
℃まで昇温した。その後、O2ガスで4kg/cm2まで
昇圧して、反応を開始した。2時間後、温度調節を停止
し反応液の温度を40℃以下に下げた。次いで、カルボ
ニル化工程を行った。すなわち、脱圧した後に、COガ
スでオートクレーブ内をパージした後、1400r.
p.m.で、反応溶液を攪拌しながら、120℃まで昇
温した。その後、COガスで25kg/cm2まで昇圧
して、反応を開始した。2時間後、温度調節を停止し反
応溶液の温度を40℃以下に下げた。そして、反応溶液
サンプルおよびガスサンプルを採取し、ガスクロマトグ
ラフィーで分析したところ、3.8gのジメチルカーボ
ネートが生成しており、CO選択性は76%であった。
【0026】比較例2 (炭酸ジメチルの合成)ピリジン19gと24gのCu
Clと120gのメタノールからなる混合液を比較例1
と同様にして調製した。この混合液中には、固形分が存
在し、混合液はスラリー状を示した。この混合液を30
0mlのハステロイC製オートクレーブに仕込んだ。
まず、最初に酸化工程を行った。すなわち、O2ガスで
オートクレーブ内をパージした後、1400r.p.
m.で、反応溶液を攪拌しながら、70℃まで昇温し
た。その後、O2ガスで4kg/cm2まで昇圧して、反
応を開始した。45分後、温度調節を停止し反応液の温
度を40℃以下に下げた。次いで、カルボニル化工程を
行った。すなわち、脱圧した後に、COガスでオートク
レーブ内をパージした後、1400r.p.m.で、反
応溶液を攪拌しながら、120℃まで昇温した。その
後、COガスで25kg/cm2まで昇圧して、反応を
開始した。45分後、温度調節を停止し反応溶液の温度
を40℃以下に下げた。そして、反応溶液サンプルを採
取し、ガスクロマトグラフィーでジメチルカーボネート
(DMC)濃度を測定した。この実験結果より、ジメチ
ルカーボネートの生成は、確認できたものの、反応溶液
の約80%はゲル状の固体となっており、とても実用に
適するといえるものではなかった。
【0027】実施例6〜10 (炭酸ジメチルの合成)実施例3において、オートクレ
ーブに仕込む触媒液とメタノールとの混合液として、表
2に示す成分組成の混合液を用いた以外は同様にして実
験を行った。この実験における5時間後の炭酸ジメチル
の生成量を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例11〜15 (炭酸ジメチルの合成)実施例3において、オートクレ
ーブに仕込む触媒液とメタノールとの混合液として、表
3に示す成分組成の混合液を用いた以外は同様にして実
験を行った。この実験における5時間後の炭酸ジメチル
の生成量を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】実施例16 (炭酸ジメチルの合成)メタノール114.2g、ピリ
ジン7.85g、トリエチレングリコールジメチルエー
テル77.3gからなる混合液に、3.85gのCuC
lを溶解させて触媒液とメタノールとの混合液を得た。
この混合液を300mlのオートクレーブ(チタン製、
耐圧50kg/cm2G)に仕込んだ。COガスでオー
トクレーブをパージした後、COガスで25kg/cm
2まで昇圧した後、1000r.p.m.で反応溶液を
攪拌しながら反応温度100℃まで昇温した。設定温度
に到達後、CO及びO2をそれぞれ1.25mo1/h
r及び0.10mo1/hrで連続的にオートクレーブ
に供給した。反応中の圧力を圧力コントロールバルブに
て25kg/cm2に保った。反応開始後、3時間目の
反応溶液中の炭酸ジメチルの濃度をガスクロマトグラフ
ィーで測定した。また、反応開始後1時間毎の排気ガス
中の酸素濃度及びCO2濃度(副生物として生成)を測
定した。前記測定結果より、炭酸ジメチル44gが生成
しており、銅利用率は2900%であることが確認され
た。また、メタノールベースの選択率SMは、98%、
COベースの選択率SCOは、78%(1時間目)〜68
%(3時間目)であった。
【0032】実施例17 (触媒液の再生) (1)前記実施例16により行ったバッチ処理での炭酸
ジメチル(DMC)の製造実験において回収した反応溶
液を、ロータリーエバポレータにて蒸発処理して、未反
応メタノール、生成DMC、水を除去するとともに、一
部のピリジンを除去した。得られた触媒液に、前記実施
例16で示した仕込み量と同じ量にすべくメタノールと
ピリジンを加えて均一混合液を調製し、これをオートク
レーブに仕込んだ。 (2)次に、オートクレーブ内をCOガスでオートクレ
ーブをパージした後、COガスで25kg/cm2まで
