JPH10178254A - 回路基板の表面処理装置 - Google Patents

回路基板の表面処理装置

Info

Publication number
JPH10178254A
JPH10178254A JP35315496A JP35315496A JPH10178254A JP H10178254 A JPH10178254 A JP H10178254A JP 35315496 A JP35315496 A JP 35315496A JP 35315496 A JP35315496 A JP 35315496A JP H10178254 A JPH10178254 A JP H10178254A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit board
processing liquid
roller
transport roller
transport
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35315496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3336349B2 (ja
Inventor
Tadashi Osada
正 長田
Takaya Ikuma
孝也 伊熊
Akira Yazawa
明 矢澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON ALPHA METALS KK
OCEAN KK
SHINEI KASEI KK
Original Assignee
NIPPON ALPHA METALS KK
OCEAN KK
SHINEI KASEI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON ALPHA METALS KK, OCEAN KK, SHINEI KASEI KK filed Critical NIPPON ALPHA METALS KK
Priority to JP35315496A priority Critical patent/JP3336349B2/ja
Publication of JPH10178254A publication Critical patent/JPH10178254A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3336349B2 publication Critical patent/JP3336349B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の搬送系及び駆動系の基本構造を変える
ことなく、製造コストの上昇も抑制することのできる装
置構成によって、回路基板表裏の処理状態の相違を低減
することのできる新規の回路基板の表面処理装置を実現
する。 【解決手段】 下側搬送ローラ21の搬送円盤21b
は、導入部10の側から処理液槽50の中央部に向かっ
て次第に径を縮小していき、中央部から導出部30に向
かって再び径を拡大して元に戻るように構成されてい
る。このため、下側搬送ローラ21と上側搬送ローラ2
2との間に挟持された状態で搬送される回路基板は、処
理液槽50の中央部にて下方に降下し、処理液の深い位
置において処理されることとなるため、回路基板の表裏
の処理状態の相違を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路基板の表面処理
装置に係り、特に、回路基板の表面に無電解メッキを施
す場合に好適な装置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の回路基板の表面処理装置には、装
置の一方から他方へと回路基板を水平方向に搬送しなが
ら、回路基板の洗浄、エッチング処理、メッキ処理等の
各種処理を連続して行うように構成したものがある。こ
の場合、回路基板は、搬送方向に複数の搬送ローラを配
列してなる搬送ローラ列によって搬送される。この搬送
ローラ列には、搬送面の下側において回路基板の下面に
接するように配置された下側搬送ローラと、搬送面の上
側において回路基板の上面に接するように配置された上
側搬送ローラとが設けられる。回路基板はこれらの下側
搬送ローラと上側搬送ローラとの間に挟持されながら搬
送方向へ所定の速度で移動する。
【0003】上記装置における洗浄処理、エッチング処
理、メッキ処理等を行うための処理液を使用する工程部
においては、搬送ローラ列によって構成される搬送面が
液面より低い位置に来るように構成された処理液槽が設
けられている。この処理液槽は、回路基板を容易に受け
