JPH10170440A - グロー放電発光分光分析装置 - Google Patents

グロー放電発光分光分析装置

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JPH10170440A
JPH10170440A JP34269896A JP34269896A JPH10170440A JP H10170440 A JPH10170440 A JP H10170440A JP 34269896 A JP34269896 A JP 34269896A JP 34269896 A JP34269896 A JP 34269896A JP H10170440 A JPH10170440 A JP H10170440A
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JP
Japan
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discharge
sample
anode tube
anode
glow discharge
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JP34269896A
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English (en)
Inventor
Noboru Yamashita
昇 山下
Hisamasa Kono
久征 河野
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Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Industrial Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成により深さ方向の分解能の向上を図
ることのできるグロー放電発光分光分析装置を目的とす
る。 【解決手段】陽極管3aを有する陽極ブロック3と、絶
縁部材4を介して陽極ブロック3の下部に連結され、陽
極管3dを収納し、下面に試料5が押し当てられる支持
ブロック2とを備える。陽極管3dの内周面3eにおけ
る先端から1〜3mmまでの部分に、径方向外方へ凹入
した放電調整部19を形成する。この放電調整部19に
より、試料5と陽極管3dとの距離が試料5の全体にわ
たり一定の範囲内になるようにして、試料5の全体にわ
たり良好な放電状態を得て均等にスパッタリングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、試料をスパッタ
リングしながら、発生した光を分析するグロー放電発光
分光分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気体圧力が4〜10Torr程度のアルゴン
(Ar)雰囲気中で、二つの電極間に直流または高周波
の高電圧を印加すると、グロー放電が起こり、Arイオ
ンが生成される。生成したArイオンは高電界で加速さ
れ、陰極表面に衝突し、そこに存在する物質をたたき出
す。この現象をスパッタリングと呼ぶが、スパッタされ
た粒子(原子、分子、イオン)はプラズマ中で励起さ
れ、基底状態に戻る際にその元素に固有の波長の光を放
出する。この発光を分光器で分光して元素を同定する分
析法が、グロー放電発光分光分析方法と呼ばれている。
【0003】上述のグロー放電発光分光分析方法を具現
化した分析装置におけるグロー放電管として、図10に
示すような中空陽極型のグリムグロー放電管1が一般的
に用いられている。このグリムグロー放電管1は、陰極
となる支持ブロック2と陽極ブロック3とが、絶縁物で
あるテフロンワッシャ4を介して接合されている。陽極
ブロック3は、アルゴンガス供給孔3aと、第1および
第2真空排気孔3b,3cとを有しおり、管内Vがアル
ゴンの希ガス雰囲気(4〜10Torr)とされている。陽
極ブロック3には、中空陽極管3dが一体形成されてお
り、この陽極管3dは、テフロンワッシャ4を貫通し
て、試料5の表面5aに近接している。この試料5は、
その表面5aにおける分析面を囲む環状形状となったO
リングなどのシール部材6を介して、支持ブロック2に
気密状態で押し付けられている。
【0004】このグリムグロー放電管1は、陽極ブロッ
ク3と支持ブロック2との間に電源部9により直流また
は交流の高電圧を印加してグロー放電を発生させるとと
もに、一般に銅からなる支持ブロック2を通じて試料5
に負電圧を印加し、グロー放電の発生により生成される
アルゴンの陽イオンを試料5の表面5aに衝突させて、
試料5をスパッタリングするものである。また、冷却液