昇圧した後、1000r.p.m.で反応溶液を攪拌し
ながら反応温度(100℃)まで昇温し30分間維持し
て、触媒液を再生した。 (3)次に、CO及びO2をそれぞれ1.25mo1/
hr及び0.10mo1/hrの割合で連続的にオート
クレーブに供給を開始し、反応を開始した。反応中の圧
力は、圧力コントロールバルブにて25kg/cm2
保った。反応開始後、3時間目の反応溶液中のDMCを
測定した。また、反応開始後、1時間毎の排気ガス中の
酸素濃度及びCO2濃度(副生物として生成)を測定し
た。前記した(1)、(2)、(3)の操作を3回繰り
返した。前記実験結果を表4に示した。この実験中、チ
タン製オートクレーブに腐食はみられなかった。また、
反応溶液は均一であった。
【0033】
【表4】
【0034】実施例18 (流通方式による炭酸ジメチルの合成)実験装置として
は、図5に示した装置系を用いた。図5において、60
はリサイクルポンプを示し、61は反応装置を示し、6
2はフラッシャーを示し、63は受器を示し、64は冷
却器を示し、65はO2メータを示し、66はガスメー
タを示す。1.3重量部のCuClとピリジン3.9重
量部と、トリエチレングリコールジメチルエーテル3
8.1重量部からなる触媒液とメタノール56.3重量
部との混合液200mlを、ハステロイC製反応装置6
1に仕込み、また、その混合液の60mlをフラッシャ
ー62に仕込んだ。反応装置61において、混合液(反
応溶液)を1000r.p.m.で撹拌しながらかつC
Oを1.25mol/hrで供給しながら、反応装置6
1及びフラッシャー62を100℃に昇温した。反応装
置61の圧力は25kg/cm2Gとし、フラッシャー
62の圧力は絶対圧で0.8kg/cm2とした。次
に、O2/CO混合ガスをライン68を通して反応装置
61に供給し、メタノール/ピリジン混合液をライン6
7を通して反応装置61に供給した。O2の供給速度は
0.1mol/hrとした。反応装置内のCO分圧は、
排ガス組成分析より、24〜24.8kg/cm2、O2
分圧は0.02〜0.12kg/cm2であった。メタ
ノール/ピリジン混合液中のピリジン濃度は0.75w
t%であり、この混合液は、フラッシャー内の液レベル
が一定となる流量(1.5〜2.5mol/hr)で供
給した。反応装置61から反応溶液の一部を気液混相で
抜出し、フラッシャー62に導入し、ここでフラッシュ
させた。このフラッシャーの温度は100℃であり、圧
力は絶対圧で0.8kg/cm2である。このフラッシ
ャー62において、反応溶液中に含まれる気体(CO)
が反応溶液から分離されるとともに、反応溶液中に含ま
れる炭酸ジメチル、メタノール、ピリジン、水及びトリ
エチレングリコールのそれぞれの一部が気相で冷却器6
4に送られ、ここで凝縮液として回収される。冷却器6
4に導入されたCOからなる排ガスは、O2メータ65
及びガスメータ66を通って排出される。フラッシャー
62内の残液は、リサイクルポンプ60により、流量8
ml/minで反応装置61に返送される。反応装置6
1に供給されるO2の殆どは、その反応装置61におい
て反応して消費されるので、フラッシャー62内の雰囲
気は実質上COのみからなる。従って、このフラッシャ
ー内においては、触媒液とCOとの接触が起り、触媒液
は再生される。前記のようにして長時間連続運転を行っ
た。その反応結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】本発明で用いる触媒液は、炭酸ジエステ
ルの生成反応を選択的に促進させる作用にすぐれ、しか
も、この触媒液にアルコールを含有させても、銅化合物
の析出はなく、反応系内には均一溶液として存在する。
従って、この触媒液を用いることにより、炭酸ジエステ
ルを選択性よくかつ収率よく製造することができ、しか
も、得られた反応生成物からの炭酸ジエステルの回収を
容易に行うことができる。この触媒液を用いて得られる
反応生成液は、固形分を含まない均一溶液であることか
ら、直接蒸留処理することが可能であり、高純度の炭酸
ジエステルを容易に得ることができる。また、前記触媒
液は、触媒液として用いられている従来のメタノール/
CuCl混合液に比べて、その腐食性は大幅に低減され
たものであり、該触媒液を用いる場合、反応装置材料と
しては、比較的安価なハステロイCや、チタンを用いる
ことができる。さらに、該触媒液は、その再生が容易で
あり、活性低下した触媒液は、これをCOと接触させる
ことによって再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する場合のフローシートの1例を
示す。
【図2】本発明を実施するための装置の模式図の1例を
示す。
【図3】本発明を実施するための装置の他の模式図を示
す。
【図4】実施例4で用いた実験装置の系統図を示す。
【図5】実施例18で用いた実験装置の系統図を示す。
【符号の説明】
5 反応装置 6 炭酸ジエステル分離装置 9 触媒再生装置 21 反応筒体 25 再生筒体 31 外筒 35 内筒 51 反応装置 52 第1冷却器 53 炭酸ジエステル受器 54 第2冷却器 60 リサイクルポンプ 61 反応装置 62 フラッシャー 64 冷却器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平4−108765(JP,A) 特開 平2−40347(JP,A) 特開 平6−277517(JP,A) 特開 平9−183756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 C07C 68/00 C07C 69/96

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコールを一酸化炭素及び酸素と反応
    させて炭酸ジエステルを製造する際に用いた活性の低下
    した触媒液の再生方法であって、該触媒液は、(i)銅
    化合物とともに、(ii)置換又は未置換のピリジン、置
    換又は未置換のジピリジル及び置換又は未置換のフェナ
    ントロリンの中から選ばれる少なくとも1種の環状窒素
    化合物及び(iii)下記一般式(I) 1 O[CH(R )CH O] (I) (式中、R 1 は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 2
    炭素数1〜2のアルキル基又は水素を示し、R 3 は炭素
    数1〜6のアルキル基又は水素を示し、nは1〜12の
    整数を示す)で表されるグリコールエーテルからなり、
    該銅化合物を溶解状で含有する溶液からなる触媒液であ
    り、該 活性の低下した触媒液に、一酸化炭素を50〜2
    00℃の温度及び0.1〜50kg/cm2の一酸化炭
    素分圧の条件下で接触させることを特徴とする触媒液の
    再生方法。
  2. 【請求項2】 該触媒液の銅化合物に対する環状窒素化
    合物のモル比が、0.1〜100の範囲である請求項1
    の方法。
  3. 【請求項3】 該触媒液の銅化合物に対するグリコール
    エーテルのモル比が、0.5〜200の範囲である請求
    項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 (i)銅化合物とともに、(ii)置換又
    は未置換のピリジン、置換又は未置換のジピリジル及び
    置換又は未置換のフェナントロリンの中から選ばれる少
    なくとも1種の環状窒素化合物及び(iii)下記一般式
    (I) 1 O[CH(R )CH O] (I) (式中、R 1 は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 2
    炭素数1〜2のアルキル基又は水素を示し、R 3 は炭素
    数1〜6のアルキル基又は水素を示し、nは1〜12の
    整数を示す)で表されるグリコールエーテルからなり、
    該銅化合物を溶解状で含有する溶液からなる触 媒液中で
    アルコールに一酸化炭素及び酸素を反応させて炭酸ジエ
    ステルを含む反応溶液を得る炭酸ジエステル生成工程
    と、該反応溶液からそれに含まれる炭酸ジエステルを分
    離する炭酸ジエステル分離工程と、該炭酸ジエステルを
    分離した後に得られる触媒液に一酸化炭素を接触させる
    触媒液再生工程からなることを特徴とする炭酸ジエステ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】 該触媒液の銅化合物に対する環状窒素化
    合物のモル比が、0.1〜100の範囲である請求項4
    の方法。
  6. 【請求項6】 該触媒液の銅化合物に対するグリコール
    エーテルのモル比が、0.5〜200の範囲である請求
    項4又は5のいずれかの方法。
  7. 【請求項7】 反応時における酸素分圧が、0.001
    〜10kg/cm2である請求項4〜6のいずれかの方
    法。
  8. 【請求項8】 反応時における一酸化炭素分圧が、0.
    1〜50kg/cm2である請求項4〜7のいずれか
    方法。
  9. 【請求項9】 反応温度が、30〜200℃である請求
    のいずれかの方法。
  10. 【請求項10】 (i)銅化合物とともに、(ii)置換
    又は未置換のピリジン、置換又は未置換のジピリジル及
    び置換又は未置換のフェナントロリンの中から選ばれる
    少なくとも1種の環状窒素化合物及び(iii)下記一般
    式(I) 1 O[CH(R )CH O] (I) (式中、R 1 は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 2
    炭素数1〜2のアルキル基又は水素を示し、R 3 は炭素
    数1〜6のアルキル基又は水素を示し、nは1〜12の
    整数を示す)で表されるグリコールエーテルからなり、
    該銅化合物を溶解状で含有する溶液からなる 触媒液を用
    いる炭酸ジエステルの製造用装置において、 (i)前記触媒液中でアルコールに一酸化炭素及び酸素
    を反応させて炭酸ジエステルを生成させる反応装置、 (ii)該反応装置で得られた炭酸ジエステルを含む反応
    溶液から炭酸ジエステルを分離する分離装置、 (iii)該分離装置で得られた炭酸ジエステルを分離した
    後に得られる触媒液の少なくとも一部に一酸化炭素を接
    触させて再生させる触媒液再生装置、を備えていること
    を特徴とする前記装置。
  11. 【請求項11】 (i)銅化合物とともに、(ii)置換
    又は未置換のピリジ ン、置換又は未置換のジピリジル及
    び置換又は未置換のフェナントロリンの中から選ばれる
    少なくとも1種の環状窒素化合物及び(iii)下記一般
    式(I) 1 O〔CH(R )CH O] (I) (式中、R 1 は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 2
    炭素数1〜2のアルキル基又は水素を示し、R 3 は炭素
    数1〜6のアルキル基又は水素を示し、nは1〜12の
    整数を示す)で表されるグリコールエーテルからなり、
    該銅化合物を溶解状で含有する溶液からなる 触媒液を用
    いる炭酸ジエステル製造用装置において、 (i)炭酸ジエステル生成帯域を形成する筒体と、触媒
    液再生帯域を形成する筒体を有すること。 (ii)それらの2つの筒体は、その上端部とその下端部
    において液体的に連絡していること、 (iii)該炭酸ジエステル生成帯域を形成する筒体の下部
    に、一酸化炭素と酸素を別々に又は混合物として供給す
    るための供給管が配設されていること、 (iv)該炭酸ジエステル生成帯域を形成する筒体の上部
    に、炭酸ジエステルを排出するための排出管が配設され
    ていること、 (v)該触媒液再生帯域を形成する筒体に一酸化炭素を
    供給するための供給管が配設されていること、 (vi)該2つの筒体の頂部に一酸化炭素を含むガスを排
    出するための排出管が配設されていること、を特徴とす
    る前記装置。
  12. 【請求項12】 (i)銅化合物とともに、(ii)置換
    又は未置換のピリジン、置換又は未置換のジピリジル及
    び置換又は未置換のフェナントロリンの中から選ばれる
    少なくとも1種の環状窒素化合物及び(iii)下記一般
    式(I) 1 O〔CH(R )CH O] (I) (式中、R 1 は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 2
    炭素数1〜2のアルキル基又は水素を示し、R 3 は炭素
    数1〜6のアルキル基又は水素を示し、nは1〜12の
    整数を示す)で表されるグリコールエーテルからなり、
    該銅化合物を溶解状で含有する溶液か らなる 触媒液を用
    いる炭酸ジエステル製造用装置において、 (i)外筒体とその内部に挿入された内筒体とからな
    り、その内筒体の内部が炭酸ジエステル生成帯域に形成
    され、その外筒体の内表面と内筒体の外表面との間に形
    成される間隙部が触媒再生帯域に形成されている反応装
    置を有すること、 (ii)該外筒体と該内筒体とは、その上端部とその下端
    部において液体的に連絡していること、 (iii)該内筒体の下部に、一酸化炭素と酸素を別々に又
    は混合物として供給するためのノズルが配設されている
    こと、 (iv)該外筒体表面と該内筒体の外表面との間に形成さ
    れる間隙部に一酸化炭素を供給するためのノズルが配設
    されていること、 (v)該外筒体の上部に、炭酸ジエステルを含む液を排
    出するための排出管が配設されていること、 (vi)該外筒体の頂部に、一酸化炭素を含むガスを排出
    するための排出管を有すること、を特徴とする前記装
    置。
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