JPH10181917A - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

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JPH10181917A
JPH10181917A JP8346010A JP34601096A JPH10181917A JP H10181917 A JPH10181917 A JP H10181917A JP 8346010 A JP8346010 A JP 8346010A JP 34601096 A JP34601096 A JP 34601096A JP H10181917 A JPH10181917 A JP H10181917A
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sheet
cut sheet
friction member
friction
cut
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Pending
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JP8346010A
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English (en)
Inventor
Yasuo Nakamura
康夫 中村
Haruhiko Hori
春彦 堀
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 給紙装置で、どのような厚さのカットシート
でも残留変形を与えず確実に分離して給紙することがで
きるようにすることを目的とする。 【解決手段】 積載されたカットシート11にその一面
から接して順次に繰り出し給紙する給紙ローラ31と、
積載されたカットシート11の先端部と当接して押し退
けられるときの摩擦接触によりそのカットシート11を
1枚ずつに分離する片持ちの摩擦部材33を備え、摩擦
部材33は、給紙ローラ31の外形の内側で、繰り出さ
れるカットシート11の先端部と当接し始める位置に設
けて、カットシート11の湾曲自由度を抑えることによ
り、上記の目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積載されたカット
シートをこれの一面側から接する給紙ローラによって順
次に繰り出し給紙する給紙装置に関し、特に、カットシ
ートの繰り出し経路に延びる片持ちの摩擦部材が繰り出
されるカットシートの先端部と当接して押し退けられる
ときの摩擦接触によりそのカットシートを1枚ずつに分
離し、重送を防止するようにした給紙装置に関するもの
で、複写機、プリンタ、ファクシミリ等での記録シート
や原稿の給紙、画像読取り装置の原稿の給紙、その他積
載された複数のカットシートを1枚ずつ繰り出して使用
する各種の場合に用いられる。
【0002】
【従来の技術】特開平7−196186号公報はそのよ
うな給紙装置を開示している。この従来装置は、図8に
示すように給紙トレイaに積載されたカットシートbの
給紙ローラcによる繰り出し経路に下方から延び、下端
を軸dにより枢支されて起伏する正面矩形状の摩擦部材
eを備え、これが給紙ローラcが一回転される都度繰り
出されるカットシートbの先端部全幅と当接して復元ば
ねfの付勢に抗し図8に仮想線で示すように押し退けら
れるときの摩擦接触によりその繰り出されるカットシー
トbを1枚ずつに分離し、重送なく1枚ずつ給紙できる
ようにする。
【0003】摩擦部材eは特に前記摩擦による分離が確
実なように、摩擦部材eの摩擦面とカットシートbの最
上面とのなす角度αが85度〜55度の範囲に設定され
ている。
【0004】上記公報は、弾性シートよりなる摩擦部材
を、前記と同じ角度条件にて下端を固定して設けたもの
も開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な摩擦部材によるカットシートの分離には微妙な調整が
要る。本発明者等の実験によれば、カットシートが摩擦
部材を押し退けながら進行するとき、摩擦部材によって
残留変形を受けないようにするには、摩擦部材の初期位
置への復元力を弱くする方がよく、カットシートを確実
