JPH101692A - 高機能性界面活性剤 - Google Patents

高機能性界面活性剤

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JPH101692A
JPH101692A JP8156937A JP15693796A JPH101692A JP H101692 A JPH101692 A JP H101692A JP 8156937 A JP8156937 A JP 8156937A JP 15693796 A JP15693796 A JP 15693796A JP H101692 A JPH101692 A JP H101692A
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JP
Japan
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acid
surfactant
salt
anacardic acid
anacardic
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Withdrawn
Application number
JP8156937A
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English (en)
Inventor
Tsunetaro Kuwata
恒太郎 桑田
Mitsuo Konishi
満月男 小西
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH101692A publication Critical patent/JPH101692A/ja
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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
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  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アナカルド酸と塩基性アミノ酸から調整し
た、着色が無く、抗菌活性・紫外線吸収能を有し、かつ
皮膚に対して穏和な作用を有し、しかも低濃度で界面活
性能を発現し、優れた洗浄力・起泡力および泡持続性を
有する界面活性剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 塩基性アミノ酸により塩を形成したアナ
カルド酸塩を活性成分とする界面活性剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗剤、化粧品、医
薬品、農薬、繊維、プラスチックなど様々な分野で利用
される界面活性剤に関する。さらに詳しくは、カシュー
油中に含まれるアナカルド酸と塩基性アミノ酸から調製
した界面活性剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】界面活性剤は、1分子中に性質の異なる
親水性基と疎水性基を有する両親媒性化合物であり、乳
化・可溶化・浸透・ぬれ・分散・起泡・潤滑・洗浄・保
湿・殺菌・帯電防止・柔軟など様々な界面現象に関わる
化学物質であり、洗剤、化粧品、医薬品、農薬、繊維、
プラスチックなど様々な分野で利用されている。
【0003】トイレタリー、化粧品業界での界面活性剤
の開発動向を見ると、かつては洗浄性能が優先され、皮
膚に対する安全性(生体適合性)や環境への影響(環境
適合性)に対する関心はそれに比較して低い傾向があっ
た。しかし、近年、界面活性剤の多様化に伴う種類、量
の増大や環境破壊に対する関心の高まりから、生体適合
性・環境適合性に優れた界面活性剤の開発が強く望まれ
ている。
【0004】古くからの界面活性剤としては石鹸があ
り、今日ではアルキルサルフェート、アルキルエーテル
サルフェートに代表される硫酸塩型アニオン界面活性
剤、アシルグルタメートのような末端にカルボン酸を有
するアミノ酸型アニオン界面活性剤、リン酸エステル型
アニオン界面活性剤、アルキルグルコシドのようなノニ
オン界面活性剤などが使用されている。この中でアミノ
酸型、リン酸エステル型アニオン界面活性剤は皮膚への
安全性を希求した界面活性剤である。
【0005】界面活性剤を洗浄剤としての利用という観
点から考えると、皮膚刺激性が低いということは非常に
重要な視点ではあるものの、起泡力、界面活性能など洗
浄剤としての性能を著しく低下させることはその使用目
的から致命的である。この点でアミノ酸型、リン酸エス
テル型の界面活性剤は皮膚に対する刺激は低いものの、
洗浄力、起泡力が若干劣る。特にリン酸エステル型アニ
オン界面活性剤は、水中のカルシウムイオンと容易に結
合し、不溶性塩として析出してしまうため、硬度の高い
