JPH10176053A - フェノール縮合物の製造方法 - Google Patents

フェノール縮合物の製造方法

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JPH10176053A
JPH10176053A JP34019496A JP34019496A JPH10176053A JP H10176053 A JPH10176053 A JP H10176053A JP 34019496 A JP34019496 A JP 34019496A JP 34019496 A JP34019496 A JP 34019496A JP H10176053 A JPH10176053 A JP H10176053A
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phenol
hydrocarbon group
transition metal
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JP34019496A
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Hideyuki Higashimura
秀之 東村
Masaaki Kubota
雅明 窪田
Atsushi Terahara
淳 寺原
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遷移金属錯体触媒を用いてフェノールを酸素酸
化カップリングする際に、反応を阻害することなく、フ
ェノール縮合物中のカルボニル基の量及びフェノールか
ら生成するカルボニル化合物の生成を低減したフェノー
ル縮合物の製造方法を提供する。 【解決手段】第4〜11族遷移金属錯体触媒を用いて、
フェノールを酸素酸化カップリングする際に、反応溶媒
として20〜25℃における比誘電率が4.5以下であ
る有機化合物を用いるフェノール縮合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェノール縮合物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無置換のフェノールを酸化剤で酸化カッ
プリングする方法としては、酸化剤に酸化能を有する遷
移金属錯体を当量用いる方法が知られており、例えばJ.
Org.Chem.,34(8),2388 (1969) およびInorg.Chem.,5
(5),801 (1966) には、C−Cカップリング二量化によ
るフェノール縮合物の製造において四塩化バナジウムお
よび四塩化オキソモリブデンの遷移金属錯体酸化剤を当
量用いる方法が記載されている。しかし、酸化剤として
遷移金属錯体を当量用いる方法は、酸化剤が高価であ
り、反応後に当量生成する遷移金属錯体を除去しなけれ
ばならないことなどが問題であった。
【0003】一方、フェノール類の酸化カップリング重
合によるフェノール縮合物の製造において、遷移金属錯
体触媒存在下に酸化剤として安価な酸素を用いる方法
は、酸化剤から反応後に生じるのは水であり、大量生産
に優れた方法である。無置換のフェノールの酸素酸化重
合としては、特公昭36−18692号公報、工業化学
雑誌, 72巻, 10号,106 (1969) および特公昭48−17
395号公報には第一銅塩とピリジン類からなる触媒を
用いる方法が記載されている。
【0004】しかし、反応溶媒として、特公昭36−1
8692号公報記載の1,1,2,2−テトラクロロエ
タンや、工業化学雑誌, 72巻, 10号,106 (1969) ではニ
トロベンゼンを用いる酸素酸化重合の場合には、フェノ
ール重合体中に副反応で生じたと考えられるカルボニル
基の量が多くなるという問題があった。また、特公昭4
8−17395号公報記載の、反応溶媒に脂肪族ニトリ
ル(例えばブチロニトリル)を用いる方法では、重合反
応、特に低温での重合反応を著しく阻害していた。
【0005】さらに、J.Org.Chem.,34(2),273 (1969)に
は、クロロホルム溶媒中でコバルト/シッフ塩基錯体を
触媒としてフェノールを酸素酸化すると、26%のベン
ゾキノンと11%の重合体が得られるとの記載があり、カ
ルボニル化合物(ベンゾキシン)が主生成物となってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、遷移金
属錯体触媒を用いてフェノールを酸素酸化カップリング
する際に、反応を阻害することなく、フェノール縮合物
中のカルボニル基の量及びフェノールから生成するカル
ボニル化合物の生成を低減したフェノール縮合物の製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような状況下にあっ
て、本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を行っ
た結果、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、第
4〜11族遷移金属錯体触媒を用いて、フェノールを酸
素酸化カップリングする際に、反応溶媒として20〜2
5℃における比誘電率が4.5以下である有機化合物を
用いるフェノール縮合物の製造方法に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。 (1)遷移金属錯体触媒 本発明で使用する遷移金属錯体触媒における遷移金属