に分離するには復元力を強くして双方間の摩擦力が大き
くなるようにする方がよい。これらは相容れないもので
ありバランスよく設定するのは難しい。しかも、カット
シートは紙質や厚さによって、曲がり易さ、つまり腰の
強さが違うので、同一の摩擦部材から受ける摩擦抵抗に
差があり分離性能にも差が出る。
【0006】上記公報に開示の摩擦部材eは、給紙ロー
ラcがカットシートbに接してこれを繰り出すニップ位
置から比較的離れた給紙方向下流位置に配置されてい
て、給紙ローラcにより繰り出されて摩擦部材eと当接
しこれとの摩擦接触によって座屈を起こしながら分離さ
れる。カットシートbは、給紙ローラcのニップ部と摩
擦部材との間で大きな変形自由度を与えられるので、摩
擦部材eを押し退けらがら通過するとき、摩擦部材eが
傾倒していくのに伴い摩擦部材eから逃げやすくなり、
どのような厚さのカットシートbでも残留変形を受けに
くい。
【0007】しかし、このような従来装置ではカットシ
ートbの分離性能が不安定で、ときとして重送が生じ
る。従来装置の摩擦部材eは、カットシートbの摩擦接
触方向に均一な摩擦面を持つだけであるため、カットシ
ートbの先端部は摩擦部材eを押し退けながらその先端
部に近づくほど、滑りやすい接触角度になり摩擦面に設
定された程度の摩擦状態を下回ってしまい、カットシー
トbが十分に分離されないうちに摩擦部材eに対して滑
り重送状態で抜けることがある。前記角度の設定はこれ
を幾分抑制するが不十分であり、紙質や薄いといったこ
とのために腰の弱いカットシートbでは特に重送が生じ
やすい。
【0008】本発明の目的は、どのような厚さのカット
シートでも残留変形を与えず確実に分離して給紙するこ
とができる給紙装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明の給紙装置は、積載されたカットシ
ートにその一面から接して順次に繰り出し給紙する給紙
ローラと、積載されたカットシートの先端部と当接して
押し退けられるときの摩擦接触によりそのカットシート
を1枚ずつに分離する片持ちの摩擦部材を備え、摩擦部
材は、給紙ローラの外形の内側で、繰り出されるカット
シートの先端部と当接し始める位置に設けたことを特徴
とするものである。
【0010】このように摩擦部材が給紙ローラの外形の
内側で繰り出されるカットシートの先端部と当接し始め
る位置に設けられたことにより、この摩擦部材は給紙ロ
ーラに物理的限界まで接近させられるため給紙されてく
るカットシートは湾曲自由度を抑えられるので、カット
シートの厚さの違いの影響なく大きな給紙力を受ける最
表面のカットシートのみを座屈させて分離することがで
きる。
【0011】さらに摩擦部材はそれ自体が弾性変形する
かあるいは復元ばねの付勢力に抗して押し退けられるよ
うにすれば、変形しながら進行するカットシートを摩擦
部材の摩擦面に無理なく沿わせることができるため、カ
ットシートに残留変形を生じさせるおそれが少なくな
る。このような場合には摩擦部材のカットシートと摩擦
接触する摩擦面を略平面形状をなすようにすれば好適で
ある。
【0012】さらに摩擦部材は給紙ローラの回転軸心を
越える位置まで延び、かつカットシートと摩擦接触する
摩擦面と、積載されたカットシートの前記一面側の表面
とのなす角度を約90度から約120度までに設定して
あれば、直状シートよりなる摩擦部材を用いても給紙ロ
ーラの回転軸との干渉により摩擦部材に初期たわみを与
えることによって、変形しながれ進行するカットシート
に摩擦部材の摩擦面を無理なく沿わせることができるた
め、カットシートに残留変形を生じさせるおそれが少な
くなる。
【0013】さらに摩擦部材のカットシートと摩擦接触
する摩擦面は、一般上質紙に対して約1.0から約1.
5までの静摩擦係数を有しているものとすれば、摩擦面
と最表面のカットシート間の摩擦力が必ず次位以下のカ
ットシート間の摩擦力よりも大きくなるので、カットシ
ートの分離性能を向上させることができる。
【0014】さらに給紙ローラは、摩擦部材のカットシ
ートと摩擦接触する摩擦面の基部における摩擦接触方向
で見た接線上に、その回転軸心が位置するように配置さ
れれば、給紙ローラの停止中は摩擦部材の復元力によ
り、分離後のカットシートを摩擦部材が押し戻してその
先端部を揃えるため、次の分離を確実に行うことができ
る。
【0015】さらに摩擦部材はカットシートと摩擦接触