入れられるように、回路基板の導入部(入口)と導出部
(出口)とが開放された形状となっており、ここから処
理液が常時外側へと流れ落ちるオーバーフロー構造とな
っている。処理液槽から流れ落ちた処理液は処理液槽を
抱え込むように構成された回収槽の内部に収容される。
【0004】回収槽内には、処理液の温度を制御するた
めのヒータが設けられ、また、回収槽内に回収された処
理液は、適宜フィルタ等を通過して循環ポンプによって
再び処理液槽へと戻される。このようにして、上記装置
においては、処理液槽と、回収槽との間に循環系が構成
され、処理液はこの循環系を循環しながら、回路基板を
処理していくように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
回路基板の処理装置においては、処理液槽に回路基板の
導入部と導出部とを設け、ここから処理液が回収槽へと
流れ落ちるように構成しているため、回路基板の搬送面
を処理液槽内の処理液の液面下の深い位置に設定するこ
とができない。このため、表面処理が進行していくと、
回路基板の上面に接触する処理液の成分が、下面に接触
する処理液の成分に対して変化し、回路基板の表裏の処
理状態が異なってしまう場合がある。
【0006】ここで、処理液の循環量を増加させたり、
処理液の攪拌度合いを高めたりする方法も考えられる
が、この方法では、洗浄液、エッチング液又は無電解メ
ッキ液の中には発泡性を有するものがあり、このような
処理液を用いた場合に、処理液が発泡して処理液槽の内
部に泡が充満したり、処理液槽から泡が漏れ出したりす
るという問題点がある。
【0007】一方、処理液槽の内部で回路基板の搬送面
を下げることによって、回路基板を処理液内の深い位置
まで降下させることも考えられるが、このように回路基
板を降下させるには、装置の搬送系及び駆動系を大幅に
変える必要があり、構造が大型かつ複雑になるために、
スループットが高く、製造コストも低い上述のような水
平搬送型の処理装置のメリットが全く失われてしまう。
【0008】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、装置の搬送系及び駆動系の基本構
造を変えることなく、製造コストの上昇も抑制すること
のできる装置構成によって、回路基板表裏の処理状態の
相違を抑制することのできる新規の回路基板の表面処理
装置を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた手段は、回路基板を送るために水平に
配列された複数の搬送ローラからなる搬送ローラ列と、
該搬送ローラ列により構成される搬送面を処理液の液面
下に配置するように形成され、その周縁部から前記処理
液を流出させるように構成された処理液槽と、該処理液
槽から流出した処理液を回収する回収槽と、前記処理液
槽に前記処理液を供給する処理液供給手段とを備えた回
路基板の表面処理装置において、前記搬送ローラの径を
前記回路基板の搬送方向に進むに従って次第に変化させ
ることによって前記搬送面の前記処理液内における深さ
が増大するように構成されていることを特徴とする。
【0010】この手段によれば、搬送ローラの径を搬送
方向に変化させることによって搬送面の処理液内におけ
る深さが増大するように構成しているので、搬送ローラ
の駆動系の基本構造を変えることなく、容易に回路基板
を処理液中に深く入れることができるため、回路基板の
表裏の処理状態の相違を低減することができる。
【0011】ここで、前記搬送ローラ列には、前記回路
基板の下面に接する下側搬送ローラと、前記回路基板の
上面に接する上側搬送ローラとが設けられ、少なくとも
下側搬送ローラを駆動して前記回路基板を搬送するよう
に構成されており、前記処理液槽における前記回路基板
の導入部及び導出部に配置された前記下側搬送ローラの
径に対して、前記処理液槽の中心寄りに配置された前記
下側搬送ローラの径が順次小さくなるように形成するこ
とが好ましい。
【0012】この手段によれば、下側搬送ローラと上側
搬送ローラとの間に回路基板を挟持して搬送するととも
に、下側搬送ローラを駆動することによって、確実に回
路基板を位置決めして搬送することができる。この場
合、下側搬送ローラの径を処理液槽の中心に向かって順
次小さくなるように形成することによって処理液槽の中
心部において搬送面を導入部及び導出部よりも低くする
ことができ、回路基板を処理液の中により深く浸漬する
ことができる。
【0013】この場合にはまた、前記回路基板の導入部
及び導出部に配置された前記下側搬送ローラの駆動回転
速度に対して、前記処理液槽の中心寄りに配置された前
記下側搬送ローラの駆動回転速度が順次早くなるように
構成し、前記下側搬送ローラの径差に起因するローラの
