JPH1017622A - 新規共重合高分子化合物およびその製造方法 - Google Patents

新規共重合高分子化合物およびその製造方法

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JPH1017622A
JPH1017622A JP17520296A JP17520296A JPH1017622A JP H1017622 A JPH1017622 A JP H1017622A JP 17520296 A JP17520296 A JP 17520296A JP 17520296 A JP17520296 A JP 17520296A JP H1017622 A JPH1017622 A JP H1017622A
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vinylacetamide
polymer
compound
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JP17520296A
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Mitsuru Akashi
満 明石
Kazuya Yamamoto
和哉 山元
Masayuki Arai
雅之 荒井
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HOECHST IND KK
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HOECHST IND KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入手が容易でかつ安全性の面でも優れている
材料を用いて製造できる感熱性親水−疎水可逆性ポリマ
ーを提供すること。 【解決手段】 下記の式(1)で表されるくり返し単位
1および式(2)で表されるくり返し単位2より構成さ
れる共重合高分子化合物および下記の式(1)で表され
るくり返し単位1および式(2)で表されるくり返し単
位2を含み、かつジビニル化合物を用いて架橋されてい
ることを特徴とする請求項1記載の共重合高分子化合
物。 【化1】 (式中、R1およびR2は炭素数1〜4のアルキル基から
独立的に選択される)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な感熱性親水
−疎水可逆性ポリマーおよびその製造方法に関する。更
に詳しくは、本発明は、曇点現象を利用した感熱性遮光
材料や温度センサー、温度依存性の建材用水分吸着剤、
燃料電池や二次電池、薬剤担体、分離膜、人工筋肉等の
メカノケミカル材料、玩具等に利用しうる感熱性親水−
疎水可逆性ポリマーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】親水性高分子化合物、水溶性化合物の中
には、その水溶液がある温度(曇点)以上で析出し、液
が白濁し、その温度以下では溶解し透明になる性質を示
すものがある。このような感熱性親水−疎水可逆性高分
子化合物としては、ポリビニルメチルエーテル、メチル
セルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルア
ミド誘導体、ポリビニルアミド誘導体等が知られてい
る。しかしながら、これらの物質は原料に毒性があった
り、原料の入手が困難であったり、熱応答感度が低かっ
たり、感熱応答性が遅かったりして工業的製品化には多
くの制限や問題がある。また、高分子化合物を反応させ
る合成は一般的に困難な反応が多く、厳しい反応条件や
再現性等の問題を伴う。また、曇点を任意に設定するこ
とは材料としての応用範囲を広げるのに有益であるが、
多くの場合非常に困難であり、可能な場合であっても原
料の入手が不可能であったり、原料モノマーからの合成
が必要になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術における問題
点である原材料の毒性、任意の曇点の設定を解決すべ
く、本発明においては、工業用として比較的廉価に市販
されており、安全性の面からも優れた材料を用いて感熱
性親水−疎水可逆性コポリマーおよびその合成法を確立
することを目的とする。また、これらの原料を任意の割
合で配合させ対応するポリマーを得ることにより、任意
の曇点を有するポリマーを合成することも目的とする。
反応条件、特に温度、濃度、開始剤濃度を調整すること
により分子量の調整なども行い、材料の強度の確保等も
目指す。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な感
熱性親水−疎水可逆性ポリマーおよびその合成法を確立
するため鋭意研究を重ねた結果、低級脂肪酸ビニルエス
テルおよびN−ビニルアルキルアミドから合成されるポ
リマーが感熱性親水−疎水可逆性ポリマーの性質を示す
ことを見出した。また、対応する原料モノマーから本ポ
リマーを合成する際、仕込み比を調節して共重合させる
ことにより、任意の曇点を有するポリマーを合成できる
ことを見出した。
【0005】即ち、本発明は、下記の式(1)で表され
るくり返し単位1および式(2)で表されるくり返し単
位2を含む共重合高分子化合物
