JPH10175970A - ベンゾチオフェン誘導体およびそれを有効成分として含有する医薬品 - Google Patents

ベンゾチオフェン誘導体およびそれを有効成分として含有する医薬品

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JPH10175970A
JPH10175970A JP33969796A JP33969796A JPH10175970A JP H10175970 A JPH10175970 A JP H10175970A JP 33969796 A JP33969796 A JP 33969796A JP 33969796 A JP33969796 A JP 33969796A JP H10175970 A JPH10175970 A JP H10175970A
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methylethoxy
benzo
methoxy
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JP33969796A
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English (en)
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Nobuyuki Fukazawa
信幸 深澤
Hidetoshi Tsunoda
角田  秀俊
Hisayoshi Ooka
久芳 大岡
Ayako Watanabe
綾子 渡邊
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞接着を強く阻害し、上記の各種病態に対
する治療および/または予防作用を有する安全性の高い
医薬として有用な化合物を提供すること。 【解決手段】 ICAM−1の発現抑制作用を有する化
合物を探索し、(1)式の化合物が、それに基づく強い
細胞接着阻害作用を有することを見いだした。すなわ
ち、一般式(1)に示される新規ベンゾチオフェン誘導
体は、細胞接着因子発現抑制作用を有し医薬として有用
であることを示している。これにより、リウマチ、腎
炎、喘息、アレルギー、皮膚炎、大腸炎、糖尿病等の自
己免疫疾患に起因する炎症、また動脈硬化、PTCA後
再狭窄、心血管障害、脳血管障害、抹消血管障害等の各
種循環器障害、癌の転移および増殖等の病態に対する治
療および/または予防作用を有する有用な化合物を提供
する。 【効果】 一般式(1)の化合物は、強い細胞接着阻害
作用を有し安全性も高いことから有用な医薬として期待
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規ベンゾチオフ
ェン誘導体に関し、その医薬分野への応用に関する。詳
しくは、細胞接着阻害作用を有し、リウマチ、腎炎、喘
息、アレルギー、皮膚炎、大腸炎、糖尿病等の自己免疫
疾患に起因する炎症、また動脈硬化、経皮的冠動脈形成
術(以下、PTCA)後再狭窄、心血管障害、脳血管障
害、末梢血管障害等の各種循環器傷害、さらには、癌の
転移および増殖等の病態に対する治療および/または予
防作用を有する新規ベンゾチオフェン誘導体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】生体は、構造的・機能的に高度に分化し
た多数の細胞群から構成されている。これら細胞群が互
い連絡をとりつつ周囲の環境に対応・適合することで生
体は維持されている。この細胞相互の作用は、各種サイ
トカインやホルモンなどの液性調節因子の他、細胞間で
直接的な接触によって調節されており、特に免疫系にお
けるT細胞と抗原提示細胞、細胞傷害性T細胞と標的細
胞、炎症局所における抗中球や血小板と血管内皮細胞な
どの細胞間相互作用は、直接細胞が細胞接着因子あるい
は分子同士の結合を介して接触することで機能発現また
は病態の成立に関与していることも分かってきた。ま
た、免疫系の調節のみならず癌細胞の転移現象などで
は、細胞間の直接的接触以外に細胞と細胞外基質との相
互作用が重要な役割を演じていることが知られてきた。
【0003】近年これら細胞間接着あるいは細胞−細胞
外基質接着に関する多くの接着因子(分子)が数多く同
定され、さまざまな疾患の病態に関与することが明らか
となってきた。また、これらの働きを制御することによ
り各種病態の治療および/または予防をコントロールす
る試みが考えられ、いくつかの報告がある。
【0004】特に、これら細胞の中でも炎症反応に大き
く関わっている抗中球は、血管内皮細胞への接着がその
作用発現の大きな引き金になっており、接着因子(分
子)としては、Mac−1(CD−11b/CD1
8)、LFA−1(CD−11a/CD18)、LEC
AM−1等が、さらに血管内皮細胞では、ICAM−
1,ICAM−2、VCAM−1、PECAM、ELA
M−1、GMP−140等が同定されている。この接着
因子の働きを阻害することによる広範囲の抗炎症作用、
各種抗循環器傷害作用あるいは癌の転移抑制作用等の治
療および/または予防薬への試みがいくつか報告されて
いる。
【0005】例えば、いわゆるLeumedinと称さ
れるフルオレン骨格を導入した各種アミノ酸誘導体(P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 88
355(1991)、Immunopharmaco
l.23 139(1992)、J.Med.Che
m.38 1650(1995)、特表平4−5063
50号公報他)また、ベンゾチオフェン誘導体(J.M
ed.Chem.37 717(1994)、J.Me
d.Chem.38 4597(1995)、特表平7
−504199号公報他)、チアゾール誘導体(J.M
ed.Chem.38 1057(1995))等があ
る。しかし、これらいずれの化合物も活性の強度が十分
な水準にない、水溶性等の物性が悪い、経口吸収性が悪
い、溶血等の副作用がある等医薬としては多くの問題を
