JPH101777A - 導電膜形成用塗布液および導電膜 - Google Patents

導電膜形成用塗布液および導電膜

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JPH101777A
JPH101777A JP14751496A JP14751496A JPH101777A JP H101777 A JPH101777 A JP H101777A JP 14751496 A JP14751496 A JP 14751496A JP 14751496 A JP14751496 A JP 14751496A JP H101777 A JPH101777 A JP H101777A
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Yasuhiro Sanada
恭宏 真田
Manami Hiroya
真奈美 廣谷
Takeshi Morimoto
剛 森本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温熱処理により形成が可能な高性能導電膜お
よび低反射導電膜の提供。 【解決手段】Ag、Ru、Re、Ir、Os、Pt、R
h、Pd、Ni、Co、Sn、Cr、AuおよびInか
らなる群から選ばれる1種以上の金属微粒子が分散した
ゾルを含み、かつ導電膜形成成分の10重量部以上が該
金属微粒子となるように調製された導電膜形成用塗布液
と該塗布液を用いて形成される導電膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラウン管パネルな
どのガラス基体表面に導電膜を形成するための導電膜形
成用塗布液、該塗布液からなる導電膜および低反射導電
膜を有する物品に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管は高電圧で作動するために起
動時または終了時に該表面に静電気が誘発される。この
静電気によりブラウン管表面に埃が付着し、コントラス
ト低下を引き起こしたり、直接触れた際に軽い電気ショ
ックによる不快感を生じたりすることが多い。
【0003】従来より、上述の現象を防止するためにブ
ラウン管パネル表面に帯電防止膜を付与する試みがなさ
れている。例えば特開昭63−76247記載の通り、
ブラウン管パネル表面を350℃程度に加熱し、CVD
法により酸化スズおよび酸化インジウムなどの導電性酸
化物層を設ける方法が採用されてきた。
【0004】しかし、この方法では装置コストがかかる
うえ、ブラウン管表面を高温に加熱するために、ブラウ
ン管内の蛍光体の脱落を生じたり、寸法精度が低下する
などの問題があった。また、導電層に用いる材料として
は酸化スズが最も一般的であるが、この場合低温処理で
は高性能な膜が得にくい欠点があった。また、近年、電
磁波ノイズによる電子機器への電波障害が社会問題とな
り、それらを防止するための規格の作成や規制が行われ
ている。
【0005】電磁波ノイズは人体について、CRT上の
静電気チャージによる皮膚癌の恐れ、低周波電界(EL
F)による胎児への影響、その他X線、紫外線などによ
る害が各国で問題視されている。この場合、導電性塗膜
をブラウン管表面に介在させることにより、導電性塗膜
に電磁波が当たり、塗膜内に渦電流を誘導して、この作
用で電磁波を反射する。しかし、このためには高い電界
強度に耐えうる良導電性が必要あるが、それほどの良導
電性の膜を得ることはさらに困難であった。
【0006】一方、導電膜の製造に関して特開平6−3
10058記載の方法があるが、この方法では、金属塩
と還元剤の混合液を塗布して膜を形成するために、金属
導電膜はガラス面にメッキされた状態となり、膜の強度
が著しく弱く、かつ導電膜を洗浄し副生成塩を除去する
工程が必要となるという問題が生じていた。
【0007】また、陰極線管の全面パネルに帯電防止膜
を形成する方法として特開昭63−160140に金属
粒子を少量添加し帯電防止膜を形成する方法が記載され
ているが、この方法の場合には、形成される帯電防止膜
の膜表面抵抗値が107 Ω/□のオーダー以上であり、
帯電防止機能は発揮するが、電磁波ノイズを遮蔽するに
は導電性が不足するという問題がある。
【0008】また、導電膜および低反射膜のコーティン
グ法による形成は、従来より光学機器のみならず、民生
用機器、特にテレビ、コンピュータ端末の陰極線管(C
RT)に関して数多く検討されてきた。従来の成膜方法
は、例えば特開昭61−118931記載のように、ブ
ラウン管表面に防眩効果を持たせるために表面に微細な
凹凸を有するSiO2 を層付着させたり、フッ酸により
