JPH10180236A - 厨芥排水処理装置及びその運転方法 - Google Patents

厨芥排水処理装置及びその運転方法

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JPH10180236A
JPH10180236A JP35970196A JP35970196A JPH10180236A JP H10180236 A JPH10180236 A JP H10180236A JP 35970196 A JP35970196 A JP 35970196A JP 35970196 A JP35970196 A JP 35970196A JP H10180236 A JPH10180236 A JP H10180236A
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JP
Japan
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garbage
wastewater
solid
kitchen
liquid separation
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Application number
JP35970196A
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English (en)
Inventor
Yasutoshi Shimizu
康利 清水
Sadami Ootsubo
貞視 大坪
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 台所などの作業場所の衛生性の向上と、安定
運転の確保、環境調和を図る厨芥排水処理装置とその運
転方法を提供すること。 【構成】 厨芥を粉砕する粉砕部と、粉砕厨芥に水を供
給する水供給部と、水と粉砕厨芥との混合物を貯留する
厨芥排水貯留部と、厨芥排水貯留部に貯留された貯留厨
芥排水を固液分離部に送る移送部と、貯留厨芥排水を厨
芥固形物と排水とに分離する固液分離部とからなり、固
形物分離後の排水を滞留時間1時間以上2日以下で好気
的に生物処理する排水生物処理部を有する厨芥排水処理
装置及びその運転方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭や工場などで
発生する厨芥を処理する厨芥排水処理装置とその運転方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】各家庭で発生する厨芥を台所に設置した
粉砕機で粉砕した後、配管移送し、厨芥を集中処理する
方法として、特開平3−89954号公報、特開平4−
305284号公報や、特開平6−55158号公報に
開示される処理方法が知られている。
【0003】また、粉砕機を用いない方法に特開平5−
208186号公報に開示される方法がある。これらの
発明はすべて、厨芥を衛生的に処理することを主眼とし
ている。
【0004】特開平3−89954号公報や特開平4−
305284号公報に開示される厨芥処理装置は、厨芥
を粉砕機で粉砕し、後処理部へ移送した後、粉砕厨芥を
回収して厨芥固形物を処理し、固液分離で粉砕厨芥を回
収した時に発生する排水はそのまま環境中に放流され
る。
【0005】特開平6−55158号公報に開示される
処理方法は、集合住宅の各家庭の台所に設置した厨芥粉
砕機で厨芥を粉砕し、水で配管移送させ、1箇所でまと
めて厨芥処理するものである。厨芥処理は、厨芥を含む
排水から固液分離で厨芥を回収し、固相発酵で堆肥化し
てリサイクルをめざすもので、厨芥固形物の処理のみが
行われる。
【0006】特開平5−208186号公報に開示され
る処理方法は、厨芥をピストンで圧搾して脱水、体積減
容化して廃棄時の取り扱い性を改善するとともに、圧搾
された排水をオゾンで酸化して、水中に抽出された臭気
成分、汚濁成分を酸化処理するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】厨芥は粉砕すること
で、厨芥中の有機性成分が溶け出し、水質の汚濁の指標
であるBOD(生物化学的酸素要求量)値が上昇する。
特開平3−89954号公報、特開平4−305284
号公報や特開平6−55158号公報に開示される処理
装置では、粉砕厨芥を回収して厨芥固形物の処理だけが
