JPH10172908A - 露光方法 - Google Patents

露光方法

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JPH10172908A
JPH10172908A JP9352996A JP35299697A JPH10172908A JP H10172908 A JPH10172908 A JP H10172908A JP 9352996 A JP9352996 A JP 9352996A JP 35299697 A JP35299697 A JP 35299697A JP H10172908 A JPH10172908 A JP H10172908A
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shot
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ウエハ上の複数のショット領域の各々にマスク
のパターンを正確に重ね合わせて転写する。 【解決手段】ウエハ上の複数のショット領域のうち少な
くとも3つずつを第1及び第2アライメントショット領域
としてその位置情報を取得し、第1アライメントショッ
ト領域の複数の位置情報を用いた近似演算処理によっ
て、複数のショット領域の配列特性を表す関数の係数を
第1パラメータとして算出するとともに、第2アライメ
ントショット領域の複数の位置情報を用いた近似演算処
理によってその関数の係数を第2パラメータとして算出
し、第1及び第2パラメータを用いて複数のショット領
域の各々とマスクのパターンとの位置関係を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体製造装置用の
露光装置、特にステップアンドリピート方式で感応基板
上のショット領域を露光する装置に好適な位置合わせ方
法に関し、さらには露光用の原版となるマスクやレチク
ルと露光対象となる半導体ウェハ等との精密な相対位置
合わせを行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ICやLSI等の半導体装置は急
速に微細化、高密度化が進み、これを製造する装置、特
にマスクやレチクルの回路パターンを半導体ウェハに形
成された回路パターン上に重ね合わせて転写する露光装
置にも増々、高精度なものが要求されてきている。マス
クの回路パターンとウェハ上の回路パターンとは、例え
ば0.1μm以内の精度で重ね合わせることが要求され
る。このため、現在、その種の露光装置はマスクの回路
パターンをウェハ上の局所領域(例えば1チップ分)に
露光したら、ウェハを一定距離だけ歩進(ステッピン
グ)させては再びマスクの回路パターンを露光すること
を繰り返す、所謂ステップアンドリピート方式の装置、
特に縮小投影型の露光装置(ステッパー)が主流になっ
ている。このステップアンドリピート方式では、ウェハ
を2次元移動するステージに載置してマスクの回路パタ
ーンの投影像に対して位置決めするため、その投影像と
ウェハ上の各チップとを精密に重ね合わせることができ
る。また、縮小型露光装置の場合、マスクやレチクルに
設けられた位置合わせ用のマークと、ウェハ上のチップ
に付随したマークとを投影レンズを介して直接観察又は
検出して位置合わせするスルーザレンズ方式のアライメ
ント方法と、投影レンズから一定距離だけ離して設けた
位置合わせ用の顕微鏡を使ってウェハ全体の位置合わせ
を行った後、そのウェハを投影レンズの直下に送り込む
オフアクシス方式のアライメント方法との2つの方法が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にスルーザレンズ
方式はウェハ上の各チップ毎に位置合わせすることか
ら、重ね合わせ精度は高くなるものの1枚のウェハの露
光処理時間が長くなるという問題がある。オスアクシス
方式の場合は、一度ウェハ全体の位置合わせが完了した
ら、チップの配列に従ってウェハをステッピングさせる
だけなので、露光処理時間は短縮される。しかしなが
ら、各チップ毎の位置合わせを行わないため、4ェハの
伸縮、ウェハのステージ上の回転誤差、ステージ自体の
移動の直交度等の影響で必ずしも満足な重ね合わせ精度
が得られなかった。
【0004】一方、スルーザレンズ方式のアライメント
系を持つ投影露光装置を用いた位置合わせ方法として、
例えば特開昭59−54225号公報には、ウエハ上の
複数のチップ領域のうち代表的ないくつかのチップ領域
に対して予めマスクとのアライメントを行い、そのアラ
イメント結果(チップ領域に設けられたマークの検出結
果)に基づいてウエハ上のチップ領域の配列の特性(傾
向)を求めてからステップアンドリピート方式でウエハ
を移動させる位置合わせ方法も提案されている。この方
法であれば、露光時にウエハ上の各チップ毎のアライメ
ントを行わなくてもよいため、1枚のウエハの処理時間
もそれ程長くならない。
【0005】しかしながら、上記公報に開示されたよう
に、ウエハ上の代表的なチップ領域のみに対してアライ
メント(マーク位置の検出)を行う場合、そのチップ領
域に付設されたマーク検出の精度が劣化すると、それ以
降に決定されたチップ領域の配列特性は極めて信頼性の
ないものとなってしまう。そのようなマーク検出の精度
劣化は、ウエハの加工プロセスにより生じたマークの変
形やマークへのゴミの付着等によって偶発的に起こるも
のである。
【0006】そこで本発明は、ウェハ等の感応基板上に
配列された複数のチップ(ショット領域)の全てについ
て、マスク等のパターン像の露光位置でのアライメント
のためのマーク検出をすることなく、代表的なショット
領域に対してのみマーク検出を行いつつ、プロセスの影
響によるマーク変形等で生じる精度劣化を防止した位置
合わせ方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は所定の配列座標系(αβ)に従って2次元
に配列される複数のショット領域(Cn)と該複数のシ
ョット領域の各々に付設されるアライメント用のマーク
(SXn、SYn)とが形成された感応基板(WA)を
2次元的に移動可能なステージ(3)上に載置し、該ス
