JPH10179162A - リンカー組成物及びこれを用いた5′−race法 - Google Patents

リンカー組成物及びこれを用いた5′−race法

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JPH10179162A
JPH10179162A JP8343119A JP34311996A JPH10179162A JP H10179162 A JPH10179162 A JP H10179162A JP 8343119 A JP8343119 A JP 8343119A JP 34311996 A JP34311996 A JP 34311996A JP H10179162 A JPH10179162 A JP H10179162A
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JP8343119A
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Yoshiki Hiraoka
芳樹 平岡
Sadakazu Aiiso
貞和 相磯
Naoki Komatsu
直樹 小松
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 6塩基長以上の2本鎖部分と、その一方
の鎖の3′側に4塩基長以上の1本鎖部分を持つ部分2
本鎖ヌクレオチドの2種以上の混合物であって、各部分
2本鎖ヌクレオチド間の2本鎖部分の配列が共通であ
り、1本鎖部分の配列がランダムに異なっているヌクレ
オチドの混合物からなるリンカー組成物及びこれをリン
カーとして用いる5′−RACE法。 【効果】 この方法によれば、5′側が欠落したcDN
Aの5′側末端が効率よく、正確に修復、増幅できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、5′側cDNA末
端の迅速増幅法(5′−Rapid Amplification ofcDN
A End法:5′−RACE法)として知られている、
5′側の塩基配列が欠落したcDNAの5′側末端の迅
速増幅法の改良法に関する。
【0002】
【従来の技術】組織等から発現しているDNAを解析す
るには、その組織から発現しているmRNA群をまず抽
出し、プローブと呼ばれる既知のDNAの一部(普通、
目的とするDNAは蛋白質・アミノ酸から予測し、他の
DNAとは類似性を見ない部分を用いる)を使用して目
的のRNAをつり上げ、そのRNAから相補的なcDN
Aを合成して解析する(分子細胞生物学基礎実験法:南
江堂 参照)。この時、何らかの事情によって、翻訳方
向に向かって上流部(5′側:ファイブプライム側)又
は下流部(3′側:スリープライム側)が欠落したcD
NAが得られる事がある。この不完全な遺伝情報から完
全なcDNAを再クローニングする方法としてRACE
法(Rapid Amprication of cDNA End法:Frohman e
t al., Natl. Acad. Sci. USA 85:8998〜9002(1988))
が知られている。
【0003】RACE法とは、近年米国シータス社によ
って技術化されたポリメラーゼ連鎖反応法(以下、PC
R法ともいう)を利用して欠落した部分のcDNAを修
復及び増幅させる方法であり、3′側欠落cDNAを修
復及び増幅するRACE法を3′−RACE法と呼び、
5′側欠落cDNAを修復及び増幅するRACE法を
5′−RACE法と呼ぶ。
【0004】発現している蛋白のDNAは、塩基配列の
最後にA(アデニン)の重複(以下、ポリAとも呼ぶ)
が存在し、3′−RACE法はこのポリAを目安に修復
及び合成ができるので比較的容易である。
【0005】これに対し、5′−RACE法の場合は、
翻訳方向に向かって上流部を修復しなければならないた
めに、逆転写反応を新たに加えなければならず、また、
欠失した上流部の塩基配列が未知なため、ベクターへの
組み込みやPCR法による増幅を可能にするために、合
成ヌクレオチドなど配列のわかっている塩基列(以下、
リンカーと呼ぶ)を付加させなければならない。
【0006】逆転写反応は既知の方法を用いれば良い
が、特に、配列のわかっているリンカーを付加する反応
においては、現在、RNAリガーゼを用いた方法(以
下、RNAリガーゼ法ともいう:クローンテック社)と
ターミナルデオキシヌクレオチヂルトランスフェラーゼ
