JPH10172195A - 光ディスクおよび記録再生方法 - Google Patents

光ディスクおよび記録再生方法

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JPH10172195A
JPH10172195A JP8332308A JP33230896A JPH10172195A JP H10172195 A JPH10172195 A JP H10172195A JP 8332308 A JP8332308 A JP 8332308A JP 33230896 A JP33230896 A JP 33230896A JP H10172195 A JPH10172195 A JP H10172195A
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magneto
optical
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phase change
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JP8332308A
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Inventor
Masahiro Furuta
正寛 古田
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相変化光ディスク再生装置および光磁気ディ
スク再生装置のいずれにおいても記録/再生することが
でき、また大きな情報量を記録/再生することができる
光ディスクおよび記録再生方法を提供する。 【解決手段】 所定強度以上のレーザー光による加熱に
て外部磁界を記録する光磁気層12と、この所定強度の
レーザー光にて結晶構造がアモルファス状態から結晶状
態に変化し、さらに大きな強度のレーザー光による加熱
にて結晶状態からアモルファス状態に変化する相変化膜
を形成し、これら光磁気層12および相変化層13に同
一情報を記録する。また光磁気層12および相変化層1
3に任意の情報をそれぞれ記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクおよび
記録再生方法に関し、特にレーザー光の照射で加熱する
ことにより外部から印加された磁化方向を記録する光磁
気膜と、レーザー光の照射で加熱することにより結晶構
造が変化する相変化膜とを有する光ディスクおよび記録
再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、書き換え可能な光ディスクとし
て、光磁気膜をメモリ層として用いた光磁気ディスク
と、相変化膜をメモリ層として用いた相変化光ディスク
とが広く用いられている。相変化光ディスクに情報を記
録する場合は、レーザー光を相変化層に照射し、そのス
ポット部分が加熱され、相変化層の結晶構造を変化させ
ることにより記録を行うものとなっている。
【0003】また、光磁気ディスクに情報を記録する場
合は、レーザー光を光磁気層に照射し、そのスポット部
分が加熱され、外部磁界等の影響により光磁気層の磁化
向きを変化させることにより記録を行うものとなってい
る。したがって、原理的には光磁気ディスクおよび相変
化光ディスクともにレーザー光を照射することにより記
録がなされ、このことに関しては両方式とも同様であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光ディスクでは、再生する際には、光磁気層
に記録された磁化向きの情報を光を照射し、その反射光
のカー回転角の変化により情報を再生するのに対して、
相変化光ディスクを再生する際には、相変化層記録され
た情報を反射率の相違により再生するため、光磁気層に
記録された情報は相変化光ディスク再生装置では再生す
ることができず、また、相変化層に記録された情報は光
磁気ディスク再生装置では再生することができないこと
から、それぞれの再生装置で媒体の互換性がなく、同一
の光ディスクを再生することができなかった。
【0005】また、このような光ディスクでは、レーザ
ー光を光ディスク上に絞り込み、ディスク面上にできる
レーザー光のスポットにより情報の記録/再生が行われ
るため、記録の際はレーザー光のスポット径よりも小さ
なマークを安定的に記録するのは困難であり、再生時に