なされ、排水中に溶け出した汚濁成分は未処理で放流さ
れるため、環境への負荷を増大させるという問題があっ
た。
【0008】一方、特開平5−208186号公報にあ
っては、固液分離後の排水の処理がなされているもの
の、オゾン酸化であるため、圧搾の過程で水側に移行す
るデンプンや細胞内蔵物であるグリコーゲンなどの微粒
子成分は酸化分解できず、更に、オゾンはその毒性から
取り扱いが難しく、排水中の汚濁成分が多い厨芥回収排
水の処理を行うには、高濃度のオゾンが必要となり、排
気処理装置の付加などと装置が複雑になる上、危険性も
高くなるといった問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用及び効果】上記課
題を解決すべく、本発明に係わる厨芥排水処理装置で
は、粉砕部にて粉砕した厨芥は、水とともに配管移送し
た後、一旦、厨芥排水貯留部で貯留し、移送部を介して
固液分離部と固体分離後の排水の処理部に供給すること
で、効率的に排水中に溶出した厨芥の汚濁成分を生物処
理でき、環境負荷の上昇を抑制できる生物処理槽滞留時
間1時間以上2日以下の条件を見いだしたまた、本願の
第2発明に係わる厨芥排水装置の運転方法は、粉砕厨芥
の配管移送性の確保と、排水処理の効率を両立させるた
めに、粉砕時の厨芥と移送水との量を厨芥重量1kg当
たり3L以上80L以下とした。
【0010】また、本願の第3発明に係わる厨芥排水装
置では、固液分離での固体(厨芥)回収率を高く保つこ
とで排水処理装置を介して環境中へ放出される環境負荷
を抑制するため、固液分離部に沈殿分離槽を用いた場合
のその容量を1日の排水量Qの1/24以上2倍以下と
した。
【0011】また、本願の第4発明に係わる厨芥排水装
置では、固液分離部で回収した固体(厨芥)を滞留時間
15日以上で好気的に生物処理することで回収厨芥の減
容化を図り、厨芥排水処理装置からの廃棄物量の発生を
抑制して環境負荷の軽減を図るものとした。
【0012】また、本願の第5発明に係わる厨芥排水装
置では、固液分離部にふるい分け機能を有する装置を用
いた場合の固体(厨芥)回収率を大きくする条件とし
て、ふるいの開口部の大きさが10mm以下で、処理速
度を日平均排水速度qm/dの1.2倍以上とし、厨
芥排水貯留部に設けた水位検知手段により厨芥排水貯留
部の水位を設定下限値と上限値との間になるように移送
部と固液分離部の運転を制御するものとした。
【0013】また、本願の第6発明に係わる厨芥排水装
置では、厨芥排水貯留部の容量を1日の排水量の1/5
容量以上2倍容量以下とし、一定時間おきに移送部と固
液分離部の運転を水位検知による制御より優先して開始
して厨芥貯留部の水位を設定下限水位以下とした。
【0014】また、本願の第7発明に係わる厨芥排水装
置では、固液分離部に処理速度が日平均排水速度qm
/dの1.2倍以上のふるい分け機能を有する装置を用
いた場合、その後段に容量を1日の排水量の1/5容量
以上1倍容量以下とし、固液分離後の排水を貯留する排
水貯留部を設け、排水貯留部を介して、排水を生物処理
部へ供給することで生物処理性能の安定化を図ものとし
た。
【0015】また、本願の第8発明に係わる厨芥排水装
置では、固液分離部で分離回収した厨芥を乾留すること
で回収厨芥の減容化を図り、厨芥排水処理装置からの廃
棄物量の発生を抑制して環境負荷の軽減を図るものとし
た。
【0016】また、本願の第9発明に係わる厨芥排水装
置では、厨芥の減容に乾留装置を用いる場合に圧力1.
2kgf/cm以下で乾留することで、厨芥の減容を
促進するものとした。
【0017】
【作用】厨芥を粉砕機にて粉砕し、水で配管移送して、
厨芥固形物と排水とを分離した後、厨芥固形物は好気性
の生物処理であるいは乾留処理で最終的に廃棄される物
量の減容化を図り、排水は好気性の生物処理で水中の汚
濁成分の除去を行なって、全体で環境負荷の上昇を抑制
する。その場合、厨芥固形物ならびに排水の処理を安定
して行うために、水量変動が大きな厨芥排水は一旦厨芥
排水貯留部で貯留し、移送手段を介して後段の処理部へ
厨芥排水を移送する。粉砕機で粉砕した厨芥を所定量の
水で配管に流すことで、配管中での安定した流動移送性
を確保するとともに、後段での排水処理の対象となる水
量と厨芥粉砕物量を所定の濃度範囲とすることで、排水
の生物処理の効率化を図る。また、厨芥固形物と排水と
の分離に沈殿分離槽を用いた場合の槽容量を粉砕厨芥の
