JPH1017544A - チオン−0−エステル誘導体、及びその製造方法 - Google Patents

チオン−0−エステル誘導体、及びその製造方法

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JPH1017544A
JPH1017544A JP19153096A JP19153096A JPH1017544A JP H1017544 A JPH1017544 A JP H1017544A JP 19153096 A JP19153096 A JP 19153096A JP 19153096 A JP19153096 A JP 19153096A JP H1017544 A JPH1017544 A JP H1017544A
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JP19153096A
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Shuichi Matsui
秋一 松井
Hiroyuki Takeuchi
弘行 竹内
Kazutoshi Miyazawa
和利 宮沢
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 一般式1 のジチオカルボン酸誘導体と一般式2 (式(1)(2)中、R1 、R2 はハロゲン、シアノ
基、C1〜10のアルキル基等を表し、基中の隣接ない
し1個以上のメチレン基は酸素、硫黄に置換されても良
く、環A、Dは1,4−シクロヘキシレン基等、環B、
Cは1個以上のハロゲンが置換してもよい1,4−フェ
ニレン基等、Z1 、Z2 は単結合、−CH2CH2−
等、nは0、1、2を表す)のフェノール誘導体にアル
カリ金属水素化物およびヨウ素を作用させて一般式3 のチオン−0−エステル誘導体を製造する。 【効果】 液晶材料として有用であり、ジフルオロメチ
レンオキシ基構築する前駆体として重要なチオン−0−
エステル誘導体を簡便で効率的に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気光学材料として
有用なジフルオロベンジルエーテル誘導体の合成中間体
であり、またそれ自身も電気光学材料として好適な諸物
性を発現するチオン−O−エステル誘導体とその簡便か
つ効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は液晶性化合物が有する光
学異方性および誘電率異方性を利用するものであり、時
計をはじめとし、電卓、各種測定機器、自動車用パネ
ル、ワープロ、電子手帳、プリンター、パーソナルコン
ピューター、テレビジョン等に広く利用され、その需要
も年々増加傾向にある。液晶相は固体相と液体相の中間
に位置し、ネマチック相、スメクチック相およびコレス
テリック相に大別される。中でもネマチック相を利用し
た表示素子が現在最も広く使用されている。一方表示方
式はこれまで多数のものが考案され、動的散乱型(DS
型)、ゲスト・ホスト型(GH型)、ねじれネマチック
型(TN型)、超ねじれネマチック型(STN型)、薄
膜トランジスター型(TFT型)、強誘電性液晶(FL
C)等が知られている。また駆動方式にはスタティック
駆動方式、時分割駆動方式、アクティブマトリックス駆
動方式、2周波駆動方式等が知られている。
【0003】ところで近年、コントラスト、表示容量、
応答時間等の表示性能の面からアクティブマトリックス
駆動方式、中でも薄膜トランジスター(TFT)方式が
テレビジョン、ビューファインダー、パーソナルコンピ
ューター等の表示モードとして盛んに使用されている。
また、大きな表示容量を持ちながらアクティブマトリッ
クス方式の表示素子と比較し、表示素子の構造が比較的
簡単で安価に製造できるSTN方式もパーソナルコンピ
ューター等の表示素子として多く採用されている。
【0004】これら分野における近年の開発傾向は小型
軽量で携帯できることを特徴としたテレビジョンやパー
ソナルコンピューターに代表されるように液晶表示素子
の小型化、携帯化、低消費電力化および高速応答化を中
心に推進され、液晶材料に対しては駆動電圧、すなわち
しきい値電圧が低く、粘度が小さな液晶性化合物ならび
に液晶組成物が要求されてきた。
【0005】しきい値電圧(Vth)は誘電率異方性値
(Δε)の関数であり、以下の式にて表されることが既
に知られている(Mol.Cryst.Liq.Cry
st.,12,57(1970))。 Vth=π(K/ε0 Δε)1/2 上式においてKは弾性定数、ε0 は真空の誘電率であ
る。式から判るように、しきい値電圧を小さくするには
誘電率異方性値を大きくするか、または弾性定数を小さ
くするかの2通りの手法が考えられる。しかし、既存の
技術では弾性定数をコントロールするのは困難であると
ころから、実際は誘電率異方性の大きな液晶材料を使用
し要求に対処しているのが現状であり、この目的にて誘
電率異方性値の大きな液晶性化合物の開発が活発に行わ
れてきた。
【0006】また、粘性は液晶パネル中に配向した液晶