水を用いた場合には洗浄性および起泡性が低下する。さ
らにこの塩は皮膚や毛髪に付着するため、洗浄後の感触
の変化、すなわち、表面の潤滑性が低下し、毛髪のきし
み感や皮膚のかさつき、粉っぽさをもたらすという問題
がある。また、アミノ酸型界面活性剤には、使用後のぬ
るつき感といった問題がある。
【0006】したがって、新規の低刺激性界面活性剤を
開発する上で、その安全性と洗浄基剤としての性能の両
立が最も大きな課題となっている。アナカルド酸はカシ
ューナッツの殻から採取されるカシュー油(Cashe
wNut Shell Liquid;CNSL)中の
1成分である。カシュー油のうち熱処理をしていない、
いわゆる天然カシュー油は、アナカルド酸を主成分とし
て含み、その他にカルドール、カルダノールなどを含ん
でいる。その含有量はカシュー油の産地により若干差が
あるが、例えばインド産の天然カシュー油はアナカルド
酸約70重量%、カルドール約25重量%、カルダノー
ル及び2−メチルカルドールを数重量%含有している。
【0007】アナカルド酸は、下記一般式(1)で表さ
れる6位に炭素数15のアルキル基またはアルケニル基
を有するサリチル酸誘導体であり、中波長紫外線領域
(280〜320nm)に強い吸収帯を有している。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、Rは下記式(2)で表される基で
ある。)
【0010】
【化2】
【0011】また、カルドール、カルダノールおよび2
−メチルカルドールは、それぞれ下記一般式(3)、
(4)、(5)で表される1価あるいは2価フェノール
誘導体である。
【0012】
【化3】
【0013】(一般式(3)〜(5)中、Rは一般式
(1)と同じ基である。) アナカルド酸は様々な生理活性(特開平6−32953
6号公報)や抗菌性(J.Agric.Food Ch
em.,41 P.1016(1993))が見い出さ
れている有用化合物であり、にきび治療剤、虫歯予防
剤、食品及び化粧料の酸化防止剤、口腔用抗菌剤、抗肥
満症剤、抗潰瘍剤、皮膚劣化防止剤等、主に医薬品とし
ての利用が期待されている。但し、フリーのアナカルド
酸は非常に皮膚刺激性が高く、かぶれを起こすという問
題があった。
【0014】アナカルド酸塩の界面活性能については2
ナトリウム塩で調べられている(J.Proc.Ins
t.Chem.,33 P.81(1961))。しか
しながらアナカルド酸2ナトリウム塩は抗菌性はあるも
のの、我々の研究では、1重量%水溶液でさえもpHが
13を越え、皮膚刺激性が高くなり、また腐敗を想起さ
せるような褐色味を帯びた着色があることから、このま
まではトイレタリー、化粧品分野への界面活性剤として
使用することはできない。
【0015】アミノ酸は生物の蛋白質を構成する基本的
な化合物であり、アミノ酸の機能は、蛋白質を通して生
体と密接な係わりを持っている。アミノ酸は化学構造を
みると、一つの分子中にアミノ基とカルボキシル基を有
した物質であり、非常に興味深い特性から、高機能性工
業材料としての展開が期待されている。アミノ酸の生理
機能としては、外界からの皮膚の保護、皮膚への栄養、
湿潤性の保持、老化防止、養毛、色素形成などがあり、
生体構成物質であるので安全性や生体への親和性、環境
適合性も高い。このようなアミノ酸の特性を積極的に利
用した用途として、化粧品分野への界面活性剤があり、
近年の天然素材への関心の高まりから、ヘアシャンプ
ー、ボディシャンプー、洗顔フォーム、クリームなど数
多くの用途に利用されている。
【0016】また、塩基性アミノ酸を塩とするアニオン
界面活性剤を洗浄剤として用いることは、すでに公知で
あり、(1)N−長鎖アシルグルタミン酸の塩基性アミ
ノ酸塩と、特定の両性界面活性剤を必須成分とする低温
安定性の優れた水洗洗浄剤組成物(特開昭56−282
97号公報)、(2)塩基性アミノ酸により塩を形成し
たアニオン界面活性剤と、尿素を塩基性アミノ酸カチオ
ンに対して20重量%以上を配合した、塩基性アミノ酸
特有の臭いのない洗浄剤組成物(特開昭58−1686
95号公報)、(3)塩基性アミノ酸により塩を形成し
たアニオン界面活性剤と、水溶性還元剤および/または
キレート剤を配合した、皮膚や粘膜に対する刺激が低
く、塩基性アミノ酸特有の臭いのない洗浄剤組成物(特
開平5−255693号公報)、など、塩基性アミノ酸
をアニオン界面活性剤の対イオンとして導入することの
有用性はこれまでに数多く報告されているが、塩基性ア
ミノ酸により塩を形成し、かつ抗菌活性および紫外線吸
収作用に優れたアニオン界面活性剤に関する報告は今ま
でになかった。
【0017】抗菌活性を有する界面活性剤としては、カ
チオン界面活性剤の第4級アンモニウム塩が知られてい
る。しかしながら、第4級アンモニウム塩は、(1)ア
ニオン界面活性剤に比べ、刺激性・毒性が高いこと、
(2)血液に入ると溶血作用があること、(3)アニオ