周速度の差が低減され、若しくは打ち消されるように構
成されていることが望ましい。
【0014】この手段によれば、下側搬送ローラのロー
ラ径が小さくなるに従って駆動回転速度が順次早くなる
ようにすることによって、ローラ径の差に起因する周速
度の差が低減され、若しくは打ち消されるため、回路基
板の表面に対するローラの滑りが低減され、回路基板の
表面への損傷を防止することができる。
【0015】この場合にはさらに、前記下側搬送ローラ
は、前記搬送方向に伸び、所定回転数で回転する駆動軸
に対して個々に接続された回転軸によって回転駆動さ
れ、前記駆動軸と前記回転軸との回転伝達比を変えるこ
とによって前記搬送方向に沿って前記駆動回転速度を変
えるように構成される場合がある。
【0016】この手段によれば、駆動軸に対して下側搬
送ローラの回転軸を個々に接続するとともに、駆動軸と
回転軸との回転伝達比を変えることによって容易かつ簡
易に複数の搬送ローラを駆動する駆動系を構成すること
ができる。
【0017】上記各手段においては、前記処理液は前記
回路基板上に無電解メッキを施すためのメッキ処理液で
あることが特に効果的である。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る回路基板の表面処理装置の実施形態について説明
する。この実施形態の要部構造は図1に示されている。
図1に示す表面処理装置は回路基板に施される一連の処
理工程の一つを担当するための処理槽部分であり、回路
基板の所望の表面部分に選択的に無電解メッキ処理を施
すための工程を行うものである。ただし、図1に示す装
置の基本構造は、以下に説明するメッキ処理のためのも
のに限らず、例えば水や薬液等による洗浄処理、エッチ
ング処理等にも広く適用できるものである。
【0019】装置内に直線的に配置された搬送面を構成
する搬送ローラ列は、図1においては、導入部10内に
設置された2組の下側導入ローラ11及び上側導入ロー
ラ12と、処理部20内に設置された多数の下側搬送ロ
ーラ21及び上側搬送ローラ22と、導出部30内に設
置された2組みの下側導出ローラ31及び上側導出ロー
ラ32とによって構成されている。
【0020】下側導入ローラ11、上側導入ローラ1
2、下側導出ローラ31及び上側導出ローラ32は、そ
れぞれ全体として円柱形状をしており、軟質樹脂からな
る周面を備えている。一方、下側搬送ローラ21及び上
側搬送ローラ22は、それぞれ耐蝕性金属で構成された
回転軸体21a及び22aと、この回転軸体21a,2
2aに対して同心に取り付けられ、その軸線方向に所定
間隔で複数配列された合成樹脂製の搬送円盤21b,2
2bとによって構成されている。
【0021】上記処理部分の全体は、略舟形の回収槽4
0によって包囲されており、この回収槽40の内部に、
上記下側搬送ローラ21及び上側搬送ローラ22を収容
するように構成された処理液槽50が形成されている。
回収槽40には、搬送経路上に配置された外側導入口4
1及び外側導出口42が形成され、また、処理液槽50
には、同様に搬送経路上に配置された内側導入口51及
び内側導入口52が形成されている。
【0022】回収槽40においては、上記導入部10の
直下位置から搬送方向に向かって下方に傾斜した傾斜面
部43と、上記導出部30の直下位置から搬送方向とは
逆側に向かって下方に傾斜した傾斜面部44とが設けら
れ、これらの傾斜面部43,44は中央底面部45にそ
れぞれ接続されている。
【0023】回収槽40の中央底面部45の上方には処
理液を加熱して所定の温度に維持するためのヒータ46
が収容されている。また、中央底面部45には、処理液
配管61,62が接続されており、この処理液配管61
は、回収槽40から処理液を引き込み、フィルタ63、
循環ポンプ64を経て上記処理液槽50の底面部から処
理液を内部に送り込むようになっている。
【0024】処理液配管62は、回収槽40から処理液
を引き込み、液送ポンプ65を経て処理液槽50の内部
に配置された下側液噴出管67及び上側液噴出管68に
処理液を送り込むように構成されている。なお、圧力計
66は液送ポンプ65による処理液の液送圧力を確認す
るためのものである。
【0025】下側液噴出管67は、下側搬送ローラ21
とほぼ同じ高さでかつ平行に配置された円筒状の管材で
あり、その周壁の上部に多数の吹出口を備えている。上
側液噴出管68は、上側搬送ローラ22とほぼ同じ高さ
でかつ平行に配置された円筒状の管材であり、その周壁
の下部に多数の吹出口を備えている。
【0026】下側搬送ローラ21及び上側搬送ローラ2
2においては、内側導入口51から搬送方向に進むに従
って搬送円盤21b,22bの外径が順次小さくなり、
中央部分で小さくなった外径のまま一定になる。さらに