抱えており、未だ臨床適用された薬物はない。そこで、
さらに活性の向上した副作用の少ない医薬として有用な
薬物の開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、多く
の病態と深く関わっている細胞接着作用を強く阻害する
ことにより、リウマチ、腎炎、喘息、アレルギー、皮膚
炎、大腸炎、糖尿病等の自己免疫疾患に起因する炎症、
また動脈硬化、PTCA後再狭窄、心血管障害、脳血管
障害、末梢血管障害等の各種循環器傷害、さらには癌の
転移および増殖等の病態に対する治療および/または予
防作用を有する安全性の高い医薬として有用な化合物を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために好中球と血管内皮細胞に注目し、これ
らの接着を阻害する物質を非常に多くの化合物群の中か
ら見いだすべく鋭意努力してきた中で、一般式(1)で
示したベンゾチオフェン誘導体が非常に強い細胞接着阻
害作用を有し、毒性も低く、医薬として有用であること
を見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
【0008】[1] 一般式(1)[化3]
【0009】
【化3】 (式中、R1およびR2は互いに独立して炭素数1〜4の
低級アルキル基または炭素数1〜4の低級アルキルオキ
シ基、R3はヒドラジド基、チオアミド基または下記一
般式(2)[化4]で示される複素5員環基を示す。
【0010】
【化4】 ここで、X,Yは互いに独立して酸素原子、イオウ原子
または窒素原子を示す。ただし、窒素原子の場合は水素
原子または炭素数1〜4の低級アルキル基置換体とす
る。)で表されるベンゾチオフェン誘導体および薬理学
的に許容される塩であり、また、
【0011】[2] [1]記載の一般式(1)で表さ
れるベンゾチオフェン誘導体を有効成分として含有する
細胞接着阻害剤であり、また、
【0012】[3] [1]記載の一般式(1)で表さ
れるベンゾチオフェン誘導体を有効成分として含有する
医薬組成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳しく説明
する。炭素数1〜4の低級アルキル基とは、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等を
示す。
【0014】炭素数1〜4の低級アルキルオキシ基と
は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、is
o−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ
基、tert−ブトキシ基等を示す。
【0015】一般式(2)に示される複素5員環基と
は、1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オ
ン、1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−チオ
ン、1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン、1,
3,4−チアジアゾール−2(3H)−オン、1,3,
4−チアジアゾール−2(3H)−チオン、1,3,4
−チアジアゾール−2−アミン、2,4−ジヒドロ−4
−メチル−1,2,4−トリアゾール−3(3H)−オ
ン、2,4−ジヒドロ−4−エチル−1,2,4−トリ
アゾール−3(3H)−オン、2,4−ジヒドロ−4−
プロピル−1,2,4−トリアゾール−3(3H)−オ
ン、
【0016】2,4−ジヒドロ−4−ブチル−1,2,
4−トリアゾール−3(3H)−オン、2,4−ジヒド
ロ−4−メチル−1,2,4−トリアゾール−3(3
H)−チオン、2,4−ジヒドロ−4−エチル−1,
2,4−トリアゾール−3(3H)−チオン、2,4−
ジヒドロ−4−プロピル−1,2,4−トリアゾール−
3(3H)−チオン、2,4−ジヒドロ−4−ブチル−
1,2,4−トリアゾール−3(3H)−チオン、2,
4−ジヒドロ−4−メチル−1,2,4−トリアゾール
−3−アミン、2,4−ジヒドロ−4−エチル−1,
2,4−トリアゾール−3−アミン、2,4−ジヒドロ
−4−プロピル−1,2,4−トリアゾール−3−アミ
ン、2,4−ジヒドロ−4−ブチル−1,2,4−トリ
アゾール−3−アミン等を示す。
【0017】薬理学的に許容される塩には特に限定はな
く、酸塩および塩基塩いずれも含有される。ここで無機
酸塩としては塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸
塩等、有機酸塩としては酢酸塩、トシル酸塩、蓚酸塩、
酒石酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩等、
無機塩基塩としてはアンモニウム塩、ナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等、有機塩基
塩としてはピリジン塩、トリエチルアミン塩、ピペラジ
ン塩等が例示される。
【0018】本発明にいう医薬組成物とはリウマチ、腎
炎、喘息、アレルギー、皮膚炎、大腸炎、糖尿病等の自
己免疫疾患に起因する炎症また動脈硬化、PTCA後再
狭窄、心血管障害、脳血管障害、末梢血管障害等の各種
循環器傷害、さらには癌の転移および増殖等の病態に対
する治療および/または予防のために使用するものを指
す。
【0019】一般式(1)の化合物の合成法について説
明する。 〔合成法1〕 一般式(3)で示されるカルボン酸誘導
体を一般的な活性化方法を用いてヒドラジンと反応させ
ることによって、一般式(4)で示される酸ヒドラジド
誘導体を得ることができる。例えば、一例を反応式
(1)[化5]に示す。
【0020】
【化5】 (式中、RおよびRは互いに独立して炭素数1〜4
の低級アルキル基または炭素数1〜4の低級アルキルオ
キシ基を示す。)一般式(3)で示されるカルボン誘導
体酸に対し、1’,1’カルボニルビスイミダゾールを