する摩擦面にカットシートが摩擦接触を開始する位置ま
で延び、かつ給紙ローラの回転軸に給紙開始時に摩擦部
材の先端部に当接可能な突起部を設ければ、ジャム処理
時などに摩擦部材を一旦回転軸を潜り抜けさせて引きだ
した後、元の位置に復帰させたい場合でも、給紙開始時
にこの突起部が給紙ローラと共に回転し、摩擦部材の先
端部に当接して回転軸を潜り抜けさせるので摩擦部材を
元の位置に自動復帰させる。したがって、摩擦部材の突
き出し量を給紙ローラの回転軸との干渉を気にすること
なく最適なものに設定できる。
【0016】さらに摩擦部材はカットシートと摩擦接触
する摩擦面にカットシートが摩擦接触を開始する位置ま
で延び、かつ給紙ローラの回転軸に給紙開始前後の所定
時間だけ摩擦部材の先端部に当接可能な突起部を設けれ
ば、カットシートが摩擦部材の摩擦面に突入する時間だ
け僅かに突入角度を大きくして突入時にカットシートに
残留変形が生じにくくすることができる。
【0017】さらに摩擦部材はカットシートと摩擦接触
する摩擦面にカットシートが摩擦接触を開始する位置ま
で延び、かつ給紙ローラの回転軸に給紙終了前に摩擦部
材の先端部から退避可能なクランク部を設ければ、給紙
ローラの停止中は、カットシートの摩擦面が給紙ローラ
の回転軸の軸心位置まで自動的に復帰し、この復帰力に
より、分離後のカットシートを摩擦部材の摩擦面が押し
戻してその先端部を揃えるため、次の分離を確実に行う
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付の図を参照して本発明
の給紙装置のいくつかの実施の形態について説明する。
【0019】(実施の形態1)本実施の形態1は図1〜
図3に示してあり、図3に示すような複写機で記録シー
トを供給する給紙装置1の場合を例示している。複写機
はデジタル方式のものを示してあり、プラテンガラス上
に手置きされ、あるいは図示しない原稿供給装置によっ
て自動的に送られた原稿を走査光学系2により走査す
る。この走査した画像は画像読取り部3のイメージセン
サ4に結像して電気的な画像信号に変換する。この画像
信号はプリントヘッド5に送られ、プリントヘッド5は
画像信号により変調したレーザ光6を感光体ドラム7に
向け出射し画像露光を行う。
【0020】感光体ドラム7は複写機本体10のほぼ中
央に位置し、前記画像露光のために帯電ブラシ8により
表面を一様に帯電される。感光体ドラム7の帯電後の表
面に前記画像露光によって形成される静電潜像は現像器
9によってトナー現像されて顕像となる。この顕像は前
記給紙装置1などから送られてくるカットシート11に
対し転写ローラ12等によって転写される。転写後のカ
ットシート11は定着器13に送られて定着処理を受
け、その後直接あるいは排紙ローラ14によって排紙ト
レイ15に排出される。
【0021】複写機本体10内にはその底部等に定型
の、あるいは常用のカットシート11を給紙する給紙装
置16が設けられている。この給紙装置16は出し入れ
できる給紙カセット17と、装着された給紙カセット1
7内のカットシート11を繰り出し給紙する複写機本体
10内の給紙ローラ18とで構成されている。前記給紙
装置1はいわゆる手差し給紙部として用いられるものの
場合を示してあり、複写機本体10の側面から張り出す
ように設けられている。これにより、複写機本体10内
に用意されていない紙質やサイズのカットシート11を
必要の都度複数枚積載し、あるいは1枚を載置して給紙
できるようにする。
【0022】給紙装置1は用いられるカットシート11
のサイズの違いに対応するのに、図2に示すように給紙
トレイ21に設けられた左右のサイドガイド22をカッ
トシート11の幅に合わせて位置調整できるものとして
ある。左右のサイドガイド22は給紙トレイ21内に設
けられた連動ギア23により連動し、どのようなサイズ
のカットシート11でも同じ位置にセンターを合わせる
いわゆるセンター合わせ方式の位置決めをして給紙す
る。
【0023】このような手差しの給紙装置1は葉書や、
紙以外の例えばオーバヘッドプロジェクタ用の樹脂製シ
ートといったもの、あるいは普通紙よりも薄い紙質のも
のなど種々なカットシート11が用いられることが多
い。場合によっては予期しない種類のカットシート11
が使用されることもある。
【0024】給紙装置1は使用頻度の少ない付帯装置で
あることもあり、小型で簡易な給紙機構が望まれる反