ン界面活性剤、タンパク質、食塩などにより抗菌活性が
著しく低下すること、(4)銅、真鍮などに対して腐食
性があること、などの理由から、使用範囲が限定され
る。
【0018】また、紫外線吸収剤は、シャンプー、ボデ
ィシャンプー、台所用洗剤などには主に製品の品質安定
性の向上を目的として、またファンデーションやサンケ
ア用品などには紫外線の害から皮膚を守ることを目的と
して配合されている。トイレタリー、化粧品分野で使用
される紫外線吸収剤の必要条件は、(1)光毒性や光感
作性がなく、安全性の高いものであること、(2)UV
−B(中波長紫外線,290〜320nm)あるいはU
V−A(長波長紫外線,320〜400nm)領域に強
い吸収帯があること、(3)紫外線、熱によって分解な
ど変化を起こさないこと、また処方中の他成分の光分解
を促すような光増感作用がないこと、(4)化粧品基材
との相溶性が良く、使用感触を著しく損なわないこと、
などが挙げられる。
【0019】現在、化粧品に使用されている主な紫外線
吸収剤は化学構造上、ベンゾフェノン誘導体、パラアミ
ノ安息香酸(以下、PABAと略す。)誘導体、パラメ
トキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、その他に分類
される。しかしながら、これまでに開発されてきた紫外
線吸収剤には、(1)紫外線吸収剤として最も使用頻度
の高かったPABAの皮膚刺激性およびPABA誘導体
の発ガン性のあるニトロソアミン発生の関与への疑い、
アミノ基の酸化による着色の問題、(2)近年の高サン
プロテクションファクター化に伴う、紫外線吸収剤の高
配合処方の安全性への懸念の問題、(3)安全性への配
慮から、1種類の紫外線吸収剤を高配合するのではな
く、数種類の紫外線吸収剤を組み合わせて使用するのが
通常となっているが、数種類の組み合わせ使用による、
処方の煩雑さ及びコストの増大の問題、(4)紫外線吸
収剤を配合することなく、紫外線防止効果を得ることが
できる酸化チタン、酸化亜鉛などの無機粉体は、皮膚に
塗布したときに白く塗布色が残り、自然な使用感が得ら
れにくいという問題、などの数多くの問題があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚や眼粘
膜に対して低刺激性で、起泡力・泡持続性に優れ、かつ
抗菌活性および紫外線吸収作用を併せ持ち、製品の処方
の煩雑さや安全性の問題のない機能性界面活性剤を提供
することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対し鋭意研究を行った結果、驚くべきことにアナカル
ド酸と適当量の塩基性アミノ酸から調製したアナカルド
酸塩が、皮膚や眼粘膜に対して低刺激性であること、低
濃度で洗浄基剤として優れた性能を有すること、かつ抗
菌活性および紫外線吸収能を有することを見い出し、本
発明に至ったものである。
【0022】すなわち、本発明は、〔1〕 アナカルド
酸と塩基性アミノ酸とから形成された塩であることを特
徴とする界面活性剤、〔2〕 アナカルド酸と塩基性ア
ミノ酸とから形成された塩のカチオンがリジン、アルギ
ニン及びオルニチンから選ばれる塩基性アミノ酸のカチ
オン残基である上記1の界面活性剤、である。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、アナカルド酸の塩基性アミノ酸塩はアナカルド
酸に適当な塩基性アミノ酸を加えることにより、調製す
ることができる。ここで使用されるアナカルド酸は天然
カシュー油から種々の方法により精製することができ
る。例えば、イオン交換樹脂法、液−液分配法、薄層ク
ロマトグラフィー法、鉛塩法などにより精製できる。特
に弱塩基性アニオン交換樹脂IRA−68(オルガノ社
製)により精製すると高純度で、しかも着色の無いアナ
カルド酸を得ることができる。精製したアナカルド酸が
着色している場合には、活性炭などの脱色剤を用いて、
脱色することができる。
【0024】得られるアナカルド酸は、アナカルド酸の
芳香核に結合した炭素数15の直鎖炭化水素基中の二重
結合数が0、1、2、3個であるエノマーの混合物であ
るが、これらをそのまま混合物で用いても良いし、各エ
ノマーに分離したものを用いても良い。エノマーの組成
比には特に制限はなく、天然カシュー油から上記の精製
法により得られたアナカルド酸エノマー混合物をそのま
ま用いることもできるし、各エノマーに分離し、任意の
組成比にしたものを用いることもできる。さらには、二
重結合を水添して飽和(飽和アナカルド酸)としたもの
を用いても良いし、不飽和アナカルド酸と飽和アナカル
ド酸の混合物を用いても良い。二重結合の水添には種々
の公知の方法があるが、例えば触媒にPd−Cを用い
て、水素圧10〜20atmで水添を行うと収率良く飽
和アナカルド酸を得ることができる。本発明において使
用されるアナカルド酸の純度は90重量%以上で、好ま
しくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以
上である。これよりアナカルド酸純度が低いと良好な界
面活性能が得られないばかりか、皮膚に対する刺激性が
高くなる場合もある。
【0025】天然CNSL中で、アナカルド酸に次いで
含有率の高いカルドールは、アナカルド酸と極性等物性
が似かよっており分離が難しく、皮膚刺激性が高い。こ
のため精製アナカルド酸に含有されるカルドールは5重
量%以下が好ましい。これより含有率が高い場合には、
本発明により調製された界面活性剤はカルドールによる
皮膚刺激性が高くなり、また、界面活性能も低下するの
で好ましくない。
【0026】また不純物として含有されるカルダノール
は10重量%以下が好ましい。カルダノールはカルドー
ルに比べると、皮膚刺激性は低いものの、10重量%を
越えると、界面活性能を著しく低下させるためである。
本発明において使用される塩基性アミノ酸は、リジン、
アルギニン、オルニチン、ヒドロキシリジン、ヒスチジ
ンなど塩基性側鎖を有するアミノ酸であり、この中でリ
ジン、アルギニン、オルニチンが好ましい。これらの塩
基性アミノ酸は、光学活性体であっても良いし、ラセミ
体であっても良い。
【0027】本発明の塩基性アミノ酸により塩を形成し
た界面活性剤の製造方法は、アナカルド酸を塩基性アミ
ノ酸で中和することにより容易に得ることができる。そ
の場合、無溶媒で行っても良いし、適当な溶媒を用いて
行っても良い。溶媒には特に制限はないが、アナカルド
酸と塩基性アミノ酸の両方を溶解する溶媒を用いても良
いし、どちらか一方を溶解する溶媒を用いても良いし、
どちらも溶解しない溶媒を用いても良い。例えば、水、
メタノール、エタノール、プロパノール、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリル、
アセトン、テトラヒドロフラン等である。
【0028】アナカルド酸塩基性アミノ酸塩調製時の温
度は、無溶媒で行う場合には、アナカルド酸の融点〜1
50℃であり、好ましくは、アナカルド酸の融点〜10
0℃である。温度が高くなると、アルカリが共存するの
で、アナカルド酸の脱炭酸が促進されるためである。溶
媒を用いて行う場合には、溶媒の融点〜150℃であ
り、好ましくは溶媒の融点〜100℃である。
【0029】本発明の界面活性剤には、公知の添加剤を
配合することができる。例えば、保存安定性の向上や塩
基性アミノ酸に由来する特異臭を除去するために、水溶
性還元剤やキレート剤を添加しても良い。水溶性還元剤
としては、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リ
ン酸塩、アスコルビン酸またはその誘導体などが挙げら
れる。これらは単独で使用しても良いし、組み合わせて
使用しても良い。
【0030】キレート剤としては、エチレンジアミン四
酢酸、エチレングリコールビス(2−アミノエチルエー
テル)四酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジ
ホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホ
ン酸)、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、ジヒドロ
キシエチルグリシン、グルコン酸、糖酸、酒石酸および
それらの塩などが挙げられる。これらは単独で使用して
も良いし、組み合わせて使用しても良い。
【0031】さらに、本発明の効果を損なわない量のア
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面
活性剤、ノニオン界面活性剤、高級アルコール、流動パ
ラフィン、エステル油などの油性成分、ブチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレ
ングリコールなどの保湿剤成分、カチオン性・アニオン
性・非イオン性の水溶性高分子、動植物の天然エキス及
びその誘導体、クエン酸、ローズマリーエキスなどのp
H調整剤、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機
塩、金属イオン封鎖剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、
栄養剤、収れん剤、清涼化剤、角質剥離・溶解剤、抗脂
漏剤、消炎剤、制汗剤、消臭剤、抗ヒスタミン剤、ホル
モン、紫外線吸収剤、色素、香料などを用途に応じて配
合することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、実施例を用いて本発明をさ
らに詳細に説明する。 〔アナカルド酸の精製〕インド産のCNSLから、弱塩
基性アニオン交換樹脂IRA−68(オルガノ社製)を
用いて精製したアナカルド酸を用いた。アナカルド酸の
