JPH1017209A - 自動ワインダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】空の紙管を紙管ストッカーからクレードル装置
に装着する際に、自動パッケージ交換装置の適位置停止
動作に誤差が生じた場合でも、紙管がクレードル装置の
ホルダ小径部の凸部に接触しない自動ワインダの提供。 【解決手段】供給部と巻糸部とパッケージ搬送部と自動
パッケージ交換装置からなり、精紡管糸を連続的にパッ
ケージへと巻き取る自動ワインダにおいて、空の紙管を
上記クレードル装置に装着する際のクレードル装置のホ
ルダ小径部と紙管小径側の間隙を少なくとも紙管ストッ
カー内における紙管の遊びと自動パッケージ交換装置の
適位置停止時に生じる誤差の和より大きくなるように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、紡績の仕上工程に
おいて、精紡管糸をコーン型に巻き取る自動ワインダの
クレードル装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般的に綿紡績等の精紡工程において精
紡機で紡出されボビンに巻き取られた精紡管糸は、出荷
するに当たりそれらを十数本継ぎ合わせ、さらに長い糸
としてパッケージに巻き取る巻糸工程が行われている。
そして、一般的にこの巻糸工程においては図２に示すよ
うに、精紡管糸（５）の走行路に沿って、供給部（１
０）と巻糸部（１）と図示しないパッケージ搬送部が適
宜配設された自動ワインダが用いられてきた。

【０００３】ここで、上記供給部（１０）は、ボビント
レー（１１）とテンショナー（１２）とワキシング装置
（１３）とスプライサー（１４）とからなるものであ
り、精紡機において精紡ボビン（１５）に巻き取られた
精紡管糸（５）を下流側の巻糸部（１）に供給するもの
である。

【０００４】上記巻糸部（１）は、当該箇所の拡大図で
ある図１に示されるように、ヤーンガイドドラム（３）
とクレードル装置（２）と紙管（４）と紙管ストッカー
（７）と図示しないワインディング・ユニット・コンピ
ュータ及び周波数制御モータを有するものであり、後述
の自動パッケージ交換装置（６）によって紙管ストッカ
ー（７）から精紡管糸（５）が巻き取られていない予備
の紙管（４’）（以後、空の紙管と呼ぶ）を取り出して
クレードル装置（２）に装着せしめ、その後ヤーンガイ
ドドラム（３）をモータにより回転せしめて、上記クレ
ードル装置（２）に枢支されている紙管（４）に精紡管
糸（５）を巻き取ってパッケージとなすものである。こ
こでクレードル装置（２）は、ホルダ大径部（１６）と
図３に示すように凸部の高さ約１０ｍｍのホルダ小径部
（８）を有し、クレードルハンドル（１７）によって開
閉可能なようになっているものである。

【０００５】また、紙管ストッカー（７）内において
は、紙管（４’）が滑らかに移動するように、該紙管
（４’）の両側に計２〜３ｍｍの遊びＢ（＝Ｂ１＋Ｂ
２）が設けられている。

【０００６】図２に示される自動パッケージ交換装置
（６）は、図１中のオープナー装置（１８）と図示しな
いチャッカー装置を有するものであり、機台列につきそ
れぞれ１台ずつ設けられ、巻糸部（１）において所要の
長さの糸を巻き終えた機台を検知して移動し、オープナ
ー装置（１８）によってクレードルハンドル（１７）を
開き、さらにチャッカー装置によって紙管ストッカー
（７）にストックされている紙管を取り出してクレード
ル装置（２）に装着せしめるものである。

【０００７】また、上記パッケージ搬送部は、機台列に
設けられたそれぞれの巻取機において、所要の長さに巻
き取られたパッケージをコンベアにより搬送し、所定の
場所に集積せしめるものである。

【０００８】次に、この装置における動作状態を説明す
る。まず、精紡管糸（５）が巻き取られた精紡ボビン
（１５）は、ボビントレー（１１）に差し立てられ、機
台列の下部を図示しないコンベア・ベルトによって搬送
されて自動ワインダの各錘に分配供給されるようにな
る。

【０００９】そして、上記精紡ボビン（１５）に巻き取
られた精紡管糸（５）は、テンショナー（１２）で張力
を調整された後、ワキシング装置（１３）によって潤滑
剤を付与され、次いでスプライサー（１４）を経由して
下流側の巻糸部（１）に供給される。このとき精紡管糸
（５）に糸切れが発生した場合、あるいは精紡ボビン
（１５）を交換する必要がある場合には、スプライサー
（１４）を通過する際に糸端が検知され、上流側／下流
側の糸端が継合されるようになる。

