JPH1017617A - ポリエチレン及びポリエチレンの製造方法 - Google Patents

ポリエチレン及びポリエチレンの製造方法

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JPH1017617A
JPH1017617A JP17331196A JP17331196A JPH1017617A JP H1017617 A JPH1017617 A JP H1017617A JP 17331196 A JP17331196 A JP 17331196A JP 17331196 A JP17331196 A JP 17331196A JP H1017617 A JPH1017617 A JP H1017617A
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polyethylene
compound
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JP17331196A
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English (en)
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Fumihiko Yamaguchi
文彦 山口
Fumio Matsushita
文夫 松下
Takashi Nozaki
貴司 野▲崎▼
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高溶融流動性、高溶融粘弾性ポリエチレン、
及び、その製造方法を提供する。 【解決手段】 分子量分布が広く、長鎖分岐を持つポリ
エチレン、及び、下記の[1]、[2]及び少なくとも
1種類以上の[3]からなる触媒成分の存在下でポリエ
チレンを重合する事を特徴とする該ポリエチレンの製造
方法。 [1]第10族遷移金属化合物、[2]下記の一般式
(I)で表される化合物、[3]第10族遷移金属化合
物と配位してポリエチレンを製造する、一般式(I)で
表される化合物とは異なる配位子化合物 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリエチレ
ンに関するものであり、さらに詳しくは、分子量分布が
広く、長鎖分岐を持つポリエチレンであり、従来公知で
あるポリエチレンに比較して、高溶融流動性及び溶融粘
弾性の優れたポリエチレンに関するものである。また、
高活性で上記ポリエチレンを製造できる重合方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンは、種々の成形方法を通し
て多くの実用に供されている。ポリエチレンを成形する
方法としては、例えばフィルム成形体を得る代表的な例
として、ポリエチレンを溶融し空気を吹込みながら金型
から押出しつつ延伸するインフレーション法が挙げられ
る。
【0003】また、型枠を使用し所望の形状の成形体を
得る方法として、溶融した高密度ポリエチレンに空気を
吹込み膨張させ型枠通りの成形体を製造するブロー成形
法、さらには溶融したポリエチレンを型枠に圧入して成
形体を得るインジェクション法等がある。このようにポ
リエチレンには種々の成形方法があるが、これらの方法
に共通しているのは、ポリエチレンを先ず加熱すること
により溶融状態とし、これを押出し、成形するという点
である。従って、ポリエチレンの加熱・溶融時の挙動即
ち溶融特性は、樹脂を成形加工するうえで極めて重要な
物性である。
【0004】溶融特性は、主に押出し性を決定する溶融
流動性、及び押出されたバブルの安定性、延伸性などを
支配する溶融粘弾性等が重要な因子である。本発明でい
う溶融流動性とは、主として樹脂を加熱・溶融して押出
機から押出す時の押出負荷に対応するもので、この溶融
流動性の目安としてはMw/Mnが使用される。一般
に、Mw/Mnが大きいほど溶融流動性に優れる。
【0005】また、本発明で溶融粘弾性とは、樹脂を加
熱・溶融して押出機から押出された樹脂のバブルの安定
性、延伸性、スウェル等に対応するものであり、この溶
融粘弾性の目安としては、メルトテンション等が使用さ
れる。一般に、メルトテンション等が大きいほど、押出
された樹脂のバブルの安定性、延伸性、スウェル等は向
上する。
【0006】従来、溶融流動性の良いポリエチレンを得
るには、複数の反応器の使用や、数種類のメタロセン触
媒を併用する等の手段により、分子量分布を広げること
が提案されている。例えば、特開昭60−35008号
公報では、少なくとも2種の遷移金属化合物を混合して
使用し分子量分布を広くする方法が提案されている。ま
た、公知技術である多段重合法を用いる方法として、例
えば特開平3−234717号公報において、遷移金属
化合物と有機アルミニウムオキシ化合物とからなるオレ
フィン重合用触媒を用いた多段重合法により、重合体の
溶融特性を改善する方法が開示されている。
【0007】また、例えば、米国特許第4537982
号明細書や特開平3−131608号公報、特開平3−
131611号公報の様なニッケル触媒を用いて分子量
分布の広いポリエチレンを製造させる方法がある。溶融
粘弾性等の溶融特性のよいポリエチレンは、超高分子量
ポリマーや長鎖分岐を導入する事で改善してきた。例え
ば、特開平4−213306号公報や特開平4−213
309号公報、特開平6−9724号公報では、特定の
インデニル系のメタロセンあるいは特定の置換シクロペ
