JPH10165868A - 塗工装置 - Google Patents

塗工装置

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JPH10165868A
JPH10165868A JP33054796A JP33054796A JPH10165868A JP H10165868 A JPH10165868 A JP H10165868A JP 33054796 A JP33054796 A JP 33054796A JP 33054796 A JP33054796 A JP 33054796A JP H10165868 A JPH10165868 A JP H10165868A
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support
coating
web
free
roller
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JP33054796A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Uchida
圭亮 内田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、連続移動する支持体の表面に発生
する空気境界層の存在が泡の発生の要因であることに着
目し、この空気境界層の厚さを減少させることで液状塗
布材料に泡が混入するのを抑制することができる塗工装
置を提供するものである。 【解決手段】 自由落下カーテン膜4がウエブ5に衝突
する部分に対してウエブ5の移動方向上流側直前に、ウ
エブ5の移動方向に対して反対方向に回転する円柱状の
ローラ6を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真用撮影フィル
ム、印画紙等の写真感光材料、感熱記録材料等の製品を
製造可能な塗工装置に関し、詳しくは、塗工液から構成
される自由落下カーテンを該自由落下カーテンの下方で
水平移動する帯状の支持体に衝突させて塗工する塗工装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗工液からなる自由落下カーテン
をウエブ(支持体)に衝突させて塗工を行なう、所謂カ
ーテン塗工装置としては、例えば、特公昭49−241
33号公報に記載されているものがあり、図14、15のよ
うに示される。図14、15において、1は図示しないスリ
ットを有する塗工ヘッドを構成する注射器であり、この
注射器1からの塗工液は2本のエッジガイド2、3に供
給されることにより塗工液による自由落下カーテン、す
なわち、カーテン膜4が形成される。このカーテン膜4
はカーテン膜4の下方で水平移動する帯状のウエブ5に
衝突されることにより、ウエブ5に塗工が施される。
【0003】ここで、二本のエッジガイド2、3によっ
て塗工液を供給するのは、塗工幅(カーテン膜4の幅)
を規制するのと同時に、カーテン膜4を安定化させるた
めである。ところで、このカーテン塗布法にあっては、
塗布品質および塗工速度の向上の要請から、高精度の塗
布が要求されるようになっている。この塗工速度を上げ
るためにウエブ5の移動速度を増加させると、カーテン
膜4が不安定になるばかりでなく、不安定になることに
よってビード部(ウエブ5に対してカーテン膜4が衝突
する部分)から微細な気泡が塗布液に混入するため、製
品の品質が悪化するという不具合が発生してしまう。
【0004】このような不具合を解消してカーテン膜の
安定を図るために、上述した従来技術では、周囲の破壊
的な空気の流れと遮断するエアシールドを用いるように
しているが、このようにした場合、エッジガイド2、3
の近傍にはマランゴニ効果と呼ばれる薄膜部が生じてし
まい、膜の不安定性の原因となってしまった。このよう
な不具合を解消するために、従来では、塗布液の落下方
向と同一方向に走行する固体よにってカーテン液膜を支
持したり(特公昭54−68847号公報参照)、エッ
ジガイドの表面に塗布液を噴流状に吐出する手段を設け
たり(特開平1−199668号公報参照)、ウエブの
塗布液の成分の一部を予め微量に塗布(特開昭63−2
2192号公報参照)することにより、カーテン膜の安
定化を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のカーテン塗布法にあっては、発生する泡の量
を減少することしかできず、泡の発生を充分に抑制する
ことができなかった。このため、塗布工程の高速化に伴
って液状塗布材料を連続走行するウエブに塗布するとき
に混入する泡の量は増大してしまった。
【0006】したがって、発生後の泡の量を減らす対象