Kを、支持ブロック2の冷却液導入路2aからジャケッ
ト2b内に導入して冷却液排出路2cまで送給すること
により、支持ブロック2を介し試料5と中空陽極管3d
を冷却している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、中空陽極管
3dは、その内径を一般に2〜8mmの範囲に設定され
ている。小さい内径(たとえば2mm)の中空陽極管を
用いた場合には、試料5のスパッタ面5bにおける中央
部と周辺部とのスパッタ速度の差が比較的少ないことか
ら、スパッタ量がスパッタ面の全体にわたりほぼ均一と
なり、元素の深さ方向の濃度分布の検出精度、つまり深
さ方向の分解能が向上する。その反面、試料5のスパッ
タ面積が小さいことから発光量が少なく、この発光強度
が弱いことに伴って検出感度が低下するとともに、同じ
電圧をかけてもスパッタ面5bの電流密度が高くなって
スパッタ速度が速くなり過ぎるため、厚みの小さい試料
5または試料5における非常に薄い領域(たとえば、数
百nm程度)を分析対象とした場合には、良好な分析デ
ータが得られない。
【0006】そこで、大きい内径(たとえば8mm)の
中空陽極管3dを用いれば、良好なスパッタ速度が得ら
れるとともに、スパッタ面積が大きくなるのに伴って発
光強度が強くなるため、検出感度が向上する。しかしな
がら、試料5のスパッタ面5bの面積が大きくなるのに
伴ってスパッタ面5bにおける中央部分と周辺部とのス
パッタ速度の差が大きくなるため、試料5のスパッタ面
5bは、図10の一部の拡大図である図11および試料
5の放電後の断面プロファイルの模式図である図7
(b)にそれぞ示すような不均一な断面形状となる。
【0007】すなわち、試料5の放電後のスパッ5b面
は、周辺部においてスパッタ速度が遅いためにスパッタ
量が少なく、中央近傍部分から周辺部にかけて湾曲形状
になっており、また、スパッタ面5bの中央部は、陽極
管3dの放電部位との距離が大き過ぎることから、放電
が不十分であって凸状になっている。そのため、試料5
における深さの異なる部位からの発光が入り混じること
になり、深さ方向の分解能が低下して正確な分析が困難
になる。たとえば、図6(b)は、厚さ40nmのTi
N蒸着膜を形成したシリコンウェハーを、内径が8mm
の中空陽極管3dを用いて構成した図10の従来装置に
より分析した結果を示し、同図において、蒸着膜とシリ
コン基板との境界の深さ付近におけるTiとNの立ち下
がりおよびSiの立ち上がりがなだらかに傾斜した状態
になっており、元素の深さ方向の濃度分布を正確に示し
ていない。なお、内径が2〜8mmの範囲の中間である
4mm程度の中空陽極管3dを用いた場合には、深さ方
向の分解能が不十分である上に、たとえば上記のシリコ
ンウェハーをスパッタリングした場合に、4〜5sec
程度の短い時間でスパッタリングが終了してしまい、検
出感度も悪くなる。
【0008】そこで、たとえば内径が8mmの中空陽極
管の内周面に、これよりも小径、たとえば4mmの内径
のリング帯を内方へ突出状態に設けることにより、試料
のスパッタ面における比較的平面状にスパッタされる中
央部からの発光のみを分光するようにして、深さ方向の
分解能の向上を図ったグロー放電発光分光分析装置(実
開昭61-5453 号公報参照)が提案されている。一方、二
つの中空陽極管を同心状に配置した二重構造の複合型電
極を用いて、各陽極管に対し異なる電源から個々に電圧
を印加して電圧のバランスをとることにより、スパッタ
速度を場所的に均一化して、深さ方向の分解能の向上を
図ったグロー放電発光分光分析装置も提案されている。
【0009】しかしながら、前者の装置では、試料の深
さの異なる部位から同時に発光するので、試料のスパッ
タ面における周辺部からの発光をリング帯で遮断するよ
う試みているが、スパッタ物質は多方向に飛散するの
で、スパッタ面の周辺部からのスパッタ物質の一部が陽
極管の軸方向ばかりでなく、内周面に向かっても進み、
内周面に沿って陽極管内を通過し、検出器に入ってしま
う。これにより、試料の深さの異なる部位からの発光が
入り混じることになり、深さ方向の分解能が低下する。
一方、後者の装置では、スパッタ面全体が比較的均一に
スパッタリングされるが、構造が複雑となってコスト高
になる欠点がある。
【0010】そこで本発明は、簡単で安価な構成としな
がらも、深さ方向の分解能の向上を図ることのできるグ
ロー放電発光分光分析装置を提供することを目的とする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るグロー放電発光分光分析装置は、陽極
管を有する陽極ブロックと、絶縁部材を介して前記陽極
ブロックの下部に連結され、前記陽極管を収納し、下面
に試料が押し当てられる支持ブロックとを備え、前記陽
極管の内周面における先端から1〜3mmまでの部分
に、径方向外方へ凹入した放電調整部が形成されてい
る。
【0012】このグロー放電発光分光分析装置では、陽
極管の先端の放電調整部により、スパッタリングが活発
となって、好適な検出感度を得ることができるから、陽
極管の内周面は、従来装置において良好な検出感度を得
るのに必要であった8mmより小さな内径とすることが
できる。試料のスパッタ面における中央部は、前記放電
調整部が存在し、かつ上述のように陽極管の径を従来装
置よりも小さくできることから、陽極管の放電部位まで
の平均距離が従来装置よりも短くなる。試料のスパッタ
面における周辺部も、放電調整部によって、陽極管の放
電部位までの平均距離が、従来装置よりも短くなる。
【0013】その結果、試料の周辺部および中央部と陽
極管との各間の平均距離の差が小さくなって、試料のス
パッタ面全体の陽極管に対する距離は一定の範囲内とな
る。それにより、陽極管と試料間の放電耐圧電圧は、試
料のスパッタ面の全体にわたり良好な放電状態となる値
にほぼ均一化され、試料はそのスパッタ面の全体にわた
り良好な放電状態となってほぼ均等なスパッタ量でスパ
ッタリングされるから、深さ方向の分解能が格段に向上
する。
【0014】上記発明の実施形態では、前記放電調整部
が、前記内周面と同心の円周面を有している。これによ
り、特に、試料のスパッタ面における周辺部において、
電位の分布を均一化してスパッタ量を均等化できる。
【0015】上記の実施形態において、前記放電調整部
は、前記内周面と前記円周面の間に前記陽極管の軸心と
直交する段差面を有する形状とすることができる。これ
により、放電調整部の段差面は支持ブロックに押し当て
られる試料に対し平行に位置するので、試料のスパッタ
面における中央部および周辺部と陽極管との各間の距離
の差を小さくでき、試料のスパッタ面全体の陽極管に対
する距離を確実に一定範囲内になるよう設定できる。
【0016】一方、上記の実施形態において、前記放電
調整部は、前記内周面と前記円周面をつなぐ曲面状の隅
部を有している形状とすることができる。これにより、
上記実施形態と同様の効果を得ることができる上に、試
料のスパッタ面の放電電位をより一層均一化できる利点
がある。
【0017】また、上記発明において、前記放電調整部
は、先端に向かって拡がるテーパー面で形成されている
構成とすることができる。この放電調整部においても、
試料のスパッタ面全体の陽極管に対する距離を一定の範
囲内になるよう設定して、陽極管と試料間の放電耐圧電
圧を試料のスパッタ面の全体にわたり良好な放電状態と
なる値にほぼ均一化でき、試料のスパッタ面の全体をほ
ぼ均等にスパッタリングできる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例につ
いて図面を参照しながら説明する。本発明の一実施例に
係るグロー放電発光分光分析装置は、図1に示すよう
に、グロー放電を利用したスパッタリングにより元素に
固有の波長の光を発生するグリムグロー放電管10から
放出されて、その窓板13を透過した光Lが、分光器1
5に入射する。分光器15は、入射スリット14、この
入射スリット14から入射した光Lを波長に応じて異っ
た回折角度で回折する回折格子16、回折光を通過させ
る出射スリット17および回折光の強度を測定する光電
子増倍管18を備えている。
【0019】図2は図1の分析装置におけるグリムグロ
ー放電管10の一例を示す縦断面図である。図2におい
て、図9と同等のものには同一の符号を付してあり、図
9と相違する点は、図2の要部の拡大図である図3に明
示するように、陽極管3dの内周面3eにおける先端か
らの距離Lが1〜3mmまでの部分に、径方向外方へ凹
入した放電調整部19が形成されていることである。
【0020】上記放電調整部19は、陽極管3dの内周
面3eと同心の円周面19aと、内周面3eと円周面1
9との間に位置して陽極管3dの軸心と直交する段差面
19bとを有している。放電調整部19を陽極管3dの
先端から1〜3mmの距離Lまでの部分に設定している
のは、1mm以下では放電調整部19による後述の効果
がなく、3mm以上の部分は放電面から外れてやはり効
果がないためである。また、陽極管3dの内周面3eの
径dは、放電調整部19の円周面19aの径Dに対して
0.4 D〜0.8 Dの範囲内であって、3〜6mmに設定さ
れる。陽極管3dの内周面3eの径dが0.4 D以下にな
ると、スパッタリングによる光が通過する陽極管3dの
中空部が狭くなり、光量が低下して検出感度が低下す
る。他方、前記径dが0.8 D以上になると放電調整部1
9による後述の効果がなくなる。放電調整部19の円周
