JPH1017377A - 電解質板、セラミック補強材及びその製造方法 - Google Patents

電解質板、セラミック補強材及びその製造方法

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JPH1017377A
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師浩 富松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ガスクロスオーバーの発生を阻止
するため、セラミック補強材の凝集を阻止して均一分散
させ、機械的強度の向上を図る。 【解決手段】 複数の保持材及び複数の補強材からなる
多孔質体に混合アルカリ炭酸塩からなる電解質を含浸さ
せてなる電解質板、あるいは複数の保持材及び複数の補
強材からなるセラミック焼結体からなる電解質板におい
て、各補強材の表面に他の補強材との凝集を阻止するた
めの表面潤滑剤層を備えた電解質板、セラミック補強材
及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば溶融炭酸塩
型燃料電池に用いられる電解質板、セラミック補強材及
びその製造方法に係わり、特に、セラミック補強材を均
一分散でき、機械的強度を向上し得る電解質板、セラミ
ック補強材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、溶融炭酸塩型燃料電池として
は、電解質板にセラミック多孔質体又はセラミック焼結
体を用いることが知られている。図9はこの種の溶融炭
酸塩型燃料電池の基本構成例を示す概略図である。この
溶融炭酸塩型燃料電池は、導電性を有する一対の電極で
ある燃料極(以下、アノードと称する)1と酸化剤極
(以下、カソードと称する)2との間には、混合アルカ
リ炭酸塩からなる電解質を保持した電解質板3が挟み込
まれている。
【0003】この電解質板3を高温下で溶融させ、アノ
ード1にハウジング4aの供給口5を通じて燃料ガス
(H2 、CO2 )を、またカソード2にハウジング4b
の供給口6を通じて酸化剤ガス(空気、CO2 )をそれ
ぞれ供給すると、アノード1では下記(1)式の反応
が、カソード2では下記(2)式の反応がそれぞれ生
じ、ハウジング4aの排気口7から排出ガス(CO2
2 O)が、ハウジング4bの排気口8から排出ガス
(N2 )がそれぞれ排出される。
【0004】 H2 +CO3 2- → H2 O+CO2 +2e- (1) 1/2 O2 +CO2 +2e- → CO3 2- (2) この種の溶融炭酸塩型燃料電池に使用される電解質板3
は、基本的には、高温運転時に液体となる電解質の流出
を防止するための保持材粒子、及び昇降温時に電解質板
3の割れ発生や潰れを防止するための補強材粒子及び補
強材繊維から構成された多孔質体に、混合アルカリ炭酸
塩からなる電解質を含浸させたものである。
【0005】このアルカリ炭酸塩は、通常、Li2 CO
3 、K2 CO3 、Na2 CO3 の3種のうちの、2種ま
たは3種の混合塩の形で使用される。また、保持材粒子
としては、一次粒子径がサブミクロン(例えば0.05
μm以上0.2μm以下)であるα−LiAlO2 ,β
−LiAlO2 ,γ−LiAlO2 等の微粉末が使用さ
れる。
【0006】補強材粒子としては、平均粒径が数十ミク
ロン(例えば15μm)以上の粗粒が用いられ、補強材
繊維としては、アスペクト比(L/D、L:繊維長、
D:繊維径)が約100のものが用いられる。
【0007】ところで、このような電解質板3は、炭酸
イオン(CO3 2-)の移動を媒介するだけでなく、アノ
ード1及びカソード2間の反応ガスの直接混合(ガスク
ロスオーバー)を阻止するためのガス透過障壁層として
も機能する。なお、この機能を果たすには、電解質板3
中に電解質が十分に保持されることが必要となる。
【0008】一方、電解質板3からの電解質の流出(電
解質ロス)は、内部抵抗の増大を招く上、電解質板3の
割れや潰れを生じ、これがガスクロスオーバーの発生原
因となる。
【0009】このような電解質板3の割れや潰れは、燃
料電池の起動時及び昇降温時での熱変化により、電解質
板3を構成する多孔質体の微細構造が変化して生じる。
故に、現在の溶融炭酸塩型燃料電池には、実用化に向け
て電解質板3の割れや潰れの発生防止が強く要請されて
いる。
【0010】現在、このような要請に基づき、適切な微
細構造を持つ多孔質体を得る方法として、予め保持材及
び補強材粉末、補強材繊維を含むスラリーを、ドクター
ブレード法でシート化して多孔質体(マトリックス)を
形成した後に、この多孔質体に混合アルカリ炭酸塩から
なる電解質を含浸させるマトリックス法が多く採用され
