JPH08290943A - 導電膜形成用塗布液、導電膜の製造方法、導電膜及び導電膜が形成されたガラス物品 - Google Patents

導電膜形成用塗布液、導電膜の製造方法、導電膜及び導電膜が形成されたガラス物品

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JPH08290943A
JPH08290943A JP9547795A JP9547795A JPH08290943A JP H08290943 A JPH08290943 A JP H08290943A JP 9547795 A JP9547795 A JP 9547795A JP 9547795 A JP9547795 A JP 9547795A JP H08290943 A JPH08290943 A JP H08290943A
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JP
Japan
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conductive film
solution
electroconductive film
forming
coating liquid
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Application number
JP9547795A
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English (en)
Inventor
Keisuke Abe
啓介 阿部
Yasuhiro Sanada
恭宏 真田
Kenji Ishizeki
健二 石関
Takeshi Morimoto
剛 森本
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】低温熱処理で形成可能な高性能導電膜及び低反
射導電膜を得る。 【構成】塩化ルテニウム水溶液と塩化スズをアンモニア
水に同時に添加し沈殿析出させ、沈殿物からRu−Sn
複合酸化物微粒子を得た。ケイ酸エチルをエタノールに
溶かし加水分解した。前記2液を混合しそれを水、エタ
ノール等の溶媒に混合し、14インチブラウン管パネル
表面にスピンコート法で塗布し180℃で30分間加熱
し導電膜を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はTV、CRT等のブラウ
ン管パネル等のガラス基体表面に塗布される導電膜及び
低反射導電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】TV、CRT等のブラウン管は高電圧で
作動するため、起動時又は終了時にパネル表面に静電気
が誘起される。この静電気によりパネル表面にほこりが
付着し、コントラスト低下を引き起こしたり、あるいは
直接触れた際に軽い電気ショックによる不快感を生じる
ことが多い。
【0003】従来、これらを防止するためにブラウン管
パネル表面に帯電防止膜を付与する試みがかなりなされ
てきた。例えば、特開昭63−76247号に記載の通
り、ブラウン管パネル表面を350℃程度に加熱し、C
VD法により酸化スズ及び酸化インジウム等の導電性酸
化物層を設ける方法が採用されてきた。しかし、この方
法では装置コストがかかることに加え、ブラウン管表面
を高温に加熱するためブラウン管内の蛍光体の脱落を生
じたり、寸法精度が低下する等の問題があった。また、
導電層に用いる材料としては酸化スズが最も一般的であ
るが、この場合低温処理では高性能な膜が得にくい欠点
があった。
【0004】また近年、電磁波ノイズによる電子機器へ
の電波障害が社会問題となり、それらを防止するため規
格の作成、それによる規制が行われている。電磁波ノイ
ズは、人体について、CRT上の静電気チャージによる
皮膚癌の恐れ、低周波電界(ELF;electric
field of low frequency)に
よる胎児への影響、その他X線、紫外線等による害が各
国で問題視されている。この場合、導電性塗膜をブラウ
ン管表面に形成させることにより、導電性塗膜に電磁波
が当たり、塗膜内に渦電流を誘導して、この作用で電磁
波を吸収・反射する。しかし、このためには高い電界強
度に耐えうる良導電性が必要であり、それほどの良導電
性の膜を得ることは従来きわめて困難であった。
【0005】一般に、酸化スズ等の典型的な金属酸化物