搬送方向に進むと逆に搬送円盤21b,22bの外径は
順次大きくなって、内側導出口52の近傍にて再び元の
径に戻るように構成されている。
【0027】図2に示すように、上記表面処理装置の一
側面部には駆動室28が設けられ、この駆動室に、上記
下側導入ローラ11、下側搬送ローラ21及び下側導出
ローラ31(これらは上側のローラによって隠れ、或い
は図外の位置にあることによって図2には図示していな
い。)の各回転軸体の一端が突出している。駆動室28
に突出した上述の回転軸体の端部には被動側斜歯(はす
ば)歯車23が取り付けられている。この被動側斜歯歯
車23は、搬送方向に平行に架設された駆動軸体25に
取り付けられた駆動側斜歯歯車24に噛合している。
【0028】図2に示す駆動軸体25は、後述する駆動
源に接続されて回転するように構成されており、駆動軸
体25の回転により上記各下側の回転軸体21bが回転
することによって、上記下側搬送ローラ21が回転し、
回路基板を搬送方向に搬送するように構成されている。
【0029】上記構造の表面処理装置においては、前工
程から送られてくる回路基板を下側導入ローラ11と上
側導入ローラ12との間に挟持して外側導入口41から
引き込み、さらに、内側導入口51から処理液槽50の
内部へと引き込むように構成されている。処理液槽50
の内部においては、下側搬送ローラ21と上側搬送ロー
ラ22との間に回路基板が挟持され、下側搬送ローラの
回転によって回路基板が搬送されていく。
【0030】図3に示すように、駆動室28内におい
て、駆動軸体25はほぼ水平に架設されており、この駆
動軸体25に噛合している下側搬送ローラ21の回転軸
体21bもまた、ほぼ水平に配置されている。ところ
が、下側搬送ローラ21と上側搬送ローラ22の外径
は、図1及び図2に示すように搬送方向に次第に小さく
なっていき、やがて再び大きくなって元に戻る。このた
め、下側搬送ローラ21に対して回路基板を挟んで対向
するように配置されている上側搬送ローラ22の回転軸
体22bの位置は処理液槽50の中心に向かって次第に
下方に移動するように取り付けられている。
【0031】図3に示す構造によって、図1の左端にあ
る導入部10から導入された回路基板は、処理液槽50
の内部にて搬送されるに従って、順次下方に沈み込み、
やがて再び上昇して元の搬送高さに復帰して、図1の右
端にある導出部30から排出されるようになっている。
【0032】上記の回路基板の表面処理装置において
は、処理液が処理液配管61,62を循環することによ
って、処理液槽50の内部には常時処理液が充満し、内
側導入口51及び内側導出口52から常に処理液がオー
バーフローして回収槽40に流れ落ちるように構成され
ている。処理液槽50内の処理液の液位は循環ポンプ6
4及び液送ポンプ65の液送量によって常時一定になる
ように調節されている。また、回収槽40の中央部にあ
るヒータによって処理液の温度も常時一定になるように
制御されている。
【0033】処理液槽50から流出する処理液は、回収
槽40の傾斜面部43,44を流れ落ちるように構成さ
れているため、傾斜面部43,44の傾斜によって処理
液の流下速度が低減され、処理液の発泡量が抑制される
ようになっている。この場合に、処理液槽50から流出
する処理液は傾斜面部43,44の壁面上に落下した
後、回収槽40の中に溜まっている処理液中に入るよう
にすることが好ましいため、回収槽40内の処理液の液
位は、傾斜面上への処理液の落下位置よりも下にあるよ
うに調整される。また、傾斜面部43,44の最上部
は、処理液槽50から処理液が落下した場合に、その落
下の衝撃が少ないほど発泡量が少なくなるため、構造上
処理液の落差が最も小さくなるように設計される。
【0034】上記構成においては、搬送ローラ列の下側
搬送ローラ21と上側搬送ローラ22の外径を搬送方向
に変化させることによって回路基板の搬送面を下げるこ
とができるようにしているため、回路基板の導入位置及
び導出位置よりも処理液槽50内の搬送位置を下方に下
げ、回路基板の通過位置を液面から従来よりも深い位置
にすることができ、回路基板の表面上の処理液の量を増
大させることができるので、回路基板の表裏の処理状態
の相違を低減することができる。
【0035】上記装置は、例えば、回路基板表面のはん
だに対する濡れ性等を改善するために行う回路基板の表
面処理に適している。特に、近年急激に検討され始めて
いるSn−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Zn系、Sn
−Bi系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi系等
の鉛フリーはんだに対して、良好な濡れ性を有する表面