面、各種のカットシート11に対応できる給紙性能が要
求される。本実施の形態では図1、図2に示すようにこ
の給紙装置1を、上記従来例のように、給紙ローラ31
によって繰り出されるカットシート11に押し退けられ
ながらそのときの摩擦接触によって、最表面のカットシ
ート11に重送されようとする次位以下のカットシート
11の進行を妨げる摩擦部材33を用いた簡易捌き方式
のものとし、しかも各種のカットシート11にも安定し
た給紙性能を発揮できるようにしている。もっとも、本
発明の給紙装置は複写機の常用の給紙装置としても同様
に適用できるし、原稿を自動的に給送するのにも適用で
きる。また、複写機以外のものにも適用できるのは上述
の通りである。
【0025】給紙装置1の給紙ローラ31は複写機本体
10の側面に設けられている。給紙装置1の給紙トレイ
21は前記給紙装置16から給紙されるカットシート1
1を受け入れて感光体ドラム7の側に向かわせる通紙経
路34の外側ガイド35を持ったベース36から側方や
や斜め上に延び、ベース36は図示しない側方にて複写
機本体10にヒンジ連結され、このヒンジ連結部を中心
にした給紙トレイ21と一体の回動により前記通紙経路
34をジャム処理等のために開閉できる。
【0026】給紙トレイ21は軸24によって後端部が
枢支され、ばね25によって上向きに付勢された押上げ
板26を持ち、この押上げ板26によって給紙トレイ2
1に積載されるカットシート11を給紙ローラ31に圧
接させ、給紙ローラ31が回転することにより最表面、
本実施の形態では最上面のカットシート11を繰り出し
給紙できるようにする。給紙ローラ31は表面が例えば
EPDM等のゴム製として適当な摩擦力を得ている。し
かし、これに限ることはない。
【0027】また、給紙ローラ31はほぼ半月形状であ
り、非給紙時にはその切欠き部がカットシート11と対
向し、給紙時は一回転されて切欠きのない外周部がカッ
トシート11に接することによりカットシート11を送
りだす。また、非給紙時は給紙ローラ31と同期回転す
るカム31bが押上げ板26のカムフォロア26aに当
接して押上げ板26をばね25に抗して押し下げ、給紙
トレイ21上のカットシート11を給紙ローラ31から
大きく離して、非給紙時に限って給紙トレイ21の所定
位置、つまり摩擦部材33に当接するまでカットシート
11を手差しにより楽に積載し、あるいは引き出せるよ
うにしてある。
【0028】給紙時に給紙ローラ31が回転を始める
と、切欠き部がカットシート11と対向しなくなるのと
同時かやや遅れてカム31bがカムフォロア26aから
外れるので、押上げ板26はフリーとなりばね25の付
勢によりカットシート11を回転され始めた給紙ローラ
31の外径面に圧接させ給紙が行われるようにする。
【0029】本実施の形態1の摩擦部材33は弾性シー
ト材よりなり、カットシート11が給紙ローラ31によ
って繰り出されてくると弾性的に撓み変形して押し退け
られ、そのときの摩擦接触にてカットシート11を1枚
ずつ分離するもので、給紙ローラ31が積載されたカッ
トシート11の最上面から接して繰り出し給紙するいわ
ゆる上出し方式であるのに対応して、積載されたカット
シート11の最下面側からカットシート11の繰り出し
経路に延びるようにしてあり、繰り出し経路30の下で
立ち上がっている支持壁37に下部を接着、ねじ止め等
の適宜な方法で固定した片持ち支持状態で設けてある。
【0030】ここで、このような摩擦部材33による捌
きのメカニズムにつき考察する。実際の捌きのメカニズ
ムは、片持ちされた摩擦部材33がカットシート11に
よって押し退けられる動きと、カットシート11の部分
的な座屈との組み合わせとなる。これを説明の簡単のた
めに原理的かつ定性的に以下述べる。
【0031】いま、図4の(a)に示すように、力Fで
進もうとするカットシート11が摩擦部材33の摩擦面
33aで摩擦力を受けてつりあっている条件を考える。
摩擦部材33の摩擦面33aのカットシート11に対す
る摩擦係数をμB 、当接角度をθ(ここでは固定値)と
すると、 Fcosθ=μB ・Fsinθ ……(1) のとき、つりあうから、 μB ・tanθ<1(カットシート11は進行する。) ……(2) μB ・tanθ≧1(カットシート11は停止する。) ……(3) なる関係が成立する。適当な摩擦係数μB の範囲でカッ
