JPH10176241A - 切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板およびこの鋼板を用いたスプライスプレート - Google Patents
切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板およびこの鋼板を用いたスプライスプレートInfo
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- JPH10176241A JPH10176241A JP33660696A JP33660696A JPH10176241A JP H10176241 A JPH10176241 A JP H10176241A JP 33660696 A JP33660696 A JP 33660696A JP 33660696 A JP33660696 A JP 33660696A JP H10176241 A JPH10176241 A JP H10176241A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、鋼板の板厚方向の硬度分布を最適
化することにより切断およびボルト孔加工が容易で、か
つ高力ボルト接合スプライスプレートに加工後の摩擦係
数が高い高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板を提
供する。 【解決手段】 所定の化学成分の鋼板または形鋼などの
鋼材の片側または両側の表面より板厚方向に０．２ｍｍ
以上板厚の３０％に相当する厚み以下の部分のビッカー
ス硬度が３６０以上であり、かつ板厚中心部のビッカー
ス硬度が３００以下である板厚４ｍｍ以上２５ｍｍ以下
の切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接
合スプライスプレート用鋼板。
化することにより切断およびボルト孔加工が容易で、か
つ高力ボルト接合スプライスプレートに加工後の摩擦係
数が高い高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板を提
供する。 【解決手段】 所定の化学成分の鋼板または形鋼などの
鋼材の片側または両側の表面より板厚方向に０．２ｍｍ
以上板厚の３０％に相当する厚み以下の部分のビッカー
ス硬度が３６０以上であり、かつ板厚中心部のビッカー
ス硬度が３００以下である板厚４ｍｍ以上２５ｍｍ以下
の切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接
合スプライスプレート用鋼板。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築・橋梁などに
おける鋼構造物の摩擦接合部に利用できる高力ボルト摩
擦接合用スプライスプレートの素材となる鋼板およびこ
の鋼板を用いて製造されるスプライスプレートに関する
ものである。本発明鋼材は、切断、ボルト孔加工および
表層への溝加工が容易で高靱性を有する。本発明鋼材の
表層部に溝加工を施すことにより、安定して高い摩擦接
合面のすべり係数を有するスプライスプレートが得ら
れ、鋼構造物の安全性を高めることができる。
おける鋼構造物の摩擦接合部に利用できる高力ボルト摩
擦接合用スプライスプレートの素材となる鋼板およびこ
の鋼板を用いて製造されるスプライスプレートに関する
ものである。本発明鋼材は、切断、ボルト孔加工および
表層への溝加工が容易で高靱性を有する。本発明鋼材の
表層部に溝加工を施すことにより、安定して高い摩擦接
合面のすべり係数を有するスプライスプレートが得ら
れ、鋼構造物の安全性を高めることができる。
【０００２】
【従来の技術】高力ボルト摩擦接合において、日本建築
学会の設計施工指針では、接合耐力上重要となる摩擦面
は、黒皮除去された良好な赤錆面で、すべり係数が０．
４５を上回る処理を施し、また、すべり係数はすべり耐
力試験により確認する必要があるとされている。通常、
良好な赤錆状態であれば、すべり係数は０．４５を上回
ることが知られており、すべり耐力試験は省略される場
合が多い。
学会の設計施工指針では、接合耐力上重要となる摩擦面
は、黒皮除去された良好な赤錆面で、すべり係数が０．
４５を上回る処理を施し、また、すべり係数はすべり耐
力試験により確認する必要があるとされている。通常、
良好な赤錆状態であれば、すべり係数は０．４５を上回
ることが知られており、すべり耐力試験は省略される場
合が多い。
【０００３】赤錆状態のすべり係数は、環境因子や鋼材
組成などにより錆生成状態が異なるためばらつくことが
多く、すべり係数は０．４５として設計される場合が多
い。摩擦接合面のすべり係数は高いほど接合耐力が高く
なることは明らかであり、特開昭５１−５２６２８号公
報では接合面に凹凸をつけたり、特開平１−２０６１０
４号公報では接合面に耐食性金属を溶射して摩擦係数を
高くする工夫が施されている。しかし、摩擦係数は表面
粗さを増加させるのみでは限界があるという問題点があ
った。
組成などにより錆生成状態が異なるためばらつくことが
多く、すべり係数は０．４５として設計される場合が多
い。摩擦接合面のすべり係数は高いほど接合耐力が高く
なることは明らかであり、特開昭５１−５２６２８号公
報では接合面に凹凸をつけたり、特開平１−２０６１０
４号公報では接合面に耐食性金属を溶射して摩擦係数を
高くする工夫が施されている。しかし、摩擦係数は表面
粗さを増加させるのみでは限界があるという問題点があ
った。
【０００４】そこで、より摩擦係数を高めるために表層
部に溝加工を施す方法が提案されている。このようなも
のとしては、特開平７−２８６２５５号公報、特開平８
−４１５９１号公報などがある。これらはいずれも比較
的硬度の低い板の表面に機械切削、転造あるいはレーザ
ー照射等の加工法で溝をつけ、しかる後に熱処理により
板全体を高強度化する製造法である。このためスプライ
スプレート１枚ずつを熱処理する必要があるので、熱処
理に要する費用が膨大になるという実用面での大きな問
題があった。溝加工を施す前に板を熱処理により高強度
化すると適正サイズへの板の切断、ボルト孔加工さらに
は表面への溝加工などに必要な鋸断用鋸、ドリル、切削
用刃物、転造用工具などの材質を高硬度の特殊なものに
する必要があり、多大な費用が発生し、かつ製造生産性
も著しく低くなる。
部に溝加工を施す方法が提案されている。このようなも
のとしては、特開平７−２８６２５５号公報、特開平８
−４１５９１号公報などがある。これらはいずれも比較
的硬度の低い板の表面に機械切削、転造あるいはレーザ
ー照射等の加工法で溝をつけ、しかる後に熱処理により
板全体を高強度化する製造法である。このためスプライ
スプレート１枚ずつを熱処理する必要があるので、熱処
理に要する費用が膨大になるという実用面での大きな問
題があった。溝加工を施す前に板を熱処理により高強度
化すると適正サイズへの板の切断、ボルト孔加工さらに
は表面への溝加工などに必要な鋸断用鋸、ドリル、切削
用刃物、転造用工具などの材質を高硬度の特殊なものに
する必要があり、多大な費用が発生し、かつ製造生産性
も著しく低くなる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、切断および
ボルト孔加工さらには表面溝加工の容易な高靱性高力ボ
ルト接合スプライスプレート用鋼板およびこの鋼板を用
いて製造されるスプライスプレートを提供することを目
的とするものである。
ボルト孔加工さらには表面溝加工の容易な高靱性高力ボ
ルト接合スプライスプレート用鋼板およびこの鋼板を用
いて製造されるスプライスプレートを提供することを目
的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来法の欠点を有利に排除し得る、板の硬度分布を最適
化することにより切断およびボルト孔加工さらには表面
溝加工を容易にすることを可能とする高靱性高力ボルト
接合スプライスプレート用鋼板およびこの鋼板を用いて
製造されるスプライスプレートであり、その要旨とする
ところは下記のとおりである。
従来法の欠点を有利に排除し得る、板の硬度分布を最適
化することにより切断およびボルト孔加工さらには表面
溝加工を容易にすることを可能とする高靱性高力ボルト
接合スプライスプレート用鋼板およびこの鋼板を用いて
製造されるスプライスプレートであり、その要旨とする
ところは下記のとおりである。
【０００７】（１）重量％で、Ｃ：０．１２〜０．５０
％、Ｓｉ：０．０３〜２．０％、Ｍｎ：０．２５〜２．
５％、Ａｌ：０．００２〜０．１０％、Ｓ：０．００３
〜０．１０％、残部がＦｅおよび不可避的不純物からな
る鋼板または形鋼などの鋼材の片側または両側の表面よ
り板厚方向に０．２ｍｍ以上板厚の３０％に相当する厚
み以下の部分のビッカース硬度が３６０以上でありかつ
板厚中心部のビッカース硬度が３００以下であることを
特徴とする板厚４ｍｍ以上２５ｍｍ以下の切断およびボ
ルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプ
レート用鋼板。
％、Ｓｉ：０．０３〜２．０％、Ｍｎ：０．２５〜２．
５％、Ａｌ：０．００２〜０．１０％、Ｓ：０．００３
〜０．１０％、残部がＦｅおよび不可避的不純物からな
る鋼板または形鋼などの鋼材の片側または両側の表面よ
り板厚方向に０．２ｍｍ以上板厚の３０％に相当する厚
み以下の部分のビッカース硬度が３６０以上でありかつ
板厚中心部のビッカース硬度が３００以下であることを
特徴とする板厚４ｍｍ以上２５ｍｍ以下の切断およびボ
ルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプ
レート用鋼板。
【０００８】（２）重量％で、Ｎｂ：０．００２〜０．
１０％、Ｔｉ：０．００２〜０．１０％の１種または２
種をさらに含有することを特徴とする前項（１）記載の
切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合
スプライスプレート用鋼板。 （３）重量％で、Ｃｕ：０．０５〜３．０％、Ｎｉ：
０．０５〜５．０％、Ｃｒ：０．０５〜５．０％、Ｍ
ｏ：０．０５〜３．５％、Ｃｏ：０．０５〜２．０％、
Ｗ：０．０５〜２．０％の１種または２種以上をさらに
含有することを特徴とする前項（１）または（２）記載
の切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接
合スプライスプレート用鋼板。
１０％、Ｔｉ：０．００２〜０．１０％の１種または２
種をさらに含有することを特徴とする前項（１）記載の
切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合
スプライスプレート用鋼板。 （３）重量％で、Ｃｕ：０．０５〜３．０％、Ｎｉ：
０．０５〜５．０％、Ｃｒ：０．０５〜５．０％、Ｍ
ｏ：０．０５〜３．５％、Ｃｏ：０．０５〜２．０％、
Ｗ：０．０５〜２．０％の１種または２種以上をさらに
含有することを特徴とする前項（１）または（２）記載
の切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接
合スプライスプレート用鋼板。
【０００９】（４）重量％で、Ｖ：０．００２〜０．１
０％をさらに含有することを特徴とする前項（１）〜
（３）のいずれか１項に記載の切断およびボルト孔加工
の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼
板。 （５）重量％で、Ｂ：０．０００２〜０．００２５％を
さらに含有することを特徴とする前項（１）〜（４）の
いずれか１項に記載の切断およびボルト孔加工の容易な
高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板。
０％をさらに含有することを特徴とする前項（１）〜
（３）のいずれか１項に記載の切断およびボルト孔加工
の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼
板。 （５）重量％で、Ｂ：０．０００２〜０．００２５％を
さらに含有することを特徴とする前項（１）〜（４）の
いずれか１項に記載の切断およびボルト孔加工の容易な
高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板。
【００１０】（６）重量％で、Ｒｅｍ：０．００２〜
０．１０％、Ｃａ：０．０００３〜０．００３０％の１
種または２種をさらに含有することを特徴とする前項
（１）〜（５）のいずれか１項に記載の切断およびボル
ト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレ
ート用鋼板。 （７）重量％で、Ｍｇ：０．０００３〜０．０１％をさ
らに含有することを特徴とする前項（１）〜（６）のい
ずれか１項に記載の切断およびボルト孔加工の容易な高
靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板。
０．１０％、Ｃａ：０．０００３〜０．００３０％の１
種または２種をさらに含有することを特徴とする前項
（１）〜（５）のいずれか１項に記載の切断およびボル
ト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレ
ート用鋼板。 （７）重量％で、Ｍｇ：０．０００３〜０．０１％をさ
らに含有することを特徴とする前項（１）〜（６）のい
ずれか１項に記載の切断およびボルト孔加工の容易な高
靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板。
【００１１】（８）鋼板の片面あるいは両面に、凸部の
角度が４５度以上１２０度以下、凸部の間隔が０．５ｍ
ｍ以上２ｍｍ以下、最凹部と最凸部の深さが０．５ｍｍ
以上２ｍｍ以下の角錐状または波状の凹凸をつけること
を特徴とする前項（１）〜（７）のいずれか１項に記載
の鋼板を用いた切断およびボルト孔加工の容易な高靱性
高力ボルト接合スプライスプレート。
角度が４５度以上１２０度以下、凸部の間隔が０．５ｍ
ｍ以上２ｍｍ以下、最凹部と最凸部の深さが０．５ｍｍ
以上２ｍｍ以下の角錐状または波状の凹凸をつけること
を特徴とする前項（１）〜（７）のいずれか１項に記載
の鋼板を用いた切断およびボルト孔加工の容易な高靱性
高力ボルト接合スプライスプレート。
【００１２】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の根幹をなす技術思想は、以下のとおりである。一
般に、鋼板の切断、ボルト孔加工、表層溝加工等の加工
は、対象となる鋼材強度と工具の強度差が大きいほど容
易である。しかるに、高力ボルト接合スプライスプレー
トは接合される構造部材に対して約３倍程度の硬度を有
する必要があるため、スプライスプレートの素材である
鋼板自体の強度も接合される構造部材の３倍程度が必要
となる。このような高強度の板をスムーズに加工するた
めの工具の強度は著しく高い必要があり、通常の特殊鋼
等では磨耗が早い等の問題がある。一方、スプライスプ
レートの素材である鋼板の硬度は表層のみが高ければ十
分な摩擦係数を示すため、板内部まで高硬度である必要
はない。このことから、板内部の硬度を低く抑えれば、
鋼板の切断、ボルト孔加工等の加工は通常の工具を用い
て十分な生産性を保ったまま容易にできることがわかっ
た。また、表層部が高硬度でもＳを所定の量含有させる
ことにより切削、転造等による表層溝加工が容易にでき
ることがわかった。
発明の根幹をなす技術思想は、以下のとおりである。一
般に、鋼板の切断、ボルト孔加工、表層溝加工等の加工
は、対象となる鋼材強度と工具の強度差が大きいほど容
易である。しかるに、高力ボルト接合スプライスプレー
トは接合される構造部材に対して約３倍程度の硬度を有
する必要があるため、スプライスプレートの素材である
鋼板自体の強度も接合される構造部材の３倍程度が必要
となる。このような高強度の板をスムーズに加工するた
めの工具の強度は著しく高い必要があり、通常の特殊鋼
等では磨耗が早い等の問題がある。一方、スプライスプ
レートの素材である鋼板の硬度は表層のみが高ければ十
分な摩擦係数を示すため、板内部まで高硬度である必要
はない。このことから、板内部の硬度を低く抑えれば、
鋼板の切断、ボルト孔加工等の加工は通常の工具を用い
て十分な生産性を保ったまま容易にできることがわかっ
た。また、表層部が高硬度でもＳを所定の量含有させる
ことにより切削、転造等による表層溝加工が容易にでき
ることがわかった。
【００１３】本発明者らは、このような新しい知見に基
づき、鋼の化学成分、鋼板の硬度分布を詳細に調査した
結果、前記請求項１〜８に示したような切断およびボル
ト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレ
ート用鋼板およびこの鋼板を用いたスプライスプレート
を創案したものである。以下に、本発明の限定理由を詳
細に説明する。
づき、鋼の化学成分、鋼板の硬度分布を詳細に調査した
結果、前記請求項１〜８に示したような切断およびボル
ト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレ
ート用鋼板およびこの鋼板を用いたスプライスプレート
を創案したものである。以下に、本発明の限定理由を詳
細に説明する。
【００１４】まず、本発明における出発材の成分の限定
理由について述べる。Ｃは、鋼の硬度を高めるのに有効
な元素であり、０．１２％未満では十分な硬度が得られ
ない。一方、その含有量が０．５０％を超えると硬化し
過ぎて割れやすくなる。Ｓｉは脱酸元素として、また鋼
の強化元素として有効であるが、０．０３％未満の含有
量ではその効果がない。一方、２．０％を超えると、鋼
の表面性状を損なう。
理由について述べる。Ｃは、鋼の硬度を高めるのに有効
な元素であり、０．１２％未満では十分な硬度が得られ
ない。一方、その含有量が０．５０％を超えると硬化し
過ぎて割れやすくなる。Ｓｉは脱酸元素として、また鋼
の強化元素として有効であるが、０．０３％未満の含有
量ではその効果がない。一方、２．０％を超えると、鋼
の表面性状を損なう。
【００１５】Ｍｎは鋼の強化に有効な元素であり、０．
２５％未満では十分な効果が得られない。一方、その含
有量が２．５％を超えると鋼が硬化し過ぎて割れやすく
なる。Ａｌは脱酸元素として添加される。０．００２％
未満の含有量ではその効果がなく、０．１０％を超える
と、鋼の表面性状を損なう。
２５％未満では十分な効果が得られない。一方、その含
有量が２．５％を超えると鋼が硬化し過ぎて割れやすく
なる。Ａｌは脱酸元素として添加される。０．００２％
未満の含有量ではその効果がなく、０．１０％を超える
と、鋼の表面性状を損なう。
【００１６】Ｓは鋼板の切断、ボルト孔加工さらには切
削、転造等による板表層部の溝加工を容易にする。添加
量が０．００３％未満ではその効果が小さく、０．１０
％を超えると鋳造時に鋼が割れやすくなるため、０．０
０３〜０．１０％の範囲で添加する。ＴｉおよびＮｂは
いずれも微量の添加で結晶粒の微細化と析出硬化の面で
有効に機能するが、過度に添加すると析出脆化を起こ
す。このため、Ｎｂ、Ｔｉともその添加量の上限を０．
１０％とする。両者とも添加量が少な過ぎると効果がな
いため、添加量の下限をそれぞれ０．００２％とする。
削、転造等による板表層部の溝加工を容易にする。添加
量が０．００３％未満ではその効果が小さく、０．１０
％を超えると鋳造時に鋼が割れやすくなるため、０．０
０３〜０．１０％の範囲で添加する。ＴｉおよびＮｂは
いずれも微量の添加で結晶粒の微細化と析出硬化の面で
有効に機能するが、過度に添加すると析出脆化を起こ
す。このため、Ｎｂ、Ｔｉともその添加量の上限を０．
１０％とする。両者とも添加量が少な過ぎると効果がな
いため、添加量の下限をそれぞれ０．００２％とする。
【００１７】Ｃｕ、Ｎｉ、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｃｏ、Ｗはいず
れも鋼の焼入れ性を向上させる元素である。本発明にお
ける場合、その添加により鋼の強度を高めることができ
るが、過度の量の添加は鋼を硬化させ割れやすくするた
め、Ｃｕ≦３．０％、Ｎｉ≦５．０％、Ｃｒ≦５．０
％、Ｍｏ≦３．５％、Ｃｏ≦２．０％、Ｗ≦２．０％に
限定する。また、これらの元素は添加量が少な過ぎると
効果がないため、添加量の下限をいずれの元素とも０．
０５％とする。
れも鋼の焼入れ性を向上させる元素である。本発明にお
ける場合、その添加により鋼の強度を高めることができ
るが、過度の量の添加は鋼を硬化させ割れやすくするた
め、Ｃｕ≦３．０％、Ｎｉ≦５．０％、Ｃｒ≦５．０
％、Ｍｏ≦３．５％、Ｃｏ≦２．０％、Ｗ≦２．０％に
限定する。また、これらの元素は添加量が少な過ぎると
効果がないため、添加量の下限をいずれの元素とも０．
０５％とする。
【００１８】Ｖは、析出硬化により鋼の強度を高めるの
に有効であるが、過度の添加は鋼の靱性を損なうため、
その上限を０．１０％とする。また、添加量が少な過ぎ
ると効果がないため、添加量の下限を０．００２％とす
る。Ｂは鋼の焼入れ性を向上させる元素である。本発明
における場合、その添加により鋼の強度を高めることが
できるが、過度の添加はＢの析出物を増加させて鋼の靱
性を損なうため、含有量の上限を０．００２５％とす
る。また、添加量が少な過ぎると効果がないため、添加
量の下限を０．０００２％とする。
に有効であるが、過度の添加は鋼の靱性を損なうため、
その上限を０．１０％とする。また、添加量が少な過ぎ
ると効果がないため、添加量の下限を０．００２％とす
る。Ｂは鋼の焼入れ性を向上させる元素である。本発明
における場合、その添加により鋼の強度を高めることが
できるが、過度の添加はＢの析出物を増加させて鋼の靱
性を損なうため、含有量の上限を０．００２５％とす
る。また、添加量が少な過ぎると効果がないため、添加
量の下限を０．０００２％とする。
【００１９】ＲｅｍとＣａはＳの無害化に有効である
が、添加量が少ないとＳが有害のまま残り、過度の添加
は靱性を損なうため、Ｒｅｍ：０．００２〜０．１０
％、Ｃａ：０．０００３〜０．００３０％の範囲で添加
する。Ｍｇは微細な酸化物となり鋼の組織を微細化して
靱性を向上させる。０．０００３％未満ではその効果が
なく、０．０１％を超えると酸化物を起点とした割れが
生じやすくなるため、含有量を０．０００３〜０．０１
％の範囲とする。
が、添加量が少ないとＳが有害のまま残り、過度の添加
は靱性を損なうため、Ｒｅｍ：０．００２〜０．１０
％、Ｃａ：０．０００３〜０．００３０％の範囲で添加
する。Ｍｇは微細な酸化物となり鋼の組織を微細化して
靱性を向上させる。０．０００３％未満ではその効果が
なく、０．０１％を超えると酸化物を起点とした割れが
生じやすくなるため、含有量を０．０００３〜０．０１
％の範囲とする。
【００２０】次に、本発明における鋼板の硬度分布の条
件について述べる。本発明の高力ボルト接合スプライス
プレート用鋼板の表面硬度は接合される構造部材の硬度
の約３倍程度なければ十分な摩擦係数が得られない。通
常の構造部材の硬度はビッカース硬度１２０以上である
ため、本発明のスプライスプレート用鋼板の表面硬度の
下限をビッカース硬度で３６０以上とする。
件について述べる。本発明の高力ボルト接合スプライス
プレート用鋼板の表面硬度は接合される構造部材の硬度
の約３倍程度なければ十分な摩擦係数が得られない。通
常の構造部材の硬度はビッカース硬度１２０以上である
ため、本発明のスプライスプレート用鋼板の表面硬度の
下限をビッカース硬度で３６０以上とする。
【００２１】硬度が３６０以上の領域は板表面から板厚
方向に０．２ｍｍ以上必要である。これは、摩擦係数を
高めるための溝加工の凹凸の高さが最低０．２ｍｍない
と十分な摩擦係数を得られないためである。また、この
ような高硬度の部分の厚みが板厚の３０％を超えるほど
深く板表面より板厚方向に存在すると、如何に中心部の
硬度が低くても、切断、ボルト孔加工等の板を貫通する
ような加工を施す場合の生産性が著しく落ちることか
ら、硬度が３６０以上の領域は板表面から板厚方向に板
厚の３０％以下に制限する。
方向に０．２ｍｍ以上必要である。これは、摩擦係数を
高めるための溝加工の凹凸の高さが最低０．２ｍｍない
と十分な摩擦係数を得られないためである。また、この
ような高硬度の部分の厚みが板厚の３０％を超えるほど
深く板表面より板厚方向に存在すると、如何に中心部の
硬度が低くても、切断、ボルト孔加工等の板を貫通する
ような加工を施す場合の生産性が著しく落ちることか
ら、硬度が３６０以上の領域は板表面から板厚方向に板
厚の３０％以下に制限する。
【００２２】本発明のスプライスプレート用鋼板に切
断、ボルト孔加工あるいは表層溝加工等の加工を施す場
合、板中心部の硬度と工具の強度差が生産性に大きな影
響を及ぼす。種々の硬度の鋼板を通常の工具鋼を用いた
工具で加工してみると、中心部の硬度がビッカース硬度
で３００以下であれば問題なく加工できることがわかっ
た。このため板中心部の硬度をビッカース硬度で３００
以下に制限する。
断、ボルト孔加工あるいは表層溝加工等の加工を施す場
合、板中心部の硬度と工具の強度差が生産性に大きな影
響を及ぼす。種々の硬度の鋼板を通常の工具鋼を用いた
工具で加工してみると、中心部の硬度がビッカース硬度
で３００以下であれば問題なく加工できることがわかっ
た。このため板中心部の硬度をビッカース硬度で３００
以下に制限する。
【００２３】スプライスプレートは、板厚４ｍｍ未満で
はボルト接合時に反りを生じやすく、構造部材に十分食
い込まない。また、板厚が２５ｍｍを超えると板内部の
剪断変形が大きくなり、ボルト接合が不十分になるた
め、本発明のスプライスプレート用鋼板の板厚も４ｍｍ
以上２５ｍｍ以下に制限する。本発明のスプライスプレ
ート用鋼板は如何なる鋳造あるいは圧延条件で製造され
た鋼材を用いても有効であるので、特に鋼材の製造条件
を特定する必要はない。また、鋼板の硬度分布をつける
手法についても特に定める必要はない。所定の表面硬度
と板厚方向の硬度分布を有する鋼板であれば十分であ
る。このような方法として、例えば、鋼板の表面のみを
硬化させる手法としては、炉加熱、高周波誘導加熱など
により鋼材の表面から熱を入れて表層部はＡｃ1 点以
上、中心部はＡｃ1 点以下まで急速加熱し、直ちに焼入
れる方法がある。さらに、熱間圧延終了後に所定の冷却
速度で冷却し、表層部はマルテンサイト変態、中心部は
フェライト−パーライトあるいはベイナイト変態させて
硬度差をつける方法でもよい。あるいは、板表層部を浸
炭、窒化等の手段により硬化させる方法でもよい。
はボルト接合時に反りを生じやすく、構造部材に十分食
い込まない。また、板厚が２５ｍｍを超えると板内部の
剪断変形が大きくなり、ボルト接合が不十分になるた
め、本発明のスプライスプレート用鋼板の板厚も４ｍｍ
以上２５ｍｍ以下に制限する。本発明のスプライスプレ
ート用鋼板は如何なる鋳造あるいは圧延条件で製造され
た鋼材を用いても有効であるので、特に鋼材の製造条件
を特定する必要はない。また、鋼板の硬度分布をつける
手法についても特に定める必要はない。所定の表面硬度
と板厚方向の硬度分布を有する鋼板であれば十分であ
る。このような方法として、例えば、鋼板の表面のみを
硬化させる手法としては、炉加熱、高周波誘導加熱など
により鋼材の表面から熱を入れて表層部はＡｃ1 点以
上、中心部はＡｃ1 点以下まで急速加熱し、直ちに焼入
れる方法がある。さらに、熱間圧延終了後に所定の冷却
速度で冷却し、表層部はマルテンサイト変態、中心部は
フェライト−パーライトあるいはベイナイト変態させて
硬度差をつける方法でもよい。あるいは、板表層部を浸
炭、窒化等の手段により硬化させる方法でもよい。
【００２４】また、摩擦係数を上げるために鋼板の片面
あるいは両面の表層に溝加工を施す場合、溝の形状とし
ては角錐あるいは山形等の凹凸形状が適当である。その
際に、凸部の角度が４５度以上１２０度以下の範囲にあ
ると凸部が摩擦接合の対象となる鋼材によく食い込み、
高い摩擦係数が得られる。また、凸部の間隔を種々変化
させて摩擦係数を測定すると、凸部の間隔が０．５ｍｍ
以上２ｍｍ以下の場合に最も高い摩擦係数が得られるこ
とがわかった。さらに、最凹部と最凸部の深さが０．５
ｍｍ以上２ｍｍ以下の凹凸をつけるとスプライスプレー
トが摩擦接合の対象となる鋼材に十分に食い込み、高い
摩擦係数が得られる。凹凸の形状は角錐でも波型でも十
分な摩擦係数が得られる。
あるいは両面の表層に溝加工を施す場合、溝の形状とし
ては角錐あるいは山形等の凹凸形状が適当である。その
際に、凸部の角度が４５度以上１２０度以下の範囲にあ
ると凸部が摩擦接合の対象となる鋼材によく食い込み、
高い摩擦係数が得られる。また、凸部の間隔を種々変化
させて摩擦係数を測定すると、凸部の間隔が０．５ｍｍ
以上２ｍｍ以下の場合に最も高い摩擦係数が得られるこ
とがわかった。さらに、最凹部と最凸部の深さが０．５
ｍｍ以上２ｍｍ以下の凹凸をつけるとスプライスプレー
トが摩擦接合の対象となる鋼材に十分に食い込み、高い
摩擦係数が得られる。凹凸の形状は角錐でも波型でも十
分な摩擦係数が得られる。
【００２５】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例に基づいて
詳細に説明する。まず、表１、表２（表１のつづき）に
示す化学成分の鋼を、表３、表４（表３のつづき）に示
す製造条件で板厚方向の硬度分布を変化させた鋼板とし
た。鋼板の板厚方向各位置の硬度、靱性および切断、ボ
ルト孔加工に要する時間、さらには溝加工後スプライス
プレートとして高力ボルト接合を行った場合の摩擦係数
を併せて表３、表４に示す。
詳細に説明する。まず、表１、表２（表１のつづき）に
示す化学成分の鋼を、表３、表４（表３のつづき）に示
す製造条件で板厚方向の硬度分布を変化させた鋼板とし
た。鋼板の板厚方向各位置の硬度、靱性および切断、ボ
ルト孔加工に要する時間、さらには溝加工後スプライス
プレートとして高力ボルト接合を行った場合の摩擦係数
を併せて表３、表４に示す。
【００２６】摩擦係数の測定法は下記のとおりである。
試験体の詳細を図１に示す。供試鋼板にボルト孔を３ケ
所あけた後、供試鋼板の片面または両面のボルト孔の周
囲のみにボルト孔径の３倍の直径の円で囲まれる範囲に
わたり、ピッチ１ｍｍ、凹凸の高さ１ｍｍの角錐状の溝
を転造により加工し、試験片を製造する。この試験片２
枚で、板厚２２ｍｍの鋼板（ＳＭ４００またはＳＭ４９
０、以下母材と呼ぶ）２枚を上下から挟んで１０Ｔボル
トでボルト接合し、それぞれの母材の端部を引っ張るこ
とにより引張試験を行って、得られた荷重−変位曲線か
ら、変位が０．２ｍｍの時点での荷重を測定し、この荷
重を歪みゲージで別途測定したボルトの軸力で割ること
により摩擦係数を求めた。
試験体の詳細を図１に示す。供試鋼板にボルト孔を３ケ
所あけた後、供試鋼板の片面または両面のボルト孔の周
囲のみにボルト孔径の３倍の直径の円で囲まれる範囲に
わたり、ピッチ１ｍｍ、凹凸の高さ１ｍｍの角錐状の溝
を転造により加工し、試験片を製造する。この試験片２
枚で、板厚２２ｍｍの鋼板（ＳＭ４００またはＳＭ４９
０、以下母材と呼ぶ）２枚を上下から挟んで１０Ｔボル
トでボルト接合し、それぞれの母材の端部を引っ張るこ
とにより引張試験を行って、得られた荷重−変位曲線か
ら、変位が０．２ｍｍの時点での荷重を測定し、この荷
重を歪みゲージで別途測定したボルトの軸力で割ること
により摩擦係数を求めた。
【００２７】
【表１】
【００２８】
【表２】
【００２９】
【表３】
【００３０】
【表４】
【００３１】表３、表４から明らかなように、同一成分
系で同一板厚のもので比較すると、靱性は板中心部の硬
度が低いほど良好である。また、溝加工後スプライスプ
レートとして高力ボルト接合を行った場合の摩擦係数
は、板表層部の硬度が高いものほど大きくなっているこ
とがわかる。この場合、板厚が本発明の範囲外の実施例
７、８は摩擦係数が低くなっている。通常の工具鋼から
作られた工具を用いた切断やボルト孔加工に要する時間
は、同一板厚で比較すると、板全面にわたり高硬度を有
する場合に顕著に長くなっており、本発明例のように板
表層部のみ高硬度とした場合は加工時間が著しく短縮さ
れている。Ｓ量が所定の範囲以下の実施例１４では加工
時間の短縮は達成できず、逆に所定の範囲を超えて含有
する実施例１１では加工時間は短いものの、靱性の劣化
が著しい。
系で同一板厚のもので比較すると、靱性は板中心部の硬
度が低いほど良好である。また、溝加工後スプライスプ
レートとして高力ボルト接合を行った場合の摩擦係数
は、板表層部の硬度が高いものほど大きくなっているこ
とがわかる。この場合、板厚が本発明の範囲外の実施例
７、８は摩擦係数が低くなっている。通常の工具鋼から
作られた工具を用いた切断やボルト孔加工に要する時間
は、同一板厚で比較すると、板全面にわたり高硬度を有
する場合に顕著に長くなっており、本発明例のように板
表層部のみ高硬度とした場合は加工時間が著しく短縮さ
れている。Ｓ量が所定の範囲以下の実施例１４では加工
時間の短縮は達成できず、逆に所定の範囲を超えて含有
する実施例１１では加工時間は短いものの、靱性の劣化
が著しい。
【００３２】
【発明の効果】このように、本発明のスプライスプレー
ト用鋼板は所定の表面硬度を有し、かつ板中心部硬度は
顕著に低い。このため、通常の工具鋼から作られた工具
を用いた切断やボルト孔加工に要する時間が極めて短
い。一方で、溝加工後スプライスプレートとして高力ボ
ルト接合を行った場合の摩擦係数は非常に高く、スプラ
イスプレート用鋼板として十分有用である。
ト用鋼板は所定の表面硬度を有し、かつ板中心部硬度は
顕著に低い。このため、通常の工具鋼から作られた工具
を用いた切断やボルト孔加工に要する時間が極めて短
い。一方で、溝加工後スプライスプレートとして高力ボ
ルト接合を行った場合の摩擦係数は非常に高く、スプラ
イスプレート用鋼板として十分有用である。
【図１】 摩擦係数の測定に用いた試験体の形状を示す
図である。
図である。
Claims (8)
- 【請求項１】 重量％で、 Ｃ：０．１２〜０．５０％、 Ｓｉ：０．０３〜２．０％、 Ｍｎ：０．２５〜２．５％、 Ａｌ：０．００２〜０．１０％、 Ｓ：０．００３〜０．１０％、 残部がＦｅおよび不可避的不純物からなる鋼板または形
鋼などの鋼材の片側または両側の表面より板厚方向に
０．２ｍｍ以上板厚の３０％に相当する厚み以下の部分
のビッカース硬度が３６０以上であり、かつ板厚中心部
のビッカース硬度が３００以下であることを特徴とする
板厚４ｍｍ以上２５ｍｍ以下の切断およびボルト孔加工
の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼
板。 - 【請求項２】 重量％で、 Ｎｂ：０．００２〜０．１０％、 Ｔｉ：０．００２〜０．１０％ の１種または２種をさらに含有することを特徴とする請
求項１記載の切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高
力ボルト接合スプライスプレート用鋼板。 - 【請求項３】 重量％で、 Ｃｕ：０．０５〜３．０％、 Ｎｉ：０．０５〜５．０％、 Ｃｒ：０．０５〜５．０％、 Ｍｏ：０．０５〜３．５％、 Ｃｏ：０．０５〜２．０％、 Ｗ：０．０５〜２．０％ の１種または２種以上をさらに含有することを特徴とす
る請求項１または２記載の切断およびボルト孔加工の容
易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板。 - 【請求項４】 重量％で、 Ｖ：０．００２〜０．１０％ をさらに含有することを特徴とする請求項１〜３のいず
れか１項に記載の切断およびボルト孔加工の容易な高靱
性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板。 - 【請求項５】 重量％で、 Ｂ：０．０００２〜０．００２５％ をさらに含有することを特徴とする請求項１〜４のいず
れか１項に記載の切断およびボルト孔加工の容易な高靱
性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板。 - 【請求項６】 重量％で、 Ｒｅｍ：０．００２〜０．１０％、 Ｃａ：０．０００３〜０．００３０％ の１種または２種をさらに含有することを特徴とする請
求項１〜５のいずれか１項に記載の切断およびボルト孔
加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート
用鋼板。 - 【請求項７】 重量％で、 Ｍｇ：０．０００３〜０．０１％ をさらに含有することを特徴とする請求項１〜６のいず
れか１項に記載の切断およびボルト孔加工の容易な高靱
性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板。 - 【請求項８】 鋼板の片面あるいは両面に、凸部の角度
が４５度以上１２０度以下、凸部の間隔が０．５ｍｍ以
上２ｍｍ以下、最凹部と最凸部の深さが０．５ｍｍ以上
２ｍｍ以下の角錐状または波状の凹凸をつけたことを特
徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の鋼板を用
いた切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト
接合スプライスプレート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33660696A JPH10176241A (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板およびこの鋼板を用いたスプライスプレート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33660696A JPH10176241A (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板およびこの鋼板を用いたスプライスプレート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10176241A true JPH10176241A (ja) | 1998-06-30 |
Family
ID=18300903
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33660696A Withdrawn JPH10176241A (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 切断およびボルト孔加工の容易な高靱性高力ボルト接合スプライスプレート用鋼板およびこの鋼板を用いたスプライスプレート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10176241A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1270757A1 (en) * | 2000-02-10 | 2003-01-02 | Sanyo Special Steel Co., Ltd. | Machine structural steel being free of lead, excellent in machinability and reduced in strength anisotropy |
| WO2003056051A1 (fr) * | 2001-12-28 | 2003-07-10 | Xizhe Jiang | Acier yw35 et eclisse basse temperature en cet acier |
| EP1688512A1 (en) * | 2000-02-10 | 2006-08-09 | Sanyo Special Steel Co., Ltd. | Lead-free steel for machine structural use with excellent machinability and low strenght anisotropy |
-
1996
- 1996-12-17 JP JP33660696A patent/JPH10176241A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1270757A1 (en) * | 2000-02-10 | 2003-01-02 | Sanyo Special Steel Co., Ltd. | Machine structural steel being free of lead, excellent in machinability and reduced in strength anisotropy |
| EP1270757A4 (en) * | 2000-02-10 | 2004-11-10 | Sanyo Special Steel Co Ltd | LEAD-FREE MACHINE STEEL WITH EXCELLENT WORKABILITY AND REDUCED ANISOTROPY OF STRENGTH |
| EP1688512A1 (en) * | 2000-02-10 | 2006-08-09 | Sanyo Special Steel Co., Ltd. | Lead-free steel for machine structural use with excellent machinability and low strenght anisotropy |
| US7195736B1 (en) | 2000-02-10 | 2007-03-27 | Sanyo Special Steel Co., Ltd. | Lead-free steel for machine structural use with excellent machinability and low strength anisotropy |
| US7445680B2 (en) | 2000-02-10 | 2008-11-04 | Sanyo Special Steel Co., Ltd. | Lead-free steel for machine structural use with excellent machinability and low strength anisotropy |
| WO2003056051A1 (fr) * | 2001-12-28 | 2003-07-10 | Xizhe Jiang | Acier yw35 et eclisse basse temperature en cet acier |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040302 |