状態を得るために回路基板の表面上に銀メッキを施す場
合に有効である。この銀メッキ処理としては、アルファ
レベル(日本アルファメタルズ株式会社の商標)という
処理システムによる薬液を用いた処理が実際に実現可能
であり、この薬液による処理システムによれば、回路基
板上の銅を銀で置換して形成され、防錆剤によって表面
に有機防錆膜を伴った無電解銀層を得ることができる。
【0036】上記アルファレベルに使用する無電解銀メ
ッキの処理液は、非常に発泡し易い点に特徴がある。処
理液の発泡は装置内に泡を充満させ、装置外に溢れさせ
るだけでなく、回路基板の処理反応にも影響を与える点
で好ましくない。本実施形態によれば、回収槽40に傾
斜面部43,44を設けることによって処理液の回収時
における発泡を防止することができる。
【0037】本実施形態においては、処理液槽50の内
部の下側搬送ローラ21及び上側搬送ローラ22の外径
を搬送方向に変化させているが、このために、各ローラ
の回転軸体22bの回転速度を同一にしておくと、ロー
ラ径の違いによって回路基板の搬送速度が変化してしま
う。例えば、図1に示すように処理液槽50の中央部分
でローラ径を小さくしている場合には、当該中央部分で
回路基板の搬送速度が低下する。
【0038】このような搬送速度の相違は、通常はそれ
程大きな問題にはならないが、隣接するローラ径が或る
程度異なる場合には、回路基板の前後位置において搬送
ローラの周速が異なることとなり、回路基板の表裏面に
搬送ローラの滑りによって損傷を受ける可能性がある。
この状況を回避するためには、ローラ径が異なっていて
もローラの周速度を一定にする必要がある。
【0039】図4には、上記のようにローラ径が異なる
にも拘わらずローラの周速度を一定にするための駆動系
の構造を示す。駆動軸体25に固定された駆動側斜歯歯
車24,24’と、下側搬送ローラ21の回転軸体21
bに固定された被動側斜歯歯車23,23’とがそれぞ
れ噛合している。
【0040】ここで、ローラ径の大きな下側搬送ローラ
21の回転軸体21bには、歯数の多い大径の被動側斜
歯歯車23が固定され、ローラ径の小さい下側搬送ロー
ラ21の回転軸体21bには、歯数の少ない小径の被動
側斜歯歯車23’が取り付けられている。被動側斜歯歯
車23には、歯数が少なく小径の駆動側斜歯歯車24が
噛合し、また、被動側斜歯歯車23’には、歯数が多く
大径の駆動側斜歯歯車24’が噛合している。
【0041】このような構成により、ローラ径の大きい
下側搬送ローラ21の回転速度は低くなり、ローラ径の
小さい下側搬送ローラ21の回転速度は高くなる。この
ため、回転速度の差を調整することにより、ローラ径の
大小に拘わらず下側搬送ローラ21の周速度を等しくす
ることができる。
【0042】図5には、ローラ径の小さい下側搬送ロー
ラ21の回転軸体21bに固定された被動側斜歯歯車2
3’を、ローラ径の大きい下側搬送ローラ21の回転軸
体21bに固定された被動側斜歯歯車23に対して小さ
くするが、被動側斜歯歯車23’に噛合する駆動側斜歯
歯車24’を、被動側斜歯歯車23に噛合する駆動側斜
歯歯車24と同じ歯数及び径とした場合を示す。この場
合、駆動側斜歯歯車24と24’とは同じものである
が、その分、被動側斜歯歯車23’を図4に示す場合よ
りも被動側斜歯歯車23に対して余分に歯数を減らし、
径を小さくすることによって、図4の場合と同様に、下
側搬送ローラ21のローラ径の大小に拘わらず、その周
速度を同一にすることができる。
【0043】図5に示す構造を採用した場合、ローラ径
の小さい下側搬送ローラ21の回転軸体21bの中心位
置が、被動側斜歯歯車23’の径が小さくなることによ
って下方にずれるため、単にローラ径の縮小によって回
路基板の搬送面が下がるだけでなく、ローラ中心の位置
が下方に下がることによっても当該搬送面の位置が低下
する。このため、駆動軸25が直線的であるにも拘わら
ず、ローラ径のみを変えた場合よりも搬送面の下方への
移動量をさらに大きくすることができる。
【0044】図6には、駆動室28の内部において、回
転軸体21bに取り付けられた歯車26,26’と、回
転軸体22bに取り付けられた同歯数の歯車27,2
7’とを噛合させ、下側搬送ローラ21と上側搬送ロー
ラ22とを逆方向に同速度で回転させる場合を示してい
る。この構造によると、回路基板を上下から等速度で搬
送することができるので、搬送時のスリップがさらに低
減され、回路基板表面の損傷も防止できる。なお、上記
のような歯車による回転伝達は他の伝達機構、例えばベ
ルト等によるものでも全く同様に構成できることは明ら
かである。
【0045】上述の本実施形態の表面処理装置を処理工
程の一部として組み込み、上記アルファレベルの処理シ
ステムに適合するように構成した回路基板の連続処理装