【化7】 (式中、R1およびR2は炭素数1〜4のアルキル基から
独立的に選択される)を提供する。
【0006】また、本発明は、一般式(4)
【化8】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基から独立的に
選択される)で示されるモノマーおよび一般式(5)
【化9】 (式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基から独立的に
選択される)で示されるモノマーを溶媒に溶解してラジ
カル反応開始剤の存在下重合反応に付し、反応後得られ
たポリマーを含む反応溶液を当該ポリマーに対して非溶
解性もしくは難溶解性を示す溶媒に滴下して当該ポリマ
ーを沈殿させる操作を繰り返して完全に不純物を取り除
くことを特徴とする、下記の式(1)で表されるくり返
し単位1および式(2)で表されるくり返し単位2より
構成される共重合高分子化合物
【化10】 (式中、R1およびR2は前記の意味を表す)の製造方法
を提供する。
【0007】さらに、本発明は、上記式(1)で表され
るくり返し単位1および式(2)で表されるくり返し単
位2を含み、かつジビニル化合物を用いて架橋されてい
ることを特徴とする共重合高分子化合物を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】くり返し単位1の中のR1およびくり返し
単位2の中のR2は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル
基から独立して選択される。炭素数1〜4のアルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチ
ル基、tert−ブチル基等が挙げられる。特に、次式
で示されるR1およびR2がいずれもメチル基のものは原
料モノマーが市販されており、工業的量産に有利であ
る。
【0010】
【化11】 (式中、mおよびnは独立して1以上の整数を表す) くり返し単位1およびくり返し単位2の構成は、両構成
モノマーの比が任意に選択される。本発明のコポリマー
が感熱性親水−疎水可逆性を示すために好ましい両構成
モノマーの比の範囲は、くり返し単位1の中のR1およ
びくり返し単位2の中のR2によって異なるが、それぞ
れのコポリマーに特定の範囲内で構成比を変化させるこ
とにより、曇点を約0〜約90℃の範囲で調節すること
ができる。たとえば、くり返し単位1およびくり返し単
位2の中のR1およびR2がともにメチル基である場合、
くり返し単位1およびくり返し単位2の構成比を80:
20〜40:60に変化させると曇点を約0〜約90℃
の範囲で調節することができる。この際、くり返し単位
1が多くなるほど曇点が低くなる傾向がある。
【0011】式(1)で表されるくり返し単位1および
式(2)で表されるくり返し単位2を含み、かつジビニ
ル化合物で架橋されている場合の共重合高分子化合物に
おけるジビニル化合物は特に限定されないが、例えば、
N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メ
チレン−ビス−N−ビニルアセトアミド、N,N’−ブ
チレン−ビス−N−ビニルアセトアミドおよびこれらの
誘導体を挙げることができる。ジビニル化合物で架橋さ
れている本願の共重合高分子化合物はこれらのジビニル
化合物の少なくとも1種によって架橋されている。特に
好ましいジビニル化合物架橋共重合高分子化合物として
は、R1およびR2がメチル基であり、ジビニル化合物が
N,N’−ブチレン−ビス−N−ビニルアセトアミドで
ある共重合高分子化合物を挙げることができる。
【0012】式(1)で表されるくり返し単位1および
式(2)で表されるくり返し単位2を含み、かつジビニ
ル化合物で架橋されている場合の共重合高分子化合物に
おけるジビニル化合物の濃度は、くり返し単位1および
くり返し単位2の構成比、ジビニル化合物の種類、製品
の用途などにより適宜設定することができるが、好まし
くはくり返し単位1およびくり返し単位2の総量に対し
て0.05〜10.0モル%、特に好ましくはくり返し
単位1およびくり返し単位2の総量に対して0.1〜
1.0モル%が適当である。ジビニル化合物の濃度が低
濃度すぎる場合はゲルを形成せず、高濃度すぎる場合は
感熱性親水−疎水可逆性が鈍くなる。
【0013】本発明において、感熱性親水−疎水可逆性
非架橋ポリマーの分子量は特に限定されないが、好まし
くはMn=5000〜70000、より好ましくはMn
=20000〜50000のものが良好な特性を示す。
当該ポリマーの分子量の調整および材料の強度の確保は
反応条件、特に温度、濃度、開始剤濃度、反応時間を調
整することにより行うことができる。また、本発明の架
橋ポリマーはゲル状であるため各種溶媒に不溶性であ
る。
【0014】次に、本発明の感熱性親水−疎水可逆性ポ
リマーの合成方法について、非架橋ポリマーと架橋ポリ
マーにわけて説明する。
【0015】本発明の非架橋ポリマーの合成において
は、反応溶媒として、たとえば、モノマーおよびポリマ
ーを溶解するアルコール等の極性溶媒を用いることがで
きるが、溶解性の点でメタノールを用いるのが最も好ま
しく、AIBNなどの通常のラジカル反応開始剤を用い
て行うのが一般的である。反応開始剤濃度としては0.
