JPH10167873A - 化合物結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents
化合物結晶の製造装置および製造方法Info
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- JPH10167873A JPH10167873A JP32873296A JP32873296A JPH10167873A JP H10167873 A JPH10167873 A JP H10167873A JP 32873296 A JP32873296 A JP 32873296A JP 32873296 A JP32873296 A JP 32873296A JP H10167873 A JPH10167873 A JP H10167873A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 繰り返し使用可能で、真空封止などのプロセ
スを必要とせず、V族成分元素の蒸気が成長容器から圧
力容器へと漏れ出さない成長容器を提供し、かつ、化合
物結晶の製造毎に、ホットゾーンや圧力容器のクリーニ
ング作業を必要としない、低ランニングコストの化合物
結晶の製造装置および方法を実現する。 【解決手段】 本発明による化合物結晶の製造装置は、
化合物結晶を構成する成分元素の内の解離圧の高い成分
元素の蒸気で蒸気圧を制御しつつ、種結晶を基に温度勾
配法で原料融液を徐々に冷却して化合物結晶を成長させ
るために、種結晶と原料融液を収容可能なルツボと、該
ルツボを収め蒸気を満たす空間を有する成長容器と、該
成長容器を内部に収めた圧力容器とを有し、成長容器内
の空間と圧力容器の内部とを連通するために通気口を成
長容器に設け、かつ成長容器内の空間を密閉するため
に、圧力容器の外部から開閉可能なシール材を前記通気
口に設ける。
スを必要とせず、V族成分元素の蒸気が成長容器から圧
力容器へと漏れ出さない成長容器を提供し、かつ、化合
物結晶の製造毎に、ホットゾーンや圧力容器のクリーニ
ング作業を必要としない、低ランニングコストの化合物
結晶の製造装置および方法を実現する。 【解決手段】 本発明による化合物結晶の製造装置は、
化合物結晶を構成する成分元素の内の解離圧の高い成分
元素の蒸気で蒸気圧を制御しつつ、種結晶を基に温度勾
配法で原料融液を徐々に冷却して化合物結晶を成長させ
るために、種結晶と原料融液を収容可能なルツボと、該
ルツボを収め蒸気を満たす空間を有する成長容器と、該
成長容器を内部に収めた圧力容器とを有し、成長容器内
の空間と圧力容器の内部とを連通するために通気口を成
長容器に設け、かつ成長容器内の空間を密閉するため
に、圧力容器の外部から開閉可能なシール材を前記通気
口に設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaP、GaA
s、InPなどの化合物結晶を製造する装置と方法に関
する。
s、InPなどの化合物結晶を製造する装置と方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】GaP、GaAs、InPなどの化合物
結晶の製造では、V族元素(Ga、P)の蒸気圧が高い
ため、化合物結晶の製造中にV族元素が解離し、化合物
結晶の組成の変動が生じる。そこで、V族元素の解離抑
制をしたり、あるいは積極的にV族元素の蒸気圧制御を
するなど、組成制御方法が開発されている。
結晶の製造では、V族元素(Ga、P)の蒸気圧が高い
ため、化合物結晶の製造中にV族元素が解離し、化合物
結晶の組成の変動が生じる。そこで、V族元素の解離抑
制をしたり、あるいは積極的にV族元素の蒸気圧制御を
するなど、組成制御方法が開発されている。
【0003】解離抑制には、B2O3などの液体封止剤を
原料の上にのせ、該原料の成分元素の蒸気圧より高い圧
力を有する不活性ガスを、原料融液に印加する方法があ
る。また、たとえば特開昭63−79797号公報の第
1頁左下欄第5行〜第11行と第2頁左下欄第18行〜
右下欄第8行に記載されているように、昇温と降温時
に、封管反応容器内の圧力を不活性ガスで蒸気圧制御
し、結晶育成時には、原料を装填した結晶育成用のルツ
ボと、蒸気圧制御物質を装填した蒸気圧制御用のリザー
バとを、一つの容器(以下、成長容器と呼ぶ)内に配置
し、該リザーバの温度を制御する方法もある。より高品
質な化合物結晶を製造できるのは後者の方法である。
原料の上にのせ、該原料の成分元素の蒸気圧より高い圧
力を有する不活性ガスを、原料融液に印加する方法があ
る。また、たとえば特開昭63−79797号公報の第
1頁左下欄第5行〜第11行と第2頁左下欄第18行〜
右下欄第8行に記載されているように、昇温と降温時
に、封管反応容器内の圧力を不活性ガスで蒸気圧制御
し、結晶育成時には、原料を装填した結晶育成用のルツ
ボと、蒸気圧制御物質を装填した蒸気圧制御用のリザー
バとを、一つの容器(以下、成長容器と呼ぶ)内に配置