は、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版
1989)の第4〜11族の遷移金属である。好ましく
は、第一遷移元素系列の遷移金属であり、さらに好まし
くはバナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅である。特に好ましくはコバルトまたは銅であり、最
も好ましくは銅である。該遷移金属の価数は、自然界に
通常存するものを適宜選択して使用することができ、例
えばコバルトの場合は2価または3価、また銅の場合は
1価または2価等を用いることができる。
【0009】本発明の遷移金属錯体触媒として、好まし
くは、銅化合物と、配位原子が窒素原子である単座配位
子化合物とからなる触媒を挙げることができる。
【0010】かかる銅化合物として特に限定はないが、
銅塩が好ましい。具体的には、銅のハロゲン化物、硫酸
塩、酢酸塩、安息香酸塩等が代表例であり、銅のハロゲ
ン化物が好ましい。かかるハロゲンとしては塩素、臭
素、ヨウ素等が例示できるが、塩素、臭素が好ましい。
銅の価数は、自然界に通常存するものを適宜選択して使
用することができ、例えば1価または2価の銅を用いる
ことができる。銅化合物として最も好ましくは1価の銅
の塩化物、臭化物が挙げられる。
【0011】単座配位子化合物は、配位原子が窒素原子
である単座配位子化合物である。本発明において配位子
とは、化学大辞典(第1版、東京化学同人、1989
年)に記載の通り、ある原子に配位結合で結合している
分子またはイオンを指す。結合に直接かかわっている原
子を配位原子という。単座配位子は配位原子数が1個の
配位子である。
【0012】該単座配位子化合物の具体例としては、例
えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、ブチルジメチルアミン、ブチルジエチルアミ
ン、ブチルジプロピルアミン、及び下記一般式(I)で
表される化合物を挙げることができ、好ましくは下記一
般式(I)で表される化合物である。 (ただし、R1 は炭化水素基または置換炭化水素基を表
し、R2 は炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキ
シ基、置換炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、置換炭
化水素チオ基、置換アミノ基を表し、R3 は水素原子、
炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子を表す
が、R1 の窒素原子に結合した炭素原子がC−H結合を
有する場合はR3 は水素原子ではなく、R1 とR2 、R
2 とR3 が環を形成してもよい。)
【0013】上記一般式(I)における炭化水素基とし
ては炭素原子数1〜20のアルキル基及びアリール基が
好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブ
チル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0014】上記一般式(I)における置換炭化水素基
は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で
置換された炭化水素基であり、具体例としては、トリフ
ルオロメチル基、2−t−ブチルオキシメチル基、3−
ジフェニルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0015】上記一般式(I)における炭化水素オキシ
基としては炭素原子数1〜20のアルコキシ基及びアリ
ールオキシ基が好ましく、具体的にはメトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ
基、オクチルオキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等
が挙げられる。
【0016】上記一般式(I)における置換炭化水素オ
キシ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ
基等で置換された炭化水素オキシ基であり、具体例とし
ては、トリフルオロメトキシ基、2−t−ブチルオキシ
エトキシ基、3−ジフェニルアミノプロポキシ基等が挙
げられる。
【0017】上記一般式(I)における炭化水素チオ基
としては炭素原子数1〜20のアルキルチオ基及びアリ
ールチオ基が好ましく、具体的にはメチルチオ基、エチ
ルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ヘキシルチ
オ基、オクチルチオ基、フェニルチオ基、ナフチルチオ
基等が挙げられる。
【0018】上記一般式(I)における置換炭化水素チ
オ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基
等で置換された炭化水素チオ基であり、具体例として
は、トリフルオロメチルチオ基、2−t−ブチルオキシ
エチルチオ基、3−ジフェニルアミノプロピルチオ基等
が挙げられる。
【0019】上記一般式(I)における置換アミノ基と
しては炭素原子数1〜20の置換アミノ基が好ましく、
具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピ
ルアミノ基、ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフ
チルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチル
アミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミ
ノ基、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等が挙
げられる。
【0020】上記一般式(I)におけるハロゲン原子と
して好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であ
り、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0021】上記一般式(I)においては、配位原子N
の近隣に、炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン
原子を表すR3 という嵩高い置換基を有し、あるいはR
3 が水素原子の場合は配位原子Nに結合した炭素原子が
C−H結合を有しないR1 という嵩高い置換基を有す
る。
【0022】上記一般式(I)において好ましくは、R
1 の窒素原子に結合した炭素原子がC−H結合を有さ
ず、さらにR3 が水素原子ではない。また、R1 とR2
が環を形成している化合物が入手しやすく、好ましい。
【0023】上記一般式(I)で表される化合物の具体
例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミ
ダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−iso
−プロピルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、
3−メチルイミダゾール、5−メチルイミダゾール、
2,5−ジメチルイミダゾール、2−メチルベンズイミ
ダゾール、2−エチルベンズイミダゾール、2−n−プ
ロピルベンズイミダゾール、2−メチルオキサゾール、
2−エチルオキサゾール、2−n−プロピルオキサゾー
ル、2−iso−プロピルオキサゾール、2−フェニル
オキサゾール、5−メチルオキサゾール、2,5−ジメ
チルオキサゾール、2−メチルベンズオキサゾール、2
−エチルベンズオキサゾール、2−n−プロピルベンズ
オキサゾール、2−メチルチアゾール、2−エチルチア
ゾール、2−n−プロピルチアゾール、2−iso−プ
ロピルチアゾール、2−フェニルチアゾール、5−メチ
ルチアゾール、2,5−ジメチルチアゾール、2−メチ
ルベンズチアサゾール、2−エチルベンズチアゾール、
2−n−プロピルベンズチアゾール、及び下記一般式
(II)で表される化合物が挙げられ、下記一般式(II)
で表されるピリジン透導体が好ましい。 (ただし、R4 およびR8 はそれぞれ独立に水素原子、
炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子を表す
が、両方が水素原子である場合を除き、R5 〜R 7 はそ
れぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、
炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミ
ノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R5 〜R7
は任意の組合せで環を形成してもよい。)
【0024】上記一般式(II)における炭化水素基、置
換炭化水素基、ハロゲン原子、炭化水素オキシ基、置換
炭化水素オキシ基、二置換アミノ基は、前記一般式
(I)についてしたと同様に例示できる。
【0025】上記一般式(II)において、R4 およびR
8 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水
素基またはハロゲン原子を表すが、両方が水素原子であ
る場合を除く。
【0026】上記一般式(II)において、R5 〜R7
それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素
基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換
アミノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R5
7 は任意の組合せで環を形成してもよい。好ましく
は、R5 〜R7 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素
基、置換炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子
である。
【0027】上記一般式(II)で表される化合物の具体
例としては、2−メチルピリジン、2−エチルピリジ
ン、2−n−プロピルピリジン、2−iso−プロピル
ピリジン、2−フェニルピリジン、2,6−ジメチルピ
リジン、2,6−ジエチルピリジン、2,6−ジ−n−
プロピルピリジン、2−メチル−6−iso−プロピル
ピリジン、2−メチル−6−フェニルピリジン、2−メ
チルキノリン、2−エチルキノリン、2−n- プロピル
キノリン等が挙げられる。
【0028】これらのなかでは、2位及び/又は6位が
炭化水素基又は置換炭化水素基で置換されたピリジンが
好ましく、さらに好ましくは2,6−ジ−n−アルキル
ピリジン、2,6−ジ−iso−アルキルピリジンであ
