JPH10178259A - 窒化アルミニウム回路基板 - Google Patents

窒化アルミニウム回路基板

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JPH10178259A
JPH10178259A JP33671996A JP33671996A JPH10178259A JP H10178259 A JPH10178259 A JP H10178259A JP 33671996 A JP33671996 A JP 33671996A JP 33671996 A JP33671996 A JP 33671996A JP H10178259 A JPH10178259 A JP H10178259A
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東一 高城
Junichi Suzaki
純一 須崎
Kenji Kadota
健二 門田
Ryuichi Terasaki
隆一 寺崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーモジュール用等の発熱の大きい用途に
回路基板を実装する場合、回路上に形成するハンダの影
響により、窒化アルミニウム基板に、クラックを生じ易
い問題があった。本発明はクラック発生の少なく信頼性
の高い回路基板及びその製造方法を呈示する。 【解決手段】 金属回路を設けてなる窒化アルミニウム
回路基板であって、金属回路の外周と金属回路上のハン
ダとの距離が少なくとも0.3mm以上であることを特
徴とする窒化アルミニウム回路基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い信頼性、放熱
性を要する電子部品のパワーモジュール等に使用される
金属回路を有する窒化アルミニウム回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から各種電子機器の構成部品とし
て、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(Al
N)、酸化ベリリウム(BeO)などのセラミックス焼
結体基板表面に導電層として銅(Cu)回路板等を一体
に接合した回路基板が広く使用されている。
【0003】回路基板は、熱伝導性および電気伝導性に
優れた銅等の金属により回路板を形成しているため、回
路動作の遅延が減少するとともに回路配線の寿命も向上
する。また、一般に回路板の表面はNi系などのメッキ
層が施されており、更に半導体素子(ICチップ)や電
極を取り付けるための接合材としてハンダ膜が形成され
る。
【0004】ハンダ膜は使用中の熱応力等によりハンダ
膜自体にクラックが発生するという問題があった。これ
に対し、特開昭56−167394では、アルミナ基板
を用いた回路基板の電極取り付け部表面に形成されたハ
ンダ部分の端部からハンダ自身にクラックが発生するこ
とを防止するため、電極取り付け部の周縁部を除いてハ
ンダペーストを塗布する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら窒化アル
ミニウム回路基板の場合、金属回路上の電極取り付け部
及び半導体素子取り付け部等のハンダにクラックが発生
して電極又は半導体素子が取れるという問題よりも、ハ
ンダの剥がれに問題のない場合でも電極又は半導体の取
り付け部付近の窒化アルミニウム板自体にクラックが発
生して取り付け部の金属回路が窒化アルミニウム板から
剥離したり、絶縁破壊に至るという窒化アルミニウム回
路基板特有の課題が依然として残されていた。
【0006】本発明は、上記状況に鑑みてなされたもの
であり、取り付け部周囲の窒化アルミニウム基板に発生
する応力を低減し、クラック発生を抑制し信頼性の高い
パワーモジュール用窒化アルミニウム回路基板を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、窒化アル
ミニウム回路基板について金属回路の取り付け部表面に
乗せるハンダの位置を種々検討した結果、ハンダの端か
ら金属回路の外周までの距離が窒化アルミニウム板と金
属回路の剥離に顕著な相関があることを見出し本発明を
完成した。
【0008】すなわち本発明は、金属回路を設けてなる
窒化アルミニウム回路基板であって、金属回路の外周と
金属回路表面のハンダとの距離が0.3mm以上である
ことを特徴とする窒化アルミニウム回路基板である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明につい
て説明する。窒化アルミニウム板として特に制限はない
が、良好な放熱性を示すためには、熱伝導率が80W/
mK以上のものが適している。また、曲げ強さについて
は、回路基板形成後の強さに影響を及ぼすため350M
Pa以上のものが適当である。また、窒化アルミニウム
板の形状は通常矩形であることが多いが、形状は用途に
よって適宜選択されるものであり、本発明は形状によっ
て何ら制限を受けるものではない。
【0010】窒化アルミニウム板の厚みは、要求される
回路基板の強さによって異なるが、通常、0.3mmか
ら1.5mmのものが使われる。窒化アルミニウム板に
形成される金属回路及び金属放熱板の材質は、銅、ニッ
ケル、アルミニウム、モリブデン、タングステン等の純
金属もしくは合金が用いられる。その金属回路又は金属
放熱板の厚みは0.1〜2.0mmが使われる。
【0011】接合する金属回路の厚みは極めて重要で、
0.075mm程度の厚みでは、活性金属法による接合
の場合、接合時に若干の荷重をかけるため、金属板の膨
張が妨げられ、金属板にシワを生じることがあり、量産
性に欠けるという問題がある。従って、0.1mm以上
のものを用いるのが好ましいが、あまり厚くなると、接
合金属板による熱応力によって、金属回路の剥離や窒化
アルミニウム板にクラックが発生するようになり、0.
2mm以下とするのが好ましい。
【0012】金属回路の表面は、回路の腐食保護とハン
ダとの接合性改良の為、Niメッキ等を行うのが一般的
である。さらに、窒化アルミニウム回路基板をパワーモ
ジュールに実装する場合、熱処理を施してヒートシンク
銅板へハンダで接合する。この際、比較的高温のハンダ
が使用される。さらに半導体チップや電極が回路基板の
金属回路部にハンダで接合される。この接合にはヒート
シンク銅板の接合に用いたハンダよりも低温のハンダが
使用される。さらに、樹脂封止やケーシング工程を経て
モジュール化される。
【0013】図1は回路基板の回路面側から見た平面図
であり、金属回路のパターンと取り付け部の位置を代表
例として図に示したものである。すなわち図1中の3が
電極取り付け部であり、4が半導体素子の取り付け部で
ある。一般に電極取り付け部は、半導体素子の取り付け
部に比較して、回路端部に配置されるため、基板に応力
を与える影響が大きく、窒化アルミニウム基板のクラッ
ク及び、金属回路の剥離は電極取り付け部で発生しやす
い傾向がある。ここで本発明に云う金属回路の外周とハ
ンダとの距離とは図2,図3の7に示す距離を云う。す
なわち金属回路の平面図で外周のなす線と金属回路上の
ハンダの外周のなす線との最短距離である。
【0014】本発明において重要なことは、金属回路の
外周とハンダとの距離が0.3mm以上であることであ
る。この距離が0.3mm未満では発生応力低減効果が
少なく、クラックの発生率が大きくなり好ましくない。
好ましくは0.4mm以上である。一方上限については
特に制限はないが、1mmを越えて大きくしても発生応
力低減効果がそれ以上大きくならず、また小型化の要請
に反するため好ましくない。したがって、この距離は
0.3mm以上1mm以下であり、さらに好ましくは
0.4mm以上1mm以下である。
【0015】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげてさらに具体的
に説明する。窒化アルミニウム板は窒化アルミニウム粉
末に酸化イットリウム粉末2〜4重量%配合しドクター
ブレード法を用いて成形した成型体を1850℃〜19
00℃で窒素雰囲気中で焼成して、熱伝導率150W/
(m・K)、相対密度99.9%の焼結体を得た。長さ
60mm、幅30mm、厚み0.635mmとした。
銀、銅及びジルコニウムの各金属粉末を、銀粉末75重
量部、銅粉末25重量部にジルコニウム粉末15重量部
及びテルピネヲ−ル15重量部と有機結合材としてポリ
イソブチルメタアクリレ−トのトルエン溶液を固形分で
1.5重量部加えてよく混練し、ろう材ペ−ストを調整
した。このろう材ペ−ストを窒化アルミニウム板の両面
にスクリ−ン印刷によって全面塗布した。その際の塗布
量は(乾燥後)6〜8mg/cm2とした。
【0016】次に、ろう材ペ−ストを塗布した窒化アル
ミニウム基板の両面に銅板(厚み:金属回路用銅板0.
3mm、金属放熱用銅板0.15mm)を接触配置し炉
に投入し、1×10−4torrの真空下、温度900
℃で30分加熱した後、2℃/min.の降温速度で冷
却して接合体を製造した。
【0017】次いで、この接合体の銅板上に紫外線硬化
タイプのエッチングレジストをスクリ−ン印刷法により
パターン印刷し、塩化第2銅溶液を用いて不要銅部分を
溶解除去し、さらにパターン外に残った不要ろう材や反
応生成物を、60℃、10%弗化アンモニウム溶液で溶
解除去した。この後、5%苛性ソ−ダ溶液でエッチング
レジストを剥離し、第1図に示す形状の回路基板を得
た。これに、無電解Ni−Pメッキ処理を施し、銅回路
部分に厚さ3μmのメッキ膜を形成させた。
【0018】これらの回路基板の銅回路のうち図2に示
す電極取り付け部に金属回路外周からの距離を種々変え
てハンダ塗布部分を残して熱硬化型ハンダレジストをス
クリーン印刷法により形成した。これらの回路基板を厚
み3mmのヒートシンク銅板に錫−鉛−アンチモン系ハ
ンダを用いて250〜280゜Cで接合したのち、底面
4mm×6mmで厚み1mmのL字形状の銅製の電極を
金属回路の電極取り付け部に錫−鉛系のハンダを用いて
160〜190℃で接合して試験用の模擬モジュールを
作製した。このモジュールを用いてヒートサイクル試験
を実施した。ヒートサイクル試験はJIS−C−002
5温度変化試験方法に準拠して、−40℃で30分間保
持し、+125℃で30分間加熱する加熱冷却操作を1
サイクルとして200サイクル実施した。試験後に電極
取り付け部付近の金属回路と窒化アルミニウム基板との
剥離の有無を評価した。剥離状態は超音波検査装置を用
いて行ない、剥離した基板の数の割合を剥離発生率%と
して算出した。電極取り付け部のハンダから金属回路外
周までの距離と剥離発生率との関係を表1にまとめて示
した。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように窒化アルミニウム
回路基板において、金属回路外周からハンダまでの距離
が0.3mm以上であると顕著にヒートサイクル性が改
善されることがわかる。また、この距離は0.3〜1m
mあれば十分であることがわかる。また、実施例6に示
したように1mm以上大きく取ることもできるが、基板
サイズを大きくする必要があり、実用的ではない。
【0021】
【発明の効果】以上本発明の窒化アルミニウム回路基板
を用いることにより、回路の剥離が少なく高信頼性のパ
ワーモジュールを製造することが出来る。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】回路パターン中の取り付け部の位置
【図2】平面図電極取り付け部のハンダと金属回路外周
との距離
【図3】図2の側面拡大図
【符号の説明】
1:窒化アルミニウム板 2:金属回路板 3:電極取り付け部 4:半導体素子取り付け部 5:ハンダレジスト 6:ハンダ 7:金属回路外周とハンダとの距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺崎 隆一 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属回路を設けてなる窒化アルミニウム回
    路基板であって、金属回路の外周と金属回路上のハンダ
    との距離が少なくとも0.3mm以上であることを特徴
    とする窒化アルミニウム回路基板。
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