おいてはスポット径からの制約により、再生可能なマー
クの大きさには自ずと限界があった。なお、このスポッ
ト径はレーザー光を対物レンズで絞ることにより得られ
るが、回折限界からスポット径はレーザー光の波長に依
存し、レーザー光の波長よりも小さくすることができな
い。このため、光ディスクにおいては、上記レーザー光
のスポット径よりマークの大きさが制限されることから
記録される情報量には限界があった。
【0006】本発明はこのような課題を解決するための
ものであり、相変化光ディスク再生装置および光磁気デ
ィスク再生装置のいずれにおいても記録/再生すること
ができる光ディスクを提供することを第1の目的として
いる。また、より大きな情報量を記録/再生することが
できる光ディスクを提供することを第2の目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による光ディスクは、円形の基板上
に、第1の強度以上のレーザー光の照射により加熱され
た場合に外部から印加された磁界により磁化方向が変化
する光磁気層を形成し、この光磁気層の上に、第1の強
度のレーザー光の照射により加熱された場合に結晶構造
がアモルファス状態から結晶状態に変化し、第1の強度
より大きい第2の強度のレーザー光の照射によりさらに
高温に加熱された場合に結晶状態からアモルファス状態
に変化する相変化層を形成したものである。また、本発
明による他の光ディスクとして、第1の強度のレーザー
光の照射により加熱された場合に結晶構造がアモルファ
ス状態から結晶状態に変化し、第1の強度より大きい第
2の強度のレーザー光の照射によりさらに高温に加熱さ
れた場合に結晶状態からアモルファス状態に変化する相
変化層を形成し、この相変化層の上に、第1の強度以上
のレーザー光の照射により加熱された場合に、外部から
印加された磁界により磁化方向が変化する光磁気層を形
成したものである。
【0008】したがって、記録の際には、光磁気層が第
1および第2の強度のレーザー光の照射により加熱され
て、外部磁界の方向により磁化が変化して情報が記録さ
れ、相変化層が第1の強度のレーザー光の照射により加
熱されてアモルファス状態から結晶状態に変化し、第2
の強度のレーザー光の照射により加熱されて結晶状態か
らアモルファス状態に変化することにより情報が記録さ
れる。また、再生の際には、光磁気層に記録された磁界
方向の変化により情報が再生され、相変化層の反射率の
変化により情報が再生される。
【0009】また、光磁気層と相変化層との間に、これ
ら両層を分離する分離層を形成したものである。さら
に、分離層を窒化シリコンから構成したものである。さ
らにまた、分離層の膜厚を、10nm以下であって、好
ましくは3nm以下としたものである。したがって、光
磁気層と相変化層とが分離層にて分離され、相変化層か
ら光磁気層への影響が抑制される。また、上側層となる
光磁気層の膜厚を60nm以下としたものである。ま
た、上側層となる相変化層の膜厚を60nm以下とした
ものである。したがって、上側層による下側層での反射
光の減衰が低減される。
【0010】また、記録時には、第1の方向の外部磁界
および第1の強度のレーザー光を組とし、第1の方向と
逆方向の第2の方向の外部磁界および第2の強度のレー
ザー光を組とし、いずれか一方の組を用いて、光ディス
クの光磁気層および相変化層に同一の情報を記録し、再
生時には、光ディスクに照射したレーザー光の反射光か
ら、光磁気層の磁化方向または相変化層の反射率変化の
いずれかを検出することにより、記録情報を再生するも
のである。したがって、光磁気層および相変化層に同一
の情報が記録され、光磁気ディスク再生装置または相変
化光ディスク再生装置のいずれでも同一の光ディスクか
ら同一の情報が再生される。
【0011】また、記録時には、第1の方向の外部磁界
または第1の方向と逆方向の第2の方向の外部磁界のい
ずれかと、第1または第2の強度のレーザー光のいずれ
かとからなる組を用いて、光ディスクの光磁気層および
相変化層に対してそれぞれ任意の情報を記録し、再生時
には、光ディスクに照射したレーザー光の反射光から、
光磁気層の磁化方向および相変化層の反射率変化を検出
することにより、記録情報を再生するものである。した
がって、光磁気層および相変化層にそれぞれ任意の情報
が記録され、多値の情報が記録/再生される。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態である