面19aの径Dは、良好なスパッタリング速度による好
適な検出感度が得られる値、例えば上述の8mm程度に
設定する。
【0021】つぎに、上記構成の動作を説明する。図2
の支持ブロック2と陽極ブロック3との間に、電源部9
により数百〜数千ボルトの直流または高周波の高電圧を
印加すると、グロー放電を生じ、アルゴンの陽イオンが
生成される。生成されたArイオンは、陰極である試料
5の分析面5cに衝突して、この分析面5cをスパッタ
リングする。それにより、試料5の分析面5cからたた
き出されて剥離した原子は、Arイオンまたは電子によ
って励起され、再び基底状態に戻る際に元素固有の光を
放出する。この光Lは、陽極管3dの中空部を通って導
出されて、窓板13を透過し、図1の入射スリット14
を通して、分光器15の回析格子16に向かう。この回
析格子16は、所定の波長の光を回析させ、出射スリッ
ト17を通して、光電子増倍管18に入射させる。光電
子増倍管18は入射した光の強度を測定する。
【0022】図4は、グリムグロー放電管10における
陽極管3dと試料5の分析面5cとの距離つまり放電距
離に対する放電耐圧電圧の関係を示す特性図であり、放
電耐圧電圧が小さい程良好な放電状態となる。上記のグ
リムグロー放電管10では、陽極管3dの内周面3eに
おける試料5に近接した放電面となる先端部分に、径方
向外方へ凹入する放電調整部19が形成されているか
ら、この放電調整部19における比較的大きな径の内周
面19aによって、速過ぎない良好なスパッタリング速
度による好適な検出感度を得ることができる。これに対
し、陽極管3dの内周面3eは、上述のように円周面1
9aの径Dに対して0.4 D〜0.8 Dの範囲内であって、
従来装置において良好な検出感度を得るのに必要であっ
た8mm程度よりも小さな径dとすることができる。
【0023】また、スパッタリングは、主として陽極管
3dの内周面3eとの間で起こる放電によって発生する
のであるが、試料5のスパッタ面5bにおける周辺部
は、従来では、図5(a)に示すように、放電ラインL
Eが大きく湾曲するので、放電ラインLEに沿った放電
距離の平均値が長くなっていた。これに対して、この実
施形態では、図5(b)に示すように、放電調整部19
の段差面19bの存在によって、放電ラインLEの湾曲
が小さくなるので、その分だけ陽極管3dの放電部位に
対する平均距離が従来装置よりも短くなる。他方、試料
5のスパッタ面5bにおける中央部については、放電調
整部19が存在し、かつ陽極管3dの径dを従来装置よ
りも小さくできるから、陽極管3dの放電部位との間で
生じる放電ラインLMが全体的に短くなる。
【0024】したがって、試料5のスパッタ面5bにお
ける中央部および周辺部と、陽極管3dの放電部位との
各間の距離の差が小さくなり、試料5のスパッタ面5b
全体と、陽極管3dの放電部位との距離が図4における
L2の範囲内となる。それにより、陽極管3dと試料5
間の放電耐圧電圧は、試料5のスパッタ面5bの全体に
わたり、図4に示すE以下の値にほぼ均一化されるた
め、試料5はそのスパッタ面5bの全体にわたり良好な
放電状態となって、場所的にほぼ均等なスパッタ量でス
パッタリングされる。その結果、試料5のスパッタ面5
bは、図3および試料5の放電後の断面プロファイルの
模式図である図6(a)にそれぞ示すように、フラット
な断面形状となり、深さ方向の分解能が向上する。
【0025】図6(a)は、グリムグロー放電管10と
して、内径が6mmの陽極管3dの先端から2mmまで
の部分に、内周面19aの径Dが8mmの放電調整部1
9を形成したものを用い、厚さ40nmのTiN蒸着膜
を形成したシリコンウェハーを分析した結果を示す。同
図から明らかなように、蒸着膜とシリコン基板との境界
付近におけるTiとNの立ち下がりおよびSiの立ち上
がりが急峻になっており、元素の深さ方向の濃度分布を
正確に計測できることを示している。しかも、この深さ
方向の分解能を向上させる効果を、陽極管3dの一部の
形状を変更するのみの簡単で安価な構成により得ること
がてきる。
【0026】これに対し従来装置では、良好な検出感度
を得ることを目的として陽極管3dの内径を比較的大き
な8mm程度に設定した場合、陽極管3dの放電部位と
試料5との距離が、試料5の中央部において、図4のL
3で示すように大きくなり過ぎる。また、陽極管3dの
内径の大きさにかかわりなく、試料5の周辺部において
も、前述の一部放電ラインLEの大きな湾曲によって、
前記距離の平均が大きくなり過ぎる。そのため、試料4
5のスパッタ面5bにおける周辺部と中央部とは放電耐
圧電圧が高くなり過ぎて良好な放電状態を得ることがで
きないから、スパッタ面5bの放電後の断面プロファイ