トシート11が滑って進行する当接角度θの臨界値を図
4の(b)に示す。
【0032】原理的には、上記(2)、(3)式より、
カットシート11の進行の可否は力Fによらず、摩擦係
数μB と当接角度θのみで決定されることが分かる。し
たがって、摩擦係数μB が不変とすると、カットシート
11を捌くためには最表面のカットシート11と次位以
下のカットシート11との摩擦面33aに対する当接角
度θに差をつけることが必要である。すなわち、摩擦部
材33で捌くことの意味は、最表面のカットシート11
のみの当接角度θをカットシート11の停止域から進行
域へ追いやることである。
【0033】しかし、通常、カットシート11の最表面
のものと次位以下のものとは非常に接近し、密着に近い
状態であるため、最表面のものと次位以下のものとの当
接角度θの差はほとんどないと考えられる。
【0034】これを摩擦部材33は給紙ローラ31によ
り繰り出されるカットシート11により押し退けられな
がらその時の摩擦接触により、図4の(c)に示すよう
に最表面のカットシート11を次位以下のカットシート
11よりも大きく座屈させて、最表面のカットシート1
1の当接角度θが次位以下のカットシート11の当接角
度θよりも格段に小さくなるように働いて、カットシー
ト11を1枚ずつに分離し、最表面のカットシート11
のみが通過し、次位以下のカットシート11は停止する
ように捌き重送を防止する。
【0035】しかし、実際には、カットシートは紙質や
厚さによって曲がり易さ、つまり腰の強さが違うのに対
応し、しかも、給紙ローラ31によって繰り出されるカ
ットシート11が摩擦部材33によって残留変形を受け
ず、かつ確実に分離され捌けるようにするのは困難であ
る。
【0036】本実施の形態1では、給紙ローラ31は左
右1対設けられ、カットシート11が、センター合わせ
されるのに対応して通紙経路のセンター位置を境に左右
対称な位置にあり、カットシート11をスキューなく繰
り出し先へ給紙することができる。左右1対の給紙ロー
ラ31は片側合わせのカットシート11でそのサイズに
よってはセンター位置から偏った位置に接するような場
合でもスキューなく比較的安定して給紙することができ
る。
【0037】このように給紙ローラ31が左右1対備え
られたときには、給紙ローラ31対の中間位置に摩擦部
材33を配置すればよい。このような場合には、左右1
対の給紙ローラ31によって給紙されるカットシート1
1の繰り出し力はセンター位置に働くので、これによる
摩擦抵抗が繰り出され給紙されるカットシート11をス
キューさせるような原因にはならない。給紙ローラ31
が1つしか設けられない形態では、これの両側に摩擦片
を設けるとよい。
【0038】もっとも、片側合わせの通紙のもので、給
紙ローラ31が偏った位置に設けられたり、種々な位置
に複数設けられたりすることもあるが、給紙ローラ31
の位置に合わせてバランスがとれる位置および数の摩擦
片を設ければよい。
【0039】さらに本実施の形態1では、図1に示すよ
うに摩擦部材33のカットシート11と摩擦接触する摩
擦面33aを、給紙ローラ31の外形の内側でカットシ
ート11の先端部と摩擦接触を開始するような位置に配
置してある。このように摩擦部材33の摩擦面33aが
給紙ローラ31の外形の内側に位置するようになってい
る場合は、給紙ローラ31がカットシート11に接して
給紙を行うニップ位置Nから摩擦部材33の摩擦面33
aまでの距離は、上述した従来例に比し極端に小さい。
このため、これらニップ位置Nから摩擦面33aまでの
間のカットシート11の変形自由度を抑えて、カットシ
ート11が摩擦面33aの摩擦を受けやすく捌かれやす
くなるので、捌き性能が向上し、高速給紙に対応できる
など好結果をもたらした。
【0040】しかし、このように摩擦部材33を給紙ロ
ーラ31に近づけた場合は、カットシート11の先端部
に残留変形を生じ易い。すなわち、カットシート11の
先端部において、摩擦部材33の摩擦面33aに接して
いる部分は進みづらく、一方その周囲の給紙ローラ31
に圧接された領域は進行しようとする。このため、カッ
トシート11は、図5に示すような残留変形を生じ易
い。
【0041】このような残留変形を抑制するためには、
摩擦部材33はそれ自体が弾性変形するかあるいは復元
ばねの付勢力に抗して押し退けられるようにすればよ
い。本実施の形態1では、製造コストの観点から前述し