表面をエッチングして表面に凹凸を設けるなどの方法が
採られてきた。
【0009】しかし、これらの方法は、外部光を散乱さ
せるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反射層を設け
る方法でないために、反射率の低減には限界があり、ま
た、ブラウン管などにおいては、解像度を低下させる原
因ともなっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の前述の欠点を解消し、低温熱処理により形成が可
能な高性能導電膜および低反射導電膜を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、Ag、Ru、
Re、Ir、Os、Pt、Rh、Pd、Ni、Co、S
n、Cr、AuおよびInからなる群から選ばれる1種
以上の金属微粒子が分散したゾルを含み、かつ導電膜形
成成分の10重量部以上が該金属微粒子となるように調
製された導電膜形成用塗布液、該塗布液からなる導電膜
をガラス基体上に有するガラス物品、該塗布液からなる
導電膜をブラウン管表面に有するブラウン管、および低
反射導電膜が形成されたこれらの物品を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の導電膜形成用塗布液は、
Ag、Ru、Re、Ir、Os、Pt、Rh、Pd、N
i、Co、Sn、Cr、AuおよびInからなる群から
選ばれる1種以上の金属微粒子を導電膜形成成分の10
重量部以上含むように調製されていることを特徴とす
る。
【0013】本発明では予め塗布液に、金属微粒子をゾ
ルの形で含有しており、これを塗布した場合は従来のメ
ッキ膜とは異なり、微小な孔が導電膜中に導入される。
当該導電膜の上に、ケイ素、チタンまたはジルコニウム
などのアルコキシドおよび/またはそれらの部分加水分
解物を含む塗布液を塗布した場合には、この孔に上記塗
布液が浸入して導電膜の強度が著しく向上する。
【0014】また、このように形成された導電膜は、従
来の方法である金属塩と還元液からなる塗布液を用いる
場合とは異なり、導電膜の形成時には副生成物が生成せ
ず、導電膜とその上に形成される膜との間での膜強度の
劣化も生じない。
【0015】本発明で使用する金属微粒子は、Ag、R
u、Re、Ir、Os、Pt、Rh、Pd、Ni、C
o、Sn、Cr、AuおよびInからなる群から選ばれ
る1種以上であり、これらの金属微粒子としては金属の
蒸発凝縮により生成される金属微粒子または金属塩の化
学還元により生成される金属微粒子が好適である。
【0016】本発明において金属微粒子の形成に用いら
れる金属塩としては、例えば、硝酸銀、亜硝酸銀、ニト
ロソ硝酸ルテニウム、硝酸ルビジウム、硝酸パラジウ
ム、硝酸ニッケル、硝酸インジウム、亜硝酸コバルトカ
リウム、硝酸第二クロムなどの硝酸塩、三塩化レニウ
ム、五塩化レニウム、塩化ルテニウム、塩化ルテニウム
アンモニウム、塩化ルテニウムカリウム、塩化ルテニウ
ムナトリウム、塩化第一金、塩化第二金、塩化金酸、塩
化銀、三塩化イリジウム、四塩化イリジウム、六塩化イ
リジウムアンモニウム、六塩化イリジウム三カリウム、
三塩化オスミウム、六塩化オスミウム酸アンモニウム、
塩化第一白金、塩化第一白金アンモニウム、三塩化イン
ジウム、三塩化ロジウム、六塩化ロジウムアンモニウ
ム、六塩化ロジウムカリウム、塩化ヘキサミンロジウ
ム、塩化パラジウム、四塩化パラジウムアンモニウム、
六塩化パラジウムカリウム、塩化ニッケル、塩化第一コ
バルト、塩化コバルトアンモニウム、塩化第一スズ、塩
化第二スズ、六塩化スズアンモニウム、塩化第一クロ
ム、塩化第二クロムなどの塩化物、酢酸ルテニウム、酢
酸銀、酢酸ロジウム、酢酸パラジウム、酢酸インジウ
ム、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸第一スズ、酢酸
第二クロムなどの酢酸塩などが使用できる。
【0017】上記金属塩の還元剤としては、例えば水素
化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ナ
トリウム、水素化リチウムなどの水素化物やギ酸、シュ
ウ酸、ホスフィン酸、ホスフィン酸ナトリウム、ロシェ
ル塩などの有機酸、無機酸、塩が使用できる。
【0018】金属微粒子の還元析出法としては、前記金
属塩を水または有機溶媒に溶解させ、必要に応じアンモ
ニアなどでpHを調整した後、前記還元剤を添加するこ
とにより生成する。このとき液の種類により反応温度を
調整することも好ましい。こうした方法により生成した
金属微粒子は、適宜洗浄乾燥した後、撹拌などの操作に
よりゾル化を行う。このとき、微粒子の分散性向上のた