の対策に留らず、混入する泡の発生を防止するかその量
を減少させるための抜本的な対策が必要となっている。
そこで本発明は、連続移動する支持体の表面に発生する
空気境界層の存在が泡の発生の要因であることに着目
し、この空気境界層の厚さを減少させることで液状塗布
材料に泡が混入するのを抑制することができる塗工装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するために、塗工液から構成される自由
落下カーテンを該自由落下カーテンの下方で水平移動す
る帯状の支持体に衝突させて塗工する塗工装置におい
て、前記自由落下カーテンの液膜が支持体に衝突する部
分に対して支持体の移動方向上流側直前に、支持体の移
動方向に対して反対方向に回転する円柱状のローラを設
けたことを特徴としている。
【0008】その場合、支持体が移動する際に支持体の
表面に発生する空気境界層を支持体の移動方向に対して
反対方向に回転する円柱状のローラによって打ち消し合
うことにより、支持体の表面の空気境界層の影響を低減
して塗布液中に空気(気泡)が混入するのを抑制するこ
とができ、製品の品質を向上させることができる。請求
項2記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項
1記載の発明において、前記ローラの半径が5mm〜5
0mmに設定されることを特徴としている。
【0009】その場合、実際の製造工程を考慮に入れて
ローラの半径を5mm〜50mmに設定することで、塗
布液に空気が混入するのを抑制することができる。な
お、ローラの半径が5mm以下であると、気流を発生す
るのに必要な回転速度が大きすぎて実用上適用困難であ
ることから好ましくなく、ローラの半径が50mm以上
であると、回転に必要なエネルギーが大きすぎ、かつ、
設置体積が大きすぎるので実用上問題がある。
【0010】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1または2記載の発明において、前記
ローラの回転速度と支持体の移動速度の比が0.8〜
1.8に設定されることを特徴としている。その場合、
実際の製造工程を考慮に入れてローラの回転速度と支持
体の移動速度の比を0.8〜1.8を設定することで、
塗布液に空気が混入するのを抑制することができる。
【0011】なお、前記比が0.8以下または1.8以
上に設定されると、塗工条件によっては、塗布液内に気
泡が混入するという不具合が発生して好ましくない。請
求項4記載の発明は、上記課題を解決するために、請求
項1〜3何れかに記載の発明において、前記ローラと支
持体の離隔距離が1.0mm〜10.0mmに設定され
ることを特徴としている。
【0012】その場合、ローラと支持体の離隔距離を
1.0mm〜10.0mmに設定することで、塗布液に
空気が混入するのをより一層抑制することができる。な
お、前記離隔距離が1.0mm以下であると、実際の製
造工程では支持体のふらつきによりローラに接触してし
まうという不具合が発生して好ましくなく、前記離隔距
離が10.0mm以上であると、発生させる空気境界層
の速度の大きさに必要なローラの回転速度が大きすぎる
という不具合が発生して好ましくない。
【0013】請求項5記載の発明は、上記課題を解決す
るために、塗工液から構成される自由落下カーテンを該
自由落下カーテンの下方で水平移動する帯状の支持体に
衝突させて塗工する塗工装置において、前記自由落下カ
ーテンの液膜が支持体に衝突する部分に対して支持体の
移動方向上流側直前を、水平方向に対して屈曲させたこ
とを特徴としている。
【0014】その場合、屈曲部分で空気境界層を剥離さ
せることができ、支持体の表面の空気境界層の影響を低
減して塗布液中に空気(気泡)が混入するのを抑制する
ことができ、製品の品質を向上させることができる。請
求項6記載の発明は、上記課題を解決するために、請求
項5記載の発明において、前記支持体の移動方向上流側
直前を2箇所屈曲させるとともに該屈曲箇所に支持体の
移動を案内するローラを配設し、支持体の移動方向と水
平方向に移動しない箇所を短くしたことを特徴としてい
る。
【0015】その場合、支持体の水平移動距離を短くし
て空気境界層を剥離させるために支持体を確実に支持す
ることができる。請求項7記載の発明は、上記課題を解
決するために、請求項5または6記載の発明において、
前記支持体の屈曲角度を30゜〜100゜の範囲に設定
したことを特徴としている。
【0016】その場合、支持体の屈曲角度を30゜〜1
00゜の範囲に設定することで、塗布液に空気が混入す
るのをより一層抑制することができる。何故なら、支持
体の屈曲角度が30゜以下であると、空気境界層の剥離
が十分ではなく、空気の混入を抑えきれず支持体の屈曲
角度が100゜以上であると、製造工程のレイアウト