光ディスクを示す説明図であり、(a)は光磁気層の上
に相変化層を形成したもの、(b)は相変化層の上に光
磁気層を形成したものである。図1(a)において、基
板10はトラッキング用の凹凸が同周円状に形成された
透明材からなる円形の基板であり、この基板10上に保
護層11aとして窒化シリコン膜などが厚さ約70nm
で形成されている。
【0013】その上に光磁気層12として、所定強度
(第1の強度)以上のレーザー光の照射により加熱され
磁化反転可能な温度まで上昇した場合に、外部から印加
された磁化方向を記憶するTbFeCoなどの垂直磁化
膜が厚さ約40nmで形成されている。この光磁気層1
2の上には、相変化層13として、前述の所定強度のレ
ーザー光による加熱にて光磁気層12の磁化反転可能温
度にほぼ等しい温度まで上昇した場合に、アモルファス
状態から結晶状態に変化し、これ以上の強度(第2の強
度)のレーザー光によりさらに高温となった場合に、結
晶状態からアモルファス状態に変化するGeSbTeな
どの相変化膜が厚さ約50nmで形成され、最後に上部
の保護膜11bとして窒化シリコン膜などが厚さ約70
nmで形成されている。
【0014】ピット1は1つの記録単位を示している。
このうち光磁気層12には上向き磁化2または下向き磁
化3により、情報”1”(マーク)または情報”0”
(初期化)が記録される。再生時には、再生レーザー光
を光磁気層12に照射し、その磁化の向きの相違により
偏光角が変化する反射光を検出することにより、記録さ
れている情報を再生する。また、相変化層13にはアモ
ルファス状態4または結晶状態5により、情報”1”
(マーク)または情報”0”(初期化)が記録される。
再生時には、再生レーザー光を光磁気膜12を介して相
変化層13に照射し、その状態の相違により反射率の異
なる反射光を検出することにより、記録されている情報
を再生する。
【0015】また、図1(b)は、基板10の上に、保
護膜11aを形成し、その上に、相変化層13として、
光磁気層12の磁化反転可能温度にほぼ等しい温度で、
結晶状態またはアモルファス状態に変化するGeSbT
eなどの相変化膜を形成し、この相変化層13の上に、
所定強度の記録レーザー光の照射により加熱され磁化反
転可能な温度まで上昇した場合に、外部から印加された
磁化方向を記憶するTbFeCoなどの垂直磁化膜を形
成したものである。これは、図1(a)の光ディスクと
比較して、光磁気層12および相変化層13の形成順序
が入れ替わっているだけであり、各層の膜厚や成分など
は同一である。
【0016】次に、図1を参照して、本発明の動作とし
て、第1の実施の形態による光ディスクの記録方法につ
いて説明する。最初に、光ディスクに記録(または消
去)強度のレーザー光(約8mW:第1の強度)を照射
する。これにより、レーザー光が照射されたスポット部
分が加熱され、光磁気層12の保持力が低下して初期化
磁界(約100Oe)で磁化反転が可能な温度(初期化
温度)となり、その部分に初期化磁界ここでは下向きの
磁界を外部から印加して、光磁気層12の磁化方向を下
向きに揃える(情報”0”とする)ことにより光磁気層
12を初期化する。
【0017】一方、相変化層13のうちレーザー光が照
射されたスポット部分は、この光磁気層12の初期化温
度で、結晶状態およびアモルファス状態が、いずれも結
晶状態に揃えられ(情報”0”)、光磁気層12の初期
化と同時に、相変化層13も初期化される。また、情報
(マーク)を記録する際は、光ディスクに記録強度のレ
ーザー光(約10mW:第2の強度)を照射し、そのス
ポット部分がレーザー光により加熱され、光磁気層12
が記録磁界(約30Oe)により磁化反転可能な温度
(記録温度:記録温度>初期化温度)となり、その部分
に記録磁界ここでは上向きの磁界を外部から印加して、
光磁気層12の所定記録位置の磁化を上向きに磁化する
(情報”1”を記録する)ことにより情報(マーク)を
記録する。
【0018】一方、相変化層13のうちレーザー光が照
射されたスポット部分は、この光磁気層12の記録温度
で、結晶状態およびアモルファス状態が、いずれもアモ
ルファス状態に変化し(情報”1”)、光磁気層12へ
のマーク記録と同時に、相変化層13にもマークが記録
される。このようにして、記録の際には、光磁気層12
に印加する外部磁界の向きと照射するレーザー光の強度
とを対応させることにより、光磁気層12および相変化
層13に同一情報を同時に記録することができ、光磁気
ディスク再生装置または相変化光ディスク再生装置のい
ずれで再生した場合でも、それぞれ同一の光ディスク光
磁気層12または相変化層13から同一情報を再生する
ことができる。
【0019】次に、本発明の動作として、第1の実施の
形態による光ディスクの再生方法について説明する。こ
こでは、光磁気ディスク再生装置および相変化光ディス
ク再生装置で再生する場合について、それぞれ別々に説
明する。まず、光磁気ディスク再生装置にて再生する場
合には、光ディスクを約2400rpmで回転させ、偏
光フィルターを通した後、所定再生強度(約1.5m
W)のレーザー光を光ディスクに照射する。この再生レ
ーザー光は、光ディスクの再生層12で反射される際
に、カー効果によって磁化の向きの相違により偏光角が
変化して反射される。
【0020】この反射光を1/4波長板を通した後、入
射の際に用いた偏光フィルターに対し、45゜ずらした
偏光ビームスプリッターを通し、光を二つに分けた後、
それぞれの光をそれぞれに設けたフォトディテクターに
より電気信号に変換し、それらの信号の差動出力を取り
再生する。したがって、再生レーザー光が照射された再
生スポット内の光磁気層12において、それぞれの磁化
方向(上向き/下向き)の占める面積の割合が、光磁気
層12に記録された磁化方向により変化すると、前述し
た差動出力も変化する。
【0021】これにより、光磁気層12に記録された磁
化方向に応じた差動出力が得られ、再生信号として出力
される。この際、相変化層13に記録された情報により
相変化層13の反射率が変化するため、再生レーザー光
のスポット部分のうち、相変化層13で反射される反射
光の強度が変化するが、反射光の偏光角に影響を与える
ことはない。したがって、反射光の偏光角の変化は光磁
気層12の磁化向きにのみ依存するものとなり、光磁気
層12に記録された情報のみを再生することができる。
【0022】また、相変化光ディスク再生装置で再生す
る場合には、光ディスクを約2400rpmで回転さ
せ、偏光フィルターを通した後、所定再生強度(約1.
5mW)のレーザー光を光ディスクに照射する。この再
生レーザー光は、光ディスクの再生層13で反射される
際に、その結晶構造、すなわち結晶状態かアモルファス
状態かにより反射率が変化して反射される。
【0023】すなわち、再生レーザー光が照射された再
生スポット内の相変化層13において、その結晶構造が
結晶状態である場合には反射率が上昇し、アモルファス
状態である場合には反射率が低下する。したがって、検
出された反射光の全光量の大小により、記録された情報
を再生することができる。この際、光磁気層12に記録
された情報に応じて、光磁気層12で反射される反射光
の回転角がカー効果により変化するが、再生レーザー光
のスポット部分のうち、光磁気層12で反射される反射
光の強度は変化しない。
【0024】したがって、反射光の全光量の変化は、相
変化層13の結晶構造にのみ依存するものとなり、相変
化層13に記録された情報のみを再生することができ
る。なお、以上の説明において、図1(a)に示したよ
うに、光磁気層12の上に相変化層13を形成した場合
を例について説明したが、図1(b)に示したように、
相変化層13の上に光磁気層12を形成した場合でも、
前述と同様の作用および効果が得られる。
【0025】次に、本発明による光ディスクの生成方法
について説明する。ガラス等からなる直径130mmの
円形基板10上に、保護層11aとしてRFマグネトロ
ンスパッタにより、窒化シリコンからなる保護膜を約7
0nm形成する。この際に用いるターゲットは、Siタ
ーゲットを用い、スパッタ装置のチャンバー内のガス圧
を一旦、1×10−6Torr以下に排気した後、ArとN
2 の混合ガスを導入して、チャンバー内のガス圧を2×
10−3Torrとしてスパッタを行う。
【0026】この上に光磁気層12として、TbFeC
o等からなる光磁気膜を約40nm形成する。この際用
いるターゲットは、TbFeCoの合金ターゲットであ
り、Arガスを導入して、チャンバー内のガス圧を2×
10−3Torrとしてスパッタを行う。次に、相変化層1
3として、上記と同様の条件により、Ge2 Sb2 Te
5 からなる相変化膜を約50nm形成する。この時用い
たターゲットはGe2 Sb2Te5 ターゲットである。