めに、加熱、紫外線の照射、酸化剤への浸漬などによ
り、上記微粒子の表面を一部酸化してもよい。
【0019】Ag、Ru、Re、Ir、Os、Pt、R
h、Pd、Ni、Co、Sn、Cr、AuおよびInか
らなる群から選ばれる1種以上の金属微粒子の粉末は、
あまり大きいと分散しにくくなるため、平均粒径は10
0nm以下、特に10nmを超える範囲、さらには30
〜50nmの範囲が好ましい。金属微粒子の粉体体積抵
抗が0.01Ω・cm以下であると良好な結果が得られ
る。
【0020】こうしたAg、Ru、Re、Ir、Os、
Pt、Rh、Pd、Ni、Co、Sn、Cr、Auおよ
びInからなる群から選ばれる1種以上の金属微粒子粉
末は、均一に水や有機溶媒などに分散させることが重要
である。
【0021】分散する際には、溶液と粉末の接触を容易
にするために撹拌を行うことが好ましい。この場合、コ
ロイドミル、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーな
どの市販の粉砕機を使用できる。また、微粒子を分散さ
せる際には、20〜200℃の範囲で加熱することもで
きる。分散媒体の沸点以上で撹拌する場合には加圧して
液相が保持できるようにする。このようにしてAg、R
u、Re、Ir、Os、Pt、Rh、Pd、Ni、C
o、Sn、Cr、AuおよびInからなる群から選ばれ
る1種以上の金属微粒子がコロイド粒子として分散した
水性ゾルまたはオルガノゾルが得られる。
【0022】上記水性ゾルはそのまま塗布液としても使
用できるが、基体に対する塗布性を増すために、金属微
粒子を有機溶媒に分散または水性ゾルの水分を親水性有
機溶媒で置換して用いることもできる。親水性有機溶媒
としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノールなどのアルコール類、エチルセロソルブ、メチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコー
ルメチルエーテルなどのエーテル類、2,4−ペンタジ
オン、ジアセトアルコールなどのケトン類、乳酸エチ
ル、乳酸メチルなどのエステル類が使用できる。
【0023】また、本発明の上記塗布液には液の粘度、
表面張力、展延性を調整する点から、M(OR)y ・R
4-y(yは2、3または4、MはSi、TiまたはZ
r、Rはアルキル基、R’はアルキル基またはアセチル
アセトネート基)の金属アルコキシドおよび/またはそ
れらの部分加水分解物を添加することもできる。
【0024】また、導電膜の膜厚調整などのために、上
記塗布液に、Sn、Sb、In、Zn、Ga、Auおよ
びRuからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物
微粒子を金属微粒子と同様なゾルの形で含有させてもよ
い。このような酸化物微粒子の大きさは平均粒径で10
0nm以下、特に10〜50nmの範囲が好ましい。ま
た、以上のように金属微粒子に添加する酸化物微粒子等
の添加量は、金属微粒子100重量部当たり0〜100
重量部の割合が好ましい。
【0025】さらに塗布時における基体との濡れ性を向
上させるために種々の界面活性剤を上記塗布液に添加す
ることもできる。
【0026】本発明の塗布液においては、該塗布液中に
含有される導電膜形成成分のうち、前記金属微粒子が主
成分であることが必要であり、塗布液中における膜形成
成分を100重量部とした場合(この場合、酸化物原料
は酸化物換算で、また、金属原料は金属換算で計算す
る)、前記金属微粒子は10重量部以上含有される。金
属微粒子の量が10重量部未満であると、形成される導
電膜に所望の導電性を得にくい。金属微粒子の含有割合
は、特には50重量部以上、さらには80重量部以上が
好ましい。
【0027】本発明の塗布液を基体上へ塗布する方法と
しては、例えばスピンコート、ディップコート、スプレ
ーコートなどの方法が好適に使用できる。また、スプレ
ーコート法を用いて表面に凹凸を形成して防眩効果を付
与してもよく、また、その上にシリカ被膜などのハード
コートを設けてもよい。さらには、本発明による導電膜
をスピンコートまたはスプレーコートで形成し、その上
にシリコンアルコキシドを含む溶液をスプレーコートし
て、表面に凹凸を有するシリカ被膜のノングレアコート
を設けてもよい。
【0028】本発明の塗布液は、そのままで基体上へ塗
布するために、塗布液に低沸点溶媒を添加した場合、室
温下の乾燥で塗膜が得られるが、沸点が100〜250
℃にある中〜高沸点溶媒を用いる場合には、室温乾燥で
は溶媒が塗膜中に残留するために塗膜の加熱処理を行
う。加熱温度の上限は基板に用いられるガラス、プラス