分子の電場に対する応答速度を支配する要素であること
が既に知られており、高速応答性を示す液晶組成物を調
製するには非常に粘性の低い、液晶化合物を多量に使用
し、液晶組成物を構築することが好ましい。
【0007】TFT方式の低電圧液晶材料として開発さ
れた化合物の代表として下記の化合物を掲げることがで
きる。
【0008】
【化5】
【0009】化合物(4)および(5)(特開平2−2
33626号)はいずれも3,4,5−トリフルオロフ
ェニル基を分子の末端構造に有し、大きな誘電率異方性
値(Δε=10〜15)を示し、低電圧用材料として期
待されるものである。しかし、更なる低消費電力化
(2.5V駆動)の要求に対しては化合物(4)では誘
電率異方性値が小さく(Δε=10)対処が困難であ
り、一方化合物(5)ではその大きな誘電率異方性値か
ら駆動は可能なものの、エステル結合基が粘度を大きく
増大させる為、高速応答化との両立は困難と考えられ
る。
【0010】以上のように低消費電力化および高速応答
化の要求を満足する化合物は未だ知られていない。
【0011】ところで最近発明者等はエステル結合基と
同様に化合物の誘電率異方性を増大させると予想される
結合基としてジフルオロメチレンオキシ基に着目した。
当該結合基を有する化合物およびその製造方法について
は既に特許公報等にて報告されており、下記の化合物が
知られている。
【0012】
【化6】
【0013】化合物(6)(特開平2−289529
号)、(7)(特開平5−112778号)および
(8)(特開平5−255165号)はいずれも結合基
としてジフルオロメチレンオキシ基を有する化合物であ
るが、特開平5−255165号を除く、2件の特許公
報明細書中には化合物の物性値をはじめ液晶性化合物と
しての有用性を示唆するデータの記載は全くなく、液晶
材料としての諸物性については全く知られていなかっ
た。本発明者らはジフルオロメチレンオキシ基を結合基
に有する液晶性化合物の液晶物性を明確にする目的で特
許記載の方法に準じ、下記に示すルート(化7)にて実
際に化合物(7)を合成したところ、結合基を有しない
ものと比較し、大きな誘電率異方性値を有すると共に、
低粘性であることを見出し、低電圧駆動かつ高速応答を
目的とする液晶材料の構成成分として期待できることが
判明した。
【0014】
【化7】
【0015】化7に示した合成中間体である化合物(化
合物No.7)をはじめとするチオン−O−エステル誘
導体は特許公報(DE2854310、特開昭54−0
83694号)で知られるように、それ自体液晶材料と
して有用な物質である。その合成方法については特開平
5−255165号、新実験化学講座第14巻(有機化
合物の合成と反応3、丸善株式会社出版)に記載がある
ように主として以下1)〜8)の方法が知られている。
【0016】1)クロロチオンぎ酸エステルと芳香族化
合物とのFriedel Crafts反応(H.Viola, et al., Chem.
Ber., 101, 3517(1968)) 2)カルバニオンをジチオ炭酸エステルあるいはチオン
炭酸エステルで処理する方法(Liebigs Ann.Chem., 197
3, 1637 ) 3)オルトエステルを硫化水素と反応させる方法(A. O
hno, et al., Tetrahedron Lett., 1968, 2083) 4)カルボン酸エステルを五硫化二リンあるいはLawess
on反応剤で処理する方法(Synthesis, 1973, 149 ; Bul
l. Chem. Soc. Belg., 87, 293(1987)) 5)チオンカルボン酸塩化物とアルコールあるいはフェ
ノールと反応させる方法(S.Scheithauer et al., Che
m. Ber., 98, 838(1965) ) 6)ニトリルをアルコール次いで硫化水素で処理する方
法(Liebigs Ann. Chem., 1974, 671 ) 7)メチル芳香族化合物を硫黄とアルコールとで処理す
る方法(Z. Chem., 6,108(1966)) 8)チオアシルジスルフィッドとアルコラートとの反応
(K.A.Latif et al.,Tetrahedron, 26, 4247(1970) )
【0017】上記製造方法において1)、2)、4)お
よび7)では収率が低く、さらに4)では反応に100
℃以上の高温を必要とし、副生成物が多量に生成するた
め効率的な方法とは言えない。また、3)および6)で
は毒性が強く、さらにその取り扱いに特殊な設備を要す
る硫化水素を使用する為、工業的製造方法には適さな
い。さらに5)の方法では合成原料であるチオンカルボ
ン酸塩化物の合成収率が低く、総合的に優れた方法とは
言えない。また8)の方法においても収率は比較的高い
ものの、合成例として記載されているものが、ナトリウ
ムメトキシドおよびナトリウムエトキシドの2種のアル
コラートとの反応例のみであり、フェノラートとの反応
については何等記載がない。また、ジチオカルボン酸誘
導体からチオアシルジスルフィッドを合成後、アルコラ
ートと反応させる等反応工程数が多く、簡便な方法とは
言えない。
【0018】以上のように液晶材料として有用であり、