ルは、比較のために示した図7(b)に示すように、不
均一な形状となり、図6(b)に示すような深さ方向の
分解能が悪い分析結果しか得られない。
【0027】図8および図9はいずれも本発明の他の実
施形態の要部の拡大断面図を示し、図8の放電調整部1
9は、陽極管3d内周面3eと円周面19aをつなぐ曲
面状の隅部19cを有した形状になっており、図9の放
電調整部19は、先端に向かって拡がるテーパー面19
dで形成されている。この各実施形態における放電調整
部19においても、上記実施形態と同様の効果を得るこ
とができる上に、試料5のスパッタ面5bの放電電位が
上記実施形態よりも一層均一化される利点がある。な
お、図8では直線状のテーパー面19dとした場合を例
示してあるが、大きな曲率半径の湾曲面としてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のグロー放
電発光分光分析装置によると、陽極管の内周面における
先端の放電面部分に径方向外方へ凹入した放電調整部を
形成したので、試料の周辺部および中央部と陽極管との
各間の距離の差が小さくなって、試料のスパッタ面全体
の陽極管の放電部位に対する距離を一定の範囲内とする
ことができる。その結果、陽極管と試料間の放電耐圧電
圧を、試料のスパッタ面の全体にわたり良好な放電状態
となる値にほぼ均一化でき、試料をそのスパッタ面の全
体にわたりほぼ均等なスパッタ量でスパッタリングする
ことができるから、深さ方向の分解能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るグロー放電発光分光
分析装置の概略構成図である。
【図2】同上分析装置に係るグリムグロー放電管の一例
を示す縦断面図である。
【図3】同上放電管の要部の拡大縦断面図である。
【図4】同上放電管の陽極管と試料との距離に対する放
電耐圧電圧の関係を示す特性図である。
【図5】(a)は従来のグリムグロー放電管における放
電状態を示す縦断面図、(b)は同上実施形態における
放電状態を示す縦断面図である。
【図6】(a)は同上装置の分析結果を示す特性図、
(b)は比較のために示した従来装置による分析結果の
特性図である。
【図7】(a)は同上装置による試料のスパッタ後の断
面プロファイルの模式図、(b)は比較のために示した
従来装置による試料のスパッタ後の断面プロファイルの
模式図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示すグリムグロー放電
管の要部の拡大縦断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態を示すグリムグロ
ー放電管の要部の拡大断面図である。
【図10】従来の分析装置におけるグリムグロー放電管
を示す縦断面図である。
【図11】同上放電管にの要部を示す拡大縦断面図であ
る。る。
【符号の説明】
2…支持ブロック、3…陽極ブロック、3d…陽極管、
3e…陽極管の内周面、4…テフロンワッシャ(絶縁部
材)、5…試料、19…放電調整部、19a…円周面、
19b…段差面、19c…隅部、19d…テーパー面。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極管を有する陽極ブロックと、絶縁部
    材を介して前記陽極ブロックの下部に連結され、前記陽
    極管を収納し、下面に試料が押し当てられる支持ブロッ
    クとを備え、 前記陽極管の内周面における先端から1〜3mmまでの
    部分に、径方向外方へ凹入した放電調整部が形成されて
    いるグロー放電発光分光分析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記放電調整部は、
    前記内周面と同心の円周面を有しているグロー放電発光
    分光分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記放電調整部は、
    前記内周面と前記円周面の間に前記陽極管の軸心と直交
    する段差面を有しているグロー放電発光分光分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記放電調整部は、
    前記内周面と前記円周面をつなぐ曲面状の隅部を有して
    いるグロー放電発光分光分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記放電調整部は、
    先端に向かって拡がるテーパー面で形成されているグロ
    ー放電発光分光分析装置。
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