チックなどの軟化点によって決定される。この点も考慮
すると好ましい加熱温度範囲は100〜500℃であ
る。
【0029】本発明においては、光の干渉作用を利用す
る低反射膜を上記導電膜面に形成できる。例えば、基体
がガラスの場合(屈折率n=1.52)の場合、上記導
電膜の上に、(導電膜の屈折率)/(低屈折率膜の屈折
率)の比の値が約1.23となるような低屈折率膜を形
成すると、導電膜の反射率を最も低減させうる。反射率
の低減には可視光領域において、特に555nmの反射
率を低減することが好ましいが、実用上は反射外観など
を考慮し、適宜決定するのがよい。
【0030】こうした2層からなる低反射導電膜の最外
層の低屈折率膜としては、MgF2ゾルを含む溶液やシ
リコンアルコキシドを含む溶液のうちから選ばれる1種
以上よりなる溶液を用いて形成できる。屈折率の点を考
慮すると該材料中ではMgF2 が最も低く、反射率低減
のためにはMgF2 ゾルを含む溶液を用いることが好ま
しく、膜の硬度や耐擦傷性の点ではSiO2 を主成分と
する膜が好ましい。
【0031】こうした屈折率膜形成用のシリコンアルコ
キシドを含む溶液としては種々のものが使用でき、Si
(OR)y ・R’4-y (yは3または4、Rはアルキル
基、R’はアルキル基)で示されるシリコンアルコキシ
ドまたはそれらの部分加水分解物を含む液が挙げられ
る。例えば、シリコンエトキシド、シリコンメトキシ
ド、シリコンイソプロポキシド、シリコンブトキシドの
モノマーまたは重合体が好ましく使用できる。
【0032】シリコンアルコキシドは、アルコール、エ
ステル、エーテルなどに溶解して用いることもでき、ま
た、前記溶液に塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、ギ酸、マレイ
ン酸、フッ酸、またはアンモニア水溶液を添加してシリ
コンアルコキシドを加水分解して用いることもできる。
また、前記シリコンアルコキシドは溶媒に対して、30
重量%以下の量で含まれていることが好ましい。シリコ
ンアルコキシドの固形分量があまり大きいと得られる塗
布液の保存安定性が悪いため、こうした固形分量が好ま
しい。
【0033】また、この溶液には膜の強度向上のための
バインダーとして、Zr、Ti、Sn、Alなどのアル
コキシドや、これらの部分加水分解物を添加して、Zr
2、TiO2 、SnO2 およびAl23 から選ばれ
るいずれか1種または2種以上の複合物をMgF2 やS
iO2 と同時に析出させてもよい。
【0034】基体との濡れ性を上げるために界面活性剤
を添加してもよい。添加される界面活性剤としては、直
鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルエ
ーテル硫酸エステルなどが挙げられる。
【0035】本発明の低反射導電膜の製造方法は、多層
干渉効果による低反射導電膜にも応用できる。反射防止
性能を有する多層の低反射膜の構成としては、反射防止
をしたい光の波長をλとして、基体側より、高屈折率層
−低屈折率層を光学厚みλ/2〜λ/4、またはλ/4
〜λ/4で形成した2層の低反射膜、基体側より中屈折
率層−高屈折率層−低屈折率層を光学厚みλ/4〜λ/
2〜λ/4で形成した3層の低反射膜、基体側より低屈
折率層−中屈折率層−高屈折率層−低屈折率層を光学厚
みλ/2〜λ/2〜λ/2〜λ/4で形成した4層の低
反射膜などが典型例として知られている。本発明の塗布
液から形成される膜を上記中屈折率層または高屈折率層
に使用できる。
【0036】また、本発明の塗布液から形成される膜
は、可視光領域全般にわたって吸収を生じるため、コン
トラストの向上にも寄与し、かつ低反射性に優れる。
【0037】本発明の塗布液による導電膜およびその膜
上に形成されるケイ素化合物を主成分とする膜よりなる
低反射導電膜を形成する基体としては、ブラウン管パネ
ル、複写機用ガラス板、計算機用パネル、クリーンルー
ム用ガラス、CRTまたはLCDなどの表示装置の前面
板などの各種ガラス、プラスチック基板を採用できる。
【0038】こうして得られる本発明の導電膜の厚さは
任意に調整できるが、本発明の目的には約0.2〜0.
1μmであり、好ましくは約0.02〜0.05μmの
範囲である。上記膜厚が薄すぎると微粒子がアイランド
状に存在し、導電連鎖性が不足し、所望の導電性が得ら
れない等の点で不充分であり、また、膜厚が厚すぎると
膜による光の吸収が強すぎ、可視光域での光の透過率が
下がりすぎる等の点で不充分である。
【0039】本発明の好ましい実施形態では、上記導電
膜の表面に低屈折率膜を形成するが、該低屈折率膜の厚
さは任意に調整できる。本発明の目的に適する厚さは約
0.03〜1μmであり、好ましくは約0.03〜0.