し、該リザーバの温度を制御する方法もある。より高品
質な化合物結晶を製造できるのは後者の方法である。
【0004】以下、V族成分元素の蒸気圧制御を行う従
来の技術における、化合物結晶の製造装置と製造方法に
ついて、第4図の化合物結晶の製造装置全体の構成断面
図と、第5図の従来の技術における成長容器の構成断面
図に基づき、説明する。当該化合物結晶製造装置は、ル
ツボ2と、成長容器5と、成長容器ベース13と、リザ
ーバ4とを有する圧力容器6を主要部とする。原料1と
種結晶7とを装填した結晶育成用のルツボ2が、成長容
器5の内部に収められ、V族成分元素3を装填した蒸気
圧制御用のリザーバ4が、成長容器ベース13の上部に
設置され、該成長容器5と該成長容器ベース13は圧力
容器6の内部に収められ、加熱される。化合物結晶の育
成部である種結晶7の上端部の温度は、その融点にあ
り、原料1の温度が高くて種結晶7の温度が低い温度勾
配とする。該温度勾配は小さい方が望ましく、例えばG
aPやGaAsの場合は、2〜10℃/cmが望まし
い。
来の技術における、化合物結晶の製造装置と製造方法に
ついて、第4図の化合物結晶の製造装置全体の構成断面
図と、第5図の従来の技術における成長容器の構成断面
図に基づき、説明する。当該化合物結晶製造装置は、ル
ツボ2と、成長容器5と、成長容器ベース13と、リザ
ーバ4とを有する圧力容器6を主要部とする。原料1と
種結晶7とを装填した結晶育成用のルツボ2が、成長容
器5の内部に収められ、V族成分元素3を装填した蒸気
圧制御用のリザーバ4が、成長容器ベース13の上部に
設置され、該成長容器5と該成長容器ベース13は圧力
容器6の内部に収められ、加熱される。化合物結晶の育
成部である種結晶7の上端部の温度は、その融点にあ
り、原料1の温度が高くて種結晶7の温度が低い温度勾
配とする。該温度勾配は小さい方が望ましく、例えばG
aPやGaAsの場合は、2〜10℃/cmが望まし
い。
【0005】リザーバ4は、成長容器5と成長容器リザ
ーバ13の内部で最も温度が低い部位に配置され、温度
が一定となる領域(均熱帯)に設けられる。該リザーバ
4の温度制御によって、成長容器5と成長容器ベース1
3の内部の蒸気圧制御が行われ、化合物結晶の育成中、
V族成分元素3が原料1の解離圧に等しい蒸気圧をもつ
温度に制御される。
ーバ13の内部で最も温度が低い部位に配置され、温度
が一定となる領域(均熱帯)に設けられる。該リザーバ
4の温度制御によって、成長容器5と成長容器ベース1
3の内部の蒸気圧制御が行われ、化合物結晶の育成中、
V族成分元素3が原料1の解離圧に等しい蒸気圧をもつ
温度に制御される。
【0006】高温部である前記結晶育成用のルツボ2内
の温度と、低温部である前記リザーバ4の温度とは、互
いに独立して温度制御されなければならない。該高温部
と該低温部とに、円筒型で同径のヒーター16を、同軸
上に数段重ねたものが一般的に用いられ、該高温部と該
低温部との間には熱伝導率の小さい材料(以下断熱材と
呼ぶ)17が置かれる。
の温度と、低温部である前記リザーバ4の温度とは、互
いに独立して温度制御されなければならない。該高温部
と該低温部とに、円筒型で同径のヒーター16を、同軸
上に数段重ねたものが一般的に用いられ、該高温部と該
低温部との間には熱伝導率の小さい材料(以下断熱材と
呼ぶ)17が置かれる。
【0007】結晶成長の際には、該高温部と該低温部と
を温度制御し、原料1と種結晶7の上部とを融解した
後、徐々に降温することによって種結晶の上方へと化合
物結晶を育成して、その後室温まで冷却して終了する。
昇温から冷却までの間、圧力容器6には、成長容器5と
成長容器ベース13の内圧にバランスする不活性ガスを
供給する。
を温度制御し、原料1と種結晶7の上部とを融解した
後、徐々に降温することによって種結晶の上方へと化合
物結晶を育成して、その後室温まで冷却して終了する。
昇温から冷却までの間、圧力容器6には、成長容器5と
成長容器ベース13の内圧にバランスする不活性ガスを
供給する。
【0008】蒸気圧が制御される空間を形成する成長容
器5と成長容器ベース13とは、石英製の封管などの様
に密閉容器であることが望ましいが、グラファイト製や
窒化ホウ素製のセミシールド容器が用いられることもあ
る。
器5と成長容器ベース13とは、石英製の封管などの様
に密閉容器であることが望ましいが、グラファイト製や
窒化ホウ素製のセミシールド容器が用いられることもあ
る。
【0009】GaPの様に結晶育成温度が石英の軟化点
以上の温度である化合物結晶を高周波加熱装置で製造す
る場合は、成長容器5と成長容器ベース13に石英製密
閉容器が使用できる。前記化合物結晶を、抵抗ヒーター
加熱装置で製造する場合は、成長容器5と成長容器ベー
ス13が軟化点以上の温度に加熱されてしまうため、前
記セミシールド容器を成長容器5と成長容器ベース13
に用いなければならない。
以上の温度である化合物結晶を高周波加熱装置で製造す
る場合は、成長容器5と成長容器ベース13に石英製密