置の概要を図7に示す。この図において、矢印Fは回路
基板の搬送方向を示す。基板供給部70には、上記駆動
軸体25を回転駆動する駆動モータ70aが設置され、
上述と同様に駆動軸体25によって駆動される搬送ロー
ラによって回路基板が搬送されていく。脱脂部71で
は、溶剤によって回路基板の表裏に付着した有機物その
他を除去し、洗浄部72では、純水による洗浄が行われ
る。
【0046】次に、エッチング部73においては、過酸
化水素に硫酸を加えた薬液により、回路基板の表裏面の
エッチング処理が行われ、洗浄部74で一旦純水による
洗浄が行われる。さらに、コンディション部75におい
て有機キレート剤によって表面を処理し、メッキ性を上
げる。その後、上記の表面処理装置と同構成のメッキ部
76において、上述の無電解銀メッキを行う。
【0047】メッキ処理が終了すると、洗浄部77にて
純水により洗浄が行われ、最後に、ブロワー部78にお
いて乾燥を行い、排出部79に排出される。なお、上記
処理システムにおいて、コンディション部75の薬液は
発泡性が高いため、メッキ部76と同様に、傾斜面部を
備えた回収槽を設けている。
【0048】上記処理工程においては、図1及び図2に
示すように、回路基板の表裏の処理状態をほぼ同一にす
るための補助的な対策として、液噴出管67,68を回
路基板の搬送面の上下位置に配設し、この液噴出管6
7,68の吹出口から処理液を回路基板の表面及び裏面
に吹き付けるようにしている。これらの液噴出管67,
68の構成は一般的なものであるが、その代わりに、図
8及び図9に示す液噴出管を用いるとさらに効果的であ
る。
【0049】図8に示すように、下側搬送ローラ21と
上側搬送ローラ22との間に挟持された回路基板に対し
て、上下方向に配置され、相互に対向する液噴出管8
1,82が形成されている。これらの液噴出管81,8
2は、上記図1に示す実施形態と同様に、処理液槽50
の内部において、下側搬送ローラ21及び上側搬送ロー
ラ22に対して平行に配置され、上記液送ポンプ65か
らの処理液の供給を受けるようになっている。液噴出管
81,82は略矩形の断面形状を備えており、その搬送
面に向いた管壁には、図9に示すように、それらの軸線
方向に対して(好ましくは45度に)傾斜した方向に伸
びるスリット状の開口部81a,82aが形成されてい
る。
【0050】2つの対向するスリット状の開口部81
a,82aは、相互に平行に形成されており、それぞれ
が回路基板の表面の全面にほぼ均等に処理液を吹き付け
ることができるように構成されている。図9に示すよう
に斜めに伸びるスリット状の開口部を設けることによっ
て、回路基板上にランダムに、かつ、均等に処理液を接
触させることができ、しかも処理液の液送時の圧力をい
たずらに上昇させる必要もなく処理液の噴出を持続的に
行うことができる。
【0051】図8及び図9に示す液噴出管81,82
は、上記の液噴出管67,68と同様に、処理液槽50
の内部に複数組設置することができる。また、液噴出管
81と82とは相互に対向配置させているが、液噴出管
67,68と同様に、搬送方向に若干ずらして設置して
もよい。この液噴出管81,82は、上記と同様にメッ
キ処理を行う槽内に設置してもよいが、脱脂処理その他
の前処理において使用することも可能である。
【0052】上記の実施形態においては、搬送ローラの
径が搬送方向に向かって2つずつ同一の径を持ちなが
ら、次第に漸減し、或いは漸増するように設計されてい
るが、搬送ローラのローラ径が一つずつ漸減又は漸増す
るように設計してもよく、結果として、搬送に支障がな
い程度に少しずつ変化することによって搬送面が所望の
深さになるように構成されていればよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、搬
送ローラの径を搬送方向に変化させることによって搬送
面の処理液内における深さが増大するように構成してい
るので、搬送ローラの駆動系の基本構造を変えることな
く、容易に回路基板を処理液中に深く入れることができ
るため、回路基板の表裏の処理状態の相違を低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回路基板の表面処理装置の実施形
態を示す縦断面図である。
【図2】同実施形態における一部平面図である。
【図3】同実施形態における駆動系の概略構造を示す説
明図である。
【図4】同実施形態に好適な駆動系の概略構造を示す拡
大説明図である。
【図5】同実施形態に好適な他の駆動系の概略構造を示
す拡大説明図である。
【図6】同実施形態に好適な別の駆動系の概略構造を示
す拡大説明図である。
【図7】同実施形態を用いた回路基板の処理システムの
全体構成を示す概略構成図である。