等や酸化ルテニウム等の良導電性物質は、その軌道電子
の構造上バンドギャップを持たないため、可視光領域で
吸収が生じディスプレイ等の表面処理にそのままの適用
は難しい。一方、SbドープSnO2 、FドープSnO
2 、ITO、AlドープZnO等の半導体型酸化物は、
そのバンドギャップが3.1eV以上あり透光性を有す
る。しかし、高性能な電磁波シールドに供する程の導電
性の発現は困難であった。
【0006】一方、導電膜及び低反射膜のコーティング
法は、従来より光学機器のみならず、民生用機器、特に
TV、コンピュータ端末の陰極線管(CRT)に関し数
多くの検討がなされてきた。従来の方法は、例えば特開
昭61−118931号記載のように、ブラウン管表面
に防眩効果をもたせるために表面に微細な凹凸を有する
SiO2 を層付着させたり、フッ酸により表面をエッチ
ングして凹凸を設ける等の方法がとられてきた。
【0007】しかし、これらの方法は、外部光を散乱さ
せるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反射層を設け
る方法でないため反射率の低減には限界があり、またブ
ラウン管などにおいては解像度を低下させる原因ともな
っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
前述の欠点を解消しようとするものであり、低温熱処理
により形成が可能な高性能導電膜、及び、低反射導電膜
を新規に提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の発明と
して、スズ、インジウム、チタン、ジルコニウム及びア
ルミウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
とルテニウムとからなる導電性複合酸化物微粒子が分散
してなることを特徴とする導電膜形成用塗布液を提供す
る。
【0010】前記導電膜形成用塗布液は、比誘電率が5
以上でかつ沸点が50〜250℃である有機溶媒及び水
を含むことが、液中の粒子の分散性及び塗膜形成の点で
好ましい。
【0011】本発明の塗布液は導電性複合酸化物微粒子
を含有しており、その粒子の表面には正又は負の電荷が
生じている。一般に粒子が溶媒中で分散状態を維持する
ためには、粒子どうしの凝集によるエネルギーよりも粒
子と溶媒の会合によるエネルギー(溶媒和エネルギー)
が低いことが必要であり、このとき、粒子が溶媒に分散
する状態となる。粒子が溶媒と会合状態を生じうる大き
な要因としては、粒子自体の電荷と溶媒分子の電子の偏
在(分極性)による静電的な近接による点が挙げられ、
よって表面が荷電している粒子を溶媒中に分散させるた
めには高極性(高誘電率)溶媒が好ましい。
【0012】誘電率が5未満の溶媒は、上記記載の理由
により、液中の粒子の分散性を損なうため好ましくな
い。沸点が50℃未満の溶媒は、塗布時に溶媒が急激に
蒸発し均一な膜が成膜されず、また沸点が250℃超の
溶媒は、膜の硬化工程後までに塗膜中に残留し膜の強度
を損なうため好ましくない。
【0013】したがって、本発明に適用し得る溶媒とし
ては、水(誘電率ε=81、沸点TH =100℃)、メ
タノール(ε=33.2、TH =64℃)、エタノール
(ε=27、TH =78℃)、イソプロパノール(ε=
18.3、TH =82.3℃)、アセトン(ε=21.
4、TH =56.1℃)、2−エトキシエタノール(ε
=29.6、TH =135.1℃)、ブチルセロソルブ
(ε=9.3、TH =171.2℃)、ジアセトンアル
コール(ε=18.2、TH =167℃)、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル(ε=13、TH =11
9℃)等が好ましい。
【0014】また、前記導電膜形成用塗布液はケイ素化
合物を含むことが、造膜性の点でより好ましい。
【0015】第2の発明として、前記導電膜形成用塗布
液を、基体上に塗布し加熱硬化させることを特徴とする
導電膜の製造方法を提供する。
【0016】第3の発明として、前記導電膜形成用塗布
液を基体上に塗布し形成された導電膜を提供する。
【0017】前記導電膜の上に、前記導電膜より低屈折
率の透明膜が積層され低反射性を有してなる導電膜は、
電磁波をシールドし基板の反射を抑える点で好ましい。
【0018】第4の発明として、前記導電膜が形成され
たガラス物品を提供する。前記ガラス物品が陰極線管で
ある場合、ディスプレイより生じる低周波の電磁波をシ