ており、これまでに、補強材粒子径、繊維径、繊維長を
限定する方法が試みられてきている。
【0011】しかしながら、本発明者は、補強材粒子
径、繊維径、繊維長等の形態以外に、形成された多孔質
体中の補強材の分散状態及び存在形態によって電解質板
3に発生する割れの度合いが異なり、多孔質体中の補強
材の凝集等による不均一分散状態によって電解質板3に
割れが発生し、これが原因でガスクロスオーバーの発生
を招くものと考えている。
【0012】また、補強材として、アスペクト比50〜
1000程度の繊維又は長さ1mm以上の繊維について
は、特に当該多孔質体に添加する状態で既に強固な凝集
形態を有しており、これが多孔質体中の補強材の均一分
散状態を阻害する要因になっていると考えている。
【0013】また一方、割れや潰れの発生を阻止可能な
電解質板3として、セラミック焼結体が期待されてい
る。これについて説明する。セラミック焼結体として
は、例えば窒化ケイ素セラミックスがある。この窒化ケ
イ素セラミックスは、高い破壊強度と、良好な耐熱衝撃
性という他のセラミックスにない優れた特性を備えてい
る。しかし、窒化ケイ素セラミックスを機械部品、構造
用材料として実用化するには、セラミックス特有の弱点
である脆いという性質を克服することが不可欠である。
材料の脆さは、破壊靭性値にて評価可能である。窒化ケ
イ素系セラミックスは、他のセラミックスに比べ、比較
的高い破壊靭性値をもつものの、実用化にはより一層の
高靭性化が望まれている。
【0014】この種の高靭性化の技術としては、窒化ケ
イ素マトリックス中にウィスカーや繊維などの補強材を
複合させる、いわゆる繊維添加法がある。しかしなが
ら、この繊維強化方式は、破壊靭性が若干向上される場
合もあるが、未だ不十分な結果しか得られていない。こ
れは、窒化ケイ素マトリックス中に補強材繊維を均一に
分散させることが困難であることによる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
溶融炭酸塩型燃料電池においては、形成された多孔質体
中の補強材の分散状態及び存在形態によって電解質板3
に発生する割れの度合いが異なり、多孔質体中の補強材
の凝集等による不均一分布状態によって電解質板3に割
れが発生し、これによりガスクロスオーバーが発生する
恐れがあるという問題がある。
【0016】また、セラミック焼結体にも同様の問題が
存在している。本発明は上記実情を考慮してなされたも
ので、ガスクロスオーバーの発生を阻止するため、セラ
ミック補強材の凝集を阻止して均一分散させ、機械的強
度を向上し得る電解質板、セラミック補強材及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、繊維状又は粒子状の複数のセラミック部材と、前記
各セラミック部材の表面に設けられ、他のセラミック部
材との凝集を阻止するための表面潤滑剤層とを備えたセ
ラミック補強材である。
【0018】また、請求項2に対応する発明は、複数の
保持材及び複数の補強材からなる多孔質体に混合アルカ
リ炭酸塩からなる電解質を含浸させてなる電解質板にお
いて、前記各補強材の表面に他の補強材との凝集を阻止
するための表面潤滑剤層を備えた電解質板である。
【0019】さらに、請求項3に対応する発明は、複数
の保持材及び複数の補強材からなるセラミック焼結体に
おいて、前記各補強材の表面に他の補強材との凝集を阻
止するための表面潤滑剤層を備えたセラミック焼結体で
ある。
【0020】また、請求項4に対応する発明は、請求項
1に対応するセラミック補強材の製造方法において、前
記各セラミック部材の表面に表面潤滑剤を浸漬処理し、
前記表面潤滑剤層を設ける工程を含んだセラミック補強
材の製造方法である。
【0021】さらに、請求項5に対応する発明は、請求
項4に対応するセラミック補強材の製造方法において、
前記表面潤滑剤層を設ける工程の後に、前記各セラミッ
ク部材にその凝集を解くための振動処理を与える工程を
含んだセラミック補強材の製造方法である。
【0022】また、請求項6に対応する発明は、請求項
1に対応するセラミック補強材の製造方法において、前
記各セラミック部材の表面に表面潤滑剤を噴霧処理し、
前記表面潤滑剤層を設ける工程を含んだセラミック補強
材の製造方法である。
【0023】さらに、請求項7に対応する発明は、請求
項6に対応するセラミック補強材の製造方法において、
前記表面潤滑剤層を設ける工程の後に、前記各セラミッ
ク部材にその凝集を解くための振動処理を与える工程を
含んだセラミック補強材の製造方法である。 (作用)従って、請求項1に対応する発明は以上のよう
な手段を講じたことにより、各セラミック部材の表面に
設けられた表面潤滑剤層が、他のセラミック部材との凝
集を阻止するので、スラリー分散の際に、各セラミック
部材を均一に分散できるため、多孔質体又は焼結体から
なる電解質板の機械的強度の向上を図ることができ、ガ
スクロスオーバーの阻止を期待することができる。
【0024】また、請求項2に対応する発明は、電解質
板を構成する多孔質体にて、各補強材の表面に設けられ
た表面潤滑剤層が、他の補強材との凝集を阻止するの
で、スラリー分散の際に、各補強材を均一に分散できる
ため、多孔質体からなる電解質板の機械的強度を向上で
き、ガスクロスオーバーの発生を阻止することができ
る。
【0025】さらに、請求項3に対応する発明は、例え
ば電解質板を構成する焼結体にて、各補強材の表面に設
けられた表面潤滑剤層が、他の補強材との凝集を阻止す
るので、スラリー分散の際に、各補強材を均一に分散で
きるため、焼結体の機械的強度を向上でき、電解質板に
適用した場合にはガスクロスオーバーの発生を阻止する
ことができる。
【0026】また、請求項4に対応する発明は、請求項
1に対応する各セラミック部材の表面に表面潤滑剤を浸
漬処理し、表面潤滑剤層を設けることができるので、請
求項1に対応する作用と同様の作用に加え、セラミック
補強材を容易且つ確実に製造することができる。
【0027】さらに、請求項5に対応する発明は、請求
項4に対応する表面潤滑剤層を設けた後に、各セラミッ
ク部材にその凝集を解くための振動処理を与えるので、
請求項4に対応する作用と同様の作用に加え、セラミッ
ク部材をより一層、均一に分散させることができる。
【0028】また、請求項6に対応する発明は、請求項
4に対応する浸漬処理に代えて、噴霧処理を用いている
ので、請求項4に対応する作用と同様の作用を奏するこ
とができる。
【0029】さらに、請求項7に対応する発明は、請求
項6に対応する表面潤滑剤層を設けた後に、各セラミッ
ク部材にその凝集を解くための振動処理を与えるので、
請求項6に対応する作用と同様の作用に加え、セラミッ
ク部材をより一層、均一に分散させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施形態に
係るセラミック多孔質体からなる電解質板の適用された
溶融炭酸塩燃料電池の概略構成を示す斜視図であり、図
2はこの溶融炭酸塩燃料電池のスタック発電要素部分を
拡大して示す斜視図である。この溶融炭酸塩型燃料電池
は、アノード11、カソード12、及びアノード11と
カソード12との間に挟み込んで配置され、混合アルカ
リ炭酸塩を電解質として保持する電解質板13を備えて
いる。これらアノード11、カソード12及び電解質板
13が単位セルとされ、複数の単位セルがセパレータ1
4aを挟んで積層される。
【0031】電解質板13上面に配置されたアノード1
1の対向する一対の縁部は、電解質板13の縁部から所
望距離隔てて内側に位置し、かつアノード11が存在し
ない電解質板13の両縁部とセパレータ14との間に
は、エッジシール板15aが配置される。
【0032】一方、電解質板13下面に配置されたカソ
ード12のエッジシール板15aと直交する一対の縁部
は、電解質板13の縁部から所望距離隔てて内側に位置
され、かつカソード12が存在しない電解質板13の両
縁部とセパレータ14bとの間には、エッジシール板1
5bが配置される。
【0033】アノード11、セパレータ14a及びエッ
ジシール板15aで区画された空間(燃料ガス流通空
間)には、集電板としての導電性を有する孔開き板16
a、波板17aが、アノード11側から順次積層され
る。
【0034】同様に、カソード12、セパレータ14b
及びエッジシール板15bで区画された空間(酸化剤ガ
ス流通空間)には、集電板としての導電性を有する孔開
き板16b、波板17bが、カソード12側から順次積
層される。
【0035】このような複数の単位セルがセパレータ1
4を挟んで積層されたスタック発電要素の4つの側面に
は、枠状のフランジ18を有するマニホールド19がそ
れぞれ配置される。
【0036】また、スタック発電要素の4つの側面とマ
ニホールド19とフランジ18との間には、それぞれ枠
状のマニホールドシール板20が介在して設けられる。
燃料ガス流通空間が表出するスタック発電要素の側面に
対応するマニホールド(図示せず)には、燃料ガス21
を供給するための供給管22が取付けられ、供給管22
と反対側のマニホールド19には、ガス排出管23が取
付けられる。
【0037】同様に、酸化剤ガス流通区間が表出するス
タック発電要素の側面に対応するマニホールド(図示せ
ず)には、酸化剤ガス24を供給するための供給管25
が取付けられ、供給管25と反対側のマニホールド19
には、ガス排出管26が取付けられる。
【0038】ここで、アノード11、カソード12とし
ては、例えば、ニッケル又はニッケルベースアロイの多
孔質焼結体から形成可能である。セパレータ14a、セ