テージを露光手段(R、1)の所定の露光中心(AX)
に対して移動させて露光手段からのパターン像(Pr)
が感応基板のショット領域に重ね合わせ露光されるよう
に位置合わせする方法に適用される。
【0008】そして本発明では感応基板上の複数のショ
ット領域のうち互いに隣接しない4つ以上のm個のショ
ット領域を、アライメント用の特定ショット領域として
指定する段階と、露光手段の露光中心から所定距離だけ
離れた位置に検出領域(LXS、LYS)を有し、マー
クの位置情報を光電的に計測するマーク位置計測手段
(9、10、30〜38、41〜48)を使って、m個
の特定ショット領域の各々に付設されたマークが所定の
順番で次々に検出領域に導かれて光電的に計測されるよ
うに、ステージの移動を指示する段階とが実行される。
【0009】さらに本発明では、マーク位置計測手段に
よるマークの位置計測に精度劣化が生じた場合は、その
精度劣化が生じたマークの付設された特定ショット領域
の隣に位置するショット領域のマークの位置情報をステ
ージの移動とマーク位置計測手段とにより追加実測する
段階を設け、追加実測が行われたときは、精度劣化した
マーク位置情報を無視して、計m個のマーク位置情報を
使って感応基板上の露光すべきショット領域の各々が露
光手段の露光中心に対してアライメントされるようなス
テージの移動位置を決定する段階と、その決定された移
動位置に従ってステージを順次移動させて重ね合わせ露
光を行う段階とを実行するようにした。
【0010】本発明においては、ウエハ等の感応基板上
に形成された複数のチップパターン(ショット)領域の
うち代表的なm個を予め指定し、指定されたショット領
域の各々に付設されたマークの位置を計測する際、その
計測精度が劣化するようなショット領域については、そ
の近傍に隣接した代わりのショット領域に対してマーク
位置計測の実測を行うようにした。このため、予め指定
された代表的なショット領域のマークが加工プロセスの
影響によってたまたま変形していたり、またはそのマー
クにたまたまゴミが付着していたりして、本来の計測精
度が得られないままショット配列の特性(線形伸縮誤
差、残存回転誤差、直交度誤差、オフセット誤差)を決
定することが防止され、より高い信頼性をもつマーク位
置情報を使ってショット配列の特性を決定することが可
能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の方法を実施するの
に好適な縮小投影型露光装置の概略的な構成を示す斜視
図である。投影原版となるレチクルRは、その投影中心
が投影レンズ1の光軸を通るように位置決めされて、装
置に装着される。投影レンズ1はレチクルRに描かれた
回路パターン像を1/5、又は1/10に縮小して、ウ
ェハWA上に投影する。ウェハホルダー2はウェハWA
を真空吸着するとともに、x方向とy方向に2次元移動
するステージ3に対して微小回転可能に設けられてい
る。駆動モータ4はステージ3上に固定され、ウェハホ
ルダー2を回転させる。また、ステージ3のx方向の移
動はモータ5の駆動によって行われ、y方向の移動はモ
ータ6の駆動によって行われる。ステージ3の直交する
2辺には、反射平面がy方向に伸びた反射ミラー7と、
反射平面がx方向に伸びた反射ミラー8とが各々固設さ
れている。レーザ光波干渉測長器(以下単にレーザ干渉
計と呼ぶ)9は反射ミラー8にレーザ光を投射して、ス
テージ3のy方向の位置(又は移動量)を検出し、レー
ザ干渉計10は反射ミラー7にレーザ光を投射して、ス
テージ3のx方向の位置(又は移動量)を検出する。投
影レンズ1の側方には、ウェハWA上の位置合わせ用の
マークを検出(又は観察)するために、オフアクシス方
式のウェハアライメント顕微鏡(以下、WAMと呼ぶ)
20、21が設けられている。尚、WAM21は図1で
は投影レンズ1の後にあり、図示されていない。WAM
20、21はそれぞれ投影レンズ1の光軸AXと平行な
光軸を有し、x方向に細長く伸びた帯状のレーザスポッ
ト光YSP、θSPをウェハWA上に結像する。(スポ
ット光YSP、θSPは図1では図示せず。)これらス
ポット光YSP、θSPはウェハWA上の感光剤(フォ
トレジスト)を感光させない波長の光であり、本実施例
では微小な振幅でy方向に振動している。そして、WA
M20、21はマークからの散乱光や回折光を受光する
光電素子と、その光電信号をスポット光の振動周期で同
期整流する回路とを有し、スポット光θSP(YSP)
のy方向の振動中心に対するマークのy方向のずれ量に
応じたアライメント信号を出力する。従って、WAM2
0、21は所謂スポット光振動走査型の光電顕微鏡と同
等の構成のものである。さて、本装置には投影レンズ1
を介してウェハWA上のマークを検出するレーザステッ
プアライメント(以下LSAと呼ぶ)光学系が設けられ
ている。不図示のレーザ光源から発生して、不図示のエ
クスパンダー、シリンドリカルレンズ等を通ってきたレ
ーザ光束LBはフォトレジスト感光させない波長の光
で、ビームスプリッター30に入射して2つの光束に分
割される。その一方のレーザ光束はミラー31で反射さ
れ、ビームスプリッター32を通過して、結像レンズ群
33で、横断面が帯状のスポット光になるように収束さ
れた後、レチクルRと投影レンズ1との間に回路パター
ンの投影光路を遮光しないように配置された第1折り返
しミラー34に入射する。第1折り返しミラー34はレ
ーザ光束をレチクルRに向けて上方反射する。そのレー
ザ光束はレチクルRの下側に設けられて、レチクルRの
表面と平行な反射平面を有するミラー35に入射して、
投影レンズ1の入射瞳の中心に向けて反射される。ミラ
ー35からのレーザ光束は投影レンズ1によって収束さ
れ、ウェハWA上にx方向に細長く伸びた帯状のスポッ
ト光LYSとして結像される。スポット光LYSはウェ
ハWA上でx方向に伸びた回折格子状のマークを相対的
にy方向に走査して、そのマークの位置を検出するため
に使われる。スポット光LYSがマークを照射すると、
マークから回折光が生じる。それら光情報は再び投影レ
ンズ1、ミラー35、ミラー34、結像レンズ群33、
及びビームスプリッター32に戻り、ビームスプリッタ
32で反射されて、集光レンズと空間フィルターから成
る光学素子36に入射する。この光学素子36はマーク