【００１０】この後、精紡管糸（５）は高速回転するヤ
ーンガイドドラム（３）上に載置された紙管（４）に巻
き付けられるので、綾振り運動をしながらパッケージを
形成するようになる。このようにして所要の長さの精紡
管糸（５）を巻き終えると、機台が巻き取り完了の信号
を発信するので、自動パッケージ交換装置（６）が上記
の信号に従って機台列を移動し、当該自動ワインダ前の
適切な位置で停止するようになる。

【００１１】そして、自動パッケージ交換装置（６）内
のオープナー装置（１８）がクレードルハンドル（１
７）を開くようになるので、巻き取られたパッケージが
クレードル装置（２）から離脱してパッケージ搬送部へ
と移送されると同時に、クレードル装置（２）上部の紙
管ストッカー（７）から予備としての空の紙管（４’）
がチャッカー装置により取り出され、クレードル装置
（２）のホルダ大径部（１６）には紙管（４）の大径
側、ホルダ小径部（８）には紙管小径側（９）が枢支さ
れるようになる。

【００１２】そして空の紙管（４’）がチャッカー装置
より取り出された際には、ホルダ大径部（１６）と紙管
（４）の大径側の間には巻き取り用の精紡管糸（５）の
端部が挟入されるため、約１０ｍｍの間隙が設けられて
おり、またホルダ小径部（８）と紙管小径側（９）の間
には、図３に示すように約１ｍｍの間隙Ａが設けられて
いるものである。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本装置
は自動パッケージ交換装置の適位置停止動作に誤差Ｃ
（通常約２ｍｍ程度）が生じやすいので、紙管ストッカ
ー内における紙管の遊びＢ（２〜３ｍｍ）と適位置停止
時の誤差の和Ｂ＋Ｃ（４〜５ｍｍ程度）が、ホルダ小径
部と紙管小径側の間隙の広さＡを越えるようになり、微
妙なズレが原因となって紙管をクレードル装置に装着す
る際にホルダ小径部の凸部に紙管小径側が接触して正常
な状態で装着されず、ときには紙管が地面に落下すると
いう問題を有していた。

【００１４】本発明は、かかる現状に鑑みなされたもの
であって、紙管ストッカーから空の紙管を取り出してク
レードル装置に装着する際において、自動パッケージ交
換装置の適位置停止動作に誤差が生じた場合であって
も、紙管がクレードル装置のホルダ小径部の凸部に接触
しないように構成した自動ワインダの提供を目的とする
ものである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、精紡管糸
の走行路に沿って、供給部と、紙管を枢支する大小二つ
のホルダを備えたクレードル装置を有する巻糸部と、パ
ッケージ搬送部と、上記巻糸部において所要の長さに巻
き取られたパッケージを検知して適位置に移動し、上記
パッケージをパッケージ搬送部へ送り出し、さらに紙管
ストッカーに集積された空の紙管を上記クレードル装置
に装着せしめる自動パッケージ交換装置からなり、精紡
管糸を連続的にパッケージへと巻き取る自動ワインダに
おいて、空の紙管を上記クレードル装置に装着する際の
クレードル装置のホルダ小径部と紙管小径側の間隙を、
少なくとも紙管ストッカー内における紙管の遊びと自動
パッケージ交換装置の適位置停止時に生じる誤差の和よ
り大きくなるように構成したことを特徴とする自動ワイ
ンダによって達成される。

【００１６】上記自動ワインダにおいては、空の紙管を
上記クレードル装置に装着する際のクレードル装置のホ
ルダ小径部と紙管小径側の間隙を、少なくとも紙管スト
ッカー内における紙管の遊びと自動パッケージ交換装置
の適位置停止時に生じる誤差の和より大きくなるように
構成しているので、上記紙管はクレードル装置への装着
時にホルダ小径部に接触しないようになるのである。

【００１７】

【発明の実施形態】以下に本発明を図面に示す実施例に
基づいて説明する。図１は本発明の一実施形態たる自動
ワインダの巻糸部（１）におけるクレードル装置（２）
とその周辺を拡大した図である。この自動ワインダは、
前述した従来の自動ワインダにおけるクレードル装置
（２）を改良したものであって、他の構成は従来の自動
ワインダと同じ構成であるので、同じ構成については同
一の符号を付してその詳しい説明を省略する。

