JPH10170503A - 焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価方法 - Google Patents
焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価方法Info
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- JPH10170503A JPH10170503A JP8333392A JP33339296A JPH10170503A JP H10170503 A JPH10170503 A JP H10170503A JP 8333392 A JP8333392 A JP 8333392A JP 33339296 A JP33339296 A JP 33339296A JP H10170503 A JPH10170503 A JP H10170503A
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- life
- strain
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温で使用中の高温機器材料のクリープ寿命
を、簡単な操作と少ない材料採取量で、短時間に精度よ
く評価することができる焼戻しマルテンサイト耐熱鋼の
クリープ寿命評価方法を提供すること。 【解決手段】 高温機器で使用される9〜12重量%の
Crを含有する焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ
寿命評価方法であって、供用中の高温機器の調査対象部
位から試験片を採取し、該試験片を用いてその材料のサ
ブグレインサイズを測定し、予め作成したサブグレイン
サイズとクリープ歪みの大きさとの関係図からクリープ
歪みを算出し、さらに予め作成したクリープ歪みの大き
さとクリープ寿命消費率との関係図からクリープ寿命消
費率を算出することを特徴とする焼戻しマルテンサイト
耐熱鋼のクリープ寿命評価方法。
を、簡単な操作と少ない材料採取量で、短時間に精度よ
く評価することができる焼戻しマルテンサイト耐熱鋼の
クリープ寿命評価方法を提供すること。 【解決手段】 高温機器で使用される9〜12重量%の
Crを含有する焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ
寿命評価方法であって、供用中の高温機器の調査対象部
位から試験片を採取し、該試験片を用いてその材料のサ
ブグレインサイズを測定し、予め作成したサブグレイン
サイズとクリープ歪みの大きさとの関係図からクリープ
歪みを算出し、さらに予め作成したクリープ歪みの大き
さとクリープ寿命消費率との関係図からクリープ寿命消
費率を算出することを特徴とする焼戻しマルテンサイト
耐熱鋼のクリープ寿命評価方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高温機器に使用され
る焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価方法
に関する。
る焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電用ボイラの伝熱管を始めとする
高温機器で使用される9〜12重量%のCrを含有した
焼戻しマルテンサイト耐熱鋼(マルテンサイト単相組織
を有する耐熱鋼)などの高温機器材料のクリープ寿命消
費率及び余寿命評価法は、非破壊試験法と破壊試験法の
2つに大別される。非破壊試験法には、染色浸透探傷
法、磁気探傷法及び超音波探傷法等により表面及び内部
の亀裂、欠陥の有無の調査を行う欠陥検査と対象部位か
らレプリカを採取してクリープボイドの生成状況、析出
物の分布状況及び形態変化から寿命消費率を推定する金
属組織学的評価法とがある。
高温機器で使用される9〜12重量%のCrを含有した
焼戻しマルテンサイト耐熱鋼(マルテンサイト単相組織
を有する耐熱鋼)などの高温機器材料のクリープ寿命消
費率及び余寿命評価法は、非破壊試験法と破壊試験法の
2つに大別される。非破壊試験法には、染色浸透探傷
法、磁気探傷法及び超音波探傷法等により表面及び内部
の亀裂、欠陥の有無の調査を行う欠陥検査と対象部位か
らレプリカを採取してクリープボイドの生成状況、析出
物の分布状況及び形態変化から寿命消費率を推定する金
属組織学的評価法とがある。
【0003】一方、破壊試験法は高温機器において長時
間使用された部位よりミニチュアクリープ試験片を採取
し、任意の応力及び温度で長時間のクリープ破断試験を
実施して余寿命を推定していた。
間使用された部位よりミニチュアクリープ試験片を採取
し、任意の応力及び温度で長時間のクリープ破断試験を
実施して余寿命を推定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高温機器材料のクリー