からの回折光(1次回折光や2次回折光)を透過させ、
正反射光(0次回折光)を遮断して、その回折光をミラ
ー37を介して光電素子38の受光面に集光する。光電
素子38は集光した回折光の光量に応じた光電信号を出
力する。以上、ミラー31、ビームスプリッタ32、結
像レンズ群33、ミラー34,35、光学素子36、ミ
ラー37、及び光電素子38は、ウェハWA上のマーク
のy方向の位置を検出するスルーザレンズ方式のアライ
メント光学系(以下Y−LSA系と呼ぶ)を構成する。
【0012】一方、ビームスプリッター30で分割され
た別のレーザ光束は、ウェハWA上のマークのx方向の
位置を検出するスルーザレンズ方式のアライメント光学
系(以下、X−LSA系と呼ぶ)に入射する。X−LS
A系はY−LSA系と全く同様に、ミラー41、ビーム
スプリッター42、結像レンズ群43、ミラー44,4
5、光学素子46、ミラー47、及び光電素子48から
構成され、ウェハWA上にy方向に細長く伸びた帯状の
スポット光LXSを結像する。
【0013】主制御装置50は光電素子38、48から
の光電信号、WAM20、21からのアライメント信
号、及びレーザ干渉計9、10からの位置情報とを入力
して、位置合わせのための各種演算処理を行うととも
に、モータ4、5、6を駆動するための指令を出力す
る。この主制御装置50はマイクロコンピュータやミニ
コンピュータ等の演算処理部を備えており、その演算処
理部にはウェハWAに形成された複数のチップCPの設
計位置情報(ウェハWA上のチップ配列座標値等)が記
憶されている。図2は上記WAM20、21とY−LS
A系、X−LSA系によるスポット光θSP、YSP、
LYS、LXSの投影レンズ1の結像面(ウェハWAの
表面と同一)における配置関係を示す平面図である。図
2において、光軸AXを原点とする座標系xyを定めた
とき、x軸とy軸はそれぞれステージ3の移動方向を表
す。図2中、光軸AXを中心とする円形の領域はイメー
ジフィールドifであり、その内側の矩形の領域はレチ
クルRの有効パターン領域の投影像Prである。スポッ
ト光LYSはイメージフィールドif内で投影像Prの
外側の位置で、かつx軸上に一致するように形成され、
スポット光LXSもイメージフィールドif内で投影像
Prの外側の位置で、かつy軸上に一致するように形成
される。一方、2つのスポット光θSP、YSPの振動
中心はx軸からy方向に距離Y0だけ離れた線分(x軸
と平行)LL上に一致するように、かつそのx方向の間
隔DxがウェハWAの直径よりも小さな値になるように
定められている。本装置では、スポット光θSP、YS
Pはy軸に対して左右対称に配置されており、主制御装
置50は光軸AXの投影点に対するスポット光θSP、
YSPの位置に関する情報を記憶している。また、主制
御装置50は、光軸AXの投影点に対するスポット光L
YSのx方向の中心位置(距離Xl)とスポット光LX
Sのy方向の中心位置(距離Yl)に関する情報も記憶
している。
【0014】次に、この装置を使った本発明による位置
合わせ方法を装置の動作とともに図3のフローチャート
図を使って説明する。尚、この位置合わせはウェハWA
の第2層目以降について行われるものであり、ウェハW
A上にはチップと位置合わせ用のマークとがすでに形成
されている。まず、ウェハWAはステップ100で不図
示のプリアライメント装置を使って、ウェハWAの直線
的な切欠き(フラット)が一定の方向に向くように粗く
位置決めされる。ウェハWAのフラットは図1に示した
ように、x軸と平行になるように位置決めされる。
【0015】次にステップ101では、ウェハWAはス
テージ3のウェハホルダー2上に搬送され、フラットが
x軸と平行を保つようにウェハホルダー2上に載置さ
れ、真空吸着される。そのウェハWAには、例えば図4
に示すように複数のチップCnがウェハWA上の直交す
る配列座標αβに沿ってマトリックス状に形成されてい
る。配列座標αβのα軸はウェハWAのフラットとほぼ
平行である。図4では複数のチップCnのうち、代表し
て配列座標αβのウェハWAのほぼ中心を通るα軸上に
一列に並んだチップC0〜C6のみを表してある。各チ
ップC0〜C6にはそれぞれ4つの位置合わせ用のマー
クGY、Gθ、SX、SYが付随して設けられている。
【0016】今、チップC0〜C6の中央のチップC3
の中心を配列座標αβの原点としたとき、α軸上にはα
方向に線状に伸びた回折格子状のマークSY0〜SY6
が、夫々チップC0〜C6の右脇に設けられている。ま
た、チップC3の中心を通るβ軸上にはβ方向に線状に
伸びた回折格子状のマークSX3がチップC3の下方に
設けられ、他のチップC0、C1、C2、C4、C5、
C6についても同様にチップの中心を通りβ軸と平行な
線分上にマークSX0〜SX2、SX4〜SX6が設け
られている。これらマークSYn、SXnはそれぞれス
ポット光LYS、LXSによって検出されるものであ
る。
【0017】また、各チップC0〜C6の下方にはウェ
ハWAの全体の位置合わせ(グローバルアライメント)
を行うために使われるマークGY0〜GY6、Gθ0〜
Gθ6が設けられている。これらマークGYn、Gθn
はα軸と平行な線分上にα方向に線状に伸びた回折格子
上のパターンで形成されている。さらにα方向に一列に
並んだチップC0〜C6のうち、例えば左端のチップC
0のマークGY0と右端のチップC6のマークGθ6と
のα方向の間隔が、WAM20、21によるスポット光
θSP、YSPの間隔DXと一致するように定められて
いる。
【0018】すなわち本実施例では離れた2ヶ所のマー
クGY0とマークGθ6を使ってオフアクシス方式でウ
ェハWAのグローバルアライメントを行う。このためそ
の他のマークGY1〜GY6、マークGθ0〜Gθ5は
本来不要であり、なくてもよい。要はウェハWAのα軸
と平行な(又は一致した)線分上にα方向に細長く伸び
た2つのマークが間隔DXだけ離れて存在すればよい。
【0019】さて、主制御装置50はプリアライメント
装置からウェハWAを受けるときのステージ3の位置情
報、その位置から、マークGY0、Gθ6がそれぞれW
AM21、20の検出(観察)視野内に位置するまでの
ステージ3の移動方向と移動量等の情報を装置固有の定