【図8】同実施形態に対して採用可能な他の液噴出管の
構造を示す拡大一部縦断面図である。
【図9】同液噴出管の噴出面の形状を示す拡大一部説明
図である。
【符号の説明】
10 導入部 11 下側導入ローラ 12 上側導入ローラ 20 搬送部 21 下側搬送ローラ 22 上側搬送ローラ 25 駆動軸体 30 導出部 31 下側導出ローラ 32 上側導出ローラ 40 回収槽 43,44 傾斜面部 50 処理液槽 51 内側導入口 52 内側導出口 63,63’被動側斜歯歯車 64,64’駆動側斜歯歯車 67,68,81,82 液噴出管
フロントページの続き (72)発明者 長田 正 神奈川県横浜市神奈川区松本町4−34−13 株式会社新栄化成内 (72)発明者 伊熊 孝也 神奈川県平塚市新町5−50 日本アルファ メタルズ株式会社平塚工場内 (72)発明者 矢澤 明 長野県茅野市豊平1528番地 有限会社オー シャン内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路基板を送るために水平に配列された
    複数の搬送ローラからなる搬送ローラ列と、該搬送ロー
    ラ列により構成される搬送面を処理液の液面下に配置す
    るように形成され、その周縁部から前記処理液を流出さ
    せるように構成された処理液槽と、該処理液槽から流出
    した処理液を回収する回収槽と、前記処理液槽に前記処
    理液を供給する処理液供給手段とを備えた回路基板の表
    面処理装置において、 前記搬送ローラの径を前記回路基板の搬送方向に進むに
    従って次第に変化させることによって前記搬送面の前記
    処理液内における深さが増大するように構成されている
    ことを特徴とする回路基板の表面処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記搬送ローラ列に
    は、前記回路基板の下面に接する下側搬送ローラと、前
    記回路基板の上面に接する上側搬送ローラとが設けら
    れ、少なくとも下側搬送ローラを駆動して前記回路基板
    を搬送するように構成されており、前記処理液槽におけ
    る前記回路基板の導入部及び導出部に配置された前記下
    側搬送ローラの径に対して、前記処理液槽の中心寄りに
    配置された前記下側搬送ローラの径が順次小さくなるよ
    うに形成したことを特徴とする回路基板の表面処理装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記回路基板の導入
    部及び導出部に配置された前記下側搬送ローラの駆動回
    転速度に対して、前記処理液槽の中心寄りに配置された
    前記下側搬送ローラの駆動回転速度が順次早くなるよう
    に構成し、前記下側搬送ローラの径差に起因するローラ
    の周速度の差が低減され、若しくは打ち消されるように
    構成されていることを特徴とする回路基板の表面処理装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記下側搬送ローラ
    は、前記搬送方向に伸び、所定回転数で回転する駆動軸
    に対して個々に接続された回転軸によって回転駆動さ
    れ、前記駆動軸と前記回転軸との回転伝達比を変えるこ
    とによって前記搬送方向に沿って前記駆動回転速度を変
    えるように構成されることを特徴とする回路基板の表面
    処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    おいて、前記処理液は前記回路基板上に無電解メッキを
    施すためのメッキ処理液であることを特徴とする回路基
    板の表面処理装置。
JP35315496A 1996-12-16 1996-12-16 回路基板の表面処理装置 Expired - Fee Related JP3336349B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35315496A JP3336349B2 (ja) 1996-12-16 1996-12-16 回路基板の表面処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35315496A JP3336349B2 (ja) 1996-12-16 1996-12-16 回路基板の表面処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10178254A true JPH10178254A (ja) 1998-06-30