パレータ14b、エッジシール15a、エッジシール1
5b、孔開き板16a、孔あき板16b、波板17a及
び波板17bは、例えば、ステンレス鋼から形成可能で
ある。
【0039】燃料ガス21としては、例えば水素(H
2 )と二酸化炭素(CO2 )との混合ガス等が使用可能
である。一方、電解質板13は、保持材及び補強材から
なる気孔率40〜65%の多孔質体に、溶融状態の電解
質を含浸させることにより、製造される。なお、補強材
は、図3又は図4に示すように、表面が表面潤滑剤層に
て覆われている。
【0040】次に、以上のように構成された溶融炭酸塩
型燃料電池に適用されたセラミック多孔質体からなる電
解質板13の製造方法及び作用を説明する。 (製造方法)電解質板13の製造方法について図5及び
図6に示す補強材の製造工程を参照しながら説明する。
【0041】始めに、エタノール溶剤中に表面潤滑剤が
添加され、この表面潤滑剤が濃度を可能な限り均一とす
るようにエタノール溶剤中に溶解されることにより(図
中、均一溶液処理)、表面潤滑剤溶液が調整される。
【0042】調整された表面潤滑剤溶液は、例えば長さ
3mmの補強材繊維の表面に浸漬工程又は噴霧工程によ
りコーティングされ、しかる後、この補強材繊維は乾燥
処理される。次に、この補強材繊維は振動フルイにより
解繊処理される。同様にして、表面潤滑剤溶液のコーテ
ィング、乾燥及び解繊処理が補強材粒子に施される。
【0043】なお、表面潤滑剤のコーティング処理後に
補強材繊維に解繊処理を施し、同様に表面潤滑剤のコー
ティング処理後に補強材粒子に解粒処理を施したことに
より、多孔質体中に補強材を均一に分散させることがで
きる。例えば、これら補強材繊維及び補強材粒子をSE
M(scanning electron microscope)により観察したと
ころ、凝集した補強材繊維、補強材粒子は解けているこ
とが確認された。なお、図3にこの補強材繊維の外観を
断面層構造と共に示し、また、図4に補強材粒子の外観
及び断面層構造を示した。
【0044】次に、これら補強材繊維及び補強材粒子
は、保持材粉末及び有機バインダと有機溶媒の混合下で
分散しながら混合される。なお、分散過程は、溶媒及び
表面潤滑剤の種類により、図7(a)〜(c)のいずれ
か又はこれらの組合せとなる。
【0045】混合により調整されたスラリーは、ドクタ
ーブレード法によりグリーンシートに成形された後に脱
脂され、所定の気孔率を有する多孔質体に成形される。
この多孔質体に、混合アルカリ炭酸塩からなる溶融され
た電解質が含浸されることにより、電解質板13が製造
される。
【0046】なお、このような電解質板13の製造に
は、例えば以下の材料が使用可能である。 [表面潤滑剤]…ポリビニルブチラール、ポリビニルア
ルコール、テフロン、ナイロン、アクリル又はシリコン
系樹脂等。 [補強材繊維]…Al23 繊維(長さ3mm、径10
μm;アスペクト比=約300)、リチウムアルミネー
ト繊維、ジルコニア繊維又はリチウムジルコニウム繊維
等。 [補強材粒子]…Al23 粒子、リチウムアルミネー
ト粒子、ジルコニア粒子又はリチウムジルコニウム粒子
等。 [保持材粉末]…γ−LiAlO2 (比表面積10m2
/g) [有機バインダ]…表面潤滑剤、ポリビニルブチラー
ル、フタル酸ジブチル、アクリル樹脂等又はこれらの数
種類。 [有機溶媒]…エチルアルコール、n−ブタノール又は
メチルエチルケトン等。 [電解質(混合アルカリ炭酸塩)]…炭酸リチウム(L
2 CO3 )と炭酸カリウム(K2 CO3 )の混合物、
Li2 CO3 と炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の混合
物、あるいはLi2 CO3 とK2 CO3 とNa2 CO3
の混合物等。なお、この種の混合物にアルカリ土類金属
炭酸塩を添加してもよい。 (電解質板13の作用)前述した通りに製造された電解
質板13と、ニッケルベースアロイからなるアノード及
びカソードと、ステンレス鋼からなるセパレータ、エッ
ジシール板、孔開き板、波板とを用い、前述した図1及
び図2に示す溶融炭酸塩型燃料電池が組立てられる。
【0047】次に、アノード11には、燃料ガス21と
してH2 とCO2 との混合ガスが供給され、一方、カソ
ード12には、酸化剤ガス24として空気とCO2 との
混合ガスが供給される。この状態で、所定の負荷条件で
3000時間の発電試験が行なわれた。なお、発電試験
中には10回の熱サイクルが印加された。
【0048】発電試験終了後、アノード11には、上記
燃料ガス21にガスクロスリーク検出ガス(He)を加
えた混合ガスが供給され、一方、カソード12には上記
酸化剤ガス24が供給される。このとき、カソード12
の出口側のガス中に含まれるHe濃度を測定し、ガスク