作用させることで、カルボン酸を活性化できる。このと
き用いる1’,1’カルボニルビスイミダゾールの等量
は一般式(3)に示されるカルボン酸誘導体に対して、
0.5〜5等量の範囲で許容されるが、好ましくは1〜
2等量である。反応の温度は0℃〜溶媒の沸点までの範
囲で可能である。溶媒には特に制限はなく、例えばジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,
Nジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタ
ン等を使用すればよい。この活性化された一般式(3)
に示されるカルボン酸誘導体に対し、ヒドラジンを作用
させることによって目的とする一般式(4)に示される
酸ヒドラジド誘導体を得ることができる。ここで用いる
ヒドラジンは無水、含水いずれでもよく、また含水率に
特に制限はない。用いるヒドラジンの等量は、活性化さ
れた一般式(3)に示されるカルボン酸誘導体に対して
0.5〜50等量の範囲で可能であるが、好ましくは1
〜20等量である。
【0021】反応の温度は、−78℃〜溶媒の沸点まで
許容されるが、好ましくは−20℃〜室温である。溶媒
には特に制限はなく、例えば水、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のプロトン性溶媒、テトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、N,Nジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロト
ン性溶媒等を使用すればよい。また、これらのいずれか
を複数用いた混合溶媒でもよい。このような条件で生成
した一般式(4)の酸ヒドラジド誘導体は、再結晶また
はカラムクロマトグラフィーにより精製することができ
る。
【0022】[合成法2] 請求項1の一般式(1)な
らびに一般式(2)で示される複素5員環基を有する誘
導体の合成法は、合成法1で得られる一般式(4)で示
した酸ヒドラジドを用いることによって合成可能であ
る。以下に1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)
−オン誘導体(例1)、1,3,4−オキサジアゾール
−2(3H)−チオン誘導体(例2)および4−アルキ
ル−1,2,4−トリアゾール−3(3H)−チオン誘
導体(例3)の合成法を反応式(2)[化6]に示す。
【0023】
【化6】 (式中、R1、R2は前記と同義。XおよびYは酸素原
子、硫黄原子または窒素原子を示し、Xが窒素原子のと
きにR4は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を
示す。)
【0024】(例1)1,3,4−オキサジアゾール−
2(3H)−オン誘導体の合成 一般式(4)で示される酸ヒドラジドを塩基性条件下、
1’,1’−カルボニルビスイミダゾールと反応させる
ことによって一般式(5)で示される複素5員環誘導体
を合成することができる。1’,1’−カルボニルビス
イミダゾールは、酸ヒドラジドに対し0.5〜5等量の
いずれの条件でも反応は進行する。塩基としてはトリエ
チルアミン、1,8−ジアザビシクロウンデセン等のア
ミン類、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナ
トリウム等の無機塩基類等が使用可能である。反応は−
20℃〜溶媒の沸点の範囲で可能であるが、好ましくは
0〜50℃である。溶媒には特に制限はなく、例えば
水、メタノール、エタノール等のプロトン性溶媒、テト
ラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムア
ミド等の非プロトン性溶媒を使用すればよい。
【0025】(例2)1,3,4−オキサジアゾール−
2(3H)−チオン誘導体の合成 一般式(4)で示される酸ヒドラジドを塩基性条件下、
二硫化炭素を作用させることによって一般式(5)で示
される複素5員環誘導体を得ることができる。二硫化炭
素は、酸ヒドラジドに対して0.5〜5等量の範囲であ
れば反応は進行する。塩基としては、トリエチルアミ
ン、1,8−ジアザビシクロウンデセン等のアミン類、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム等の無機塩基類いずれも使用可能であ
る。反応は−20℃〜溶媒の沸点の範囲で可能である
が、好ましくは0〜100℃である。溶媒には特に制限
はなく、例えば水、メタノール、エタノール等のプロト
ン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ
メチルホルムアミド等の非プロトン性溶媒を使用すれば
よい。
【0026】(例3)4−アルキル−1,2,4−トリ
アゾール−3(3H)−チオンの合成 一般式(4)で示される酸ヒドラジドを、まずアルキル
イソシアネートもしくはアルキルイソチオシアネートと
反応させ、セミカルバジドまたはチオセミカルバジドへ
と誘導する。続いてこれらを塩基性条件下で環化するこ
とによって一般式(5)で示される複素5員環誘導体を
得ることができる。
【0027】セミカルバジド化またはチオセミカルバジ
ド化の条件を以下に例示する。使用するアルキルイソシ
アネートもしくはアルキルイソチオシアネートは、一般
式(4)で示される酸ヒドラジドに対し、0.5〜5等
量の範囲で反応は進行するが、好ましくは1〜2等量で
ある。本反応に塩基は特に必要としないが、要すればど
んな塩基を用いてもよい。溶媒には特に制限はなく、例
えば水、メタノール、エタノール等のプロトン性溶媒、
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホル
ムアミド等の非プロトン性溶媒を使用すればよい。反応
は−20℃〜溶媒の沸点で可能であるが、好ましくは0
〜50℃である。
【0028】続いて環化反応の条件を以下に例示する。
塩基としてはトリエチルアミン、1,8−ジアザビシク