プ寿命消費率及び余寿命評価法における従来技術の問題
点は以下の通りである。 1)染色浸透探傷法、磁気探傷法及び超音波探傷法等に
よる非破壊欠陥検査法においては、欠陥の有無を調査す
るのみでクリープ寿命消費率の定量化が困難である。 2)金属組織学的評価法はクリープ寿命評価において現
在もっとも活発に行われており有用な方法であるが、脆
性的に破壊する溶接熱影響部のみでしか行われておら
ず、延性的に破壊する母材では手法が確立されていな
い。 3)実機より採取した材料を用いてクリープ破断試験を
行う破壊試験方法は、余寿命を推定するにはもっとも有
用であるが、試験期間が長期にわたる。また、数条件で
の試験を実施するため高温機器からの材料採取量が多く
必要である。
プ寿命消費率及び余寿命評価法における従来技術の問題
点は以下の通りである。 1)染色浸透探傷法、磁気探傷法及び超音波探傷法等に
よる非破壊欠陥検査法においては、欠陥の有無を調査す
るのみでクリープ寿命消費率の定量化が困難である。 2)金属組織学的評価法はクリープ寿命評価において現
在もっとも活発に行われており有用な方法であるが、脆
性的に破壊する溶接熱影響部のみでしか行われておら
ず、延性的に破壊する母材では手法が確立されていな
い。 3)実機より採取した材料を用いてクリープ破断試験を
行う破壊試験方法は、余寿命を推定するにはもっとも有
用であるが、試験期間が長期にわたる。また、数条件で
の試験を実施するため高温機器からの材料採取量が多く
必要である。
【0005】本発明はこのような従来技術の実状に鑑
み、高温で使用中の高温機器材料のクリープ寿命を、簡
単な操作と少ない材料採取量で、短時間に精度よく評価
することができる焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリー
プ寿命評価方法を提供しようとするものである。
み、高温で使用中の高温機器材料のクリープ寿命を、簡
単な操作と少ない材料採取量で、短時間に精度よく評価
することができる焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリー
プ寿命評価方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高温で使用
される焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価
方法について鋭意検討を行い、材料中のサブグレインサ
イズとクリープ歪みの大きさとの間に相関関係があり
(サブグレインサイズは歪みの大きさとともに増加す
る)、サブグレインサイズを測定することによりクリー
プ歪みの大きさが算出でき、それによってクリープ寿命
が評価できることを見出し、本発明を完成した。
される焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価
方法について鋭意検討を行い、材料中のサブグレインサ
イズとクリープ歪みの大きさとの間に相関関係があり
(サブグレインサイズは歪みの大きさとともに増加す
る)、サブグレインサイズを測定することによりクリー
プ歪みの大きさが算出でき、それによってクリープ寿命
が評価できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は高温機器で使用される
9〜12重量%のCrを含有する焼戻しマルテンサイト
耐熱鋼のクリープ寿命評価方法であって、供用中の高温
機器の調査対象部位から試験片を採取し、該試験片を用
いてその材料のサブグレインサイズを測定し、予め作成
したサブグレインサイズとクリープ歪みの大きさとの関
係図からクリープ歪みを算出し、さらに予め作成したク
リープ歪みの大きさとクリープ寿命消費率との関係図か
らクリープ寿命消費率を算出することを特徴とする焼戻
しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価方法であ
る。
9〜12重量%のCrを含有する焼戻しマルテンサイト
耐熱鋼のクリープ寿命評価方法であって、供用中の高温
機器の調査対象部位から試験片を採取し、該試験片を用
いてその材料のサブグレインサイズを測定し、予め作成
したサブグレインサイズとクリープ歪みの大きさとの関
係図からクリープ歪みを算出し、さらに予め作成したク
リープ歪みの大きさとクリープ寿命消費率との関係図か
らクリープ寿命消費率を算出することを特徴とする焼戻
しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価方法であ
る。
【0008】すなわち、本発明の方法は実際に500〜
650℃の高温下で運転されている高温機器より採取し
た材料を用いて、その材料のサブグレインサイズ(亜粒
界組織の大きさ)を測定することにより高温機器に使用
されている焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命