閉容器が使用できる。前記化合物結晶を、抵抗ヒーター
加熱装置で製造する場合は、成長容器5と成長容器ベー
ス13が軟化点以上の温度に加熱されてしまうため、前
記セミシールド容器を成長容器5と成長容器ベース13
に用いなければならない。
【0010】GaAsやInPなどの化合物結晶を製造
する場合は、抵抗ヒーターを使用する場合でも、石英製
密閉容器とセミシールド容器のいづれも成長容器5と成
長容器ベース13に使用できる。
する場合は、抵抗ヒーターを使用する場合でも、石英製
密閉容器とセミシールド容器のいづれも成長容器5と成
長容器ベース13に使用できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セミシ
ールド容器を成長容器に使用した場合、制御しているV
族成分元素の蒸気が、成長容器から圧力容器へと漏れ出
す。漏れ出す量は、該セミシールド容器の特性と外圧
(圧力容器内不活性ガス圧)の印加の仕方次第である。
漏れ出した蒸気は、圧力容器内の温度の低い部位に付着
し固化する。GaPやInPの化合物結晶の製造では、
発火し易い白燐や赤燐が付着し、GaAsの化合物結晶
の製造では、毒物であるAsが付着する。
ールド容器を成長容器に使用した場合、制御しているV
族成分元素の蒸気が、成長容器から圧力容器へと漏れ出
す。漏れ出す量は、該セミシールド容器の特性と外圧
(圧力容器内不活性ガス圧)の印加の仕方次第である。
漏れ出した蒸気は、圧力容器内の温度の低い部位に付着
し固化する。GaPやInPの化合物結晶の製造では、
発火し易い白燐や赤燐が付着し、GaAsの化合物結晶
の製造では、毒物であるAsが付着する。
【0012】これらの付着物のために、化合物結晶を製
造する毎にホットゾーン(ヒーター、断熱材などの炉
材)や圧力容器のクリーニング作業を行わなければなら
ない。従って、製造効率を下げるという問題がある。
造する毎にホットゾーン(ヒーター、断熱材などの炉
材)や圧力容器のクリーニング作業を行わなければなら
ない。従って、製造効率を下げるという問題がある。
【0013】また、成長容器に石英製の封管のような密
閉容器を用いる場合は、蒸気が漏れ出すことはないが、
化合物結晶を製造する毎に、原料を装填したルツボとV
族成分元素を充填したリザーバを成長容器(石英製アン
プル)内に収め、真空封止するプロセスが必要となる。
また、前記セミシールド容器が繰り返し使用できるのに
対し、該石英製アンプルは繰り返し使用できないため、
製造コストが高いという問題点を抱えている。さらに、
製造しようとする化合物結晶のサイズが大きくなると、
十分な強度を持つ石英製アンプルの設計と、それを真空
封止する作業が難しくなるといった問題点もある。
閉容器を用いる場合は、蒸気が漏れ出すことはないが、
化合物結晶を製造する毎に、原料を装填したルツボとV
族成分元素を充填したリザーバを成長容器(石英製アン
プル)内に収め、真空封止するプロセスが必要となる。
また、前記セミシールド容器が繰り返し使用できるのに
対し、該石英製アンプルは繰り返し使用できないため、
製造コストが高いという問題点を抱えている。さらに、
製造しようとする化合物結晶のサイズが大きくなると、
十分な強度を持つ石英製アンプルの設計と、それを真空
封止する作業が難しくなるといった問題点もある。
【0014】本発明の目的は、繰り返し使用可能で、真
空封止などのプロセスを必要とせず、V族成分元素の蒸
気が成長容器から圧力容器へと漏れ出さない成長容器を
提供し、かつ、化合物結晶の製造毎に、ホットゾーンや
圧力容器のクリーニング作業を必要としない、低ランニ
ングコストの化合物結晶の製造装置および方法を実現す
ることである。
空封止などのプロセスを必要とせず、V族成分元素の蒸
気が成長容器から圧力容器へと漏れ出さない成長容器を
提供し、かつ、化合物結晶の製造毎に、ホットゾーンや
圧力容器のクリーニング作業を必要としない、低ランニ
ングコストの化合物結晶の製造装置および方法を実現す
ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による化合物結晶
の製造装置は、化合物結晶を構成する成分元素の内の解
離圧の高い成分元素の蒸気で蒸気圧を制御しつつ、種結
晶を基に温度勾配法で原料融液を徐々に冷却して化合物
結晶を成長させるために、種結晶と原料融液を収容可能
なルツボと、該ルツボを収め蒸気を満たす空間を有する
成長容器と、該成長容器を内部に収めた圧力容器とを有
し、成長容器内の空間と圧力容器の内部とを連通するた
めに通気口を成長容器に設け、かつ成長容器内の空間を
密閉するために、圧力容器の外部から開閉可能なシール
材を前記通気口に設ける。
の製造装置は、化合物結晶を構成する成分元素の内の解
離圧の高い成分元素の蒸気で蒸気圧を制御しつつ、種結
晶を基に温度勾配法で原料融液を徐々に冷却して化合物
結晶を成長させるために、種結晶と原料融液を収容可能
なルツボと、該ルツボを収め蒸気を満たす空間を有する
成長容器と、該成長容器を内部に収めた圧力容器とを有
