JPH10182187A - 結晶化ガラス - Google Patents

結晶化ガラス

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JPH10182187A
JPH10182187A JP8345138A JP34513896A JPH10182187A JP H10182187 A JPH10182187 A JP H10182187A JP 8345138 A JP8345138 A JP 8345138A JP 34513896 A JP34513896 A JP 34513896A JP H10182187 A JPH10182187 A JP H10182187A
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JP
Japan
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oxide
glass
crystallized glass
enstatite
weight
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JP8345138A
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English (en)
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Masahito Sekino
雅人 関野
Hideki Ono
秀樹 大野
Masayuki Yamane
正之 山根
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で透光性を有し、且つ溶融温度が低
い、歯冠用材料として好適な結晶化ガラスを提供するこ
と。 【解決手段】 K2O-Na2O-La2O3-Y2O3-MgO-SiO2系あるい
はLa2O3-Y2O3-MgO-SiO2系の核形成剤として酸化チタン
を含有する特定組成のガラス又は該ガラスに更にフッ素
を含有するガラスからエンスタタイト結晶を析出させて
なる結晶化ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性を有し、特
に歯冠材料に好適な結晶化ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】結晶化ガラスは、ガラス内部に微結晶を
析出させてなるものであり、ガラスの持つ特性と結晶の
持つ特性が融合されている。このため結晶化ガラスにお
いては様々な機能を発現させることが可能である。例え
ば、Li2O-Al2O3-SiO2系結晶化ガラスは極めて低膨張で
あるため、ICフォトマスク基板、あるいはオプティカル
フラットなどの光学原器に使用されている。
【0003】また結晶化ガラスは、歯科分野において、
金属よりも審美性が高く、アレルギーのない違和感の少
ない歯冠用材料として注目されている。
【0004】歯冠用の結晶化ガラスの例としては、雲母
結晶を析出させ、雲母の壁開性を利用した機械加工性の
高いもの(特開平03−88744号公報及び特開平0
3−177340号公報)や、歯の無機質と同一成分か
らなるメタリン酸カルシュウム系結晶化ガラス(特開昭
62−36042号公報及び特開昭63−21236号
公報)等がある。
【0005】結晶化ガラスを歯冠用材料として使用する
場合、歯冠形態に成形する必要があるが、結晶化ガラス
に歯冠形態を付与する方法としては、結晶化ガラス粉末
を焼結させることによる築盛法と呼ばれる方法並びに鋳
造法およびプレス成形法に代表される融液もしくは粘性
体を鋳型へ注入する方法が一般に用いられる。さらに、
CAD/CAM法と呼ばれるセラミックブロックから削り出す
方法もある。
【0006】築盛法、鋳造法、プレス成形法は、ガラス
の粘性特性を利用しているため、これら方法で成形され
る結晶化ガラスとしては、焼結温度が低く、溶融温度が
低いガラス組成を有するものであることが望ましい。つ
まり、築盛法においては耐火模型材を高温にさらすこと
によって変形させないようにするために、より低温で焼
結がスムーズに進行することが必要である。また、鋳造
法、プレス成形法においては、鋳型との反応による面荒
れ等が起きないように鋳型へ注入する温度はできる限り
低い方がよいのである。
【0007】一方、結晶化ガラスを歯冠用材料として使
用する場合には、口腔内での咬合圧に耐えられる程度の
強度が必要である。
【0008】一般に結晶化ガラスは脆性材料であり、こ