評価を行うものである。
650℃の高温下で運転されている高温機器より採取し
た材料を用いて、その材料のサブグレインサイズ(亜粒
界組織の大きさ)を測定することにより高温機器に使用
されている焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命
評価を行うものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法においてサブグレイ
ンサイズの測定法は以下の手順による。 (1)焼戻しマルテンサイト耐熱鋼からなる高温機器部
品の任意の部位(調査対象部位)から試験片を採取し、
直径約3mmで薄片状の透過型電子顕微鏡用試料に加工
して電子顕微鏡に装着する。 (2)電子顕微鏡内で試料に約200kVの電圧で加速
させた電子線を照射し、任意の倍率で試験片の透過像を
観察・撮影する。 (3)撮影した写真についてサブグレインバウンダリを
トレースし、各々のサブグレインの面積を画像処理装置
を用いて計測する。ここで、用いる写真の数はバラツキ
が少なくなるように最低20枚以上とする。図1にクリ
ープ損傷を受けた9%Cr鋼の透過型電子顕微鏡写真か
らサブバウンダリをトレースした一例を示す。 (4)得られたサブグレインの面積(A)からサブグレ
イン等価直径を次の式で算出する。
ンサイズの測定法は以下の手順による。 (1)焼戻しマルテンサイト耐熱鋼からなる高温機器部
品の任意の部位(調査対象部位)から試験片を採取し、
直径約3mmで薄片状の透過型電子顕微鏡用試料に加工
して電子顕微鏡に装着する。 (2)電子顕微鏡内で試料に約200kVの電圧で加速
させた電子線を照射し、任意の倍率で試験片の透過像を
観察・撮影する。 (3)撮影した写真についてサブグレインバウンダリを
トレースし、各々のサブグレインの面積を画像処理装置
を用いて計測する。ここで、用いる写真の数はバラツキ
が少なくなるように最低20枚以上とする。図1にクリ
ープ損傷を受けた9%Cr鋼の透過型電子顕微鏡写真か
らサブバウンダリをトレースした一例を示す。 (4)得られたサブグレインの面積(A)からサブグレ
イン等価直径を次の式で算出する。
【数1】サブグレイン等価直径=2(A/π)1/2 (5)得られた各々のサブグレイン等価直径から平均サ
ブグレインサイズを求め、これをサブグレインサイズと
する。
ブグレインサイズを求め、これをサブグレインサイズと
する。
【0010】このようにして得られた平均サブグレイン
サイズから、予め同一の材料でクリープ寿命消費率の異
なる適当数の試料についてサブグレインサイズとクリー
プ歪みの大きさを測定して作成したサブグレインサイズ
とクリープ歪みの大きさとの関係図(検量線)を使用し
てクリープ歪みの大きさを算出することができる。本発
明で測定対象となる材料などでは使用温度、応力が変わ
ってもクリープ速度が変わるだけでクリープ曲線の形状
は同じである。これらの材料ではクリープ歪みの大きさ
とクリープ寿命消費率との関係は使用温度、応力によら
ず一定の関係があることから、予めクリープ歪みの大き
さとクリープ寿命消費率との関係を求めておけばクリー
プ歪みの大きさからクリープ寿命消費率及び余寿命を評
価することができる。
サイズから、予め同一の材料でクリープ寿命消費率の異
なる適当数の試料についてサブグレインサイズとクリー
プ歪みの大きさを測定して作成したサブグレインサイズ
とクリープ歪みの大きさとの関係図(検量線)を使用し
てクリープ歪みの大きさを算出することができる。本発
明で測定対象となる材料などでは使用温度、応力が変わ
ってもクリープ速度が変わるだけでクリープ曲線の形状
は同じである。これらの材料ではクリープ歪みの大きさ
とクリープ寿命消費率との関係は使用温度、応力によら
ず一定の関係があることから、予めクリープ歪みの大き
さとクリープ寿命消費率との関係を求めておけばクリー
プ歪みの大きさからクリープ寿命消費率及び余寿命を評
価することができる。
【0011】図3にクリープ歪みの大きさとクリープ寿
命消費率との関係図の1例を示す。この関係図の作成手
順は次のとおりである。測定対象と同じ材料の未使用材
について、定荷重クリープ破断試験機を用いてクリープ
試験を実施し、任意の時間で試験片を強制空冷してクリ
ープ試験を中断し、その時点でのクリープ歪みを測定す
る。クリープ寿命消費率は次の式によって表される。
命消費率との関係図の1例を示す。この関係図の作成手
順は次のとおりである。測定対象と同じ材料の未使用材
について、定荷重クリープ破断試験機を用いてクリープ
試験を実施し、任意の時間で試験片を強制空冷してクリ
ープ試験を中断し、その時点でのクリープ歪みを測定す
る。クリープ寿命消費率は次の式によって表される。
【数2】クリープ寿命消費率(%)=〔(クリープ試験
時間)/(クリープ破断時間)〕×100 図3は後述の実施例で使用したものと同じ焼戻しマルテ