ンタジエニル系のメタロセンを用いることにより溶融張
力の改善を図ることを目的としたエチレンとα−オレフ
ィンとの共重合体が提案されている。
【0008】また、長鎖分岐を製造する方法として、特
開平2−261809号公報や特開平2−206607
号公報、特開平3−115311号公報、特開平3−2
77610号公報の様なニッケル触媒を用いて、低温低
圧下でのヘキシル以上の長鎖分岐とメチル分岐を持った
低密度ポリエチレンの製造法が開示されている。さら
に、特表平8−502303号公報にはC2乃至C30α
−オレフィンのホモポリマーまたはコポリマーを含む2
50以上の炭素原子を持った側鎖を持つ、非線状長鎖分
岐ポリエチレン及びその製造法等がある。
【0009】しかしながら、特開昭60−35008号
公報や特開平3−234717号公報、米国特許第45
37982号明細書、特開平3−131608号公報、
3−131611号公報で製造されるポリマーは十分な
溶融粘弾性ではなく、中空成型等の高溶融粘性が必要な
成型法には適していない。また、特開平4−21330
6号公報や特開平4−213309号公報、特開平2−
261809号公報、特開平2−206607号公報、
特開平3−115311号公報、特開平3−27761
0号公報、特開平6−9724号公報で製造されるポリ
マーは分子量分布が狭いため、溶融流動性が悪い。
【0010】さらに特表平8−502303号公報で製
造されるポリマーは分子量分布が狭いため、溶融流動性
が悪く、ハイフローの成形法には適していない。さら
に、これらのいずれの手法も、触媒成分の活性は低く、
また製造したポリマーの分子量が低い上、溶融流動性及
び溶融粘弾性の両方を同時に充分改善したポリマーを得
ることが出来なかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解消した新規なポリオレフィンおよびその製造
する方法を提供する事にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
鋭意研究を重ねた結果、触媒に複数の配位子化合物を組
み合わせて重合することにより、高活性で、直鎖状ポリ
エチレン、C6以上の長鎖分岐及びメチル分岐を持った
ポリエチレン、直鎖状ポリエチレンとC6以上の長鎖分
岐及びメチル分岐を持ったポリエチレンのブロックポリ
エチレンを含有する高溶融流動性及び溶融粘弾性ポリエ
チレンが製造できる事が分かった。この知見に基づき本
発明のポリエチレン及びその重合方法が該目的を達成で
きる事を見い出し、本発明に到達した。
【0013】即ち、本発明は、[A]ゲルパーミネーシ
ョン・クロマトグラフィー(GPC)で求めた重量平均
分子量Mwが10000以上、且つ、1000000以
下であり、[B]ゲルパーミネーション・クロマトグラ
フィーで求めた数平均分子量MnとMwとの比Mw/M
nが6を越え、且つ、50以下であり、[C]密度d
(g/cm3)が0.87以上、且つ、0.97以下で
あり、[D]示差走査型熱量計(DSC)により測定し
た吸熱曲線のピークの温度Tが85℃以上、且つ、13
3℃以下であり、[E]190℃における2.16kg
荷重でのMFR(MI)が0.01以上、且つ、100
以下であり、[F]溶融張力(MT)とMIとが、 LogMT>−0.637LogMI+0.301 で示される関係を満たし、[G]13CーNMRの32.
2ppmのピークから測定したヘキシル以上の分岐数
が、炭素1000個中に0.1以上、且つ、50個以下
であり、且つ、13C−NMRの20.1ppmのピーク
から測定したメチル分岐数が、炭素1000個中に0.
1以上、且つ、50個以下であり、[H]ヘキシル以上
の分岐数をメチル分岐数で割った値が0.5以上、且
つ、5以下である事を特徴とするポリエチレン、であ
る。
【0014】また、下記の[1]、[2]及び少なくと
も1種類以上の[3]からなる触媒成分の存在下でポリ
エチレンを製造する事を特徴とするエチレンの製造方
法、である。 [1]第10族遷移金属化合物 [2]下記の一般式(I)で表される化合物 [3]第10族遷移金属化合物と配位してポリエチレン
を製造する、一般式(I)で表される化合物とは異なる
配位子化合物
【0015】
【化4】
【0016】また、上記に記載の[1]、[2]及び少
なくとも1種類以上の[3]を添加する時、[1]、
[2]及び少なくとも1種類以上の[3]を時間をおい
て添加、または同時に添加する事を特徴とするポリエチ
レンの製造方法、である。さらに、上記記載の[3]の
第10族遷移金属化合物と配位してポリエチレンを製造
する一般式(I)で表される化合物とは異なる配位子化
合物が、一般式(II)で表される化合物である事を特
徴とするポリエチレンの製造方法、である。
【0017】
【化5】
【0018】以下、本発明に係わるポリエチレンについ
て具体的に説明する。本発明に係わるポリエチレンは、
ゲルパーミネーション・クロマトグラフィー(GPC)
で求めた重量平均分子量をMwとした時、Mwが100
00以上、且つ、1000000以下であり、より好ま
しくは50000以上、且つ、500000以下であ
る。
【0019】また、本発明に係わるポリエチレンは、ゲ
ルパーミネーション・クロマトグラフィー(GPC)で
求めた数平均分子量をMnとした時、Mw/Mnが6を
越え、且つ、50以下であり、好ましくはMw/Mnが
8以上、且つ、20以下である。また、本発明のポリエ
チレンは、密度をd(g/cm3)とした時、dは0.
870以上であり、好ましくは0.970以下であり、
好ましくは0.90以上、且つ、0。965以下であ
る。なお、本発明に於ける密度は、ASTM−D−15
05に従って測定した。
【0020】また、190℃における2.16kg荷重
でのメルトフローレイトMFRをMIとした時、MIが
0.01以上、且つ、100以下であり、より好ましく
はMIが0.05以上、且つ、50以下である。なお、
本発明に於けるMIはASTM D1238における条
件Eに従い測定される。本発明に係わるポリエチレン
は、溶融張力をMT(g)とした時、MTとMIとが、 LogMT>−0.637LogMI+0.301 で示される関係を満たし、好ましくは LogMT≧−0.430LogMI+0.477 で示される関係を満たす。
【0021】なお、溶融張力MT(g)は、溶融させた
ポリマーを一定速度で延伸した時の応力を測定する事に
より求めることができる。本発明では、東洋精機製作所
製メルトテンション測定機を用い、樹脂温度190℃、
押出速度10mm/分、巻取速度10〜20m/分、ノ
ズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で溶融
張力の測定を行った。溶融張力測定時には、ポリマーに
あらかじめ熱安定剤として2、6−ジtert−ブチル
パラクレゾールを0.1重量%加えておく。
【0022】本発明に係わるポリエチレンは、13C−N
MRの32.2ppmのピークから測定したヘキシル以
上の長鎖分岐数が、炭素1000個中に0.1以上、且
つ、50個以下であり、且つ、13C−NMRの20.1
ppmのピークから測定したメチル分岐数が、炭素10
00個中に0.1以上、且つ、50個以下であり、好ま
しくはヘキシル以上の分岐数が、炭素1000個中に
0.5以上、且つ、30個以下であり、且つ、メチル分
岐数が、炭素1000個中に0.5以上、且つ、30個
以下である。
【0023】本発明に係わるポリエチレンは、へキシル
以上の長鎖分岐数をメチル分岐数で割った値が0.5以
上、且つ、5以下であり、好ましくは1以上4以下であ
る。本発明に係わるポリエチレンは、直鎖状ポリエチレ
ン、C6以上の長鎖分岐及びメチル分岐をもったポリエ
チレン、直鎖状ポリエチレンとC6以上の長鎖分岐及び
メチル分岐をもったポリエチレンのブロックポリエチレ
ンを含有したポリエチレンであり、さらに分子量分布が
広いため、従来公知であるポリエチレンに比較して、高
溶融流動性及び溶融粘弾性の優れたポリエチレンであ
り、中空成形等の成形加工性が良く、極めて産業的利用
価値の高いポリエチレンである。
【0024】この様な特異なポリエチレンは、例えば、
下記の[1]、[2]及び少なくとも1種類以上の
[3]からなる触媒成分の存在下でエチレンを重合する
ことにより製造することができる。 [1]第10族遷移金属化合物 [2]下記の一般式(I)で表される化合物 [3]第10族遷移金属化合物と配位してポリエチレン
を製造する、一般式(I)で表される化合物とは異なる
配位子化合物
【0025】
【化6】
【0026】以下、本発明に係わるポリエチレンの製造
方法についてさらに具体的に説明する。本発明で用いら
れる[1]第10族遷移金属化合物としては、ニッケル
化合物、パラジウム化合物、白金化合物、コバルト化合
物、鉄化合物等が挙げられる。これらの内ニッケル化合
物、パラジウム化合物が好ましく用いられる。特に好ま
しくはニッケル化合物である。
【0027】本発明で用いられるニッケル化合物として
は、例えば、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッ
ケル(0),ビス(シクロオクタテトラエン)ニッケル
(0),シクロドデカトリエン(トリフェニルホスフィ
ン)ニッケル(0),テトラカルボニルニッケル
(0),ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)
ニッケル(0),テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)ニッケル(0),μ(二窒素)ビス[ビス(トリシ
クロヘキシルホスフィン)ニッケル(0)],テトラキ
ス(イソシアン化t−ブチル)ニッケル(0),ジカル
ボニルビス(イソシアン化t−ブチル)ニッケル
(0),ビス(イソシアン化t−ブチル)ニッケル
(0),(η−エチレン)ビス(トリフェニルホスフィ
ン)ニッケル(0),ビス(アクリロニトリル)ニッケ
ル(0),ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(I
I),酢酸ニッケル(II),ステアリン酸ニッケル
(II),ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニ
ッケル(II),硫酸水素ヒドリドテトラキス(ホスホ
ン酸トリエチル)ニッケル(II),trans−[ク
ロロヒドリドビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニ
ッケル(II)],trans−[クロロ(フェニル)
ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)],
trans−[ブロモ−o−トリル(トリエチルホスフ
ィン)ニッケル(II)],ジメチルビス(トリメチル
ホスフィン)ニッケル(II),ジエチル(2,2’−
ビピリジル)ニッケル(II),ジ−η−ブロモビス
(アリル)二ニッケル(II),ビス(アリル)ニッケ
ル(II),テトラクロロビス(テトラメチルシクロブ
タジエン)二ニッケル(II),ビス(η−シクロペン
タジエニル)ニッケル(II),クロロ(η−シクロペ
ンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル
(II),アリル(η−シクロペンタジエニル)ニッケ
ル(II)等が挙げられる。
【0028】本発明で用いられるパラジウム化合物とし
ては、例えば、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)、カルボニルトリス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジ
リデンアセトン)二パラジウム(0)、ビス(イソシア
ン化t−ブチル)パラジウム(0)、ジクロロ(1,5
−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジ−μ−
クロロ−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)二パ
ラジウム(II)、ジクロロ(テトラフェニルシクロブ
タジエン)パラジウム(II)、ジ−μ−クロロ−ジク
ロロビス(アリル)二パラジウム(II)、ジクロロビ
ス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ビス(アリ
ル)パラジウム(II)等が挙げられる。
【0029】これらの内、最も好ましくはビス(1,5
−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、ビス(アセチ
ルアセトナト)ニッケル(II)が用いられる。本発明
で用いられる[2]下記の一般式(I)に表される化合
物としては、
【0030】
【化7】
【0031】がある。この様に一般式(I)で表される
化合物として、例えば、ビス[(トリメチルシリル)ア
ミノ]ビス(トリメチルシリルイミノ)ホスホラン、
[ビス(トリメチルシリル)アミノ](t−ブチルイミ
ノ)(トリメチルシリルイミノ)ホスホラン、[ビス
(トリメチルシリル)アミノ]ビス(t−ブチルイミ
ノ)ホスホラン、[ビス(t−ブチル)アミノ]ビス
(t−ブチルイミノ)ホスホラン、[ビス(t−ブチ
ル)アミノ]ビス(トリメチルシリルイミノ)ホスホラ
ン、[ビス(t−ブチル)アミノ](t−ブチルイミ
ノ)(トリメチルシリルイミノ)ホスホラン、(t−ブ
チルイミノ)[(t−ブチル)(トリメチルシリル)ア
ミノ](トリメチルシリルイミノ)ホスホラン、[(t
−ブチル)(トリメチルシリル)アミノ]ビス(t−ブ
チルイミノ)ホスホラン、ビス(t−ブチルイミノ)
(ジイソプロピルアミノ)ホスホラン、(t−ブチルイ
ミノ)(トリメチルシリルイミノ)(ジイソプロピルア
ミノ)ホスホラン、ビス(トリメチルシリルイミノ)
(イソプロピルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)ホ
スホラン、(t−ブチルイミノ)(トリメチルシリルイ
ミノ)(イソプロピルアミノ)(トリメチルシリルアミ
ノ)ホスホラン、ビス(t−ブチルイミノ)(イソプロ
ピルアミノ)(トリメチルシリルアミノ)ホスホラン、
(2,2,6,6−テトラメチルピペリジドアミノ)ビ
ス(トリメチルシリルイミノ)ホスホラン、(2,2,
6,6−テトラメチルピペリジドアミノ)(t−ブチル
イミノ)(トリメチルシリルイミノ)ホスホラン、
(2,2,6,6−テトラメチルピペリジドアミノ)ビ
ス(t−ブチルイミノ)ホスホラン等が挙げられる。例
えばこれらの化合物はEdgar Niecke et
al.,Chem.Ber.,115〔185〕(1
982)で合成する事が可能である。
【0032】本発明で[3]第10族遷移金属化合物と
配位してポリエチレンを製造する、一般式(I)で表さ
れる化合物とは異なる配位子化合物(以下、異なる配位
化合物と略す)としては、アミン化合物、ジアミン化合
物、ジイミン化合物、ホスフィン化合物、ジホスフィン
化合物、ホスフィノケトン化合物等が挙げられる。これ
らの内、ホスフィノケトン化合物、ジイミン化合物、ジ
ホスフィン化合物が好ましく用いられる。
【0033】本発明で好ましく使用されるホスフィノケ
トン化合物は、例えば、下記の一般式(II)等で表さ
れるものである。
【0034】
【化8】
【0035】この様に一般式(II)で表される化合物
として、例えば、キノイド化合物と三級ホスフィンとの
付加物が挙げられる。すなわち一般式(II)におい
て、R 8とR9が相互に結合し、それらが結合している両
炭素原子とともに六員環を形成し、キノリド化合物のカ
ルボニル基の一個が水酸基としてこの六員環に結合して
いる化合物であって、例えば、キノリド化合物の代表例
がp−ベンゾキノンである場合、一般式(IV)で表さ
れる。
【0036】
【化9】
【0037】本発明に使用するキノリド化合物として
は、例えば、p−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノ
ン、p−トルキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノ
ン等が挙げられ、また、三級ホスフィンとしては、例え
ば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、
トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられる。キノリ
ド化合物と三級ホスフィンとの反応は公知の方法、例え
ばM.Ars−had.et al.,Tetrahe
dron,22〔2230〕(1996)により合成で
きる。
【0038】例えば、下記、
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】等の、式(V)、式(VI)、式(VI
I)、式(VIII)が挙げられる。本発明で好ましく
使用されるジイミン化合物としては、一般式(IX)等
で表されるものが好ましい。
【0044】
【化14】
【0045】この様に、一般式(IX)で表される化合
物として、例えば、(2ーMe)PhーN=CH−CH
=NーPh(2−Me)、(2−Et)PhーN=CH
−CH=NーPh(2−Et)、(2−Me)N=CH
ーCH=NーPh(2−Et)、(2、6ーMe)2
hーN=CH−CH=NーPh(2、6ーMe)2
(2、6ーMe)2PhーN=C(CH3)−CH=Nー
Ph(2、6ーMe)2、(2、6ーMe)2PhーN=
C(CH3)−C(CH3)=NーPh(2、6ーMe)
2、(2、6ーiPr)2PhーN=CH−CH=NーP
h(2、6ーiPr)2、(2、6ーiPr)2PhーN=
C(Me)−CH=NーPh(2、6ーiPr)2
(2、6ーiPr)2PhーN=C(Me)−C(Me)
=NーPh(2、6ーiPr)2、(2、6ーtBu2)P
hーN=CH−CH=NーPh(2、6ーtBu)2
(2、6ーtBu)2PhーN=C(Me)−CH=Nー
Ph(2、6ーtBu)2、(2、6ーtBu)2PhーN
=C(Me)−C(Me)=NーPh(2、6ーt
u)2(Me=CH3,Et=C25iPr=(CH3
2CH, tBu=(CH33C、Ph=Phenyl)等
があげられる。
【0046】本発明で好ましく使用されジホスフィン化
合物としては、一般式(X)等で表されるものが好まし
い。
【0047】
【化15】
【0048】この様に一般式(X)で表される化合物と
して、例えば、Me2P−CH2−CH2−PMe2i
2P−CH2−CH2−PiPr2tBu2P−CH2−C
2−PtBu2、Ph2P−CH2−CH2−PPh2
[(2、6ーiPr)2Ph]2P−CH2−CH2−P
[(2、6ーiPr)2Ph]2、[(2、6ーMe)2
h] 2P−CH2−CH2−P[(2、6ーMe)2Ph]
2(Me=CH3,Et=C25iPr=(CH32
H,tBu=(CH33C、Ph=Phenyl)等が
挙げられる。
【0049】本発明において、エチレンを重合するにあ
たり、還元剤及び/または電子供与性化合物の存在下で
エチレンを重合させる事ができる。本発明で使用する還
元剤としては、例えば、水素や金属水素化物、アルキル
アルミニウム、アルキルマグネシウム、アルキル亜鉛、
アルキルリチウム等の有機金属化合物等が挙げられ、有
機金属化合物としてはC1~10のアルキル基が少なくとも
1つは含み、有機金属化合物の残りの原子価(もしそれ
があれば)が水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル
オキシ基(ヒドロカルビル基はC1~10)、あるいは酸素
原子を介した当該金属(例えばメチルアルモキサンの場
合の−O−Al(CH3)−)、その他で充足されるも
のが好ましく、例えば、トリメチルアルミニウム,トリ
エチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウム,トリ
イソプロピルアルミニウム,トリn−ブチルアルミニウ
ム,トリiso−ブチルアルミニウム,トリペンチルア
ルミニウム,トリヘキシルアルミニウム,トリオクチル
アルミニウム,トリデシルアルミニウム,トリ2−エチ
ルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウ
ム、ジメチルアルミニウムクロリド,ジメチルアルミニ
ウムブロミド,ジエチルアルミニウムクロリド,ジエチ
ルアルミニウムブロミド,ジイソプロピルアルミニウム
クロリド,ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジア
ルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセス
キクロリド,エチルアルミニウムセスキクロリド,イソ
プロピルアルミニウムセスキクロリド,ブチルアルミニ
ウムセスキクロリド,エチルアルミニウムセスキブロミ
ド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルア
ルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリ
ド,イソプロピルアルミニウムジクロリド,エチルアル
ミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウルジハライ
ド、エチルn−ブチルマグネシウム,n−ブチルsec
−ブチルマグネシウム等のアルキルマグネシウム、ジエ
チル亜鉛等のアルキル亜鉛、n−ブチルリチウム等のア
ルキルリチウム等が挙げられる。
【0050】本発明で使用する、電子供与性化合物とし
ては、例えば、エステル類、α−オレフィン類、α,ω
−ジエン類、エーテル類、カルボン酸無水物、カルボン
酸類、アルコール類、ケトン類、アミン類、アミド類、
シラン類、ニトリル類、アルデヒド類、アルコレート
類、チオエーテル類、チオエステル類、ホスフィン類ホ
スフィンオキシド類等が挙げらる。
【0051】これらの内α−オレフィン、α,ω−ジエ
ン類、エーテル類、エステル類、ホスフィン類、ホスフ
ィンオキシド類が好ましく用いられる。本発明で使用さ
れる上記エステル類としては、一般式(III)等で表
される化合物を用いることができる。
【0052】
【化16】 この様に一般式(III)で表される化合物として、例
えば、ギ酸ブチル、酢酸エチル、イソ酢酸イソブチル、
ビバリン酸プロピル、ピバリン酸イソブチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、マロン
酸ジエチル、マロン酸ジイソブチル、コハク酸ジエチ
ル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジイソブチル、グルタ
ル酸ジエチル、グルタル酸ジブチル、グルタル酸ジイソ
ブチル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイ
ン酸ジイソブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジエ
チル、フマル酸ジイソブチル、酒石酸ジエチル、酒石酸
ジブチル、酒石酸ジイソブチル、シクロヘキサンカルボ
ン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香
酸フェニル、p−トルイル酸メチル、p−第三級ブチル
安息香酸エチル、p−アニス酸エチル、α−ナフトエ酸
エチル、α−ナフトエ酸イソブチル、ケイ皮酸エチル、
フタル酸モノメチル、フタル酸モノブチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジイソブチル酸、フタル酸ジヘキシ
ル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジフェニル、イソフタ
ル酸ジエチル、イソフタル酸ジイソブチル、テレフタル
酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、ナフタル酸ジエチ
ル、ナフタル酸ジブチル、トリメリト酸トリエチル、ト
リメリト酸トリブチル、ピロメリト酸テトラメチル、ピ
ロメリト酸テトラエチル、ピロメリト酸テトラブチル等
が挙げられる。
【0053】本発明で好ましく使用されるα−オレフィ
ン類としては、C3~20のα−オレフィン類が好ましく、
例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3
−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等
が挙げられる。本発明で好ましく使用されるα,ω−ジ
エン類としては、C5~20の分岐を有していてもよいα,
ω−ジエン類が好ましく、例えば、1,4−ペンタジエ
ン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、
1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−
デカジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、2−
メチル−1,5−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−
ヘキサジエン等が挙げられる。
【0054】本発明で好ましく使用されるエーテル類と
しては、C1~30のアルキル基、アリール基、ベンジル
基、ビニル基、アリル基を有するエーテル類が好まし
く、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ
プロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエ
ーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテ
ル、メチルアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、
エチルブチルエーテル、エチルアミルエーテル、メチル
ビニルエーテル、エチルアリルエーテル、ジフェニルエ
ーテル、ベンジルエーテル、ナフチルエーテル、アニソ
ール、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフ
ラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等が挙げられ
る。
【0055】本発明で好ましく使用されるホスフィン
類、リン酸エステル類としては、トリメチルホスフィン
オキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチルジ
フェニルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィン
オキシド、トリ(p−トリル)ホスフィンオキシド等が
挙げられる。本発明において、これらの電子供与性化合
物は、2種類以上用いることもできる。触媒は、固体の
まま、又は溶媒に溶解して添加する。[1]第10族遷
移金属化合物、[2]一般式(I)の化合物及び[3]
第10族遷移金属化合物と配位してポリエチレンを製造
する少なくとも1種類以上の一般式(I)とは異なる配
位子化合物、還元剤そして電子供与性化合物の添加順は
問わないが、[1]第10族遷移金属化合物と[2]一
般式(I)の化合物、電子供与性化合物を添加した後、
エチレン重合を行い、[3]異なる配位子化合物、電子供
与性化合物を添加して更にエチレン重合させる事が好ま
しい。
【0056】また、[1]第10族遷移金属化合物と
[2]一般式(I)の化合物、[3]異なる配位子化合
物、電子供与性化合物を添加した後、エチレン重合させ
る事も好ましい。その使用比は[1]第10族遷移金属
化合物:[2]一般式(I)の化合物=1:1−10
0、[1]第10族遷移金属化合物:[2]一般式(I
I)の化合物=1:1−100、[1]第10族遷移金
属化合物:電子供与性化合物=1:1−100、第10
族遷移金属化合物:還元剤=1:1−100が好まし
い。
【0057】重合ポリマーの分岐の長さとその数は、例
えばTakao Usami etal. Macro
molecules,20〔1557〕(1987)の
方法で13C−NMR、IRおよびGPCから確認する事
ができる。本発明による触媒を用いるエチレンの単独重
合又は共重合は、液相重合でも気相重合でも可能であ
り、広い温度範囲−78〜200℃、好ましくは0〜8
0℃、広い圧力範囲1〜100K/G、好ましくは5〜
50K/Gで重合できる。
【0058】液相重合の場合溶媒は、不活性溶媒を用い
る事が好ましく、不活性溶媒は当該技術分野で通常用い
られるものであればどれでも使用できるが、特にC4
10の芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素を用いる事
ができる。より具体的にはペンタン、ヘキサンオクタ
ン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クロロベンゼン等が挙げられる。
【0059】本発明に記載されているCn(nは整数)
は、炭素数n個であることを表し、例えば、C6〜C20
ーアルコキシ基とは、炭素数6〜20個のアルコキシ基
を表す。本発明の[1]第10族遷移金属の族番号は、
IUPAC無機化学命名法改訂版(1989)に記載さ
れている周期表の族番号から引用している。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。13C−NMRは、JEOL FX90Q
を用い、o−ジクロロベンゼン(+C 66)に溶かした
ポリマーを135℃で測定した。
【0061】IRは、日本分光(株)製、商品名 FT
/IR−5300を用いて測定した。示差熱走査熱量計
(DSC)は、DSC−7,7500を用いて測定し
た。ゲルパーミネージョンクロマトグラフィー(GP
C)は、Waters 150C−GPCを用い、1,
2,4−トリクロロベンゼンに溶かしたポリマーを14
0℃で測定した。
【0062】MTは、東洋精機製作所製メルトテンショ
ン測定器を用い、樹脂温度190℃、押し出し速度10
mm/分、巻き取り速度10−20m/分、ノズル径
2.09mm、ノズル長さ8mmの条件で行った。な
お、測定時にはあらかじめ熱安定剤として2、6−ジt
ブチルパラクレゾールを0.1重量%を加えておく。本
発明により製造されるポリエチレンの短鎖分岐、ヘキシ
ル以上の長鎖分岐の存在は、13C−NMRにより確認
し、その帰属及び1000炭素原子中の分岐数計算は、
Takao Usami et al.,Macrom
olecules,20〔1557〕(1987)を参
考にして13C−NMR、IR、GPCを用いて行った。
【0063】
【実施例1】内容積1.5リットルのステンレス製オー
トクレーブを十分に窒素置換し、乾燥トルエン450ミ
リリットルを加えた。そこにニッケル(II)アセチル
アセトナート1.0mmolを25ミリリットルの乾燥
トルエンで溶かした溶液と[ビス(トリメチルシリル)
アミノ]ビス(トリメチルシリルイミノ)ホスホラン
2.5mmolを25ミリリットルの乾燥トルエンで溶
かした溶液を前記のオートクレーブに加えた。その混合
溶液の中にトリイソブチルアルミニウム8.0mmol
を加え、その後内温を20℃とした後、エチレンを導入
し内圧を10kg/cm2Gとし8時間重合を行った。
【0064】その後、ナフトキノン−トリフェニルホス
フィン錯体0.5mmolと安息香酸フェニル5.0m
molを添加し、内温を60℃として1時間重合した。
重合終了後未反応エチレンを除去し、反応混合物を塩酸
−メタノールに投入し沈澱物を濾別し、5時間減圧乾燥
して、125gのポリマーを得た。重量平均分子量(M
w)は152000であり、分子量分布(MWD)は
7.6であった。DSCによって求めた融点(Tm)は
118.3℃であり、密度は0.9329g/cm3
あった。MIは0.36であり、MTは8.9gであっ
た。ポリマー中のメチル分岐及びヘキシル以上分岐数は
それぞれ1000炭素原子中2.9個、3.1個であっ
た。得られたポリマーの13C−NMRスペクトルを図1
に示す。
【0065】
【実施例2】ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッ
ケル(0)とビス(トリメチルシリル)アミノ]ビス
(トリメチルシリルイミノ)ホスホランからなる触媒で
重合する時の時間を5時間にする以外は実施例1と同様
の重合反応を行った結果、90gのポリマーを得た。重
量平均分子量(Mw)は123000であり、分子量分
布(MWD)は10.9であった。DSCによって求め
た融点(Tm)は123.6℃であり、密度は0.93
58g/cm3であった。MIは0.53であり、MT
は8.2gであった。ポリマー中のメチル分岐及びヘキ
シル以上分岐数はそれぞれ1000炭素原子中2.9
個、2.8個であった。
【0066】
【実施例3】ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッ
ケル(0)とビス(トリメチルシリル)アミノ]ビス
(トリメチルシリルイミノ)ホスホランからなる触媒で
重合する時の時間を3時間にする以外は実施例1と同様
の重合反応を行った結果、65gのポリマーを得た。重
量平均分子量(Mw)は79700であり、分子量分布
(MWD)は8.3であった。DSCによって求めた融
点(Tm)は127.5℃であり、密度は0.9392
g/cm3であった。MIは0.87であり、MTは
5.5gであった。ポリマー中のメチル分岐及びヘキシ
ル以上分岐数はそれぞれ1000炭素原子中2.5個、
2.2個であった。
【0067】
【実施例4】ビス(トリメチルシリル)アミノ]ビス
(トリメチルシリルイミノ)ホスホランの代わりに[ビ
ス(トリメチルシリル)アミノ](t−ブチルイミノ)
(トリメチルシリルイミノ)ホスホランからなる触媒で
重合する以外は実施例1と同様の重合反応を行った結
果、145gのポリマーを得た。重量平均分子量(M
w)は163000であり、分子量分布(MWD)は
8.1であった。DSCによって求めた融点(Tm)は
125.7℃であり、密度は0.9311g/cm3
あった。MIは0.29であり、MTは10.7gであ
った。ポリマー中のメチル分岐及びヘキシル以上分岐数
はそれぞれ1000炭素原子中3.3個、3.4個であ
った。
【0068】
【実施例5】 内容積1.5リットルのステンレス製オ
ートクレーブを十分に窒素置換し、乾燥トルエン450
ミリリットルを加えた。そこにビス(1,5−シクロオ
クタジエン)ニッケル(0)1.0mmolを25ミリ
リットルの乾燥トルエンで溶かした溶液とビス(トリメ
チルシリル)アミノ]ビス(トリメチルシリルイミノ)
ホスホラン1.0mmolを25ミリリットルの乾燥ト
ルエンで溶かした溶液を前記のオートクレーブに加え
た。その混合溶液の中に1−ヘキセン32.5ミリリッ
トル、ジエチルエーテルを5.0mlを加え、その後内
温を20℃とした後、エチレンを導入し内圧を10kg
/cm2Gとし8時間重合を行った。
【0069】その後、ナフトキノン−トリフェニルホス
フィン錯体0.5mmolと安息香酸フェニル5.0m
molを添加し、内温を60℃として1時間重合した。
重合終了後未反応エチレンを除去し、反応混合物を塩酸
−メタノールに投入し沈澱物を濾別し、5時間減圧乾燥
して、135gのポリマーを得た。重量平均分子量(M
w)は153000であり、分子量分布(MWD)は
8.2であった。DSCによって求めた融点(Tm)は
117.2℃であり、密度は0.9322g/cm3
あった。MIは0.29であり、MTは10.7gであ
った。ポリマー中のメチル分岐及びヘキシル以上分岐数
はそれぞれ1000炭素原子中2.5個、2.9個であ
った。
【0070】
【比較例1】内容積1.5リットルのステンレス製オー
トクレーブを十分に窒素置換し、乾燥トルエン450ミ
リリットルを加えた。そこにビス(1,5−シクロオク
タジエン)ニッケル(0)0.2mmolを25ミリリ
ットルの乾燥トルエンで溶かした溶液とナフトキノン−
トリフェニルホスフィン錯体を0.2mmolのトルエ
ン溶液と安息香酸フェニル10.0mmolトルエン溶
液を添加し、内温を60℃、エチレン圧10k/Gとし
て1時間重合した。重合終了後未反応エチレンを除去
し、反応混合物を塩酸−メタノールに投入し沈澱物を濾
別し、5時間減圧乾燥して、63gのポリマーを得た。
【0071】重量平均分子量(Mw)は230000で
あり、分子量分布(MWD)は46.0であった。DS
Cによって求めた融点(Tm)は133.1℃であっ
た。MIは0.53であり、MTは8.2gであり、13
C−NMRではポリマー中のメチル分岐及びヘキシル以
上分岐のピークは検出できなかった。
【0072】
【比較例2】内容積1.5リットルのステンレス製オー
トクレーブを十分に窒素置換し、乾燥トルエン450ミ
リリットルを加えた。そこにニッケル(II)アセチル
アセトナート1.0mmolを25ミリリットルの乾燥
トルエンで溶かした溶液と[ビス(トリメチルシリル)
アミノ]ビス(トリメチルシリルイミノ)ホスホラン
2.5mmolを25ミリリットルの乾燥トルエンで溶
かした溶液を前記のオートクレーブに加えた。その混合
溶液の中にトリイソブチルアルミニウム8.0mmol
を加え、その後内温を20℃とした後、エチレンを導入
し内圧を10kg/cm2Gとし8時間重合を行った。
【0073】重合終了後未反応エチレンを除去し、反応
混合物を塩酸−メタノールに投入し沈澱物を濾別し、5
時間減圧乾燥して、61gのポリマーを得た。重量平均
分子量(Mw)は143000であり、分子量分布(M
WD)は1.72であった。DSCによって求めた融点
(Tm)は90.4℃であり、密度は0.9110g/
cm3であった。MIは0.19であり、MTは7.5
gであり、ポリマー中のメチル分岐及びヘキシル以上分
岐数はそれぞれ1000炭素原子中17.6個、9.6
個であった。
【0074】
【発明の効果】本発明の製造方法は、高活性で、直鎖状
ポリエチン、C6以上の長鎖分岐ポリエチレン、及び、
直鎖状ポリエチンとC6以上の長鎖分岐ポリエチレンの
ブロックポリエチレンを含有するポリエチレンが製造で
きる。本発明のポリエチレンは、従来の公知のものに比
べて、高溶融流動性及び高溶融粘弾性の優れたポリエチ
レンである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]ゲルパーミネーション・クロマト
    グラフィーで求めた重量平均分子量Mwが10000以
    上、且つ、1000000以下であり、[B]ゲルパー
    ミネーション・クロマトグラフィーで求めた数平均分子
    量MnとMwとの比Mw/Mnが6を越え、且つ、50
    以下であり、[C]密度d(g/cm3)が0.87以
    上、且つ、0.97以下であり、[D]示差走査型熱量
    計により測定した吸熱曲線のピークの温度T(℃)が8
    5℃以上、且つ、133℃以下であり、[E]190℃
    における2.16kg荷重でのMFR(MI)が0.0
    1以上、且つ、100以下であり、[F]溶融張力MT
    (g)とMIとが、 LogMT>−0.637LogMI+0.301 で示される関係を満たし、[G]13CーNMRの32.
    2ppmのピークから測定したヘキシル以上の分岐数
    が、炭素1000個中に0.1以上、且つ、50個以下
    であり、且つ、13C−NMRの20.1ppmのピーク
    から測定したメチル分岐数が、炭素1000個中に0.
    1以上、且つ、50個以下であり、[H]ヘキシル以上
    の分岐数をメチル分岐数で割った値が0.5以上、且
    つ、5以下であることを特徴とするポリエチレン。
  2. 【請求項2】 分子量分布MWDが8以上、且つ、20
    以下である事を特徴とする請求項1に記載のポリエチレ
    ン。
  3. 【請求項3】 溶融張力MT(g)とMIとが、 LogMT>−0.430LogMI+0.477 を満たすることを特徴とする請求項1に記載のポリエチ
    レン。
  4. 【請求項4】 ヘキシル以上の分岐数をメチル分岐数で
    割った値が1以上、且つ、5以下である事を特徴とする
    請求項1に記載のポリエチレン。
  5. 【請求項5】 下記の[1]、[2]及び少なくとも1
    種類以上の[3]からなる触媒成分の存在下でエチレン
    を製造することを特徴とする請求項1記載のポリエチレ
    ンの製造方法。 [1]第10族遷移金属化合物 [2]下記の一般式(I)で表される化合物 [3]第10族遷移金属化合物と配位してポリエチレン
    を製造する、一般式(I)で表される化合物とは異なる
    配位子化合物 【化1】
  6. 【請求項6】 請求項5に記載される[1]、[2]及
    び少なくとも1種類以上の[3]を添加する時、
    [1]、[2]及び少なくとも1種類以上の[3]を時
    間をおいて添加、または同時に添加することを特徴とす
    るポリエチレンの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載される[3]の第10族
    遷移金属化合物と配位してポリエチレンを製造する一般
    式(I)で表される化合物とは異なる配位子化合物が、
    一般式(II)で表される化合物であることを特徴とす
    るポリエチレンの製造方法。 【化2】
  8. 【請求項8】 請求項5に記載される[1]の第10
    族遷移金属化合物がニッケル化合物であることを特徴と
    するエチレンの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載されるエチレンを重合す
    るにあたり、還元剤及び/または電子供与性化合物の存
    在下でエチレンを重合させることを特徴とするポリエチ
    レンの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載される電子供与性化合
    物が一般式(III)で表される化合物であることを特
    徴とするポリエチレンの製造方法。 【化3】
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