ロウンデセン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機
塩基類いずれを用いてもよい。反応は0℃〜溶媒の沸点
の範囲で可能であるが、好ましくは0〜100℃であ
る。溶媒には特に制限はなく、例えば水、メタノール、
エタノール等のプロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド等の非プロト
ン性溶媒を使用すればよい。このような条件で生成した
一般式(5)の複素5員環誘導体は、再結晶またはカラ
ムクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0029】[合成法3] 請求項1のチオアミド基を
有する誘導体の合成法を反応式(3)[化7]に示す。
【0030】
【化7】 (式中、R1,R2は前記と同義。)一般式(6)で示さ
れるアミド誘導体に対し、チオカルボニル化を施すこと
によって一般式(7)で示されるチオアミド誘導体を得
ることができる。チオカルボニル化試薬に特に制限はな
く、5硫化リン、ローソン試薬[2,4−ビス(4−メ
トキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフ
ェタン−2,4−ジスルフィド]等を使用すればよい。
【0031】チオカルボニル化試薬は一般式(6)で示
されるアミド誘導体に対し、0.5〜5等量の範囲で使
用可能であるが、好ましくは1〜2等量である。反応は
0℃〜溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは室温〜
150℃である。溶媒には特に制限はなく、例えば使用
する溶媒に特に制限はないが、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、アセトニトリル、N,Nジメチルホルムアミド
を使用すればよい。このような条件で生成した一般式
(7)のチオアミド誘導体は、再結晶またはカラムクロ
マトグラフィーにより精製することができる。
【0032】一般式(1)に含まれる化合物を以下に例
示する。ただし、本発明はこれによって限定されるもの
ではない。 (1)5−メトキシ−3−(1−メチルエトキシ)ベン
ゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸ヒドラジド (2)6−メトキシ−3−(1−メチルエトキシ)ベン
ゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸ヒドラジド (3)3,5−ジメトキシベンゾ[b]チオフェン−2
−カルボン酸ヒドラジド (4)4−メチル−3−(1−メチルエトキシ)ベンゾ
[b]チオフェン−2−カルボン酸ヒドラジド
【0033】(5)5−[5−メトキシ−3−(1−メ
チルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−
1,3,4−オキサジアゾ−ル−2(3H)−オン (6)5−[6−メトキシ−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−1,3,4
−オキサジアゾ−ル−2(3H)−オン (7)5−(3,5−ジメトキシベンゾ[b]チオフェ
ン−2−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル−2
(3H)−オン (8)5−[4−メチル−3−(1−メチルエトキシ)
ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−1,3,4−オ
キサジアゾ−ル−2(3H)−オン
【0034】(9)5−[5−メトキシ−3−(1−メ
チルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−
1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−チオン (10)5−[6−メトキシ−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−1,3,4
−オキサジアゾール−2(3H)−チオン (11)5−(3,5−ジメトキシベンゾ[b]チオフ
ェン−2−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2
(3H)−チオン (12)5−[4−メチル−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−1,3,4
−オキサジアゾール−2(3H)−チオン
【0035】(13)5−[5−メトキシ−3−(1−
メチルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]
−2,4−ジヒドロ−4−エチル−1,2,4−トリア
ゾール−3(3H)−チオン (14)5−[6−メトキシ−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−2,4−ジ
ヒドロ−4−エチル−1,2,4−トリアゾール−3
(3H)−チオン (15)5−(3,5−ジメトキシベンゾ[b]チオフ
ェン−2−イル)−2,4−ジヒドロ−4−エチル−
1,2,4−トリアゾール−3(3H)−チオン (16)5−[4−メチル−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−2,4−ジ
ヒドロ−4−エチル−1,2,4−トリアゾール−3
(3H)−チオン
【0036】(17)5−[5−メトキシ−3−(1−
メチルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]
−2,4−ジヒドロ−4−エチル−1,2,4−トリア
ゾール−3(3H)−オン (18)5−[6−メトキシ−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−2,4−ジ