1%から2%が好ましい。また、原料モノマーの反応性
の違いにより、適当な仕込み比率を勘案して反応を行う
と目的の組成を持ったポリマーを得ることができる。反
応温度は反応開始剤によって決まるが、これにAIBN
を用いた場合は50〜80℃、好ましくは60℃前後が
適当である。反応時間を長くすると生成ポリマーの収率
は向上するが、組成比のばらつきが生じる等問題が起こ
ることがあり、好ましくは10〜50%の低収率にてポ
リマーを得た方が安定して良好な特性を有するポリマー
が得られる。たとえば、R1=R2=メチル基の非架橋ポ
リマーの場合、反応時間が1時間で約15%、2時間で
約35%の収率がそれぞれ得られる。
【0016】本発明の架橋ポリマーの製造は、原料モノ
マーにさらに上記の架橋剤を加えることを除いて、非架
橋ポリマーの場合と同様にして行われる。
【0017】また、本発明の非架橋ポリマーの精製は一
般的な再沈殿法により行われる。即ち、本反応で得られ
た反応溶液はベンゼン、ヘキサン、ジエチルエーテル等
の非溶媒中に滴下させ、目的ポリマーを沈殿させて得る
ことができる。得られた沈殿物は同様の操作を繰り返す
ことにより完全に不純物を取り除くことができる。この
際用いられる溶媒は、本ポリマーに対して非溶解性溶媒
若しくは難溶解性溶媒であれば上で例示した3つの溶媒
以外の溶媒を使用することもできる。更に、精製ポリマ
ーを真空乾燥器にて乾燥することにより、目的のポリマ
ーを得ることができる。
【0018】得られた非架橋ポリマーは通常、白色固体
であり、メタノール、水等の極性溶媒に可溶である。本
ポリマーの分子量はGPC(ゲル透過クロマトグラフィ
ー)により、組成比は1H−NMRにより測定できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例を基に更に詳細に説明
する。
【0020】
【実施例1】ポリ−N−ビニルアセトアミド−co−酢酸ビニルの合
反応容器にN−ビニルアセトアミド(NVA;0.31
g,3.6mmol)、酢酸ビニル(VAc;1.76
g,20.4mmol)およびメタノール(5ml)を
とり、反応開始剤としてα,α−アゾビスイソブチロニ
トリル(39mg,1mol%)を加えた。反応溶液を
凍結させ減圧脱気後、封管し脱気を行った。反応溶液を
60℃にて30分間加熱し、反応溶液を氷冷し反応を停
止させた。反応溶液は大過剰のジエチルエーテル中に滴
下し、沈殿させた。得られた沈殿物を再度メタノール中
に溶解させ、ジエチルエーテル中に滴下し再沈殿させ
た。この操作を3回繰り返した後、減圧乾燥させて表題
ポリマー(0.27g,13%)を得た。
【0021】本ポリマーはGPC分析(DMF/LiB
r)にて分子量26000を示し、1H−NMRにより
NVA:VAc=31:69を示した。また1重量%の
水溶液を分光光度計にて透過率測定(500nm,50
%)を行うことにより34℃で相転移が起こることがわ
かった。
【0022】IR(cm-1):3600〜3100、3
000〜2900、1740、1740〜1650、1
570〜1510、1440、1375、1230、1
0201 H−NMR(δ,ppm):1.78〜1.86、
1.98〜2.03、3.80、4.80
【0023】
【実施例2】共重合比による曇点(相転移温度)の影響 ポリ−N−ビニルアセトアミド−co−酢酸ビニルは2
成分の共重合比を変化させると曇点が変化する。N−ビ
ニルアセトアミドと酢酸ビニルを用いて実施例1と同様
にして種々の共重合比を有するポリ−N−ビニルアセト
アミド−co−酢酸ビニルを合成した。表1にその関係
を示す。ただし、共重合比は1H−NMRより求めた。
【0024】表1 共重合比(NVA:VAc) 42:58 31:69 22:78 曇点 67℃ 34℃ 9℃
【0025】次に、ジビニル化合物を用いて架橋した場
合の実験例を記載する。
【0026】
【実験例】コモノマーとしてN−ビニルアセトアミド
(NVA)および酢酸ビニル(VAc)、架橋剤として
N,N’−ブチレン−ビス−N−ビニルアセトアミド
(Bis−NVA)を用い、それぞれ下記表2に示す4
種類の所定濃度になるよう秤量した。開始剤としてα,