り、特に好ましくは2,6−ジメチルピリジンである。
【0029】このような銅化合物と単座配位子化合物と
からなる触媒において、該銅化合物と該単座配位子化合
物のモル比は、(該配位子化合物)/(該銅化合物)=
0.01〜4が好ましい。好ましくは0.05〜3であ
り、より好ましくは0.1〜2である。
【0030】本発明においては、該触媒を単独でまたは
混合して使用することができる。本発明においては、該
触媒は任意の量で用いることができるが、一般的にはフ
ェノールに対する遷移金属化合物の量として0.01〜
50モル%が好ましく、0.02〜10モル%がより好
ましい。
【0031】(2)溶媒 本発明の特徴は、溶媒として20〜25℃における比誘
電率が4.5以下である有機化合物を用いることにあ
る。溶媒として20〜25℃における比誘電率が4.5
を越える有機化合物を用いると、重合反応を阻害した
り、フェノール縮合物中のカルボニル基の量及びフェノ
ールから生成するカルボニル化合物が多くなり、好まし
くない。例えば、20〜25℃における比誘電率につい
て、1,1,2,2−テトラクロロエタンは8.2であ
り、ニトロベンゼンは35.7であり、ブチロニトリル
は20.3であり、クロロホルムは4.8であり、好ま
しくない。
【0032】該溶媒の具体例としては、日本化学会編丸
善社「改訂4版化学便覧−基礎編」, II−498の表1
3・19(20〜25℃における比誘電率)に記載のご
とく、トルエン(2.4)、o−、m−またはp−キシ
レン(2.3〜2.6)、アニソール(4.3)、ベン
ゼン(2.3)、1,4−ジオキサン(2.1)等が挙
げられる。好ましい溶媒は、20〜25℃における比誘
電率が4以下の有機化合物であり、さらに好ましい溶媒
は、20〜25℃における比誘電率が3.5以下の有機
化合物である。溶媒としては芳香族化合物であること
が、特に好ましい。
【0033】該溶媒は任意の量で用いることができる
が、一般的にはフェノールの濃度が好ましくは0.5〜
50重量%、より好ましくは1〜30重量%になるよう
な割合で使用される。
【0034】(3)酸化カップリング 本発明において、酸化剤は酸素を使用する。酸素は不活
性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。酸素
の使用量に特に限定はなく、フェノールに対して通常、
当量以上大過剰に使用する。
【0035】本発明を実施する反応温度は、反応媒体が
液状を保つ範囲であれば特に制限はない。好ましい温度
範囲は0℃〜80℃であり、より好ましくは0℃〜60
℃である。
【0036】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。
【0037】重合体のゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー分析(GPC):ポンプとしてウォーターズ社
製600Eシステム、検出器としてウォーターズ社製U
V/VIS−484、検出波長として254nm、カラ
ムとしてウォーターズ社製Ultrastyragel
Linear=2本+1000A=1本+100A=
1本、展開溶媒としてクロロホルムを用いて分析した。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は標準
ポリスチレン換算値として求めた。
【0038】重合体のカルボニル基量分析:まず重合体
3.0mgをN,N−ジメチルホルムアミド3.0gに
溶解させた(反応前)。この溶液1.0gにo−アミノ
フェノール1.5mgを加えて溶解させ、10mlスク
リュウー管中で50℃に8時間保温し、重合体中のカル
ボニル基とo−アミノフェノールを反応させた(反応
後)。反応前および反応後のサンプルを、GPCで注入
量を同じにして、294nmで検出することにより分析
した。分子量約500以上の高分子量部分のピーク面積
について、△Abs.294nm=((反応後サンプル
の面積)−(反応前サンプルの面積))/(反応前サン
プルの面積)とし、△Abs.294nmを重合体のカ
ルボニル基の量の目安とした。
【0039】実施例1 酸素ガス吹込み管、リービッヒ冷却管および電磁撹拌機
を備えた100ml三つ口丸底フラスコに、塩化第一銅
1.5mmol、2,6−ジメチルピリジン1.5mm
olおよびトルエン25mlを加え、次いでフェノール
30mmolおよびトルエン25mlを加えた。酸素ガ
スを内容溶液に吹込みながら、攪拌下、フラスコを60
℃のウォーターバスで保温し、8時間まで反応させた。
反応終了後、濃塩酸を加えて酸性にし、メタノール30
0mlに加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノール
50mlで3回洗浄し、100℃で5時間減圧乾燥した
後、重合体を得た。結果を表1に示す。また、o−アミ
ノフェノールとの反応前および反応後のGPCチャート
を図1および図2に示す。
【0040】比較例1 溶媒をニトロベンゼンに、反応時間を6時間に変えた以
外は、実施例1と同様にして、重合体を得た。結果を表
1に示す。また、o−アミノフェノールとの反応前およ
び反応後のGPCチャートを図3および図4に示す。
【0041】実施例2 電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、酸
素を充填したゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置