数として予め記憶している。そこで次のステップ102
において、主制御装置50は、まずモータ5、6を駆動
して、マークGY0がWAM21の検出視野内に位置す
るように、ステージ3を位置決めする。その後、スポッ
ト光YSPの振動中心がマークGY0のy方向の中心と
一致するように、主制御装置50はWAM21からのア
ライメント信号とレーザ干渉計9からの位置情報とに基
づいてステージ3をy方向に精密に位置決めする。スポ
ット光YSPの振動中心とマークGY0の中心とが一致
したら、その状態が維持されるように主制御装置50は
モータ6をWAM21からのアライメント信号でサーボ
(フィードバック)制御したまま、マークGθ6がWA
M20のスポット光θSPによって検出されるようにモ
ータ4を駆動してウェハホルダー2を回転させる。さら
に主制御装置50はスポット光θSPの振動中心とマー
クGθ6 のy方向の中心とが一致するように、WAM
20からのアライメント信号でモータ4をサーボ制御す
る。
【0020】以上の一連の動作により、スポット光YS
PとマークGY0が一致し、スポット光θSPとマーク
Gθ6が一致し、ステージ3の移動座標系、すなわち座
標系xyに対するウェハWAの配列座標αβの回転ずれ
が補正されるとともに、座標系xyと配列座標αβのy
方向(β方向)の位置に関する対応付け(規定)が完了
する。
【0021】次に、ウェハWA上の中心部分に位置する
チップC3のマークSX3がX−LSA系のスポット光
LXSによって走査されるように、ステージ3を位置決
めした後、x方向に移動させる。この際主制御装置50
は光電素子48からの時系列的な光電信号とレーザ干渉
計10からの位置情報とに基づいて、マークSX3がス
ポット光LXSと一致したときのウェハWAのx方向の
位置を検出して記憶する。これによって、座標系xyと
配列座標αβのx方向(α方向)の位置に関する対応付
けが完了する。尚、このx方向の対応付けは、露光動作
の直前にX−LSA系を使う場合は不要である。
【0022】以上の動作により、オフアクシス方式のア
ライメントを主としたウェハWAのグローバルアライメ
ント(配列座標αβの座標系xyへの対応付け)が終了
する。そして従来の方法であればウェハWA上の各チッ
プの配列設計値(配列座標αβにおけるチップの中心座
標値)に基づいて、主制御装置50はレーザ干渉計9、
10からの位置情報を読み取ってレチクルRの投影像P
rがチップに重なり合うようにステージ3のステップア
ンドリピート方式による位置決め(アドレッシング)を
行った後そのチップに対して露光(プリント)を行う。
【0023】ところが、グローバルアライメントの完了
までに、アライメント検出系の精度、各スポット光の設
定精度、あるいはウェハWA上の各マークの光学的、形
状的な状態(プロセスの影響)による位置検出精度のば
らつき等によって誤差を生じ、ウェハWAのチップは座
標系xyに従って精密に位置合わせ(アドレッシング)
されるとは限らない。そこで本発明の実施例においては
その誤差(以下ショット・アドレス誤差と呼ぶ)を次の
4つの要因から生じたものとする。
【0024】(1)ウェハの回転;これは例えばウェハ
WAを回転補正する際、位置合わせの基準となる2つの
スポット光YSPとθSPとの位置関係が正確でなかっ
たために生じるものであり、座標系xyに対する配列座
標αβの残存回転誤差量θで表される。 (2)座標系xyの直交度;これはステージ3のモータ
5、6による送り方向が正確に直交していないこととに
より生じ、直交度誤差量wで表される。
【0025】(3)ウェハのx(α)方向とy(β)方
向の線形伸縮;これはウェハWAの加工プロセスによっ
てウェハWAが全体的に伸縮することがある。このた
め、チップの設計上の配列座標値に対して実際のチップ
位置がα、β方向に微小量だけずれることになり、特に
ウェハWAの周辺部で顕著になる。このウェハ全体の伸
縮量はα(x)方向とβ(y)方向とについてそれぞれ
Rx、Ryで表される。ただし、RxはウェハWA上の
x方向(α方向)の2点間の距離の実測値と設計値の
比、RyはウェハWA上のy方向(β方向)の2点間の
距離の実測値と設計値の比で表すものとする。従って、
Rx、Ryがともに1のときは伸縮なしである。
【0026】(4)x(α)方向、y(β)方向のオフ
セット;これは、アライメント系の検出精度ウェハホル
ダー2の位置決め精度等により、ウェハWAが全体的に
x方向とy方向に微小量だけずれることにより生じ、オ
フセット量Ox、Oyで表される。さて、図4にはウェ
ハWAの残存回転誤差量θと、ステージ3の直交度誤差
量wを誇張して表してある。
【0027】この場合、直交座標系xyは実際は微小量
wだけ傾いた斜交座標系xy’になり、ウェハWAは直
交座標系xyに対してθだけ回転したものになる。上記
(1)〜(4)の誤差要因が加わった場合、設計上で座
標位置(Dxn、Dyn)のショット(チップ)につい
て実際に位置決めすべきショット位置(Fxn、Fy
n)は以下の式(1)のように表される。ただし、nは
整数でショット(チップ)番号を表す。
【0028】
【数1】
【0029】ここで、wはもともと微小量であり、θも
グローバルアライメントにより微小量に追い込まれてい
るから、一次近似を行うと式(1)は式(2)で表され
る。
【0030】
【数2】
【0031】この式(2)より、各ショット位置におけ
る設計値からの位置ずれ(εxn、εyn)は式(3)
で表される。
【0032】
【数3】
【0033】さて、式(2)を行列の演算式に書き直す
と、以下のようになる。 Fn=A・Dn+O ・・・(4) ただし、
【0034】
【数4】
【0035】
【数5】
【0036】
【数6】
【0037】
【数7】
【0038】そこで、実際のショット(チップ)位置が
マークの検出により測定され、その実測値がHnとして
検出されたとき、位置決めすべきショット位置Fnとの
位置ずれ、すなわちアドレス誤差En(=Hn−Fn)
を最小にするように誤差パラメータA(変換行列)、O
(オフセット)を決定する。そこで評価関数として最小
二乗誤差をとるものとすると、アドレス誤差Eは以下の
式(9)で表わされる。
【0039】
【数8】
【0040】そこで、アドレス誤差Eを最小にするよう