α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN;コモノ
マー総量に対して1モル%)、重合溶媒をメタノール
(1ml)とした。この調製した試料を試験管に入れ、
窒素ガスでバブリングを行い、シリコンゴム栓で密封
し、反応温度60℃で、様々な反応時間で重合させた。
この重合反応の一例を下記反応式に示す。
【0027】
【化12】 (式中、n、mおよびlはそれぞれ独立して1以上の整
数を表す) 反応後、架橋ポリマーゲルを取り出し、水中でゲル中の
メタノールを置換した。得られた架橋ポリマーのうち、
2種類のポリマー(実験3および4)につき、赤外吸収
スペクトル(IR)による同定データを図1および2に
示す。測定は凍結乾燥後のサンプルを用い、KBr錠剤
法にて行った。以下に吸収のみられた波数を記す。
【0028】IR(cm-1):3600〜3100
(ν,NH(アミド))、3000〜2900(ν,C
H)、1740(ν,C−O(エステル))、1740
〜1650(ν,C=O(アミド))、1570〜15
10(δ,NH(アミド))、1375,1440
(δ,CH)、1020,1230((ν,C=O) 図1および図2に示される通り、実験3および4とも
に、1020cm-1と1230cm-1および1740c
-1付近に酢酸エステルに帰属する特有の吸収、165
0cm-1付近および3600〜3100cm-1にかけて
NVAの置換基であるアミド基に帰属する吸収がみら
れ、ポリ(NVA−co−VAc)とほぼ類似したIR
チャートであった。また、VAcの仕込み濃度の増加に
つれて、NVAのアミド基の吸収(1650cm-1)に
比べエステルの吸収(1740cm-1)が大きくなるの
が確認できた。
【0029】得られたゲルを用い、約20℃の水浴中か
ら80℃の湯浴に移し替えたときの経時変化に対する重
さを測定することで感熱性親水−疎水可逆性の評価を行
った。ゲルの凍結乾燥後の重さをWgとし、温度(経
時)変化における膨潤したゲルの重さをWtgとした。
測定温度は20℃と80℃を12時間ずつ交互に変化さ
せた。また、ゲルの収率は凍結乾燥後の重さとした。結
果を、下記表2および図3に示す。
【0030】表2メタノール中におけるポリ(NVA-co-VAc-co-Bis-NVA)ヒドロゲルの調製 モノマー(mmol) 架橋剤(mol%) 反応時間 収率 実験 NVA VAc Bis−NVA (分) (%) 1 7.0 3.0 0.5 120 63 2 7.0 3.0 1.0 120 34 3 3.0 7.0 0.5 120 38 4 2.0 8.0 0.3 240 64
【0031】図3より、高温時においてはゲルの収縮、
低温時においては再膨潤するという膨潤度の変化が見ら
れ、感熱性親水−疎水可逆性を有するゲルであることが
示された。また、視覚による観察でも実験3について
は、低温(20℃)状態では透明であったが、高温(8
0℃)状態においては白く変化したのが観察できた。
【0032】以下に実験3に基づく実施例を詳細に記
す。
【0033】
【実施例3】ポリ(NVA−co−VAc−co−Bis−NVA)
ハイドロゲルの合成 試験管(10×100m/m)にN−ビニルアセトアミ
ド(NVA;0.254g,3.0mmol)、酢酸ビ
ニル(VAc;0.610g,7.1mmol)、架橋
剤としてN,N’−ブチレン−ビス−N−ビニルアセト
アミド(Bis−NVA;0.007g,3×10-2
mol)およびメタノール(1ml)をとり、反応開始
剤としてα,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AI
BN;16mg,1mol%)を加えた。この反応溶液
を窒素ガスでバブリングを行い、脱気させた後、シリコ
ンゴム栓で密封し、反応温度60℃にて120分加熱し
た。これを氷冷して反応を停止させた。反応後ゲルを取
り出し、2週間程度水中でゲル中のメタノールを置換し
た(以下の測定終了後の凍結乾燥したゲルの重さは0.
332g、収率38%であった)。
【0034】得られたゲルを用い、約20℃の水浴中か
ら80℃の湯浴に移し替えたときの経時変化に対する重
さを測定することで感熱応答性の評価を行った。測定前
の20℃の水で膨潤しているときのゲルの重さは15.