08μmの範囲である。上記膜厚範囲を外すと二重干渉
効果による低反射性が充分には実現しない等の点で不充
分である。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げてさらに説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。以下の実施例
(例1〜30)および比較例(例31〜32)におい
て、得られた膜の評価方法は次の通りである。評価結果
を表2、表3に示した。
【0041】1)導電性評価:ローレスタ抵抗測定器
(三菱化学社製)により膜表面の表面抵抗値(単位:Ω
/□)を測定した。表において7.2E2は7.2×1
2 を意味し、他も同様である。 2)耐擦傷性:1kg荷重下で消しゴム(ライオン社製
50−50)で膜表面を50回往復後、その表面の傷の
付きを目視で判断した。評価基準は、○:傷が全く付か
ない、△:傷が多少つく、×:一部に膜剥離が生じる、
とした。 3)鉛筆硬度:1kg荷重下において、鉛筆で膜表面を
走査し、その後目視により表面の傷の生じ始める鉛筆の
硬度を膜の鉛筆硬度と判断した。 4)視感反射率:GAMMA分光反射率スペクトル測定
器により多層膜の400〜700nmでの視感反射率を
測定した。 5)視感透過率:日立製作所製スペクトロフォトメータ
U−3500により380〜780nmでの視感透過率
を測定した。
【0042】また、得られた金属微粒子の粉体体積抵抗
は4端子法により測定し、得られたゾルの平均粒径は大
塚電子製レーザ回折式粒径測定装置LPA−3100に
より測定した。
【0043】[例1]三塩化ルテニウム水溶液(固形分
10重量%)に水素化ホウ素ナトリウム液をルテニウム
に対して4倍モルの量で添加して金属ルテニウムを還元
析出させた。この金属ルテニウムを充分洗浄した後、1
00℃で24時間乾燥を行い、金属ルテニウム粉末を得
た。この金属ルテニウム粉末をサンドミルで20分間粉
砕した。このときの液中の粒子の平均粒径は89nmで
あった。その後濃縮を行い固形分5重量%液を得た(A
液)。
【0044】ケイ酸エチルをエタノールに溶かし、塩酸
酸性水溶液で加水分解を行い、SiO2 換算で5重量%
となるようエタノール溶液を調製した(B液)。A液と
B液とを、A液/B液=8/2(重量比)となるように
混合し、その後超音波を1時間照射した(C液)。水、
エタノール、メタノールおよびプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルを重量比で水/エタノール/メタノー
ル/プロピレングリコールモノメチルエーテル=50/
42/5/3となるよう混合した(D液)。C液をD液
で固形分が1.0重量%となるように希釈して本発明の
塗布液を得た(E液)。E液を14型ブラウン管表面に
スピンコート法で塗布し、180℃で30分間加熱し本
発明の導電膜を得た。
【0045】[例2]硝酸銀水溶液(銀換算固形分10
重量%)をアンモニア水溶液でpH11に調整し、50
℃に保持した後、ギ酸を添加し、銀の粒子を沈殿析出さ
せた。この沈殿物を洗浄および濾過分離し、100℃で
12時間乾燥し、銀微粒子を得た。この銀微粒子をサン
ドミルで2.5時間粉砕した。このときの液中の粒子の
平均粒径は92nmであった。その後濃縮を行い固形分
5重量%液を得た(F液)。
【0046】イソプロポキシアセチルアセトネートチタ
ンをエタノールに溶かし、塩酸酸性水溶液で加水分解を
行い、TiO2 換算で5重量%となるようエタノール溶
液を調製した(G液)。F液とG液とをF液/G液=8
/2(重量比)となるように混合し、その後超音波を2
時間照射した(H液)。H液をD液で固形分が0.9重
量%となるように希釈して本発明の塗布液を得た(I
液)。I液を14型ブラウン管表面にスピンコート法で
塗布し、180℃で30分間加熱し本発明の導電膜を得
た。
【0047】[例3]塩化ニッケルを水に溶解し80℃
に保持した後水素化ナトリムを添加し、ニッケル粒子を
沈殿析出させた。この沈殿物を洗浄および濾過分離し、
80℃で24時間乾燥し、ニッケル微粒子を得た。この
金属粒子をサンドミルで2.0時間粉砕した。このとき
の液中の粒子の平均粒径は98nmであった。その後濃
縮を行い固形分5重量%液を得た(J液)。
【0048】ブトキシアセチルアセトネートジルコニウ
ムをエタノールに溶かし塩酸酸性水溶液で加水分解を行
い、ZrO2 換算で5重量%となるようにエタノール溶
液を調製した(K液)。J液とK液とを、J液/K液=
9/1(重量比)となるように混合し、その後超音波を
4時間照射した(L液)。L液をD液で固形分が1.3
重量%となるように希釈して本発明の塗布液を得た(M
液)。M液を14型ブラウン管表面にスピンコート法で
塗布し、180℃で30分間加熱し本発明の導電膜を得
た。
【0049】[例4]酢酸パラジウム(パラジウム換算
固形分10重量%)をアンモニア水でpH8に調整し8
0℃に保持した溶液中に添加し、さらに水素化ホウ素カ
リウムをパラジウムに対して5倍モルの量で徐々に添加
しパラジウム粒子を沈殿析出させた。この沈殿物を洗浄
および濾過分離し、12℃で12時間乾燥し、パラジウ
ム微粒子を得た。この微粒子をサンドミルで4.2時間
粉砕した。このときの液中の粒子の平均粒径は75nm
であった。その後濃縮を行い固形分5重量%液を得た
(N液)。
【0050】B液とN液とを、B液/N液=1/9(重
量比)となるように混合し、その後超音波を1.0時間
照射した(O液)。O液をD液で固形分が1.2重量%
となるように希釈して本発明の塗布液を得た(P液)。
P液を14型ブラウン管表面にスピンコート法で塗布
し、160℃で30分間加熱し本発明の導電膜を得た。
【0051】[例5]六塩化ロジウムカリウムを水/エ
タノール=50/50(重量比)液に溶解し、水素化リ
チウムをロジウムに対して6倍モルの量で徐々に添加
し、ロジウム粒子を沈殿析出させた。この沈殿物を洗浄
および濾過分離し、120℃で12時間乾燥しロジウム
微粒子を得た。このロジウム微粒子をサンドミルで1.