に誤差パラメータA,Oを決定する。ただし、式(9)
でmはウエハWAの複数のチップのうち実測したチップ
の数を表わす。さて、誤差パラメータA,Oを求める際
に、最小二乗法を用いるものとすると、このままでは演
算量が多いため、誤差パラメータO(Ox,Oy)は別
に前もって決めておくものとする。オフセット量(O
x,Oy)はウエハWAのグローバルなオフセット値で
あるので、ウエハWA上の実測したチップ位置Hnの数
mで設計値(Dxn,Dyn)に対するアドレス誤差を
平均化した値にするとよい。
【0041】
【数9】
【0042】
【数10】
【0043】ところで、位置決めすべきショット位置F
nと実測値Hnとの誤差Enのうち、x方向の成分Ex
nは、式(4)〜式(8)から、 Exn=Hxn−Fxn =Hxn−a11Dxn−a12Dyn−Ox ・・・(12 ) となり、誤差Enのy方向の成分Eynは同様に、 Eyn=Hyn−Fyn =Hyn−a21Dxn−a22Dyn−Oy ・・・(13 ) となる。そこで、式(9)の誤差Eを最小にするように
誤差パラメータAを決定すると、要素a11,a12,
a21,a22は以下のようになる。
【0044】
【数11】
【0045】
【数12】
【0046】
【数13】
【0047】
【数14】
【0048】要素a11,a12,a21,a22が求
まれば、式(6)より線形伸縮量Rx,Ry,残存回転
誤差量θ、直交度誤差量wはただちに求められる。 Rx=a11 ・・・(18) Ry=a22 ・・・(19) θ=a21/Ry=a21/a22 ・・・(20) w=−(a21/Ry)−(a12/Rx) =−(a21/a22)−(a12/a11) ・・・(21) 従って、誤差パラメータA,Oを決定するためには、グ
ローバルアライメント終了後ウエハWA上のいくつか
(4つ以上)のチップについて、X−LSA、Y−LS
A系を用いてマークSXn,SYnの位置を実測して実
測値(Hxn、Hyn)を求めるとともに、実測したチ
ップの設計値(Dxn,Dyn)を使って、式(1
0),(11),(14)〜(17)の演算を行えばよ
い。
【0049】そこで、図3のフローチャート図に戻って
動作の説明を続ける。主制御装置50はグローバルアラ
イメントが終了した後、ウエハWAの複数のチップの位
置を計測する。まずステップ103で主制御装置50は
X−LSA系のスポット光LXSが図4中の左端のチッ
プC0に付随したマークSX0と平行に並ぶように、配
列設計値に基づいてステージ3を位置決めした後、マー
クSX0 がスポット光LXSを横切るようにステージ
3をx方向に一定量だけ移動(走査)する。
【0050】この移動の間、主制御装置50は光電素子
48の時系列的な光電信号の波形をレーザ干渉計10か
らのx方向の位置情報に対応付けて記憶し、波形状態か
らマークSX0とスポット光LXSとがx方向に関して
一致した時点の位置x0を検出する。次に、主制御装置
50はステップ104でY−LSA系のスポット光LY
SがチップC0に付随したマークSY0と平行に並ぶよ
うに配列設計値に基づいてステージ3を位置決めする。
その後、マークSY0がスポット光LYSを横切るよう
にステージ3をy方向に一定量だけ移動する。
【0051】このとき主制御装置50は光電素子38の
時系列的な光電信号の波形をレーザ干渉計9からのy方
向の位置情報と対応付けて記憶し、波形状態からマーク
SY0とスポット光LYSとがy方向に関して一致した
時点の位置y0を検出する。そして主制御装置50はス
テップ105でm個のチップについて同様の位置検出を
行なったか否かを判断して、否のときはステップ106
に進み、ウエハWA上の別のチップまで配列設計値に基
づいてステージ3を移動させ、ステップ103から再び
同様の位置検出動作を繰り返す。
【0052】本実施例では、例えば図5に示すように配
列座標αβの各軸上に沿ってウエハWAの中心からほぼ
等距離に位置する4つのチップC0、C6、C7、C8
と中央のチップC3の計5つのチップの各々についてス
テップ103、104の位置検出が行われるものとす
る。従ってステップ105でm=5と判断された時点で
主制御装置50には、5つの実測値(Hxn,Hyn)
が記憶されることになる。すなわち、 (Hx1、Hy1)=(x0、y0)・・・チップC0 (Hx2、Hy2)=(x3、y3)・・・チップC3 (Hx3、Hy3)=(x6、y6)・・・チップC6 (Hx4、Hy4)=(x7、y7)・・・チップC7 (Hx5、Hy5)=(x8、y8)・・・チップC8 の5つの実測値が順次検出される。
【0053】さらにこの5つの実測値を検出するとき、
あるチップの実測値がそのチップの設計値(Dxn,D
yn)にくらべて大きく異なっていた場合、例えばグロ
ーバルアライメントによって決まる位置決め精度の2倍
以上、異なっていた場合には、そのチップでの実測値を
無視し、例えばそのチップの隣のチップについてマーク
位置の実測を行う。これは実測しようとしたチップのマ
ークが加工プロセスによってたまたま変形した場合、そ
のマークにゴミが付着していた場合、そのマークの光学
像のコントラスト(回折光の発生強度)が弱く、光電信
号のS/N比が低い場合等に生じる位置計測の精度劣化
を補うためであり、このような追加的な実測が本発明の
特徴的な手順として実行される。
【0054】尚、位置計測の精度劣化を補う方法として
は、あらかじめ6つ以上のチップ、例えば図5中で配列
座標のαβの4つの象現の各々に位置するチップに加え
て、計9つのチップについて位置計測を行ない、その9
つの実測値の中から各チップの設計値(Dxn,Dy
n)に最も近い順に5つの実測値を選びだす方法、又
は、単に設計値(Dxn,Dyn)と大きく異なる実測
値(Hxn,Hyn)を以降の演算処理に使わないよう
にする方法等がある。
【0055】次に主制御装置50はステップ107にお
いて先の式(10),(11)、及び式(14)〜(1
7)に基づいて誤差パラメータA,Oを決定する。この
決定にあたって、主制御装置50は上記5つの実測値を
検出した各チップの5つの設計値を予め選出しており、
その設計値(Dxn,Dyn)を以下のように記憶して
いるものとする。