分離に適した所定の大きさ、滞留時間とすることで、固
液分離での固体(厨芥)回収率を高く保ち、排水処理装
置を介して環境中へ放出される環境負荷を抑制する。固
液分離部にふるい分け装置を用いた場合も固体(厨芥)
回収率を大きくするため、ふるいの開口部の大きさとそ
の処理処理速度を所定の範囲とし、運転方法をその前段
の、1日の排水量に対し所定容量とした厨芥排水貯留部
の水位と時間とで制御する。さらに、ふるい分け装置を
用いた場合の排水側の生物処理性能の安定性向上のた
め、ふるい分け装置と生物処理部の間に所定の容量の排
水貯留部を設ける。固液分離部で分離回収された厨芥固
形物は所定の滞留時間の好気的な生物処理で、あるいは
所定圧力の乾留処理で減容化して最終的に廃棄される物
量の減容化を図る。本発明により、台所などの作業場所
の衛生性の向上と、安定運転の確保、環境調和を図る厨
芥排水処理装置とその運転方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に発明の実施例を添付図表に
基づいて説明する。表1に粉砕厨芥排水のBOD,SS
濃度(固形物濃度)を示す。厨芥を粉砕して下水道など
に流すと、排水の負荷が極めて大きくなることが、台所
排水と比較しても明らかである。また、表2に粉砕厨芥
の粒子径とBODの粒子径別分布を示すが、固液分離に
より回収できる固形物の大きさがサブミリ以上であるこ
とを考慮すると、固液分離で厨芥排水から固形物を分離
回収しても、粉砕厨芥からの可溶性成分の溶出による排
水の汚濁は除去できず、排水も汚濁除去の処理を要する
ことが分かる。なお、排水中の汚濁成分は、粒子径が数
ミクロンから数十ミクロンの微細粒子成分と、分子量が
数百から数十万の成分と非常に多岐にわたる。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】図1、2は本願の第1から第4発明に係わ
る厨芥排水処理装置の工程と装置図である。粉砕機1に
は移送水を供給できる移送水供給口を有し、台所調理厨
芥を粉砕して水を用いて通常の自然流下配管で厨芥排水
貯留槽2まで流す。粉砕厨芥は、圧送ポンプを介して圧
送配管で移送してもよい。貯留された厨芥排水は、定量
移行ポンプ3により沈殿分離槽5に移送され、沈殿分離
された粉砕厨芥は厨芥ポンプ6で好気性生物処理槽(好
気可溶化槽)7に、排水は沈殿分離槽の上澄み液として
排水用好気性生物処理槽(接触ばっ気槽)8に移送され
てそれぞれ処理される。定量移行ポンプ3および厨芥ポ
ンプ6はエアーリフトポンプでも良く、また、定量移行
ポンプ3にあっては、ポンプ吐出液を一部分岐して厨芥
排水貯留槽3に返送して貯留槽の攪拌に供しても良い。
【0022】以上の厨芥排水処理装置を用いた厨芥処理
について以下に説明する。厨芥処理装置を設置した集合
住宅での流入排水の経時変化を6ヶ月間の平均値として
図3に示す。台所排水及び厨芥粉砕排水は調理作業時間
にのみ排出されるため、時間別変化が極めて大きいこと
が分かる。そのため、厨芥排水貯留槽なしでは、沈殿分
離槽の容量の1日の排水量Qの2倍に設定してもピーク
流入時に安定した固液分離ができず、厨芥固形物を含む
排水が接触ばっ気槽に流入し、十分な生物処理ができな
かった。厨芥排水貯留槽で流入変動を緩和した場合の沈
殿分分離槽の固液分離性能と接触ばっ気槽での生物処理
性能をそれぞれ表3、4に示す。沈殿分離槽では、本願
第3発明に示すごとく、容量を1日の排水量Qの1/2
4倍以上、望ましくは1/12倍以上で十分な固液分離
性能が得られることを見いだした。容量が大きくなりす
ぎると、槽内滞留時間が長くなり、粉砕厨芥中からの汚
濁成分の溶出や、ご飯粒などの粒子成分の解体が進み、
排水側へ移行する汚濁成分(BOD量)が多くなる。そ
のため、容量は、1日の排水量Qの2倍以下、望ましく
は1倍以下とする必要があることも明らかにした。接触
ばっ気槽では、本願第1発明のごとく滞留時間1時間以
上、望ましくは2時間以上で通常の生活排水と同じく、
下水道に放流できる濃度まで排水中のBODを除去でき
ることを見いだした。滞留時間を長く取ると、槽が大型
化し、ばっ気のための動力消費が大きくなるため、経済
的に成り立つ大きさの指標として、接触ばっ気槽の滞留
時間2日以下望ましくは1日以下とするのがよい。沈殿
分離で回収された厨芥は体積減容化して、最終的に廃棄
される物量を削減して環境負荷を軽減する必要がある。
本願第4発明の好気性生物処理槽(好気可溶化槽)で