8時間粉砕した。このときの液中の粒子の平均粒径は8
2nmであった。その後濃縮を行い固形分5重量%液を
得た(R液)。
【0052】K液とR液とを、K液/R液=2.5/
7.5(重量比)となるように混合し、その後超音波を
1.0時間照射した(S液)。S液をD液で固形分が
1.1重量%となるように希釈して本発明の塗布液を得
た(T液)。T液を14型ブラウン管表面にスピンコー
ト法で塗布し、180℃で30分間加熱し本発明の導電
膜を得た。
【0053】[例6]三塩化レニウムを水/エタノール
=70/30(重量比)液に溶解し、水素化ホウ素ナト
リウムをレニウムに対して8倍モルの量で徐々に添加
し、レニウム粒子を沈殿析出させた。この沈殿物を洗浄
および濾過分離し、120℃で12時間乾燥してレニウ
ム微粒子を得た。このレニウム微粒子をサンドミルで
2.0時間粉砕した。このときの液中の粒子の平均粒径
は75nmであった。その後濃縮を行い固形分5重量%
液を得た(U液)。
【0054】G液とU液とを、G液/U液=1.5/
8.5(重量比)となるように混合し、その後超音波を
1.5時間照射した(V液)。V液をD液で固形分が
0.9重量%となるように希釈して本発明の塗布液を得
た(W液)。W液を14型ブラウン管表面にスピンコー
ト法で塗布し、180℃で30分間加熱し本発明の導電
膜を得た。
【0055】[例7]三塩化イリジウムを水に溶解し、
ホスフィン酸をイリジウムに対して8倍モルの量で徐々
に添加し、沈殿析出させた。この沈殿物を洗浄および濾
過分離し、120℃で12時間乾燥しイリジウム微粒子
を得た。このイリジウム微粒子をサンドミルで1.8時
間粉砕した。このときの液中の粒子の平均粒径は95n
mであった。その後濃縮を行い固形分5重量%液を得た
(X液)。
【0056】K液とX液とを、K液/X液=1/9(重
量比)となるように混合し、その後超音波を1.0時間
照射した(Y液)。Y液をD液で固形分が1.4重量%
となるように希釈して本発明の塗布液を得た(Z液)。
Z液を14型ブラウン管表面にスピンコート法で塗布
し、160℃で30分間加熱し本発明の導電膜を得た。
【0057】[例8]三塩化オスミウムを水に溶解し、
水素化ホウ素カリウムをオスミウムに対して8倍モルの
量で徐々に添加し、オスミウム粒子を沈殿析出させた。
この沈殿物を洗浄および濾過分離し、120℃で12時
間乾燥しオスミウム微粒子を得た。このオスミウム微粒
子をサンドミルで2.5時間粉砕した。このときの液中
の粒子の平均粒径は98nmであった。その後濃縮を行
い固形分5重量%液を得た(A1液)。
【0058】B液とA1液とを、B液/A1液=1/9
(重量比)となるように混合し、その後超音波を1.0
時間照射した(B1液)。B1液をD液で固形分が1.
5重量%となるように希釈して本発明の塗布液を得た
(C1液)。C1液を14型ブラウン管表面にスピンコ
ート法で塗布し、160℃で30分間加熱し本発明の導
電膜を得た。
【0059】[例9]塩化第一白金を水に溶解し、水素
化ホウ素ナトリウムを白金に対して10倍モルの量で徐
々に添加し、白金粒子を沈殿析出させた。この沈殿物を
洗浄および濾過分離し、140℃で12時間乾燥し白金
微粒子を得た。この白金微粒子をサンドミルで2.5時
間粉砕した。このときの液中の粒子の平均粒径は86n
mであった。その後濃縮を行い固形分5重量%液を得た
(D1液)。
【0060】D1液をD液で固形分が1.0重量%とな
るように希釈して本発明の塗布液を得た(E1液)。E
1液を14型ブラウン管表面にスピンコート法で塗布
し、160℃で30分間加熱し本発明の導電膜を得た。
【0061】[例10]2−エチルヘキサン酸スズをエ
タノールに溶解し、水素化ホウ素ナトリウムをスズに対
して5倍モルの量で徐々に添加し、スズ粒子を沈殿析出
させた。この沈殿物を洗浄および濾過分離し、140℃
で12時間乾燥しスズ微粒子を得た。このスズ微粒子を
サンドミルで2.5時間粉砕した。このときの液中の粒