【0027】最後に、この相変化層13の上に保護層1
1bとして、ZnS;SiO2 からなる保護膜を約70
nm形成する。この際に用いるターゲットは、ZnS;
SiO2 ターゲットを用い,Arガス導入して、チャン
バー内のガス圧を2×10−3Torrとしてスパッタを行
う。なお、図1(b)に示すように、相変化層13の上
に光磁気層12を形成する場合には、光磁気層12と相
変化層13との形成順序が入れ替わる。
【0028】なお、光磁気層12および相変化層13の
うち、上側層すなわちレーザー光に近い層の膜厚は、そ
の光の透過率に依存する。特に、下側層からの反射光
は、往復の光路で上側層を通過することから、その光量
は上側層の透過率の2乗で減衰する。一般に、この種の
光磁気層12および相変化層13では、膜厚が約60n
mで光の透過率が約10%以下となることが知られてお
り、この場合、下側層からの反射光は約1%以下に減衰
することになり、下側層からの反射光を正確に検出する
ことができなくなる。したがって、上側層の膜厚を約6
0nm以下とすることにより、再生時において良好なC
/N比を得ることができる。
【0029】次に、図2を参照して、本発明の第2の実
施の形態について説明する。図2は本発明の第2の実施
の形態による光ディスクを示す説明図であり、(a)は
前述の図1(a)に相当するもの、すなわち光磁気層の
上に相変化層を形成したもの、(b)は前述の図1
(b)に相当するもの、すなわち相変化層の上に光磁気
層を形成したものである。第1の実施の形態による光デ
ィスクとの違いは、光磁気膜12と相変化膜13との間
に分離層14を設けた点にある。
【0030】一般に、相変化膜13の結晶構造が変化し
た場合、その表面の状態も変化すると考えられている。
また、相変化層13が繰り返し加熱されることにより、
相変化層13に含まれるTe等が拡散する。したがっ
て、相変化層13と光磁気層12との間に分離層13を
設けることにより、相変化層13と光磁気層12との界
面の状態変化や、相変化層13から光磁気層12へのT
e等の拡散に起因する光磁気層12の磁気特性の変化を
抑制することができる。なお、分離層14としては、比
較的薄い膜厚で材料の拡散を防止する効果が高く、拡散
防止層として広く用いられているSiNなどの窒化シリ
コンなどが適している。
【0031】また、光の透過率や温度分布等から下側層
に記録されるマークの大きさが変化することから、分離
層14の膜厚を調整する必要がある。図3は上側層に所
定の大きさのマークを記録した場合の分離層の膜厚と下
側層に記録されるマークの大きさとの関係を示す説明図
であり、(a)は上側層が相変化層13の場合、(b)
は上側層が光磁気層12の場合を示している。
【0032】例えば、図3(a)では、上側層である相
変化層13(膜厚30nm)に最適強度のレーザー光に
て1μmのマークを記録した場合、分離層14の膜厚が
10nmのときには、下側層である光磁気層12(膜厚
50nm)に約0.5nmのマークが記録されることが
わかる。また、図3(b)では、上側層である光磁気層
12(膜厚30nm)に最適強度のレーザー光にて1μ
mのマークを記録した場合、分離層14の膜厚が10n
mのときには、下側層である相変化層13(膜厚50n
m)に約0.5nmのマークが記録されることがわか
る。
【0033】したがって、いずれの場合も分離層14の
膜厚を10nm以下とすることにより、所望とするマー
クの大きさ(すなわち上側層のマークの大きさ)の50
%以上の大きさのマークを下側層に記録することがで
き、再生時に良好なC/N比が得らる。また、いずれの
場合にも、分離層14の膜厚を3nm以下とすることに
より、所望するマークの大きさとほぼ同じ大きさのマー
クを下側層にも記録することができ、再生時に極めて良
好なC/N比が得られる。
【0034】次に、図4を参照して、本発明の第3の実
施の形態について説明する。図4は、本発明の第3の実
施の形態による光ディスクの記録再生方法を示す説明図
である。第1の実施の形態による光ディスクの記録再生
方法との違いは、光磁気層12および相変化層13に、
それぞれ任意の情報を記録するようにした点にある。
【0035】すなわち、第1の実施の形態では、光磁気
層12および相変化層13に同一情報を記録することに
より、光磁気ディスク再生装置および相変化光ディスク
再生装置のいずれにおいても同一の光ディスクから同一
情報を再生できるようにしたものである。この第3の実