たように摩擦部材33として弾性シートを用いている。
その具体的な材料としては例えばポリカーボネートフィ
ルムを用い、その厚みは市販品にある200μm程度で
カットシート11を捌くのに適当な復元力が得られる。
これにより、変形しながら進行するカットシート11を
摩擦部材33の摩擦面33aに無理なく沿わせることが
できるため、カットシート11に残留変形を生じさせる
おそれが少なくなる。このとき摩擦部材33のカットシ
ート11と摩擦接触する摩擦面33aは平面形状あるい
は僅かな曲面からなる略平面形状をなすように形成して
おけば、カットシート11が摩擦部材33の摩擦面33
aにさらに無理なく沿わせることができ、その効果がよ
り大きいものとなる。
【0042】さらに摩擦部材33を給紙ローラ11の回
転軸31cの軸心を越える位置まで延ばせば、直状シー
トよりなる摩擦部材33を用いても給紙ローラ31の回
転軸31cとの干渉により摩擦部材33に初期たわみを
与えることになる。またカットシート11と摩擦接触す
る摩擦面33aと、積載されたカットシート11の最表
面とのなす角度を約90〜120度に設定すれば、この
角度は摩擦部材33の摩擦面33aへのカットシート1
1の突入角度となり、前記初期たわみと相まって、変形
しながら進行するカットシート11に摩擦部材33の摩
擦面33aを無理なく沿わせることができるため、カッ
トシート11に残留変形を生じさせるおそれが少なくな
る。ただし、前記カットシート11の突入角度は,本発
明者らによる実験結果に基づいて決定されたものであ
る。従来例では、捌き性を補うためにカットシート11
の突入角度を小さくとっていたが、本実施の形態1で
は、摩擦部材33を給紙ローラ31にできるだけ近接さ
せることにより十分な捌き性が得られるため、従来例と
は逆にカットシート11の突入角度を大きくとってあ
る。これにより、カットシート11の繰り出し力を残留
変形防止のために積極的に利用でき、捌き速度を大幅に
向上させることができる。
【0043】さらに摩擦部材33の摩擦面33aはポリ
カーボネートフィルムの表面にウレタン樹脂等の摩擦係
数の大きな材料をシルクスクリーン印刷等することによ
り、必要な摩擦係数が得られるようにしてある。摩擦面
33aは一般上質紙に対して1.0〜1.5程度の静摩
擦係数を有するものが好適である。これにより、摩擦面
33aと最表面のカットシート11間の摩擦力が必ず次
位以下のカットシート11間の摩擦力よりも大きくなる
ので、カットシート11の分離性能を向上させることが
できる。
【0044】さらに給紙ローラ31は、摩擦部材33の
カットシート11と摩擦接触する摩擦面33aの基部に
おける摩擦接触方向で見た接線上に、その回転軸31c
の軸心が位置するように配置してある。このような配置
では、給紙ローラ31の一回転により1枚のカットシー
ト11が繰り出され、これの後端がニップ位置Nから抜
けると、摩擦部材33は給紙されるがカットシート11
による押圧から開放されてフリーとなるので、元の状態
に復帰する。このとき、給紙されるカットシート11に
重送されようとした次位以下のカットシート11は、摩
擦部材33の前記復元力によって元の位置に押し戻さ
れ、乱れたままで次の給紙の妨げとなるようなことを防
止することができ、これにも、摩擦部材33の前記角度
設定は無理なく適合し好都合であった。
【0045】さらに、給紙装置1のベース36を開いて
通紙経路34を開放するとき、摩擦部材33は給紙ロー
ラ31の回転軸31cを前方へ潜り抜けて引き出され
る。次いでベース36を閉じると、摩擦部材33は図1
に仮想線で示すように回転軸31cに引っ掛かって正常
な位置に戻れない。そこで本実施の形態1では、給紙ロ
ーラ31の回転軸31cに給紙開始時に摩擦部材33の
先端部に当接可能な突起31aを設けてある。この場合
は給紙ローラ31が給紙のために回転される初期に回転
軸31cに設けられた突起31aが仮想線位置にある摩
擦部材33の先端に引っ掛かってこれを実線で示す位置
に押しやるので、摩擦部材33は適正な位置に自動復帰
させられるのでなんら問題とはならない。また、これに
より摩擦部材の突き出し量を給紙ローラの回転軸との干
渉を気にすることなく最適なものに設定できる。
【0046】(実施の形態2)カットシート11の捌き
には、深い突入角度が必要であるが、給紙中はカットシ
ート11の残留変形を抑えるため、逆に突入角度は小さ