ールドし照明灯等の映り込みも減じるという効果が発揮
されるため、好ましい。
【0019】導電膜の構成成分として酸化ルテニウムの
みを用いる場合、導電性は充分に発現されるが膜の可視
光吸収が大きくなる場合があり、実用上問題となる場合
がある。本発明によるスズ、インジウム、チタン、ジル
コニウム及びアルミウムからなる群から選ばれる少なく
とも1種の元素とルテニウムとからなる導電性複合酸化
物微粒子を含む塗布液を用いて導電膜を形成すれば、所
定の導電性の発現と透光性の向上が達成される。
【0020】導電性複合酸化物微粒子粉末自体はITO
粒子程の透光性は得られないが、粒子の一次粒経を小さ
くし超微粒子化することにより、光学薄膜などに適用し
た場合、粒子サイズ効果等の寄与もあり、所定の導電性
を維持しながら透光性を向上させることができた。
【0021】本発明による前記導電性複合酸化物微粒子
は、例えば塩化ルテニウム等のルテニウム塩と、塩化ス
ズ、塩化インジウム、塩化チタン、オキシ塩化ジルコニ
ウム、塩化アルミニウム等をpH3〜13の範囲で同時
に加水分解し、得られた沈殿物を乾燥し、300〜60
0℃の範囲で焼成して得ることが好ましい。300℃よ
り低温における焼成ではアモルファスとなり充分な導電
性が得られないため好ましくない。600℃より高温で
焼成すると異常粒成長等が生じ塗膜化したときのヘーズ
等の外観欠点が生じやすくなるため好ましくない。
【0022】前記導電性複合酸化物微粒子は、あまり大
きいと分散しにくくなるため、平均粒経が100nm以
下となっていることが好ましい。また、前記導電性複合
酸化物微粒子は均一に水等の溶媒に分散させることが重
要である。分散する際には、溶液と粒子の接触を容易な
らしめるために撹拌することが好ましい。この場合、コ
ロイドミル、ボールミル、サンドミル、ホモミキサー等
の市販の粉砕器を使用できる。また分散させる際には、
20〜200℃の範囲で加熱してもよい。溶液の沸点以
上で撹拌する場合には加圧して液層が保持できるように
する。このようにして、前記導電性複合酸化物微粒子が
コロイド粒子として分散した水性ゾルが得られる。
【0023】本発明における水性ゾルはそのまま塗布液
として使用できるが、基体に対する塗布性を増すため有
機溶媒に分散又は有機溶媒と水性ゾルの水を置換して使
用することもできる。親水性有機溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアル
コール類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテル等
のエーテル類、2,4−ペンタンジオン、ジアセトンア
ルコール等のケトン類、乳酸エチル、乳酸メチル等のエ
ステル類が使用できる。
【0024】前記導電性複合酸化物微粒子を含む塗布液
には、液の粘度、表面張力、広がり性等を調整する点か
らSi(OR)y ・R’4-y (yは3又は4、R、R’
はアルキル基でRとR’が同一の場合も含む)等のケイ
素化合物を添加できる。さらに基体との濡れ性を向上さ
せるために種々の界面活性剤も添加できる。
【0025】上記で合成した塗布液の基体上への塗布方
法としては、スピンコート、ディップコート、スプレー
コート法等が好適に使用できる。また、スプレーコート
法を用いて表面に凹凸を形成し防眩効果を併せて付与し
てもよく、またその上にシリカ被膜等のハードコートを
設けてもよい。さらには、本発明の導電膜をスピンコー
ト法又はスプレーコート法で形成し、その上にシリコン
アルコキシドを含む溶液をスプレーコートして、表面に
凹凸を有するシリカ被膜のノングレアコートを設けても
よい。
【0026】前記導電性複合酸化物微粒子ゾルを含む塗
布液は、それ自体で基体上への塗布液として供しうるた
め、低沸点溶媒を用いた場合、室温における乾燥で均一
なスズ、インジウム、チタン、ジルコニウム及びアルミ
ウムからなる群のうち少なくとも1種の元素と、ルテニ
ウムとからなる導電性複合酸化物膜が得られるが、沸点
が100〜250℃にある高沸点溶媒を用いる場合は、
室温乾燥では溶媒が塗膜中に残留するため、加熱処理す
る。加熱温度の上限は基板に用いられるガラス、プラス
チック等の軟化点によって決定される。この点も考慮す
ると好ましい温度範囲は100〜500℃である。
【0027】本発明においては、光の干渉作用を利用し
て低反射膜を形成できる。例えば、基体がガラスの場合
(屈折率n0 =1.52)の場合、上記導電膜の上に、
1(導電膜)/n2 (低屈折率膜)の比の値が約1.