【0056】 (Dx1、Dy1)=(x0',y0')・・・チップC0 (Dx2、Dy2)=(x3',y3')・・・チップC3 (Dx3、Dy3)=(x6',y6')・・・チップC6 (Dx4、Dy4)=(x7',y7')・・・チップC7 (Dx5、Dy5)=(x8',y8')・・・チップC8 また、実際の誤差パラメータA,Oの決定に先立って、
5つのチップの各位置計測(所謂、ステップアライメン
ト)が終る毎に、例えば図3のステップ106でステー
ジ3を移動している間に、式(10),(11),(1
4)〜(17)の一部の演算を同時に実行していくこと
ができる。すなわち、式(10),(11),(14)
〜(17)の中で各チップ毎のデータ(実測値、設計
値)の代数和を表わす演算要素については、1つのチッ
プの実測(ステップアライメント)が終了する毎に順次
加算する。その演算要素は以下の通りである。
【0057】
【数15】
【0058】さらにこれら演算要素のうち、ウエハWA
上の実測すべきチップが予め決まっていて、変更がない
場合は、設計値(Dxn,Dyn)のみを含む演算要素
について図3中のステップ103,104,105,1
06の実行前に算出しておくこともできる。このように
実測値の計測動作と平行して、一部の演算を行っていけ
ば、総合的なアライメント時間はそれほど長くはならな
い。そして、5つの実測値が得られた段階で主制御装置
50は上記演算要素の結果を使って、式(10),(1
1)でオフセット量(Ox、Oy)を算出した後、その
オフセット値と上記演算要素の結果を使って式(14)
〜(17)で配列の要素a11,a12,a21,a2
2を算出する。
【0059】以上の演算動作により、誤差パラメータ
A,Oが決定されるので、主制御装置50の次のステッ
プ108で先の式(4)を使って、ウエハWAの各チッ
プについて位置決めすべき位置、すなわち誤差パラメー
タによって補正されたショットアドレス(Fxn,Fy
n)を算出し、記憶手段(半導体メモリ)上に、設計値
(Dxn,Dyn)に対して補正されたチップの配列マ
ップ(ショットアドレス表)を作成する。この配列マッ
プは、例えばチップC0 に対しては位置(Fx0、F
y0)、チップC1に対しては位置(Fx1、Fy
1)、・・・・・という具合に、チップの番号に対応し
て、各位置データを記憶している。
【0060】次に主制御装置50は図3のステップ10
9において、記憶された配列マップに従ってステップア
ンドリピート方式でステージ3を位置決め(アドレッシ
ング)する。これによってウエハWA上のチップとレチ
クルRの投影像Prとが正確に重なり合い、次のステッ
プ110でそのチップに投影像Prを露光(プリント)
する。
【0061】そして、ステップ111でウエハWA上の
全チップの露光が完了していないときは、再びステップ
109から同様にステップアンドリピート動作を繰り返
す。このステップ111でウエハWA上の全チップの露
光が終了したと判断されたら、次のステップ112でウ
エハWAのアンロードを行ない、一枚のウエハの露光処
理がすべて終了する。
【0062】以上、本発明の実施例からも明らかなよう
に、ウエハWA上でステップアライメントするチップの
数が多い程、計測精度は向上するが、それだけ計測時間
が増大する。そのため計測時間の短縮化と計測精度の向
上との兼ね合いから、ステップアライメントするチップ
は図5に示したような配置の5つに選ぶことが望まし
い。しかしながら、重ね合わせ露光する回路パターンの
最小線幅がそれほど細くなく(例えば2〜5μm)、あ
まり計測精度をあげる必要がない場合等には、ウエハW
A上の互いに離れた3つのチップ(例えばC0、C6、
C7)についてステップアライメント(チップの位置計
測)を行えば十分であり、計測時間はより短縮される。
また、ステップアライメントの際、各チップのx方向と
y方向の位置をともに検出するのではなく、ステップア
ライメントする複数のチップに付随したマークSXnの
夫々を、X−LSA系のスポット光LXSで一括に相対
走査(ステージスキャン)して、各チップのx方向の位
置のみを検出した後、各チップのマークSYnの夫々を
Y−LSA系のスポット光LYSで一括走査して各チッ
プのy方向の位置を検出するようにしてもよい。このよ
うにすると、チップの配列上の同一列又は同一行に実測
すべきチップが複数個存在するときには、個々のチップ
毎にx方向とy方向の位置検出をともに行うよりも高速
な位置計測が期待できる。また、主制御装置50は不図
示のキーボード装置から、ウエハWA上のどのチップに
ついてステップアライメントするかを任意に選択するよ
うなデータを入力するようにすれば、ウエハWAの処理
条件により変化する表面状態(特にマーク形状)に対し
て、よりフレキシブルに対応でき、位置計測の精度向上
が期待できる。
【0063】また、式(10),(11)を使ったオフ
セット量(Ox,Oy)の決定にあたっては、例えばウ
エハWAの中心から指定範囲内にあるチップの位置計測
結果だけを用いるようにしてもよい。その指定範囲とし
ては例えばウエハWAの直径の半分の直径を有する円内
に定めたり、その範囲の大きさをウエハWAにチップや
マークを形成したときの露光装置(縮小投影型、等倍プ
ロジェクション、プロキシミテイ等のステッパー)の精
度特性に応じて任意に可変したりするとよい。
【0064】さらに本実施例では、ウエハWAの全チッ
プについて式(4)を適用して、ステップアンドリピー
ト方式のアドレッシングを行うようにしたが、ウエハW
Aの表面をいくつかの領域(ブロック)に分割し、個々
のブロック毎に最適なアライメントを行なう、所謂ブロ
ックアライメントにおいても全く同様に式(4)を適用
することができる。
【0065】例えば図5において、配列座標αβの各象
現内に位置する4つのチップと、図示の5つのチップC
0、C3、C6、C7、C8との計9つのチップについ
てステップアライメントを行なって、各チップの位置の
実測値を検出した後、配列座標αβの各象現毎に式(1
0)、(11)、(14)〜(17)を使って誤差パラ
メータA、Oを決定し、さらに式(4)を使って、位置
(Fxn,Fyn)を算出するようにする。
【0066】例えば配列座標のαβの第1象現のブロッ
クについては、第1象現内の1つのチップと、チップC