し、成長容器内の空間と圧力容器の内部とを連通するた
めに通気口を成長容器に設け、かつ成長容器内の空間を
密閉するために、圧力容器の外部から開閉可能なシール
材を前記通気口に設ける。
【0016】好ましくは、前記成長容器を熱分解炭素、
ガラス状炭素、炭化珪素よりなる群から選択した1種ま
たは2種以上の材料を被覆したグラファイトで形成す
る。また、前記通気口が成長容器内側で小さい内径を有
し外側で大きい内径を有する構造とする。さらに、成長
容器外側で、通気口の内壁部と同材質の被覆を施した開
閉棒が滑動することで通気口を開閉させる。前記開閉棒
に連なる押し棒を設け、該押し棒が前記圧力容器に固着
したシャフト内で滑動可能で、該押し棒を駆動する機構
を備える。
ガラス状炭素、炭化珪素よりなる群から選択した1種ま
たは2種以上の材料を被覆したグラファイトで形成す
る。また、前記通気口が成長容器内側で小さい内径を有
し外側で大きい内径を有する構造とする。さらに、成長
容器外側で、通気口の内壁部と同材質の被覆を施した開
閉棒が滑動することで通気口を開閉させる。前記開閉棒
に連なる押し棒を設け、該押し棒が前記圧力容器に固着
したシャフト内で滑動可能で、該押し棒を駆動する機構
を備える。
【0017】以上の構造を有する製造装置を用いて、原
料融液、種付け、および結晶成長の工程は、成長容器と
圧力容器との連通を遮断し、それ以外の工程は成長容器
と圧力容器とを連通する操作を該圧力容器の外部から行
い化合物結晶を製造する。
料融液、種付け、および結晶成長の工程は、成長容器と
圧力容器との連通を遮断し、それ以外の工程は成長容器
と圧力容器とを連通する操作を該圧力容器の外部から行
い化合物結晶を製造する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の製造装置の一実施例を、
第1図〜第4図に基づき説明する。第4図は化合物結晶
の製造装置全体の構成断面図であり、第1図は本発明に
おける成長容器の構成断面図である。第2図、第3図は
第1図の要部の拡大図である。
第1図〜第4図に基づき説明する。第4図は化合物結晶
の製造装置全体の構成断面図であり、第1図は本発明に
おける成長容器の構成断面図である。第2図、第3図は
第1図の要部の拡大図である。
【0019】本発明の装置の特徴は、ルツボ2を収め蒸
気を満たす空間が、成長容器5と成長容器ベース13と
で形成され、該空間に圧力容器6の外側からの操作で開
閉可能な通気口8を設けたことにある。具体的には、該
通気口8は成長容器ベース13の内側で小さい内径を有
し、外側で大きい内径を有する構造であり、成長容器ベ
ース13の外側から突合して、通気口8を塞ぐ開閉棒9
が設けられている。すなわち、図2(b)のように、開
閉棒9を通気口8に突き合わせることで通気口8が閉じ
て、図2(a)のように、開閉棒9を通気口8から離す
ことで通気口8が開く。
気を満たす空間が、成長容器5と成長容器ベース13と
で形成され、該空間に圧力容器6の外側からの操作で開
閉可能な通気口8を設けたことにある。具体的には、該
通気口8は成長容器ベース13の内側で小さい内径を有
し、外側で大きい内径を有する構造であり、成長容器ベ
ース13の外側から突合して、通気口8を塞ぐ開閉棒9
が設けられている。すなわち、図2(b)のように、開
閉棒9を通気口8に突き合わせることで通気口8が閉じ
て、図2(a)のように、開閉棒9を通気口8から離す
ことで通気口8が開く。
【0020】成長容器5と成長容器ベース13と開閉棒
9はグラファイト製であるが、熱分解炭素、ガラス状炭
素、炭化珪素よりなる群から選択した1種または2種以
上の材料で被覆し、通気性のない部品とする。なお、成
長容器ベース13の通気口8の内壁部と開閉棒9とに同
材質の被覆を施すと、被覆の反応が起きず繰り返し使用
可能となる。
9はグラファイト製であるが、熱分解炭素、ガラス状炭
素、炭化珪素よりなる群から選択した1種または2種以
上の材料で被覆し、通気性のない部品とする。なお、成
長容器ベース13の通気口8の内壁部と開閉棒9とに同
材質の被覆を施すと、被覆の反応が起きず繰り返し使用
可能となる。
【0021】また、成長容器5と成長容器ベース13と
の接合部はねじ締めによる封止構造とし、ねじを締める
ことによりシール材(例えば、グラファイルやカーボン
シート)を圧壊し、気密性を確保する。なお、このねじ
締めによる封止部分は、原料1の装填後は、化合物結晶
を取り出すまで封止したままである。すなわち、通気口
8のみが外部から開閉可能である。
の接合部はねじ締めによる封止構造とし、ねじを締める
ことによりシール材(例えば、グラファイルやカーボン
シート)を圧壊し、気密性を確保する。なお、このねじ
締めによる封止部分は、原料1の装填後は、化合物結晶
を取り出すまで封止したままである。すなわち、通気口
8のみが外部から開閉可能である。
【0022】開閉棒9は、これに連なる押し棒10を設
け、通気口8を開閉するため、第3図に示したように、
O−リング15で圧力容器6の気密を保ち、押しねじ1