23となるような低屈折率膜を形成すると、反射率を最
も低減できる。反射率の低減には可視光領域において、
特に波長が555nmの光の反射率を低減することが好
ましいが、実用上は反射外観等を考慮し適宜決定すれば
よい。
【0028】前記の2層からなる低反射性を有する導電
膜(以下単に低反射導電膜という)の最外層の低屈折率
膜としては、MgF2 ゾルを含む溶液、シリコンアルコ
キシドを含む溶液の少なくとも1種の溶液を含む溶液を
用いて形成する。屈折率の点ではMgF2 が最も低く、
反射率低減のためにはMgF2 ゾルを含む溶液の使用が
好ましく、膜の硬度や耐擦傷性の点ではSiO2 を主成
分とする膜が好ましい。
【0029】前記の低屈折率膜形成用のシリコンアルコ
キシドを含む溶液としては種々のものが使用でき、Si
(OR)y ・R’4-y (yは3又は4、R、R’はアル
キル基)で示されるシリコンアルコキシド又は部分加水
分解物を含む液が挙げられる。例えばシリコンエトキシ
ド、シリコンメトキシド、シリコンイソプロポキシド、
シリコンブトキシドのモノマー又は重合体が好ましく使
用できる。
【0030】シリコンアルコキシドはアルコール、エス
テル、エーテル等に溶解して用いることもでき、前記溶
液に塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フッ
酸、又はアンモニア水溶液を添加して加水分解して用い
ることもできる。シリコンアルコキシドの固形分量は溶
媒に対し30wt%以下であることが好ましい。固形分
量があまり大きいと保存安定性が悪いため、前記の固形
分量が好ましい。
【0031】また、この溶液には膜の強度向上のためバ
インダーとして、ジルコニウム、チタン、スズ、アルミ
ニウム等のアルコキシドや、これらの部分加水分解物を
添加して、ZrO2 、TiO2 、SnO2 、Al23
の1種又は2種以上の複合物をMgF2 、SiO2 と同
時に析出させてもよい。
【0032】あるいはまた、基体との濡れ性を上げるた
めに界面活性剤を添加してもよい。添加される界面活性
剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルエーテル硫酸エステル等が挙げられる。
【0033】本発明の低反射導電膜の製造方法は、多層
干渉効果による低反射導電膜にも応用できる。反射防止
性能を有する多層の低反射膜の構成としては、反射防止
をしたい光の波長をλとして、基体側より高屈折率層−
低屈折率層を光学厚みλ/2−λ/4、又はλ/4−λ
/4で形成した2層の低反射膜、基体側より中屈折率層
−高屈折率層−低屈折率層を光学厚みλ/4−λ/2−
λ/4で形成した3層の低反射膜、基体側より低屈折率
層−中屈折率層−高屈折率層−低屈折率層を光学厚みλ
/2−λ/2−λ/2−λ/4で形成した4層の低反射
膜等の構成が採用できる。
【0034】本発明の前記導電性複合酸化物微粒子によ
る導電膜を形成する基体としては、ブラウン管パネル、
複写機用ガラス板、計算機用パネル、クリーンルーム用
ガラス、CRT又はLCD等の表示装置の前面板等の各
種ガラス、プラスチック基板を採用できる。
【0035】
【作用】従来、塗布液の溶液材料にRu元素を一部置換
させて含有させたり、Ru元素を結合させて含有させ、
基体に塗布し加熱焼成させた後Ru酸化物を含む導電膜
を形成させることも知られていたが、本発明ではあらか
じめ合成したRuの複合酸化物による導電性微粒子を塗
布液に含有させるので、塗膜形成後の低温(180℃程
度)での焼成でも充分な導電性が得られ、優れた電磁波
シールド性が達成できる。
【0036】
【実施例】以下に実施例(例1〜7)、比較例(例8〜
12)を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定され
ない。例1〜12において作成した膜の特性を表1に示
す。得られた膜の評価方法は次の通りである。
【0037】(1)導電性評価:ローレスタ抵抗測定器
(三菱油化製)により膜表面の表面抵抗を測定した。
【0038】(2)耐擦傷性:1kg荷重下で(LIO
N製50−50)で膜表面を50回往復後、その表面の
傷の付きを目視で判断した。評価基準は、○;傷が全く
付かない、△;傷が多少つく、×;一部に膜剥離が生じ
る、とした。
【0039】(3)鉛筆硬度:1kg荷重下において、
鉛筆で膜表面を走査し、その後目視により表面の傷が生
じ始める鉛筆の硬度を膜の鉛筆硬度と判断した。
【0040】(4)視感反射率:GAMMA分光反射率
スペクトル測定器により多層膜の光波長400〜700
nmでの視感反射率を測定した。
【0041】(5)視感透過率:日立製作所製Spec
trophotometerU−3500により380
〜780nmでの視感透過率を測定した。
【0042】(例1)塩化ルテニウム水溶液と塩化スズ
を、Ru/Sn=9/1(原子比)となるように、アン
モニア水でpH10に調整し50℃に保持した溶液中に
同時に添加し、沈殿析出させた。この沈殿物を洗浄濾別
し、100℃で12時間乾燥後空気中で500℃、3時
間焼成し、Ru−Sn複合酸化物微粒子を得た。この複
合酸化物微粒子をサンドミルで2時間粉砕した。粉砕し
たゾル液中の平均粒径は80nmであった。その後濃縮
し、5%液を得た(A液)。
【0043】シリコンエトキシドをエタノールに溶か
し、塩酸酸性水溶液で加水分解し、SiO2 換算で5w
t%となるようエタノールで調整した(B液)。
【0044】A液とB液を、A液/B液=8/2(重量
比)となるように混合し、その後超音波を1時間照射し
た(C液)。
【0045】水、エタノール、メタノール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルを、重量比で水/エタノ
ール/メタノール/プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル=50/42/5/3となるよう混合した(D
液)。
【0046】C液をD液で固形分が2.0%となるよう
に希釈し、Ru−Sn複合酸化物微粒子が分散した液を
製造した(E液)。
【0047】E液を14インチブラウン管のパネル表面
にスピンコート法で塗布し、180℃で30分間加熱し
導電膜を得た。
【0048】(例2)塩化ルテニウム水溶液と塩化チタ
ンのエタノール溶液を、Ru/Ti=8/2(原子比)
となるように、アンモニア水でpH10に調整し70℃
に保持した溶液中に同時に添加し、沈殿析出させた。こ
の沈殿物を洗浄濾別し、100℃で12時間乾燥後空気
中において500℃で3時間焼成し、Ru−Ti複合酸
化物微粒子を得た。この複合酸化物微粒子をサンドミル
で2.5時間粉砕した。粉砕後の液中の平均粒径は68
nmであった。その後濃縮し、5%液を得た(F液)。
例1においてA液をF液に変更した以外は例1と同様に
行った。
【0049】(例3)シリコンエトキシドをエタノール
に溶かし塩酸酸性水溶液で加水分解し、SiO2 換算で
5wt%となるようエタノールで調整した。この後この
液をエチルセロソルブ/イソプロパノール/ジアセトン
アルコール=5/4/1の希釈溶媒で1.0%となるよ
うに希釈した(J液)。
【0050】A液をD液で固形分が2.0%となるよう
に希釈し、この液を14インチブラウン管パネル表面に
スピンコート法で塗布し、その後J液を同様なスピンコ
ート法によりその膜上に塗布し、180℃で10分間加
熱し低反射導電膜を得た。
【0051】(例4)塩化ルテニウム水溶液と塩化イン
ジウムエタノール溶液を、Ru/In=8/2(原子
比)となるようにアンモニア水でpH10に調整し70
℃に保持した溶液中に同時に添加し、沈殿析出させた。
この沈殿物を洗浄濾別し、100℃で12時間乾燥後、
空気中において550℃で3時間焼成し、Ru−In複
合酸化物微粒子を得た。この複合酸化物微粒子をサンド
ミルで2時間粉砕した。粉砕後の液中の平均粒径は85
nmであった。その後濃縮し、5%液を得た(K液)。
例3においてA液をK液に変更した以外は例3と同様に
行った。
【0052】(例5)塩化ルテニウム水溶液と塩化チタ
ンのエタノール溶液を、Ru/Ti=8/2(原子比)
となるように、アンモニア水でpH10に調整し55℃
に保持した溶液中に同時に添加し、沈殿析出させた。こ
の沈殿物を洗浄濾別し、100℃で12時間乾燥後、空
気中で550℃で3時間焼成し、Ru−Ti複合酸化物
微粒子を得た。この複合酸化物微粒子をサンドミルで2
時間粉砕した。粉砕後の液中の平均粒径は96nmであ
った。その後濃縮し、5%液を得た(L液)。例3にお
いてA液をL液に変更した以外は例3と同様に行った。
【0053】(例6)塩化ルテニウム水溶液とオキシ塩
化ジルコニウムの水溶液を、Ru/Zr=8/2(原子
比)となるように、アンモニア水でpH10に調整し5
5℃に保持した溶液中に同時に添加し、沈殿析出させ
た。この沈殿物を洗浄濾別し、100℃で12時間乾燥
後、空気中で550℃で3時間焼成し、Ru−Zr複合
酸化物微粒子を得た。この複合酸化物微粒子をサンドミ
ルで2時間粉砕した。粉砕後の液中の平均粒径は99n
mであった。その後濃縮し、5%液を得た(M液)。例
3においてA液をM液に変更した以外は例3と同様に行
った。
【0054】(例7)塩化ルテニウム水溶液と塩化アル
ミニウムの水溶液(pH4.5)をRu/Al=9/1
(原子比)となるように、アンモニア水でpH10に調
整し55℃に保持した溶液中に同時に添加し、沈殿析出
させた。この沈殿物を洗浄濾別し、100℃で12時間
乾燥後、空気中で480℃で3時間焼成し、Ru−Al
複合酸化物微粒子を得た。この複合酸化物微粒子をサン
ドミルで2時間粉砕した。粉砕後の液中の平均粒径は7
0nmであった。その後濃縮し、5%液を得た(N
液)。例3においてA液をN液に変更した以外は例3と
同様に行った。
【0055】(例8)塩化ルテニウム水溶液を、アンモ
ニア水でpH7に調整し45℃に保持した溶液中に添加
し、沈殿析出させた。この沈殿物を洗浄濾別し、100
℃で12時間乾燥後、空気中で500℃で3時間焼成