3、C6、C7との4つのチップの実測値を使って式
(4)を決定し、第2象現内のブロックについては第2
象現内の1つのチップとチップC0、C3、C7との4
つのチップの実測値を使って式(4)を決定する。そし
て、実際の露光のときは、各ブロック毎に決定された式
(4)からのショット位置(Fxn,Fyn)に基づい
て、ウエハWA上のチップを投影像Prと位置合せす
る。
【0067】このようにすると、ウエハ上での非線形要
素による位置検出、位置合せの不良が低減するととも
に、従来のブロックアライメントとは異なり、平均化要
素を残したままブロック化できるので、各ブロック内で
の重ね合せ精度がどのチップでもほぼ平均しているとい
う利点がある。そればかりでなく、ステッパー以外の露
光装置、特にミラー投影露光装置との混用の際にも大き
な利点を得ることができる。
【0068】一般に、ミラー投影露光装置で焼かれたウ
エハのチップ配列は、湾曲していることが多い。そこで
ステッパーにより、そのウエハに重ね合せ露光を行なう
場合(混用;ミックス・アンド・マッチ)、上記のよう
なブロックアライメントを行なえば、各ブロック内では
チップ配列の湾曲が無視できる程、小さくなるため、ウ
エハ全面に渡って極めて重ね合せ精度の高い焼き付けが
可能となる。
【0069】以上、本発明の実施例に好適な露光装置に
おいては、レーザのスポット光をウエハWA上のマーク
に照射して、マーク(チップ)の位置を検出したが、ス
ポット光をウエハWA上で単振動させたり、等速直線走
査させたりするアライメント系、又はレチクルR上のマ
ークとウエハWA上のマークとを、レチクルRの上方に
配置した顕微鏡対物レンズを介して観察(検出)して位
置合せを行なう、所謂ダイ・バイ・ダイアライメント光
学系を使った露光装置でも全く同様に実施できる。
【0070】この場合、ダイ・バイ・ダイアライメント
時にレチクルRを位置合せのためにx,y方向に微動さ
せないものとすれば、レチクルR上のマークの投影像
が、本実施例のスポット光LXS,LYSに相当するこ
とになる。またレチクルRを微動させる方式のもので
は、まずレチクルRを原点位置に正確に合せて設定す
る。そして複数のチップのステップアライメント(実
測)の際、配列設計値にしたがってステージをステッピ
ングさせた後、レチクルRのマークと実測すべきチップ
のマークとが所定の位置関係になるようにレチクルRを
微動し、レチクルRの原点からのx,y方向への移動量
を検出することによって、そのチップの位置の実測値
(Hxn,Hyn)を算出することができる。
【0071】また、本実施例ではオフセット量(Ox,
Oy)を別に単独に求めるようにして演算処理の簡素化
を計ったが、式(9)のアドレス誤差Eを最小にするよ
うな誤差パラメータA,Oを厳密な演算処理によって算
出してもよいことは言うまでもない。
【0072】
【発明の効果】以上本発明によれば、ウエハ等の感応基
板上の複数のチップパターンのすべてに対して、位置合
せの誤差が平均的に小さくなり、1枚の感光基板から取
れる良品チップの数が多くなり、半導体素子の生産性を
向上させることができる。また、プロセスの影響やゴミ
の影響によって精度劣化するようなアライメントショッ
トでの実測をさけて、感応基板上の3つ以上m個のチッ
プ(ショット領域)の各々の位置を必ず実測(ステップ
アライメント)しているので、ショット領域の配列の決
定の信頼性が向上する。また同形状のマークを使った位
置計測が複数回繰り返されるので、検出系の機械的、電
気的なランダム誤差が低減されるとともに、位置検出用
のアライメントセンサー(顕微鏡)の感度のバラつきを
統計的な処理で押さえることになり、総合的なアライメ
ント精度が向上する。
【0073】尚、本発明は縮小投影型の露光装置に限ら
ず、ステップアンドリピート方式の露光装置、例えば等
倍の投影型ステッパーやプロキシミテイタイプのステッ
パー(X線露光装置)等に広く応用できるものである。
また露光装置以外でも半導体ウエハや複数のチップパタ
ーンを有するフォトマスク等を検査する装置(欠陥検
査、プローバ等)でチップ毎にステップアンドリピート
方式で検査視野やプローブ針等の基準位置に位置合せす
るものにおいても、同様に本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に好適な縮小投影型露光装置
の概略的な構成を示す斜視図
【図2】 図1の装置におけるアライメント系の各検出
中心の位置関係を示す平面図
【図3】 本発明の位置合せ方法を使った全体的な動作
手順を表わすフローチャート図
【図4】 図1の装置を使って、位置合せ、及び露光す
るのに好適なウエハの平面図
【図5】 ステップアライメントするチップの位置を示
すウエハの平面図である。
【符号の説明】
WA・・・ウエハ、CP,Cn・・・チップ、αβ・・
・配列座標、103,104・・・ステップアライメン
トによる実測工程、107・・・誤差パラメータを決定
する工程、108,109,110,111・・・補正
された実際のチップ配列座標に沿ってステップアンドリ
ピート方式で位置決めする工程。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】そこで本発明は、ウェハ等の感応基板上に
配列された複数のチップ(ショット領域)の全てについ
て、マスク等のパターン像の露光位置でアライメントの
ためのマーク検出をすることなく、代表的なショット領
域に対してのみマーク検出を行いつつ、プロセスの影響
によるマーク変形等で生じる精度劣化を防止した位置合
わせを行うことができる露光方法を提供することを目的
とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板(WA)
上の複数のショット領域(Cn)にそれぞれマスク
(R)のパターンを転写する露光方法に適用される。そ
して本発明では、基板上の複数のショット領域からそれ
ぞれ選択される少なくとも3つの第1アライメントショ
ット領域(配列座標系αβの第1象限内の1つのチップ
と、チップC3、C6、C7)と、少なくとも3つの第
2アライメントショット領域(配列座標系αβの第2象
限内の1つのチップと、チップC0、C3、C7)との