ンサイト耐熱鋼について、この方法により測定した種々
のクリープ寿命消費時点でのクリープ歪みの大きさとク
リープ寿命消費率との関係をプロットしたものである。
時間)/(クリープ破断時間)〕×100 図3は後述の実施例で使用したものと同じ焼戻しマルテ
ンサイト耐熱鋼について、この方法により測定した種々
のクリープ寿命消費時点でのクリープ歪みの大きさとク
リープ寿命消費率との関係をプロットしたものである。
【0012】
【実施例】以下実施例により本発明の方法の有用性を具
体的に説明する。火力発電プラントボイラの伝熱管に使
用する焼戻しマルテンサイト耐熱鋼(9%Cr鋼)につ
いて、大気中で定荷重クリープ破断試験機を用いてクリ
ープ試験を実施し、クリープ歪みが約1%に到達した時
点で試験片を強制空冷してクリープ試験を中断し、クリ
ープ歪み1%材を得た。同様にしてクリープ歪み1.8
%材及び4%材を作成した。これにクリープ歪み0%材
(未使用材)を加えた4試験片についてサブグレインサ
イズの測定を行った。すなわち、各試験片の応力負荷部
において応力方向と平行に直径3mmの薄片状の電子顕
微鏡用試料を作製(クリープ歪み0%材は特に方向は指
定しない)した。その後、前記サブグレインサイズの測
定手順の(3)〜(5)に準じてサブグレインサイズを
測定し、横軸にクリープ歪み、縦軸にサブグレインサイ
ズをとってプロットしたサブグレインサイズとクリープ
歪みの大きさとの関係図(検量線)を図2に示す。
体的に説明する。火力発電プラントボイラの伝熱管に使
用する焼戻しマルテンサイト耐熱鋼(9%Cr鋼)につ
いて、大気中で定荷重クリープ破断試験機を用いてクリ
ープ試験を実施し、クリープ歪みが約1%に到達した時
点で試験片を強制空冷してクリープ試験を中断し、クリ
ープ歪み1%材を得た。同様にしてクリープ歪み1.8
%材及び4%材を作成した。これにクリープ歪み0%材
(未使用材)を加えた4試験片についてサブグレインサ
イズの測定を行った。すなわち、各試験片の応力負荷部
において応力方向と平行に直径3mmの薄片状の電子顕
微鏡用試料を作製(クリープ歪み0%材は特に方向は指
定しない)した。その後、前記サブグレインサイズの測
定手順の(3)〜(5)に準じてサブグレインサイズを
測定し、横軸にクリープ歪み、縦軸にサブグレインサイ
ズをとってプロットしたサブグレインサイズとクリープ
歪みの大きさとの関係図(検量線)を図2に示す。
【0013】次に火力発電プラントボイラの伝熱管で使
用された焼戻しマルテンサイト耐熱鋼(ボイラ伝熱管使
用材、図2のデータを得たものと同一材料)について前
記サブグレインサイズの測定手順の(3)〜(5)に準
じてサブグレインサイズを測定した。20の観測視野に
ついて測定した平均サブグレインサイズは0.85〜
0.93μmであり、それらの平均値は0.89μmで
あった。この値から図2の関係図を用いてクリープ歪み
を算出すると、クリープ歪みは2%となる。さらに図3
から、クリープ歪み2%に相当するクリープ寿命消費率
は約30%と算出された。
用された焼戻しマルテンサイト耐熱鋼(ボイラ伝熱管使
用材、図2のデータを得たものと同一材料)について前
記サブグレインサイズの測定手順の(3)〜(5)に準
じてサブグレインサイズを測定した。20の観測視野に
ついて測定した平均サブグレインサイズは0.85〜
0.93μmであり、それらの平均値は0.89μmで
あった。この値から図2の関係図を用いてクリープ歪み
を算出すると、クリープ歪みは2%となる。さらに図3
から、クリープ歪み2%に相当するクリープ寿命消費率
は約30%と算出された。
【0014】一方、この材料(ボイラ伝熱管使用材)に
ついて600℃、140MPaでクリープ破断試験を実
施した結果、7150時間で破断した。この材料の未使
用材の同条件での平均クリープ破断時間は10000時
間であり、ボイラ伝熱管使用材の寿命消費率は〔(10
000−7150)/10000〕×100=28.5
%となる。この結果、本発明の方法で得られた寿命消費
率約30%は、クリープ破断試験で得られた28.5%
とほぼ同等であり、本発明の方法により高い精度でクリ
ープ寿命評価が可能であることがわかる。
ついて600℃、140MPaでクリープ破断試験を実
施した結果、7150時間で破断した。この材料の未使
用材の同条件での平均クリープ破断時間は10000時
間であり、ボイラ伝熱管使用材の寿命消費率は〔(10
000−7150)/10000〕×100=28.5
%となる。この結果、本発明の方法で得られた寿命消費
率約30%は、クリープ破断試験で得られた28.5%
とほぼ同等であり、本発明の方法により高い精度でクリ
ープ寿命評価が可能であることがわかる。
【0015】
【発明の効果】本発明の方法によれば次のような効果が
ある。 (1)高温機器材料のクリープ寿命消費率及び余寿命評
価の定量化を従来法よりも精度良く、かつ短時間で行う
ことができる。 (2)クリープ寿命の評価方法として現段階で最も有効