い方が望ましい。そこで、実施の形態2では、図6に示
すように摩擦部材33はカットシート11と摩擦接触す
る摩擦面33aにカットシート11が摩擦接触を開始す
る位置まで延び、かつ給紙ローラ31の回転軸31cに
給紙開始前後の所定時間だけ摩擦部材33の先端部に当
接可能な突起31dを設けてある。かかる点で実施の形
態1と異なる。本実施の形態2では、図6(a)に示す
ように給紙ローラ31の停止時は回転軸31cに設けら
れた突起31dは、摩擦部材33の下方に当接し摩擦部
材33に初期たわみを与えている。次いで図6(b)に
示すように突起31dは摩擦部材33をさらにたわませ
ると共に、給紙ローラ31はカットシート11に当接
し、図6(c)に示すようにカットシート11が給紙さ
れ始める。図中の破線は摩擦部材33の初期たわみ状態
であり、給紙開始前後に摩擦部材33がたわんで突入角
度を大きくする様子を示している。そして図6(d)に
示すようにカットシート11が摩擦部材33に摩擦接触
して捌かれ、最表面のカットシート1のみが送りだされ
る。これによれば、実施の形態1の場合と同様な作用効
果が得られる上、カットシート11が摩擦部材33の摩
擦面33aに突入する時間だけ僅かに突入角度を大きく
して突入時にカットシート11に残留変形が生じにくく
することができる。カットシート11が摩擦部材33に
この突起31dは上記した実施の形態1の突起31aと
兼用できる。
【0047】(実施の形態3)実施の形態3では、図7
に示すように摩擦部材33はカットシート11と摩擦接
触する摩擦面33aにカットシート11が摩擦接触を開
始する位置まで延び、かつ摩擦部材33の先端部を給紙
終了時に跨ぐようなクランク31eを設けてある点で実
施の形態1と異なる。これによれば、実施の形態1の場
合と同様な作用効果が得られる上、給紙終了時には、図
7(a)に示すように摩擦部材33の摩擦面33aが給
紙ローラ31の回転軸31cのクランク31e内にはま
り込んで軸心位置まで自動的に復帰し、この復帰力によ
り、分離後のカットシート11を摩擦部材33の摩擦面
33aが押し戻してその先端部を揃えるため、次の分離
を確実に行うことができる。このクランク31eの最大
偏心量は給紙ローラ31の半径よりも小さくしておけば
よく、その場合、給紙中は、図7(b)に示すようにカ
ットシート11により摩擦部材33は給紙ローラ31の
外形よりも外側に変形するため、摩擦部材33とクラン
ク31eとが干渉するおそれはない。
【0048】なお、本実施の形態1〜3では、上出し方
式の給紙装置の場合についてのみ示したが、これに限ら
ず下出し方式の給紙装置にも同様に適用できることは勿
論である。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、摩擦部材が給紙ローラ
の外形の内側で繰り出されるカットシートの先端部と当
接し始める位置に設けられたことにより、この摩擦部材
は給紙ローラに物理的限界まで接近させられるため給紙
されてくるカットシートは湾曲自由度を抑えられるの
で、カットシートの厚さの違いの影響なく大きな給紙力
を受ける最表面のカットシートのみを座屈させて分離す
ることができる。
【0050】さらに摩擦部材の性状や配置などの工夫に
より、変形しながら進行するカットシートを摩擦部材の
摩擦面に無理なく沿わせることができるため、カットシ
ートに残留変形を生じさせるおそれが少なくなる。
【0051】その結果、どのような厚さのカットシート
でも残留変形を与えることなく確実に分離し重送を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の給紙装置の要部を示す
断面図。
【図2】図1の給紙装置のほぼ全体の断面図。
【図3】図1の給紙装置を備えた複写機の概略構成図。
【図4】本発明が適用する摩擦部材によるカットシート
の分離原理を説明する説明図で、その(a)は側面図、
その(b)はカットシートが摩擦部材に当接したときの
停止および進行の境界条件を示すグラフ、その(c)は
カットシートが摩擦部材により捌かれる状態を示す概念
図。
【図5】図1の給紙装置による給紙時のカットシートの
変形状態を示す説明図。
【図6】本発明の実施の形態2の給紙装置の要部を示す
説明図であり、その(a)は給紙開始前の状態を示す断
面図、その(b),(c)は給紙開始直後の状態を示す