位置情報を計測し、第1アライメントショット領域の複
数の位置情報を用いて、複数のショット領域の配列特性
を表す関数の係数(A、O)を第1パラメータとして算
出するとともに、第2アライメントショット領域の複数
の位置情報を用いてその関数の係数(A、O)を第2パ
ラメータとして算出し、第1及び第2パラメータを利用
して複数のショット領域の各々とマスクのパターンとの
位置関係を決定する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、本発明では第1アライメントショッ
ト領域と前記第2アライメントショット領域とが同一の
ショット領域(C3、C7)を含んでもよい。さらに、
第1パラメータのもとでマスクのパターンとの位置関係
が決定されるショット領域と、第2パラメータのもとで
マスクのパターンとの位置関係が決定されるショット領
域とが互いに異なってもよい。また、基板上の第1ブロ
ック(配列座標系αβの第1象限)内に存在するショッ
ト領域とマスクのパターンとの位置関係の決定には第1
パラメータを用い、基板上の第1ブロック(第1象限)
と異なる第2ブロック(配列座標系αβの第2象限)内
に存在するショット領域とマスクのパターンとの位置関
係の決定には第2パラメータを用いるようにしてもよ
い。このとき、第1アライメントショット領域は第1ブ
ロック内のショット領域を含み、第2アライメントショ
ット領域は第2ブロック内のショット領域を含むことが
好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】さらに、本発明の別の露光方法では、基板
上の複数のショット領域(Cn)から選択される4つ以
上のアライメントショット領域(配列座標系αβの第1
象限内の1つのチップと、第2象限内の1つのチップ
と、チップC0、C3、C6、C7)の位置情報を計測
し、この計測された複数の第1位置情報(第1象限内の
1つのチップと、チップC3、C6、C7)を用いて、
基板上の第1ショット領域(第1象限内のチップ)の位
置情報を決定するとともに、複数の第1位置情報と少な
くとも一部が異なる複数の第2位置情報(第2象限内の
1つのチップと、チップC0、C3、C7)を用いて、
基板上の第2ショット領域(第2象限内のチップ)の位
置情報を決定する。または、その複数の第1位置情報を
用いて複数のショット領域(Cn)の配列特性を表す関
数の係数(A、O)を第1パラメータとして算出すると
ともに、複数の第2位置情報を用いてその関数の係数
(A、O)を第2パラメータとして算出する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、本発明の露光方法では、基板上の複
数のショット領域(Cn)から選択される少なくとも3
つのアライメントショット領域(チップC0、C3、C
6、C7、C8)の位置情報を計測するとともに、この
計測された位置情報を用いて複数のショット領域の配列
特性を表す関数のパラメータ(A、O)を算出し、アラ
イメントショット領域にマスク(R)のパターンを転写
するにあたっては、そのパラメータのもとで決定される
位置情報を利用する。さらに本発明の別の露光方法で
は、アライメントショット領域の計測位置情報(Hx
n、Hyn)と設計位置情報(Dxn、Dyn)とを用
いて、前述した関数のパラメータ(A、O)を算出し、
基板上のショット領域の位置情報を、そのショット領域
の設計位置情報とその算出されたパラメータとを用いて
決定する。このため、予め指定された代表的なショット
領域のマークが加工プロセスの影響によって変形してい
たり、またはそのマークにゴミが付着していたりして、
本来の計測精度が得られないままショット配列の特性
(線形伸縮誤差、残存回転誤差、直交度誤差、オフセッ
ト誤差)を決定することが防止され、より高い信頼性を
もつマーク位置情報を使ってショット配列の特性を決定
することが可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の複数のショット領域の各々にマ
    スクのパターンを順次転写する露光方法において、前記
    複数のショット領域のうち少なくとも3つずつを第1及
    び第2アライメントショット領域とし、該第1及び第2
    アライメントショット領域にそれぞれ付設されたアライ
    メントマークを検出して、前記アライメントショット領
    域の位置情報を計測する段階と、前記第1アライメント
    ショット領域の複数の位置情報を用いた近似演算処理に
    よって、前記複数のショット領域の配列特性を表す関数
    の係数を第1パラメータとして算出するとともに、前記
    第2アライメントショット領域の複数の位置情報を用い
    た近似演算処理によって前記関数の係数を第2パラメー
    タとして算出する段階とを含み、前記第1及び第2パラ
    メータを利用して前記複数のショット領域の各々と前記
    マスクのパターンとの位置関係を決定することを特徴と
    する露光方法。
  2. 【請求項2】 前記第1アライメントショット領域と前
    記第2アライメントショット領域とは少なくとも1つの
    ショット領域が異なることを特徴とする請求項1記載の
    露光方法。
  3. 【請求項3】 前記第1パラメータを用いて前記マスク
    のパターンとの位置関係が決定されるショット領域と、
    前記第2パラメータを用いて前記マスクのパターンとの
    位置関係が決定するショット領域とは互いに異なること
    を特徴とする請求項1又は2記載の露光方法。
  4. 【請求項4】 前記複数のショット領域を複数のブロッ
    クに分割し、該ブロック毎にアライメントショット領域
    を決定して前記関数の係数を算出するようにし、前記各
    ブロック内に存在するショット領域と前記マスクのパタ
    ーンとの位置関係を決定するにあたっては、該ブロック
    に対応する前記算出された係数を用いることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の露光方法。
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