施の形態では、光磁気層12および相変化層13に、そ
れぞれ任意の情報を同時に記録し再生することにより、
多値情報の記録/再生を可能とするものである。
【0036】まず、第3の実施の形態による記録方法に
ついて説明する。光磁気層12については、記録強度
(第1の強度)のレーザー光を照射して所定温度以上に
加熱し、記録する情報に応じた方向の磁界を外部から印
加することにより、所望の情報が記録される。また、相
変化層13については、記録強度(第1の強度)のレー
ザー光を照射して所定温度ここでは光磁気層12が外部
磁界を記録し得る温度に加熱して、その結晶構造をアモ
ルファス状態から結晶状態に変化させるとともに、さら
に記録強度の大きい(第2の強度)レーザー光を照射し
てさらに高温に加熱して、結晶状態からアモルファス状
態に変化させることにより、所望の情報が記録される。
【0037】したがって、これらの記録方法を組み合わ
せることにより、光磁気層12および相変化層13に、
それぞれ任意の情報を同時に記録することができる。例
えば、ピット1aは、磁化方向を下向き(第1の磁化方
向)とし低い強度(第1の強度)のレーザー光で記録し
た場合を示しており、これにより光磁気層12は下向き
磁界(情報”0”)、また相変化層13は結晶状態(情
報”0”)となり、状態「0」が記録される。また、ピ
ット1bは、磁化方向を上向き(第2の磁化方向)とし
低い強度(第1の強度)のレーザー光で記録した場合を
示しており、これにより光磁気層12に上向き磁界(情
報”1”)、また相変化層13は結晶状態(情報”
0”)となり、状態「1」が記録される。
【0038】さらに、ピット1cは、磁化方向を下向き
(第1の磁化方向)とし高い強度(第2の強度)のレー
ザー光で記録した場合を示しており、これにより光磁気
層12は下向き磁界(情報”0”)、また相変化層13
はアモルファス状態(情報”1”)となり、状態「2」
が記録される。また、ピット1bは、磁化方向を上向き
(第2の磁化方向)とし高い強度(第2の強度)のレー
ザー光で記録した場合を示しており、これにより光磁気
層12に上向き磁界(情報”1”)、また相変化層13
はアモルファス状態(情報”1”)となり、状態「3」
が記録される。
【0039】次に、図5を参照して、本発明の第3の実
施の形態による光ディスクの再生方法について説明す
る。図5は、本発明の第3の実施の形態による光ディス
ク再生装置を示す説明図であり、光磁気層12および相
変化層13に、記録された異なる情報を同時に再生する
ものである。まず、光ディスク再生装置にて再生する場
合には、光ディスク50を約2400rpmで回転さ
せ、レーザー光源51から、回折格子52、偏光フィル
ター53、およびホログラム54を介して、所定再生強
度(約1.5mW)のレーザー光を光ディスク50に照
射する。
【0040】この再生レーザー光は、光ディスク50の
光磁気層12で反射されてその磁化方向により偏光角が
変化するとともに、相変化層13で反射されてその反射
光量が変化する。この反射光は、1/4波長板を介し
て、入射の際に用いた偏光フィルター53に対し45゜
ずらした偏光ビームスプリッター55にて偏光角の違い
により分光される。その後、それぞれの光は、フォトデ
ィテクター56a,56bにより検出されて電気信号に
変換される。
【0041】これら電気信号は、演算器57aにより両
信号の差分から反射光に含まれる偏光角の変化が検出さ
れ、光磁気層12に記録されている情報が再生される。
一方、これら電気信号は、演算器57bにより両信号の
和から反射光の全光量の変化が検出され、相変化層13
に記録されている情報が再生される。したがって、演算
器57a,57bの出力に基づいて、前述した多値の状
態「0」〜「3」を再生することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、第1の
強度以上のレーザー光の照射により加熱された場合に外
部から印加された磁界により磁化方向が変化する光磁気
層と、第1の強度のレーザー光の照射により加熱された
場合に結晶構造がアモルファス状態から結晶状態に変化
し、第1の強度より大きい第2の強度のレーザー光の照
射によりさらに高温に加熱された場合に結晶状態からア
モルファス状態に変化する相変化層とを形成したので、
記録時にレーザー光の強度および外部磁界の方向を制御
することにより、光磁気層および相変化層に、同一また