ヒドロ−4−エチル−1,2,4−トリアゾール−3
(3H)−オン (19)5−(3,5−ジメトキシベンゾ[b]チオフ
ェン−2−イル)−2,4−ジヒドロ−4−エチル−
1,2,4−トリアゾール−3(3H)−オン (20)5−[5−メチル−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]−2,4−ジ
ヒドロ−4−エチル−1,2,4−トリアゾール−3
(3H)−オン
【0037】(21)5−メトキシ−3−(1−メチル
エトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−チオカルボン
酸アミド (22)6−メトキシ−3−(1−メチルエトキシ)ベ
ンゾ[b]チオフェン−2−チオカルボン酸アミド (23)3,5−ジメトキシベンゾ[b]チオフェン−
2−チオカルボン酸アミド (24)4−メチル−3−(1−メチルエトキシ)ベン
ゾ[b]チオフェン−2−チオカルボン酸アミド
【0038】本発明化合物を治療および/または予防薬
として使用する場合には、経口的または非経口的に投与
することができる。投与量は投与対象患者の症状、年
齢、性別等により異なるが、成人1日当たり1〜1,000m
gを1回または数回に分けて投与する。経口的に投与す
る場合は、錠剤、顆粒剤、散剤、懸濁剤、カプセル剤、
シロップ剤等の剤形が可能である。
【0039】例えば錠剤とする場合には、吸着剤として
結晶性セルロース、軽質無水ケイ酸等を、賦形剤として
はトウモロコシデンプン、乳糖、燐酸カルシウム、結晶
性セルロース等を、また必要に応じて結合剤、保湿剤、
滑沢剤等を用いることができる。
【0040】非経口的には、静脈注射剤、皮下注射剤、
筋肉注射剤、座剤、経皮剤等の形態が可能である。例え
ば、注射剤とする場合は、化合物を等張化、無菌化等を
施した水溶液または綿実油、トウモロコシ油、オリーブ
油等を用いた懸濁性水溶液、あるいはHCO−60等の
界面活性剤を用いた乳濁液として使用される。
【0041】以下の実施例および試験例においてさらに
詳しく説明するが、本発明化合物は好中球と血管内皮細
胞との接着を強く阻害する。さらにラットを用いた急性
毒性試験では、LD50(50%致死投与量)がいずれの
化合物も500mg/kg以上と低毒性である。よって、
リウマチ、腎炎、喘息、アレルギー、皮膚炎、大腸炎、
糖尿病等の自己免疫疾患に起因する炎症、また動脈硬
化、PTCA後再狭窄、心血管障害、脳血管障害、末梢
血管障害等の各種循環器傷害、さらには癌の転移および
増殖等の病態に対する治療および/または予防薬として
有用性が高い。
【0042】
【実施例】以下に本発明を実施例、試験例によりさらに
詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるも
のではない。 [実施例1] 5−メトキシ−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸ヒドラジ
ド[化8]の合成:例示化合物(1)
【0043】
【化8】 5−メトキシ−3−(1−メチルエトキシ)ベンゾ
[b]チオフェン−2−カルボン酸(J.Med.Ch
em.958−965,35,(1992)の方法に従
って合成)(7.0g,25.2mmol)をテトラヒ
ドロフラン(150ml)に溶解し、1、1’−カルボ
ニルビスイミダゾール(5.3g,32.7mmol)
を加え、60℃で1.5時間攪拌した。
【0044】反応液を0℃に冷却し、ヒドラジン一水和
物(12.6g,252mmol)をエタノール(10
0ml)に溶解したものを滴下した。そのまま0℃で2
0分間攪拌した後、反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エ
チルに溶解した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧濃縮し、白色固体を得た。酢酸エチル
−n−ヘキサンよりスラッチングを行い、表題化合物
(7.1g,97%)を白色結晶として得た。 融点=106〜108℃1 H−N.M.R.(DMSO−d6,270MHz)δ
=8.92(s,1H),7.83(d,1H,J=
8.8Hz),7.19(d,1H,J=2.2H
z),7.12(dd,1H,J=2.2,8.8H
z),4.72(quintet,1H,J=5.9H
z),4.62(bs,2H),3.85(s,3
H),1.35(d,6H,J=5.9Hz)
【0045】[実施例2] 5−[5−メトキシ−3−
(1−メチルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−
イル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−
オン[化9]の合成:例示化合物(5)
【0046】
【化9】 実施例1で得た5−メトキシ−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸ヒドラジ
ド(150mg,0.54mmol)をテトラヒドロフ
ラン(5ml)に溶解し、0℃で1、1’−カルボニル
ビスイミダゾール(125mg,0.77mmol)お
よびトリエチルアミン(93μl,0.67mmol)
を加え、40分間攪拌した。その後、反応液を室温まで
昇温し8時間攪拌した後に、減圧濃縮を行った。
【0047】得られた残渣を酢酸エチルに希釈し水洗し
た後に、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減
圧濃縮し、得られた粗白色固体を、酢酸エチル−n−ヘ
キサンよりスラッチングを行い、表題化合物(140m
g,85%)を白色結晶として得た。 融点=146〜149℃1 H−N.M.R.(DMSO−d6,270MHz)δ
=12.61(bs,1H),7.86(d,1H,J
=8.8Hz),7.22(d,1H,J=2.2H
z),7.15(dd,1H,J=2.2,8.8H
z),4.66(quintet,1H,J=6.6H
z),3.86(s,3H),1.34(d,6H,J