を用いた方法(以下、TdT法ともいう:ライフテック
サイエンス社)とがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、5′−
RACE法はDNA解析においてこれほど重要にも係わ
らず、リンカーの付加反応において、RNAリガーゼ法
ではリンカー同士が数殊繋ぎになって付加される等とい
う問題点があり、また、TdT法では理由は定かではな
いがcDNAにC(シトシン)などのデオキシリボヌク
レオチドを連鎖状に付加するときの制御が困難であるな
どの問題点があった。従って、本発明の目的は5′−R
ACE法におけるリンカーとして有用な組成物及びこれ
を用いる改良された5′−RACE法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は
5′−RACE法のリンカーについて鋭意検討を重ねた
結果、部分的に2本鎖となった特殊なリンカー組成物を
設計し、このリンカーをDNAリガーゼを用いてcDN
Aの3′側に連結すれば、どのようなcDNAにも汎用
的に対応できる新規な5′−RACE法が確立できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、6塩基長以上の2本
鎖部分とその一方の鎖の3′側に4塩基長以上の1本鎖
部分を持つ部分2本鎖ヌクレオチドの2種以上の混合物
であって、各部分2本鎖ヌクレオチド間の2本鎖部分の
配列が共通であり、1本鎖部分の配列がランダムに異な
っているヌクレオチドの混合物からなるリンカー組成物
を提供するものである。
【0010】また、本発明は、逆転写により得られたc
DNAの3′側に連結するリンカーとして当該リンカー
組成物を用いることを特徴とする5′−RACE法を提
供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のリンカー組成物は、2種
以上の部分2本鎖ヌクレオチドの混合物であって、各部
分2本鎖ヌクレオチドの2本鎖部分は6塩基以上であ
り、その一方の鎖の3′側の1本鎖部分は4塩基以上で
あるが、当該2本鎖部分の塩基長は、この2本鎖部分の
一部又は全部に相補的なヌクレオチドをプライマーとし
て用いる必要性及び経済性の点から6〜40塩基が好ま
しく、9〜40塩基がより好ましく、12〜40塩基が
特に好ましい。また、1本鎖部分の塩基長は、逆転写に
より得られたcDNAに結合する必要性から4塩基以上
であればよいが、4〜20塩基、特に4〜12塩基が好
ましい。20塩基以上であると、リンカーを結合した後
のcDNA合成効率が悪くなる。
【0012】本発明リンカー組成物に含まれる各部分2
本鎖ヌクレオチド間において2本鎖部分の配列は共通で
あり、1本鎖部分の配列はランダムに異なっている必要
がある。これは、前記のように、この2本鎖部分はプラ
イマーとの結合部位となる部分であるから、各ヌクレオ
チド間で配列が共通である必要があり、一方、1本鎖部
分は逆転写して得られたcDNAとの結合部位となる部
分であるから、なるべく多くの異なった配列を有してい
ることが望ましいからである。ランダムに異なった一本
鎖部分は、その塩基配列の全ての組み合わせ(4塩基配
列の場合、256通り)の1/2通り以上(4塩基配列
の場合、128通り以上)の異なった配列であることが
好ましく、更に好ましくは2/3通り以上(4塩基配列
の場合、170通り以上)の異なった配列である。特に
一本鎖部分が4塩基の場合、その全ての組み合わせであ
る256通りの異なった配列であることが好ましい。
【0013】このようなリンカー組成物は、例えばまず
リン酸トリエステル法、ホスホルアミダイド法、H−ホ
スホネート法などを用いたDNA合成機を用いて、6塩
基長以上の1本鎖ヌクレオチド(A)と、該ヌクレオチ
ド(A)と5′側配列を少なくとも6塩基共通にする2
種以上の10塩基長以上のヌクレオチド(B)をそれぞ
れ合成し、次いで該ヌクレオチド(A)と2種以上のヌ
クレオチド(B)とをアニーリングさせることにより製
造することができる。
【0014】ここで、アニーリング反応は、通常のアニ
ーリング法、例えば塩濃度の高い緩衝液中、高温(95
℃以上)にした後、徐々に温度を下げることにより行う
ことができる。
【0015】本発明の5′−RACE法は、逆転写によ
り得られたcDNAの3′側に連結するリンカーとして
本発明リンカー組成物を用いる以外は、通常の5′−R
ACE法に従って行われる。
【0016】また、ここでリンカーの連結手段はDNA