は任意の情報をそれぞれ記録することができる。したが
って、光磁気層および相変化層に同一情報を記録した場
合には、光磁気ディスク再生装置および相変化光ディス
ク再生装置のいずれにおいても同一の光ディスクから同
一情報を再生することができる。また光磁気層および相
変化層にそれぞれ任意の情報を記録した場合には、これ
らから個別に情報を再生することにより、多値の情報を
記録/再生することができ、従来の2値情報を記録する
光ディスクと比較して記録容量を飛躍的に増大させるこ
とができる。
【0043】また、光磁気層と相変化層との間に、窒化
シリコンなどからなる分離層を形成したので、両層が分
離されて、相変化層と光磁気層との界面の状態変化や、
相変化層から光磁気層へのTe等の拡散に起因する光磁
気層の磁気特性の変化を抑制することができる。また、
分離層の膜厚を10nm以下としたので、所望とするマ
ークの大きさ(すなわち上側層のマークの大きさ)の5
0%以上の大きさのマークを下側層に記録することがで
き、再生時に良好なC/N比が得らるとともに、好まし
くは3nm以下としたので、所望するマークの大きさと
ほぼ同じ大きさのマークを下側層にも記録することがで
き、再生時に極めて良好なC/N比が得られる。また、
上側層となる光磁気層または相変化膜の膜厚を60nm
以下としたので、上側層により下側層での反射光の減衰
を低減でき、再生時において良好なC/N比を得ること
ができる。
【0044】また、記録時には、第1の方向の外部磁界
および第1の強度のレーザー光を組とし、第1の方向と
逆方向の第2の方向の外部磁界および第2の強度のレー
ザー光を組とし、いずれか一方の組を用いて、光ディス
クの光磁気層および相変化層に同一の情報を記録し、再
生時には、光ディスクに照射したレーザー光の反射光か
ら、光磁気層の磁化方向または相変化層の反射率変化の
いずれかを検出することにより、記録情報を再生するよ
うにしたので、光磁気層および相変化層に同一の情報が
記録されるものとなり、光磁気ディスク再生装置または
相変化光ディスク再生装置のいずれにおいても同一の光
ディスクから同一の情報を再生することができる。
【0045】また、記録時には、第1の方向の外部磁界
または第1の方向と逆方向の第2の方向の外部磁界のい
ずれかと、第1または第2の強度のレーザー光のいずれ
かとからなる組を用いて、光ディスクの光磁気層および
相変化層に対してそれぞれ任意の情報を記録し、再生時
には、光ディスクに照射したレーザー光の反射光から、
光磁気層の磁化方向および相変化層の反射率変化を検出
することにより、記録情報を再生するようにしたので、
光磁気層および相変化層にそれぞれ任意の情報を記録す
ることができ、多値の情報を記録/再生することが可能
となり、従来の2値情報を記録する光ディスクと比較し
て記録容量を飛躍的に増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の形態による光ディスクを示す
説明図である。
【図2】 本発明の第2の形態による光ディスクを示す
説明図である。
【図3】 上側層に所定の大きさのマークを記録した場
合の分離層の膜厚と下側層に記録されるマークの大きさ
との関係を示す説明図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態による光ディスク
の記録再生方法を示す説明図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態による光ディスク
再生装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ピット、2…上向き磁化、3…下向き磁化、4…ア
モルファス状態、5…結晶状態、10…基板、11a,
11b…保護層、12…光磁気層、13…相変化層、1
4…分離層。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形の基板上に、第1の強度以上のレー
    ザー光の照射により加熱された場合に外部から印加され
    た磁界により磁化方向が変化する光磁気層を形成し、 この光磁気層の上に、前記第1の強度のレーザー光の照
    射により加熱された場合に結晶構造がアモルファス状態
    から結晶状態に変化し、前記第1の強度より大きい第2
    の強度のレーザー光の照射によりさらに高温に加熱され
    た場合に結晶状態からアモルファス状態に変化する相変