=6.6Hz)
【0048】[実施例3] 5−[5−メトキシ−3−
(1−メチルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−
イル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−
チオン[化10]の合成:例示化合物(9)
【0049】
【化10】 実施例1で得た5−メトキシ−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸ヒドラジ
ド(200mg,0.68mmol)をメタノール(1
0ml)に溶解し、0℃で二硫化炭素(103μl,
1.71mmol)および水酸化カリウム(46mg,
0.82mmol)を加え、1時間攪拌した後に、8時
間加熱還流を行った。反応液を減圧濃縮し、残渣を水
(30ml)に再び溶解させ1N塩酸を用いて酸性化し
た。
【0050】目的物をジエチルエーテルにて抽出し水洗
した後に、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。有機層
を減圧濃縮して得られた黄色固体を、少量のジエチルエ
ーテルを用いスラッチングし、表題化合物(140m
g,85%)を淡黄色結晶として得た。 融点=169〜171℃1 H−N.M.R.(DMSO−d6,270MHz)δ
=14.69(bs,1H),7.92(d,1H,J
=8.8Hz),7.26(d,1H,J=2.2H
z),7.20(dd,1H,J=2.2,8.8H
z),4.68(quintet,1H,J=5.9H
z),3.87(s,3H),1.36(d,6H,J
=5.9Hz)
【0051】[実施例4] 5−[5−メトキシ−3−
(1−メチルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−
イル]−2,4−ジヒドロ−4−エチル−1,2,4−
トリアゾール−3(3H)−チオンの合成:例示化合物
(13) (反応1)4−エチル−1−[5−メトキシ−3−(1
−メチルエトキシ)−2−ベンゾ[b]チオフェノイ
ル]チオセミカルバジド[化11]の合成
【0052】
【化11】 実施例1で得た5−メトキシ−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸ヒドラジ
ド(300mg,1.07mmol)をテトラヒドロフ
ラン(15ml)に溶解し、室温でイソチオシアン酸エ
チル(122μl,1.39mmol)を加え、5時間
攪拌すると白色結晶が析出し始めた。さらに室温にて1
2時間攪拌を行った後、テトラヒドロフランを(3m
l)程度になるまで減圧濃縮を行った。得られた白色結
晶体をろ取し、少量のテトラヒドロフランにて洗浄し、
表題化合物(310mg,79%)を得た。
【0053】融点=207〜209℃1 H−N.M.R.(DMSO−d6,270MHz)δ
=9.62(bs,2H),8.00(bs,1H),
7.88(d,1H,J=8.8Hz),7.22
(d,1H,J=2.2Hz),7.16(dd,1
H,J=2.2,8.8Hz),4.84(quint
et,1H,J=6.6Hz),3.87(s,3
H),2.52−2.49(m,1H),1.40
(d,6H,J=6.6Hz),1.08(t,1H,
J=7.3Hz)
【0054】(反応2)5−[5−メトキシ−3−(1
−メチルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イ
ル]−2,4−ジヒドロ−4−エチル−1,2,4−ト
リアゾール−3(3H)−チオン[化12]の合成
【0055】
【化12】 (反応1)で得た4−エチル−1−[5−メトキシ−3
−(1−メチルエトキシ)−2−ベンゾ[b]チオフェ
ノイル]チオセミカルバジド(250mg,0.68m
mol)を水(3ml)に懸濁し、1N水酸化ナトリウ
ム(3ml)を加え、1時間加熱攪拌を行った。反応液
を放冷後1N塩酸にて酸性化し、析出した粗結晶をろ取
した。ジエチルエーテルを用いてスラッチングを行い、
表題化合物(230mg,97%)を白色結晶として得
た。
【0056】融点=172〜174℃1 H−N.M.R.(DMSO−d6,270MHz)δ
=14.16(bs,1H),7.92(d,1H,J
=8.8Hz),7.24(d,1H,J=2.9H
z),7.18(dd,1H,J=2.9,8.8H
z),4.31(quintet,1H,J=5.9H
z),4.07(q,2H,J=7.3Hz),3.8
7(s,3H),1.20(d,6H,J=5.9H
z)1.14(t,3H)
【0057】[実施例5] 5−[5−メトキシ−3−
(1−メチルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−
イル]−2,4−ジヒドロ−4−エチル−1,2,4−
トリアゾール−3(3H)−オンの合成:例示化合物
(17) (反応1)4−エチル−1−[5−メトキシ−3−(1
−メチルエトキシ)−2−ベンゾ[b]チオフェノイ
ル]セミカルバジド[化13]の合成
【0058】
【化13】 実施例1で得た5−メトキシ−3−(1−メチルエトキ
シ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸ヒドラジ
ド(200mg,0.68mmol)とイソシアン酸エ
チル(65μl,0.82mmol)を実施例4の反応
1と同様に処理し、表題化合物(229mg,95%)
を白色結晶として得た。
【0059】融点=155〜156℃1 H−N.M.R.(DMSO−d6,270MHz)δ
=9.32and8.14(2bs,each 1
H),7.86(d,1H,J=8.8Hz),7.2
2(d,1H,J=2.2Hz),7.15(dd,1
H,J=2.2,8.8Hz),6.41(bt,1
H,J=5.9Hz),4.85(quintet,1
H,J=6.6Hz),3.86(s,3H),3.0
8(dq,2H,J=5.9,7.3,7.3,7.