は、表5に示すごとく、滞留時間を15日以上、望まし
くは25日以上とすることで十分な厨芥分解率が得られ
ることを見いだした。なお、槽の滞留時間を長くすると
槽が大型化し、ばっ気のための動力消費が大きくなるた
め、経済的に成り立つ大きさの指標として、好気可溶化
槽の滞留時間は180日以下が望ましい。なお、好気可
溶化槽でのばっ気は、連続であっても、間欠的でもよい
が、その動力費削減と、厨芥中の窒素成分除去のため、
間欠ばっ気が望ましい。
【0023】厨芥排水処理装置を安定して運転するため
には、粉砕機で粉砕した厨芥を確実に後処理部へ移送す
る必要がある。第2発明の厨芥排水処理装置の運転法に
よって、安定した配管移送が可能となった。すなわち、
厨芥重量1kg当たり3L以上望ましくは5L以上の水
で流すことにより、圧送配管あるいは通常の自然流下の
台所配管で滞留なく粉砕厨芥を流せることを明らかにし
た。表6に示す。水量が多くなると、厨芥排水貯留槽で
低濃度で貯留されることとなり、厨芥からの汚濁成分の
溶出が増加する。また、使用水量増加により後処理装置
が大型化して経済効率も低下する。従って、水量は、厨
芥重量1kg当たり80L以下、望ましくは40L以下
がよい。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】次に、本願第5から第7発明の厨芥排水処
理装置の工程と装置を図4、5に示す。
【0029】粉砕機1には移送水を供給できる移送水供
給口を有し、砕厨芥を通常の自然流下配管を介して、厨
芥排水貯留槽2まで流す。粉砕厨芥は、圧送ポンプを介
して圧送配管で移送してもよい。厨芥は、所定量を粉砕
機に充填した後、自動給水装置で移送水を供給する回分
処理でであっても、稼働している粉砕機に順次厨芥と移
送水を供給して連続的に粉砕する連続処理であってもよ
い。貯留された厨芥排水は、移行ポンプ3によりふるい
分け装置9に移送され、分離回収された粉砕厨は、固相
発酵(コンポスト)機10に、排水はふるい分け装置の
透過液として排水貯留槽7に一旦貯留された後、定量排
水ポンプ12で排水用好気性生物処理槽(接触ばっ気
槽)8に移送されてそれぞれ処理される。移行ポンプ3
および定量排水ポンプ12はエアーリフトポンプでも良
く、また、移行ポンプ3にあっては、ポンプ吐出液を一
部分岐して厨芥排水貯留槽3に返送して貯留槽の攪拌に
供しても良い。
【0030】以上の厨芥排水処理装置を用いた厨芥処理
について以下に説明する。本願の第5発明に係わる厨芥
排水処理装置では、粉砕厨芥のふるい分け装置として、
開口部の大きさが10mm以下、望ましくは8mm以下
で十分な厨芥回収率が得られることを見いだした。表7
に示す。なお、開口部の大きさが0.2mm以下では、
粉砕厨芥が開口部に目詰まりを起こしやすくなることか
ら開口部は0.2mm以上が望ましい。厨芥排水は図3
に示すごとく、時間変動が大きい。また、粉砕厨芥は長
期間水中に分散させておくと、表3に示すごとく、可溶
性成分の溶出といった排水中の汚濁物質量が増大する。
そのため、厨芥排水の厨芥排水貯留槽への滞留時間を短
くするため、ふるい分け装置の処理速度を日平均排水速
度qm/dの1.2倍以上、望ましくは1.5倍以上
とする。なお、日平均排水速度qm/dとは、1日
(d)当りに装置に流入する排水量(q)を示す。
【0031】さらに、粉砕厨芥の貯留槽への滞留時間を
短くするためには、本願の第5発明に示した、厨芥排水
貯留槽への厨芥排水流入を水位で検知してふるい分け装
置の運転を開始するだけでなく、貯留槽水位が運転開始
水位以下であっても、時間設定を優先して移行ポンプを
稼働させ水位を設定下限まで下げることが有効である。
本願の第6発明である。これは、排水の発生時間が図3
に示したごとく、モデル化が可能なため、排水の発生が
一段落し、次の発生までの間(調理作業と調理作業の
間)に稼働開始時間を設定することが厨芥排水の滞留時
間削減に有効な手段となる。その場合、厨芥排水貯留槽
の容量は、厨芥排水処理装置の変動応答特性シュミレー
ションより、突発的な排水量の増大を考慮しても、1日
の排水量の2倍容量以下、1/5倍容量以上、望ましく
は0.8倍容量以下、0.3倍容量以上とできることを
見いだした。なお、容量の下限は、流入排水のピーク吸
収できる下限値である。
【0032】また、排水の生物処理を安定的に行うため
には、一定の滞留時間を確保して処理することが必要な
ことが前述した。そのため、粉砕厨芥排水の発生量およ
び時間で間欠的に固液分離を行うふるい分け装置を用い
た粉砕厨芥処理装置では、固液分離後の排水を一旦貯留
して生物反応部に供給する必要が生じる。固液分離機の
間欠運転に伴う排水発生ピーク吸収のための排水貯留槽
容量は、厨芥排水処理装置の変動応答特性シュミレーシ
ョンより、突発的な排水量の増大を考慮しても、1日の
排水量の1倍容量以下、1/5倍容量以上、望ましくは
0.8倍容量以下とできることを見いだした。なお、容
量の下限は、流入排水のピーク吸収できる下限値であ
る。本願の第7発明である。
【0033】
【表7】
【0034】また、本願の第8,9発明に係わる厨芥排
水装置では、厨芥排水処理装置からの廃棄物量の発生を
抑制して環境負荷の軽減を図る方法として、固液分離部
で分離回収した厨芥を圧力1.2kgf/cm以下で
乾留することが有効なことを見いだした。圧力は大気圧
より減圧として、厨芥中の水分を蒸発促進して減容化を
早めることが有効である。また、常圧より加圧すると、
厨芥が液化して減容が効率的に進む。但し、1.2kg
f/cmを超える加圧では、装置が複雑となり、経済
的に有効ではない。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したごとく、本願の第1発明
に係わる厨芥排水処理装置では、厨芥排水が調理作業時
間にのみ排出されるため、時間別変化が極めて大きくな
り、安定した排水処理ができないところを、厨芥排水貯
留槽で流入変動を緩和して厨芥排水を固液分離すると滞
留時間1時間以上、2日以下で経済的に下水道に放流で
きる濃度まで排水中のBODを除去できる。
【0036】本願の第2発明の厨芥排水処理装置および
その運転法では、厨芥重量1kg当たり3L以上、80
L以下の水で粉砕厨芥を流すことにより、安定した配管
移送が可能となる。
【0037】本願第3発明の厨芥排水処理装置の運転法
では、厨芥排水の固液分離に沈殿分離を用いた場合に容
量を1日の排水量Qの1/24倍以上2倍以下とするこ
とで十分な固液分離性能が得られる。
【0038】本願の第4発明の厨芥排水処理装置および
その運転法では、沈殿分離で回収された厨芥を滞留時間
を15日以上で好気的に生物処理することで厨芥を体積
減容化して、最終的に廃棄される物量を削減して環境負
荷を軽減する。
【0039】本願の第5発明の厨芥排水処理装置および
その運転法では、粉砕厨芥の固液分離にふるい分け装置
を用いる場合、開口部の大きさが10mm以下で、ふる
い分け装置の処理速度を日平均排水速度qm/dの
1.2倍以上で厨芥排水貯留槽の水位によりふるい分け
装置の運転を制御することで、十分な固液分離性能と、
厨芥からの可溶性成分の溶出防止が図れ、装置から排出
される環境負荷を削減できる。
【0040】本願の第6発明の厨芥排水処理装置および
その運転法では、厨芥から汚濁成分が溶出して環境負荷
を増大させる、粉砕厨芥の貯留槽への滞留時間を短くす
るためには、本願の第5発明の厨芥排水貯留槽への厨芥
排水流入を水位で検知してふるい分け装置の運転を開始
するだけでなく、貯留槽水位が運転開始水位以下であっ
ても、時間設定を優先して移行ポンプを稼働させ水位を
設定下限まで下げることで厨芥排水の滞留時間を削減
し、厨芥排水貯留槽の容量も、突発的な排水量の増大を
考慮しても、1日の排水量の2倍容量以下、1/5倍容
量以上とできる。
【0041】本願の第7発明の厨芥排水処理装置および
その運転法では、粉砕厨芥の固液分離にふるい分け装置
を用いる場合、固液分離後の排水を、1日の排水量の1
倍容量以下、1/5倍容量以上の排水貯留槽で貯留して
生物反応部に供給することで固液分離機の運転に伴う排
水発生の変動を緩和、吸収して排水の生物処理性能を安
定化させる。
【0042】本願の第8発明の厨芥排水処理装置および
その運転法では、固液分離部で分離回収した厨芥固形物
を乾留することで厨芥排水処理装置からの廃棄物量の発
生を抑制して環境負荷の軽減を図る。
【0043】本願の第8発明の厨芥排水処理装置および
その運転法では、圧力1.2kgf/cm以下で粉砕
厨芥を乾留することで、厨芥排水処理装置からの発生す
る廃棄物量を削減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】厨芥排水処理工程図
【図2】厨芥排水処理装置
【図3】厨芥排水処理装置流入排水量の経時変化
【図4】厨芥排水処理工程