JP3336349B2 JP3336349B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=18428936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35315496A Expired - Fee Related JP3336349B2 (ja) 1996-12-16 1996-12-16 回路基板の表面処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3336349B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009158790A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Hitachi Chem Co Ltd 水平搬送型表面処理装置
JP2013055100A (ja) * 2011-09-01 2013-03-21 Fujikura Ltd 薬液処理装置及び薬液処理方法
CN104923535A (zh) * 2015-06-17 2015-09-23 高金建 一种玻璃清洗装置
JP2021022729A (ja) * 2019-07-25 2021-02-18 芝浦メカトロニクス株式会社 基板搬送装置及び基板処理装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009158790A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Hitachi Chem Co Ltd 水平搬送型表面処理装置
JP2013055100A (ja) * 2011-09-01 2013-03-21 Fujikura Ltd 薬液処理装置及び薬液処理方法
CN104923535A (zh) * 2015-06-17 2015-09-23 高金建 一种玻璃清洗装置
JP2021022729A (ja) * 2019-07-25 2021-02-18 芝浦メカトロニクス株式会社 基板搬送装置及び基板処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3336349B2 (ja) 2002-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3964957A (en) Apparatus for processing semiconductor wafers
EP1858059B1 (en) Substrate cleaning method, substrate cleaning system and program storage medium
JP2012507881A (ja) 対象物の湿式処理装置及び方法、並びにそれに使用される流体拡散板及びバレル
JPS5831883Y2 (ja) 透孔を有する薄板の無電解メツキ装置
US20080105286A1 (en) Substrate Treatment Apparatus
JP3336349B2 (ja) 回路基板の表面処理装置
JP2003170086A (ja) ノズル装置及びこれを備えた基板処理装置
CN1836799A (zh) 基板处理装置
KR20080096452A (ko) 기판 처리 장치
JP2000254605A (ja) 可撓性基板の洗浄装置
JP3535706B2 (ja) 基板処理装置
JP2003303807A (ja) 基板の処理装置及び処理方法
EP0629914B1 (en) Photographic film processing apparatus
JPS62261126A (ja) 表面処理装置
JP2005015913A (ja) 基板のエッチング処理方法およびエッチング処理装置
JPH06156678A (ja) 基板搬送装置の発塵防止装置
EP0613049B1 (en) Apparatus for the processing of sheet material
TWI421925B (zh) 基板處理裝置
JP3321726B2 (ja) 洗浄処理方法及びその装置
CN114602883B (zh) 一种紧固件自动热处理生产线以及热处理工艺
JP3595606B2 (ja) 基板表面処理装置
JP2004089805A (ja) 回転浸漬装置
JP2004315187A (ja) 物品の自動搬送水切り装置および自動搬送水切り方法、並びに物品の自動洗浄装置及び自動洗浄方法
JP4601043B2 (ja) 超音波洗浄装置
WO2005032737A1 (ja) ワーク洗浄装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees