JPH10176092A - 光拡散性メタクリル酸メチル系樹脂組成物及びシート状物 - Google Patents

光拡散性メタクリル酸メチル系樹脂組成物及びシート状物

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JPH10176092A
JPH10176092A JP34018996A JP34018996A JPH10176092A JP H10176092 A JPH10176092 A JP H10176092A JP 34018996 A JP34018996 A JP 34018996A JP 34018996 A JP34018996 A JP 34018996A JP H10176092 A JPH10176092 A JP H10176092A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 成形品の延伸部分の白化抑制、光線透過率レ
ベルの保持、成形品の偏肉のある程度の抑制が可能な光
拡散性メタクリル酸メチル系樹脂組成物の提供。 【解決手段】 メタクリル酸メチル系樹脂100重量部
に、下記(1)〜(3)を満たす不溶樹脂粒子(a)
0.1〜10重量部、及び重量平均粒子径20〜50μ
mのメタクリル酸メチル系不溶樹脂粒子(b)3〜15
重量部を分散させる。 (1)メタクリル酸メチル系樹脂との屈折率の差の絶対
値0.02〜0.13 (2)重量平均粒子径1.5〜15μm (3)示差走査熱量測定(DSC)によるDSC曲線の
階段状変化における補外ガラス転移開始温度(Ti
g)、補外ガラス転移終了温度(Teg)と該メタクリ
ル酸メチル系樹脂の荷重たわみ温度(Th)が、Teg
<Th+40(℃)ならびにTig<Th(℃)または
Teg−Tig<15(℃)を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光拡散性メタクリル
酸メチル系樹脂組成物に関する。詳しくは、熱延伸成形
後の偏肉抑制性能と光の拡散透過性能に優れた光拡散性
メタクリル酸メチル系樹脂組成物およびそれを用いてな
る光拡散性メタクリル酸メチル系シート状物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、メタクリル酸メチル系樹脂に
光拡散性を付与させた材料は、照明カバーや、照明看
板、透過型ディスプレイ用の光拡散板等の部材として広
く用いられている。メタクリル酸メチル系樹脂に光拡散
性を付与させるには、基材として用いられるメタクリル
酸メチル系樹脂と異なる屈折率を有する無機系粒子や有
機系粒子を分散する方法などがある。
【0003】最近では、より効率的に光を拡散透過させ
るために、基材として用いられるメタクリル酸メチル系
樹脂に対して適度な屈折率を有するシロキサン系樹脂粒
子やスチレン系樹脂粒子を分散させる技術が数多く出て
きており、光の透過量が70%を超えても光源のイメー
ジが見えにくい材料も開発されつつある。
【0004】また最近の光拡散材料は、押出成形を経て
シート材料とした後に、二次加熱延伸成形を施して、所
望の形状としていることが多くなってきている。
【0005】この二次加熱延伸成形としては、例えば、
フリーブロー成形、フリーバキューム成形、突上げ成
形、リッジ成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバ
ースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成
形、プラグアシストリバースドロー成形法等が挙げられ
る。これらの成形方法は材料の延伸を伴うが、最近にな
って照明カバーや浴槽のごとく高延伸成形や、成形技術
自体の向上により成形品形状の複雑化が進んできてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光拡散材料(シート材
料)を二次加熱延伸成形をする場合、該材料を一度、熱
変形温度以上にまで加熱し軟化させ、減圧、加圧、プラ
グアシスト等の手段を単独または併用して形状を付与さ
せることが、一般的に行われているが、最近になって、
成形加工技術の向上と成形サイクル短縮のため、短時間
で高延伸の成形や低延伸成形では比較的低温で行われる
ようになってきた。
【0007】従来の光拡散材料でこのような高延伸成形
や低温成形を行うと、延伸部分にボイドが発生し白化が
起こり、光透過性能が著しく低下するという問題が多く
なってきており、特に光透過性能を重視した最近の光拡
散材料では、この問題が大きくクローズアップされてい
る。
【0008】また、たとえ材料の白化が無い材料でも、
高延伸の成形を行うと局所的に成形品の肉厚が薄くなる
傾向もあるため、1つの成形品の中でも透過率のバラツ
キが認められることがある。特に前述の透過率を重視し
た光拡散材料を採用した場合、板厚の厚い箇所と薄い箇
所の透過率の差はさらに大きくなる傾向があり、これも
用途によっては問題となってしまう。また強度的にも成
形品の偏肉は少ない方がより好ましいとされている。
【0009】そこで本発明者は、二次延伸成形を比較的
低温で行っても成形品の延伸部分の白化が抑制され、光
線透過率を一定レベルに保持し、かつ成形品の偏肉をあ
る程度抑制できる光拡散性メタクリル酸メチル系樹脂組
成物について鋭意検討した結果、メタクリル酸メチル系
樹脂に特定の二種の不溶樹脂粒子を分散することによっ
て、二次延伸成形を比較的低温で行っても成形品の延伸
部分の白化が抑制され、光の拡散透過性を高いレベルに
保持し、かつ成形品の偏肉をも抑制できる光拡散性メタ
クリル酸メチル系樹脂組成物が得られることを見い出
し、本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、メタ
クリル酸メチル系樹脂100重量部に、下記(1)〜
(3)を満足する不溶樹脂粒子(a)0.1〜10重量
部、及び重量平均粒子径が20〜50μmであるメタク
リル酸メチル系不溶樹脂粒子(b)3〜15重量部を分
散していることを特徴とする光拡散性メタクリル酸メチ
ル系樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を用いてなる光
拡散性メタクリル酸メチル系シート状物である。 (1)該メタクリル酸メチル系樹脂との屈折率の差の絶
対値が0.02〜0.13である (2)重量平均粒子径が1.5〜15μmである (3)示差走査熱量測定(DSC)により得られたDS
C曲線の階段状変化における補外ガラス転移開始温度
(Tig)、補外ガラス転移終了温度(Teg)と該メタク
リル酸メチル系樹脂の荷重たわみ温度(Th)との関係
が、下記[数3]及び[数4]式を満足する
【数3】Teg<Th +40(℃)
【数4】 Tig<Th (℃)またはTeg−Tig<15(℃) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるメタク
リル酸メチル系樹脂とは、その構成単位としてメタクリ
ル酸メチル単位を50重量%以上、好ましくは70重量
%以上含有するものであり、メタクリル酸メチル単位を
50重量%以上含有する限りその一部がメタクリル酸メ
チルと共重合可能な単官能の不飽和単量体単位で置き換
えられたものであってもよい。
【0012】該共重合可能な単官能不飽和単量体として
は、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタク
リル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、ア
クリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸
などの不飽和酸類、スチレン、α−メチルスチレン、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン
酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等
である。また、この共重合体には、無水グルタル酸単
位、グルタルイミド単位をさらに含んでいても良い。さ
らに前述の重合体、共重合体にゴム状重合体として、ジ
エン系ゴム、アクリル系ゴムをブレンドしたものでも良
い。特にこれらのゴム状重合体を含有させると、高延伸
成形や複雑な成形、低温条件での成形において成形延伸
時の材料破断が少なくなる傾向がある。
【0013】ゴム状重合体としては、アクリル系多層構
造重合体または5〜80重量部のゴム状重合体にエチレ
ン性不飽和単量体なかでもアクリル系不飽和単量体95
〜20重量部をグラフト重合したグラフト共重合体など
が挙げられる。アクリル系多層構造重合体は、ゴム弾性
の層またはエラストマーの層を20〜60重量部を内在
させるものであって、最外には硬質層を有するもので、
最内層として硬質層をさらに含む構造のものでも良い。
【0014】ゴム弾性の層またはエラストマーの層と
は、ガラス転移点(Tg)が25℃未満のアクリル系重
合体の層であり、低級アルキルアクリレート及びメタク
リレート、低級アルコキシアクリレート、シアノエチル
アクリレート、アクリルアミド、ヒドロキシ低級アルキ
ルアクリレート、ヒドロキシ低級メタクリレート、アク
リル酸、メタクリル酸等のモノエチレン性不飽和単量体
の1種以上をアリルメタクリレートや後述のラジカル重
合可能な二重結合を分子内に少なくとも2個有する単量
体で架橋させた重合体からなる。
【0015】硬質層とは、Tgが25℃以上のアクリル
系重合体の層であり、炭素数1〜4個のアルキル基を有
するアルキルメタクリレートを単独または主成分とし、
他のアルキルメタクリレートやアルキルアクリレート、
スチレン、置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等の共重合可能な単官能単量体の重合体から
なり、さらに多官能単量体を加えて重合させた架橋重合
体でも構わない。これらのアクリル系多層構造重合体と
しては、例えば、特公昭55-27576号公報、特開平6-8073
9 号公報や特開昭49-23292号公報に記載のものが該当す
る。
【0016】5〜80重量部のゴム状重合体にエチレン
性不飽和単量体を95〜20重量部グラフト重合したグ
ラフト共重合体におけるゴム状重合体としては、例え
ば、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエ
ン共重合体ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体ゴムな
どのジエン系ゴム、ポリブチルアクリレート、ポリプロ
ピルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレ
ートなどのアクリル系ゴム、及びエチレン/プロピレン
/非共役ジエン系ゴム等を用いることができる。このゴ
ム状重合体にグラフト共重合するのに用いられるエチレ
ン性単量体およびそれらの混合物としては、スチレン、
アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレートなど
が挙げられる。これらのグラフト共重合体としては、特
開昭55-147514 号公報や特公昭47-9740 号公報に記載の
ものを用いることができる。
【0017】基材となるメタクリル酸メチル系樹脂組成
物中のゴム状重合体の割合は3〜30重量%であること
が好ましい。3重量%未満ではゴム状重合体添加の特性
の発現が少なく、30重量%以上では成形品の剛性が低
くなる傾向がある。
【0018】本発明における不溶樹脂粒子(a)とは、
該樹脂粒子を分散しているメタクリル酸メチル系樹脂
に、押出成形や射出成形の際にも溶け出さない樹脂粒子
であり、具体的には架橋又は高分子量スチレン系樹脂粒
子、架橋または高分子量アクリル系樹脂粒子、架橋シロ
キサン系樹脂粒子等が挙げられるが本発明に記載してい
る条件を満たしている限り、いかなる粒子でも用いるこ
とができる。これらの中でも架橋スチレン系粒子、架橋
シロキサン系粒子の単独系または併用系が好ましく用い
られる。
【0019】なお、ここで言う架橋樹脂粒子とは、アセ
トン中に溶解させた時のゲル分率が10%以上である粒
子のことを、高分子量樹脂粒子とは重量平均分子量(M
w)が50万〜500万の粒子のことを指している。
【0020】スチレン系樹脂粒子とは、(1)スチレン
系単量体を重合して得られる高分子量の樹脂粒子、また
はスチレン系単量体単位を50重量%以上含み、ラジカ
ル重合可能な二重結合を分子内に1個有する単量体を重
合して得られる高分子量の樹脂粒子、(2)スチレン系
単量体とラジカル重合可能な二重結合を分子内に少なく
とも2個有する単量体を重合して得られる架橋樹脂粒
子、またはスチレン系単量体単位を50重量%以上含
み、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有する
単量体とラジカル重合可能な二重結合を分子内に少なく
とも2個有する単量体を重合して得られる架橋樹脂粒子
のことである。
【0021】スチレン系単量体とは、スチレン及びその
誘導体である。スチレン誘導体としては、クロロスチレ
ン、ブロムスチレンのようなハロゲン化スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレンのようなアルキル置換
スチレンが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。また、上記スチレン系単量体は二種類以上併用し
ても良い。
【0022】ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1
個有する単量体とは、前記のスチレン系単量体成分以外
であれば特に制限はないが、例えば、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エス
テル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フ
ェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル
酸エステル類、アクリロニトリルなどが挙げられる。こ
れらの中でも特にメタクリル酸メチルのごときアルキル
メタアクリレート類が好ましい。なお、上記単量体も二
種類以上併用しても良い。
【0023】ラジカル重合可能な二重結合を分子内に少
なくとも2個有する単量体とは、先述の単量体と共重合
可能で共役ジエンを除くものである。例えば、1、4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレートのようなアルキルジ
オールジ(メタ)アクリレート類;エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレートのようなアルキレングリコールジ(メタ)ア
クリレート類;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート
のような芳香族多官能化合物;トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレートのような多価アルコールの(メ
タ)アクリレート類が挙げられる。これらの単量体も二
種類以上併用しても良い。
【0024】またアクリル系樹脂粒子とは、(1)アク
リル系単量体を重合して得られる高分子量の樹脂粒子、
またはアクリル系単量体単位を50重量%以上含み、ラ
ジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有する単量体
を重合して得られる高分子量の樹脂粒子、(2)アクリ
ル系単量体とラジカル重合可能な二重結合を分子内に少
なくとも2個有する単量体を重合して得られる架橋樹脂
粒子、またはアクリル系単量体単位を50重量%以上含
み、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有する
単量体とラジカル重合可能な二重結合を分子内に少なく
とも2個有する単量体を重合して得られる架橋樹脂粒子
のことである。
【0025】アクリル系単量体とは、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シク
ロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸、アクリル酸等がある。
これらの単量体は二種以上併用しても良い。
【0026】ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1
個有する単量体とは、前記のアクリル系単量体成分以外
であれば特に制限はないが、例えばスチレン及びその誘
導体である。スチレン誘導体としては、クロロスチレ
ン、ブロムスチレンのようなハロゲン化スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレンのようなアルキル置換
スチレンなどが挙げられる。これらの中でも特にスチレ
ンが好ましい。なお、上記単量体も二種類以上併用して
も良い。
【0027】ラジカル重合可能な二重結合を分子内に少
なくとも2個有する単量体とは、先述の単量体と共重合
可能で共役ジエンを除くものであり、先に述べた単量体
の中から選べば良い。
【0028】スチレン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子
共に、これらの構成成分を懸濁重合法、ミクロ懸濁重合
法、乳化重合法、分散重合法等の方法により重合し、目
的の粒子を得る。
【0029】架橋シロキサン系樹脂とは、一般的にシリ
コーンゴム、シリコーンレジンと呼称されるものであ
り、常温で固体状のものを指す。シロキサン系の重合体
は主にクロロシランの加水分解と縮合によって製造され
る。例えば、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジク
ロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、メチルト
リクロロシラン、フェニルトリクロロシランに代表され
るクロロシラン類を加水分解と縮合する事により、(架
橋)シロキサン系重合体を得ることができる。さらに、
これらの(架橋)シロキサン系重合体を過酸化ベンゾイ
ル、過酸化−2、4−ジクロルベンゾイル、過酸化−p
−クロルベンゾイル、過酸化ジキュミル、過酸化ジ−t
−ブチル、2、5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサンのごとき過酸化物により架橋させ
たり、ポリシロキサン化合物の末端にシラノール基を導
入し、アルコキシシラン類と縮合架橋させたりする事に
よっても製造することができる。この中でも、珪素原子
1個あたりに有機基が2〜3個結合した架橋シロキサン
系重合体が好ましい。
【0030】架橋シロキサン系樹脂を粒子状とするに
は、前記架橋重合体を機械的に微粉砕する方法、特開昭
59-68333号公報に記載のごとく特定の線状オルガノシロ
キサンブロックを含有する硬化性重合体または硬化性重
合体組成物を噴霧状態で硬化させて球状粒子を得る方法
や、特開昭60-13813号公報に記載のごとく特定のアルキ
ルトリアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物
を、アンモニアまたはアミン類の水溶液中で加水分解・
縮合させて球状粒子とする方法等が利用できる。
【0031】本発明の不溶樹脂粒子の屈折率は、基材の
メタクリル酸メチル系樹脂との屈折率の差の絶対値が
0.02〜0.13である。0.02未満であるとある
程度の光拡散性を付与させるには多量の粒子添加が必要
となり好ましくなく、0.13を超えると透過率の高い
材料を作成する際に隠蔽性が悪くなる。
【0032】スチレン系重合体の屈折率は、該スチレン
系重合体の構成成分によって変化するが、1.53〜
1.61程度である。一般的にフェニル基を有する単量
体が多い程、またハロゲン化された単量体が多く含まれ
る程、屈折率が上がる傾向がある。この中から基材のメ
タクリル酸メチル系樹脂の屈折率との差が適切なものを
選択する。
【0033】アクリル系重合体の屈折率は、該アクリル
系重合体の構成成分によって変化するが、1.46〜
1.55程度である。これも一般的にフェニル基を有す
る単量体が多い程、またハロゲン化された単量体が多く
含まれる程、屈折率が上がる傾向がある。この中から基
材のメタクリル酸メチル系樹脂の屈折率との差が適切な
ものを選択する。
【0034】架橋シロキサン系重合体の屈折率は、該シ
ロキサン系重合体の構成成分によって変化するが、1.
40〜1.47程度である。一般的に該シロキサン系重
合体中にフェニル基が多く入る程、また珪素原子に直結
した有機基が多くなる程、屈折率が上がる傾向がある。
この中から、基材のメタクリル酸メチル系樹脂の屈折率
との差が適切なものを選択する。
【0035】本発明における不溶樹脂粒子(a)の粒子
径は、重量平均で1.5〜15μmである。1.5μm
未満であると隠蔽性が悪くなり、15μmを超えるとあ
る程度の光拡散性を付与させる場合、必要含有量が増加
するために好ましくない。
【0036】本発明の光拡散性メタクリル酸メチル系樹
脂組成物は、比較的低温で二次延伸成形しても白化を抑
制することが出来るのに加えて、成形品の偏肉も抑制で
きるために成形品全体における光の拡散透過特性を高い
レベルで保持することが可能である。この中で延伸成形
における白化現象は、不溶樹脂粒子(a)の特性に大き
く左右される。
【0037】従来より二次延伸成形は熱風炉や電熱ヒー
ターを使用して材料を160〜180℃に加熱した後、
比較的ゆるやかに成形、冷却して行われていたが、最近
は高性能遠赤加熱ヒーターで短時間加熱し、精密な高延
伸成形を瞬時に行い、急冷却するという具合に変わりつ
つある。また成形サイクルの更なる短縮のために、低延
伸倍率の成形では加熱時間を短くして比較的低温(14
0〜160℃)で成形する場合もある。
【0038】このような比較的条件の厳しい成形で材料
の白化を抑えるためには、基材に分散させる光拡散性の
不溶樹脂粒子(a)も二次成形に耐えられるような特性
を持ったものを使用する。
【0039】つまり本発明の不溶樹脂粒子(a)は、示
差走査熱量測定方法(DSC)により得られたDSC曲
線の階段状変化における補外ガラス転移開始温度(Ti
g)、補外ガラス転移終了温度(Teg)と該メタクリル
酸メチル系樹脂の荷重たわみ温度(Th)との関係が、下
記[数5]及び[数6]式を満足しなければならない。
なお示差走査熱量測定方法はJIS K7122 に準拠して10℃
/minの昇温速度で測定し、荷重たわみ温度はJIS K7207
に準拠して測定する。
【0040】
【数5】Teg<Th +40(℃)
【0041】[数5]は該粒子の補外ガラス転移終了温
度(Teg)を規定しており、これがTh +40℃以上に
なると二次加熱延伸の際に粒子が完全に変形に追随でき
ずに粒子と基材樹脂との間にボイドが発生してしまい、
白化現象を引き起こす。
【0042】
【数6】 Tig<Th (℃)またはTeg−Tig<15(℃)
【0043】[数6]は該粒子の補外ガラス転移開始温
度(Tig)を規定しており、これが基材樹脂の荷重たわ
み温度以上であると、二次延伸成形時の基材樹脂は軟ら
かいが、分散している粒子は硬い部分が存在しているた
め、これも白化を起こす傾向にある。しかしながら、た
とえTigがTh 以上であっても、該粒子のガラス転移領
域が15℃未満と狭い場合に関しては、特定温度領域で
粒子全体が均一に変形するため、応力が分散しボイドの
発生が抑制される傾向となる。
【0044】一般的に粒子を構成する際の多官能単量体
の量が多くなるほどTigは低くなり、Tegは高くなる傾
向があるが、主成分となる単官能単量体との相性や樹脂
粒子重合方法によっても微妙に差がでてくるので、幾度
かの試行を重ねて最適な条件を設定する。また、可塑剤
を粒子内に混在させてTig、Tegを調節することも可能
である。
【0045】これらの条件を満たした不溶樹脂粒子
(a)を光拡散剤として使用すれば、幅広い成形条件範
囲で白化を抑制した成形品を得ることが出来る。
【0046】これらの不溶樹脂粒子(a)をメタクリル
酸メチル系樹脂に0.1〜10重量部分散させる。0.
1重量部未満であると光拡散性が充分でなく、10重量
部を超えると組成物が脆くなる傾向がある。なお樹脂粒
子は1種だけでなく、条件を満たす材料であれば2種以
上混合して分散させても何ら問題はない。
【0047】またシート状物とした場合は、シート厚み
を0.8〜5mmとし、該不溶樹脂粒子(a)を6g/
2 〜60g/m2 好ましくは10g/m2 〜40g/
2分散させることにより光拡散性の樹脂板とする。6
g/m2 以下だと光拡散性が充分でなく、60g/m2
以上だと光透過性が低下する。分散のさせ方について
は、基材樹脂の厚み方向に均一に分散させても、表層や
中央に局部的に偏在させても良い。
【0048】本発明におけるメタクリル酸メチル系不溶
樹脂粒子(b)とは、該樹脂粒子を分散している基材の
メタクリル酸メチル系樹脂に、押出成形や射出成形の際
にも溶け出さないメタクリル酸メチル系樹脂粒子であ
る。具体的には架橋又は高分子量のメタクリル酸メチル
系樹脂粒子のことを指す。架橋及び高分子量の定義は前
述の不溶樹脂粒子(a)と同じである。
【0049】またメタクリル酸メチル系樹脂粒子とは、
(1)メタクリル酸メチルを重合して得られる高分子量
の樹脂粒子、またはメタクリル酸メチルを50重量%以
上、好ましくは80重量%以上含み、ラジカル重合可能
な二重結合を分子内に1個有する単量体を重合して得ら
れる高分子量の樹脂粒子、(2)メタクリル酸メチルと
ラジカル重合可能な二重結合を分子内に少なくとも2個
有する単量体を重合して得られる架橋樹脂粒子、または
メタクリル酸メチルを50重量%以上含み、ラジカル重
合可能な二重結合を分子内に1個有する単量体とラジカ
ル重合可能な二重結合を分子内に少なくとも2個有する
単量体を重合して得られる架橋樹脂粒子である。
【0050】ここで言うラジカル重合可能な二重結合を
分子内に1個有する単量体とは、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フ
ェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸、アクリル酸、スチレン、クロロスチレン、ブロムス
チレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等があ
る。これらの単量体は二種以上併用しても良い。
【0051】ラジカル重合可能な二重結合を分子内に少
なくとも2個有する単量体とは、先述の単量体と共重合
可能で共役ジエンを除くものであり、先に述べた単量体
の中から選ばれる。メタクリル酸メチル系樹脂粒子
(b)については、先述の組成内であれば特に問題はな
いが、可能な限り基材樹脂となるメタクリル酸メチル系
樹脂の組成に近い方が好ましい。具体的には、基材樹脂
を構成するメタクリル酸メチル単量体単位の構成比率と
樹脂粒子(b)を構成するメタクリル酸メチル系単量体
単位の構成比率の相互の差が30%を超えないことが望
ましい。相互の差が30%を超えた場合、二次延伸成形
時の偏肉抑制効果が発現しにくくなる場合がある。
【0052】メタクリル酸メチル系樹脂粒子は、これら
の構成成分を懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法等の方法に
より重合し、目的の粒子を得る。
【0053】本発明におけるメタクリル酸メチル不溶樹
脂粒子(b)の粒子径は、重量平均で20〜50μmで
ある。20μm未満であると成形品表面の光沢が上が
り、艶っぽくなる傾向があり、50μmを超えると材料
の耐衝撃強度を低下させてしまう。
【0054】本発明の光拡散性メタクリル酸メチル系樹
脂組成物における特性の中の成形時の偏肉抑制効果は、
不溶樹脂粒子(b)によるものである。
【0055】基材樹脂中に不溶樹脂粒子(b)を所定量
混在させると、該材料を熱延伸する際に不溶樹脂粒子
(b)が周辺の基材樹脂と共に移動・延伸されるため
に、不溶樹脂粒子(b)を添加しない時に較べて、高延
伸部分の肉厚が大きくなり、また低延伸部分の肉厚が小
さくなる。
【0056】該不溶樹脂粒子(b)は基材のメタクリル
酸メチル系樹脂に3〜15重量部分散させる。3重量部
未満であると偏肉抑制効果が充分でなく、15重量部を
超えると組成物が脆くなる傾向がある。なお樹脂粒子は
1種だけでなく、条件を満たす材料であれば2種以上混
合して分散させても何ら問題はない。
【0057】本発明における光拡散性メタクリル酸メチ
ル系樹脂シート状物とは、いわゆるシート、板と称され
るものである。また、樹脂板の形状は、厚みの均一なも
のでも、厚みに分布があるものでも、湾曲していても構
わない。
【0058】基材のメタクリル酸メチル系樹脂にこれら
の樹脂粒子を含ませて組成物とするには、周知の熱可塑
性樹脂の混合、組成物とする方法を用いることができ
る。例えば、各成分を溶融混練する方法があり、該溶融
混練は、一般的に使用されている一軸または二軸の押出
機、各種のニーダー等の混練装置を用いる方法がある。
また、後述の成形方法を用いて一段で成形品とすること
も可能である。さらに該樹脂粒子を該メタクリル酸メチ
ル系樹脂を構成する単量体及びその部分重合体を含むシ
ロップに混合して、キャスト重合、連続キャスト重合さ
せてシート状物とする方法も挙げられる。
【0059】さらに該光拡散性メタクリル酸メチル系樹
脂組成物を成形品とするには、一軸、二軸の押出機等で
溶融混練した後、Tダイ、ロールユニットを介して板状
に加工したり、異形押出のごとく特殊ダイを使用して特
定の形状の成形品に加工したり、射出成形やプレス成形
により板状または複雑な形状の成形品とする周知の方法
が挙げられる。
【0060】また、本発明の光拡散性メタクリル酸メチ
ル系樹脂組成物に、染料、光安定剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤等周知の添加剤
を添加しても特に問題は無い。
【0061】
【発明の効果】本発明の光拡散性メタクリル酸メチル系
樹脂組成物は、二次加熱延伸成形を行っても、材料が白
化しにくい上に偏肉も少ないために、成形品全体が均一
で高水準の光透過拡散性能を有している。従って該樹脂
組成物は、成形条件の厳しい照明カバーや照明看板の他
にも、透過型ディスプレイの光拡散板、発光式スイッチ
ボタンなどの各種成形品等に好適に用いることができ
る。
【0062】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例によってなんら制限され
るものではない。なお、評価方法は次の通りである。 (1)重量平均粒子径:光回折散乱粒径測定機(日機装
(株)製、マイクロトラック粒度分析計Model 9220 FR
A)で測定し、D50の値を平均粒子径とした。 (2)示差走査熱量測定:JIS K7122 に準拠して(株)
第二精工舎製、サーマルコントローラーSSC/580 及び示
差走査熱量計DSC-10により測定した。 (3)全光線透過率(Tt):ASTM D1003-61 に準拠し
て、ポイック積分球式ヘイズメーター(日本精密光学製
SEP-HS-30D)により測定した。 (4)荷重たわみ温度(Th):JIS K7207 に準拠して測
定した。 (5)加熱延伸成形:30cm×20cmの押出板を、両面より
遠赤パネルヒーターで表面温度を130 ℃及び170 ℃に加
熱し、突上げ成形機(大阪板機製作所製TF-300型、突上
げ面積10cm×5cm 、突上げ高さ10cm)を用いて成形品を
得た。 (6)板厚測定:130 ℃において成形を行った突上げ成
形品の図1に示す測定箇所「0」、「1」〜「8」にお
ける板厚を超音波厚み計(PANAMETRICS社製 ULTRASONICG
AGE MODEL5222) で測定した。「0」は頂部の中央、
「1」〜「8」は成形品側面の中央頂部より1cmづつ
裾に下ろした点である。 (7)成形品の全光線透過率:130 ℃及び170 ℃におい
て成形を行った突上げ成形品の図1に示す側面の測定箇
所「0」および「2」のところを切り出して、全光線透
過率の測定を行った。 (8)材料の白化:上記(7)の成形品(130 ℃)の測
定箇所「2」の全光線透過率 から、成形前の原板の全
光線透過率を減じた値、及び成形品の目視での白化につ
いて確認を行った。 (9)成形品の全光線透過率差:上記(7)の成形品
(130 ℃)の測定箇所「2」の全光線透過率から、測定
箇所「0」の全光線透過率を減じた値を成形品の全光線
透過率差とした。
【0063】実施例で使用した押出装置は以下の通りで
ある。 ・押出機:スクリュー径40mm、一軸、田辺プラスチ
ック(株)製 ・Tダイ:幅200mm、リップ間隔5mm ・ロール:ポリシングロール3本、縦型
【0064】参考例1 (ゴム状重合体の製造)特公昭55-27576号公報の実施例
に記載の方法に準拠して、ゴム状重合体として3層構造
からなるアクリル系多層構造重合体を製造した。内容積
5Lのガラス容器に、イオン交換水1700g、炭酸ナ
トリウム0.7g、過硫酸ナトリウム0.3gを仕込
み、窒素気流下で攪拌後、界面活性剤(ペレックスOT
−P (株)花王製)4.46g、イオン交換水150
g、メチルメタクリレート150g、アリルメタクリレ
ート0.3gの混合物を仕込んだ後、75℃に昇温し、
150分間攪拌を続けた。続いてブチルアクリレート6
89g、スチレン162g、アリルメタクリレート17
gの混合物と過硫酸ナトリウム0.85g、界面活性剤
(ペレックスOT−P (株)花王製)7.4gとイオ
ン交換水50gの混合物を別の入口から90分間にわた
り添加し、さらに90分間重合を続けた。重合を完了
後、さらにメチルアクリレート326g、エチルアクリ
レート14gの混合物と過硫酸ナトリウム0.34gを
溶解させたイオン交換水30gを別々の口から30分間
にわたって添加した。添加終了後さらに60分間保持し
重合を完了した。得られたラテックスを0.5重量%塩
化アルミニウム水溶液に投入して重合体を凝集させた。
これを分離し、温水にて5回洗浄後、乾燥してアクリル
系多層構造重合体を得た。
【0065】参考例2 (不溶樹脂粒子(a)の製造)内容積2Lのガラス容器
に、イオン交換水1000g、ラウリル硫酸ナトリウム
0.32gを仕込み,続いてスチレン、ジビニルベンゼ
ン、1.6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレートを表1に示す量、ラウ
ロイルパーオキサイド4g、ソルビタントリステアレー
ト2gを仕込み、その液をホモミキサー(特殊機化工業
(株)T ・ K HOMOMIXER )により8000rpmで30
分間撹拌して均質化し、続いて加熱昇温して、65℃で
6時間保持して重合を行い、その後90℃で1時間熱処
理を行った。熱処理後、乾燥し、架橋スチレン系の粒子
を得た。得られた粒子を風力分級機(日清エンジニアリ
ング(株)製TC-15N)により分級し、表1に示す粒子径
の粒子を得た。
【0066】
【表1】 EGDMA :エチレングリコールジメタクリレート 1,6−HD:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
【0067】参考例3 (不溶樹脂粒子(b)の製造)内容積2Lのガラス容器
に、イオン交換水1200g、ポリメタクリル酸ナトリ
ウム(和光純薬製:Mw=700万)0.4g及びポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンエーテル(旭電化製:プ
ルロニックF68)1.2g、燐酸水素2ナトリウム
1.2gを仕込んだ後、メタクリル酸メチル380g、
アクリル酸メチル17g、エチレングリコールジメタク
リレート2g、ラウロイルパーオキサイド0.8g、n-
ドデシルメルカプタン1.5gからなる単量体混合物を
仕込んだ。800rpmで撹拌しながら、75℃で2時
間、重合率が12〜100%までの間に、0.4gのポ
リメタクリル酸ナトリウムを連続添加した。重合後、洗
浄、脱水、乾燥、風力分級を行い、重量平均粒子径30
μmの粒子を得た。
【0068】実施例1、比較例1 メタクリル酸メチル系樹脂として、メタクリル酸メチル
(94重量%)とアクリル酸メチル(6重量%)の単量
体混合物を懸濁重合して得た共重合体のビーズ(屈折率
1.49、Th=100 ℃)90重量%と、参考例1で製造した
多層弾性体10重量%を混合したもの100重量部に、
不溶樹脂粒子(a)として球状架橋シロキサン系樹脂粒
子(E-500 、東レダウコーニングシリコーン(株)製、