断面図、その(d)は給紙中の状態を示す断面図。
【図7】本発明の実施の形態3の給紙装置の要部を示す
説明図であり、その(a)は給紙終了時の状態を示す斜
視図、その(b)は給紙中を示す断面図。
【図8】従来の給紙装置を示す断面図。
【符号の説明】
1 給紙装置 10 複写機本体 11 カットシート 21 給紙トレイ 26 押上げ板 30 繰り出し経路 31 給紙ローラ 31a,31d 突起 31e クランク 33 摩擦部材 33a 摩擦面 37 支持壁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積載されたカットシートにその一面から
    接して順次に繰り出し給紙する給紙ローラと、積載され
    たカットシートの先端部と当接して押し退けられるとき
    の摩擦接触によりそのカットシートを1枚ずつに分離す
    る片持ちの摩擦部材を備えた給紙装置において、 摩擦部材は、給紙ローラの外形の内側で、繰り出される
    カットシートの先端部と当接し始める位置に設けたこと
    を特徴とする給紙装置。
  2. 【請求項2】 摩擦部材は、弾性変形することによって
    押し退けられる請求項1に記載の給紙装置。
  3. 【請求項3】 摩擦部材は、復元ばねの付勢力に抗して
    押し退けられる請求項1に記載の給紙装置。
  4. 【請求項4】 摩擦部材のカットシートと摩擦接触する
    摩擦面が略平面形状をなす請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の給紙装置。
  5. 【請求項5】 摩擦部材は給紙ローラの回転軸心を越え
    る位置まで延び、かつカットシートと摩擦接触する摩擦
    面と、積載されたカットシートの前記一面側の表面との
    なす角度を約90度から約120度までに設定してある
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の給紙装置。
  6. 【請求項6】 摩擦部材のカットシートと摩擦接触する
    摩擦面が、一般上質紙に対して約1.0から約1.5ま
    での静摩擦係数を有している請求項1〜5のいずれか一
    項に記載の給紙装置。
  7. 【請求項7】 給紙ローラは、摩擦部材のカットシート
    と摩擦接触する摩擦面の基部における摩擦接触方向で見
    た接線上に、その回転軸心が位置するように配置した請
    求項1〜6のいずれか一項に記載の給紙装置。
  8. 【請求項8】 摩擦部材はカットシートと摩擦接触する
    摩擦面にカットシートが摩擦接触を開始する位置まで延
    び、かつ給紙ローラの回転軸に給紙開始時に摩擦部材の
    先端部に当接可能な突起部を設けた請求項1〜7のいず
    れか一項に記載の給紙装置。
  9. 【請求項9】 摩擦部材はカットシートと摩擦接触する
    摩擦面にカットシートが摩擦接触を開始する位置まで延
    び、かつ給紙ローラの回転軸に給紙開始前後の所定時間
    だけ摩擦部材の先端部に当接可能な突起部を設けた請求
    項1〜7のいずれか一項に記載の給紙装置。
  10. 【請求項10】 摩擦部材はカットシートと摩擦接触す
    る摩擦面にカットシートが摩擦接触を開始する位置まで
    延び、かつ給紙ローラの回転軸に給紙終了前に摩擦部材
    の先端部から退避可能なクランク部を設けた請求項1〜
    7のいずれか一項に記載の給紙装置。
JP8346010A 1996-12-25 1996-12-25 給紙装置 Pending JPH10181917A (ja)

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JP8346010A JPH10181917A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 給紙装置
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009051628A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Riso Kagaku Corp 給紙装置

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