    化層を形成することを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 円形の基板上に、第1の強度のレーザー
    光の照射により加熱された場合に結晶構造がアモルファ
    ス状態から結晶状態に変化し、前記第1の強度より大き
    い第2の強度のレーザー光の照射によりさらに高温に加
    熱された場合に結晶状態からアモルファス状態に変化す
    る相変化層を形成し、 この相変化層の上に、前記第1の強度以上のレーザー光
    の照射により加熱された場合に、外部から印加された磁
    界により磁化方向が変化する光磁気層を形成することを
    特徴とする光ディスク。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の光ディスクにお
    いて、 光磁気層と相変化層との間に、これら両層を分離する分
    離層を形成したことを特徴とする光ディスク。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の光ディスクにお
    いて、 分離層は、窒化シリコンからなることを特徴とする光デ
    ィスク。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の光ディスクにお
    いて、 分離層は、10nm以下であって、好ましくは3nm以
    下の膜厚を有することを特徴する光ディスク。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の光ディスクにおいて、 光磁気層は、60nm以下の膜厚を有することを特徴と
    する光ディスク。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の光ディスクにおいて、 相変化層は、60nm以下の膜厚を有することを特徴と
    する光ディスク。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の光ディスクに対
    して、記録時には、第1の方向の外部磁界および前記第
    1の強度のレーザー光を組とし、前記第1の方向と逆方
    向の第2の方向の外部磁界および前記第2の強度のレー
    ザー光を組とし、いずれか一方の組を用いて、前記光デ
    ィスクの光磁気層および相変化層に同一の情報を記録
    し、 再生時には、前記光ディスクに照射したレーザー光の反
    射光から、前記光磁気層の磁化方向または前記相変化層
    の反射率変化のいずれかを検出することにより、記録情
    報を再生することを特徴とする光ディスクの記録再生方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の光ディスクに対
    して、記録時には、第1の方向の外部磁界または前記第
    1の方向と逆方向の第2の方向の外部磁界のいずれか
    と、前記第1または第2の強度のレーザー光のいずれか
    とからなる組を用いて、前記光ディスクの光磁気層およ
    び相変化層に対してそれぞれ任意の情報を記録し、 再生時には、前記光ディスクに照射したレーザー光の反
    射光から、前記光磁気層の磁化方向および前記相変化層
    の反射率変化を検出することにより、記録情報を再生す
    ることを特徴とする光ディスクの記録再生方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007046769A1 (en) * 2005-10-17 2007-04-26 Agency For Science, Technology And Research Novel phase change magnetic material
JP2014041672A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Fuji Electric Co Ltd 熱アシスト記録用磁気記録媒体
CN108428790A (zh) * 2018-03-21 2018-08-21 北京工业大学 紫外激光作用于“磁性材料/GeSbTe/基底”异质结构实现磁光耦合复合存储的方法

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