純度は98.5重量%であった。なお、この精製したア
ナカルド酸は、飽和アナカルド酸を1重量%程度含有し
ているが、以下の実施例及び比較例においては、不飽和
アナカルド酸と称している。 〔飽和アナカルド酸の調製〕飽和アナカルド酸は、不飽
和アナカルド酸をエタノールに溶解し、触媒に10%P
d−Cを用いて、水素圧20atmで側鎖二重結合を水
添して得た。
【0033】なお、界面活性剤の評価は、上記のように
精製したアナカルド酸と塩基性アミノ酸から形成された
塩を用いて界面活性剤組成物を調製し、下記方法により
行った。 〔泡立ち量測定〕各界面活性剤組成物について、5重量
%水溶液を調製し、この水溶液100mlを目盛り付き
容器に注入する。上記溶液中に撹拌羽根を、羽根の上部
が液面から5cmとなるように設置し、液温25℃、回
転数1000rpmで、30秒間撹拌した。撹拌停止直
後の泡の体積(ml)を測定し、泡立ち量とした。ま
た、泡持続性の測定は、撹拌停止5分後の泡残存量を測
定し、撹拌停止直後の泡立ち量との比から泡残存率
(%)として評価した。 〔皮膚刺激性試験〕各界面活性剤組成物について、10
重量%水溶液を調製し、この水溶液にモルモットを1日
4時間、3日間浸漬する。計12時間浸漬した後、2日
間おいて反応の出現を判定する。反応の判定方法は、紅
斑・浮腫・弛緩・落屑・亀裂の五項目により行った。 ◎:ほとんど刺激はない(紅斑が発現する)。 ○:軽度の刺激性がある(紅斑・弛緩が発現する)。 △:中程度の刺激性がある(紅斑・浮腫・弛緩・落屑が
発現する)。 ×:強度の刺激性がある(紅斑・浮腫・弛緩・落屑・亀
裂が発現する)。 〔抗菌性試験〕90mm径のシャーレ中で固化させたポ
テトデキストロース寒天培地上に、被験菌種の胞子懸濁
液(1.0×105個/ml)100μLを塗布した。
この培地上に、各界面活性剤組成物(100%)50μ
Lを染み込ませた濾紙を中央に置き、28℃にて7日間
培養を行った。培養終了後の菌の生育状況を観察し、各
菌の生育状況により抗菌性を評価した。抗菌性の評価方
法は、菌の生育阻止帯の大きさで行った。 ◎:生育阻止帯15mm以上 ○:生育阻止帯5mm以上15mm未満 △:生育阻止帯0mm以上5mm未満 ×:濾紙上にも菌が生育 尚、使用した被験菌種は以下に示す通りである。 A:Bacillus subtilis(好気性胞子
形成菌) B:Staphylococcus aureus(黄
色ブドウ球菌) C:Propionibacterium acnes
(ニキビ菌) D:Brevibacterium ammoniag
enes 〔紫外線吸収能の評価〕被験者10人の背中を使用して
評価を行った。まず、試料無塗布の状態で最小紅斑量
(以下MEDと略す:皮膚に紅斑を惹起するのに必要な
最小の紫外線量)を測定した。光源は、Solar S
imulator Model600(Solar L
ight Co.製)を用いた。次に、被験者背部に各
界面活性剤組成物の50%水溶液を2mg/cm2塗布
し、同様にして、界面活性剤塗布部位のMEDを測定し
た。界面活性剤塗布部MEDの無塗布部MEDに対する
比を求め、サンプロテクションファクター(以下SPF
と略す)とした。試験結果は、SPFの平均値で示し
た。SPF算出式を以下に示す。 SPF=界面活性剤塗布部MED/無塗布部MED 〔着色度合の評価〕内径15mmのガラス製試験管に各
界面活性剤組成物の30%水溶液50mLを注入し、目
視により着色の度合いを判定した。
【0034】
【実施例1〜5】本発明の界面活性剤であるアナカルド
酸塩基性アミノ酸塩は、不飽和または飽和アナカルド酸
を適当な溶媒(水、エタノール)中、アナカルド酸に対
して等モルの塩基性アミノ酸と作用させ調製した。得ら
れたアナカルド酸塩基性アミノ酸塩は、実施例1〜5の
界面活性剤組成物を調製して泡立ち量、泡持続性、皮膚
刺激性、抗菌性、紫外線吸収能、着色の度合いを上記測
定法により測定して評価した。結果を表1に示した。 [実施例1] (重量%) (1)不飽和アナカルド酸−L−リジン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (7)水 残余 [実施例2] (重量%) (1)不飽和アナカルド酸−D,L−アルギニン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (7)水 残余 [実施例3] (重量%) (1)不飽和アナカルド酸−L−アルギニン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (7)水 残余 [実施例4] (重量%) (1)不飽和アナカルド酸−L−オルニチン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (7)水 残余 [実施例5] (重量%) (1)飽和アナカルド酸−L−リジン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (7)水 残余