3),1.38(d,6H,J=6.6Hz),1.0
3(t,1H,J=7.3Hz)
【0060】(反応2)5−[5−メトキシ−3−(1
−メチルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イ
ル]−2,4−ジヒドロ−4−エチル−1,2,4−ト
リアゾール−3(3H)−オン[化14]の合成
【0061】
【化14】 (反応1)で得た4−エチル−1−[5−メトキシ−3
−(1−メチルエトキシ)−2−ベンゾ[b]チオフェ
ノイル]セミカルバジド(200mg,0.57mmo
l)を実施例4の反応2と同様に処理し、表題化合物
(141mg,74%)を白色結晶として得た。
【0062】融点=181〜184℃1 H−N.M.R.(DMSO−d6,270MHz)δ
=12.12(s,1H),7.88(d,1H,J=
8.8Hz),7.22(d,1H,J=2.2H
z),7.15(dd,1H,J=2.2,8.8H
z),4.34(quintet,1H,J=5.9H
z),3.86(s,3H),3.72(q,2H,J
=7.3Hz),1.22(d,6H,J=5.9H
z),1.07(t,3H,J=7.3Hz)
【0063】[実施例6] 5−メトキシ−3−(1−
メチルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−チオカ
ルボン酸アミド[化15]の合成:例示化合物(21)
【0064】
【化15】 5−メトキシ−3−(1−メチルエトキシ)ベンゾ
[b]チオフェン−2−カルボン酸アミド(J.Me
d.Chem.38,4597−4614,(199
5)の方法に従って合成)(1.0g,3.77mmo
l)を1,4−ジオキサン(20ml)に溶解し、五硫
化リン(1.1g,4.52mmol)を加えた後に7
0〜80℃に加熱し、1時間攪拌を行った。反応液を放
冷後不溶物をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。得られた黄
色シロップ状残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)より精製し、
続いて酢酸エチル−n−ヘキサンから結晶化を行い、表
題化合物(765mg,72%)を黄色結晶として得
た。
【0065】融点=150〜153℃1 H−N.M.R.(DMSO−d6,270MHz)δ
=10.00and9.09(2bs,each 1
H),7.79(d,1H,J=8.8Hz),7.1
8(d,1H,J=2.2Hz),7.12(dd,1
H,J=2.2,8.8Hz),4.76(quint
et,1H,J=5.9Hz),3.85(s,3
H),1.38(d,6H,J=5.9Hz)
【0066】[試験例]以下に示すヒトさい帯静脈血管
内皮細胞を用いたICAM−1発現抑制試験により、白
血球の細胞接着抑制剤としての本発明の化合物の有用性
を示す。
【0067】[試験例1] ヒトさい帯静脈血管内皮細
胞を用いたICAM−1発現抑制試験(ヒトさい帯静脈
血管内皮細胞(HUVEC)) ヒトさい帯静脈血管内皮細胞(CryoHUVEC,Clonetics,C
C-2517)は、三光純薬(株)より購入し継代培養したもの
を用いた。継代培養には、血管内皮細胞基礎培地(EMB,
改変MCDB131,Clonetics,CC-3121 EBM)に、EMG添加因
子(Clonetics,CC-4133,1μg/ml hydrocortisone,10n
g/ml epidermal growth facter,10μg/ml bovine brai
n extract,50μg/ml Gentamicin Salfate,50ng/ml Am
photericin-B,2% fetal bovine serum)を加えた培地(E
GM)を使用した。
【0068】(ICAM−1発現量の測定)HUVECをEGM
に2.5〜5×104cells/mlの細胞濃度に懸濁し、96穴ゼラ
チンコート平底プレート(IWAKI,No.4860-020)に分注
し、37℃、5%CO2の条件下でコンフルエントとなるまで
培養した。ジメチルスルホキシド(DMSO,和光純薬工業
(株))に10mM濃度に溶解し、EGMで希釈した被験薬を適当
量加え37℃、5%CO2の条件下30分間放置した。さらにre
combinant human TNFα(genzyme,Cat No.TNF-H)をEGM
で希釈したものを加え、37℃、5%CO2の条件下で4時間
反応させた。
【0069】反応終了後、Dalbecco's PBS(-)(日水製薬
(株),Code 05913)で3回洗浄し、10%中性緩衝ホルム
アルデヒド溶液を加え、室温にて15分間静置した。各ウ
ェルを0.5%CO2(Albumin Fraction V,Boehringer Mann
heim,Cat No.735086)含有PBS(-)(0.5%BSA/PBS(-))で
3回洗浄した。マウス抗ヒトICAM-1モノクロナール抗体
(R&D Systems,Cat No.BBA3)を0.5%BSA/PBS(-)で0.5mg
/mlの濃度に希釈し、各ウェルに適当量加え、37℃で2時
間反応させた後、0.5%BSA/PBS(-)で4回洗浄した。さ