リガーゼにより行われる。DNAリガーゼとしては、T
4DNAリガーゼ(T4ファージ由来)、PfuDNA
リガーゼ(Pyrococcus furiosis由来)、TaqDNA
リガーゼ(Therms aquaticus由来)等が用いられる。こ
のうち、反応をより低温で行うことができることから、
T4DNAリガーゼを用いるのがより好ましい。
【0017】T4DNAリガーゼを用いる場合のリンカ
ーの連結反応は、例えばpH7.2〜7.8(好ましくは
pH7.4〜7.6)の、3mM〜15mM(好ましくは5mM
〜10mM)の塩化マグネシウム、0.5mM〜3.0mM
(好ましくは1.0mM〜2.0mM)のジチオスレイトー
ル、及び0.5mM〜3.0mM(好ましくは1.0mM〜
2.0mM)のATP(アデノシン三リン酸)を含む10
mM〜150mM(好ましくは25mM〜100mM)のトリス
塩酸バッファー中に、T4DNAリガーゼ200〜80
0ユニット(好ましくは300〜500ユニット)、c
DNA量の0.1〜1.0μg(好ましくは0.2〜
0.8μg)、及びリンカー組成物量1.0〜10.0
μg(好ましくは3.0〜8.0μg)を混合して、1
4〜18℃(好ましくは15〜17℃)の温度で6時間
〜24時間(好ましくは8時間〜16時間)反応させる
ことにより行われる。
【0018】本発明の5′−RACE法は、より具体的
には、例えば、5′側の塩基配列が欠落したcDNAの
うち配列の判明している3′側の配列の一部に相補的な
プライマー(1)を用いてmRNAの逆転写反応を行
い、得られたcDNAの3′側に本発明のリンカー組成
物をDNAリガーゼにより連結させ、次いで該プライマ
ー(1)及び該リンカー組成物の2本鎖部分の配列の一
部又は全部に相補的なプライマー(2)を用いてPCR
反応を行うことによる5′側の塩基配列が欠落したcD
NAの5′側末端の迅速増幅方法である。
【0019】次に、本発明の5′−RACE法をより詳
細に説明する。
【0020】(1)プライマー(1)の作製 まず最初に、5′側欠落cDNAの判明している部分
で、相補的な配列のプライマー(1)(以下、下流部プ
ライマーとも呼ぶ)を作製する。プライマーは核酸の合
成反応においてヌクレオチド鎖が伸びていく出発点とし
て働く6〜40塩基の1本鎖ヌクレオチドで、リン酸ト
リエステル法、ホスホルアミダイド法、H−ホスホネー
ト法などを用いたDNA合成機等既知の方法で容易に合
成できる。
【0021】(2)プライマー(1)を用いた逆転写反
応 次に、プライマー(1)を、組織より抽出したmRNA
群の中に入れ、逆転写反応をする。組織よりのmRNA
の抽出は、グアニジンチオシアネート/塩化セシウム密
度勾配遠心法など既知の方法が利用できる。
【0022】逆転写反応の条件は既知の方法で行う事が
できるが、例を挙げると、pH7.8〜8.5(好ましく
はpH8.0〜8.2)の75mM塩化カリウム、3mM塩化
マグネシウム及び10mMジチオスレイトールを含む50
mMトリス塩酸バッファー中において、逆転写酵素10〜
100ユニット(好ましくは30〜80ユニット)、R
NA量0.2〜5.0μg(好ましくは1.0〜3.0
μg)、dNTP(デオキシATP、デオキシCTP、
デオキシGTP、デオキシTTPを等モル比で混合した
もの)を好ましくは各1mM、及びプライマー50〜25
0μM(好ましくは100〜200μM)を混合して3
7〜45℃(好ましくは38〜42℃)の温度で30分
〜3時間(好ましくは1時間〜2時間)反応させる。
【0023】使用される逆転写酵素には、RAV−2
(Rous associated virus 2由来)、AMV(Avian my
eloblastosis virus由来)などが挙げられ、限定はしな
いが、RAV−2が望ましい。
【0024】(3)mRNAの分解 次に、逆転写反応を行った溶液にRNA分解酵素RNa
seHを添加してmRNAを分解し、相補的なcDNA
のみ1本鎖にする。分解は、既知の方法で行う事ができ
るが、RNaseHの濃度を100〜500ユニット、
好ましくは200〜300ユニットとなるように添加
し、室温〜37℃で10分〜1時間反応を行う。
【0025】(4)リンカーの付加 次に、上流部に本発明リンカー組成物を連結させる。連
結反応は前記の条件で行われる。
【0026】(5)PCR法による増幅 次に、連結したリンカーからプライマー(2)(以下、
付加塩基プライマーとも呼ぶ)を作製し、プライマー
(1)と併用してPCR法により増幅する。この時のP
CR法の条件は、特に限定はしないが、例を挙げると、
pH8.3の50mM塩化カリウム、1.5mM塩化マグネシ
ウム及び1mMジチオスレイトールを含む10mMトリス塩
酸バッファー中において、DNAポリメラーゼ0.5〜
2.5ユニット、好ましくは1.0〜2.0ユニット、
dNTP(デオキシATP、デオキシCTP、デオキシ
GTP、デオキシTTPを等モル比で混合したもの)を
好ましくは各0.1〜0.5μM、及びプライマー濃度
をそれぞれ0.1〜0.5μMとなるように混合し、 1.DNA変性、94〜98℃、30秒〜3分 2.プライマーのアニーリング、50〜60℃、1分〜
3分 3.プライマーの伸長、65〜75℃ 1 〜3を30〜50回繰り返すのが普通である。
【0027】このようにして増幅されたcDNAは欠落
した5′側が修復されている。かくして修復、増幅され
たcDNAはベクターに組み込み、大腸菌、酵母などの
微生物に軽質転換させて、DNAの解析などに用いるこ
とができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の5′−RACE法によれば、解
析したいDNAにおいてはどのようなものであっても、
5′側が修復されたcDNAを効率よく増幅することが
でき、本来のリンカーが重複せずに遺伝子組み換えベク
ターに組み込むことができる。また、この遺伝子組み換
えベクターを用いて、大腸菌、酵母等の微生物や動物細
胞を軽質転換し、培養することにより、そのDNAの解
析やタンパク質組成物を産生することができる。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に且
つ具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限さ
れるものではない。
【0030】実施例1(ヒトβ−アクチン遺伝子のcD
NA合成) (A)ヒトβ−アクチン遺伝子下流部プライマーの設定 下流部のプライマーは下記式にて表されるプライマーを
作製した。(式中、A、C、G及びTはそれぞれアデニ
ン、シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキ
シリボヌクレオチドを意味する)
【0031】
【化1】
【0032】これはDNASIS(DNAデータバン
ク)のヒトβ−アクチンDNAデータより作製し、上流
部より約600塩基の位置のものである。
【0033】(B)RNAの逆転写 ヒト胎盤組織より発現しているmRNAをグアニジウム
イソチオシアネート法によって分離し、前記(A)のプ
ライマーを用いて逆転写した。
【0034】反応条件の詳細を下記に示す。 1.RNA液(1μg相当) 2μl 2.DEPC水 12μl 3.逆転写バッファー(逆転写酵素RAV−2添付) 10μl 4.2.5mM dNTP(宝酒造社製) 20μl 5.Ribonucleae Inhibitor(宝酒造社製) 2μl 6.前記Aプライマー(100μM/μl) 2μl 7.逆転写酵素RAV−2(宝酒造社製) 2μl (1)1と2を混合し、95℃2分間加熱した。 (2)更に3〜7の試薬を加え、42℃2時間反応し
た。 調製されたcDNA液はフェノール・クロロホルム法に
より処理し、エタノール沈殿による回収、乾燥の後、5
0μlの精製水に溶解した(B反応液と呼ぶ)。
【0035】(C)リンカーの連結 リンカー組成物は、下記式のものを用いた(式中、A、
C、G及びTはそれぞれアデニン、シトシン、グアニン
及びチミン塩基を有するデオキシリボヌクレオチドを意
味する、NはA、C、G及びTいずれかの塩基を有する
デオキシリボヌクレオチドを意味する。また、NH3
はアミノ基を表し、P+はリン酸化されていること、P-
はリン酸化されていないことを表す)。
【0036】
【化2】
【0037】B反応液にRNaseH(宝酒造社製)を
5μl加え、室温で30分間反応させRNAを分解し
た。反応液はフェノール・クロロホルム法により処理
し、エタノール沈殿による回収、乾燥の後、20μlの
精製水に溶解した(C反応液と呼ぶ)。
【0038】 1.C反応液 10μl 2.リンカー(1μg/μl) 4μl 3.T4DNAリガーゼ(宝酒造社製) 10μl 4.5×ライゲーションバッファー(宝酒造社製) 6μl 1〜4を混合し、17℃16時間反応させた。
【0039】反応の後、Microcon(アミコン社製)を用
いてcDNAを回収し、精製水により洗浄した。最終的
には、45μlに調製した(反応液C)。
【0040】(D)合成したcDNAの増幅 リンカー内の配列から新たにプライマーを設定した(リ
ンカープライマーと呼ぶ)。リンカープライマーは下記
式(式中、A、C、G及びTはそれぞれアデニン、シト
シン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキシリボヌ
クレオチドを意味する)。
【0041】
【化3】
【0042】前記下流部プライマーとリンカープライマ
ーを用いてPCR法により、cDNAを増幅した。反応
条件の詳細を下記に示す。
【0043】 1.反応液C 38μl 2.10×PCRバッファー(宝酒造社製) 5μl 3.2.5mM dNTP(宝酒造社製) 5μl 4.前記Aプライマー(100pM/μl) 1μl 5.リンカープライマー(112pM/μl) 1μl 6.Taq ポリメラーゼ(宝酒造社製) 0.5μl 1〜6を混合した後、次の反応条件においてPCRを行
った。
【0044】PCR反応条件 前反応98℃ 3分 1. 94℃ 1分 2. 55℃ 2分 3. 68℃ 3分 1〜3×40回繰り返し。全ての反応終了後4℃にて保
存した(反応液D)。
【0045】合成したcDNAを1.5%アガロース電
気泳動により検討した結果、600bpに相当するcD
NAのみが得られた。
【0046】(E)合成cDNAのプラスミドベクター
への組み込み 合成cDNAを制限酵素Xho Iにて切断の後、大腸
菌用プラスミドベクターBluescript II KS+(東洋紡社
製)のXho I−EcoR V部位に組み込んだ。
【0047】 1.反応液 10μl 2.Xho I−EcoR V切断Bluescript II KS+(5μg) 6μl 3.T4DNAリガーゼ(宝酒造社製) 2μl 4.10×ライゲーションバッファー(宝酒造社製) 2μl 1〜4を混合し、17℃16時間反応させた。
【0048】(F)前記Eのプラスミドを大腸菌JA−
109株に形質転換した。 形質転換したJA−109株より、フェーノル・クロロ
ホルム法によりDNAを抽出し、エタノール沈殿による
回収の後、制限酵素Xho I及びEcoRVで切断
し、1.5%アガロース電気泳動にて組み込んだcDN
Aを確認した。
【0049】(G)合成DNAの遺伝子解析 Sequencing Kit Ver.2 7−DEAZA(宝酒造社製)
を使用してプラスミドに導入した合成cDNA上流部の
解析を行った。その結果、得られたcDNAはDNAS
IS(DNAデータバンク)のヒトβ−アクチンDNA
データの5′側と完全に一致しており、本発明方法によ
り、5′側が完全に修復、増幅されたことが確認され
た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6塩基長以上の2本鎖部分とその一方の
    鎖の3′側に4塩基長以上の1本鎖部分を持つ部分2本
    鎖ヌクレオチドの2種以上の混合物であって、各部分2
    本鎖ヌクレオチド間の2本鎖部分の配列が共通であり、
    1本鎖部分の配列がランダムに異なっているヌクレオチ
    ドの混合物からなるリンカー組成物。
  2. 【請求項2】 2本鎖部分の塩基長が6〜40塩基であ
    り、1本鎖部分の塩基長が4〜20塩基である請求項1
    記載のリンカー組成物。
  3. 【請求項3】 逆転写により得られたcDNAの3′側
    に連結するリンカーとして請求項1又は2記載のリンカ
    ー組成物を用いることを特徴とする5′−RACE法。
  4. 【請求項4】 リンカーの連結手段がDNAリガーゼに
    よるものである請求項3記載の5′−RACE法。
  5. 【請求項5】 5′側の塩基配列が欠落したcDNAの
    うち配列の判明している3′側の配列の一部に相補的な
    プライマー(1)を用いてmRNAの逆転写反応を行
    い、得られたcDNAの3′側に請求項1又は2記載の
    リンカー組成物をDNAリガーゼにより連結させ、次い
    で該プライマー(1)及び該リンカー組成物の2本鎖部
    分の配列の一部又は全部に相補的なプライマー(2)を
    用いてPCR反応を行うことを特徴とする5′側の塩基
    配列が欠落したcDNAの5′−RACE法。
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