【0035】
【比較例1〜6】従来の界面活性剤を用いて比較例1〜
6の組成物を調製し、実施例と同様にして、泡立ち量、
泡持続性、皮膚刺激性、抗菌性、紫外線吸収能、着色の
度合いを測定した。測定結果を表2に示した。 [比較例1] (重量%) (1)直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸−L−リジン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (7)水 残余 [比較例2] (重量%) (1)ラウリルアルコール硫酸エステル−L−リジン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)パラオキシ安息香酸プロピル(パラベン) 0.3 (7)エタノール 3 (8)水 残余 [比較例3] (重量%) (1)N−ラウロイルザルコシン−L−リジン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (7)水 残余 [比較例4] (重量%) (1)やし油脂肪酸−L−リジン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (8)水 残余 [比較例5] (重量%) (1)直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸−L−オルチニン塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (7)水 残余 [比較例6] (重量%) (1)不飽和アナカルド酸2Na塩 20 (2)ラウリン酸TEA塩 5 (3)ラウリルジメチルアミンオキサイド 2 (4)香料 0.5 (5)ジブチルヒドロキシトルエン 0.2 (6)エタノール 3 (7)水 残余
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】アナカルド酸塩基性アミノ酸塩を活性成
分とする界面活性剤は、皮膚や眼粘膜に対して低刺激性
で、優れた洗浄力・起泡力および泡持続性を有してい
る。また、天然由来で、優れた抗菌活性や紫外線吸収能
を有し、製品の処方の煩雑さや安全性の問題が無いなど
現代のニーズに合った、優れた機能性界面活性剤であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 104 C09K 3/00 104Z C11D 1/28 C11D 1/28

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナカルド酸と塩基性アミノ酸とから形
    成された塩であることを特徴とする界面活性剤。
  2. 【請求項2】 アナカルド酸と塩基性アミノ酸とから形
    成された塩のカチオンがリジン、アルギニン及びオルニ
    チンから選ばれる塩基性アミノ酸のカチオン残基である
    請求項1記載の界面活性剤。
JP8156937A 1996-06-18 1996-06-18 高機能性界面活性剤 Withdrawn JPH101692A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008299785A (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Omron Corp 信号制御装置、および信号制御方法
WO2015071374A1 (en) 2013-11-13 2015-05-21 L'oreal Use as a deodorant agent of a salified salicylic acid derivative, alone or in a mixture
CN107072903A (zh) * 2014-10-30 2017-08-18 欧莱雅 亲脂性水杨酸衍生物的用途
FR3116284A1 (fr) * 2020-11-17 2022-05-20 Orpia Innovation Procédé d’obtention d’un mélange de dérivés d’au moins deux composés choisis parmi les cardols, les cardanols et les acides anacardiques

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WO2015071374A1 (en) 2013-11-13 2015-05-21 L'oreal Use as a deodorant agent of a salified salicylic acid derivative, alone or in a mixture
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