【００１８】同図において、（３）はヤーンガイドドラ
ムであって、これが高速に回転することにより、該ヤー
ンガイドドラム（３）上に載置され、かつクレードル装
置（２）に装着されている紙管（４）が従動回転して、
これに精紡管糸（５）を巻き取るものである。

【００１９】この様にして所要の長さの精紡管糸（５）
を巻き取って、コーン状のパッケージに形成された紙管
（４）は、自動パッケージ交換装置（６）によってクレ
ードル装置（２）から離脱され、クレードル装置（２）
の上部に精紡管糸（５）が巻かれていない状態で紙管ス
トッカー（７）に集積されている空の紙管（４’）と自
動的に交換されるようになる。

【００２０】このとき、本発明においては従来のクレー
ドル装置ホルダ小径部の凸部を切削して、図４に示すよ
うにホルダ小径部（８）の凸部の高さを５ｍｍとし、ク
レードル装置（２）のホルダ小径部（８）と紙管小径側
（９）の間隙Ａ’が６ｍｍになるようにして、少なくと
も紙管ストッカー（７）内における紙管（４’）の遊び
Ｂ（２〜３ｍｍ）と自動パッケージ交換装置（６）の適
位置停止時に生じる誤差Ｃ（２ｍｍ程度）の和Ｂ＋Ｃ
（４〜５ｍｍ）より大きくなるように構成しているの
で、空の紙管（４’）をクレードル装置（２）に装着す
る際に、ホルダ小径部（８）が紙管小径側（９）に接触
しないようになっているのである。

【００２１】尚、上記実施例においてはホルダ小径部
（８）の凸部の高さを変更するようにしているが、これ
に限定されるものではなく、空の紙管（４’）をクレー
ドル装置（２）に装着するに際して、クレードル装置
（２）のホルダ大径部（１６）が従来のそれよりも広く
開くように構成しても構わない。

【００２２】

【発明の効果】以上の説明のように本発明の自動ワイン
ダによれば、空の紙管をクレードル装置に装着する際、
該クレードル装置のホルダ小径部に紙管小径側が接触し
ないようになっているので、紙管の落下、ひいては紙管
の損傷及び汚れの付着を減少せしめることが可能とな
り、その結果コスト削減という効果を奏する。また、上
記のように装着ミスを減少せしめることが可能になるの
で、機台の稼働率が向上することにより生産性が向上
し、なおかつ作業員の装着ミスによる停台への対応時間
も減少するようになるので、人員削減によるコスト削減
という効果を奏する。さらに、本発明における自動ワイ
ンダの改良は容易かつ安価に施しうるという効果をも奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る自動ワインダの巻糸部
における、クレードル装置とその周辺を拡大した図であ
る。

【図２】一般的な自動ワインダの全体の概略を示した説
明図である。

【図３】従来の自動ワインダにおけるホルダ小径部周辺
を拡大した図である。

【図４】本発明の一実施例に係る自動ワインダにおける
ホルダ小径部周辺を拡大した図である。

【符号の説明】

１ 巻糸部 ２ クレードル装置 ３ ヤーンガイドドラム ４ 紙管 ５ 精紡管糸 ６ 自動パッケージ交換装置 ７ 紙管ストッカー ８ ホルダ小径部 ９ 紙管小径側 １０ 供給部 １１ ボビントレー １２ テンショナー １３ ワキシング装置 １４ スプライサー １５ 精紡ボビン １６ ホルダ大径部 １７ クレードルハンドル １８ オープナー装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 精紡管糸の走行路に沿って、供給部と、
   紙管を枢支する大小二つのホルダを備えたクレードル装
   置を有する巻糸部と、パッケージ搬送部と、上記巻糸部
   において所要の長さに巻き取られたパッケージを検知し
   て適位置に移動し、上記パッケージをパッケージ搬送部
   へ送り出し、さらに紙管ストッカーに集積された空の紙
   管を上記クレードル装置に装着せしめる自動パッケージ
   交換装置からなり、精紡管糸を連続的にパッケージへと
   巻き取る自動ワインダにおいて、空の紙管を上記クレー
   ドル装置に装着する際のクレードル装置のホルダ小径部
   と紙管小径側の間隙を、少なくとも紙管ストッカー内に
   おける紙管の遊びと自動パッケージ交換装置の適位置停
   止時に生じる誤差の和より大きくなるように構成したこ
   とを特徴とする自動ワインダ。