れを高強度化するためには、その析出結晶を、高弾性
率、高熱膨張係数、高アスペクト比にすることが要求さ
れる。
【0009】エンスタタイトは高弾性率、高膨張の単柱
状の結晶であるため、該結晶を主結晶相とすることによ
り、結晶化ガラスを高強度化することが期待できる。ま
た、特開平3ー21236号公報に記載されているように、エ
ンスタタイトは複屈折差が小さいため、残余ガラスとの
屈折率が調整しやすく、より透明な結晶化ガラスを作製
することが可能である。このため、エンスタタイトを主
結晶相とする結晶化ガラスを用いれば、歯質と同程度の
透光性を有する歯冠を得ることも期待できる。
【0010】エンスタタイト系結晶化ガラスとしては、
MgO-SiO2-Al2O3-ZrO2系組成のものが知られている(特
開昭63−112439号公報)。しかしながら、上記
組成のものは、その靱性は高いものの、その溶融温度は
1650℃と極めて高い。また、特開平07−5323
8号公報には、透光性を有し、1500℃以下で溶融が
可能なエンスタタイト系結晶化ガラスが開示されている
が、該ガラスでは十分な強度が得られていないのが実状
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、高強度で透光性を有し且つ溶融温度の低い、歯
冠用材料として好適な結晶化ガラスを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、核形成剤としてTi
O2を含有し、K2O-Na2O-La2O3-Y2O3-MgO-SiO2系あるいは
La2O3-Y2O3-MgO-SiO2系の特定組成のガラスからエンス
タタイト結晶を析出させて得た結晶化ガラスは、従来の
エンスタタイト結晶化ガラスより溶融温度が低く、高い
曲げ強度(例えば、300MPa)を有することを見出し
た。また、さらに上記結晶化ガラスにフッ素を含有させ
ることにより、溶融時の粘度を下げることができ、粘度
特性の改善が見られるという知見を得て、本発明を完成
するに至った。
【0013】即ち、本発明は、(a)酸化珪素、(b)
酸化マグネシウム、(c)酸化チタン、(d)酸化ナト
リウム及び/又は酸化カリウム、(e)酸化ランタン及
び/又は酸化イットリウムからなり、これらをSiO2、Mg
O、TiO2、Na2O、K2O、La2O3及びY2O3に換算した重量百
分率で含有量を表したとき、SiO2:40〜60重量%、
MgO:20〜35重量%、TiO2:4〜15重量%、Na2O
及び/又はK2O:0〜9.0重量%、並びにLa2O3及び/
又はY2O3:4〜25重量%を満足し、主結晶相としてエ
ンスタタイトを含有することを特徴とする結晶化ガラス
である。
【0014】また、他の本発明は、(a)酸化珪素、
(b)酸化マグネシウム、(c)酸化チタン、(d)酸
化ナトリウム及び/又は酸化カリウム、(e)酸化ラン
タン及び/又は酸化イットリウム並びに(f)フッ素か
らなり、これらをSiO2、MgO、TiO2、Na2O、K2O、La
2O3、Y2O3及びFに換算した重量百分率で含有量を表し
たとき、SiO2:40〜60重量%、MgO:20〜35重
量%、TiO2:4〜15重量%、Na2O及び/又はK2O:0
〜9.0重量%、La2O3及び/又はY2O3:4〜25重量
%、並びにF:0.3〜2重量%を満足し、主結晶相と
してエンスタタイトを含有することを特徴とする結晶化
ガラスである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の結晶化ガラスの組成範囲
は上記の通りであるが、その限定理由を以下に説明す
る。
【0016】本発明の結晶化ガラス中の(a)酸化珪素
の含有量はSiO2換算で40〜60重量%であり、好まし
くは55〜59重量%である。酸化珪素の含有量がSiO2
換算で60重量%を越えるとガラスの粘性が高くなり、
均質なガラスを得ることができない。またキャスト中に
失透しやすくなる。40重量%未満になるとエンスタタ
イト結晶の析出量が低下し、さらにフォレステライト(2
MgO・SiO2)が析出するため、不透明になる。
【0017】本発明の結晶化ガラス中の(b)酸化マグ
ネシウムの含有量はMgO換算で20〜35重量%であ
り、好ましくは25〜30重量%である。酸化マグネシ
ウムの含有量がMgO換算で35重量%を越える場合に
は、フォレステライトが析出するため、エンスタタイト
の析出量が低下し、また、キャスト中に失透しやすくな
り、本発明の効果が得られない。さらに、ガラスの粘性
が高くなり、溶融、成形が難しくなる。また、10重量
%未満になるとエンスタタイトの析出量が低下する。
【0018】本発明の結晶化ガラス中の(c)酸化チタ
ンの含有量はTiO2換算で4〜15重量%であり、より透
光性を必要とする場合には5〜10重量%が好ましい。
酸化チタンの含有量がTiO2換算で4重量%未満では核形
成剤としての効果はない。含有量が15重量%を超える
と着色等により、透光性が低下する。また均一なガラス
を得ることが困難となる。
【0019】本発明の結晶化ガラス中の(d)酸化ナト
リウムと酸化カリウムは、融剤としての働きをしてい
る。その含有量は、Na2O及びK2O換算でその合計量が0
〜9.0重量%、特に4.0〜6.0重量%が好まし
い。また、酸化ナトリウムと酸化カリウムは同時に或は
単独で添加することが可能である。酸化ナトリウムと酸
化カリウムの合計の含有量が9重量%以上になると結晶
化のための熱処理の時に発泡しやすくなる。また、酸化
珪素量が多い組成、即ち(a)酸化珪素がSiO2換算で4
5〜60重量%の場合には、酸化ナトリウムと酸化カリ
ウムの合計の含有量が3重量%未満になると失透しやす
くなりガラス化の促進効果が得られにくくなるが、酸化
珪素量の少ない組成(SiO2換算で40重量%以上45重
量%未満)の場合には、酸化ナトリウム、酸化カリウム
のいずれを含有しなくとも差し支えない。
【0020】本発明の結晶化ガラス中の(e)酸化ラン
タン及び/又は酸化イットリウムの含有量は、それぞれ
La2O3及びY2O3換算でその合計が4〜25重量%となる
量である。これらは、ガラス化を促進し、結晶化後も大
半は残余ガラス中に残るため屈折率調整性分として必須
である。さらに残余ガラスの熱膨張係数を低くする働き
も有する。その含量はガラスの熱処理温度、結晶化度に
よって調整されるが、その含有量が25重量%を越える
と、ガラスの粘性が高くなり、溶融、成形が難しくな
る。4重量%未満になると屈折率が大幅に低減するとと
もに、ガラスの安定化に寄与できなくなり失透しやすく
なる。
【0021】上記(a)乃至(e)の組成を有するガラ
スからエンスタタイトを析出させた結晶化ガラスは、高
強度で透光性を有しているため歯冠用材料として好適に
使用できるが、更に(f)フッ素を含有させると、溶融
時の粘度が低下するとともに結晶化が促進され、更に好
適な歯冠材料となる。この時含有させるフッ素の量は、
全体に対するF(フッ素原子)の量での0.3〜2重量
%、より好ましくは0.5〜1.6重量%である。添加
量が0.3重量%未満になるとその効果は現れず、また
2%重量を越えると結晶化が促進され過ぎ、且つ溶融時
にフッ素の飛散が起こる。
【0022】なお、本発明の結晶化ガラスには、本発明
の効果を損なわない範囲で、上記(a)〜(e)または
(a)〜(f)に加えて、Fe,Mn,Ni,Co,
V,Ceなどの金属の酸化物を着色成分として1種以上
含有することもできる。
【0023】本発明の結晶化ガラスは、結晶相としてエ
ンスタタイトを含むことが必須である。エンスタタイト
が含まれない場合は、高強度化の実現が困難となる。
【0024】本発明の結晶化ガラスの代表的な製造方法
を以下に具体的に説明する。
【0025】先ず、上記各必須成分(a)〜(e)また
は(a)〜(f)の原料となる物資をボールミルを用い
て粉砕、混合した後、白金るつぼに混合物を充填し、電
気炉を用いて1350℃〜1450℃で加熱溶融する。
ついで溶融状態のガラスを、徐冷して試料ガラス塊を得
る。
【0026】上記各必須成分の原料となる物質は特に限
定されず、また最終的に得られるガラス組成を勘案し
て、あらかじめ計算により用いる該原料物質の混合比を
決定する。上記(a)〜(e)の各必須構成成分の原料
となる物質は、各必須成分そのもの及び酸素共存下で加
熱したときに各必須成分に転化する物質であれば特に限
定されない。以下に、本発明の結晶化ガラスを得るため
に使用できる上記原料物質を具体的に例示する。
【0027】酸化珪素の原料としては珪砂(SiO2)が一
般に用いられる。
【0028】酸化マグネシウムの原料としてはマグネシ
ア(MgO)、マグネサイト(MgCO3)、水酸化マグネシ ウム
(Mg(OH)2)が一般に用いられるが、清澄作用を目的とし
て硫酸マグネシウム(MgSO4)、硝酸マグネシウム(MgNO3)
等を添加しても構わない。酸化チタンの原料としてはチ
タニア(TiO2)等が用いられる。チタニアにはルチル、ア
ナターゼいずれの結晶系をも用いることができる。
【0029】酸化カリウムの原料としては炭酸カリウム
(K2CO3)、水酸化カリウム(KOH),硫酸カリウム(K2CO3)、
硝酸カリウム(K2NO3)等を用いることができる。
【0030】酸化ナトリウムの原料としてはソーダ灰(N
a2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH),硫酸ナトリウ ム(Na2
CO3)、硝酸ナトリウム(Na2NO3)等を用いることができ
る。
【0031】酸化ランタン及び酸化イットリウムの希土
類金属酸化物の原料としては酸化ランタン(La2O3)、酸
化イットリウム(Y2O3)、炭酸ランタン、(La2(CO3)3)、
炭酸イットリウム(Y2(CO3)3)、硝酸ランタン(La(N
O3)3)、硝酸イットリウム(Y(NO3)3)等を用いることがで
きる。
【0032】(f)フッ素の原料は、上記(a)〜
(e)の金属酸化物を構成する金属成分、即ち、珪素、
マグネシウム、チタン、ナトリウム、カリクム、ランタ
ン及びイットリウムの内のいずれかのフッ化物を用いる
ことができる。具体的には、フッ化マグネシウム(Mg
F2)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、フ
ッ化ランタン(LaF3)、フッ化チタン(TiF4)等を用いるこ
とができる。なお、フッ素原子は、溶融されてガラス化
された状態では、上記(a)〜(e)の金属酸化物の酸
素原子の一部と置換した形でほぼ均一に存在しているも
のと思われる。従って、フッ素の原料として金属フッ化
物の形で導入された金属成分は、上記(a)〜(e)成
分のうち対応する金属酸化物に組み込まれる。このた
め、フッ素を添加する際には、原料として使用する金属
フッ化物の金属の量が加算されることを勘案して上記
(a)〜(e)の各成分が本発明の結晶化ガラスの組成
の範囲内となるようにする必要がある。
【0033】次いで上記方法で得られた試料ガラス塊を
熱処理して1μm以下エンスタタイト結晶を体積分率で
70%以上析出させることによって優れた強度を有する
本発明の結晶化ガラスを得る。
【0034】エンスタタイト結晶の析出させるための熱
処理法は特に限定されないが、通常の結晶化ガラスと同
様に、ガラス転移点より100℃程度高い領域で熱処理
し、ガラス内部に核を形成させる核形成工程と、該工程
よりさらに高い温度域で熱処理し結晶を成長させる工程
を用いることによりエンスタタイトは析出する。その熱
処理温度域は組成によって異なるが、本発明の組成系に
おいては概ね核形成工程は750℃〜900℃、結晶化
工程は880℃〜1000℃である。またガラス転移点
付近(約720℃)にて長時間保持した後、上記二段の
熱処理を行う三段の熱処理を用いることも可能である。
【0035】
【発明の効果】以上のように核形成剤として酸化チタン
を含有し、K2O-Na2O-La2O3-Y2O3-MgO-SiO2系あるいはLa
2O3-Y2O3-MgO-SiO2系の特定組成範囲のガラスからエン
スタタイト結晶を析出させてなる本発明の結晶化ガラス
は、従来のエンスタタイト結晶化ガラスより溶融温度が
低く、透光性を有し、曲げ強度が高いという利点があ
る。このため例えば歯冠材料として有用な材料となる。
【0036】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、発明の詳細な説明中並びに実施例中に示した材
料の物性の測定法は次のとおりである。
【0037】本発明の粘度特性を示す指標として表1〜
3に溶融温度とガラス転移点を示した。表1〜3記載の
溶融温度はいずれもるつぼから流し出すことのできる下
限の温度を示す。上記温度は粘度で表すと概ね105
イズである。
【0038】作製したガラスのガラス転移点はDTA
(りがく社製:TAS−2000)を用いて算出した。
なお測定には約1mm程度のガラス塊を用い、昇温速度
は10℃/minとし、1200℃まで測定した。
【0039】得られた結晶化ガラスの析出結晶の同定に
は、X線回折測定装置(りがく社製:RINT−120
0)を用いて、2θ=5゜から75゜まで測定し、得ら
れた結晶ピークの位置、相対強度をJCPDSカードを
用いて比較することによって同定した。回折の測定には
管球にCuを用い、管電流30mA、管電圧40kV、
スキャンスピード0.2゜/minで測定した。
【0040】結晶化ガラスの透過率は可視、紫外吸収分
光計(日立社:UT-1320)を用いて600nmの透過率
を算出することによって得た。試料厚は2mmとし鏡面
研磨したものを用いた。
【0041】得られた結晶化ガラスの曲げ強度は試験片
を20mm×4.0mm×3.0mmに切断し、鏡面研
磨した後、オートグラフ(島津社:AG-5000D)を用いて
三点曲げ法にて算出した。なお支点間距離は15mmと
しクロスヘッドスピードは0.5mm/kgとした。