1を回すことにより開閉方向に駆動する。また、圧力容
器としての気密を保つように押し棒10にO−リング1
5を配置し、圧力容器6の外側に出た部分の押し棒10
を、モーター駆動する機構(図示せず。)でもよい。
け、通気口8を開閉するため、第3図に示したように、
O−リング15で圧力容器6の気密を保ち、押しねじ1
1を回すことにより開閉方向に駆動する。また、圧力容
器としての気密を保つように押し棒10にO−リング1
5を配置し、圧力容器6の外側に出た部分の押し棒10
を、モーター駆動する機構(図示せず。)でもよい。
【0023】押し棒10を内装するのは、圧力容器5と
圧力容器ベース13のいずれの場所であっても基本的に
は変わらないが、ホットゾーンの構成や強度などから、
成長容器ベース13の底部か、成長容器5の上部が望ま
しい。ブリッヂマン法のように成長容器5と成長容器ベ
ース13とを駆動する場合は、その駆動するシャフト1
2の内部に押し棒10を装備し、その延長上に開閉棒9
を配置する第1図の構成にすると、成長容器5と成長容
器ベース13の位置によらず通気口8の開閉が行えてよ
い。もちろん、成長容器5と成長容器ベース13の駆動
を必要としないVGF法であっても、シャフト12を設
ける。圧力容器内に突き出た該シャフト12に成長容器
5と成長容器ベース13を固着することにより、開閉棒
9の駆動が容易に行える。
圧力容器ベース13のいずれの場所であっても基本的に
は変わらないが、ホットゾーンの構成や強度などから、
成長容器ベース13の底部か、成長容器5の上部が望ま
しい。ブリッヂマン法のように成長容器5と成長容器ベ
ース13とを駆動する場合は、その駆動するシャフト1
2の内部に押し棒10を装備し、その延長上に開閉棒9
を配置する第1図の構成にすると、成長容器5と成長容
器ベース13の位置によらず通気口8の開閉が行えてよ
い。もちろん、成長容器5と成長容器ベース13の駆動
を必要としないVGF法であっても、シャフト12を設
ける。圧力容器内に突き出た該シャフト12に成長容器
5と成長容器ベース13を固着することにより、開閉棒
9の駆動が容易に行える。
【0024】開閉棒9の駆動に際し、成長容器5と成長
容器ベース13を圧力容器6に固着するシャフト12を
設けない場合は、別途成長容器5と成長容器ベース13
を固着する構造を設けなければならない。なお、ブリッ
ヂマン法の場合のみ必要となる駆動シャフトの駆動機構
は第1図では省略してある。
容器ベース13を圧力容器6に固着するシャフト12を
設けない場合は、別途成長容器5と成長容器ベース13
を固着する構造を設けなければならない。なお、ブリッ
ヂマン法の場合のみ必要となる駆動シャフトの駆動機構
は第1図では省略してある。
【0025】原料1を装填した結晶育成用のルツボ2と
V族成分元素3を装填した蒸気圧制御用のリザーバ4が
収められた成長容器5を圧力容器6内に装着する。圧力
容器6内を真空排気する際は、通気口8を開けておき、
成長容器5と成長容器ベース13の内部も同時に排気す
る。真空排気終了時に、開閉棒9を駆動して通気口8を
閉め、成長容器5と成長容器ベース13を密閉する。こ
の後、昇温を開始し、成長容器5と成長容器ベース13
の内部のV族成分元素3の蒸気圧に等しい圧力となるよ
うに、不活性ガスを圧力容器6内に供給する。昇温、原
料融解、種付け、結晶育成、冷却の工程を通じて、V族
成分元素3が蒸気圧をもつ過程で、成長容器5と成長容
器ベース13は密閉であり、蒸気は成長容器5と成長容
器ベース13から漏れ出てこない。該蒸気圧が十分小さ
くなってから、あるいは冷却が終了してから、通気口8
を開けて、成長容器5と成長容器ベース13の内圧と、
圧力容器6の内圧とを大気圧に戻し、成長容器5と成長
容器ベース13から化合物結晶を取り出す。ねじ締めに
よる封止構造の成長容器5と成長容器ベース13は繰り
返し使用が可能である。
V族成分元素3を装填した蒸気圧制御用のリザーバ4が
収められた成長容器5を圧力容器6内に装着する。圧力
容器6内を真空排気する際は、通気口8を開けておき、
成長容器5と成長容器ベース13の内部も同時に排気す
る。真空排気終了時に、開閉棒9を駆動して通気口8を
閉め、成長容器5と成長容器ベース13を密閉する。こ
の後、昇温を開始し、成長容器5と成長容器ベース13
の内部のV族成分元素3の蒸気圧に等しい圧力となるよ
うに、不活性ガスを圧力容器6内に供給する。昇温、原
料融解、種付け、結晶育成、冷却の工程を通じて、V族
成分元素3が蒸気圧をもつ過程で、成長容器5と成長容
器ベース13は密閉であり、蒸気は成長容器5と成長容
器ベース13から漏れ出てこない。該蒸気圧が十分小さ
くなってから、あるいは冷却が終了してから、通気口8
を開けて、成長容器5と成長容器ベース13の内圧と、
圧力容器6の内圧とを大気圧に戻し、成長容器5と成長
容器ベース13から化合物結晶を取り出す。ねじ締めに
よる封止構造の成長容器5と成長容器ベース13は繰り
返し使用が可能である。
【0026】
【実施例】図1に示すような製造方法において、圧力容