子の平均粒径は65nmであった。その後濃縮を行い固
形分5重量%液を得た(F1液)。
【0062】G液とF1液とを、G液/F1液=15/
85(重量比)となるように混合し、その後超音波を
1.0時間照射した(H1液)。H1液をD液で固形分
が2.3重量%となるように希釈して本発明の塗布液を
得た(I1液)。I1液を14型ブラウン管表面にスピ
ンコート法で塗布し、160℃で30分間加熱し本発明
の導電膜を得た。
【0063】[例11]塩化第一金を水に溶解し、水素
化ホウ素ナトリウムを金に対して5倍モルの量で徐々に
添加し、金粒子を沈殿析出させた。この沈殿物を洗浄お
よび濾過分離し、140℃で12時間乾燥し金微粒子を
得た。この金微粒子をサンドミルで4.5時間粉砕し
た。このときの液中の粒子の平均粒径は96nmであっ
た。その後濃縮を行い固形分5重量%液を得た(J1
液)。
【0064】J1液をD液で固形分が0.8重量%とな
るように希釈して本発明の塗布液を得た(K1液)。K
1液を14型ブラウン管表面にスピンコート法で塗布
し、160℃で30分間加熱し本発明の導電膜を得た。
【0065】[例12]酢酸コバルトを水に溶解し、水
素化ホウ素リチウムをコバルトに対して8倍モルの量で
徐々に添加し、コバルト粒子を沈殿析出させた。この沈
殿物を洗浄および濾過分離し、160℃で12時間乾燥
しコバルト微粒子を得た。このコバルト微粒子をサンド
ミルで1.5時間粉砕した。このときの液中の粒子の平
均粒径は75nmであった。その後濃縮を行い固形分5
重量%液を得た(L1液)。
【0066】G液とL1液とを、G液/L1液=10/
90(重量比)となるように混合し、その後超音波を
1.0時間照射した(M1液)。M1液をD液で固形分
が1.2重量%となるように希釈して本発明の塗布液を
得た(N1液)。N1液を14型ブラウン管表面にスピ
ンコート法で塗布し、160℃で30分間加熱し本発明
の導電膜を得た。
【0067】[例13]塩化第一クロムを水に溶解し、
水素化ホウ素カリウムをクロムに対して8倍モルの量で
徐々に添加し、クロム粒子を沈殿析出させた。この沈殿
物を洗浄および濾過分離し、160℃で12時間乾燥し
クロム微粒子を得た。このクロム微粒子をサンドミルで
2.0時間粉砕した。このときの液中の粒子の平均粒径
は85nmであった。その後濃縮を行い固形分5重量%
液を得た(O1液)。
【0068】O1液をD液で固形分が1.1重量%とな
るように希釈して本発明の塗布液を得た(P1液)。P
1液を14型ブラウン管表面にスピンコート法で塗布
し、160℃で30分間加熱し本発明の導電膜を得た。
【0069】[例14]硝酸インジウムを水に溶解し、
水素化ホウ素カリウムをインジウムに対して4倍モルの
量で徐々に添加し、インジウム粒子を沈殿析出させた。
この沈殿物を洗浄および濾過分離し、160℃で12時
間乾燥しインジウム微粒子を得た。このインジウム微粒
子をサンドミルで2.0時間粉砕した。このときの液中
の粒子の平均粒径は79nmであった。その後濃縮を行
い固形分5重量%液を得た(Q1液)。
【0070】B液とQ1液とを、B液/Q1液=10/
90(重量比)となるように混合し、その後超音波を
1.0時間照射した(R1液)。R1液をD液で固形分
が1.3重量%となるように希釈して本発明の塗布液を
得た(S1液)。S1液を14型ブラウン管表面にスピ
ンコート法で塗布し、160℃で30分間加熱し本発明
の導電膜を得た。
【0071】[例15]イソプロパノール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、ジアセトン
アルコールを重量比でイソプロパノール/プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート/ジアセトンア
ルコール=6/3/1となるように混合した(T1
液)。
【0072】例1で調製したA液をD液で固形分が0.