し、Ru酸化物微粒子を得た。この複合酸化物微粒子を
サンドミルで0.5時間粉砕した。粉砕後の液中の平均
粒径は118nmであった。その後濃縮し、5%液を得
た(G液)。例1においてA液をG液に変更した以外は
例1と同様に行った。
【0056】(例9)水、エチルエーテル、キシレン
を、重量比で水/エチルエーテル/キシレン=50/4
2/8となるように混合した(H液)。例8において、
例1のD液をH液に変更したところ凝集沈殿が生じた。
【0057】(例10)水、トリエチレングリコール、
ジエチレングリコールジブチルエーテルを、重量比で水
/トリエチレングリコール/ジエチレングリコールジブ
チルエーテル=50/42/8となるように混合した
(I液)。例8において、例1のD液をI液に変更した
以外は例8と同様に行った。
【0058】(例11)Ti(C5722 (OC
372 をエタノールに溶かし塩酸酸性水溶液で加水
分解し、TiO2 換算で5wt%となるようエタノール
で調整した。この後この液をエチルセロソルブ/イソプ
ロパノール/ジアセトンアルコール=5/4/1の希釈
溶媒で1.0%となるように希釈した(O液)。
【0059】G液をI液で1.0%まで希釈し、14イ
ンチブラウン管パネル表面にスピンコート法で塗布し、
その後O液を同様なスピンコート法によりその膜上に塗
布し、180℃で10分間加熱し膜を得た。
【0060】(例12)塩化ルテニウム水溶液と塩化チ
タンをエタノールに溶解し、Ru/Ti=8/2(原子
比)でありかつ酸化物換算固形分で5wt%となるよう
に調製した。この液をD液で固形分が2.0%となるよ
うに希釈し、14インチブラウン管パネル表面にスピン
コート法で塗布し、その後J液を同様な方法でその膜上
に塗布し180℃で10分間焼成して膜を得た。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、スプレー法又はスピン
コート法等の簡便な方法により、低温処理で効率よく導
電性等の特性の優れた導電膜を提供できる。本発明は導
電性複合酸化物による導電膜を提供するため、電磁波を
シールドできる導電膜を比較的安価に製造でき、とくに
CRTのパネルフェ−ス面等の大面積の基体にも充分適
用でき、量産も可能であるため工業的価値は非常に高
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 剛 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スズ、インジウム、チタン、ジルコニウム
    及びアルミウムからなる群から選ばれる少なくとも1種
    の元素とルテニウムとからなる導電性複合酸化物微粒子
    が分散してなることを特徴とする導電膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】前記導電膜形成用塗布液が、比誘電率が5
    以上でかつ沸点が50〜250℃である有機溶媒及び水
    を含む請求項1記載の導電膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】前記導電膜形成用塗布液がケイ素化合物を
    含む請求項1又は2記載の導電膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3の導電膜形成用塗布液
    を、基体上に塗布し加熱硬化させることを特徴とする導
    電膜の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2又は3の導電膜形成用塗布液
    を基体上に塗布し形成された導電膜。
  6. 【請求項6】前記導電膜の上に、前記導電膜より低屈折
    率の透明膜が積層され低反射性を有してなる請求項5記
    載の導電膜。
  7. 【請求項7】請求項5又は6の導電膜が形成されたガラ
    ス物品。
  8. 【請求項8】前記ガラス物品が陰極線管である請求項7
    記載のガラス物品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006082769A1 (ja) * 2005-02-01 2006-08-10 Konica Minolta Holdings, Inc. ガラス部材、読み取り装置、及び画像形成装置
JP2009227500A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Tayca Corp 透明酸化チタンオルガノゾルおよびそれを配合したコーティング組成物,光学基材

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JPWO2006082769A1 (ja) * 2005-02-01 2008-06-26 コニカミノルタホールディングス株式会社 ガラス部材、読み取り装置、及び画像形成装置
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