JPH1017914A - 共晶黒鉛鋳鉄の製造方法 - Google Patents

共晶黒鉛鋳鉄の製造方法

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JPH1017914A
JPH1017914A JP20404496A JP20404496A JPH1017914A JP H1017914 A JPH1017914 A JP H1017914A JP 20404496 A JP20404496 A JP 20404496A JP 20404496 A JP20404496 A JP 20404496A JP H1017914 A JPH1017914 A JP H1017914A
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JP
Japan
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cast iron
cast
graphite
amount
eutectic graphite
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Pending
Application number
JP20404496A
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English (en)
Inventor
Takuo Okumura
卓夫 奥村
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Aisin Takaoka Co Ltd
Original Assignee
Aisin Takaoka Co Ltd
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Publication date
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】砂型鋳造法により安定した共晶黒鉛鋳鉄を製造
する。 【解決手段】重量%で、CE値(=C+1/3Si):
3.3〜3.7%かつSi量とC量との比(Si/C)
が1.0〜1.7、Mn:0.2〜1.0%、P:0.
2%以下、S:0.15%以下、残部がFeおよび不可
避的不純物である成分組成の溶湯を、接種処理を行うこ
となく、1500℃以上の注湯温度で砂型に注湯する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共晶黒鉛鋳鉄の製
造方法に関するものであり、詳しくは砂型鋳造法による
共晶黒鉛鋳鉄の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】砂型鋳造法による共晶黒鉛鋳鉄の製造方
法として、鋳鉄溶湯を強脱硫、強脱酸して硫砿量を0.
005〜0.001%にした後、砂型に注湯する方法が
ある(特公平5−14005号公報記載)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報記載
の共晶黒鉛鋳鉄の製造方法は、共晶黒鉛の発生には有効
であるが、溶湯中の硫黄量が極めて少ないため、鋳鉄組
織が著しくチル化し、安定した鋳物を得ることができな
いという問題点を有している。そこで、本発明は、上記
問題点を解消するためになされたものであり、鋳鉄組織
がチル化せず、安定した鋳物を得ることのできる共晶黒
鉛鋳鉄の製造方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、共晶セルの
一次元成長速度が黒鉛平衡凝固温度からの過冷度の自乗
に比例する(「鋳造工学」中江秀雄著、産業図書出版、
87〜88頁)ことに着目し、鋭意検討した結果、特定
の成分組成の溶湯について注湯温度を高めて過冷度を大
きくすると、共晶黒鉛が晶出することを見出し、本発明
を完成した。本発明の共晶黒鉛鋳鉄の製造方法は、重量
%で、CE値(=C+1/3Si):3.3〜3.7%
かつSi量とC量との比(Si/C)が1.0〜1.
7、Mn:0.2〜1.0%、P:0.2%以下、S:
0.02〜0.15%、残部がFeおよび不可避的不純
物である成分組成の溶湯を、接種処理を行うことなく、
1500℃以上の注湯温度で砂型に注湯することを特徴
とする。
【0005】本発明の成分組成の溶湯を接種処理を行う
ことなく1500℃以上の温度で砂型に注湯すると、溶
湯の黒鉛平衡凝固温度からの過冷度が大きくなり、フェ
ライトとパーライトとからなる基地組織に共晶黒鉛が晶
出する。
【0006】CE値が3.3%より小さくなるとチルの
発生が著しくなり、切削加工性が低下するため、CE値
の下限を3.3%とし、CE値が3.7%より大きくな
ると片状黒鉛(A型およびB型黒鉛)が晶出するため、
CE値の上限を3.7%とした。Si量とC量との比が
1.0より小さくなると片状黒鉛(A型およびB型黒
鉛)が晶出するため、Si量とC量との比の下限を1.
0とし、Si量とC量との比が1.7より大きくなると
材質が脆弱になるため、Si量とC量との比の上限を
1.7とした。Mn量が0.2%より小さいとパーライ
トが生じないため、Mn量の下限を0.2%とし、Mn
量が1.0%より大きいとチル化が起こるため、Mn量
の上限を1.0%とした。P量が0.2%より大きいと
ステダイトを生成して被削性が低下するため、P量の上
限を0.2%とした。S量が0.02%より小さい場合
およびS量が0.15%より大きい場合のいずれの場合