さらに前記のジフルオロメチレンオキシ基を構築する前
駆体として重要なチオン−O−エステル誘導体の簡便か
つ効率的な製造方法は知られておらず、今後、ジフルオ
ロメチレンオキシ基を有する液晶材料の開発と共にその
需要は高まると予想される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前述した
問題を解決すべく鋭意検討した結果、ブロモベンゼン誘
導体と二硫化炭素から容易に得られるジチオカルボン誘
導体に、ジチオカルボン酸誘導体に対して2当量以上の
アルカリ金属水素化物を作用後、フェノール誘導体、次
いでヨウ素を作用させることで、ワンポットの反応で容
易に目的とするチオン−O−エステル誘導体が高収率で
得られることを見出し、発明を完成させるに至った。す
なわち、本発明の目的は電気光学材料として有用なジフ
ルオロベンジルエーテル誘導体の合成中間体であり、ま
たそれ自身も電気光学材料として好適な諸物性を発現す
るチオン−O−エステル誘導体の簡便かつ効率的な製造
方法を提供し、さらに低電圧液晶材料として有用な新規
チオン−O−エステル誘導体を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、
【0021】(1)一般式(1)
【化8】 (式中、R1 はハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜1
0までのアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基を
表し、基中の隣接しない1個以上のメチレン基は酸素原
子、硫黄原子に置換されていても良く、環Aは1,4−
シクロヘキシレン基、1,3−ジオキサン−2,5−ジ
イル基、1個以上のハロゲン原子が置換されていても良
い1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基
またはピリミジン−2,5−ジイル基を表し、環Bは1
個以上のハロゲン原子が置換していても良い1,4−フ
ェニレン基を表し、Z1 は単結合、−CH2 CH 2−、
−(CH24−、−CH2 O−または−OCH2 −を
表し、mは0、1または2を表す。)で表されるジチオ
カルボン酸誘導体と一般式(2)
【化9】 (式中、R2 はハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜1
0までのアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基を
表し、基中の隣接しない1個以上のメチレン基は酸素原
子、硫黄原子に置換されていても良く、環Dは1,4−
シクロヘキシレン基、1,3−ジオキサン−2,5−ジ
イル基、1個以上のハロゲン原子が置換されていても良
い1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基
またはピリミジン−2,5−ジイル基を表し、環Cは1
個以上のハロゲン原子が置換していても良い1,4−フ
ェニレン基を表し、Z2 は単結合、−CH2 CH 2−、
−(CH24 −、−CH2 O−または−OCH2 −を
表し、nは0、1または2を表す。)で表されるフェノ
ール誘導体にアルカリ金属水素化物およびヨウ素を作用
させて一般式(3)
【化10】 (式中、R1 、R2 、環A、環B、環C、環D、Z1
2 、mおよびnは上記と同一の意味を表す。)で表さ
れるチオン−O−エステル誘導体を製造することを特徴
とするチオン−O−エステル誘導体及びその製造方法。
【0022】(2)使用するアルカリ金属水素化物が水
素化リチウム、水素化ナトリウム若しくは水素化カリウ
ムである前記第(1)項に記載の製造方法。
【0023】(3)一般式(3)
【化11】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立にハロゲン原子、シ
アノ基、炭素数1〜10までのアルキル基、ハロアルキ
ル基、アルケニル基を表し、基中の隣接しない1個以上
のメチレン基は酸素原子、硫黄原子に置換されていても
良く、環A、環Dはそれぞれ独立に1,4−シクロヘキ
シレン基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1
個以上のハロゲン原子が置換されていても良い1,4−
フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基またはピリ
ミジン−2,5−ジイル基を表し、環B、環Cはそれぞ
れ1個以上のハロゲン原子が置換していても良い1,4
−フェニレン基を表し、Z1 、Z2 はそれぞれ独立に単
結合、−CH2 CH 2−、−(CH24−、−CH2
O−または−OCH2 −を表し、m、nは0、1または
2を表す。)で表されるチオン−O−エステル誘導体。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の方法で好適に製造できる
チオン−O−エステル誘導体は具体的には次の一般式群
(3−1)〜(3−6)で表される化合物である。
【0025】
【化12】