8重量%となるように希釈し14型ブラウン管表面にス
ピンコート法で塗布し、60℃で10分間乾燥させた。
その後この膜の上にB液をT1液で0.85重量%に希
釈したものをスピンコート法で塗布し、160℃で30
分間焼成し本発明の低反射導電膜を得た。
【0073】[例16〜27]例15におけるA液を表
1に示す各液に変更した以外は例15と同様にして本発
明の低反射導電膜を得た。
【0074】
【表1】
【0075】[例28]アンチモンを15重量%置換型
固溶させた酸化スズ粒子をサンドミルで1時間粉砕解膠
を行った。これに硝酸銀をAg/SnO2 =9/1(重
量比)となるように添加し、さらにこの液にアンモニア
を添加し、pHが11となるよう調整した。次に、この
液に銀に対して8倍モルのギ酸を添加し、1時間50℃
に保持し、銀を還元析出させた。この液にさらに陰イオ
ン交換樹脂を添加しNO3 -イオンを除去し、超音波を2
時間照射し分散させた。その後濃縮を行い固形分5重量
%液を調製した(U1液)。
【0076】U1液をD液で固形分が0.9重量%とな
るように希釈し14型ブラウン管表面にスピンコート法
で塗布し、60℃で10分間乾燥させた。その後この膜
の上にB液をT1液で0.85重量%に希釈したものを
スピンコート法で塗布し、160℃で30分間焼成し本
発明の低反射導電膜を得た。
【0077】[例29]スズを9重量%置換型固溶させ
た酸化インジウム粒子をサンドミルで1時間粉砕解膠を
行った。これに塩化ルテニウムをRu/In23 =9
/1(重量比)となるように添加し、さらにこの液に水
素化ホウ素ナトリウムをルテニウムに対して8倍モルの
量で添加し、ルテニウムを還元析出させた。この液にさ
らに陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂を順次添加し
不純物イオンを除去し、超音波を2時間照射し分散させ
た。その後濃縮を行い固形分5重量%液を調製した(V
1液)。例28におけるU1液をV1液に変更した以外
は例28と同様に行った。
【0078】[例30]スズを5重量%置換型固溶させ
た酸化インジウム粒子をサンドミルで1時間粉砕し、解
膠を行った。これに硝酸銀をAg/In23 =9/1
(重量比)となるように添加し、さらにこの液にアンモ
ニアを添加し、pHが11となるよう調整した。次に、
この液に銀に対して8倍モルのロシェル塩を添加し、1
時間撹拌し、銀を還元析出させた。この液にさらに陰イ
オン交換樹脂を添加しNO3 -イオンを除去し、超音波を
2時間照射し分散させた。その後濃縮を行い固形分5重
量%液を調製した(W1液)。例28におけるU1液を
W1液に変更した以外は例28と同様に行った。
【0079】[例31]塩化スズと塩化アンチモンとを
Sn/Sb=85/15(重量比)となるように混合し
アンモニア水でpH10に調整し50℃に保持した溶液
中に添加し、混合粒子を沈殿析出させた。この沈殿物を
洗浄炉別し、100℃で12時間乾燥後。650℃にて
3時間大気下で焼成し、アンチモンドープ酸化スズ微粒
子を得た。この微粒子をサンドミルで2時間粉砕した。
このときの液中の粒子の平均粒径は65nmであった。
その後濃縮を行い固形分5重量%液を得た。
【0080】この液をD液で固形分1.2重量%に希釈
し、14型ブラウン管表面にスピンコートした。さらに
この膜の上にB液をU1液で0.9重量%に希釈したも
のをスピンコート法で塗布し、160℃で20分間焼成
し2層膜を得た。
【0081】[例32]スズを5重量%置換型固溶させ
た酸化インジウム粒子をサンドミルで1時間粉砕し、解
膠を行った。これに硝酸銀をAg/In23 =5/9
5(重量比)となるように添加し、さらにこの液にアン
モニアを添加し、pHが11となるよう調整した。次
に、この液に銀に対して8倍モルのロシェル塩を添加
し、1時間撹拌し、銀を還元析出させた。この液にさら
に陰イオン交換樹脂を添加しNO3 -イオンを除去し、超
音波を2時間照射し分散させた。その後濃縮を行い固形
分5重量%液を調製した(X1液)。例28におけるU
1液をX1液に変更した以外は例28と同様に行った。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、スプレーまたはスピン
コートなどの簡便な方法により効率よく優れた導電膜を
提供できる。本発明は金属微粒子による導電膜を提供す
るため、電磁波を容易にシールドでき、かつ比較的安価
に製造できる。とくにCRTのパネルフェイス面などの
大面積の基体にも充分適用でき、量産も可能であるため
工業的価値は非常に高い。
フロントページの続き (72)発明者 廣谷 真奈美 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 森本 剛 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ag、Ru、Re、Ir、Os、Pt、R
    h、Pd、Ni、Co、Sn、Cr、AuおよびInか
    らなる群から選ばれる1種以上の金属微粒子が分散した
    ゾルを含み、かつ導電膜形成成分の10重量部以上が該
    金属微粒子となるように調製された導電膜形成用塗布
    液。
  2. 【請求項2】金属微粒子が、平均粒径100nm以下で
    ある請求項1の導電膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】さらにSn、Sb、In、Zn、Ga、A
    uおよびRuからなる群から選ばれる1種以上の金属の
    酸化物微粒子が分散したゾルを含む請求項1または2の
    導電膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】さらにSi、TiまたはZrのアルコキシ
    ドおよび/またはそれらの部分加水分解物を含む請求項
    1、2または3の導電膜形成用塗布液。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4の導電膜形成用
    塗布液から形成される導電膜をガラス基体上に有するガ
    ラス物品。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3または4の導電膜形成用
    塗布液から形成される導電膜をブラウン管表面に有する
    ブラウン管。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3または4の導電膜形成用
    塗布液から形成される導電膜上に、該導電膜より低屈折
    率の膜が形成されてなる低反射導電膜。
  8. 【請求項8】基体上に請求項7の低反射導電膜が形成さ
    れてなるガラス物品。
  9. 【請求項9】ブラウン管表面に請求項7の低反射導電膜
    が形成されてなるブラウン管。
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