上、設置困難である点で好ましくないからである。
【0017】請求項8記載の発明は、上記課題を解決す
るために、塗工液から構成される自由落下カーテンを該
自由落下カーテンの下方で水平移動する帯状の支持体に
衝突させて塗工する塗工装置において、前記自由落下カ
ーテンの液膜が支持体に衝突する部分に対して支持体の
移動方向上流側直前に、略三角形状の部材を設置したこ
とを特徴としている。
【0018】その場合、支持体の表面に発生する空気境
界層を略三角形状の部材で剥離させることができ、支持
体の表面の空気境界層の影響を低減して塗布液中に空気
(気泡)が混入するのを抑制することができ、製品の品
質を向上させることができる。また、三角形状の部材に
よって剥離された空気は三角形状の部材の背面に沿って
流れが形成されるため、カーテン膜の表面に影響を及ぼ
すのを防止することができる。
【0019】請求項9記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項8記載の発明において、前記部材と支
持体との離隔距離が1.0mm〜3.0mmに設定され
ることを特徴としている。その場合、実際の製造工程を
考慮に入れて支持体の上下のふらつきを考慮して三角形
状の部材と支持体との離隔距離を1.0mm〜3.0m
mに設定することで塗布液に空気が混入するのをより一
層抑制することができる。
【0020】なお、前記離隔距離が1.0mm以下であ
ると、実際の製造工程では支持体のふらつきにより部材
に接触してしまうという不具合が発生して好ましくな
く、前記離隔距離が3.0mm以上であると、支持体表
面の空気境界層の剥離が不十分であり、塗布液に空気が
混入してしまうという不具合が発生して好ましくない。
請求項10記載の発明は、上記課題を解決するために、請
求項8または9記載の発明において、前記部材は、一面
が支持体の移動面と略水平な面になるように配設される
とともに、該水平面の端部と略45゜以下の角度を有する
他面を有することを特徴としている。
【0021】その場合、支持体の水平面の端部と略45゜
以下の角度を有する他面を三角形状の部材に設けること
で、空気境界層を効率良く剥離することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜8は本発明に係る塗工装置の
第1実施形態を示す図であり、請求項1〜4何れかに記
載の発明に対応している。まず、本発明の基本原理を図
1に基づいて簡単に説明する。
【0023】一般に、静止した空気中で半無限平板が運
動する場合には、空気の粘性のために平板の運動に伴っ
て平板の表面付近に空気境界層と呼ばれる空気の流れが
発生する。ここで、図1に示すように、等速度で図中、
矢印で示す左方向に運動する平板Aについて考えると、
平板Aの表面には平板Aに引きずられるかたちで空気が
移動する領域が作られる。図1においては、砂点で示す
領域に相当し、流体力学によると空気の流速分布は図1
のようになる。
【0024】この空気層の厚さをδ、平板Aの移動した
動いた距離をL、移動速度をU0、空気の粘性をμ、密
度をρとすると、層の厚さは下記式で示される。
【0025】
【数1】
【0026】但し、Kは比例定数を示す。仮に、Kの値
を4とすると平板Aからδ離れた点での空気の移動速度
はμの0.5%以下となる。すなわち、δを境界層の厚
さとするとこの領域内で空気の運動の影響があると考え
ることができる。したがって、δが大きくなると、運動
する平板Aに引きずられる空気の量が増大し、液体塗布
材料の塗布時に混入する空気、すなわち、泡の量が増大
する。
【0027】そこで、本実施形態は、液体塗布材料の塗
布時に空気、すなわち、泡の量が増大するのを以下に示
す方法で抑制するよにうしたものである。以下、図2〜
8に基づいて説明する。なお、図14に示す構成と同一の
部材には同一番号を付して説明を省略する。図2は図14
の塗工装置を側面から見た図であり、本実施形態にあっ
ても、図示しない塗工ヘッドから供給される自由落下カ
ーテン膜4は、この自由落下カーテン膜4の下方で水平
移動する帯状のウエブ(支持体)5に衝突せることによ
り、ビードからウエブ5の移動方向に引き延ばされ、順
次塗工が行なわれる。このカーテン膜4は極めて薄く、
一般的に幅が50μm以下である。
【0028】また、自由落下カーテン膜4がウエブ5に
衝突する部分に対して(これをビードという)、ウエブ
5の移動方向上流側直前にはウエブ5の移動方向(矢印
で示す方向)に対して矢印で示す反対方向(反時計方
向)に回転する円柱状のローラ6が設けられている。本
実施形態では、このローラ6によって上述した空気境界
層が発生しているが、この層内の空気の流れはウエブ5
の表面の空気境界層内の空気の流れと反対方向であるた
め、引き起こされる流れを打ち消すことができる。した
がって、塗布時に気泡混入が大きな原因となるウエブ5
表面の空気境界層の影響を軽減することができる。
【0029】また、このローラ6による抑制効果の設定
は、ウエブ5の運動速度(式のU0)・最終屈曲点か
ら塗布液を塗布する点までの距離(式のL)の条件に
応じてローラ6の半径、回転速度、塗布液までの距離を
変化させることで塗布液や塗布材料に適した塗布条件に
対応することができる。通常の塗布工程では、塗布材料
の移動速度は約3.0m/s〜7.0m/sであること
から、本実施形態では、ローラ6の条件を以下のように
設定している。
【0030】まず、ローラを設置するスペース、円柱状
のローラ6を回転させる電力消費を考慮すると、ローラ
6の回転半径は5mm〜50mmに設定するのが好まし
い。何故なら、5mm以下であると、気流を発生するの
に必要な回転速度が大きすぎて実用上適用困難であり、
50mm以上であると、回転に必要なエネルギーが大き
すぎ、かつ、設置体積が大きすぎるので、実用上問題が
ある。
【0031】また、ウエブ5の移動速度との相対比は
0.8〜1.8であることが好ましい。何故なら、相対
比が0.8以下または1.8以上であると、塗工条件に
よっては、塗布液内に気泡が混入するという不具合が発
生するからである。さらに、ローラ6とウエブ5はでき
る限り近接させることが好ましいが、ウエブ5の材質の
不均一性や塗布装置の塗布ロールの偏心等に伴うウエブ
5表面の振動によって実際は塗工上安全な間隔を設ける
必要上、ローラ6とウエブ5の間隔は0.1mmから1
0.0mmに設定することが好ましい。
【0032】具体的には、0.1mm以下に設定する
と、実際の製造工程ではウエブ5のふらつきにより、ロ
ーラ6に接触してしまうという不具合が発生して好まし
くなく、10.0mm以上に設定すると発生させる空気
境界層の速度の大きさに必要なローラ6の回転速度が大
きすぎるという不具合が発生して好ましくない。次に、
ウエブに対して円盤状の部材を使って効果を確認したも
のを図3〜8に基づいて説明する。
【0033】図3は、制御円盤10の条件を変化させてウ
エブ11表面の空気境界層の速度分布と変動を計測したも
のである。なお、12は計測点である。また、図4〜8は
各制御点と速度分布の関係を示した図であり、図4は制
御円盤なし、図5は静止した制御円盤10を設置した場
合、図6、7、8はそれぞれウエブ11の移動速度と略同
等、ウエブ11の移動速度の1.5倍、ウエブ11の移動速
度の2倍の回転速度を制御円盤10に与えた場合の実験結
果である。
【0034】この結果から分かるように、ウエブにロー
ラを設置しないものに比べてウエブにローラを設置した
場合に空気境界層を抑制することができることが確認さ
れた。本実施形態では、制御円盤がないものに比べて塗
布液に対する空気混入の影響を50%以上低減すること
ができる。図9、10は本発明に係る塗工装置の第2実施
形態を示す図であり、請求項5〜7何れかに記載の発明
に対応している。なお、本実施形態では、第1実施形態
と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
【0035】本実施形態では、ウエブ5の移動に伴う空
気境界層の影響は上記式に依っているが、この値を減
少させるためにLを小さくすれば良いことから、図9に
示すように自由落下カーテン膜4の液膜がウエブ5に衝
突する部分に対してウエブ5の移動方向上流側直前を、
水平方向に対して屈曲させたものである。このようにす
れば、ウエブ5の屈曲部分で空気境界層を剥離させるこ
とができ、ウエブ5の表面の空気境界層の影響を低減し
て塗布液中に空気(気泡)が混入するのを抑制すること
ができ、製品の品質を向上させることができる。また、
本実施形態では、屈曲させないものに比べて塗布液に対
する空気混入の影響を20%以上低減することができ
る。
【0036】また、ウエブ5の移動をスムーズにするた
めに、図10に示すようにウエブ5の移動方向上流側直前
を2箇所屈曲させるとともにこの屈曲箇所にウエブ5の
移動を案内するローラ21、22を配設し、ウエブ5の移動
方向と水平方向に移動しない箇所を短くするようにすれ
ば、実用的である。また、ウエブ5の屈曲角度は30゜
〜100゜の範囲に設定すれば、塗布液に空気が混入す
るのをより一層抑制することができる。
【0037】何故なら、ウエブ5の屈曲角度が30゜以
下であると、空気境界層の剥離が十分でなく空気の混入
を抑えきれず、ウエブ5の屈曲角度が100゜以上であ
ると、製造工程のレイアウト上、設置困難である点で好
ましくないからである。図11〜13は本発明に係る塗工装
置の第3実施形態を示す図であり、請求項8〜10何れか
に記載の発明に対応している。なお、本実施形態では、
第1実施形態と同様の構成には同一番号を付して説明を
省略する。
【0038】本実施形態では、空気境界層を機械的に剥
離させるために、自由落下カーテン膜4がウエブ5に衝
突する部分に対してウエブ5の移動方向上流側直前に、
略三角形状の部材31を設置したものである。この部材31
は、一面31aがウエブ5の移動面と略水平な面になるよ
うに配設されるとともに、該水平面の端部と略45゜以下
の角度を有する他面31bを有している。このようにして
も空気境界層を剥離して第1実施形態と同様の効果を得
ることができる。
【0039】また、本実施形態では、部材31が水平面の
端部と略45゜以下の角度を有する他面31aを有している
ため、部材31によって剥離された空気は部材31の背面
(すなわち、他面31b)に沿って流れが形成されるた
め、自由落下カーテン膜4の表面に影響を及ぼすのを防
止することができる。さらに、部材31とウエブ5との離
隔距離は1.0mm〜3.0mmに設定すれば、好まし
い。
【0040】何故なら、離隔距離が1.0mm以下であ
ると、実際の製造工程ではウエブ5のふらつきにより部
材31に接触してしまうという不具合が発生して好ましく
なく、前記離隔距離が3.0mm以上であると、ウエブ
5表面の空気境界層の剥離が不十分であり、塗布液に空
気が混入してしまうという不具合が発生して好ましくな
いからである。
【0041】次に、本実施形態の効果を図12、13に基づ
いて説明する。図12は、ウエブ41上に三角形状の部材42
を設置し、部材42とウエブ41の距離を変化させた場合の
空気境界層の速度分布および変動を調べる実験装置であ
り、43は計測点であり、ウエブの移動速度は第1実施形
態と同様である。図13はウエブ41と部材42の離隔距離を
0.8mmに設定した場合の速度分布であり、空気境界
層を大きく抑制することができることが確認された。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、支持体が
移動する際に支持体の表面に発生する空気境界層を支持
体の移動方向に対して反対方向に回転する円柱状のロー
ラによって打ち消し合うことにより、支持体の表面の空
気境界層の影響を低減して塗布液中に空気(気泡)が混
入するのを抑制することができ、製品の品質を向上させ
ることができる。
【0043】請求項2記載の発明によれば、実際の製造
工程を考慮に入れてローラの半径を5mm〜50mmに
設定することで、塗布液に空気が混入するのを抑制する
ことができる。請求項3記載の発明によれば、実際の製
造工程を考慮に入れてローラの回転速度と支持体の移動
速度の比を0.8〜1.8を設定することで、塗布液に
空気が混入するのを抑制することができる。
【0044】請求項4記載の発明によれば、実際の製造
工程を考慮に入れて支持体の上下のふらつきを考慮して
ローラと支持体の離隔距離を1.0mm〜10.0mm
に設定することで、塗布液に空気が混入するのをより一
層抑制することができる。請求項5記載の発明によれ
ば、屈曲部分で空気境界層を剥離させることができ、支
持体の表面の空気境界層の影響を低減して塗布液中に空
気(気泡)が混入するのを抑制することができ、製品の
品質を向上させることができる。
【0045】請求項6記載の発明によれば、支持体の水
平移動距離を短くして空気境界層を剥離させるために支
持体を確実に支持することができる。請求項7記載の発
明によれば、支持体の屈曲角度を30゜〜100゜の範
囲に設定することで、塗布液に空気が混入するのをより
一層抑制することができる。請求項8記載の発明によれ
ば、支持体の表面に発生する空気境界層を略三角形状の
部材で剥離させることができ、支持体の表面の空気境界
層の影響を低減して塗布液中に空気(気泡)が混入する
のを抑制することができ、製品の品質を向上させること
ができる。
【0046】また、三角形状の部材によって剥離された
空気は三角形状の部材の背面に沿って流れが形成される
ため、カーテン膜の表面に影響を及ぼすのを防止するこ
とができる。請求項9記載の発明によれば、実際の製造
工程を考慮に入れて支持体の上下のふらつきを考慮して
三角形状の部材と支持体との離隔距離を1.0mm〜
3.0mmに設定することで塗布液に空気が混入するの
をより一層抑制することができる。
【0047】請求項10記載の発明によれば、支持体の水
平面の端部と略45゜以下の角度を有する他面を三角形状
の部材に設けることで、空気境界層を効率良く剥離する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗工装置の第1実施形態を示す図
であり、その基本原理を示す図である。
【図2】第1実施形態の塗工装置の要部概略側面図を示
す図である。
【図3】第1実施形態の効果を確認を行なう実験装置の
概略構成図である。
【図4】第1実施形態の制御円盤が存在しない場合のウ
エブ表面に発生する空気境界層の状態を示す図である。
【図5】第1実施形態の制御円盤が静止している状態の
ウエブ表面に発生する空気境界層の状態を示す図であ
る。
【図6】第1実施形態の制御円盤がウエブの移動速度の
1.0場合の速度で回転している状態のウエブ表面に発
生する空気境界層の状態を示す図である。
【図7】第1実施形態の制御円盤がウエブの移動速度の
1.5場合の速度で回転している状態のウエブ表面に発
生する空気境界層の状態を示す図である。
【図8】第1実施形態の制御円盤がウエブの移動速度の
2.0場合の速度で回転している状態のウエブ表面に発
生する空気境界層の状態を示す図である。
【図9】本発明に係る塗工装置の第2実施形態を示す図
であり、その要部概略側面図である。
【図10】第2実施形態のローラでウエブを屈曲させた態
様を示す図である。
【図11】本発明に係る塗工装置の第3実施形態を示す図
であり、その要部概略側面図である。
【図12】第3実施形態の効果を確認を行なう実験装置の
概略構成図である。
【図13】第3実施形態の三角形状の部材が設置された場
合のウエブ表面に発生する空気境界層の状態を示す図で
ある。
【図14】塗工装置の構成図である。
【図15】従来の塗工装置の要部概略側面図である。
【符号の説明】
4 自由落下カーテン膜 5 ウエブ(支持体) 6 ローラ 21、22 ローラ 42 三角形状の部材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗工液から構成される自由落下カーテンを
    該自由落下カーテンの下方で水平移動する帯状の支持体
    に衝突させて塗工する塗工装置において、 前記自由落下カーテンの液膜が支持体に衝突する部分に
    対して支持体の移動方向上流側直前に、支持体の移動方
    向に対して反対方向に回転する円柱状のローラを設けた
    ことを特徴とする塗工装置。
  2. 【請求項2】前記ローラの半径が5mm〜50mmに設
    定されることを特徴とする請求項1記載の塗工装置。
  3. 【請求項3】前記ローラの回転速度と支持体の移動速度
    の比が0.8〜1.8に設定されることを特徴とする請
    求項1または2記載の塗工装置。
  4. 【請求項4】前記ローラと支持体の離隔距離が1.0m
    m〜10.0mmに設定されることを特徴とする請求項
    1〜3何れかに記載の塗工装置。
  5. 【請求項5】塗工液から構成される自由落下カーテンを
    該自由落下カーテンの下方で水平移動する帯状の支持体
    に衝突させて塗工する塗工装置において、 前記自由落下カーテンの液膜が支持体に衝突する部分に
    対して支持体の移動方向上流側直前を、水平方向に対し
    て屈曲させたことを特徴とする塗工装置。
  6. 【請求項6】前記支持体の移動方向上流側直前を2箇所
    屈曲させるとともに該屈曲箇所に支持体の移動を案内す
    るローラを配設し、支持体の移動方向と水平方向に移動
    しない箇所を短くしたことを特徴とする請求項5記載の
    塗工装置。
  7. 【請求項7】前記支持体の屈曲角度を30゜〜100゜
    の範囲に設定したことを特徴とする請求項5または6記
    載の塗工装置。
  8. 【請求項8】塗工液から構成される自由落下カーテンを
    該自由落下カーテンの下方で水平移動する帯状の支持体
    に衝突させて塗工する塗工装置において、 前記自由落下カーテンの液膜が支持体に衝突する部分に
    対して支持体の移動方向上流側直前に、略三角形状の部
    材を設置したことを特徴とする塗工装置。
  9. 【請求項9】前記部材と支持体との離隔距離が1.0m
    m〜3.0mmに設定されることを特徴とする請求項8
    記載の塗工装置。
  10. 【請求項10】前記部材は、一面が支持体の移動面と略水
    平な面になるように配設されるとともに、該水平面の端
    部と略45゜以下の角度を有する他面を有することを特徴
    とする請求項8または9記載の塗工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6743478B1 (en) * 1999-09-01 2004-06-01 Metso Paper, Inc. Curtain coater and method for curtain coating
DE10358508A1 (de) * 2003-12-13 2005-07-07 Voith Paper Patent Gmbh Auftragsvorrichtung

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