な方法であるクリープ破断試験法より短時間で結果が出
るため、実機へのフィードバックを迅速に行うことがで
きる。また、試験時間が短時間であるため、コスト的に
有利である。 (3)サブグレインサイズの測定は直径約3mmの薄片
状の試験片(透過型電子顕微鏡用試料)で行えるため、
高温機器の調査対象部位からの材料の採取量が少量でよ
い。このため、材料の採取後の補修溶接等の作業が簡便
になる。
ある。 (1)高温機器材料のクリープ寿命消費率及び余寿命評
価の定量化を従来法よりも精度良く、かつ短時間で行う
ことができる。 (2)クリープ寿命の評価方法として現段階で最も有効
な方法であるクリープ破断試験法より短時間で結果が出
るため、実機へのフィードバックを迅速に行うことがで
きる。また、試験時間が短時間であるため、コスト的に
有利である。 (3)サブグレインサイズの測定は直径約3mmの薄片
状の試験片(透過型電子顕微鏡用試料)で行えるため、
高温機器の調査対象部位からの材料の採取量が少量でよ
い。このため、材料の採取後の補修溶接等の作業が簡便
になる。
【図1】9%Cr鋼の透過型電子顕微鏡写真からサブバ
ウンダリをトレースした一例を示す模式図。
ウンダリをトレースした一例を示す模式図。
【図2】実施例で測定した9%Cr鋼における平均サブ
グレインサイズとクリープ歪との関係を示す図。
グレインサイズとクリープ歪との関係を示す図。
【図3】9%Cr鋼におけるクリープ歪みとクリープ寿
命消費率との関係を示す図。
命消費率との関係を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 高温機器で使用される9〜12重量%の
Crを含有する焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ
寿命評価方法であって、供用中の高温機器の調査対象部
位から試験片を採取し、該試験片を用いてその材料のサ
ブグレインサイズを測定し、予め作成したサブグレイン
サイズとクリープ歪みの大きさとの関係図からクリープ
歪みを算出し、さらに予め作成したクリープ歪みの大き
さとクリープ寿命消費率との関係図からクリープ寿命消
費率を算出することを特徴とする焼戻しマルテンサイト
耐熱鋼のクリープ寿命評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8333392A JPH10170503A (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8333392A JPH10170503A (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10170503A true JPH10170503A (ja) | 1998-06-26 |
Family
ID=18265612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8333392A Withdrawn JPH10170503A (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 焼戻しマルテンサイト耐熱鋼のクリープ寿命評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10170503A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP1298431A3 (en) * | 2001-09-28 | 2004-02-18 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | High-precision method and apparatus for evaluating creep damage |
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CN110245391A (zh) * | 2019-05-28 | 2019-09-17 | 上海发电设备成套设计研究院有限责任公司 | 一种基于人工神经网络用硬度预测寿命的方法 |
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-
1996
- 1996-12-13 JP JP8333392A patent/JPH10170503A/ja not_active Withdrawn
Cited By (12)
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Legal Events
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---|---|---|---|
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