平均粒子径2.5 μm、屈折率1.42、Tig=−69℃、Teg
=−55℃)及び同じく球状架橋シロキサン系樹脂粒子
(トスパール130 、東芝シリコーン(株)製、平均粒子径3
μm、屈折率1.43、Tig、Teg=なし)、メタクリル酸
メチル系不溶樹脂粒子(b)として参考例3で製造した
粒子を表2に示す量とをヘンシェルミキサーで混合した
後、押出機で樹脂温度265℃で、2mm厚、巾20c
mのシートを作成後、延伸成形を行った。評価結果を表
3(板厚)、表4(全光線透過率及び白化)に示す。
【0069】実施例2〜5、比較例2〜4 実施例1と同じメタクリル酸メチル系樹脂と、不溶樹脂
粒子(a)として参考例2で製造した重合体粒子、メタ
クリル酸メチル系不溶樹脂粒子(b)として参考例3で
製造した粒子を表2に示す量とをヘンシェルミキサーで
混合した後、押出機で樹脂温度265℃で、2mm厚、
巾19cmのシートを作製後、延伸成形を行った。評価
結果を表3(板厚)、表4(全光線透過率及び白化)に
示す。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】 *:測定箇所 #:成形品(130℃) の測定箇所「2」のTtから、成形前の原板のTtを 減じた値 ※:成形品(130 ℃)の測定箇所「2」のTtと測定箇所「0」のTtを 減じた値
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における突上げ成形品の外観および板厚
測定箇所を示す図である。
【符号の説明】
0、1、2、3、4、5、6、7、8 ; 板厚測定箇
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83:04 33:12)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタクリル酸メチル系樹脂100重量部
    に、下記(1)〜(3)を満足する不溶樹脂粒子(a)
    0.1〜10重量部、及び重量平均粒子径が20〜50
    μmであるメタクリル酸メチル系不溶樹脂粒子(b)3
    〜15重量部を分散していることを特徴とする光拡散性
    メタクリル酸メチル系樹脂組成物。 (1)該メタクリル酸メチル系樹脂との屈折率の差の絶
    対値が0.02〜0.13である (2)重量平均粒子径が1.5〜15μmである (3)示差走査熱量測定(DSC)により得られたDS
    C曲線の階段状変化における補外ガラス転移開始温度
    (Tig)、補外ガラス転移終了温度(Teg)と該メタク
    リル酸メチル系樹脂の荷重たわみ温度(Th)との関係
    が、下記[数1]及び[数2]式を満足する 【数1】Teg<Th +40(℃) 【数2】 Tig<Th (℃)またはTeg−Tig<15(℃)
  2. 【請求項2】基材であるメタクリル酸メチル系樹脂を構
    成する成分の3〜30重量%がゴム状重合体である請求
    項1記載の光拡散性メタクリル酸メチル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】不溶樹脂粒子(a)が架橋スチレン系樹脂
    粒子である請求項1記載の光拡散性メタクリル酸メチル
    系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】不溶樹脂粒子(a)が架橋シロキサン系樹
    脂粒子である請求項1記載の光拡散性メタクリル酸メチ
    ル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1、請求項2、請求項3又は請求項
    4記載の光拡散性メタクリル酸メチル系樹脂組成物から
    なり、厚みが0.8〜5mmで不溶樹脂粒子(a)を1
    0〜200g/m2 分散していることを特徴とする光拡
    散性メタクリル酸メチル系樹脂シート状物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007099837A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Sekisui Chem Co Ltd 樹脂微粒子及び表示装置用アクリル樹脂フィルム
JP2008075065A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Lg Chem Ltd 機械的物性に優れた光拡散性樹脂組成物
JP2009110842A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Sumitomo Chemical Co Ltd ボタンスイッチ被覆用積層樹脂体
KR20140147225A (ko) * 2013-06-19 2014-12-30 주식회사 엘지화학 광확산 조성물 및 이를 포함하는 광확산 수지 조성물
JPWO2017141873A1 (ja) * 2016-02-15 2018-12-06 株式会社クラレ 熱可塑性樹脂フィルムとその製造方法、および積層体

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