【0026】(上記一般式中、R1 、R2 、環A、環
B、環C、環D、Z1 およびZ2 は前記と同一の意味を
表す。)
【0027】本発明の方法で製造できるチオン−0−エ
ステル誘導体(3)において、R1、R2 はそれぞれ独
立にハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10までのア
ルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基を表し、基中
の隣接しない1個以上のメチレン基は酸素原子、硫黄原
子に置換されていても良く、環Aおよび環Dはそれぞれ
独立に1,4−シクロヘキシレン基、1,3−ジオキサ
ン−2,5−ジイル基、1個以上のハロゲン原子が置換
されていても良い1,4−フェニレン基、ピリジン−
2,5−ジイル基またはピリミジン−2,5−ジイル基
を表し、環Bおよび環Cはそれぞれ1個以上のハロゲン
原子が置換していても良い1,4−フェニレン基を表
し、Z1 、Z2 はそれぞれ独立に単結合、−CH2 CH
2−、−(CH24 −、−CH2 O−または−OCH
2 −を表し、m、nは0、1または2を表す。
【0028】上記においてR1 およびR2 は具体的には
フッ素原子、塩素原子、シアノ基、アルキル基、アルコ
キシ基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、アルケ
ニルオキシ基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン化ア
ルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシアルキル基、ハロ
ゲン置換アルケニル基を示す。
【0029】より具体的にはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、
ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシ
メチル基、ブトキシメチル基、メトキシエチル基、エト
キシエチル基、プロポキシエチル基、メトキシプロピル
基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ビニ
ル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテ
ニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、アリルオ
キシ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、
ジフルオロクロロメチル基、2,2,2−トリフルオロ
エチル基、2−フルオロエチル基、3−フルオロプロピ
ル基、4−フルオロブチル基、5−フルオロペンチル
基、3−クロロプロピル基、トリフルオロメトキシ基、
ジフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基、
ペンタフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフ
ルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基、1,
1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ基、ト
リフルオロメトキシメチル基、2−フルオロエテニル
基、2,2−ジフルオロエテニル基、1,2,2−トリ
フルオロエテニル基、3−フルオロ−1−ブテニル基、
4−フルオロ−1−ブテニル基等が好ましい。
【0030】従来の技術の項でも説明したようにK.A.La
tif 等が報告しているチオアシルジスルフィッドとアル
コラートとの反応(Tetrahedron, 26, 4247(1970) )に
よる製造方法は収率は比較的高いものの、ジチオカルボ
ン酸誘導体からチオアシルジスルフィッドを合成、単離
後、アルコラートと反応させる等反応工程数が多く、簡
便かつ効率的な方法とは言えず、さらに合成例として記
載されているものが、ナトリウムメトキシドおよびナト
リウムエトキシドの2種のアルコラートとの反応例のみ
であり、フェノラートとの反応性については不明であっ
た。そこで本発明者等は工業的に実施可能な製造方法を
鋭意検討したところ、ブロモベンゼン誘導体と二硫化炭
素から容易に得られるジチオカルボン誘導体(1)に2
当量以上のアルカリ金属水素化物を作用後、フェノール
誘導体(2)を作用させ反応系内で順次ジチオカルボン
酸塩およびフェノラートを発生させ、次いでヨウ素を作
用させることで、反応系内にてチオアシルジスルフィッ
ド(10)が発生すると共にそこにフェノラートが反応
し、目的とするチオン−O−エステル誘導体(3)が高
収率で得られることを見出した。
【0031】
【化13】
【0032】(上記においてR1 、R2 、環A、環B、
環C、環D、Z1 、Z2 、mおよびnは前記と同一の意
味を表し、Mはアルカリ金属を表す。)
【0033】本発明において使用するジチオカルボン酸