換した。これに、塩化第一銅0.03mmolを入れ、
フェノール0.6mmolおよび2,6−ジメチルピリ
ジン0.03mmolをジオキサン1.2gに溶解した
ものを加えた。内容物を激しく攪拌しながら、フラスコ
を60℃のウォーターバスで8時間保温した。反応終了
後、濃塩酸数滴を加えて酸性にした後、メタノール20
mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノール1
0mlで3回洗浄し、100℃で5時間減圧乾燥した
後、重合体を得た。結果を表1に示す。
【0042】比較例2および3 溶媒を表1に示すように、1,1,2,2−テトラクロ
ロエタン及びブチロニトリルに変えた以外は、実施例2
と同様に反応を行った。結果を表1に示す。なお、比較
例3では反応速度が非常に小さくなったが、これはブチ
ロニトリルが触媒錯体に配位し、重合反応を阻害したた
めと考えられる。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遷移金属錯体触媒を用いてフェノールを酸素酸化カップ
リングする際に、反応を阻害することなく、フェノール
縮合物(中でもフェノール重合体)中のカルボニル基の
量及びフェノールから生成するカルボニル化合物の生成
を低減したフェノール縮合物の製造が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の重合体のGPCチャート。
【図2】実施例1の重合体とo−アミノフェノールの反
応後のGPCチャート。
【図3】比較例1の重合体のGPCチャート。
【図4】比較例1の重合体とo−アミノフェノールの反
応後のGPCチャート。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第4〜11族遷移金属錯体触媒を用いて、
    フェノールを酸素酸化カップリングする際に、反応溶媒
    として20〜25℃における比誘電率が4.5以下であ
    る有機化合物を用いることを特徴とするフェノール縮合
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】フェノールを酸化カップリングする際の反
    応温度が0〜80℃であることを特徴とする請求項1に
    記載されたフェノール縮合物の製造方法。
  3. 【請求項3】第4〜11族遷移金属錯体が、下記一般式
    で表される配位子を有する錯体であることを特徴とする
    請求項1または2記載のフェノール縮合物の製造方法。 (ただし、R1 は炭化水素基または置換炭化水素基を表
    し、R2 は炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキ
    シ基、置換炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、置換炭
    化水素チオ基、置換アミノ基を表し、R3 は水素原子、
    炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子を表す
    が、R1 の窒素原子に結合した炭素原子がC−H結合を
    有する場合はR3 は水素原子ではなく、R1 とR2 、R
    2 とR3 が環を形成してもよい。)
  4. 【請求項4】第4〜11族遷移金属錯体が、下記一般式
    で表される配位子を有する錯体であることを特徴とする
    請求項1または2記載のフェノール縮合物の製造方法。 (ただし、R4 およびR8 はそれぞれ独立に水素原子、
    炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子を表す
    が、両方が水素原子である場合を除き、R5 〜R 7 はそ
    れぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、
    炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミ
    ノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R5 〜R7
    は任意の組合せで環を形成してもよい。)
  5. 【請求項5】第4〜11族遷移金属錯体が、2位及び/
    又は6位が炭化水素基、置換炭化水素基で置換されたピ
    リジンを配位子として有する錯体であることを特徴とす
    る請求項1または2記載のフェノール縮合物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】遷移金属錯体が、第一遷移金属系列の遷移
    金属の錯体であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載のフェノール縮合物の製造方法。
JP34019496A 1996-12-19 1996-12-19 フェノール縮合物の製造方法 Pending JPH10176053A (ja)

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JP2010536805A (ja) * 2007-08-21 2010-12-02 ザ・ホンコン・ポリテクニック・ユニバーシティ 抗癌剤としてのキノリン誘導体を製造および投与する方法
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