JPH10174897A - 熱可塑性樹脂の微粉砕方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂の微粉砕方法

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JPH10174897A
JPH10174897A JP34124496A JP34124496A JPH10174897A JP H10174897 A JPH10174897 A JP H10174897A JP 34124496 A JP34124496 A JP 34124496A JP 34124496 A JP34124496 A JP 34124496A JP H10174897 A JPH10174897 A JP H10174897A
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pulverization
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Shinji Matsumoto
慎治 松本
Kenji Nishizawa
賢二 西沢
Katsuhito Kirikihira
勝仁 桐木平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂の延展性による塑性変形を抑制
することで、樹脂の粉砕効率を向上させる方法を提供す
る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を、アルコールとともに、
または予めアルコールに浸した後、粉砕する。または、
過飽和塩化ナトリウム水溶液とともに、湿式粉砕する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の湿
式粉砕方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1に、媒体攪拌型、湿式超微粉砕機
(三菱ウルトラファインミル:三菱重工業社製)による
熱可塑性樹脂(HDPE:高密度ポリエチレン)の、水
湿式粉砕時の粉砕粉平均粒子径(篩分析法による)の経
時変化を示す(図1中の●)。このように、粉砕初期に
粉砕粉の扁平化により粒径の増加が起こり、最終的に粉
砕原料とほぼ同等の粒子径までにしか粉砕できなかっ
た。また粉砕粉を顕微鏡観察すると、原料がほぼ球形を
していたことに対し、粉砕粉は扁平化が生じていた。こ
れは、前述の篩分析による粒子径の増加現象を裏付ける
事実である。以上のように、熱可塑性樹脂は、その延展
性が強いため、粉砕エネルギーを投じても粒子径の減少
が困難であった。
【0003】一方、熱可塑性樹脂の微粉砕を行うため
に、樹脂を一端低温脆化処理し、衝撃力で粉砕する装置
が、多数考案されてきたが、スケールアップに伴う冷却
効率の低下や、元来、衝撃型粉砕機のエネルギー効率が
悪いこと、及び冷媒として使用する液体窒素のコスト高
等、実用化、装置の大型化に障害となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性樹
脂の延展性による塑性変形を抑制することで、樹脂の粉
砕効率を向上させる方法に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、材料の延展
性、塑性変形性が強く、また耐熱性が低いため、これま
で微粉砕が困難であった熱可塑性樹脂を、アルコールと
ともに、湿式粉砕することを特徴とする熱可塑性樹脂の
微粉砕方法を提供する。また、本発明は、熱可塑性樹脂
を、予めアルコールに浸した後、粉砕することを特徴と
する熱可塑性樹脂の微粉砕方法を提供する。さらに、本
発明は、熱可塑性樹脂を、過飽和塩化ナトリウム水溶液
とともに、湿式粉砕することを特徴とする熱可塑性樹脂
の微粉砕方法を提供する。これにより、従来の冷凍粉砕
に比べ、粉砕効率、コスト低減を可能とする、熱可塑性
樹脂の微粉砕方法を提供できる。
【0006】
【発明の実施の形態】熱可塑性樹脂を媒体攪拌型微粉砕
機にて粉砕する場合、以下の方法が考えられる。 (1)熱可塑性樹脂の延展性を抑制する方法 図2(A)にアルキルアルコールに浸液したポリエチレ
ンフィルムの応力とひずみ(延び率)の関係を示す(出
典:プラスチックハンドブック 朝倉書店版)。これに
より熱可塑性樹脂をアルコールに浸液することで、応力
に対する樹脂の変形能力が変化することが判る。図には
示していないが、アルコールに浸すことなく空気中にお
ける曲線は、ほぼメチルアルコールに近い。また、吸収
量に比例して応力が減り、アルコールは可塑剤的に働く
ことを報告している。応力×ひずみ量が、外から加わる
エネルギーであるから、図2(B)に示す斜線部分が、
熱可塑性樹脂が塑性変形により吸収するエネルギーと考
えることができる。これが先に説明した粉砕初期におけ
る樹脂の変形、粒子径増加の原因である。図2(B)に
示す積分面積(斜線部分)の減少は、破壊にまでに粉砕
の対象が塑性変形して吸収するエネルギー量の減少を意
味する。従って、熱可塑性樹脂を粉砕する場合、予め樹
脂をアルコールに浸した後、粉砕を行うか、もしくはア
ルコールと共に湿式粉砕することで、図1中の●に示し
た樹脂の塑性変形による粉砕効率の低減を抑制すること
が可能となる。
【0007】(2)小さな粉砕媒体を挿入する方法 熱可塑性樹脂を水湿式粉砕する際、水側を塩化ナトリウ
ム水溶液を用いる。このとき塩化ナトリウム溶液を十分
に過飽和状態とすることで、水溶液中は水に溶解できな
い塩化ナトリウム結晶が多数存在する。塩化ナトリウム
結晶は非常に角張った数10μmから数mmの結晶であ
り、また熱可塑性樹脂に比べ結晶硬度は十分に高い。こ
れに粉砕媒体(粉砕ボール)から力が加えられ、熱可塑
性樹脂を引き掻く効果が得られ、樹脂が変形する場合、
変形が起こる前にその引き掻き傷を起点に破壊が生じ、
粉砕効率を向上させることが可能となる。
【0008】以上の点に基づき、鋭意研究した結果、本
発明を完成した。本発明で用いる熱可塑性樹脂として
は、特に限定されないが、HDPE(高密度ポリエチレ
ン)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレ
ン)、PVC(ポリ塩化ビニル)が挙げられる。また、
通常粉砕が困難とされているHDPEを後記の実施例に
示す。原料の熱可塑性樹脂は、最大粒径1mmまで粗粉
砕しておくことが望ましい。この場合に、本方法によっ
て生じる微粉末は、対象となる熱可塑性樹脂の最初の粒
径、粉砕の時間等に依存するが、平均粒径10μm〜5
0μm程度まで微粉砕が可能である。すなわち、本発明
でいう微粉末とは、平均粒径数十μm程度の粉末をい
う。
【0009】本発明で、熱可塑性樹脂の粉砕に用いられ
るアルコールとしては、炭素数1〜4のアルコールが挙
げられ、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール、ブチルアルコールが挙げら
れる。本発明では、熱可塑性樹脂をアルコールととも
に、または予めアルコールに浸した後、粉砕することを
特徴とする。
【0010】また、本発明では、熱可塑性樹脂を水湿式
粉砕する際、水側として塩化ナトリウム水溶液を用いる
ことにより、熱可塑性樹脂の微粉砕を可能とする。この
とき塩化ナトリウム溶液を十分に過飽和状態とすること
で、水溶液中は水に溶解できない塩化ナトリウム結晶が
多数存在する。塩化ナトリウム結晶は非常に角張った数
10μmから数mmの結晶であり、また熱可塑性樹脂に
比べ結晶硬度は十分に高い。これに粉砕媒体(粉砕ボー
ル)から力が加えられ、熱可塑性樹脂を引き掻く効果が
得られ、樹脂が変形する場合、変形が起こる前にその引
き掻き傷を起点に破壊が生じ、粉砕効率を向上させるこ
とが可能となる。塩化ナトリウム結晶の粉砕の進行に伴
い、粉砕の対象となる塩化ナトリウム結晶の減少によ
り、粉砕速度の低下が認められ場合もある。この場合
は、途中で塩化ナトリウムの追加する必要がある。粉砕
後は、粉砕粉を希釈することで容易に樹脂を分別するこ
とが可能である。
【0011】本発明で用いる塩化ナトリウムは、過飽和
水溶液として使用する。塩化ナトリウムの溶解度(飽和
溶液100g中に含まれる無機化合物の質量/g=wt
%、化学便覧、日本化学会編)は、20℃において2
6.38である。次に、塩化ナトリウムの過飽和水溶液
の調製について説明する。たとえば、粉砕対象の樹脂の
量と、過飽和状態が故に結晶として残留する塩化ナトリ
ウムの量が同量となり、且つまたそれらを合計した固形
分濃度が約20wt%となるように、樹脂、塩化ナトリウ
ム、水を配合させる。これを式で表せば、以下となる。 〔Mp+(Ms−S)〕/(Mp+Ms+100)≒0.2 ・・・式(1) Mp=Ms−S ・・・式(2) Mp:樹脂粉量(g) Ms:塩化ナトリウム量(g) S :水100gに溶ける塩化ナトリウム量(g) 0℃においてS≒35、100℃においてS≒40従っ
て、 Mp=(0.2S+20)/1.6≒16.9〜17.
5(g) Ms=(1.8S+20)/1.6≒51.9〜57.
5(g) 以上から判るように、この例では、水100gに対し、
樹脂17〜17.5g、塩化ナトリウム52〜58gが
配合される。過飽和溶液を作るには、樹脂粉末と塩化ナ
トリウム、及び水をミル内に一度に投入しても、ミル内
の媒体の攪拌力により飽和状態までの塩化ナトリウムの
溶解は可能である。また、塩化ナトリウムの水への溶解
度は、温度に関係なくほぼ一定であるため、粉砕条件と
して特に温度を制限する必要はない。
【0012】本発明の湿式粉砕は、アルコール湿式粉砕
と水湿式粉砕である。アルコール湿式粉砕で用いる粉砕
機は、媒体攪拌型粉砕機が挙げられ、たとえば、三菱ウ
ルトラファインミル等が挙げられる。水湿式粉砕で用い
る粉砕機は、媒体攪拌型粉砕機が挙げられ、たとえば、
三菱ウルトラファインミル等が挙げられる。
【0013】
【実施例】熱可塑性樹脂について、水湿式粉砕(比較例
1)、アルコール湿式粉砕(実施例1)、過飽和塩化ナ
トリウム水溶液にて湿式粉砕(実施例2)を行なった。
これらの結果を図1にまとめて示す。 (比較例1)熱可塑性樹脂としてHDPE(高密度ポリ
エチレン)を用い、通常の湿式粉砕を行った。粉砕機と
して、三菱重工業社製三菱ウルトラファインミルを用い
粉砕した。
【0014】(実施例1)熱可塑性樹脂として、比較例
と同じHDPE(高密度ポリエチレン)を用い、アルコ
ールとしてエタノールを用いた。図1に示すように、水
湿式粉砕に比べ、塑性変形が原因と推定される粒子径の
増加が若干認められるものの、早く粒子径減少に転じて
いる。これにより、アルコール浸液により塑性変形が抑
制され粉砕速度向上が確認された。
【0015】(実施例2)熱可塑性樹脂として、比較例
と同じHDPE(高密度ポリエチレン)を用い、過飽和
塩化ナトリウム水溶液として、水100gに対し、塩1
00gを室温調合し用いた。同様に粉砕初期の塑性変形
が緩和され粒子径減少に転じる時間が最も早かった。し
かし、塩化ナトリウム結晶の粉砕が進行することが原因
と推定される粉砕速度の低下が認められたため、途中で
塩化ナトリウムの追加が必要であった。粉砕後は、粉砕
粉を希釈することで容易に樹脂を分別することが可能で
あった。
【0016】
【発明の効果】媒体攪拌型粉砕機にて熱可塑性樹脂を粉
砕する場合、(1)アルコール湿式粉砕(2)過飽和塩
化ナトリウム水溶液にて湿式粉砕することにより、これ
まで粉砕効率が悪くまた多大な冷媒コストを要していた
冷凍粉砕を用いることなく、また従来の湿式粉砕よりも
粉砕効率を向上させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】微粉砕方法の違いよる熱可塑性樹脂の粉砕結果
を比較して示す図である。
【図2】アルコール浸液ポリエチレンの塑性変形能の変
化を示す図であり、(A)は、アルキルアルコールに浸
したポリエチレンフィルムの応力σ対ひずみεの関係を
示す図であり、(B)は、熱可塑性樹脂が塑性変形によ
り吸収するエネルギー〔(A)における積分面積〕を示
す図である。
【符号の説明】
1 メチルアルコール 2 エチルアルコール 3 プロピルアルコール 4 ブチルアルコール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を、アルコールとともに、
    湿式粉砕することを特徴とする熱可塑性樹脂の微粉砕方
    法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂を、予めアルコールに浸し
    た後、粉砕することを特徴とする熱可塑性樹脂の微粉砕
    方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂を、過飽和塩化ナトリウム
    水溶液とともに、湿式粉砕することを特徴とする熱可塑
    性樹脂の微粉砕方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007237049A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Ohashi Takaaki 油脂吸着剤、油脂吸着材の製造方法、無機系凝集剤及び無機系凝集剤の製造方法
JP2015151818A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 株式会社アレン スラブ式軌道の補修方法

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