【図5】厨芥排水処理装置
【符号の説明】
1‥‥粉砕機、2‥‥厨芥排水貯留槽、3‥‥移行ポン
プ、4‥‥攪拌吐出口、5‥‥沈殿分離槽、6‥‥厨芥
ポンプ、7‥‥好気性生物処理槽(好気可溶化槽)、8
‥‥排水用好気性生物処理槽(接触ばっ気槽)、9‥‥
ふるい分け装置、10‥‥固相発酵(コンポスト)機、
11‥‥排水貯留槽、12‥‥定量排水ポンプ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厨芥を粉砕する粉砕部と、粉砕厨芥に水を
    供給する水供給部と、水と粉砕厨芥との混合物を貯留す
    る厨芥排水貯留部と、厨芥排水貯留部に貯留された貯留
    厨芥排水を固液分離部に送る移送部と、貯留厨芥排水を
    厨芥固形物と排水とに分離する固液分離部とからなり、
    固形物分離後の排水を滞留時間1時間以上2日以下で好
    気的に生物処理する排水生物処理部を有することを特徴
    とする厨芥排水処理装置。
  2. 【請求項2】前記水供給部は、厨芥重量1kg当たり3
    リットル以上80リットル以下の水を粉砕部あるいは粉
    砕部と厨芥排水貯留部とを接続する配管に供給すること
    を特徴とする請求項1記載の厨芥排水処理装置の運転方
    法。
  3. 【請求項3】前記固液分離部を、容量を1日の排水量の
    1/24倍以上2倍以下の沈殿分離槽とし、厨芥排水貯
    留部より厨芥排水を沈殿分離槽に供給することを特徴と
    する請求項1若しくは請求項2記載の厨芥排水処理装置
    若しくはその運転方法。
  4. 【請求項4】固液分離部で分離回収した厨芥固形物を滞
    留時間15日以上で好気的に生物処理することを特徴と
    する請求項1乃至請求項3記載の厨芥排水処理装置若し
    くはその運転方法。
  5. 【請求項5】固液分離部を開口部の大きさが10mm以
    下のふるい分け装置とし、厨芥排水貯留部には水位検知
    手段と、該水位検知手段からの検知水位に基づき厨芥排
    水貯留部の水位を一定の範囲内に保つよう移送部及びふ
    るい分け装置の運転制御を行う制御手段とを設けると共
    に、前記ふるい分け装置の処理速度を日平均排水速度q
    /dの1.2倍以上とすることを特徴とする請求項
    2記載の厨芥排水処理装置の運転方法。
  6. 【請求項6】厨芥排水貯留部の容量を1日の排水量の1
    /5容量以上2倍容量以下とし、一定時間おきに移送部
    とふるい分け装置の運転を水位検知による制御より優先
    して開始して厨芥貯留部の水位を設定下限水位以下にす
    ることを特徴とする請求項5に記載の厨芥排水処理装置
    の運転方法。
  7. 【請求項7】容量が1日の排水量の1/5容量以上1倍
    容量以下とし、固液分離後の排水を貯留する排水貯留部
    を有し、該排水貯留部を介して、排水を生物処理部へ供
    給することを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の厨
    芥排水処理装置若しくはその運転方法。
  8. 【請求項8】固液分離部で分離回収した厨芥固形物を乾
    留することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    5、請求項6若しくは請求項7のいずれかに記載の厨芥
    排水処理装置若しくはその運転方法。
  9. 【請求項9】圧力1.2kgf/cm以下で乾留する
    ことを特徴とする請求項8に記載の厨芥排水処理装置若
    しくはその運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7540357B2 (en) 2003-05-15 2009-06-02 Otis Elevator Company Position reference system for elevators
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JP2011050944A (ja) * 2009-08-05 2011-03-17 Daiki Ataka Engineering Co Ltd し尿、浄化槽汚泥あるいは有機性廃棄物の処理方法
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