器6の底部の中心に設けられたシャフト12に成長容器
ベース13を取り着け、この上に50gの赤燐3を入れ
た蒸気圧制御用リザーバ4を乗せ、その上方に、820
gの原料1を装填した内径51mmのPBNルツボ2を
配置し、成長容器5をかぶせた。該成長容器5と該成長
容器ベース13はグラファイトに熱分解炭素を被覆した
ものを用いた。該成長容器ベース13の中心部には、前
記リザーバ4内の温度をモニタするための熱電対14を
配置し、該成長容器ベース13には、通気口8が設けら
れている。該通気口8は、成長容器ベース13の内側で
内径が1mm、成長容器ベース13の外側で内径が6m
mとした。開閉棒9は該成長容器ベース13に収めら
れ、シャフト12に内装された押し棒10と一直線上に
配置されている。該押し棒9を駆動する押しねじ11は
前記シャフト12の下部のフランジに19取り付け、O
−リング15で密封される。
器6の底部の中心に設けられたシャフト12に成長容器
ベース13を取り着け、この上に50gの赤燐3を入れ
た蒸気圧制御用リザーバ4を乗せ、その上方に、820
gの原料1を装填した内径51mmのPBNルツボ2を
配置し、成長容器5をかぶせた。該成長容器5と該成長
容器ベース13はグラファイトに熱分解炭素を被覆した
ものを用いた。該成長容器ベース13の中心部には、前
記リザーバ4内の温度をモニタするための熱電対14を
配置し、該成長容器ベース13には、通気口8が設けら
れている。該通気口8は、成長容器ベース13の内側で
内径が1mm、成長容器ベース13の外側で内径が6m
mとした。開閉棒9は該成長容器ベース13に収めら
れ、シャフト12に内装された押し棒10と一直線上に
配置されている。該押し棒9を駆動する押しねじ11は
前記シャフト12の下部のフランジに19取り付け、O
−リング15で密封される。
【0027】前記成長容器5を加熱するヒーター16は
グラファイト製で、円筒型で同径のものを同軸上に4段
重ねた。上の3つのヒーター16をルツボ2の加熱用と
し、下の1つのヒーター16をリザーバ4の加熱用と
し、上下のヒーター16の間と、外周及び成長容器5の
上方と、成長容器ベース13の下方とは、断熱材17で
構成する。
グラファイト製で、円筒型で同径のものを同軸上に4段
重ねた。上の3つのヒーター16をルツボ2の加熱用と
し、下の1つのヒーター16をリザーバ4の加熱用と
し、上下のヒーター16の間と、外周及び成長容器5の
上方と、成長容器ベース13の下方とは、断熱材17で
構成する。
【0028】前記ヒーター16と前記断熱材17とを取
り付けた後、圧力容器6を閉め、真空排気を開始した。
この時、前記通気口8は開けておき、成長容器5と成長
容器ベース13の内部も排気した。約2時間排気した
後、押しねじ11を回して押し棒10を上げ、開閉棒9
で通気口8を閉め、成長容器5と成長容器ベース13の
内部を密閉した。この状態から昇温を開始した。リザー
バ4内の赤燐3の温度が320℃となった時点で真空排
気を止め、Arガスを前記圧力容器6内に供給し始め
た。
り付けた後、圧力容器6を閉め、真空排気を開始した。
この時、前記通気口8は開けておき、成長容器5と成長
容器ベース13の内部も排気した。約2時間排気した
後、押しねじ11を回して押し棒10を上げ、開閉棒9
で通気口8を閉め、成長容器5と成長容器ベース13の
内部を密閉した。この状態から昇温を開始した。リザー
バ4内の赤燐3の温度が320℃となった時点で真空排
気を止め、Arガスを前記圧力容器6内に供給し始め
た。
【0029】以後は、蒸気圧制御用の赤燐3の温度をリ
ザーバ4内に配置した熱電対14で測定し、赤燐3の温
度から蒸気圧(成長容器5と圧力容器ベース13の内
圧)を求め、これに圧力容器6の内圧(成長容器5と圧
力容器ベース13の外圧)が等しくなるように該Arガ
スを供給していった。
ザーバ4内に配置した熱電対14で測定し、赤燐3の温
度から蒸気圧(成長容器5と圧力容器ベース13の内
圧)を求め、これに圧力容器6の内圧(成長容器5と圧
力容器ベース13の外圧)が等しくなるように該Arガ
スを供給していった。
【0030】昇温開始から約4時間後、リザーバ4用の
ヒーター16の制御温度を595℃として保持した。こ
の時のリザーバ4内の赤燐3の温度は578℃であり、
成長容器5と成長容器ベース13の内部の燐の蒸気圧は
35kg/cm2 であり、圧力容器6内に供給したAr
ガス圧(成長容器5と成長容器ベース13の外圧)も3
5kg/cm2 である。
ヒーター16の制御温度を595℃として保持した。こ
の時のリザーバ4内の赤燐3の温度は578℃であり、
成長容器5と成長容器ベース13の内部の燐の蒸気圧は
35kg/cm2 であり、圧力容器6内に供給したAr
ガス圧(成長容器5と成長容器ベース13の外圧)も3
5kg/cm2 である。
【0031】この約20分後、ルツボ2側の3つのヒー
ター16の制御温度を上からそれぞれ1520℃、14
85℃、1420℃として昇温を終了した。この状態は
別途行った温度分布測定から得られた種付け条件であ
り、種結晶7の上端の位置の温度がGaPの融点とな
り、原料1の温度が高く、種結晶7の温度が低い温度勾
配となり、該温度勾配は種結晶7で、20℃/cm、そ
の上方の原料1では5〜10℃/cmである。この状態
を約2時間保持し、原料1と種結晶7の上端を融解して
種付けを行った。
ター16の制御温度を上からそれぞれ1520℃、14
85℃、1420℃として昇温を終了した。この状態は
別途行った温度分布測定から得られた種付け条件であ
り、種結晶7の上端の位置の温度がGaPの融点とな
り、原料1の温度が高く、種結晶7の温度が低い温度勾
配となり、該温度勾配は種結晶7で、20℃/cm、そ
の上方の原料1では5〜10℃/cmである。この状態
を約2時間保持し、原料1と種結晶7の上端を融解して
種付けを行った。
【0032】その後、上部3つのヒーター16の制御温
度を3.2℃/hで27時間下げ、結晶育成を行った。
この間、リザーバ4内の温度を578℃(成長容器5と
成長容器ベース13の内部の燐の蒸気圧は35kg/c
m2 )、圧力容器6内のArガス圧を35kg/cm2
に保持した。これにより、成長容器5の通気口8のシー
ルや他のねじシール部分から、燐の蒸気が漏れることが
完全に防止された。その後、約5時間で上部3つのヒー
ター16の制御温度が800℃になり、リザーバ4側の
ヒーター16の制御温度が440℃になるまで冷却し
た。この間は昇温時と同様に、圧力容器6の内圧(成長
容器5と成長容器ベース13の外圧)が成長容器5と成
長容器ベース13の内部の燐の蒸気圧に等しくなるよ
う、圧力容器6内に供給したArガスを排気した。圧力
容器6の内圧が2kg/cm2 となった時点でArガス
の排気を止め、さらに室温まで約10時間で冷却した。
冷却終了後、通気口8を開け、成長容器5の内圧と圧力
容器6の内圧を大気圧に戻し、圧力容器6から成長容器
5を取り出し、成長容器5から化合物結晶を取り出し
た。
度を3.2℃/hで27時間下げ、結晶育成を行った。
この間、リザーバ4内の温度を578℃(成長容器5と
成長容器ベース13の内部の燐の蒸気圧は35kg/c
m2 )、圧力容器6内のArガス圧を35kg/cm2
に保持した。これにより、成長容器5の通気口8のシー
ルや他のねじシール部分から、燐の蒸気が漏れることが
完全に防止された。その後、約5時間で上部3つのヒー
ター16の制御温度が800℃になり、リザーバ4側の
ヒーター16の制御温度が440℃になるまで冷却し
た。この間は昇温時と同様に、圧力容器6の内圧(成長
容器5と成長容器ベース13の外圧)が成長容器5と成
長容器ベース13の内部の燐の蒸気圧に等しくなるよ
う、圧力容器6内に供給したArガスを排気した。圧力
容器6の内圧が2kg/cm2 となった時点でArガス
の排気を止め、さらに室温まで約10時間で冷却した。
冷却終了後、通気口8を開け、成長容器5の内圧と圧力
容器6の内圧を大気圧に戻し、圧力容器6から成長容器
5を取り出し、成長容器5から化合物結晶を取り出し
た。
【0033】直径2インチ、直胴長80mmの単結晶が
得られた。成長容器5内には燐が付着していたが、圧力
容器6内には燐が漏れ出していなかった。成長容器5は
付着した燐を取り除くだけで繰り返し使用でき、圧力容
器6はそのまま次の化合物結晶の製造に使用することが
できた。
得られた。成長容器5内には燐が付着していたが、圧力
容器6内には燐が漏れ出していなかった。成長容器5は
付着した燐を取り除くだけで繰り返し使用でき、圧力容
器6はそのまま次の化合物結晶の製造に使用することが
できた。
【0034】
【発明の効果】本発明の製造装置と製造方法により、成
長容器を繰り返し使用でき、かつ真空封止などのプロセ
スを必要とせず、また、化合物結晶の製造毎にホットゾ
ーンや圧力容器のクリーニング作業を必要としないで、
化合物結晶の製造が実現でき、低ランニングコストで化
合物結晶を製造することができるようになった。
長容器を繰り返し使用でき、かつ真空封止などのプロセ
スを必要とせず、また、化合物結晶の製造毎にホットゾ
ーンや圧力容器のクリーニング作業を必要としないで、
化合物結晶の製造が実現でき、低ランニングコストで化
合物結晶を製造することができるようになった。
【図1】本発明の成長容器の構成断面図である。
【図2】第1図の通気口の拡大図である。
【図3】第1図の押しねじ部の拡大図である。
【図4】化合物結晶の製造装置全体の構成断面図であ
る。
る。
【図5】従来の技術における成長容器の構成断面図であ
る。
る。
1 原料 2 ルツボ 3 V族成分元素 4 リザーバ 5 成長容器 6 圧力容器 7 種結晶 8 通気口 9 開閉棒 10 押し棒 11 押しねじ 12 シャフト 13 成長容器ベース 14 熱電対 15 O−リング 16 ヒーター 17 断熱材 18 不活性ガス供給口 19 フランジ
Claims (7)
- 【請求項1】 種結晶と原料融液を収容可能なルツボ
と、該ルツボを収め蒸気を満たす空間を有する成長容器
と、該成長容器を内部に収める圧力容器とを有し、化合
物結晶を構成する成分元素の内の解離圧の高い成分元素
の蒸気で蒸気圧を制御しつつ、種結晶を基に温度勾配法
で原料融液を徐々に冷却して化合物結晶を成長させる化
合物結晶の製造装置において、成長容器内の空間と圧力
容器の内部とを連通するために通気口を成長容器に設
け、かつ成長容器内の空間を密閉するために圧力容器の
外部から開閉可能なシール材を前記通気口に設けたこと
を特徴とする化合物結晶の製造装置。 - 【請求項2】 前記成長容器が熱分解炭素、ガラス状炭
素、炭化珪素よりなる群から選択した1種または2種以
上の材料を被覆したグラファイトで形成されることを特
徴とする請求項1に記載の化合物結晶の製造装置。 - 【請求項3】 前記通気口が成長容器内側で小さい内径
を有し外側で大きい内径を有する構造であることを特徴
とする請求項1および請求項2に記載の化合物結晶の製
造装置。 - 【請求項4】 シール材が開閉棒からなり成長容器外側
で、通気口の内壁部と同材質の被覆を施した前記開閉棒
が滑動することで通気口が開閉することを特徴とする請
求項1から請求項3に記載の化合物結晶の製造装置。 - 【請求項5】 前記開閉棒に連なる押し棒を設け、該押
し棒が前記圧力容器に固着したシャフト内で滑動可能で
該押し棒を駆動する機構があることを特徴とする請求項
1から請求項4に記載の化合物結晶の製造装置。 - 【請求項6】 請求項1から5に記載の化合物結晶の製
造装置を用いた、次の工程による化合物結晶の製造方
法。 (イ)化合物の原料と、種結晶と、化合物結晶を構成す
る成分元素の内の解離圧の高い成分元素を充填した蒸気
圧制御用のリザーバとを、成長容器内に収め、該成長容
器を圧力容器内に装着する第1工程。 (ロ)前記成長容器の通気口を開けて、該成長容器内と
前記圧力容器内とを真空排気してから、前記通気口を閉
める第2工程。 (ハ)前記成長容器内の蒸気圧に等しい圧力となるよう
に、不活性ガスを前記圧力容器内に供給しつつ、該成長
容器を加熱昇温し、温度制御して、前記原料を融解する
第3工程。 (ニ)前記成長容器内の蒸気圧に等しい圧力となるよう
に、不活性ガスを前記圧力容器に供給しつつ、該成長容
器を加熱昇温し、温度制御して、前記原料と前記種結晶
の一部を融解して、種付けする第4工程。 (ホ)前記成長容器内の蒸気圧に等しい圧力となるよう
に、不活性ガスを前記圧力容器に供給しつつ、該成長容
器を降温し、温度制御して、円筒形のルツボ内で原料融
液を徐々に冷却して、種結晶から上方へと化合物結晶を
育成する第5工程。 (ヘ)前記成長容器内の蒸気圧に等しい圧力となるよう
に、不活性ガスを前記圧力容器に供給しつつ、該成長容
器を室温まで冷却する第6工程。 - 【請求項7】 化合物結晶を構成する成分元素の内の解
離圧の高い成分元素の蒸気で蒸気圧制御を行いつつ、温
度勾配法で原料融液を除々に冷却して、種結晶を基に化
合物結晶を成長させる化合物結晶の製造方法において、
化合物結晶を成長させる密封空間の周囲に圧力空間を設
け、該密封空間内における少なくとも原料融液、種付
け、および結晶成長の工程は、該密封空間と圧力空間と
の連通を遮断し、それ以外の工程では該密封空間と圧力
空間とを連通する操作を該圧力空間の外部から行うよう
にしたことを特徴とする化合物結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32873296A JPH10167873A (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 化合物結晶の製造装置および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32873296A JPH10167873A (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 化合物結晶の製造装置および製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10167873A true JPH10167873A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18213565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32873296A Pending JPH10167873A (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 化合物結晶の製造装置および製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10167873A (ja) |
-
1996
- 1996-12-09 JP JP32873296A patent/JPH10167873A/ja active Pending
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