らに、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスイムノグロブ
リン抗体(DAKO,Code No.P0447)を0.5%BSA/PBS(-)で希
釈し、必要量添加した後、37℃で1時間反応させ、その
後PBS(-)で4回洗浄した。ペルオキシダーゼの発色に
は、呈色液(0.27mM3,3',5,5'-テトラメチルベンジジ
ン,2mM塩酸,10mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム含有,0.1Mクエン酸緩衝溶液(pH3.8))と酵素基質液
(2.6%過酸化水素含有,5mMクエン酸緩衝液(pH4.5))を
加えた。
【0070】1N硫酸を加えて反応を停止させ、450nmの
吸光度をイムノリーダーにて測定した。実験は全てtrip
licateで行い、吸光度の平均値を求めた。表−1[表
1]にヒトさい帯静脈血管内皮細胞を用いたICAM−
1発現抑制試験の生物活性試験結果を示した。被験薬と
しては実施例で示した各化合物を用いた。生物活性値と
しては被験薬濃度10μMにおけるヒトさい帯静脈血管内
皮細胞のICAM−1発現抑制率またはヒトさい帯静脈
血管内皮細胞におけるICAM−1の発現量を50%抑制
するときの被験薬濃(IC50値)を示した。
【0071】
【表1】 それぞれの化合物は被験薬濃度10μMにおいてICAM
−1の発現を抑制した。よって、各被験薬は充分な細胞
接着抑制作用を有することが分かった。特に実施例1お
よび実施例6の化合物は極めて優れたICAM−1発現
抑制作用を有することが分かった。
【0072】
【発明の効果】本発明化合物は新規物質であり、実施例
および試験例で示したように炎症反応に大きく関わって
いるICAM−1の発現を強く抑制する。よって本発明
化合物は、好中球の血管内皮細胞への接着を強く阻害す
る。また、低毒性であることからリウマチ、腎炎、喘
息、アレルギー、皮膚炎、大腸炎、糖尿病、動脈硬化、
PTCA後再狭窄、心血管障害、末梢血管障害または癌
の転移等の病態に対する治療および/または予防薬とし
て有用性が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/38 ACJ A61K 31/38 ACJ ADA ADA ADP ADP ADU ADU AED AED 31/41 ABG 31/41 ABG ACD ACD ACV ACV C07D 409/04 249 C07D 409/04 249 413/04 333 413/04 333 (72)発明者 渡邊 綾子 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井東圧 化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)[化1] 【化1】 (式中、R1およびR2は互いに独立して炭素数1〜4の
    低級アルキル基または炭素数1〜4の低級アルキルオキ
    シ基、R3はヒドラジド基、チオアミド基または下記一
    般式(2)[化2]で示される複素5員環基を示す。 【化2】 ここで、X,Yは互いに独立して酸素原子、イオウ原子
    または窒素原子を示す。ただし、窒素原子の場合は水素
    原子または炭素数1〜4の低級アルキル基置換体とす
    る。)で表されるベンゾチオフェン誘導体および薬理学
    的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一般式(1)で表される
    ベンゾチオフェン誘導体を有効成分として含有する細胞
    接着阻害剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式(1)で表される
    ベンゾチオフェン誘導体を有効成分として含有する医薬
    組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003522751A (ja) * 2000-02-09 2003-07-29 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー デヒドロアミノ酸
JP2006524686A (ja) * 2003-04-25 2006-11-02 アストラゼネカ・アクチエボラーグ ミエロペルオキシダーゼ酵素(mpo)の阻害剤としての2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオン誘導体の使用
JP4819692B2 (ja) * 2003-11-20 2011-11-24 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ベンゾフラン類およびベンゾチオフェン類

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JP4819692B2 (ja) * 2003-11-20 2011-11-24 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ベンゾフラン類およびベンゾチオフェン類

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