誘導体(1)はBer.,40, 1303(1907) またはJ. Am. Che
m. Soc., 50, 3106(1928) に記載の方法で容易に製造で
きる。すなわちブロモベンゼン誘導体(11)から常法
に従い調製したGrignard試薬に二硫化炭素を作用させる
ことで製造することができる。またGrignard試薬の調製
が困難な化合物の場合、(11)にアルキルリチウムを
作用させ、リチオ化後、同様に二硫化炭素を作用させて
製造することができる。
【0034】
【化14】
【0035】(上記においてR1 、環A、環B、Z1
よびmは前記と同一の意味を表す。)
【0036】また、本発明において使用するフェノール
誘導体(2)についてはR.L.Kidwell 等の方法(Org. S
ynth., V, 918(1973) )に従い、ブロモベンゼン誘導体
(12)から調製したGrignard試薬にホウ酸トリアルキ
ルを作用させ調製したボロン酸エステル誘導体(13)
を過酢酸をはじめとする過酸化物で酸化することにより
製造することができる。さらに以下に示す既知の方法、
すなわち 1)ハロゲン置換誘導体の触媒存在下における加水分解
による方法(特開昭62−11716号) 2)アシル、ケトン誘導体のBaeyer Villiger 酸化によ
る方法(J. FluorineChe m., (1994), 67,(1), 41) 3)ジアゾニウム塩の加水分解による方法(特開平3−
246244号) 4)フェノール誘導体へのフッ素置換による方法(特開
昭62−207229号、特開平2−34335号) により容易に製造することができる。
【0037】
【化15】
【0038】(上記においてR2 、環C、環D、Z2
よびnは前記と同一の意味を表し、R’はアルキル基を
表す。)
【0039】本発明において使用できるアルカリ金属水
素化物は限定されないが、入手が容易で安全に取り扱い
ができ、かつ比較的に安価である55〜65%水素化ナ
トリウム(油性)が好適である。また、その使用量につ
いてはジチオカルボン酸誘導体(1)およびフェノール
誘導体(2)を順次ジチオカルボン酸塩およびフェノラ
ートに変換する目的で理論的に((1)+(2))と当
量以上を必要とするが、反応系内で効率的にジチオカル
ボン酸塩およびフェノラートに変換する目的で((1)
+(2))の1.1〜1.5当量が好ましい。
【0040】また、フェノール誘導体(2)の使用量は
理論的にはジチオカルボン酸誘導体に対し、1当量以上
であれば反応は問題なく実施できるが、反応系内に未反
応のフェノール誘導体を残さず、目的物の取り出しを容
易にする目的で0.9〜1当量使用することが好まし
い。
【0041】ヨウ素の使用量については、理論的に使用
するジチオカルボン酸誘導体(1)と当量以上であれば
問題なく系内においてチオアシルジスルフィッド(1
0)を発生させ、何等問題なく反応を実施できるが、効
率良く(10)を反応系内で発生させる目的にてジチオ
カルボン酸誘導体に対し1.5〜3当量使用することが
好ましい。また、ヨウ素は固体のまま使用しても何等問
題はないが、急激な反応進行を避け、副生物の生成を抑
制するためにも以下に示す溶媒に希釈し使用することが
好ましい。
【0042】反応溶媒は基質と反応しないものであれば
何でも使用でき、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合
物、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘ
キサン等の脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、メチ
ル−t−ブチルエーテル等の脂肪族エーテル化合物、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物
を使用するのが好ましく、さらに好ましくはジチオカル
ボン酸、フェノール誘導体およびヨウ素に対する溶解度
が大きい脂肪族エーテル化合物、環状エーテル化合物お
よびハロゲン化炭化水素を使用すれば好適に反応を実施
できる。
【0043】反応温度は基質の構造にもよるが、−20
〜溶媒の沸点までの間で実施することができる。しか
し、ジチオカルボン酸誘導体(1)および(1)から生
成するジチオカルボン酸塩ならびにチオアシルジスルフ
ィッド(10)が高温では分解し易いため70℃以下が
好ましく、さらに好ましくは(10)を効率良く発生さ
せ、フェノラートとの反応を促進し、かつ副生物の生成
を抑制する目的にて10〜50℃が好適である。
【0044】反応時間は基質の構造、基質の量にもよる
が、ジチオカルボン酸誘導体(1)およびフェノール誘
導体(2)にアルカリ金属水素化物を作用させ順次ジチ
オカルボン酸塩およびフェノラートを調製するのに1時
間ないし3時間を要し、さらにヨウ素を添加後、1時間
ないし8時間上記温度を維持しながら実施するのが好ま
しく、反応全体としては2時間ないし11時間が好まし
い。
【0045】反応終了後、目的物の取り出しは通常の有
機合成法で使用されている手法を用いることで問題なく
実施できる。すなわち反応物に抽出用の有機溶媒を加え
よく攪拌し、有機層を分離後、炭酸ナトリウム水溶液、
炭酸水素ナトリウム水溶液あるいは水酸化ナトリウム水
溶液等のアルカリ性水溶液で洗浄後、さらに水洗し、無
水硫酸ナトリウムあるいは無水硫酸マグネシウム等乾燥
剤で乾燥後、減圧下有機溶媒を除去し、濃縮残査として
純度60%以上の目的物を得ることができる。本濃縮残
査をシリカゲルクロマトグラフィーあるいは蒸留を行う
ことで純度93%以上の目的物を得ることができ、さら
に再結晶により95%以上の目的物を得ることができ
る。ただし、チオン−O−エステル誘導体にはチオン型
とチオール型の平衡があることから化合物の構造にもよ
るが3〜5%のチオール型エステル誘導体を含む。
【0046】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。 実施例1 4−プロピル−チオン安息香酸(4−トリフルオロメト
キシ)フェニル(一般式(3)においてm=n=0、環
Aおよび環Bが1,4−フェニレン基、R1 がn−プロ
ピル基、R2 がOCF3 基のもの)(化合物No.7)
の製造 本化合物の製造は1)ジチオカルボン酸誘導体の製造お
よび2)4−プロピル−チオン安息香酸(4−トリフル
オロメトキシ)フェニルの製造の2つに大きく分割され
る。以下各製造工程に分割して詳述する。
【0047】1)ジチオカルボン酸誘導体の製造 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた
1000ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、削り状マ
グネシウム9.4g(386.8mmol)をテトラヒ
ドロフラン(以下THFと略す)20mlに懸濁させ、
攪拌しながら4−プロピルブロモベンゼン70.0g
(351.6mmol)のTHF溶液200mlを45
〜55℃を保ちながら1時間を要して滴下した。滴下
後、温浴上55℃を保ちながら、2時間20分間攪拌し
熟成を行った。次いで反応溶液を氷冷下10℃まで冷却
し、二硫化炭素133.8g( 1.75mol)を50
分を要して滴下した。滴下後室温まで昇温し、さらに1
4時間攪拌した。反応溶液を再度氷冷下5℃まで冷却
し、6規定塩酸100molを滴下し反応を終了した。
反応溶液はジエチルエーテル300mlで抽出後、水(
200mlX3) で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、減圧下溶媒を留去、濃縮し、赤紫色油状物を6
4.2g得た。1H−NMRの測定結果からこれが4−
プロピルジチオ安息香酸であることを確認した(収率9
3.1%)。
【0048】1H−NMR(δppm):0.95(3
H,t,J=7.4Hz),1.65(2H,m),
2.63(2H,t,J=7.8Hz),6.0−6.
5(1H,bs),7.18(2H,d,J=8.3H
z),7.99(2H,d,J=8.6Hz)。
【0049】2)4−プロピル−チオン安息香酸(4−
トリフルオロメトキシ)フェニルの製造 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた
1000ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下市販の60
%−水素化ナトリウム(油性)5.9g(148.2m
mol)をTHF30mlに懸濁させ、氷冷下10℃ま
で冷却後、攪拌しながら上記工程で製造した4−プロピ
ルジチオ安息香酸13.2g(67.4mmol)のT
HF溶液40mlを10℃以下を保ちながら20分を要
して滴下した。滴下後30分間そのまま攪拌し、次いで
4−トリフルオロメトキシフェノール10.0g(5
6.1mmol)のTHF溶液40mlを同10℃以下
を保ちながら20分を要して滴下した。滴下後さらに3
0分間攪拌後、ヨウ素18.8g(148.21mmo
l)のTHF溶液80mlを同じく10℃以下を保ちな
がら15分を要して滴下した。反応溶液は室温に戻し、
そのまま3時間攪拌し、熟成させた。反応溶液は10%
−チオ硫酸ナトリウム水溶液150mlに投じ反応を終
了させた後、ジエチルエーテル(200mlX2)で抽
出した。抽出層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10
0ml )で洗浄後、水洗(150mlX2)し、無水硫
酸マグネシウム上で乾燥後、減圧下溶媒を留去、濃縮し
赤茶褐色油状物28.7gを得た。得られた反応物は展
開溶媒にヘプタンを使用したシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにてRf=0.28の黄色成分を分取し、さ
らにヘプタンから再結晶して融点68.1℃の黄色針状
結晶物14.7gを得た(収率64.1%)。1 Hおよ
19Fの測定結果は目的とする4−プロピル−チオン安
息香酸(4−トリフルオロメトキシ)フェニルの構造を
指示した。
【0050】1H−NMR(δppm):0.96(3
H,t,J=7.4Hz),1.68(2H,m),
2.67(2H,t,J=7.8Hz),7.1−7.
4(6H,m),8.26(2H,d,J=8.9H
z)。19 F−NMR(δppm;CFCl3 ):−58.47
(−OCF3
【0051】実施例2 実施例1に記述された方法に準じ、次に示す化合物N
o. 1から296の化合物を製造することができる。
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】
【化24】
【0061】
【化25】
【0062】
【化26】
【0063】
【化27】
【0064】
【化28】
【0065】
【化29】
【0066】
【化30】
【0067】
【化31】
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】
【化36】
【0073】
【化37】
【0074】
【化38】
【0075】
【化39】
【0076】
【化40】
【0077】
【化41】
【0078】
【化42】
【0079】
【化43】
【0080】(転移点、その他スペクトルデータの欄に
示した記号で、Crは結晶、Nはネマチック相、Smは
スメクチック相(SAはスメクチックA相)、Isoは
等方性液体相を示す。また、スペクトルデータとして示
した1 H−NMRのデータはCDCl3 を測定溶媒に、
内部標準物質としてテトラメチルシランを用いて測定し
た値である。)
【0081】比較例1(実施例3) Synthesis, 1973, 149 に記載の方法に従い、実施例1
に示した4−プロピル−チオン安息香酸(4−トリフル
オロメトキシ)フェニルを製造した(スキーム1)。す
なわち攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を備え
た三口フラスコ中、4−プロピル安息香酸(14)と
(4−トリフルオロメトキシ)フェノールから製造した
4−プロピル−(4−トリフルオロメトキシ)フェニル
ベンゾアート(9)5.0g(15.4mmol)およ
び五硫化リン17.2gを混合し、130〜140℃に
加熱しながら2時間反応させた。反応物に水(100m
l) およびジエチルエーテル(150ml) を添加し、
抽出後、抽出層を飽和炭酸ナトリウム水溶液(50ml
X2)および水(100mlX2)で順次洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下、留去、濃
縮後、得られた濃縮残査を展開溶媒としてヘプタンを使
用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにてRf=
0.28の成分を分取し、さらにヘプタンから再結晶し
て黄色針状結晶物0.8gを得た。このものの1 H−N
MRの測定結果および融点は実施例1で製造した化合物
と一致し、目的とする4−プロピル−チオン安息香酸
(4−トリフルオロメトキシ)フェニルであることを確
認した。以下表1に実施例1に示した本発明の収率およ
び比較例1に示した従来法の収率を示す。
【0082】
【化44】
【0083】
【表1】
【0084】従来法と本発明の製造方法では安息香酸誘
導体(14)およびブロモベンゼン誘導体と使用する原
料はそれぞれ異なり、算出した収率を単純に比較するこ
とは困難である。しかし、いずれの反応原料もその入手
の容易さならびに価格に大差がないことを考慮すると、
表1に示す収率から本製造方法が従来方法よりも著しく
優れていることが容易に判る。さらにチオエステル化だ
けに着目し比較すると、五硫化リンによるエステル体
(9)のチオカルボニル化の収率が15.2%であるの
に対し、本発明の製造方法におけるジチオカルボン酸誘
導体からの収率は64.1%とはるかに大きく、従来法
と比較し優れた製造方法と言える。
【0085】応用例1(実施例4) 4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリル24%(重量 、以下同じ) 4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル36% 4−(トランス−4−ヘプチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル25% 4−(プロピルフェニル)ベンゾニトリル 15% からなる液晶組成物の透明点は72.4℃であり、その
誘電率異方性は+11.0である。この液晶組成物(以
下組成物Aと略す。)を母液晶とし、その85部に本発
明の方法で製造した化合物(化合物No.34)15部
を混合し、新たな液晶組成物Bを調製した。また本発明
の製造方法で製造できる新規チオン−0−エステル誘導
体の比較化合物として特開平2−233626号記載の
4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)3’,
4’,5’−トリフルオロビフェニル(15)を該広報
記載の方法に準じ合成した。
【0086】
【化45】
【0087】組成物Aの85部に比較化合物(15)1
5部を混合し、新たな液晶組成物Cを調製し、それぞれ
液晶組成物BおよびCの透明点および誘電率異方性とを
測定し、組成物Aの実測値を基に化合物の透明点および
誘電率異方性値の外挿値を算出した。結果を表2に示
す。
【0088】
【表2】
【0089】表2から本発明の製造方法で容易に製造で
きる新規チオン−0−エステル誘導体(化合物No.3
4)は同じ骨格構造を有し、該結合基を有しない化合物
(15)と比較し、ほぼ同等の透明点を有しながら、約
1.6倍という大きな誘電率異方性を示し、TFTある
いはSTN方式の低電圧用液晶材料として非常に有望で
あることが判る。
【0090】
【発明の効果】以上のように本発明の方法では K.A.Lat
if等らの報告およびその他従来既知の方法と比較し、下
記1)〜5)の利点が挙げられる。 1)ジチオカルボン酸から一段階の反応で目的とするチ
オン−0−エステル誘導体が製造でき、簡便かつ効率的
である。 2)チオアシルジスルフィッドを反応系内で発生させ、
直ちにフェノラートと反応させることからチオアシルジ
スルフィッドを単離する必要がない。 3)高収率である。 4)硫化水素をはじめとし、毒性が強く、特殊な設備を
必要とする試薬を使用しない。 5)工業的製造方法として十分活用できる。 従来法と比較し本発明の方法を用いることで液晶材料と
して有用であり、さらに前記のジフルオロメチレンオキ
シ基を構築する前駆体として重要なチオン−0−エステ
ル誘導体を簡便かつ効率的に製造することができる。ま
た、本製造方法を駆使することにより大きな誘電率異方
性を有し、TFTあるいはSTN方式の低電圧材料とし
て好適な新規チオン−0−エステル誘導体を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 19/34 C09K 19/34 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 はハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜1
    0までのアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基を
    表し、基中の隣接しない1個以上のメチレン基は酸素原
    子、硫黄原子に置換されていても良く、環Aは1,4−
    シクロヘキシレン基、1,3−ジオキサン−2,5−ジ
    イル基、1個以上のハロゲン原子が置換されていても良
    い1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基
    またはピリミジン−2,5−ジイル基を表し、環Bは1
    個以上のハロゲン原子が置換していても良い1,4−フ
    ェニレン基を表し、Z1 は単結合、−CH2 CH 2−、
    −(CH24 −、−CH2 O−または−OCH2 −を
    表し、mは0、1または2を表す。)で表されるジチオ
    カルボン酸誘導体と一般式(2) 【化2】 (式中、R2 はハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜1
    0までのアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基を
    表し、基中の隣接しない1個以上のメチレン基は酸素原
    子、硫黄原子に置換されていても良く、環Dは1,4−
    シクロヘキシレン基、1,3−ジオキサン−2,5−ジ
    イル基、1個以上のハロゲン原子が置換されていても良
    い1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基
    またはピリミジン−2,5−ジイル基を表し、環Cは1
    個以上のハロゲン原子が置換していても良い1,4−フ
    ェニレン基を表し、Z2 は単結合、−CH2 CH 2−、
    −(CH24 −、−CH2 O−または−OCH2 −を
    表し、nは0、1または2を表す。)で表されるフェノ
    ール誘導体にアルカリ金属水素化物およびヨウ素を作用
    させて一般式(3) 【化3】 (式中、R1 、R2 、環A、環B、環C、環D、Z1
    2 、mおよびnは上記と同一の意味を表す。)で表さ
    れるチオン−O−エステル誘導体を製造することを特徴
    とするチオン−O−エステル誘導体及びその製造方法。
  2. 【請求項2】 使用するアルカリ金属水素化物が水素化
    リチウム、水素化ナトリウム若しくは水素化カリウムで
    ある請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化4】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立にハロゲン原子、シ
    アノ基、炭素数1〜10までのアルキル基、ハロアルキ
    ル基、アルケニル基を表し、基中の隣接しない1個以上
    のメチレン基は酸素原子、硫黄原子に置換されていても
    良く、環A、環Dはそれぞれ独立に1,4−シクロヘキ
    シレン基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1
    個以上のハロゲン原子が置換されていても良い1,4−
    フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基またはピリ
    ミジン−2,5−ジイル基を表し、環B、環Cはそれぞ
    れ1個以上のハロゲン原子が置換していても良い1,4
    −フェニレン基を表し、Z1 、Z2 はそれぞれ独立に単
    結合、−CH2 CH 2−、−(CH24 −、−CH2
    O−または−OCH2 −を表し、m、nは0、1または
    2を表す。)で表されるチオン−O−エステル誘導体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014076986A (ja) * 2012-09-24 2014-05-01 Daikin Ind Ltd チオノカルボン酸アリールエステルの製造方法
WO2015141811A1 (ja) * 2014-03-20 2015-09-24 ダイキン工業株式会社 オキシジフルオロメチレン骨格を有する化合物の製造方法

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