においてもチル化が起こるため、S量を0.02〜0.
15%とした。注湯の際、接種処理を行うと片状黒鉛が
晶出するため、注湯時に接種処理を行わないこととし
た。注湯温度が1500℃より低いと片状黒鉛が晶出す
るため、注湯温度を1500℃以上とした。
【0007】
【発明の実施の形態】溶湯を、キュポラ、電気炉あるい
は高周波炉等により溶製し、1500℃以上に昇温して
砂型に注湯する。砂型の種類は特に限定されず、CO
鋳型、生砂型、ダイカル鋳型、フラン鋳型等を用いるこ
とができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)重量%で、CE値:3.3%、Si/Cが
1.63、Mn:0.59%、P:0.54%、S:
0.041%、残部がFeおよび不可避的不純物よりな
る溶湯を高周波炉で溶製した後、接種処理を行うことな
く、1500℃の注湯温度でCO鋳型に注湯して供試
材を鋳込んだ。 (実施例2)重量%で、CE値:3.6%、Si/Cが
1.59、Mn:0.59%、P:0.54%、S:
0.040%、残部がFeおよび不可避的不純物よりな
る溶湯を高周波炉で溶製した後、接種処理を行うことな
く、1500℃の注湯温度でCO鋳型に注湯して供試
材を鋳込んだ。
【0009】実施例1〜2の鋳造条件及び両実施例で鋳
造した供試材の黒鉛形状、基地組織におけるチル発生の
有無及びビッカース硬さ(HV20(試験荷重196
N))を表1に示す。なお、ビッカース硬さは、JIS
Z 2244「ビッカース硬さ試験方法」に準じて測
定した。表1中の黒鉛形状の欄のA,B,D,Eは、
「黒鉛の形、分布の分類(AFS−ASTM)」におけ
るA形,B形,D形,E形をそれぞれ示す。
【0010】
【表1】
【0011】表1から明らかなように、実施例1〜2で
鋳造した供試材は、共晶黒鉛が晶出し、チルの発生もな
い。
【0012】比較例1〜6として、溶湯成分組成、接種
処理条件または注湯温度について、本発明の共晶黒鉛鋳
鉄の製造方法に係る鋳造条件と異なる鋳造条件で供試材
を鋳込んだ。 (比較例1)実施例1の鋳造に用いた溶湯と同じ成分組
成の溶湯を溶製し、Ca−Cにより脱硫処理し、S量
を0.005%とした後、接種処理を行うことなく、1
500℃の注湯温度で供試材を鋳込んだ。 (比較例2)CE値が3.0%の溶湯を溶製し、接種処
理を行うことなく、1500℃の注湯温度で供試材を鋳
込んだ。 (比較例3)CE値が3.8%の溶湯を溶製し、接種処
理を行うことなく、1500℃の注湯温度で供試材を鋳
込んだ。 (比較例4)実施例1の鋳造に用いた溶湯と同じ成分組
成の溶湯を溶製し、Fe−Si系接種剤を0.3重量%
添加し、1500℃の注湯温度で供試材を鋳込んだ。 (比較例5)実施例2の鋳造に用いた溶湯と同じ成分組
成の溶湯を溶製し、Fe−Si系接種剤を0.3重量%
添加し、1500℃の注湯温度で供試材を鋳込んだ。 (比較例6)実施例1の鋳造に用いた溶湯と同じ成分組
成の溶湯を溶製し、接種処理を行うことなく、1400
℃の注湯温度で供試材を鋳込んだ。 (比較例7)実施例2の鋳造に用いた溶湯と同じ成分組
成の溶湯を溶製し、接種処理を行うことなく、1400
℃の注湯温度で供試材を鋳込んだ。
【0013】比較例1〜7の鋳造条件及び各比較例で鋳
造した供試材の黒鉛形状、基地組織におけるチル発生の
有無及びビッカース硬さ(HV20(試験荷重196
N))を表1に併記する。
【0014】表1より、各比較例について以下のことが
明らかである。比較例1の如くS量が低い溶湯から鋳込
んだ供試材は、チルが発生して硬くなる。比較例2の如
くCE値が低い溶湯から鋳込んだ供試材は、チルが発生
して硬くなる。比較例3の如くCE値が高い溶湯から鋳
込んだ供試材は、片状黒鉛が晶出する。比較例4〜5の
如く接種処理を施して鋳込んだ供試材及び比較例6〜7
の如く低い注湯温度で鋳込んだ供試材は、いずれも共晶
黒鉛及び片状黒鉛が晶出する。
【0015】図1は実施例1の鋳造条件で鋳込んだ供試
材の破断面の顕微鏡写真(腐食せず、倍率100倍)で
あり、共晶黒鉛が晶出している。
【0016】
【発明の効果】本発明の共晶黒鉛鋳鉄の製造方法によれ
ば、重量%で、CE値(=C+1/3Si):3.3〜
3.7%かつSi量とC量との比(Si/C)が1.0
〜1.7、Mn:0.2〜1.0%、P:0.2%以
下、S:0.02〜0.15%、残部がFeおよび不可
避的不純物である成分組成の溶湯を、接種処理を行うこ
となく、1500℃以上の注湯温度で砂型に注湯するの
で、チルのない共晶黒鉛鋳鉄を容易に得ることができ、
安定した鋳物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって鋳造した共晶黒鉛鋳
鉄の黒鉛組織を示す顕微鏡写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、CE値(=C+1/3Si):
    3.3〜3.7%かつSi量とC量との比(Si/C)
    が1.0〜1.7、Mn:0.2〜1.0%、P:0.
    2%以下、S:0.02〜0.15%、残部がFeおよ
    び不可避的不純物である成分組成の溶湯を、接種処理を
    行うことなく、1500℃以上の注湯温度で砂型に注湯
    することを特徴とする共晶黒鉛鋳鉄の製造方法。
JP20404496A 1996-06-28 1996-06-28 共晶黒鉛鋳鉄の製造方法 Pending JPH1017914A (ja)

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