62g(膨潤度46倍)であったが、80℃の湯浴に1
2時間浸けておいたときのゲルの重さは6.06g(膨
潤度17倍)に収縮した。更に、20℃で12時間浸け
ておくと9.11g(膨潤度26倍)と温度に対して可
逆的にゲルの膨潤−収縮応答が見られた(図3参照)。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、式(1)で表され
るくり返し単位1および式(2)で表されるくり返し単
位2より構成される共重合高分子化合物は、くり返し単
位1およびくり返し単位2の構成比を変化させることに
より曇点を任意に設定できるので、各種の用途に適応し
た感熱性親水−疎水可逆性ポリマーを製造することが可
能である。また、くり返し単位1およびくり返し単位2
の構成成分として、例えば、酢酸ビニルおよびN−ビニ
ルアセトアミドをそれぞれ使用して感熱性親水−疎水可
逆性ポリマーを製造すれば、これらの成分は比較的廉価
でかつ安全性の面でも優れているので、工業的に極めて
優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験3で得られた架橋ポリマーの赤外吸収スペ
クトル図である。
【図2】実験4で得られた架橋ポリマーの赤外吸収スペ
クトル図である。
【図3】ポリ(NVA−co−VAc−co−Bis−
NVA)ハイドロゲルの膨潤−収縮挙動に及ぼす20℃
と80℃における温度の影響を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 雅之 埼玉県川越市南台1丁目3−2 ヘキスト インダストリー株式会社先端材料技術研究 所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1)で表されるくり返し単位
    1および式(2)で表されるくり返し単位2を含む共重
    合高分子化合物。 【化1】 (式中、R1およびR2は炭素数1〜4のアルキル基から
    独立的に選択される)
  2. 【請求項2】 R1およびR2がいずれもメチル基であ
    り、下記式(3)で表される構造を有する請求項1記載
    の共重合高分子化合物。 【化2】 (式中、mおよびnは独立して1以上の整数を表す)
  3. 【請求項3】 くり返し単位1およびくり返し単位2の
    モノマー比が80:20〜40:60であることを特徴
    とする請求項2記載の共重合高分子化合物。
  4. 【請求項4】 下記の式(1)で表されるくり返し単位
    1および式(2)で表されるくり返し単位2を含み、か
    つジビニル化合物を用いて架橋されていることを特徴と
    する請求項1記載の共重合高分子化合物。 【化3】 (式中、R1およびR2は炭素数1〜4のアルキル基から
    独立的に選択される)
  5. 【請求項5】 前記ジビニル化合物が、N,N’−メチ
    レンビスアクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス−
    N−ビニルアセトアミド、N,N’−ブチレン−ビス−
    N−ビニルアセトアミドおよびこれらの誘導体からなる
    グループのうちの、少なくとも1つであることを特徴と
    する請求項4記載の共重合高分子化合物。
  6. 【請求項6】 R1およびR2がメチル基であり、ジビニ
    ル化合物がN,N−ブチレン−ビス−N−ビニルアセト
    アミドであることを特徴とする請求項5記載の共重合高
    分子化合物。
  7. 【請求項7】 くり返し単位1およびくり返し単位2の
    モノマー比が80:20〜40:60であり、その総量
    に対するN,N’−ブチレン−ビス−N−ビニルアセト
    アミドの濃度が0.05〜10.0モル%であることを
    特徴とする請求項6記載の共重合高分子化合物。
  8. 【請求項8】 一般式(4) 【化4】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基から独立的に
    選択される)で示されるモノマーおよび一般式(5) 【化5】 (式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基から独立的に
    選択される)で示されるモノマーを溶媒に溶解してラジ
    カル反応開始剤の存在下重合反応に付し、反応後得られ
    たポリマーを含む反応溶液を当該ポリマーに対して非溶
    解性もしくは難溶解性を示す溶媒に滴下して当該ポリマ
    ーを沈殿させる操作を繰り返して完全に不純物を取り除
    くことを特徴とする、下記の式(1)で表されるくり返
    し単位1および式(2)で表されるくり返し単位2を含
    む共重合高分子化合物 【化6】 (式中、R1およびR2は前記の意味を表す)の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 一般式(4)の化合物が酢酸ビニル、一
    般式(5)の化合物がN−ビニルアセトアミドである、
    請求項4記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 くり返し単位1およびくり返し単位2
    のモノマー比が80:20〜40:60であることを特
    徴とする請求項5記載の製造方法。
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Cited By (5)

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