ロスリーク量を求めた。
【0049】その結果、ガスクロスリーク量は、出口側
のガス中の1.5%以下であった。すなわち、補強材の
表面に表面潤滑剤層を設けてなるセラミック多孔質体か
ら製造された電解質板13は、長時間の運転及び熱サイ
クルに充分耐え得ることを示した。
【0050】上述したように第1の実施の形態によれ
ば、各補強材の表面に設けられた表面潤滑剤層が、他の
補強材との凝集を阻止するので、スラリー分散の際に、
各補強材を均一に分散できるため、多孔質体からなる電
解質板13の機械的強度を向上でき、ガスクロスリーク
量を1.5%以下としたように、ガスクロスオーバーの
発生を抑制することができる。
【0051】また、本実施の形態によれば、表面潤滑剤
層の形成方法として浸漬処理又は噴霧処理を用いること
により、本発明に係る補強材を容易且つ確実に製造する
ことができる。
【0052】さらに、本実施の形態によれば、表面潤滑
剤層を設けた後に、振動フルイを用いて解繊処理や解粒
処理を行なうため、本発明に係る補強材をより一層、均
一に分散させることができる。
【0053】なお、本実施の形態とは異なる手順とし
て、表面潤滑剤のコーティング処理前に解繊処理を行な
うと、繊維が飛散したり、処理後の繊維の再凝集が確認
されており、好ましくない。補強材粒子の場合にも同様
である。 (第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施の形態
に係るセラミック焼結体からなる電解質板について図1
乃至図6を用いて説明するが、図1乃至図6と同一部分
についてはその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0054】すなわち、本実施形態に係る電解質板13
は、第1の実施形態のセラミック多孔質体からなる電解
質板13とは異なり、セラミック焼結体で構成されてい
る。 (製造方法)この電解質板(セラミック焼結体)13
は、具体的には次のように製造される。
【0055】まず、前述同様に、図5又は図6に示す手
順にて補強材繊維の表面に表面潤滑剤層が設けられ、本
実施形態に係る補強材繊維が得られる。次に、得られた
補強材繊維と、窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末とが溶
媒中にて浸漬・混合されてスラリーが得られる。このス
ラリーは乾燥された後、焼結され、もって、セラミック
焼結体が製造される。
【0056】なお、これらの材料には、例えば以下のも
のが使用可能である。 [補強材繊維]…炭化ケイ素の短繊維や長繊維(いわゆ
るSiCウィスカーやSiCファイバー)。 [窒化ケイ素粉末]…α型の結晶を多く含むものが好ま
しい。 [焼結助剤]…イットリア、チタニア、アルミナ、マグ
ネシア又はこれらの複合酸化物。 [溶媒]…水や各種有機溶媒。 (電解質板13の作用)次に、以上のように製造された
セラミック焼結体について、破壊強度、破壊エネルギー
及び破壊靭性値(KIC)の項目からなる機械的特性を測
定した。
【0057】その結果、破壊強度、破壊エネルギー、破
壊靭性値(KIC)は従来よりも高い値を示した。すなわ
ち、表面潤滑剤層を有する補強材繊維と、窒化ケイ素粉
末及び焼結助剤とを溶媒中で、浸漬、混合、乾燥するこ
とにより、補強材繊維の均一な分散状態を保持すること
ができ、よって、この均一な分散状態をもつ混合粉末が
焼結されてなるセラミック焼結体は、窒化ケイ素と炭化
ケイ素繊維との複合効果が顕著となって、繊維強化の機
構が充分に作用するため、優れた機械的特性を奏するこ
とができる。
【0058】従って、このセラミック焼結体を電解質板
13として溶融炭酸塩型燃料電池に用いることにより、
割れ発生を低減できると共に、割れ発生に伴うガスクロ
スオーバー発生を抑制することができる。
【0059】上述したように第2の実施の形態によれ
ば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ、
さらに、電解質板13がセラミック焼結体であることか
ら、より一層、破壊強度、破壊エネルギー、破壊靭性値
からなる機械的強度を向上させることができる。 (他の実施の形態)なお、上記第1の実施の形態では、
予め電解質板13を作成してから燃料電池を組立てた場
合を説明したが、これに限らず、次の(1)〜(2)の
ように燃料電池を組立てた後に電解質板13を製造して
も、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることがで
きる。 (1)前述した通りに作成した多孔質体を、あらかじめ
混合アルカリ炭酸塩からなる電解質を含浸させたアノー
ド11と無含浸のカソード12との間に配置し、これを
前述の図2に示した単位セルとし、複数の単位セルをセ
パレータを挟んで積層してスタック発電要素とした後、
この発電要素の4つの側面にマニホールドを取り付けて
燃料電池を組み立てる。 (2)その後、作動温度まで昇温させて、上記電解質板
13の気孔部分に、上記アノード11中の溶融した混合
アルカリ炭酸塩を拡散、充填して、電解質板13を製造
する。 その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形
して実施できる。
【0060】
【実施例】
(第1の実施例) (実施例1;セラミック多孔質体)まず、表面潤滑剤の
ポリビニルブチラールをエタノール溶剤中で溶解するこ
とにより、表面潤滑剤溶液を1リットル調製した。
【0061】次に、補強材の表面に表面潤滑剤をコーテ
ィングするため、補強材として、アスペクト比が約30
0となる繊維長3mm,繊維径10μmのAl23
維50gを、上記表面潤滑剤溶液に対して浸漬処理した
後、50℃で2時間の乾燥処理を行なった。
【0062】次に、この補強材に対して、振動フルイに
よる解繊処理を施し、表面潤滑剤層を設けたAl23
繊維を得た。そして、このように得た補強材をSEMに
より観察したところ、凝集した繊維は解けていることが
確認された。
【0063】次に、保持材粉末として、比表面積10m
2 /gのγ−LiAlO2 をアルミナポットに入れ、エ
タノール、ポリビニルブチラール、フタル酸ジブチルと
共に20時間湿式混合した後、補強材として上記表面潤
滑剤層を設けたAl23 繊維を、保持材:補強剤=
7:3の重量比となるように添加した後に5時間混合
し、多孔質体用スラリーを調製した。
【0064】次に、調整したスラリーをキャリアシート
上に展開し、厚さ0.5mmのマトリックスグリーンシ
ートを成形した後、脱脂してセラミック多孔質体を作成
した。
【0065】さらに、電解質としての混合アルカリ炭酸
塩(Li2 CO3 :62mol%、K2 CO3 :38m
ol%)を、上記セラミック多孔質体に550℃まで昇
温して溶融含浸することにより、厚さ0.5mmの電解
質板を作成した。 (比較例1)実施例1の材料及び手順を用いたが、実施
例1とは異なり、表面潤滑剤層の省略された補強材(A
23 繊維)を添加して多孔質体用スラリーが調整さ
れ、多孔質体が作成されている。
【0066】すなわち、比較例1は、実施例1から表面
潤滑剤のコーティング処理までを省略し、表面潤滑剤層
の無い補強材を用いて製造された電解質板である。 (実施例1の作用)次に、以上のように得られた実施例
1の電解質板13と、ニッケルベースアロイからなるア
ノード11及びカソード12と、ステンレス鋼からなる
セパレータ14a,14b、エッジシール板15a,1
5b、孔開き板16a,16b、波板17a,17bと
を用いて、前述した図1及び図2に示す溶融炭酸塩型燃
料電池を組み立てた。
【0067】次に、アノード11には、燃料ガス21と
してのH2 80 vol%とCO2 20vol%との混合ガス
が供給され、一方、カソード12には、酸化剤ガス24
としての空気70 vol%とCO2 30 vol%との混合ガ
スが供給される。この状態にて、700℃で150mA
/cm2 の負荷条件で発電試験が行なわれた。
【0068】この発電試験は3000時間行なわれ、そ
の間に10回の熱サイクルが印加された。発電試験終了
後、アノード11には、上記燃料ガス21にガスクロス
リーク検出ガスとしてのHeを10 vol%加えた混合ガ
スが供給され、一方、カソード12には、上記酸化剤ガ
ス24が供給される。このとき、カソード12の出口側
のガス中に含まれるHe濃度を測定し、ガスクロスリー
ク量を求めた。また、同様にして比較例1の電解質板に
ついてもガスクロスリーク量を求めた。これらの結果
は、ガスクロスリーク量と熱サイクル数との関係として
図8に示される。
【0069】図8に示すように、実施例1の表面潤滑剤
層を有する補強材を用いた電解質板13では、3000
時間中に10回の熱サイクルが印加された発電試験の後
でも、ガスクロスリーク量がカソード12の出口側のガ
ス流量に対して1.5%以下に収まり、もって、長時間
の運転及び熱サイクルに耐え得ることを示した。
【0070】一方、比較例1の表面未処理の補強材を用
いた電解質板では、3000時間中に5回の熱サイクル
を印加した発電試験の後にて、ガスクロスリーク量がカ
ソード12の出口側のガス流量に対して4%以上に上昇
し、ガスクロスオーバーが著しく生じてしまった。
【0071】上述したように第1の実施例によれば、電
解質板13の多孔質体の補強に用いる多孔質体用補強材
の表面に表面潤滑剤層を設けることにより、ガスクロス
リーク量を抑えることができる。
【0072】これにより、電解質板13の割れ発生を低
減し、割れ発生に伴なうガスクロスオーバーの発生を抑
制することができる。 (第2の実施例) (実施例2;セラミック焼結体)窒化ケイ素粉末として
平均粒径0.7μmでα型を主成分とし、焼結助剤とし
て平均粒径0.5μmのアルミナ及び平均粒径0.5μ
mのイットリア、繊維としては、実施例1と同様な方法
で表面潤滑剤層を設けた長さ10〜1000μmのスラ
リー分散用炭化ケイ素繊維を用いた。まず、溶媒とし
て、n−ブタノールを用い、ゴムライニングボールミル
により、窒化ケイ素粉末100g、イットリア5g、ア
ルミナ5gを約24時間混合した。次に、得られた混合
粉末と炭化ケイ素繊維25gを湿式混合し、約40℃で
乾燥させて混合粉末を得た。この粉末を成形した後、1
750℃、1時間の条件で焼結することにより、セラミ
ック焼結体(電解質板13)を製造した。 (比較例2)実施例2の材料及び手順を用いたが、実施
例2とは異なり、表面潤滑剤層の省略された補強材(炭
化ケイ素繊維)を湿式混合して得られる混合粉末によ
り、セラミック焼結体を得ている。
【0073】すなわち、比較例2は、実施例2から表面
潤滑剤のコーティング処理までを省略し、表面潤滑剤層
の無い補強材を用いて製造されたセラミック焼結体であ
る。 (実施例2の作用)表1は、実施例2及び比較例2の各
々の焼結体に関し、破壊強度、破壊エネルギー及び破壊
靭性値の測定結果を示している。なお、破壊強度は、J
IS規格に基づいて3点曲げにより求めた。また、破壊
靭性値(KIC)は、破壊強度測定用の試験片と同一サイ
ズの試験片を用い、ダイヤモンドカッターで試験片中央
部に幅0.1mm、深さ0.75mmのU溝を形成し、
スパン30mm、クロスヘッドスピード0.75mm/
minの条件で常温において測定し、次式に従って求め
た。 KIC=Yσa1/2 但し、Y;形状因子、σ;曲げ強度、a;亀裂長さであ
る。 また、破壊エネルギーは、この破壊靭性試験の際に得ら
れる応力−歪み曲線の面積と試験片破面の断面積から計
算した。
【0074】
【表1】
【0075】表1に示すように、実施例2の焼結体は、
比較例2よりも、破壊強度、破壊エネルギー、破壊靭性
値が向上しており、優れた機械的特性を有している。す
なわち、実施例2の焼結体では、表面潤滑剤層を設けた
補強材繊維を用いることにより、窒化ケイ素マトリック
ス中に炭化ケイ素繊維を均一分散できたため、窒化ケイ
素と炭化ケイ素繊維との複合効果を顕著にでき、高靭性
化を実現させることができた。
【0076】上述したように第2の実施例によれば、電
解質板13の焼結体の補強に用いる焼結体用補強材の表
面に表面潤滑剤層を設けることにより、焼結体中にて補
強材を均一に分散できるため、機械的特性を向上させる
ことができる。これにより、電解質板13の割れ発生を
低減し、割れ発生に伴うガスクロスオーバーの発生を抑
制することができる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、各セラミック部材の表面に設けられた表面潤滑剤
層が、他のセラミック部材との凝集を阻止するので、ス
ラリー分散の際に、各セラミック部材を均一に分散でき
るため、多孔質体又は焼結体からなる電解質板の機械的
強度の向上を図ることができ、ガスクロスオーバーの阻
止を期待できるセラミック補強材を提供できる。
【0078】また、請求項2の発明によれば、電解質板
を構成する多孔質体にて、各補強材の表面に設けられた
表面潤滑剤層が、他の補強材との凝集を阻止するので、
スラリー分散の際に、各補強材を均一に分散できるた
め、多孔質体からなる電解質板の機械的強度を向上で
き、ガスクロスオーバーの発生を阻止できる電解質板を
提供できる。
【0079】さらに、請求項3の発明によれば、例えば
電解質板を構成する焼結体にて、各補強材の表面に設け
られた表面潤滑剤層が、他の補強材との凝集を阻止する
ので、スラリー分散の際に、各補強材を均一に分散でき
るため、焼結体の機械的強度を向上でき、電解質板に適
用した場合にはガスクロスオーバーの発生を阻止できる
セラミック焼結体を提供できる。
【0080】また、請求項4の発明によれば、請求項1
の各セラミック部材の表面に表面潤滑剤を浸漬処理し、
表面潤滑剤層を設けることができるので、請求項1と同
様の効果に加え、セラミック補強材を容易且つ確実に製
造できるセラミック補強材の製造方法を提供できる。
【0081】さらに、請求項5の発明によれば、請求項
4の表面潤滑剤層を設けた後に、各セラミック部材にそ
の凝集を解くための振動処理を与えるので、請求項4と
同様の効果に加え、セラミック部材をより一層、均一に
分散できるセラミック補強材の製造方法を提供できる。
【0082】また、請求項6の発明によれば、請求項4
の浸漬処理に代えて、噴霧処理を用いているので、請求
項4と同様の効果を奏するセラミック補強材の製造方法
を提供できる。
【0083】さらに、請求項7の発明によれば、請求項
6の表面潤滑剤層を設けた後に、各セラミック部材にそ
の凝集を解くための振動処理を与えるので、請求項6と
同様の効果に加え、セラミック部材をより一層、均一に
分散できるセラミック補強材の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るセラミック多
孔質体からなる電解質板の適用された溶融炭酸塩燃料電
池の概略構成を示す斜視図
【図2】同実施の形態における溶融炭酸塩燃料電池のス
タック発電要素部分を拡大して示す斜視図
【図3】同実施の形態における補強材繊維の外観を断面
層構造と共に示す模式図
【図4】同実施の形態における補強材粒子の外観及び断
面層構造を示す模式図
【図5】同実施の形態における補強材の製造工程を説明
するための流れ図
【図6】同実施の形態における補強材の製造工程を説明
するための流れ図
【図7】同実施の形態における補強材の分散過程を示す
模式図
【図8】本発明の第1の実施例に係る電解質板に関して
ガスクロスリーク量と熱サイクル数との関係を比較例と
比較して示す特性図
【図9】一般的な溶融炭酸塩型燃料電池の基本構成例を
示す概略図
【符号の説明】
11…アノード(燃料極) 12…カソード(空気極) 13…電解質板 14a,14b…セパレータ 15a,15b…エッジシール板 16a,16b…孔開き板 17a,17b…波板 18…フランジ 19…マニホールド 20…マニホールドシール板 21…燃料ガス 22,25…供給管 23,26…ガス排出管 24…酸化剤ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富松 師浩 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 五戸 康広 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状又は粒子状の複数のセラミック部
    材と、 前記各セラミック部材の表面に設けられ、他のセラミッ
    ク部材との凝集を阻止するための表面潤滑剤層とを備え
    たことを特徴とするセラミック補強材。
  2. 【請求項2】 複数の保持材及び複数の補強材からなる
    多孔質体に混合アルカリ炭酸塩からなる電解質を含浸さ
    せてなる電解質板において、 前記各補強材の表面に他の補強材との凝集を阻止するた
    めの表面潤滑剤層を備えたことを特徴とする電解質板。
  3. 【請求項3】 複数の保持材及び複数の補強材からなる
    セラミック焼結体において、 前記各補強材の表面に他の補強材との凝集を阻止するた
    めの表面潤滑剤層を備えたことを特徴とするセラミック
    焼結体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のセラミック補強材の製
    造方法において、 前記各セラミック部材の表面に表面潤滑剤を浸漬処理
    し、前記表面潤滑剤層を設ける工程を含んだことを特徴
    とするセラミック補強材の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のセラミック補強材の製
    造方法において、 前記表面潤滑剤層を設ける工程の後に、前記各セラミッ
    ク部材にその凝集を解くための振動処理を与える工程を
    含んだことを特徴とするセラミック補強材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のセラミック補強材の製
    造方法において、 前記各セラミック部材の表面に表面潤滑剤を噴霧処理
    し、前記表面潤滑剤層を設ける工程を含んだことを特徴
    とするセラミック補強材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のセラミック補強材の製
    造方法において、 前記表面潤滑剤層を設ける工程の後に、前記各セラミッ
    ク部材にその凝集を解くための振動処理を与える工程を
    含んだことを特徴とするセラミック補強材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2774905A1 (en) * 2013-03-06 2014-09-10 Rolls-Royce plc Ceramic matrix composite
US9757918B2 (en) 2014-03-04 2017-09-12 Rolls-Royce Plc Ceramic matrix composite

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