【0042】実施例1 硅砂58.5g,マグネシア25.8g,チタニア5.4
g,炭酸カリウム1.2g,炭酸ナトリウム2.8g及び
酸化ランタン(La2O3)7.9gをボールミルを用いて
粉砕、混合した。白金るつぼに混合物を 充填し、電気
炉を用いて1400℃で一時間加熱溶融した。ついで溶
融状態のガラスを、型枠に鋳込み徐冷して試料ガラス塊
を得た。得られた試料ガラス塊を電気炉に入れ、870
℃で4時間、さらに900℃で2時間の二段階加熱処理
を行い、ガラス中に微結晶を析出させた。室温から90
0℃までの昇温速度は300℃/hで行い、ついで炉内
で室温まで放冷した。表1に示すように得られた結晶化
ガラスのガラス転移点は737℃であり透過率は10
%、曲げ強度は304MPaであった。また結晶化ガラ
スの析出主結晶相はX線回折によりエンスタタイトであ
ることが確認された。
【0043】得られた結晶化ガラスの組成、熱処理条
件、および得られた結晶化ガラスの析出結晶相をX線回
折により同定した結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】実施例2〜11 実施例1と同様の方法で、用いる原料の比を変えて、組
成の異なるガラスを作製し、それぞれ2段階の熱処理条
件で結晶化した。ガラス転移点、透過率、析出主結晶を
表1および表2に示す。なお、フッ素源としてはフッ化
マグネシウムを、酸化イットリウム源としては酸化イッ
トリウム(Y2O3)を用いた。析出結晶は実施例1と同様に
エンスタタイトであり、透過率および曲げ強度の高い結
晶化ガラスであった。実施例1〜4は特に好ましい範囲
の結晶化ガラスであり、実施例4〜11と比較し強度が
高いことがわかる。
【0046】
【表2】
【0047】比較例1〜12 実施例1と同様の方法で、表3に示した原料を用いて試
料ガラスを作製しそれぞれ表3および表4に示す2段階
の熱処理条件で結晶化した。得られたガラス組成、透過
率、析出結晶相の分析結果をそれぞれ表3に示した。比
較例1にはZrO2を用いた場合の透過率および曲げ強度を
示した。核形成剤として酸化チタンを用いた場合と比較
して溶融温度が高く曲げ強度が低いことがわかる。比較
例4には酸化チタンの添加量を請求範囲より増大させた
組成を示した。この場合にはガラス転移点、強度は同等
の結果となったが、不透明になった。比較例5にはエン
スタタイトを含有した場合の効果を見る目的で実施例1
と同組成のガラスについて結晶化処理を行わずに透過率
と曲げ強度を測定した。エンスタタイトの析出によって
高強度化の実現されていることがわかる。またその他の
比較例には請求項の範囲外の組成を実施した場合の組成
を用いた場合を示した。いずれも表面結晶化、失透、析
出結晶の変化が起きた。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)酸化珪素、(b)酸化マグネシウ
    ム、(c)酸化チタン、(d)酸化ナトリウム及び/又
    は酸化カリウム、(e)酸化ランタン及び/又は酸化イ
    ットリウムからなり、これらをSiO2、MgO、TiO2、Na
    2O、K2O、La2O3及びY2O3に換算した重量百分率で含有量
    を表したとき、SiO2:40〜60重量%、MgO:20〜
    35重量%、TiO2:4〜15重量%、Na2O及び/又はK2
    O:0〜9.0重量%、並びにLa2O3及び/又はY2O3:4
    〜25重量%を満足し、主結晶相としてエンスタタイト
    を含有することを特徴とする結晶化ガラス。
  2. 【請求項2】 (a)酸化珪素、(b)酸化マグネシウ
    ム、(c)酸化チタン、(d)酸化ナトリウム及び/又
    は酸化カリウム、(e)酸化ランタン及び/又は酸化イ
    ットリウム並びに(f)フッ素からなり、これらをSi
    O2、MgO、TiO2、Na2O、K2O、La2O3、Y2O3及びFに換算
    した重量百分率で含有量を表したとき、SiO2:40〜6
    0重量%、MgO:20〜35重量%、TiO2:4〜15重
    量%、Na2O及び/又はK2O:0〜9.0重量%、La2O3
    び/又はY2O3:4〜25重量%、並びにF:0.3〜2
    重量%を満足し、主結晶相としてエンスタタイトを含有
    することを特徴とする結晶化ガラス。
JP8345138A 1996-12-25 1996-12-25 結晶化ガラス Withdrawn JPH10182187A (ja)

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